説明

データ入力方法およびデータ入力装置

【課題】使用状況にあわせた適切なキーボード像を投影して仮想キーボードシステムを実現するデータ入力方法およびデータ入力装置を提供する。
【解決手段】キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを撮影する2台以上の画像撮影手段110と、画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいてキーボード像のもとになる投影データを加工する投影データ生成手段122と、投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、投影面に対して前記キーボード像を投影する画像投影手段と、画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記操作者の操作による入力データを生成する入力データ処理手段123と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想的なキーボード像を投影し、その投影されたキーボード像によりデータ入力を行うデータ入力方法およびデータ入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テーブルなどを投影面として、キーボード像を投影し、このキーボード像に対する操作者の操作状況を撮影することで、投影面におけるキーボード像に対する操作からデータ入力を受け付けるデータ入力方法・装置が存在している。
【0003】
このようなデータ入力方法・装置としては、以下の特許文献などに各種の提案がなされている。
【特許文献1】特表2002-526867公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2003-288156公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特表2004-523031公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、マウスやキーボードのイメージを液晶プロジェクタで表面に投影し、それに対するユーザーの動作をカメラで取り込み、その移動方向やタイピング内容を抽出するシステムが記載されている。
【0005】
また、上記特許文献2は、2台以上のカメラを用いてユーザーの指の位置を検出し、最初の指の位置を仮想キーボードの基準位置として、その後の入力操作(指の動き)に対するキー情報を入力するシステムが記載されている。そして、このシステムでは、ユーザーの指先位置の履歴情報を保持し、仮想キーのずれを校正する。カメラは指先上方とその垂直面を撮影するようにしている。
【0006】
上記特許文献3は、仮想キーボード基本特許であり、キーボード画像を投影し、カメラで投影像全体エリアを撮影するものであり、キーボードは台形であって、投影光は特定の波長で、カメラもその波長光を感知するシステムが記載されている。
【0007】
以上の特許文献の場合、使用者が望む状態の形状やレイアウトの任意のキーボード像を投影できないという根本的な問題がある。また、投影によるキーボード像の歪みなどに配慮がなされていないという問題もある。また、いずれも、仮想キーボードの投影場所の色や形状を考慮していない問題がある。さらに、タイピング時の手(障害物)の存在を考慮していないという問題もある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、使用状況にあわせた適切なキーボード像を投影して仮想キーボードシステムを実現するデータ入力方法およびデータ入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、画像投影手段により投影面に対してキーボード像を投影し、該キーボード像に対する操作者の操作状況を画像撮影手段で撮影することで、前記投影面における前記キーボード像に対するデータ入力を受け付けるデータ入力方法であって、キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを2台以上の画像撮影手段で撮影し、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記キーボード像のもとになる投影データを投影データ生成手段で生成し、前記投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、前記投影面に対して前記キーボード像を画像投影手段により投影し、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記操作者の操作による入力データを入力データ処理手段で生成する、ことを特徴とするデータ入力方法である。
【0010】
(2)請求項2記載の発明は、投影面に対してキーボード像を投影し、該キーボード像に対する操作者の操作状況を撮影することで、前記投影面における前記キーボード像に対するデータ入力を受け付けるデータ入力装置であって、キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを撮影する2台以上の画像撮影手段と、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記キーボード像のもとになる投影データを加工する投影データ生成手段と、前記投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、前記投影面に対して前記キーボード像を投影する画像投影手段と、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記操作者の操作による入力データを生成する入力データ処理手段と、を有することを特徴とするデータ入力装置である。
【0011】
(3)請求項3記載の発明は、前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記キーボード投影面または前記操作者の手部分の少なくとも1つの、三次元情報または距離情報を生成し、前記投影データを加工する、ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置である。
【0012】
(4)請求項4記載の発明は、前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の手に前記キーボード像が投影されないように、前記投影データを加工する、ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置である。
【0013】
(5)請求項5記載の発明は、前記入力データ処理手段は、前記撮影データに含まれる前記投影面の色情報を解析し、前記投影データ生成手段は、前記入力データ処理手段で解析された前記投影面の色情報に応じて、前記キーボード像に用いる色を決定し、前記投影データを生成する、ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置である。
【0014】
(6)請求項6記載の発明は、前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の指の位置に応じて、前記キーボード像が投影されるように前記投影データを加工する、ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置である。
【0015】
(7)請求項7記載の発明は、前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の指の位置に応じて、前記キーボード像が投影されるように前記投影データを加工すると共に、前記キーボード投影面に前記キーボード像の全体が投影できるか否かを判定し、前記キーボード投影面に前記キーボード像の一部が投影できない状態であると判定された場合には、エラーである旨の投影データを生成する、ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置である。
【0016】
(8)請求項8記載の発明は、前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の手がなければ前記投影面上に投影される像を、前記投影面に対応する手の所定の位置に投影されるように前記投影データを加工する、ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置である。
【0017】
(9)請求項9記載の発明は、前記画像投影手段は、複数の位置からの投影により前記キーボード像を合成して投影する、ことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載のデータ入力装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のデータ入力方法・装置によると以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載のデータ入力方法の発明では、画像投影手段により投影面に対してキーボード像を投影し、該キーボード像に対する操作者の操作状況を画像撮影手段で撮影することで、投影面におけるキーボード像に対するデータ入力を受け付ける際に、キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを2台以上の画像撮影手段で撮影し、画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいてキーボード像のもとになる投影データを投影データ生成手段で生成し、投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、投影面に対してキーボード像を画像投影手段により投影し、画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて操作者の操作による入力データを入力データ処理手段で生成することにより、投影されたキーボード像(仮想キーボード)の投影像を良好に生成した状態でのデータ入力を実現できる。
【0019】
(2)請求項2記載のデータ入力装置の発明では、画像投影手段により投影面に対してキーボード像を投影し、該キーボード像に対する操作者の操作状況を画像撮影手段で撮影することで、投影面におけるキーボード像に対するデータ入力を受け付ける際に、キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを2台以上の画像撮影手段で撮影し、画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいてキーボード像のもとになる投影データを投影データ生成手段で生成し、投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、投影面に対してキーボード像を画像投影手段により投影し、画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて操作者の操作による入力データを入力データ処理手段で生成することにより、投影されたキーボード像(仮想キーボード)の投影像を良好に生成した状態でのデータ入力を実現できる。
【0020】
(3)請求項3記載のデータ入力装置の発明では、投影データ生成手段が、画像撮影手段による撮影データを解析し、キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つの三次元情報または距離情報を生成して、投影データを加工することにより、歪の少ない状態でキーボード像を投影でき、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0021】
(4)請求項4記載のデータ入力装置の発明では、投影データ生成手段が、画像撮影手段による撮影データを解析し、操作者の手にキーボード像が投影されないように投影データを加工することにより、操作者の手にキーボード像が映らなくなり、煩わしさが解消でき、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0022】
(5)請求項5記載のデータ入力装置の発明では、入力データ処理手段が、撮影データに含まれる投影面の色情報を解析し、解析された投影面の色情報に応じて投影データ生成手段がキーボード像に用いる色を決定することで、仮想キーボードとして視認性が高い状態とすることができ、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0023】
(6)請求項6記載のデータ入力装置の発明では、投影データ生成手段が、画像撮影手段による撮影データを解析し、操作者の指の位置に応じて、キーボード像が投影されるように投影データを加工することにより、操作者の使用位置や手の大きさにあわせてキーボード像を投影することができ、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0024】
(7)請求項7記載のデータ入力装置の発明では、投影データ生成手段が、画像撮影手段による撮影データを解析し、操作者の指の位置に応じてキーボード像が投影されるように投影データを加工すると共に、キーボード投影面にキーボード像の全体が投影できるか否かを判定し、キーボード投影面にキーボード像の一部が投影できない状態であると判定された場合には、エラーである旨の投影データを生成することにより、操作者の望み通りの位置や場所や大きさでキーボードを使えるか事前確認でき、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0025】
(8)請求項8記載の発明では、投影データ生成手段が、撮影データを解析し、操作者の手がなければ投影面上に投影される像を、投影面に対応する手の所定の位置に投影されるように投影データを加工することにより、操作者の手の動きを隠すように、キーボード像を投影できるので隠匿性が高まる。
【0026】
(9)請求項9記載のデータ入力装置の発明では、画像投影手段は、複数の位置からの投影によりキーボード像を合成して投影する、ことにより、仮想キーボード像の影(投影されない領域)が減少し、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。なお、本実施形態では、データ入力装置の動作・処理手順がデータ入力方法である。また、データ入力方法は、データ入力装置を用いて実現される。
【0028】
[1]データ入力装置の構成:
図1は本発明の第1の実施形態のデータ入力装置100内の詳細構成を示すブロック図である。なお、この図1では、本実施形態の動作説明に必要な部分の周囲を中心に記載してあり、その他のデータ入力装置100として既知の電源スイッチ、電源回路などの各種の部分については省略してある。
【0029】
本実施形態のデータ入力装置100は、投影面200に対してキーボード像300を投影し、該キーボード像300に対する操作者の手400の操作状況を撮影することで、投影面200におけるキーボード像300に対するデータ入力を受け付ける機能を有するものであって、操作者からの設定のための入力がなされる操作入力部102と、キーボード投影面200または操作者の手400の少なくとも1つを撮影する2台以上の画像撮影手段110(110aと110b)と、キーボード像のもとになる初期状態の投影データを記憶する記憶手段121と、画像撮影手段110による撮影データを解析して該解析結果に基づいてキーボード像300のもとになる投影データを加工する投影データ生成手段122と、投影データ生成手段122で生成された投影データに基づいて、投影面200に対してキーボード像300を投影する画像投影手段130(130aと130b)と、画像撮影手段110による撮影データを解析して該解析結果に基づいて操作者の操作による入力データを生成する入力データ処理手段123と、を備えて構成されている。なお、記憶手段121と、投影データ生成手段122と、入力データ処理手段123とは、画像処理手段120の一部をなしている。
【0030】
ここで、画像投影手段130は、液晶プロジェクタなどカラー画像を投影像にて表示する手段であり、投影方法や装置構成は任意であって、色域やコントラスト比が大きいものがより望ましい。
【0031】
なお、この画像投影手段130は1台以上で構成されるものであって、より効果的には2台以上で構成されるものであり、図1では2台の場合を具体例として示している。
また、画像撮影手段110は、動画で画像を撮影する手段であり、2台以上で構成される。図1では、2台で構成された例を示している。
【0032】
また、画像処理手段120は、画像投影手段130および画像撮影手段110の動作を制御する。また、動画像を処理して、画像投影手段で投影する投影データを加工処理して、画像投影手段130に出力する。
【0033】
また、記憶手段121は、キーボード情報保持手段として、1つ以上のキーボード情報データを保持する。ここで、キーボード情報とは、キーボードのキーレイアウト(キー間のピッチや大きさ含む)、各キーに対応するキャラクターデータや制御コード、基準位置とするキーを含む。キーレイアウトは2Dまたは3Dで、キー内容とその位置情報を座標、テーブルまたは図表などで特定できるようにする。それぞれのキーボード情報は、代表的なタイトルやファイル名などをつけて管理する。
【0034】
なお、投影データ生成手段122は、キーボード情報設定手段としても動作し、上記キーボード情報保持手段で保持されている情報の中から、投影したい所望のキーボード情報を設定する手段である。ここでは、上記保持手段で保持されていないものでも、外部から他のキーボード情報データを入力し、設定してもよい。
【0035】
また、入力データ処理手段123は、画像投影手段130や画像撮影手段110に入出力する画像データを制御・処理する手段である。
また、画像撮影手段110は、他の測定手段を用いて互いの位置関係を測定し、そのデータを保持している。例えば、それぞれにGPSやUWBなど位置・距離情報を計測できる装備をつけて測定する。また、データ入力装置100全体のスリムアップのために、画像投影手段130と画像撮影手段110を一体化してもよい。
【0036】
なお、画像投影手段130と画像撮影手段110はキーボード像による仮想キーボードの使用位置にあわせて設置されているとする。また、各装置の光学系や電気系に伴う画像歪や収差、ぼけやノイズ等、カラーキャラクタライゼーションは、公知の別評価手法や補正手法を用いて改善されているとする。また、画像投影手段130の色域が別手法で明らかとされ、データ化されデータ入力装置100に保持されているとする。仮想キーボードの投影面200は、投影に支障がないよう、一般的なテーブルや机など、目視できる範囲で凹凸のない平面であるとする。
【0037】
[2]動作説明:
[2−1]データ入力装置の動作(第1実施形態):
以下、図2のフローチャートや他の説明図を参照して動作説明を行う。ここでは、操作者の手にキーボード像300を投影しない場合について説明する。
【0038】
図2に本データ入力装置の全体の流れを示す。(始め)の状態では、使用環境の準備(室内照明の点灯、仮想キーボード投影面の整理など)や入力装置の起動は済んでいるものとする。
【0039】
なお、以下、具体的な処理の説明では、画像投影手段130と画像撮影手段110とは、それぞれ2台ずつ設置されているとする。
[2−1−1]投影面色情報取得・投影色決定:
画像撮影手段110で仮想キーボードの投影面200を撮影し、その色を計測(推定)する(図2中のステップS201)。色計測では、予め画像撮影手段110または装置に保持されている、入力データと測色値(三刺激値や均等色空間値L*a*b*やL*u*v*など)を対応付けるマトリクス、テーブルやプロファイルを用いる。または、動画データの色空間が定義されている場合は、色空間の定義式に則って入力データから測色値を計算することもできる(例:IEC 61966-2-1のsRGB色空間)。
【0040】
投影面200の測色値と画像投影手段130の色域データを用いて、仮想キーボードの投影色を決定する。画像投影手段130の色域データを用いて、例えば以下の2-1-1-1〜2-1-1-4に記載の方法の中から1手法を選択し決定する(図2中のステップS202)。
【0041】
(2-1-1-1)投影面200の色(色相、彩度)に対して色差が最大となる色。
(2-1-1-2)色相のコントラストが最大となる色。明るさ、彩度は別途設定(手動など)。
【0042】
(2-1-1-3)(投影面200が無彩色近辺の場合)明るさや彩度の違いが最大となる色。
(2-1-1-4)投影面200に対して補色の関係になる色。明るさ、彩度は別途設定(手動など)。
【0043】
この決定において自動処理できるものは自動でおこない、様々な値が考えられる場合や操作者に選択させるほうが良い場合は、操作者が手動で選択することによって行う。また、色の選択の中で、人の視感特性を考慮して、人が視認しやすい色を優先的に選択するようにしてもよい。
【0044】
またこの処理は、1台の画像撮影手段110による実施でなく、複数全ての画像撮影手段110を用いて平均的な測色値を取得し、行ってもよい。
[2−1−2]投影面の計測:
[2−1−2−1]投影面三次元情報計測:
図3のような、格子パターンを各画像投影手段130で順番に投影面200に投影し、各画像撮影手段110で撮影する。撮影データから、投影面200の三次元情報を計測する(図2中のステップS203)。これを投影面200の初期データとする。
【0045】
なお、この段階では、キーボード像300の位置,形状,大きさが不明であるため、画像投影手段130で投影可能領域全体にわたるように、複数の格子からなる格子パターンを投影し、画像撮像手段で撮像しておく。
【0046】
ここで、図3において、格子の幅(Wpixels)、高さ(Hpixels)、格子間の間隔(横Apixels,縦Bpixels)は任意である。画像投影手段130のスペックを元に都合のよい数値を設定する。画像処理手段120や画像投影手段130のパラメータを入力・設定する操作入力手段102を用いて入力することも可能である。
【0047】
なお、この格子パターンを用いる図3以降の各図において、(丸数字1),(丸数字2),(丸数字3)の位置は、説明のために示した位置であり、それぞれの図で対応しているものとする。
【0048】
投影する格子パターンの色は、上述した[2−1−1]で決定された色を用いる。全ての画像投影手段130で同じ格子パターンを用いる。格子パターンの投影の際には、全体を同時に表示してもよいが、投影と撮影における格子位置の対応づけを楽にするために、一つ一つの格子を順番に表示するように投影してもよい。
【0049】
[2−1−2−2]撮影位置不良警告:
[2−1−2−1]において、画像投影手段130による格子パターンの一部(または全体)が画像撮影手段110で撮影できず、撮影可能エリアから外れてしまっている場合(図4参照)に、音声や視覚的な手段を使って操作者に警告を発する(図2中のステップS204)。
【0050】
例えば、「撮影できないエリアがあります。撮影位置を調整してください。」等のメッセージを音声で報知するか、または、画像投影手段130で投影面200に投影する。または図2の格子パターンを、色や形や点滅状態などに設定した異常時のパターンで投影してもよい。この警告に応じて、その後、操作者は撮影位置を手動またはメカ的に自動制御して調整する。
【0051】
[2−1−3]投影データ補正:
[2−1−3−1]投影面の三次元情報計測:
格子パターンを画像投影手段130a,130bで投影し、画像撮影手段110a,110bそれぞれで投影像を撮影する。図5は、画像投影手段130a(図5で位置P1)で投影した像を3次元情報計測する様子を示した説明図である。ここでは、画像撮影手段110a(図5で位置C1)および画像撮影手段110b(図5で位置C2)で撮影している状態を示している。
【0052】
図6は、そのときの投影データ、投影像と撮影データの関係を示す説明図である。画像投影手段130aの投影位置P1と投影面200が正対していない場合は、この図6(b)のように投影面200上での投影像は歪む。
【0053】
さらに、投影面200と撮影位置C1,撮影位置C2の位置関係によって、図6(c)や図6(d)のように、最終的に撮影されるデータの歪み程度は変わる。
ここで、撮影位置C1と撮影位置C2は互いの位置関係が既知なため、図7に模式的に示すような、撮影画像間の対応付けと三角測量の原理を用いて、複数の画像撮影手段間の基線C1−C2に対する投影面200の三次元情報(距離情報)を計測する。なお、測量方法には、その他、画像を用いる公知の方法を用いてもよい。
【0054】
なお、図8に示すように、格子パターン内の各格子を順番に、図8(a1)・(a2)、(b1)・(b2)のように投影して、それぞれを撮影位置C1と撮影位置C2で撮影すると、投影データ、投影位置、各撮影手段間の対応関係がとりやすくなる。
【0055】
また、画像投影手段130が格子パターンの各格子を同じ光強度で投影できる場合は、撮影された格子画像データの明るさ変化を三次元情報の測量に用いてもよい。例えば図9で、投影位置P1に近い投影面200では投影像が明るく、遠くなるにつれ投影像が暗くなる。投影像の明るさは距離の二乗で変化するので、明るさの違いから距離の違いを算出できる。ただし、精度を追求する場合は、画像撮影手段と投影面200の距離や投影面200の反射率を考慮する必要がある。
【0056】
[2−1−3−2]投影データ補正テーブル作成:
各画像投影手段130に対する投影データと実投影位置の関係を示すデータを取得する。このデータから、投影データを補正するための補正テーブル(投影データ補正テーブル)を作成する(図2中のステップS205)。
【0057】
この投影データ補正テーブルの作成としては、投影面200の三次元情報計測(図2中のステップS203)と同時に、格子パターンと投影位置、撮影手段C1,C2の画像位置の対応関係からテーブルを作成する。
【0058】
たとえば図6において、位置(丸数字1),位置(丸数字2),位置(丸数字3)などの投影データと撮影データの位置関係については、投影と撮影における格子位置の対応づけを楽にするために、一つ一つの格子を順番に表示するように投影することで対応づけることが可能である。
【0059】
また、投影データと投影面200上の像は、投影面200の三次元情報を用いることで対応づけることが可能。これらの情報を用いて、投影面200上の像と投影データの位置を対応づける補正テーブル、撮影画像と投影データの位置を対応づける補正テーブルを作成する。
【0060】
[2−1−4]操作者基準位置取得:
画像処理手段120は、キーボードとする位置のホームポジションに両手を構えるようと、操作者に対して、音声や文字表示で指示する。操作者が構えたら、画像撮影手段110で撮影された画像データを用いて、画像処理手段120が、操作者の親指位置を抽出する。これが仮想キーボードの基準位置となる( 図2中のステップS206)。
【0061】
たとえば、以下のように行う。
[2−1−4−1]始めに、操作者に対して「キーボードを表示するので、タイピングの姿勢をしてください」という趣旨のアナウンスをし、画像撮影手段110が操作者の手を撮影する。
【0062】
[2−1−4−2]画像処理手段120は、操作者の両手がほとんど動かなくなるのを待って、画像撮影手段110の撮影データから、操作者の手指、特に親指の位置を検出する。抽出には、人肌の色情報や手の平均的なパターンデータ、もしくは操作者ごとにカスタマイズされた手情報データを使用する。
【0063】
[2−1−4−3]画像処理手段120は、図10(a)のように、操作者の親指位置をキーボードの基準位置と対応づけ、投影面200上の像と投影データの位置を対応づける補正テーブルを生成する。
【0064】
[2−1−5]投影データ作成:
[2−1−4]で取得した操作者の親指位置とキーボード情報設定手段で設定されているキーボード情報、投影データ補正テーブルを用いて、各画像投影手段130から投影するキーボード像300の投影データを作成する(図2中のステップS207)。
【0065】
すなわち、以上の補正テーブル(または投影面200の三次元情報)と記憶手段121からのキーボード情報を考慮して、図11(a)(b)(c)(d)のようにして投影するキーボード像300の投影データを構築する(図2中のステップS207)。この場合、キーボードの形状やキー間のピッチ、キーの大きさが、投影面200で設定どおり実現するように計算する。
【0066】
[2−1−6]領域不足警告:
以上のようにして計算された投影データを投影面200に投影した場合に、キーボード像300の一部(または全体)が画像投影手段130の投影可能領域を逸脱しており、投影できない場合には、音声や視覚的な手段を使って操作者に警告を発する(図2中のステップS208)。
【0067】
例えば、画像処理手段120は、「キーボード全体を投影できません。キーボード情報を変更するか、基準位置を変更してください。」と音声によって報知するか、または画像投影手段130で投影する。ここで、キーボード情報の変更とは、キー間のピッチを小さく変更することや、テンキー部分の削除などが該当する。
【0068】
さらに、キーボード全体が投影できるような基準位置を画像投影手段130で投影したり、、キーボード全体が投影できるようにテンキー部を削除したキーボード像300を画像投影手段130で投影したり、などして、操作者に基準位置の変更やキー構成の変更を促してもよい。
【0069】
[2−1−7]キーボード像の投影:
以上の[2−1−5]や後述する[2−1−9]で作成した投影データを、各画像投影手段130で同期させて、投影面200上に投影する(図2中のステップS209)。
【0070】
[2−1−8]操作者両手三次元情報取得:
画像撮影手段110で操作者の両手の画像を撮影し、各撮影手段の画像間で対応付けを行って被写体(両手、背景含む)の三次元位置情報を、画像処理手段120は動画のフレーム単位で取得する(図2中のステップS210)。
【0071】
[2−1−9]操作者の手にキーボード像300を投影しない場合における、手で隠れていない投影面200の抽出:
ここで、画像処理手段120は、上述した[2−1−2]で取得した投影面200の三次元情報と[2−1−8]で取得した両手の三次元情報から、手で隠れていない投影面200部分を抽出する(図2中のステップS211)。
【0072】
この場合、画像処理手段120は、以上の[2−1−8]で得られた被写体の三次元形状情報と[2−1−2]で得られた三次元形状情報の差分を取る。そして、装置側で閾値を設定し、その閾値以下を透過率100%、閾値以上を透過率0%として、動画の撮影データで投影面200が隠れていない領域を抽出する。透過率は、画像投影手段130による投影データに対するマスクの透過率に対応する。上述の関係に基づいて、動画の撮影データにおけるマスクを、投影データに対するマスクに変換し、これを用いてデータを投影する。
【0073】
図13に示す例では、図13(a)のL部の断面形状から、図13(b)の作業時データ(差分)を取得し、これをから図13(c)のようなマスクを作成している。
[2−1−10]仮想キーボード投影データ作成(2):
以上の[2−1−9]で取得された手で隠れない投影面200部分と、以上の[2−1−3]で作成された投影データ補正テーブルとを用いて、投影するキーボード像300の投影データを構築する(図2中のステップS212)。
【0074】
[2−1−11]キーボード像の投影:
そして、ステップS209に戻り、作成した投影データを、各画像投影手段130で同期させて、投影面200上に投影する(図2中のステップS209)。そして、これ以後、上述した[2−1−8]操作者両手三次元情報取得、[2−1−9]手で隠れていない投影面200の抽出、[2−1−10]仮想キーボード投影データ作成(2)を動画フレーム毎に繰り返して実行しつつ、投影データによるキーボード像300を投影面200上に投影する。
【0075】
[2−1−12]キー入力データの生成:
そして、この被写体の三次元位置情報に基づいて、入力データ処理手段123では、投影面200上のキーボード像300を介してタイピングにより入力されたキーの入力データが生成され、外部に出力される。ここで、複数画像を用いた物体の三次元情報(形状)計測については、公知の方法(テンプレートマッチングを用いた対応づけなど)を用いることができる。
【0076】
[2−1−13]投影時の複数の投影手段の使用:
以上説明した処理について、画像投影手段130aと画像投影手段130bとの少なくとも2つの複数の投影手段のそれぞれに対して投影データの投影を行う。使用時には、画像投影手段130aと130bとを同期させてキーボード像300を投影する。各複数の投影手段を用いることで、投影像の影の減少、投影像の明るさの均一化といった、効果が期待できる。
【0077】
また、画像投影手段130aと130bとは、操作者の周り、あるいは、手400の周りに一定の間隔や一定の角度で配置すると効果的である。2つの画像投影手段を使用する場合は、図14または図15のように、操作者の上または後方に1台、操作者の前方に1台設置するとよい。特に操作者側の1台は、操作者の視線軸と投影軸を近づけることで、操作者の目に入る部分を無駄なく効率的に投影できる。
【0078】
[2−2]データ入力装置の動作(第2実施形態):
この第2動作例では、画像処理部120は、上述した[2−1]第1動作例とは違い、両手の動きに合わせてキーボード像300を投影して手の動きを隠し、他人から手の動きが読まれないようにする。
【0079】
ここで、手の動きを隠す実施形態について、図16に本データ入力装置の全体の流れをフローチャートで示す。図2のフローチャートとの違いは、使用段階に操作者両手の三次元情報を計測(図16中のステップS310)後、その計測値を用いて仮想キーボードの投影データを作成する(図16中のステップS311)部分である。
【0080】
ここでは、図16において図2と同一の部分(S201〜S209、S301〜S309)については重複した説明を省略し、特徴となる部分(図16中のステップS311)について、図17の説明図および図18のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の処理は、複数の各画像投影手段130毎に実行する。
【0081】
[2−2−1]
画像処理手段120は、以上の[2−1−8]で得られた被写体の三次元形状情報と、以上の[2−1−2]で得られた投影面200の三次元形状情報の差分を取る。
【0082】
これから、図17(a)のような、被写体の両手に該当する形状部分を抽出する(図16中のステップS310、図18中のステップS401)。そして、ある点nを注目位置として決定して(図18中のステップS402)、以下の処理を繰り返し実行する。
【0083】
[2−2−2]
点nとして、両手に覆われている投影面200上の点Kn(図17(a))を抽出する(図18中のステップS403)。そして、両手に覆われている投影面200上の点Knに対して、その鉛直方向の両手三次元形状表面上の点K’n(図17(b))を抽出する(図18中のステップS404)。
【0084】
[2−2−3]
画像投影手段130の投影位置P1から見て、手がなければKnに投影される像を、K’nに投影することによって手の存在を隠すことができる。そこで、Knに投影する像がK’nに投影されるように、投影データの位置K”n(図17(c))を決める。
【0085】
[2−2−4]
投影面200に投影する場合に投影位置Knに投影されるデータを、投影位置K”nに投影するように、キーボード像の投影データを作成する(図18中のステップS407)。
【0086】
[2−2−5]
以上の[2−2−1]から[2−2−4]を、全てのnに対して行う(図18中のステップS408〜ステップS402)。
【0087】
[2−2−6]
例外処理として、図17(d)のように、K’nとP1の直線が両手三次元形状上の他の点とも交わる場合(図18中のステップS405でYES)であって、P1と遠い側(図18中のステップS406でNO)の位置に対する処理は行わない。
【0088】
[2−2−7]
以上の処理を、複数の他の画像投影手段130についても実行する。
[2−3]第1実施形態と第2実施形態についての変形例:
[2−3−1]変形例(1):
以上の説明において、格子パターンの最適化が可能である。この場合、パラメータW,H,A,Bが小さいほうが三次元情報の分解能が向上するが、ノイズの影響を受けやすくなる。
【0089】
そこで、上述した[2−1−2]投影面の計測の段階で、自動的にパラメータを調整する。パラメータを徐々に変えながら投影面200の三次元情報を繰り返して測定し、測定値の凹凸が別途設定する基準値以内となるように、パラメータの最小値で最適化する。
【0090】
投影面200の三次元情報や投影データ補正テーブルは、パラメータW,H,A,Bによって分解能が変わるが、データ間を公知の補間手法で滑らかに補間するとよい。
投影面200の色分布が不均一な場合は、画素・テクスチャ単位で投影色を抽出する。または、色分布の平均値に対して投影色を抽出する。
【0091】
複数全ての画像撮影手段110の撮影データから多視点の手の三次元情報を合成し、指元の時間的な動き変化からタイピングされているキーを抽出する。
[2−3−1]変形例(2):
投影面200の鉛直方向の手の上にキーボード像300を再現する場合を例示したが、キーボード操作者の視線方向を計測してその方向に対してキーボード像300を再現するようにしてもよい。また、手の動きを隠すという目的から、鉛直方向や操作者の視点ではなく、他人の視点の方向にキーボード像300を再現するようにしてもよい。
【0092】
また、操作者の両手の画像から両手表面の色情報を取得して、キーボード像300をその色で投影するといったことも可能である。
また、両手画像から表面の空間周波数情報を抽出して、その周波数パターンを重畳したキーボード投影像を作成することも可能である。
【0093】
[3]実施形態により得られる効果:
[3−1]以上のデータ入力方法の実施形態では、画像投影手段130により投影面200に対してキーボード像300を投影し、該キーボード像300に対する操作者の操作状況を画像撮影手段110で撮影することで、投影面200におけるキーボード像300に対するデータ入力を受け付ける際に、キーボード投影面200または操作者の手部分の少なくとも1つを2台以上の画像撮影手段110で撮影し、画像撮影手段110による撮影データを解析し、該解析結果に基づいてキーボード像300のもとになる投影データを投影データ生成手段で生成し、投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、投影面200に対してキーボード像300を画像投影手段130により投影し、画像撮影手段110による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて操作者の操作による入力データを入力データ処理手段で生成することにより、投影されたキーボード像300(仮想キーボード)の投影像を良好に生成した状態でのデータ入力を実現できる。
【0094】
[3−2]以上のデータ入力装置の実施形態では、画像投影手段130により投影面200に対してキーボード像300を投影し、該キーボード像300に対する操作者の操作状況を画像撮影手段110で撮影することで、投影面200におけるキーボード像300に対するデータ入力を受け付ける際に、キーボード投影面200または操作者の手部分の少なくとも1つを2台以上の画像撮影手段110で撮影し、画像撮影手段110による撮影データを解析し、該解析結果に基づいてキーボード像300のもとになる投影データを投影データ生成手段で生成し、投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、投影面200に対してキーボード像300を画像投影手段130により投影し、画像撮影手段110による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて操作者の操作による入力データを入力データ処理手段で生成することにより、投影されたキーボード像300(仮想キーボード)の投影像を良好に生成した状態でのデータ入力を実現できる。
【0095】
[3−3]以上のデータ入力装置の実施形態では、投影データ生成手段が、画像撮影手段110による撮影データを解析し、キーボード投影面200または操作者の手部分の少なくとも1つの三次元情報または距離情報を生成して、投影データを加工することにより、歪の少ない状態でキーボード像300を投影でき、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0096】
[3−4]以上のデータ入力装置の実施形態では、投影データ生成手段が、画像撮影手段110による撮影データを解析し、操作者の手にキーボード像300が投影されないように投影データを加工することにより、操作者の手にキーボード像300が映らなくなり、煩わしさが解消でき、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0097】
[3−5]以上のデータ入力装置の実施形態では、入力データ処理手段により解析された投影面200の色情報に応じて投影データ生成手段がキーボード像300に用いる色を決定することで、仮想キーボードとして視認性が高い状態とすることができ、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0098】
[3−6]以上のデータ入力装置の実施形態では、投影データ生成手段が、画像撮影手段110による撮影データを解析し、操作者の指の位置に応じて、キーボード像300が投影されるように投影データを加工することにより、操作者の使用位置や手の大きさにあわせてキーボード像300を投影することができ、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0099】
[3−7]以上のデータ入力装置の実施形態では、投影データ生成手段が、画像撮影手段110による撮影データを解析し、操作者の指の位置に応じてキーボード像300が投影されるように投影データを加工すると共に、キーボード投影面200にキーボード像300の全体が投影できるか否かを判定し、キーボード投影面200にキーボード像300の一部が投影できない状態であると判定された場合には、エラーである旨の投影データを生成することにより、操作者の望み通りの位置や場所や大きさでキーボードを使えるか事前確認でき、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0100】
[3−8]以上のデータ入力装置の実施形態では、投影データ生成手段が、撮影データを解析し、操作者の手がなければ投影面200上に投影される像を、投影面200に対応する手400の所定の位置に投影されるように投影データを加工することにより、操作者の手400の動きを隠すように、キーボード像300を投影できるので隠匿性が高まり、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0101】
[3−9]以上のデータ入力装置の実施形態では、画像投影手段130は、複数の位置からの投影によりキーボード像300を合成して投影する、ことにより、仮想キーボード像300の影(投影されない領域)が減少し、良好な状態でのデータ入力を実現できる。
【0102】
[4]その他の実施形態:
以上の説明では、両手を用いて投影面200上のキーボード像300でキー入力を行う場合を具体例として用いたが、片手で入力する場合であっても同様に実行することが可能である。また、足などの手以外の器官を用いて入力する場合も同様に実行できる。また、義肢(義手、義足)などを用いて入力する場合も同様に実行できる。
【0103】
また、投影面200としては平面であることが望ましいが、凸面や凹面などの平坦でない面を用いることも可能である。
また、キーボード像300としては、右手用キーボード像と左手用キーボード像とを左右に分離させた状態で投影することも何ら問題はない。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図18】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
100 データ入力装置
102 操作入力手段
110 画像撮影手段
120 画像処理手段
121 記憶手段
122 投影データ生成手段
123 入力データ処理手段
130 画像投影手段
200 投影面
300 キーボード像
400 操作者の手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像投影手段により投影面に対してキーボード像を投影し、該キーボード像に対する操作者の操作状況を画像撮影手段で撮影することで、前記投影面における前記キーボード像に対するデータ入力を受け付けるデータ入力方法であって、
キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを2台以上の画像撮影手段で撮影し、
前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記キーボード像のもとになる投影データを投影データ生成手段で生成し、
前記投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、前記投影面に対して前記キーボード像を画像投影手段により投影し、
前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記操作者の操作による入力データを入力データ処理手段で生成する、
ことを特徴とするデータ入力方法。
【請求項2】
投影面に対してキーボード像を投影し、該キーボード像に対する操作者の操作状況を撮影することで、前記投影面における前記キーボード像に対するデータ入力を受け付けるデータ入力装置であって、
キーボード投影面または操作者の手部分の少なくとも1つを撮影する2台以上の画像撮影手段と、
前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記キーボード像のもとになる投影データを加工する投影データ生成手段と、
前記投影データ生成手段で生成された投影データに基づいて、前記投影面に対して前記キーボード像を投影する画像投影手段と、
前記画像撮影手段による撮影データを解析し、該解析結果に基づいて前記操作者の操作による入力データを生成する入力データ処理手段と、
を有することを特徴とするデータ入力装置。
【請求項3】
前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記キーボード投影面または前記操作者の手部分の少なくとも1つの、三次元情報または距離情報を生成し、前記投影データを加工する、
ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置。
【請求項4】
前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の手に前記キーボード像が投影されないように、前記投影データを加工する、
ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置。
【請求項5】
前記入力データ処理手段は、前記撮影データに含まれる前記投影面の色情報を解析し、
前記投影データ生成手段は、前記入力データ処理手段で解析された前記投影面の色情報に応じて、前記キーボード像に用いる色を決定し、前記投影データを生成する、
ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置。
【請求項6】
前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の指の位置に応じて、前記キーボード像が投影されるように前記投影データを加工する、
ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置。
【請求項7】
前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の指の位置に応じて、前記キーボード像が投影されるように前記投影データを加工すると共に、前記キーボード投影面に前記キーボード像の全体が投影できるか否かを判定し、前記キーボード投影面に前記キーボード像の一部が投影できない状態であると判定された場合には、エラーである旨の投影データを生成する、
ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置。
【請求項8】
前記投影データ生成手段は、前記画像撮影手段による撮影データを解析し、前記操作者の手がなければ前記投影面上に投影される像を、前記投影面に対応する手の所定の位置に投影されるように前記投影データを加工する、
ことを特徴とする請求項2記載のデータ入力装置。
【請求項9】
前記画像投影手段は、複数の位置からの投影により前記キーボード像を合成して投影する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載のデータ入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−123316(P2008−123316A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307489(P2006−307489)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】