説明

データ処理装置及びプログラム

【課題】鍵やIDカード等による認証のための操作をユーザが行う必要がなく、ユーザ認証を容易とすることを可能とする。
【解決手段】データ処理装置は、撮像部が撮像した撮像画像を取得する画像取得手段と、取得された撮像画像から予め設定された認証対象物を認識する画像認識手段と、実行可能なデータ処理の範囲が互いに異なる複数の操作モードごとに、所定の認証物を設定した認証データをもとに、認識された認証対象物が認証データに設定された認証物と一致する場合に、認証物に対応した操作モードを設定する操作モード設定手段と、設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理を行うデータ処理手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗では、商品に添付された商品コードを読み取って顧客が購入する商品の登録を行うPOS端末(Point Of Sale)等のデータ処理装置が用いられている。このデータ処理装置では、鍵やID(Identification Data)カード等により認証された店員が、認証により許可される範囲で、上述した商品登録の他、点検、精算等の業務処理を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術は、鍵やIDカード等による認証のための操作をユーザが行う必要があり、不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、実施形態のデータ処理装置は、撮像部が撮像した撮像画像を取得する画像取得手段と、前記取得された撮像画像から予め設定された認証対象物を認識する画像認識手段と、実行可能なデータ処理の範囲が互いに異なる複数の操作モードごとに、所定の認証物を設定した認証データをもとに、前記認識された認証対象物が前記認証データに設定された認証物と一致する場合に、当該認証物に対応した操作モードを設定する操作モード設定手段と、前記設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理を行うデータ処理手段とを備える。
【0005】
また、実施形態のプログラムは、コンピュータを、撮像部が撮像した撮像画像を取得する画像取得手段と、前記取得された撮像画像から予め設定された認証対象物を認識する画像認識手段と、実行可能なデータ処理の範囲が互いに異なる複数の操作モードごとに、所定の認証物を設定した認証データをもとに、前記認識された認証対象物が前記認証データに設定された認証物と一致する場合に、当該認証物に対応した操作モードを設定する操作モード設定手段と、前記設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理を行うデータ処理手段として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施形態にかかるデータ処理装置の一例であるPOSシステムの構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】図2は、POSシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、POSシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、表示画面の一例を示す概念図である。
【図5】図5は、表示画面の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、表示画面の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、POSシステムを例に実施形態にかかるデータ処理装置及びプログラムを図面を参照して説明する。POSシステムは、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末と、商品に添付された商品コードなどを読み取る商品コード読取装置とを有する構成であり、店舗システムの一例である。実施形態は、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたPOSシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、実施形態にかかるデータ処理装置の一例であるPOSシステム4の構成を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、POSシステム4は、商品を入れた買い物かごを戴置するためのカウンタ台1と、カウンタ台1の略中央に立設された商品コード読取装置2と、商品コード読取装置2と図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されたPOS端末3とを備えている。
【0009】
POS端末3は、客が購入する商品の販売登録を行うものである。図1に示すように、POS端末3には、キーボード31、オペレータ(店員)用の店員用ディスプレイ32、顧客用の顧客用ディスプレイ33、レシート印字等を行うプリンタ34、現金等を収容するためのドロワ35等が設けられている。キーボード31には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。POS端末3は、この種のチェックアウトレーンシステムで標準的に使用されているPOS端末と同様の構成と機能とを備えている。
【0010】
商品コード読取装置2は、商品に貼付されたバーコードまたは二次元コード等のコードシンボル(以下、バーコード)を、店員が商品を読取窓21にかざした際に読み取って、バーコードが含む商品情報をPOS端末3に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置2は、読取窓21と、キーボード22と、顧客用ディスプレイ23aと、店員用ディスプレイ23bと、カード読取部24と、ブザー25と、認証用カメラ26とを主に備えている。キーボード22は、各種キーによるオペレータの操作を受け付ける。例えば、キーボード22は、バーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に、各種キーによる入力を受付ける。顧客用ディスプレイ23aは、顧客向けに情報を表示するディスプレイであり、例えば登録された商品の品名や価格等を顧客に対して表示する。店員用ディスプレイ23bは、店員向けに情報を表示するディスプレイであり、例えば登録された商品の品名や価格等を店員に対して表示する。カード読取部24は、磁気カードやICカードなどに記録された情報を読み取る。ブザー25は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合などにブザー音を鳴らして、オペレータに報知する。読取窓21が設けられた商品コード読取装置2の内部にはカメラ20(図2参照)が内蔵されている。
【0011】
認証用カメラ26は、POSシステム4における操作部としてのキーボード22、31近傍に立つユーザ(オペレータ)を撮像対象とする向きに設置されたデジタルカメラである。具体的には、認証用カメラ26、商品コード読取装置2の上部などにおいて、キーボード22、31の操作を行うためにカウンタ台1の手前側(図1の例)に立つユーザを撮像するように、撮像方向を向けて設置される。したがって、POSシステム4の操作を行うユーザは、認証用カメラ26により撮像されることとなる。なお、認証用カメラ26の設置位置については、例えばPOS端末3の上部など、商品コード読取装置2の上部以外であってもよい。また、POSシステム4は、カメラ20を認証用カメラ26と兼用してもよい。
【0012】
図2は、POSシステム4の構成を示すブロック図である。POSシステム4は、CPU50(Central Processing Unit)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、通信I/F44と、入出力ポート46と、キーボードコントローラ47と、表示コントローラ48と、カメラコントローラ49と、メモリ45とを主に備えており、これらをアドレスバス、データバスなどのバスライン41で接続して構成されている。
【0013】
CPU50は、POSシステム4の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM42は、本実施形態にかかるプログラムや、CPU50の動作を制御するその他のプログラム等を記憶している。RAM43は、CPU50がROM42が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能する。また、RAM43は、カメラ20や認証用カメラ26によって撮像した画像データなどの各種データを格納する。
【0014】
通信I/F44は、店舗のデータを統括して管理するストアコンピュータ(図示しない)などの情報機器との間のデータ通信を制御する。入出力ポート46は、カード読取部24、ブザー25、プリンタ34と接続する通信ポートであり、カード読取部24が読み取ったデータの入力や、ブザー25、プリンタ34への駆動信号の出力などを行う。キーボードコントローラ47は、キーボード22、31からキー信号を取り込む。表示コントローラ48は、顧客用ディスプレイ23a、33、店員用ディスプレイ23b、32に対するデータ表示を制御する。カメラコントローラ49は、カメラ20、認証用カメラ26の撮像動作を制御する。カメラ20は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のデジタルカメラである。カメラ20は、商品に付されたバーコード等を撮像する。
【0015】
メモリ45は、書き換え可能な不揮発性メモリなどであり、認証用データFなどの設定データを格納している。この設定データは、POS端末3やストアコンピュータなどから配信されたデータを記憶したものであってよい。認証用データFは、POSシステム4を使用するオペレータ(ユーザ)ごとに、所定の認証物が予め設定されたデータである。この認証用データFにおいて設定されるユーザは、POSシステム4において実行可能なデータ処理の範囲を定める操作モードが互いに異なる。具体的には、POSシステム4におけるデータ処理の中で、商品登録に関するデータ処理が実行可能な通常ユーザと、商品登録の他、点検、精算等のデータ処理が実行可能な管理者とがある。したがって、認証用データFでは、通常ユーザや管理者等のオペレータが実行可能なデータ処理の範囲を定める操作モードごとに、所定の認証物が予め設定されている。なお、本実施形態では、操作モードとして、商品登録に関するデータ処理を実行可能なデータ処理の範囲とする通常ユーザと、商品登録、点検、精算のデータ処理を実行可能なデータ処理の範囲とする管理者とが認証用データFに設定されているものとする。また、各操作モードと、その操作モードで実行可能なデータ処理の範囲との関係については、ROM42の設定データなどに予め設定されているものとする。
【0016】
ここで、所定の認証物とは、POSシステム4を操作するオペレータとしての認証を行うため、オペレータの特徴を示すものとして事前に定めたものである。具体的には、オペレータが身につける制服や名札に描かれた店舗ロゴ、役職を示すロゴ等の模様、文字、テクスチャなどであってよい。認証用データFでは、操作モードごとに、上述した所定の認証物の形状を示す画像データなどが予め設定されている。なお、本実施形態では、オペレータが身につける制服の胸位置等に描かれた店舗ロゴや役職を示すロゴを認証物としている。
【0017】
ここで、CPU50がプログラムを実行することで実現される、商品コード読取装置2の機能構成について説明する。CPU50は、RAM43に展開されたROM42が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部51と、画像認識部52と、制御部53と、業務処理部54として機能する。
【0018】
画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20や認証用カメラ26に撮像動作を開始させる。画像データ取込部51は、撮像動作開始後にカメラ20や認証用カメラ26が撮像した画像データ(フレーム画像)を取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0019】
画像認識部52は、画像データ取込部51により取り込まれた、認証用カメラ26が撮像したフレーム画像から予め設定された認証対象物を認識する。ここで、認証対象物とは、認証用カメラ26が撮像したフレーム画像に映り込んだものの中から、認証用データFに設定された認証物と参照してユーザの認証を行う対象物のことである。具体的には、人物の衣服に描かれたロゴ等の模様、文字、テクスチャ、人物が身につけた名札などであってよい。具体的には、画像認識部52は、認証用カメラ26が撮像したフレーム画像を2値化して輪郭線を抽出し、抽出した輪郭線から人物や名札の形状とマッチする領域を認識する。次いで、画像認識部52は、認識した領域から例えば人物の胸位置の模様、文字、テクスチャなどを認証対象物として認識する。なお、画像認識部52は、認証用カメラ26が撮像したフレーム画像の中から、認識した認証対象物を含む領域の画像データを制御部53へ出力する。
【0020】
また、認証対象物の認識は、画像における特徴量として色合いや表面の凸凹状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体の認識する一般物体認識(generic object recognition)の技術を用いてもよい。この一般物体認識については次の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0021】
制御部53は、ユーザの認証により許可される範囲で、POSシステム4のデータ処理を行うように制御する。具体的には、制御部53は、画像認識部52による認証対象物が認証用データFに設定されたいずれかの認証物と一致する場合に、その認証物に対応した操作モードを設定する。より具体的には、制御部53は、画像認識部52より出力された認証対象物を含む領域の画像データと、認証用データFに設定された認証物の画像データとを比較して、画像認識部52が認識した認証対象物と一致する認証物を検索する。この検索は、公知のパターンマッチング技術で互いの画像データを比較し、類似点が所定値以上である場合に一致するものとする。次いで、制御部53は、一致する認証物がある場合に、その認証物と対応して認証用データFに記憶されている操作モードに設定する。
【0022】
業務処理部54は、商品登録、点検、精算等の種々のデータ処理(業務処理)の中で、制御部53により設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理を行う。具体的には、操作モードとして通常ユーザが制御部53により設定された時は、操作部であるキーボード22、31の操作指示により商品登録の指示が受け付けられた場合に、商品登録のデータ処理を行う。例えば商品登録のデータ処理では、業務処理部54は、カメラ20が撮像したフレーム画像から商品コード等のコード情報を読み取り、商品コードごとに商品名、商品分類、単価などが設定された商品マスタ情報を参照することで、読み取られた商品を特定する。次いで、業務処理部54は、特定した商品を顧客が購入する商品とし、その商品の売上登録を行う。なお、操作モードとして通常ユーザが設定されている時に点検、精算の指示が受け付けられた場合は、点検、精算のデータ処理は通常ユーザの範囲外であることから実行されない。
【0023】
次に、POSシステム4の動作について詳細に説明する。図3は、POSシステム4の動作の一例を示すフローチャートである。
【0024】
図3に示すように、電源投入などにより処理が開始されると、画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20、認証用カメラ26による撮像を開始する(S1)。次いで、画像認識部52は、画像データ取込部51により取り込まれた、認証用カメラ26によるフレーム画像から予め設定された認証対象物の画像認識があったか否かを判定する(S2)。次いで、制御部53は、画像認識部52による認証対象物の画像が認証用データFに設定されたいずれかの認証物の画像と一致するか否かを判定する(S3)。
【0025】
認証対象物の画像と、認証用データFに設定されたいずれかの認証物の画像とが不一致であった場合(S3:NO)、制御部53は、ROM42などに予め設定された所定の回数、連続して不一致であったか否かを判定する(S4)。この判定は、連続して不一致であった場合にインクリメントされるカウント数をRAM43の作業領域に記憶しておき、そのカウント数を参照することで行われる。
【0026】
S4において所定の回数、連続して不一致でない場合(NO)、制御部53は、ユーザの認証に失敗したことを報知する(S5)。具体的には、制御部53は、認証用カメラ26による音声報知や、店員用ディスプレイ23b、32の表示画面への表示出力でユーザの認証に失敗したことを報知する。図4は、表示画面Gの一例を示す概念図である。図4に示すように、制御部53は、表示画面Gにユーザの認証に失敗したことを示す報知画像G11を表示する。この報知を受けたユーザは、再度認証を試みることとなる。
【0027】
S4において所定の回数、連続して不一致である場合(YES)、制御部53は、POSシステム4の動作をロックするロックモードに操作モードを設定し(S6)、S17へ処理を進める。このロックモードは、POSシステム4のデータ処理を停止する操作モードであり、管理者などが予め設定された所定の解除操作をキーボード22、31などで行うまで設定される。したがって、不正なユーザ認証が連続した場合にPOSシステム4の動作をロックすることで、セキュリティの向上を図ることができる。
【0028】
認証対象物の画像と、認証用データFに設定されたいずれかの認証物の画像とが一致した場合(S3:YES)、制御部53は、所定の資格者(管理者)として認証用データFに設定された認証物の画像と一致したか否かを判定する(S7)。一致した場合(S7:YES)、制御部53は、管理者としての操作モードを設定し(S8)、設定した操作モードが管理者モードであることを表示や音声により報知する(S9)。また、S7で一致しない場合(NO)、制御部53は、通常ユーザとしての操作モードを設定し(S10)、設定した操作モードが通常モードであることを表示や音声により報知する(S11)。
【0029】
図5は、表示画面Gの一例を示す概念図である。より具体的には、操作モードが管理モードであることを報知する表示画面Gの一例を示している。図5に示すように、設定された操作モードの報知は、表示画面Gにモード通知画像G12を表示することで行う。このように、設定された操作モードを報知することで、ユーザ(オペレータ)はPOSシステム4がどの操作モードで動作しているかを容易に知ることができる。この時、各操作モードと、その操作モードで実行可能なデータ処理の範囲との関係が設定された設定データをROM42より読み出すことで、設定された操作モードで実行可能なデータ処理の範囲を示す業務範囲通知画像G13の表示も行う。このように、設定された操作モードで実行可能なデータ処理の範囲を報知することで、ユーザ(オペレータ)はどのデータ処理を実行できるかを容易に知ることができる。
【0030】
S9、S11に次いで、業務処理部54は、操作部であるキーボード22、31の操作指示によりオペレータからの業務の受け付けを行う(S12)。次いで、業務処理部54は、各操作モードと、その操作モードで実行可能なデータ処理の範囲との関係が設定された設定データをROM42より読み出し、受け付けた業務が設定された操作モードの範囲内であるか否かを判定する(S13)。
【0031】
受け付けた業務が設定された操作モードの範囲内でない場合(S13:NO)、業務処理部54は、設定された操作モード外の業務であることを表示や音声により報知する(S14)。図6は、表示画面Gの一例を示す概念図である。より具体的には、受け付けた業務が設定された操作モード外の業務であることを報知する表示画面Gの一例を示している。図6に示すように、POSシステム4では、設定された操作モード外の業務であることを示す報知画像G11を表示画面Gに表示することで、ユーザへの報知を行う。この時、図示例のとおり、設定された操作モードで実行可能なデータ処理の範囲を示す業務範囲通知画像G13の表示も行ってよい。
【0032】
受け付けた業務が設定された操作モードの範囲内である場合(S13:YES)、業務処理部54は、受け付けたデータ処理(業務処理)を実行する(S15)。このデータ処理は、キーボード22、31などによりデータ処理の終了が指示されるまで(S16:YES)、継続される。次いで、S17において、CPU50は、カメラコントローラ49に撮像オフ信号を出力してカメラ20、認証用カメラ26による撮像を終了し、処理を終了する。
【0033】
以上のように、POSシステム4では、認証用カメラ26が撮像した撮像画像から予め設定された認証対象物を認識し、実行可能なデータ処理の範囲が互いに異なる複数の操作モードごとに、所定の認証物を設定した認証用データFをもとに、認識された認証対象物が認証用データFに設定された認証物と一致する場合に、その認証物に対応した操作モードを設定する。したがって、POSシステム4では、鍵やIDカード等による認証のための操作をユーザが行う必要がなく、ユーザ認証を容易とすることができる。
【0034】
本実施形態のPOSシステム4で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOSシステム4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0035】
さらに、本実施形態のPOSシステム4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOSシステム4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0036】
本実施形態のPOSシステム4で実行されるプログラムは、上述した各部(画像データ取込部51、画像認識部52、制御部53、業務処理部54)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0037】
また、本実施形態では、POSシステム4全体としてのCPU50が上述したプログラムを実行する構成を例示した。しかしながら、商品コード読取装置2又はPOS端末3のCPUがプログラムを実行することで、個々の装置が個別に実現してもよいことは言うまでもないことである。
【符号の説明】
【0038】
1…カウンタ台、2…商品コード読取装置、3…POS端末、4…POSシステム、20…カメラ、21…読取窓、22…キーボード、23a…顧客用ディスプレイ、23b…店員用ディスプレイ、24…カード読取部、25…ブザー、26…認証用カメラ、31…キーボード、32…店員用ディスプレイ、33…顧客用ディスプレイ、34…プリンタ、35…ドロワ、41…バスライン、42…ROM、43…RAM、44…通信I/F、45…メモリ、46…入出力ポート、47…キーボードコントローラ、48…表示コントローラ、49…カメラコントローラ、50…CPU、51…画像データ取込部、52…画像認識部、53…制御部、54…業務処理部、F…認証用データ、G…表示画面、G11…報知画像、G12…モード通知画像、G13…業務範囲通知画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】特開平9−245138号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部が撮像した撮像画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された撮像画像から予め設定された認証対象物を認識する画像認識手段と、
実行可能なデータ処理の範囲が互いに異なる複数の操作モードごとに、所定の認証物を設定した認証データをもとに、前記認識された認証対象物が前記認証データに設定された認証物と一致する場合に、当該認証物に対応した操作モードを設定する操作モード設定手段と、
前記設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理を行うデータ処理手段と、
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記設定された操作モードを報知する報知手段を更に備える、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記設定された操作モードにおいて実行可能なデータ処理の範囲を報知する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記操作モード設定手段は、前記認識された認証対象物が前記認証データに設定された認証物と所定の回数連続して不一致である場合に、動作をロックするロックモードを設定する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記データ処理手段は、複数のデータ処理の中から前記操作部により受け付けられたデータ処理が前記設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理である場合に、前記受け付けられたデータ処理を行う、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像部が撮像した撮像画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された撮像画像から予め設定された認証対象物を認識する画像認識手段と、
実行可能なデータ処理の範囲が互いに異なる複数の操作モードごとに、所定の認証物を設定した認証データをもとに、前記認識された認証対象物が前記認証データに設定された認証物と一致する場合に、当該認証物に対応した操作モードを設定する操作モード設定手段と、
前記設定された操作モードに対応した範囲内のデータ処理を行うデータ処理手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−45361(P2013−45361A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184023(P2011−184023)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】