説明

データ処理装置およびデータ処理方法

【課題】インストールされたソフトウェアを有効化するデータ処理装置およびデータ処理方法を提供する。
【解決手段】先ず、データ処理装置と携帯形データ記憶装置の間においてデータ通信を開始する。次いで、携帯形データ記憶装置とデータ処理装置の間においてライセンス・データを伝達する。ライセンス・データは、データ処理装置と関連したデータ・ストレージ内に存在する予めインストールされたソフトウェアと関連したソフトウェア・ライセンスに対応する。次いで、予めインストールされたソフトウェアを、伝達されたライセンス・データにしたがって有効化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置およびデータ処理方法に関し、特に、インストールされたソフトウェアを有効化するデータ処理装置およびデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のデータ処理装置は、通常、インテリジェント・サブシステムを内蔵している。このようなサブシステムは、プロセッサおよびデータ・ストレージを含むハードウェア・プラットフォームを含む。一例として、多くの装置は、事務機器の一部を構成するインテリジェント・コントローラのように、コンピュータを内蔵する。このような事務機器には、コピー機、ファクシミリ装置、スキャナ、プリンタ、プロッタ、電子メール装置、あるいはこれらの機能の複数を備える多機能周辺装置がある。ハードウェア・プラットフォームに加えて、データ処理装置はソフトウェア・プラットフォームも含む。ソフトウェアは、通常、基礎をなすオペレーティング・システム、アプリケーション・レベルのソフトウェアおよびデバイス・ドライバを含む。
【0003】
前述のようなソフトウェアは、使用ライセンス方式によって、配布または動作の管理に従うことが必要な場合が多い。ライセンスは、契約によって保証されたもののみが可能であって、認可されていない使用または配布を防止する、合法的な権利に依存している。容易にコピーあるいは転送されたソフトウェアの、コピーまたは使用の監視または管理は困難であるため、多くのベンダは、技術ベースの管理メカニズムによって、合法的に定められた権利を補強している。
【0004】
ソフトウェア配布の技術による管理は、キーの配布によって実現されている。現在、キー・ベースの方式は、ハードウェアとソフトウェアによるものがある。ハードウェア・キーは、通常、「ドングル」等を用いる場合のように、データ処理装置のポートと関連付けられている。ハードウェア・キーが無いと、ソフトウェアの動作が抑制され、したがって、対応するハードウェア・コンポーネントの数にしたがって、ソフトウェアの複製の動作が制限される。
【0005】
ソフトウェア・ベースのコピー保護方式は、一意的な有効化コードを利用することが可能である。システムにインストールされたソフトウェアは、適切なコードによって有効化される時点まで使用できない。ソフトウェアの有効化に使用される典型的なコードは、脱法行為のリスクを極小化するために、ある程度、任意的であり、かつ冗長である。1つまたは限られた数のデータ処理装置におけるソフトウェアの有効化は、比較的簡単であり、迅速に実行されるが、有効化が必要なデータ処理装置の数が増大するのに伴って、ソフトウェアの有効化タスクは、益々煩雑なものとなる。
【0006】
多くの企業では、ソフトウェアのインストールが多数回にわたって繰り返される。一例として、1つのマスタ・ソフトウェア・テンプレートを生成し、多くのインストールのそれぞれに対して1つのイメージを生成する。このようなそれぞれのインストールを有効化するために、管理者は、複数の必須の措置を実行しなければならない。さらに、更新または追加のソフトウェアも、携帯形媒体からの物理的な配布、またはデータ通信ネットワークまたはリンクを介したソフトウェアのプッシュ形またはプル形の配布により、頻繁にデータ処理装置にインストールされている。このような状況においては、多数のインストールが実行され、その結果、これらの多数のインストールを有効化するために多大な管理業務の時間または労力が必要である問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みてなされたもので、インストールされたソフトウェアを有効化するデータ処理装置およびデータ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるデータ処理装置は、インストールされたソフトウェアのファイルを格納する記憶手段を備える。本装置は、また、記憶手段に格納されるソフトウェアの使用を許可するライセンスを表すライセンス有効化(activate)データと、利用可能なライセンスの数を表すデータとを格納する、携帯形データ記憶装置の接続を検知する接続手段を備える。本装置は、さらに、利用可能なライセンスの数を表すデータに基づいてライセンスが利用可能か否かを判断する判断手段と、利用可能と判断された後、ライセンス有効化データを携帯形データ記憶装置から受信し、記憶手段にインストールされているソフトウェアを有効化する有効化手段と、有効化することによって使用したライセンスの数を前記利用可能なライセンスの数を表すデータに反映して前記携帯形データ記憶装置に格納する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インストールされたソフトウェアを有効化するデータ処理装置およびデータ処理方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、適宜、図面を参照しながら一例としての実施の形態の説明を行う。図1は本実施の形態が適用されるインストールされたソフトウェアを有効化するシステム全体の構成例である。
【0011】
システム100は、コンピュータ・ネットワーク102として表されている分散コンピューティング環境を利用する。コンピュータ・ネットワーク102は、複数の電子装置間におけるデータの交換を可能とする本技術分野で知られている任意の分散通信システムである。コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、仮想ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット、イントラネット、またはこれらの任意の組み合わせを含む任意のコンピュータ・ネットワークである。
【0012】
また、コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、トークン・リング、IEEE802.11(x)、Ethernet(登録商標)またはその他の無線ベースまたは有線ベースのデータ通信メカニズム等の既存の多数のデータ転送メカニズムによって例示されるような物理レイヤおよびトランスポート・レイヤから構成される。尚、上記のようにコンピュータ・ネットワーク102を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、スタンドアローンの形態でも同様に実施可能である。
【0013】
また、システム100は、さらに、様々なドキュメント処理を実行するために適切な多機能周辺装置(Multi-Function Peripheral;以下、MFP)として図に表されているドキュメント処理装置104を有する。ここで、MFPはドキュメント処理装置の一形態であって、本発明におけるドキュメント処理装置がMFPに限定されるものではない。ドキュメント処理装置104は、例えば、ファクシミリ通信、画像走査、コピー、印刷、電子メール、ドキュメント管理、またはドキュメント保存等の処理を行なう。また、例えば、ドキュメント処理装置104は、リモート・ドキュメント処理サービスを外部装置あるいはネットワーク装置に対して提供する。ドキュメント処理装置104は、ユーザあるいはネットワークに接続された装置等とやり取りするように構成された、ハードウェア、ソフトウェアおよびこれらの任意の適切な組み合わせを含む。
【0014】
また、ドキュメント処理装置104は、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリカード等の、複数の携帯形データ記憶装置112を受け入れるためのインターフェイスを備える。携帯形データ記憶装置112は、フラッシュ・メモリ、磁気記憶媒体、および光学的記憶媒体等の任意の不揮発性記憶媒体を含む。携帯形データ記憶装置112は、ライセンス有効化(activation)コード、ドキュメント処理装置識別データ、または管理データ等に対応する暗号化されたまたは暗号化されていないデータを保存することができる。携帯形データ記憶装置112の機能については後ほど述べる。
【0015】
また、ドキュメント処理装置104は、例えば、タッチスクリーン、LCD、タッチパネル、または英数字キーパッド等のユーザ・インターフェイス106を備える。ユーザは、ユーザ・インターフェイス106を介してドキュメント処理装置104と直接やり取りすることができる。
【0016】
ユーザ・インターフェイス106は、ユーザに対して情報を伝達するとともに、ユーザから選択内容を受け取るために有効に使用される。ユーザ・インターフェイス106は、ユーザにデータを提供するために適切な種々のコンポーネントからなる。本発明における一実施形態において、ユーザ・インターフェイス106は、1つまたは複数のグラフィック要素、テキスト・データ、または画像等をユーザに表示し、ユーザからの入力を受け取り、その入力を、後ほど説明するコントローラ108等のバックエンド・コンポーネントに伝達するディスプレイ装置を有する。
【0017】
また、ドキュメント処理装置104は、ドキュメント処理装置104による処理動作を円滑に実行するために適切なバックエンド・コンポーネントとして、コントローラ108を内蔵する。
【0018】
コントローラ108は、ドキュメント処理装置104の動作を制御し、あるいはユーザ・インターフェイス106を介した画像の表示を円滑に制御し、あるいは電子画像データの操作を制御する等の処理を容易にするように構成されたハードウェア、ソフトウェアあるいはこれらの適切な組み合わせによって実装される。以下の説明において、ドキュメント処理装置104と関連する任意の多数のコンポーネントは、後に述べる動作を実行し、もしくは実行させ、もしくは制御し、またはその他の方法で指示するように機能するハードウェアのコントローラ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを含むものとする。なお、図および上記の説明において、コントローラ108をドキュメント処理装置104に内蔵された形態としたが、これに限定されるものではなく、コントローラ108は、ドキュメント処理装置104に通信可能に接続された外部装置の形態であってもよい。コントローラ108との関連において説明を行う処理動作は、本技術分野において知られている任意の汎用コンピューティング・システムによって実行可能である。したがって、コントローラ108は、このような汎用的なコンピューティング装置を表しており、以下の説明において使用する際にも、そのように意図されている。また、以下の説明においてはコントローラ108を使用しているが、これは実施形態の例にすぎず、その他の実施形態においても、本発明によるインストールされたソフトウェアを有効化するデータ処理装置およびデータ処理方法を利用することができる。コントローラ108の構成等については、後ほど図2と図3を参照しながら説明を行う。
【0019】
また、ドキュメント処理装置104にはデータ記憶装置110が通信可能に接続される。データ記憶装置110は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはそれらの任意の組み合わせを含む記憶装置である。データ記憶装置110は、ドキュメント・データ、画像データ、または電子データベースのデータ等を適切に保存する。データ記憶装置110は、システム100の独立したコンポーネントとして図1に例示されているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104の内部記憶装置、あるいはコントローラ108に実装される記憶装置あるいはコンポーネントであってもよい。
【0020】
図に示した実施形態において、ドキュメント処理装置104はスタンドアローンの装置である。すなわち、ドキュメント処理装置104はコンピュータ・ネットワーク102とデータ通信状態にはない。しかし、図1にはスタンドアローンの装置として示したが、ドキュメント処理装置104は、例えば、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、Bluetooth(登録商標)、公衆交換電話網、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続やその他の適切な有線または無線の適切な通信リンク(図示せず)を介してコンピュータ・ネットワーク102に接続することも可能である。
【0021】
システム100は、さらに、通信リンク116を介してコンピュータ・ネットワーク102とデータ通信可能なユーザ装置114を有する。ユーザ装置114としては、例えば、ノート形パーソナル・コンピュータ、コンピュータ・ワークステーション、デスクトップ形パーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)、ウェブ適合(web-enabled)携帯電話、スマート・フォン、専用ネットワーク用の電子装置、またはその他のウェブ適合電子装置を含む本技術分野において知られている任意のパーソナル・コンピューティング装置を用いることができる。また、通信リンク116は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網、または、その他の適切な無線または有線のデータ通信チャネルを用いることができる。ユーザ装置114は、携帯形データ記憶装置112とやり取りするとともに、例えば、後ほど説明するライセンス・サーバ118から受信したライセンス・データ等のデータを携帯形データ記憶装置112に転送する能力を有する。
【0022】
システム100は、また、通信リンク122を介してコンピュータ・ネットワーク102に通信可能に接続されたライセンス・サーバ118を含む。ライセンス・サーバ118は、1つまたは複数のサービス、ウェブ・ベースのアプリケーション、および保存オプション等をネットワークに接続された装置に対して提供するために適切なハードウェア、ソフトウェア、およびこれらの組み合わせを備える。ライセンス・サーバ118は、コンピュータ・ネットワーク102を介してアクセスされるウェブ・サービス・プロセスの動作を管理するためのハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせとして実装された様々なコンポーネントを含む。通信リンク122としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網やその他の適切な有線または無線のデータ通信チャネルを用いることができる。ライセンス・サーバ118に関連して後ほど述べるドキュメント処理装置104のソフトウェアを更新するためのコンポーネントは、コンピュータ・ネットワーク102に接続された任意のコンピューティング装置に実装可能であるとともに、クライアント/サーバ関係におけるサーバとして機能することができる。任意のこのようなライセンス・データまたは更新データ等は、例えば、携帯形データ記憶装置112へ転送するためにコンピュータ・ネットワーク102を介してユーザ装置114に転送することも可能であり、携帯形データ記憶装置112に直接転送することも可能である。ライセンス・サーバ118の構成については、後ほど図4を参照しながら説明を行う。
【0023】
また、ライセンス・サーバ118にはデータ記憶装置120が通信可能に接続される。データ記憶装置120は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはそれらの任意の組み合わせを含む記憶装置である。データ記憶装置120は、ソフトウェアの更新、ソフトウェア・ライセンス・データ、ドキュメント処理装置識別データ、更新リスト、電子データベースのデータ、ドキュメント・データまたは画像データ等を適切に保存する。データ記憶装置120は、システム100の独立したコンポーネントとして図1に例示されているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のライセンス・サーバ118の内部記憶装置あるいはコンポーネントであってもよい。
【0024】
次に、一例として、図2は、システム100の動作が実行されるバックエンド・コンポーネント、すなわち、図1においてはコントローラ108として示したコントローラ200のハードウェア・アーキテクチャの構成図の一例である。尚、図2では、コントローラのコンポーネントの意義をより明確にするため、参照符号232で表した、コントローラ以外のドキュメント処理装置のコンポーネントの一部を併せて示す。コントローラ200は、本明細書に記載する動作を円滑に実行する能力を有する、本技術分野において知られている任意の汎用的なコンピューティング装置を表す。コントローラ200には、少なくとも一つのCPUを含むプロセッサ202が含まれる。プロセッサ202は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、コントローラ200には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびコントローラ200の動作に使用する他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)204が含まれる。
【0025】
また、コントローラ200には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM206が含まれている。RAM206は、プロセッサ202により処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0026】
ストレージ・インターフェイス208は、コントローラ200に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス208は、参照符号216で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0027】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、コントローラ200が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、コントローラ200に対する外部装置との一つまたは複数のコネクションのインターフェイスを適切にとる。例えば、図に示すように、Ethernet(登録商標)またはトークン・リング等の固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも一つのネットワーク・インターフェイス・カード214、およびWiFi(Wireless Fidelity)、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス218が接続される。また、ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図に示すように、ネットワーク・インターフェイス・カード214は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはそれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク220を介したデータ交換を行うために、相互接続される。
【0028】
プロセッサ202、読出し専用メモリ(ROM)204、RAM206、ストレージ・インターフェイス208およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム210の間のデータ通信は、バス212によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0029】
また、ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス222もバス212を介してデータ通信を行う。ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス222は、様々なドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理ハードウェア232との接続を提供する。そのようなドキュメント処理動作には、コピー・ハードウェア224によって実行されるコピー、画像走査ハードウェア226によって実行される画像走査、印刷ハードウェア228によって実行される印刷、およびファクシミリ・ハードウェア230によって実行されるファクシミリ通信がある。コントローラ200は、これらのドキュメント処理動作のいずれかまたは全部を適切に動作させる。複数のドキュメント処理動作を実行可能なシステムは、前述したように、MFPまたは多機能装置と呼ばれる。システム100の機能は、ドキュメント処理装置と関連するインテリジェント・サブシステムとして図2に示したコントローラ200(図1においてはコントローラ108として示されている。)を含む、ドキュメント処理装置104等の適切なドキュメント処理装置において実行される。
【0030】
次に、一例として、システム100の動作が実行されるコントローラの機能ブロックと動作の概要を説明する。図3において、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図2に示したハードウェアの機能性を例示する。尚、図3においても、コントローラの機能要素の意義をより明確にするため、コントローラ以外のドキュメント処理装置の機能要素の一部を併せて示している。
【0031】
図3に示すように、コントローラ機能は、ドキュメント処理エンジン302を有する。ドキュメント処理エンジン302は、印刷動作、コピー動作、ファクシミリ通信動作および画像走査動作を可能にする。これらの機能は、産業界において一般に好まれるドキュメント処理周辺装置であるMFPと関連付けられることが多い。しかし、コントローラが上記のドキュメント処理動作のすべてを可能にする必要は必ずしもない。コントローラは、上記のドキュメント処理動作のサブセットである、専用のドキュメント処理装置、あるいはより限定した目的のドキュメント処理装置においても有効に用いられる。
【0032】
ドキュメント処理エンジン302はユーザ・インターフェイス・パネル310と適切にインターフェイスされており、ユーザまたは管理者は、このユーザ・インターフェイス・パネル310を介して、ドキュメント処理エンジン302によって制御される機能にアクセスすることができる。アクセスは、コントローラにローカル接続されたインターフェイスを介して行われるか、遠隔のシン・クライアント(thin client)またはシック・クライアント(thick client)によって遠隔から行われる。
【0033】
ドキュメント処理エンジン302は、印刷機能部304、ファクシミリ通信機能部306および画像走査機能部308とデータ通信を行う。これらの機能部は、印刷、ファクシミリの送受信、およびドキュメント画像をコピーのために取得するか、またはドキュメント画像の電子バージョンを生成するための、ドキュメント画像走査の実際の処理動作を容易にする。
【0034】
ジョブ・キュー(job queue)312は、印刷機能部304、ファクシミリ通信機能部306および画像走査機能部308とデータ通信を行う。ビットマップ・フォーマット、ページ記述言語(PDL)フォーマットまたはベクター・フォーマット等の種々の画像形式は、画像走査機能部308からジョブ・キュー312を介して以降の処理のために中継される。
【0035】
ジョブ・キュー312は、また、ネットワーク・サービス機能部314ともデータ通信を行う。一実施形態において、ジョブ制御信号、状態データまたは電子ドキュメント・データが、ジョブ・キュー312とネットワーク・サービス機能部314との間で交換される。このように、クライアント側ネットワーク・サービス機能320を介したコントローラへのネットワーク・ベースのアクセスに適切なインターフェイスが提供され、このインターフェイスは任意の適切なシン・クライアントまたはシック・クライアントである。また、ウェブ・サービス・アクセスは、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ユニフォーム・データ・ダイアグラム・プロトコルまたは他の任意の適切な交換メカニズムによって実行される。ネットワーク・サービス機能部314は、また、FTP、電子メール、またはテルネット(TELNET)等による通信のために、クライアント側ネットワーク・サービス機能320とのデータ交換も有効に提供する。このように、コントローラ機能は、種々のネットワーク・アクセス・メカニズムによって、電子ドキュメントおよびユーザ情報のやり取りを容易にする。
【0036】
ジョブ・キュー312は、また、画像プロセッサ316ともデータ通信を行う。画像プロセッサ316は、印刷機能部304、ファクシミリ通信機能部306または画像走査機能部308等の装置機能部と、電子ドキュメントを交換するために適したフォーマットに変換するラスタ画像処理(RIP)、ページ記述言語インタープリタまたは任意の適切な画像処理を行うメカニズムである。
【0037】
さらに、ジョブ・キュー312はジョブ解析部(job parser)318とデータ通信を行い、このジョブ解析部318はクライアント装置サービス部322等の外部装置からの印刷ジョブ言語ファイルを受け取る働きをする。クライアント装置サービス部322は、電子ドキュメントの印刷、ファクシミリ通信、またはコントローラ機能による処理が有効である他の適切な電子ドキュメントの入力を含む。ジョブ解析部318は、受け取った電子ドキュメント・ファイルを解析し、前述した機能およびコンポーネントと関連する処理のために、解析した電子ドキュメント・ファイル情報をジョブ・キュー312に中継する働きをする。
【0038】
次に、図1においてはライセンス・サーバ118として示した、システム100の動作が実行されるサーバ400のハードウェア構成を説明する。図4は、サーバのハードウェア・アーキテクチャの概略構成図である。
【0039】
サーバ400には、少なくとも一つのCPUを含むプロセッサ402が含まれる。プロセッサ402は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、サーバ400には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびサーバ400の動作に使用する他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)404が含まれる。
【0040】
また、サーバ400には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM406が含まれる。RAM406は、プロセッサ402により処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0041】
ストレージ・インターフェイス408は、サーバ400に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス408は、参照符号416で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0042】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、サーバ400が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、サーバ400に対する外部装置との一つまたは複数のコネクションのインターフェイスを適切にとる。例えば、図に示すように、Ethernet(登録商標)およびトークン・リング等の固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも一つのネットワーク・インターフェイス・カード414、およびWiFi、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス418が接続される。また、ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図に示すように、ネットワーク・インターフェイス・カード414は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはそれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク420を介したデータ交換を行うために、相互接続される。
【0043】
プロセッサ402、読出し専用メモリ(ROM)404、RAM406、ストレージ・インターフェイス408およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム410の間のデータ通信は、バス412によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0044】
サーバ400における実行可能なインストラクションは、ワークステーション、ドキュメント処理装置、または他のサーバ等の複数の外部装置との通信を容易にする。動作の際、典型的なサーバは自立的に動作するが、しばしば、ローカル・ユーザによる直接的な制御が望ましい場合もある。ローカル・ユーザによる直接的な制御は、オプションの入出力(I/O)インターフェイス422を介して実行することができる。
【0045】
次に、本発明における動作の概要の一例を説明する。図5は、本実施の形態における基本的な動作の一例を示すフローチャートである。先ず、ステップS502で、データ通信が、データ処理装置と携帯形データ記憶装置との間で開始される。例えば、データ記憶装置110に保存されたソフトウェアを備えたドキュメント処理装置104の携帯形データ記憶装置用のインターフェイスに携帯形データ記憶装置112を挿入する。続いてステップS504で、ライセンス有効化データ(本明細書および図5ないし図7においてライセンス・データとも言う。)が、携帯形データ記憶装置112から、例えば、ドキュメント処理装置104等のデータ処理装置に伝達される。ライセンス有効化データは、例えば、ドキュメント処理装置104等のデータ処理装置に予めインストールされ、データ記憶装置110に保存されているソフトウェアに関連するソフトウェア・ライセンスに対応する。この後、ステップS506において、データ記憶装置110に保存されている、予めインストールされたソフトウェアがライセンス有効化データに基づいて有効化される(activated)。有効化によって、インストールされていたソフトウェアは、ドキュメント処理装置104による使用が可能となる。
【0046】
次に、本発明においてソフトウェアの有効化に必要なデータを携帯形データ記憶装置に保存する動作の一例について図6のフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップS602において、携帯形データ記憶装置112がユーザ装置114によって検出される。携帯形データ記憶装置112は、ドキュメント処理装置104として図1に例示されている複数のデータ処理装置の間においてライセンス有効化データを転送するための媒体として使用することができる。携帯形データ記憶装置には、例えば、フラッシュ・メモリ・ベースの多様なICメモリカード、CDやDVD等の光学的記憶媒体、例えば、携帯形ハードディスク・ドライブ等の磁気記憶装置、あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ等がある。次いで、ユーザ装置114は、例えば、管理者またはライセンス有効化データの配布者等による操作にしたがって、ライセンス・サーバ118との通信を開始する。通信リンク116、コンピュータ・ネットワーク102および通信リンク122を介した、ユーザ装置114とライセンス・サーバ118の間の通信は、例えば、暗号化またはSSL等によって、セキュリティ面で安全に行われる。次いで、ライセンス・サーバ118は、データ記憶装置120から、例えば、ドキュメント処理装置104等のデータ処理装置に予めインストールされているソフトウェアを有効化するためのライセンス有効化データおよび予め設定されたライセンス数に対応するデータを読み出す。次いで、読み出されたライセンス有効化データは、前述したセキュリティ面で安全な通信チャネルを介して、ライセンス・サーバ118からユーザ装置114に、伝達される。
【0047】
ステップS604において、ライセンス有効化データが、ライセンス・サーバ118からコンピュータ・ネットワーク102を介して、ユーザ装置114によって受信される。
【0048】
次いで、ステップS606において、予め設定されたライセンス数に対応するデータがユーザ装置114によって受信される。予め設定されたライセンス数は、例えば、データ処理装置に対応した数だけインストールされている有効化を必要とするソフトウェア等の、選択された予めインストールされたソフトウェアの予め設定された複製の数を表す。すなわち、予め設定されたライセンス数は、その有効化を必要とするソフトウェアが予めインストールされているデータ処理装置の数に対応する。例えば、ユーザ装置114が流通業者に対応する場合、予め設定されたライセンス数は、ライセンス・サーバ118によって表される製造者によって流通業者に出荷されたデータ処理装置の数に対応する。
【0049】
ステップS608において、ユーザ装置114は、ライセンスが関連付けられているそれぞれのデータ処理装置に対応する識別子データを受信する。適切な識別子データとしては、例えば、それぞれのデータ処理装置のシリアル番号、それぞれの装置のMACアドレス、またはデータ処理装置に対応するこのような任意のその他の識別子がある。次いでステップS610において、図7を参照しながら説明を行う本発明の例示的な実施形態による以降の動作のために、受信したデータ、すなわちライセンス有効化データ、予め設定されたライセンス数のデータ、それぞれの装置の識別子等を携帯形データ記憶装置112に保存する。
【0050】
他の実施形態においては、ライセンス有効化データは、対象となるソフトウェアがインストールされ有効化が必要なデータ処理装置のそれぞれに対応する識別子を表すデータに関連付けて、携帯形データ記憶装置112に保存する。
【0051】
さらに、本発明における動作の一例について図7のフローチャートを用いて詳述する。先ず、ステップS702において、例えば、ドキュメント処理装置104等の少なくとも1つのデータ処理装置にソフトウェアをインストールする。すなわち、ソフトウェアを構成するプログラムやデータのファイルが、例えば、ドキュメント処理装置104に関連するデータ記憶装置110に保存される。ドキュメント処理装置104の製造者または流通業者は、エンド・ユーザあるいは顧客に出荷する前に、ソフトウェアをインストールすることもできる。インストールされたソフトウェアは、適切に有効化される時点まで無効な状態になっている。すなわち、インストールされたソフトウェアをドキュメント処理装置104で使用するためには、有効化が必要である。
【0052】
次いでステップS704において、ソフトウェアがライセンス有効化データを含んだ状態でインストールされているか否かの判断が行われる。コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、インストールされているソフトウェアにライセンス有効化データが含まれていると判断した場合には、処理はステップS706に進み、インストールされているソフトウェアを利用可能なライセンス有効化データに基づいて有効化し、ドキュメント処理装置104でソフトウェアを利用可能な状態にする。
【0053】
ステップS704において、ライセンス有効化データが利用可能ではないと判断された場合には、処理はステップS708に進み、ソフトウェアが無効な状態に留まった状態で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、適切なライセンス有効化データを待つ。次いでステップS710において、携帯形データ記憶装置112が検出されたか否かの判断が実行される。携帯形データ記憶装置112が検出されない場合、処理はステップS708におけるライセンス有効化データの待機状態に戻る。例えば、携帯形データ記憶装置112がドキュメント処理装置104と動作可能に接続されるか、挿入されるか、またはその他の方法によってインターフェイスされることによって、携帯形データ記憶装置112がコントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって検出された場合、処理はステップS712に進む。ステップS712において、携帯形データ記憶装置112は、コントローラ108によって、アクセスされ、任意のライセンス・データが存在するか否かが判断される。携帯形データ記憶装置112は、例えば、フラッシュ・メモリ・ベースの多様なICメモリカード、CDやDVD等の光学的記憶媒体、例えば、携帯形ハードディスク・ドライブ等の磁気記憶装置、あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ等の不揮発性のデータ記憶装置を表す。
【0054】
ステップS714において、ライセンス有効化データが携帯形データ記憶装置112に存在しないと判断された際には、ソフトウェアは、無効な状態、すなわち、ドキュメント処理装置104によって使用できない状態に留まり、処理はステップS708に戻る。ステップS714において、ライセンス・データが携帯データ装置112に存在していると判定された際には、処理はステップS716に進み、ドキュメント処理装置104に対応する識別子データを、アクセスした携帯形データ記憶装置112に保存されている識別子データと比較する。例えば、識別子データはドキュメント処理装置104のシリアル番号を含み、携帯形データ記憶装置112は、保存している予め設定されたライセンス数に応じた数のソフトウェア・ライセンスを有効化するための1つまたは複数のシリアル番号を含む。次いでステップS718において、例えば、ドキュメント処理装置104のシリアル番号を携帯形データ記憶装置112に保存されているシリアル番号と比較することによって、シリアル番号等の識別子が一致しているか否かが判断される。
【0055】
ステップS718において、識別子が一致していないと判断された場合、ドキュメント処理装置104は、ステップS720において、ソフトウェアを有効化することが認められず、ドキュメント処理装置104によるソフトウェアの使用は不可能な状態に留まる。ステップS718において、例えば、ドキュメント処理装置104のシリアル番号が携帯形データ記憶装置112に保存されているシリアル番号の中の1つと一致している場合のように、識別子が一致していると判断された場合には、予め設定された利用可能なライセンスの数を表すカウント値の分析が指示され、ステップS722において、ライセンス数のデータに基づいてカウント値の分析が実行される。ステップS722における分析結果はコントローラ108によって使用され、ステップS724において、ライセンスが利用可能な状態にあるか否かが判断される。すなわち、携帯形データ記憶装置112に保存されている予め設定されたライセンス数が使い果たされているか否かが判断される。カウント値の分析結果に基づいて、ライセンスが利用不可能である場合には、処理はステップS720に進み、ドキュメント処理装置104はインストールされているソフトウェアを使用することが拒否される。
【0056】
ステップS724において、ライセンスが利用可能であるとカウント値の分析によって判断された場合には、ステップS726で、ライセンス・データが携帯形データ記憶装置112からドキュメント処理装置104に伝達される。したがって、ドキュメント処理装置104はライセンス・データを受信する。次にステップS728で、データ記憶装置110に保存されている予めインストールされたソフトウェアは、有効化され、ドキュメント処理装置104による使用が可能な状態になる。次いでステップS730において、携帯形データ記憶装置112に保存されているライセンス数のデータのカウント値がデクリメントされ、ドキュメント処理装置104によるライセンスの使用が反映される。したがって、管理者または流通業者等は、データ記憶装置110に保存されている予めインストールされたソフトウェアを有効化した後、以上説明を行った動作にしたがって、次のデータ処理装置に予めインストールされたソフトウェアを有効化する作業に進むことができる。
【0057】
なお、利用可能なライセンス数のデータのカウント値をデクリメントするのではなく、予めライセンスの使用可能な限界値を記憶し、使用したライセンスの数が限界値に到達するまでライセンスを利用できるとしてもよい。
【0058】
本発明は、ソース・コード、オブジェクト・コード、部分的にコンパイルされた形のようなコード中間ソースおよびオブジェクト・コードの形、あるいは本発明の実施形態で使用するために適した任意の他の形のコンピュータ・プログラムをも含む。コンピュータ・プログラムは、スタンドアローンのアプリケーション、ソフトウェア・コンポーネント、スクリプトまたは他のアプリケーションへのプラグ・インとすることができる。本発明を実施するコンピュータ・プログラムは、例えば、ROMやRAM等の記憶媒体、CD−ROM等の光記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気記録媒体等の、コンピュータ・プログラムを伝達することができる任意の実体または装置である担体上で具体化することができ、あるいは電気ケーブルまたは光ケーブルによって、または無線や他の手段によって伝えられる電気信号や光信号等の任意の担体によって伝達することができる。コンピュータ・プログラムは、サーバからインターネットを介してダウンロードすることもできる。また、コンピュータ・プログラムの機能は集積回路に組み込むこともできる。説明を行った本発明の原理を実質的にコンピュータまたはプロセッサに実行させるコードを含む任意およびすべての実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0059】
本発明の好ましい実施形態の以上の説明は、例示と説明のために行った。説明は網羅的ではなく、本発明を開示した形態に限定しようとするものでもない。以上の開示を鑑みて明らかな修正または変形が可能である。例えば、本発明による実施形態の説明に記したシステムおよび方法は、例えば、通信、汎用コンピューティング、データ処理等を含む、使用許諾されたソフトウェアを利用する複数の様々な分野に対しても適用可能であり、本発明がドキュメント処理への適用に限定されるものではない。実施形態は、本発明の原理とその実際的な応用例を最もよく示し、それにより当業者が、本発明を、意図された特定の使用に適した様々な実施形態において様々な修正で使用できるように選択され説明された。そのようなすべての修正と変形は、特許請求の範囲の記載に明示されるとおりの本発明の原理および範囲内において、当業者によって行われ得ることは明らかであり、特許請求の範囲の記載によって定められる本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による実施形態が適用されるシステム全体の構成例である。
【図2】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図3】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図である。
【図4】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるサーバのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図5】本発明による実施形態における動作例の概要を表したフローチャートである。
【図6】本発明による実施形態においてソフトウェアの有効化に必要なデータを携帯形データ記憶装置に保存する動作例を表したフローチャートである。
【図7】本発明による実施形態における動作例を詳細に表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
100 システム
102 コンピュータ・ネットワーク、分散通信システム
104 ドキュメント処理装置、MFP
106 ユーザ・インターフェイス
108 コントローラ
110、120 データ記憶装置
112 携帯形データ記憶装置
114 ユーザ装置
116、122 通信リンク
118 ライセンス・サーバ
200 コントローラ
202、402 プロセッサ
204、404 読み出し専用メモリ、ROM
206、406 RAM
208、408 ストレージ・インターフェイス
210、410 ネットワーク・インターフェイス・サブシステム
212、412 バス
214、414 ネットワーク・インターフェイス・カード
216、416 ディスク・ドライブ
218、418 無線インターフェイス
220、420 物理的ネットワーク
222 ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス
224 コピー・ハードウェア
226 画像走査ハードウェア
228 印刷ハードウェア
230 ファクシミリ・ハードウェア
232 ドキュメント処理ハードウェア
302 ドキュメント処理エンジン
304 印刷機能部
306 ファクシミリ通信機能部
308 画像走査機能部
310 ユーザ・インターフェイス・パネル
312 ジョブ・キュー
314 ネットワーク・サービス機能部
316 画像プロセッサ
318 ジョブ解析部
320 クライアント側ネットワーク・サービス機能
400 サーバ
422 オプションの入出力インターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストールされたソフトウェアのファイルを格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納される前記ソフトウェアの使用を許可するライセンスを表すライセンス有効化データと、利用可能なライセンスの数を表すデータとを格納する、携帯形データ記憶装置の接続を検知する接続手段と、
前記利用可能なライセンスの数を表すデータに基づいて、前記ライセンスが利用可能か否かを判断する判断手段と、
利用可能と判断された後、前記ライセンス有効化データを前記携帯形データ記憶装置から受信し、前記記憶手段にインストールされているソフトウェアを有効化する有効化手段と、
有効化することによって使用したライセンスの数を前記利用可能なライセンスの数を表すデータに反映して前記携帯形データ記憶装置に格納する制御手段と、
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記利用可能なライセンスの数を表すデータのカウント値から前記有効化手段によって使用したライセンスの数をデクリメントして反映する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記携帯形データ記憶装置は、前記ライセンス有効化データと関連づけられた複数のデータ処理装置のそれぞれを識別する複数の識別情報を有し、
前記判断手段は、前記複数の識別情報の中に当該データ処理装置の識別情報と一致する情報があるか否かを判断し、
一致する情報があると、前記有効化手段は前記ライセンス有効化データを前記携帯形データ記憶装置から受信し、前記記憶手段にインストールされているソフトウェアを有効化する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
データ処理装置の記憶手段に格納されるソフトウェアの使用を許可するライセンスを表すライセンス有効化データと、利用可能なライセンスの数を表すデータとを格納する、携帯形データ記憶装置の接続を検知するステップと、
前記利用可能なライセンスの数を表すデータに基づいて、前記ライセンスが利用可能か否かを判断するステップと、
利用可能と判断された後、前記ライセンス有効化データを前記携帯形データ記憶装置から受信し、前記記憶手段にインストールされているソフトウェアを有効化するステップと、
有効化することによって使用したライセンスの数を前記利用可能なライセンスの数を表すデータに反映して前記携帯形データ記憶装置に格納するステップと、
を備えるデータ処理方法。
【請求項5】
前記制御手段は、前記利用可能なライセンスの数を表すデータのカウント値から前記有効化手段によって使用したライセンスの数をデクリメントして反映する請求項4に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記ライセンス有効化データと関連づけられた、前記携帯形データ記憶装置が格納する複数のデータ処理装置のそれぞれを識別する複数の識別情報の中に前記データ処理装置の識別情報と一致する情報があるか否かを判断するステップと、
一致する情報があると、前記ライセンス有効化データを前記携帯形データ記憶装置から受信し、前記記憶手段にインストールされているソフトウェアを有効化する請求項4に記載のデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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