説明

データ伝送装置、システム、方法及びプログラム

【課題】高速伝送を実現するための伝送制御値を効率的に特定すること。
【解決手段】本発明のデータ伝送装置は、高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、設定された伝送制御値に基づいて高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、第1のデータ処理回路から高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を第1のデータ処理回路に設定する設定部と、を備え、第2のデータ処理回路は、第1のデータ処理回路との高速伝送路を介したデータ伝送中にエラーを検出した場合、設定部へ割込み信号を出力し、設定部は、第2のデータ処理回路から割り込み信号を受け取った場合に、記憶部に格納された複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を第1のデータ処理回路に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送装置、システム、方法及びプログラムに関し、特に、高速伝送路を介したデータ伝送におけるエンファシス値を設定するためのデータ伝送装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の装置間の高速伝送路において、各装置には高速伝送を行うためにエンファシスの設定が不可欠である。そのためには、シミュレーションでエンファシス値を算出し、算出したエンファシス値を実装置に適用することが一般的であった。但し、高速伝送の場合は、シミュレーションにより算出した複数のエンファシス値について実装置にて人手で変更しながら最適値を決定することとなり、多くの工数を費やすことになっていた。
【0003】
そこで、実装置におけるエンファシス値の最適値を自動的に決定するための技術として、特許文献1及び2がある。特許文献1には、伝送路を介して他の装置と接続され、前記他の装置との間で通信を行う通信機能を有する装置に関する技術が開示されている。特許文献1にかかる装置は、前記他の装置に対して、送信データの特性を所定範囲で設定変更して送信する送信処理部と、前記送信データに対応して、前記他の装置から受信した前記送信データの受信結果情報に基づいて、送信データの特性を設定する最適化処理部と、を備えたことを特徴とする通信機能を有する。
【0004】
特許文献2には、適応型プリエンファシスデータの伝送をループバックするための方法及び送信機に関する技術が開示されている。特許文献2にかかる適応型プリエンファシス方法は、複数のプリエンファシス制御値で第1直列データストリームをプリエンファシスして第1伝送線を介して受信機に伝送する段階と、前記プリエンファシスされた第1直列データストリームを第2伝送線を介して送信機にループバックさせる段階と、前記第2伝送線を介してループバックされた第2直列データストリームの伝送エラーを測定する段階と、前記測定された伝送エラーを前記複数のプリエンファシス制御値別に割り当てる段階と、前記伝送エラーが最小になるプリエンファシス制御値を最適のプリエンファシス強度値に設定する段階と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−53648号公報
【特許文献2】特開2006−60808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術では、高速伝送を実現するためのエンファシス値を特定するまでの処理効率が悪いという問題点がある。その理由は、特許文献1及び2では、取り得るエンファシス値の全てについて伝送の試行を行い、都度、それらの試行結果について解析を行い、試行結果等をメモリ等に格納する必要があるためである。特許文献1では、まず、送信器から受信器へサンプルデータを送信した後、受信器でサンプルデータを加工して送信器へ送り返す。そして、送信器側にて、受信の結果を解析して、その結果をテーブルに格納する。また、特許文献2では、送信器から第1の伝送線を介した伝送データを受信した受信器が、伝送エラーデータを第2の伝送線を介して送信器へ返信する。そして、送信器は、受信した伝送エラーデータをデコードし、エンファシス強度値別にレジスタに格納する。そのため、特許文献1及び2では、高速伝送を実現するための最適値を追求するあまり、処理時間が長くなり、必要とするハードウェアリソースも多くなる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、高速伝送を実現するための伝送制御値を効率的に特定するためのデータ伝送装置、システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様にかかるデータ伝送装置は、高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する設定部と、を備え、前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送中にエラーを検出した場合、前記設定部へ割込み信号を出力し、前記設定部は、前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する。
【0009】
本発明の第2の態様にかかるデータ伝送システムは、高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶手段と、設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理手段と、前記第1のデータ処理手段から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理手段と、前記伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する設定手段と、を備え、前記設定手段は、前記記憶手段から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定し、前記第1のデータ処理手段は、前記設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介して前記第2のデータ処理手段へデータを送信し、前記第2のデータ処理手段は、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定し、前記第2のデータ処理手段は、前記データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、前記設定手段へ割込み信号を出力し、前記設定手段は、前記第2のデータ処理手段から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶手段に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定する。
【0010】
本発明の第3の態様にかかるデータ伝送方法は、高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、第1のデータ処理回路と、第2のデータ処理回路と、制御部とを備えたデータ伝送装置における高速伝送路を介したデータ伝送方法であって、前記制御部は、前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定し、前記第1のデータ処理回路は、前記設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介して前記第2のデータ処理回路へデータを送信し、前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定し、前記第2のデータ処理回路は、前記データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、前記制御部へ割込み信号を出力し、前記制御部は、前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する。
【0011】
本発明の第4の態様にかかるデータ伝送プログラムは、高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、を備えるコンピュータに、前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得する手段と、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段と、前記第2のデータ処理回路から前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送に基づき出力された割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得する手段と、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、高速伝送を実現するための伝送制御値を効率的に特定するためのデータ伝送装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるデータ伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるデータ伝送方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかるエンファシステーブルの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかるエンファシス値調整方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0015】
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかるデータ伝送装置1の構成を示すブロック図である。データ伝送装置1は、第1のデータ処理回路11と、第2のデータ処理回路12と、設定部13と、記憶部14とを備える。第1のデータ処理回路11と第2のデータ処理回路12とは、高速伝送路16で接続され、少なくとも第1のデータ処理回路11から第2のデータ処理回路12へデータを伝送することができる。
【0016】
記憶部14は、伝送制御値15a、・・・伝送制御値15nを記憶する記憶装置である。伝送制御値15a、・・・伝送制御値15nは、高速伝送路16を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値である。
【0017】
第1のデータ処理回路11は、設定された伝送制御値に基づいて高速伝送路16を介して第2のデータ処理回路12へデータを送信する電子回路である。第2のデータ処理回路12は、第1のデータ処理回路11から高速伝送路16を介してデータを受信する電子回路である。また、第2のデータ処理回路12は、第1のデータ処理回路11との高速伝送路16を介したデータ伝送中にエラーを検出した場合、設定部13へ割込み信号18を出力する。
【0018】
設定部13は、記憶部14から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を第1のデータ処理回路11に設定する。また、設定部13は、第2のデータ処理回路12から割り込み信号18を受け取った場合に、記憶部14に格納された複数の候補値の中から未取得の伝送制御値(17a)を取得する。そして、設定部13は、取得した伝送制御値(17b)を第1のデータ処理回路11に設定する。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態1にかかるデータ伝送方法の処理の流れを示すシーケンス図である。まず、設定部13は、記憶部14に対して複数の候補値の一を要求する(S11)。ここでは、設定部13は、記憶部14から第1のデータ処理回路11に初期設定するための伝送制御値を要求する。次に、設定部13は、記憶部14から伝送制御値を取得する(S12)。つまり、設定部13は、記憶部14に格納された伝送制御値15a、・・・伝送制御値15nのうち一の候補値である伝送制御値を選択して、取得する。そして、設定部13は、第1のデータ処理回路11に対して取得した伝送制御値を設定する(S13)。これにより、第1のデータ処理回路11には、伝送制御値の初期値が設定される。
【0020】
そして、第1のデータ処理回路11は、データ伝送を行う(S14)。つまり、第1のデータ処理回路11は、設定された伝送制御値に基づいて、高速伝送路16を介して第2のデータ処理回路12へデータを送信する。
【0021】
第2のデータ処理回路12は、第1のデータ処理回路11から高速伝送路16を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定する(S15)。尚、図2の説明においては、エラーが発生したと判定したものとする。そして、第2のデータ処理回路12は、データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、設定部13へ割込み信号18を出力する(S16)。
【0022】
続いて、設定部13は、第2のデータ処理回路12から割り込み信号18を受け取った場合に、記憶部14に対して未取得の伝送制御値を要求する(S17)。そして、設定部13は、記憶部14に格納された複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得する(S18)。その後、設定部13は、取得した伝送制御値を第1のデータ処理回路11に設定する(S19)。
【0023】
これにより、第1のデータ処理回路11は、高速伝送路16を介したデータ伝送においてエラーが発生した以外の伝送制御値に基づいて、第2のデータ処理回路12へのデータ伝送を行うことができる。仮に、ステップS19の後のデータ伝送がエラーとなった場合であっても、ステップS16〜S19を再度実行することにより、人手を介さずに伝送制御値を変更することができる。また、ステップS15においてエラーと判定されない場合には、その時点で第1のデータ処理回路11に設定済みの伝送制御値により高速伝送を実現できるということができる。つまり、本発明の実施の形態1により、高速伝送を実現するための伝送制御値を効率的に特定することができる。
【0024】
<発明の実施の形態2>
図3は、本発明の実施の形態2にかかる情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、LSI100と、LSI200と、FW300とエンファシステーブル400とを備える。LSI100及び200は、エンファシス値の設定に基づき高速伝送を行うための伝送路102及び202により接続されている。そして、高速伝送路102は、LSI100からLSI200へ高速にデータ伝送を行い、高速伝送路202は、LSI200からLSI100へ高速にデータ伝送を行う。そして、情報処理装置10は、LSI100及び200のエンファシス値の調整を行うものである。
【0025】
LSI100は、自己に設定されたエンファシス値に基づき、伝送路102を介してLSI200に対して高速にデータを伝送することができる。また、LSI100は、高速伝送路202を介してLSI200からのデータを受信することができる。LSI100からFW300への割り込み信号101が接続される。
【0026】
同様に、LSI200は、自己に設定されたエンファシス値に基づき、伝送路202を介してLSI100に対して高速にデータを伝送することができる。また、LSI200は、高速伝送路102を介してLSI100からのデータを受信することができる。LSI200からFW300への割り込み信号201が接続される。
【0027】
FW300からLSI100へのエンファシス値の設定信号301及びアクセス信号303が接続される。また、FW300からLSI200へのエンファシス値の設定信号302及びアクセス信号304が接続される。また、FW300からエンファシステーブル400へのアクセス信号305が接続される。エンファシステーブル400からFW300へのリプライ信号401が接続される。
【0028】
エンファシステーブル400は、上述した実施の形態1にかかる記憶部14の一実施例である。ここで、エンファシステーブル400には、エンファシス値400a〜400nが所定の順序に基づき予め格納されている。特に、エンファシステーブル400には、高速伝送路を介したデータ伝送のシミュレーションにより算出されたエンファシス値400a〜400nを複数の候補値として、格納されていることが望ましい。これにより、より適切な値を候補値とすることができ、効率的にエンファシス値の調整を行うことができる。さらに、エンファシステーブル400には、シミュレーションに基づく最適な順序によりエンファシス値400a〜400nが格納されているとよい。尚、エンファシス値400a〜400nは、上述した実施の形態1にかかる伝送制御値15a〜15nの一実施例である。
【0029】
図5は、本発明の実施の形態2にかかるエンファシステーブル400の例を示す図である。図5では、エンファシステーブル400に、n組のエンファシス値が登録されていることを示す。例えば、"Precursor"にはPr_0〜Pr_n、"Cursor"にはC_0〜C_n、"Post1 Cursor"にはP1_0〜P1_n、"Post2 Cursor"にはP2_0〜P2_nがそれぞれ格納されている。尚、ここでは、格納順1番目のPr_0,C_0,P1_0,P2_0が最適値であるものとする。
【0030】
図3に戻り、LSI100は、高速伝送路202におけるデータ伝送で伝送エラー又はレーンの縮退などを検出した際、割り込み信号101を発生させる。また、LSI200は、高速伝送路102におけるデータ伝送で伝送エラー又はレーンの縮退などを検出した際、割り込み信号201をFW300へ出力する。特に、LSI100又は200は、伝送エラーが既定回数以上である場合に、割込み信号101又は201を出力するとよい。尚、LSI100及び200は、上述した以外の場合でも、割り込み信号101及び201を発生させる。例えば、LSIにおけるデータ処理中にエラーデータが検出された場合や、各種障害が発生した場合についても、FW300へ割り込み信号101及び201を発生させるものとする。そのため、LSI100及び200は、各種エラーを検出した際に、自己が備えるレジスタ(不図示)にエラー原因つまり割り込み要因を特定するビットにフラグを立てる。つまり、本発明の実施の形態2にかかるLSI100及び200は、一般的なLSIにおける割り込み信号と同様のものを流用して、高速伝送路における伝送エラー又はレーンの縮退などを検出した際のエラーを通知する。これにより、既存のLSIへの改変量が少なく、かつ、回路規模を抑えることができる。
【0031】
また、FW300は、LSI200から割り込み信号201を受け取った場合、LSI200に対して割り込み要因を確認する。すなわち、FW300は、アクセス信号304によりLSI200のレジスタのビットを確認し、割り込み要因を特定する。そして、FW300は、割り込み要因が高速伝送路102を介したデータ伝送中のエラーである場合に、アクセス信号305及びリプライ信号401により、エンファシステーブル400に格納されたエンファシス値400a〜400nの中から未取得のエンファシス値を取得する。つまり、FW300は、エンファシステーブル400に格納された複数の候補値の中から、LSI100に設定済みのエンファシス値以外のエンファシス値を取得する。そして、FW300は、当該取得したエンファシス値をデータの送信元であるLSI100に設定する。
【0032】
このとき、FW300は、エンファシステーブル400から未取得のエンファシス値を取得する際に、エンファシステーブル400に格納された所定の順序に基づいて取得するとよい。例えば、FW300は、LSI100の初期設定としてエンファシステーブル400内の1番目のエンファシス値が取得済みである場合、2番目のエンファシス値を取得するとよい。これにより、FW300により取得処理が簡略化される。
【0033】
同様に、FW300は、LSI100から割り込み信号101を受け取った場合、LSI100に対して割り込み要因を確認する。そして、FW300は、割り込み要因が高速伝送路202を介したデータ伝送中のエラーである場合に、エンファシステーブル400から取得したエンファシス値をデータの送信元であるLSI200に設定する。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態2にかかる情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)120と、ROM(Read Only Memory)130と、IF部140と、ハードディスク150と、LSI100と、LSI200とを備える。また、LSI100とLSI200とは、上述した通り、伝送路102及び202により接続されている。
【0035】
また、ハードディスク150は、不揮発性記憶装置である。ハードディスク150は、OS151、データ伝送プログラム152及びエンファシステーブル153を格納する。ここで、データ伝送プログラム152は、本発明の実施の形態2にかかるFW300に相当するコンピュータプログラムである。エンファシステーブル153は、図3のエンファシステーブル400がハードディスク150上に確保された領域である。
【0036】
CPU110は、情報処理装置10における各種処理、RAM120、ROM130、IF部140及びハードディスク150へのアクセス等を制御する。IF部140は、外部との通信を行う。
【0037】
情報処理装置10は、CPU110が、RAM120、ROM130又はハードディスク150に格納されたOS151、データ伝送プログラム152等を読み込み、実行する。これにより、情報処理装置10は、FW300として機能し、エンファシス値を調整することができる。
【0038】
図6は、本発明の実施の形態2にかかるエンファシス値調整方法の処理の流れを示すフローチャートである。まず、FW300は、エンファシステーブル400を索引する(S21)。ここでは、FW300は、LSI100に初期値として設定するためのエンファシス値をアクセス信号305によりエンファシステーブル400から検索する。例えば、シミュレーションにより最適値とされたエンファシス値を検索する。
【0039】
次に、FW300は、エンファシステーブル400からリプライ信号401により一の候補値であるエンファシス値を取得する。例えば、最適値として(Pr_0,C_0,P1_0,P2_0)を取得する。そして、FW300は、取得したエンファシス値を設定信号301によりLSI100に初期値として設定する(S22)。
【0040】
続いて、LSI100は、設定されたエンファシス値に基づいて高速伝送路102を介してLSI200へデータをX回送信する(S23)。そして、LSI200は、LSI100から高速伝送路102を介したデータをX回受信する(S24)。
【0041】
このとき、LSI200は、X回のデータ伝送中にY回(YはX未満)の伝送エラー又はレーン縮退が発生したか否かを判定する(S25)。そして、Y回の伝送エラー又はレーン縮退を検出した場合、LSI200は、FW300に対して割り込み信号201を出力する(S26)。
【0042】
続いて、FW300は、LSI200から割り込み信号201を受け取った場合に、アクセス信号304によりLSI200へアクセスし、割り込み要因を確認する(S27)。割り込み要因がY回の伝送エラー又はレーン縮退であると判定した場合、FW300は、アクセス信号305によりエンファシステーブル400から索引する。(S21)。そして、FW300は、エンファシステーブル400内で初期設定値の次に登録されているLSI100のエンファシス値(Pr_1,C_1,P1_1,P2_1)を索引し、リプライ信号401により索引したエンファシス値を取得し、LSI100にこのエンファシス値を設定信号301により再度設定する(S22)。
【0043】
以降、ステップS25において、Y回の伝送エラー又はレーン縮退が検出されなくなるまでの間、ステップS21乃至S27が繰り返される。つまり、LSI100はLSI200へX回のデータ伝送を行い、伝送エラーがY回未満かつレーン縮退が発生しなくなるまで、繰り返す。
【0044】
尚、ステップS27において、FW300がY回の伝送エラー又はレーン縮退を検出しなかった場合には、FW300は、エンファシス値の再取得を行わず、割り込み要因に応じた別処理を行う(S28)。つまり、LSI200が伝送エラー等以外の要因により割り込み信号201を発生した場合には、FW300は、LSI100のエンファシス値を更新しない。尚、別処理については、既存の処理であるため、説明を省略する。その後、ステップS23へ進み、LSI100からLSI200への高速伝送を繰り返し実行する。
【0045】
以上のことから、本発明の実施の形態2の効果は、以下のとおりである。まず、最初に設定したエンファシス値で伝送エラーやレーン縮退が起き、エンファシス値の調整の必要が生じた場合、予め用意しておいたエンファシス値をFW300の処理より順次設定することにより、人手による調整が不要となる。また、装置ごとのPWB特性のバラツキによって、伝送エラーやレーン縮退が起きた場合、各装置ごとでエンファシス値を調整する必要があるが、本発明の実施の形態2にかかるエンファシス値調整方法により容易に装置ごとのエンファシス値調整を行うことができる。
【0046】
上述したように、シミュレーションなどによってエンファシスの最適値を算出し、算出した最適値を設定した場合であっても、伝送線路やプリント基板(PWB)特性などのバラツキにより、伝送路のエラーや、レーンの縮退などを起こす場合があった。この場合、算出したエンファシス値を人手により調整しながら、最終値を決定しなければならなかった。このとき、同一伝送路においても装置ごとにエンファシス値を変更する必要があった。特に、装置間でPWB特性のバラツキが大きい場合、装置ごとのエンファシス値を人手で調整しなければならず、膨大な工数が掛かってしまう。
【0047】
また、課題で上述したように、特許文献1及び2では、エンファシス値の最適値を求めるあまり、取り得る全値を試し、各試行結果を格納する処理が必要であり、多くの処理時間及びリソースを必要とするものであった。
【0048】
そこで、本発明の実施の形態2では、高速伝送路102及び202を有し、エンファシス設定を必要とする情報処理装置10を用いて、受信側から高速のデータ伝送時のエラーを既存の割り込み信号を用いて通知させ、割り込み信号が高速のデータ伝送時のエラーである場合にのみ、送信側のエンファシス値を再設定することができる。そして、再度の高速のデータ伝送時に、所定の条件を満たした場合には、その際に設定されているエンファシス値により、後続のデータ伝送を実行させることができる。そのため、特許文献1及び2に比べて、より効率的にエンファシス値の設定を行うことができる。すなわち、本発明の実施の形態2により、高速のデータ伝送の繰り返し回数を軽減し、より速く適切なエンファシス値を特定することができる。特に、既存の割り込み信号線を流用することで、LSI200には大きな改変を加えることなく実現することができる。
【0049】
<その他の発明の実施の形態>
尚、本発明は、以下のように言い換えることができる。エンファシスの設定を必要とする高速伝送路を有する情報処理装置において、予めシミュレーションにて複数をエンファシス設定値を算出しておき、伝送線路においてエラーした場合、割り込みをファームウェア(FW)に上げ、FWによって用意しておいた別のエンファシス値を設定する。
【0050】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。
【0051】
非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、コンピュータプログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0052】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0053】
(付記1) 高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、
設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、
前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、
前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する設定部と、
を備え、
前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送中にエラーを検出した場合、前記設定部へ割込み信号を出力し、
前記設定部は、前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
データ伝送装置。
【0054】
(付記2) 前記設定部は、
前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、第2のデータ処理回路に対して割り込み要因を確認し、
前記割り込み要因が前記高速伝送路を介したデータ伝送中のエラーである場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
ことを特徴とする付記1に記載のデータ伝送装置。
【0055】
(付記3) 前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送中に既定回数以上の伝送エラー又はレーン縮退を検出した場合、前記設定部へ割込み信号を出力することを特徴とする付記1又は2に記載のデータ伝送装置。
【0056】
(付記4) 前記記憶部は、前記複数の候補値を所定の順序に基づき格納し、
前記設定部は、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から前記所定の順序に基づき未取得の伝送制御値を取得することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のデータ伝送装置。
【0057】
(付記5) 前記記憶部は、前記高速伝送路を介したデータ伝送のシミュレーションにより算出された複数の伝送制御値を前記複数の候補値として格納することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のデータ伝送装置。
【0058】
(付記6) 前記記憶部は、前記シミュレーションに基づく最適な順序により前記複数の候補値を格納することを特徴とする付記5に記載のデータ伝送装置。
【0059】
(付記7) 前記伝送制御値は、前記第1のデータ処理回路が前記高速伝送路を介してデータを伝送するめのエンファシス値であることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載のデータ伝送装置。
【0060】
(付記8) 高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶手段と、
設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理手段と、
前記第1のデータ処理手段から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理手段と、
前記伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記記憶手段から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定し、
前記第1のデータ処理手段は、前記設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介して前記第2のデータ処理手段へデータを送信し、
前記第2のデータ処理手段は、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定し、
前記第2のデータ処理手段は、前記データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、前記設定手段へ割込み信号を出力し、
前記設定手段は、前記第2のデータ処理手段から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶手段に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定する
データ伝送システム。
【0061】
(付記9) 前記設定手段は、
前記第2のデータ処理手段から前記割り込み信号を受け取った場合に、第2のデータ処理手段に対して割り込み要因を確認し、
前記割り込み要因が前記高速伝送路を介したデータ伝送中のエラーである場合に、前記記憶手段に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定する
ことを特徴とする付記8に記載のデータ伝送システム。
【0062】
(付記10) 前記第2のデータ処理手段は、前記第1のデータ処理手段との前記高速伝送路を介したデータ伝送中に既定回数以上の伝送エラー又はレーン縮退を検出した場合、前記設定手段へ割込み信号を出力することを特徴とする付記8又は9に記載のデータ伝送システム。
【0063】
(付記11) 前記記憶手段は、前記複数の候補値を所定の順序に基づき格納し、
前記設定手段は、前記記憶手段に格納された前記複数の候補値の中から前記所定の順序に基づき未取得の伝送制御値を取得することを特徴とする付記8乃至10のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
【0064】
(付記12) 前記記憶手段は、前記高速伝送路を介したデータ伝送のシミュレーションにより算出された複数の伝送制御値を前記複数の候補値として格納することを特徴とする付記8乃至11のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
【0065】
(付記13) 前記記憶手段は、前記シミュレーションに基づく最適な順序により前記複数の候補値を格納することを特徴とする付記12に記載のデータ伝送システム。
【0066】
(付記14) 前記伝送制御値は、前記第1のデータ処理手段が前記高速伝送路を介してデータを伝送するめのエンファシス値であることを特徴とする付記8乃至13のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
【0067】
(付記15) 高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、
第1のデータ処理回路と、
第2のデータ処理回路と、
制御部とを備えたデータ伝送装置における高速伝送路を介したデータ伝送方法であって、
前記制御部は、前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定し、
前記第1のデータ処理回路は、前記設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介して前記第2のデータ処理回路へデータを送信し、
前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定し、
前記第2のデータ処理回路は、前記データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、前記制御部へ割込み信号を出力し、
前記制御部は、前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【0068】
(付記16) 前記制御部は、
前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、第2のデータ処理回路に対して割り込み要因を確認し、
前記割り込み要因が前記高速伝送路を介したデータ伝送中のエラーである場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
ことを特徴とする付記15に記載のデータ伝送方法。
【0069】
(付記17) 前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送中に既定回数以上の伝送エラー又はレーン縮退を検出した場合、前記制御部へ割込み信号を出力することを特徴とする付記15又は16に記載のデータ伝送方法。
【0070】
(付記18) 前記記憶部は、前記複数の候補値を所定の順序に基づき格納し、
前記制御部は、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から前記所定の順序に基づき未取得の伝送制御値を取得することを特徴とする付記15乃至17のいずれか1項に記載のデータ伝送方法。
【0071】
(付記19) 前記記憶部は、前記高速伝送路を介したデータ伝送のシミュレーションにより算出された複数の伝送制御値を前記複数の候補値として格納することを特徴とする付記15乃至18のいずれか1項に記載のデータ伝送方法。
【0072】
(付記20) 前記記憶部は、前記シミュレーションに基づく最適な順序により前記複数の候補値を格納することを特徴とする付記19に記載のデータ伝送方法。
【0073】
(付記21) 前記伝送制御値は、前記第1のデータ処理回路が前記高速伝送路を介してデータを伝送するめのエンファシス値であることを特徴とする付記15乃至20のいずれか1項に記載のデータ伝送方法。
【0074】
(付記22) 高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、
設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、
前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、
を備えるコンピュータに、
前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得する手段と、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段と、
前記第2のデータ処理回路から前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送に基づき出力された割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得する手段と、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段
として機能させるためのデータ伝送プログラム。
【0075】
(付記23) 前記コンピュータに、
前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、第2のデータ処理回路に対して割り込み要因を確認し、
前記割り込み要因が前記高速伝送路を介したデータ伝送中のエラーである場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段としてとして機能させることを特徴とする付記22に記載のデータ伝送プログラム。
【0076】
(付記24) 前記コンピュータに、
前記記憶部に所定の順序に基づき格納された前記複数の候補値の中から当該所定の順序に基づき未取得の伝送制御値を取得する手段としてとして機能させることを特徴とする付記22又は23に記載のデータ伝送プログラム。
【符号の説明】
【0077】
1 データ伝送装置
11 第1のデータ処理回路
12 第2のデータ処理回路
13 設定部
14 記憶部
15a 伝送制御値
15n 伝送制御値
16 高速伝送路
17a 伝送制御値
17b 伝送制御値
10 情報処理装置
100 LSI
101 割り込み信号
102 高速伝送路
200 LSI
201 割り込み信号
202 高速伝送路
300 FW
301 設定信号
302 設定信号
303 アクセス信号
304 アクセス信号
305 アクセス信号
400 エンファシステーブル
400a エンファシス値
400n エンファシス値
401 リプライ信号
110 CPU
120 RAM
130 ROM
140 IF部
150 ハードディスク
151 OS
152 データ伝送プログラム
153 エンファシステーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、
設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、
前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、
前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する設定部と、
を備え、
前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送中にエラーを検出した場合、前記設定部へ割込み信号を出力し、
前記設定部は、前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
データ伝送装置。
【請求項2】
前記設定部は、
前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、第2のデータ処理回路に対して割り込み要因を確認し、
前記割り込み要因が前記高速伝送路を介したデータ伝送中のエラーである場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送中に既定回数以上の伝送エラー又はレーン縮退を検出した場合、前記設定部へ割込み信号を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記複数の候補値を所定の順序に基づき格納し、
前記設定部は、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から前記所定の順序に基づき未取得の伝送制御値を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ伝送装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記高速伝送路を介したデータ伝送のシミュレーションにより算出された複数の伝送制御値を前記複数の候補値として格納することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデータ伝送装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記シミュレーションに基づく最適な順序により前記複数の候補値を格納することを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送装置。
【請求項7】
前記伝送制御値は、前記第1のデータ処理回路が前記高速伝送路を介してデータを伝送するめのエンファシス値であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデータ伝送装置。
【請求項8】
高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶手段と、
設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理手段と、
前記第1のデータ処理手段から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理手段と、
前記伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記記憶手段から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定し、
前記第1のデータ処理手段は、前記設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介して前記第2のデータ処理手段へデータを送信し、
前記第2のデータ処理手段は、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定し、
前記第2のデータ処理手段は、前記データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、前記設定手段へ割込み信号を出力し、
前記設定手段は、前記第2のデータ処理手段から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶手段に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理手段に設定する
データ伝送システム。
【請求項9】
高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、
第1のデータ処理回路と、
第2のデータ処理回路と、
制御部とを備えたデータ伝送装置における高速伝送路を介したデータ伝送方法であって、
前記制御部は、前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定し、
前記第1のデータ処理回路は、前記設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介して前記第2のデータ処理回路へデータを送信し、
前記第2のデータ処理回路は、前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介したデータを受信し、当該データの伝送中にエラーが発生したか否かを判定し、
前記第2のデータ処理回路は、前記データの伝送中にエラーが発生したと判定した場合、前記制御部へ割込み信号を出力し、
前記制御部は、前記第2のデータ処理回路から前記割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得し、当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項10】
高速伝送路を介してデータを伝送するめの伝送制御値における複数の候補値を格納する記憶部と、
設定された伝送制御値に基づいて前記高速伝送路を介してデータを送信する第1のデータ処理回路と、
前記第1のデータ処理回路から前記高速伝送路を介してデータを受信する第2のデータ処理回路と、
を備えるコンピュータに、
前記記憶部から一の候補値である伝送制御値を取得する手段と、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段と、
前記第2のデータ処理回路から前記第1のデータ処理回路との前記高速伝送路を介したデータ伝送に基づき出力された割り込み信号を受け取った場合に、前記記憶部に格納された前記複数の候補値の中から未取得の伝送制御値を取得する手段と、
当該取得した伝送制御値を前記第1のデータ処理回路に設定する手段
として機能させるためのデータ伝送プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−70058(P2012−70058A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210806(P2010−210806)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】