説明

データ処理装置

【課題】 利用者がワークフローの処理を実行させる前に成功するか否かを容易に確認できるようにする。
【解決手段】 データ配信装置1の制御部10は、通信制御部19を介して画像形成装置2からワークフローの識別情報と共にワークフロー動作確認依頼を受信したと判断したら、ジョブ実行管理部12が、画像形成装置2から受信したワークフローの識別情報に基づいてワークフロー情報格納部11からワークフローの読み出し、ワークフロー実行部13がワークフローに基いて第1データ処理部15〜第4データ処理部18の動作確認を実行し、利用可否判断通知部14が、上記動作確認結果に基いてワークフロー中の全ての処理について動作確認成功か否かを判断し、動作不可のものがあった場合、動作確認の依頼があったワークフローは利用できない旨の通知を画像形成装置2へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置と、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、並びにこれらの各装置の機能を備えた複合機等の画像形成装置を含むデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の端末装置とデータ処理装置(「データ配信装置」とも呼ぶ)とをネットワークを介して通信可能に接続したデータ配信システムが知られている。
このようなデータ配信システムでは、端末装置からデータ処理装置にデータを送り、データ処理装置ではデータに対して予め作成されたワークフローに基づく配信処理を実行することができる。
上記ワークフローは、データに対して行うべき処理をひとまとめにした手順であり、データ処理装置で実行できる複数種類の処理のなかのいずれか1つや複数の処理を組み合わせて実行することができる。
上記ワークフローの処理の一例としては、データ処理装置は端末装置から受信した画像データを指定された形式に画像変換した後にファイルサーバに配信する処理がある。また、端末装置から受信した電子メールデータをメールサーバに配信する処理がある。
【0003】
さらに、このようなデータ配信システムには、ユーザを管理する認証サーバを備える場合もある。
上記端末装置としては、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、並びにこれらの各装置の機能を備えたデジタル複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像処理装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置がある。
従来、上記のようなデータ配信システムにおいて、データ処理装置でのワークフローを端末装置の利用者が利用する場合、データ処理装置に依頼した処理が成功したか否かを判断する方法として、利用者がデータ処理装置に問い合わせて処理結果のログによって確認する方法や、端末装置へ処理結果をメールなどで通知する方法を採用したデータ処理装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデータ処理装置では、端末装置の利用者はワークフローの処理が実際に行われるまで処理失敗を知るすべがないという問題があった。
例えば、配信先のサーバに空き容量がないというケースでは、利用者はそれを知るすべがないため、実際にデータ処理装置を利用し、データ処理装置からの配信失敗を知らせる通知で初めて依頼したワークフローの処理が失敗したことを知ることになる。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、利用者がワークフローの処理を実行させる前に成功するか否かを容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記の目的を達成するため、データに対して行う処理内容を示すワークフローを記憶するワークフロー記憶手段と、データとそのデータに適用するワークフローの識別情報と上記データの配信先情報を受信すると、ワークフロー記憶手段から上記識別情報に対応するワークフローを読み出す読出手段と、その読出手段によって読み出したワークフローに基いて上記受信したデータに対する処理を実行し、そのデータを上記配信先情報が示すネットワーク上の装置へ配信する処理手段と、ワークフロー記憶手段のワークフローの識別情報と共に動作確認依頼があった場合、読出手段によってワークフロー記憶手段から上記識別情報に対応するワークフローを読み出し、その読み出したワークフローに基いて処理手段によって動作確認をさせ、その動作確認の結果を通知する利用可否判断通知手段を備えたデータ処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
この発明によるデータ処理装置は、利用者がワークフローの処理を実行させる前に成功するか否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】発明の実施形態のデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の処理を示すフローチャート図である。
【図3】図1に示すデータ処理装置の処理を示すフローチャート図である。
【図4】ワークフローの動作確認対象のワークフローリストの一例を示す図である。
【図5】ワークフローの動作確認時に使用するパラメータの一例を示す図である。
【図6】同じくワークフローの動作確認時に使用するパラメータの一例を示す図である。
【図7】ワークフロー選択画面の一例を示す図である。
【図8】ワークフローの処理手順の一例を示す説明図である
【図9】ワークフロー画面の一例を示す図である。
【図10】この発明の他の実施形態の画像形成装置の内部構成例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、発明の実施形態のデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
このデータ配信システムは、データ配信装置1が、ネットワーク6を介して、画像形成装置2、SMTPサーバ3、ファイルサーバ4、Webサーバ5と、ネットワーク6上の図示を省略した他の装置とそれぞれデータ通信可能に接続している。
データ配信装置1は、画像形成装置2を含む他の装置からデータを受信し、そのデータを指定されたワークフローに基いてSMTPサーバ3、ファイルサーバ4、およびWebサーバ5を含む装置へ配信する処理を行う。
【0009】
以下の説明では、画像形成装置2からデータ配信装置1へデータを送り、データ配信装置1は、そのデータをワークフローに基いて処理してSMTPサーバ3、ファイルサーバ4、またはWebサーバ5へ配信する場合について説明するが、ネットワーク6上の図示を省略した他の装置についても同様に実施することができる。
【0010】
画像形成装置2は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、並びにこれらの各装置の機能を備えた複合機であり、ワークフローによる処理対処のデータを作成してデータ配信装置1へ送信する。
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol、簡易メール転送プロトコル)サーバ3は、電子メールの送信するためのサーバであり、データ配信装置1から配信された電子メールデータを蓄積する。その蓄積された電子メールデータは例えば、POP(Post Office Protocol)サーバによって受信され、電子メールデータの宛先へ配信される。
【0011】
ファイルサーバ4は、データ配信装置1から配信されたデータをファイル形式で蓄積し、ネットワーク6上の画像形成装置2に検索させ、その検索されたデータを提供する。
Webサーバ5は、WWW(World Wide Web)によるデータ送受信機能を持ったサーバであり、ネットワーク6上の各装置に対してインターネット通信を可能にする。
【0012】
データ配信装置1は、CPU、ROMおよびRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、制御部10およびワークフロー情報格納部11を備えている。
制御部10は、データ配信装置1の全体の制御を司り、ジョブ実行管理部12、ワークフロー実行部13、利用可否判断通知部14、第1データ処理部15、第2データ処理部16、第3データ処理部17、第4データ処理部18、および通信制御部19の機能も備えている。
【0013】
ワークフロー情報格納部11は、ハードディスク装置を含む記憶部であり、画像形成装置2から受信したジョブデータ、データに対して行う処理内容を示すワークフロー、画像形成装置2に提供するワークフロー画面情報を含む各種のデータを記憶する。
このワークフロー情報格納部11には、データ配信装置1で実行可能な複数種類のデータのなかの1つを実行するワークフロー、または複数種類のデータを組み合わせて実行するワークフローの複数種類のワークフローを予め記憶している。
【0014】
この各ワークフローは、それぞれ識別情報を対応させて記憶しており、その識別情報に基づいて指定されたワークフローを読み出すことができる。
上記データには、画像形成装置2で作成された文書データ、電子メールデータ、画像形成装置2の画像読取機能によって読み取られた画像データ、ファクシミリ通信で受信したファクシミリデータを含む各種のデータがある。
上記ワークフロー画面情報は、画像形成装置2でワークフロー選択画面、ワークフロー画面を表示するためのデータである。
【0015】
ジョブ実行管理部12は、通信制御部19によってネットワーク6上の画像形成装置2から受信したデータをジョブデータとしてワークフロー情報格納部11に格納し、ワークフロー実行部13に処理を依頼する。
ワークフロー実行部13は、ジョブデータについてそのジョブデータに適用するワークフローに基いて第1データ処理部15〜第4データ処理部18にそれぞれ処理を実行させる。この実施形態では、第1データ処理部15〜第4データ処理部18まで図示し、その他のデータ処理部については図示を省略している。
【0016】
利用可否判断通知部14は、データ処理部に動作確認の依頼を行う。また、依頼の結果をもとにユーザへ通知を行うかどうか判断する。
第1データ処理部15〜第4データ処理部18は、ワークフローに記載されている各処理内容の処理をそれぞれ実行する機能部である。
例えば、第1データ処理部15は、データに所定の画像変換処理を施す処理を行う。
また、第2データ処理部16は、データをSMTPサーバ3へ配信する処理を行う。この場合、電子メールデータはそのまま配信し、画像データの場合は電子メールに添付して配信する。
【0017】
さらに、第3データ処理部17は、データをファイルサーバ4の所定のフォルダへ配信する処理を行う。
また、第4データ処理部18は、データにOCR処理を施す処理を行う。
このOCR処理は、画像データから文字を認識し、その認識した文字をコードデータに変換する処理である。
通信制御部19は、ネットワーク6を介して画像形成装置2、SMTPサーバ3、ファイルサーバ4、及びWebサーバ5を含む装置とのデータの送受信を行う。
【0018】
一方、画像形成装置2は、CPU、ROMおよびRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、制御部20、操作表示部21、通信制御部22、記憶部23、および画像形成部24を備えている。
制御部20は、画像形成装置2の全体の制御を司る。
操作表示部21は、利用者が各種の操作情報を入力する操作部と、利用者が利用するワークフロー選択画面、ワークフロー画面を含む各種の操作画面と、利用者に知らせる各種の情報を表示する表示部とからなるオペレーションパネルである。
【0019】
通信制御部22は、ネットワーク6を介してデータ配信装置1、SMTPサーバ3、ファイルサーバ4、及びWebサーバ5を含む装置とのデータの送受信を行う。
記憶部23は、ハードディスク装置を含む記憶部であり、データ配信装置1へ送信するデータ、連携しているデータ配信装置1の情報を含む各種のデータを記憶する。
【0020】
画像形成部24は、原稿の画像を読み取り、その読み取った画像データ(スキャンデータ)を生成する画像読取機能と、その画像読取機能によって生成した画像データ、画像形成装置2で作成された文書データ、ネットワーク6を介して他の装置から受信した文書データおよび画像データを紙に印刷する画像形成機能を備えている。
この画像形成部24における画像読取機能および画像形成機能Webの詳細な構成と動作については公知なので説明を省略する。
【0021】
すなわち、上記ワークフロー情報格納部11が、データに対して行う処理内容を示すワークフローを記憶するワークフロー記憶手段の機能を果たす。
また、上記ジョブ実行管理部12が、データとそのデータに適用するワークフローの識別情報と上記データの配信先情報を受信すると、ワークフロー記憶手段から上記識別情報に対応するワークフローを読み出す読出手段の機能を果たす。
【0022】
さらに、上記ワークフロー実行部13、第1データ処理部15〜第4データ処理部18、および通信制御部19が、読出手段によって読み出したワークフローに基いて上記受信したデータに対する処理を実行し、そのデータを上記配信先情報が示すネットワーク6上の装置へ配信する処理手段の機能を果たす。
【0023】
また、上記利用可否判断通知部14と通信制御部19が、ワークフロー記憶手段のワークフローの識別情報と共に動作確認依頼があった場合、読出手段によってワークフロー記憶手段から上記識別情報に対応するワークフローを読み出し、その読み出したワークフローに基いて処理手段によって動作確認をさせ、その動作確認の結果を通知する利用可否判断通知手段の機能を果たす。
【0024】
また、データ配信装置1の制御部10のROM又はRAM(コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する)に、以下のプログラムを格納し、CPUがそのプログラムの手順を実行することによって以下のデータ処理方法を実行し、上述した各部の機能を果たすようにしても良い。
【0025】
コンピュータに、データとそのデータに適用するワークフローの識別情報と上記データの配信先情報を受信すると、データに対して行う処理内容を示すワークフローを記憶するワークフロー記憶手段から上記識別情報に対応するワークフローを読み出す読出手順と、その読出手順によって読み出したワークフローに基いて上記受信したデータに対する処理を実行し、そのデータを上記配信先情報が示すネットワーク上の装置へ配信する処理手順と、ワークフロー記憶手段のワークフローの識別情報と共に動作確認依頼があった場合、上記読出手順によってワークフロー記憶手段から上記識別情報に対応するワークフローを読み出し、その読み出したワークフローに基いて上記処理手順によって動作確認をさせ、その動作確認の結果を通知する利用可否判断通知手順とを実行させるためのプログラム。
【0026】
コンピュータに、上記の手順に、上記利用可否判断通知手順の動作を予め設定した間隔で定期的に実行させる実行手順、その実行手順によって動作確認を実行するワークフローの種類を選択する選択手順、または、上記間隔を変更する変更手順を含めたプログラム。
さらに、上記処理対象のデータとそのデータに適用するワークフローの識別情報と上記データの配信先情報の受信先と上記動作確認の結果の通知先がネットワーク上の他の同一装置にするとよい。
また、上記ワークフロー記憶手段には、複数種類のワークフローを記憶するとよい。
【0027】
次に、画像形成装置2におけるワークフロー利用時の処理について説明する。
図2は、図1に示した画像形成装置2におけるワークフロー利用時の処理を示すフローチャート図である。
図1の画像形成装置2の制御部20は、操作表示部21からワークフローを利用する指示入力があると、図2に示す処理を実行する。
制御部20は、ステップ(図中「S」で示す)1のワークフロー画面情報取得処理を実行する。
【0028】
このワークフロー画面情報取得処理では、記憶部23に記憶されている連携しているデータ配信装置1の情報の中からデータ配信装置1の宛先情報を読み出す。
さらに、その宛先情報に基づいて通信制御部22を介してネットワーク6上のデータ配信装置1にアクセスする。
そして、通信制御部22を介してデータ配信装置1にワークフロー選択画面情報とワークフロー画面情報を含むワークフロー画面情報を要求し、データ配信装置1から返信されるワークフロー画面情報を受信して取得する。
【0029】
次に、制御部20は、ステップ2のワークフロー選択画面表示処理を実行する。
このワークフロー選択画面表示処理では、操作表示部21に、データ配信装置1から受信したワークフロー画面情報のワークフロー選択画面情報に基くワークフロー選択画面を表示する。
次に、制御部20は、ステップ3で、ワークフローが選択されたか否かを判断する。
この判断では、ワークフロー選択画面によって複数のワークフローの中からいずれかのワークフローが選択されたか否かを判断し、選択されるまで判断処理を繰り返し、選択されたらステップ4へ進む。
【0030】
次に、制御部20は、ステップ4で、ワークフロー動作確認依頼処理を実行する。
このワークフロー動作確認依頼処理では、通信制御部22を介してデータ配信装置1に上記選択されたワークフローの識別情報と共にワークフロー動作確認依頼を送信する。
次に、制御部20は、ステップ5で、ワークフロー動作確認結果受信処理を実行する。
このワークフロー動作確認結果受信処理では、通信制御部22を介してデータ配信装置1から上記依頼したワークフロー動作確認結果として上記選択したワークフローの利用可能通知あるいは利用不可能通知を受信する。
【0031】
次に、制御部20は、ステップ6で、ワークフロー中の全ての処理について動作確認成功か否かを判断する。
この判断では、上記依頼したワークフロー動作確認結果として上記選択したワークフローの利用可能通知を受信したら、ワークフロー中の全ての処理について動作確認成功と判断し、ステップ7へ進み、利用不可能通知を受信したら、ワークフロー中の全ての処理について動作確認成功ではないと判断し、ステップ8へ進む。
【0032】
そして、制御部20は、ステップ7のワークフロー画面表示処理で、操作表示部21に上記選択したワークフローが利用可能であることを明示し、この処理を終了する。
また、制御部20は、ステップ8の選択したワークフローの利用不可表示処理で、操作表示部21に上記選択したワークフローが利用不可であることを表示し、この処理を終了する。
【0033】
次に、データ配信装置1におけるワークフロー動作確認処理について説明する。
図3は、図1に示したデータ配信装置1におけるワークフロー動作確認処理を示すフローチャート図である。
図1のデータ配信装置1は、ステップ(図中「S」で示す)11で、ワークフロー画面情報要求受信処理を行う。
このワークフロー画面情報要求受信処理で、制御部10は、通信制御部19を介して画像形成装置2からアクセスがあり、画像形成装置2からワークフロー画面情報の要求を受信する。
【0034】
次に、制御部10は、ステップ12のワークフロー画面情報提供処理を実行する。
このワークフロー画面情報提供処理で、ジョブ実行管理部12がワークフロー情報格納部11からワークフロー選択画面情報とワークフロー画面情報を含むワークフロー画面情報を読み出し、通信制御部19を介して画像形成装置2へワークフロー画面情報を送信する。
【0035】
次に、制御部10は、ステップ13で、通信制御部19を介して画像形成装置2からワークフローの識別情報と共にワークフロー動作確認依頼を受信したか否かを判断する。
この判断で、受信しないと判断したら判断処理を繰り返し、受信したと判断したらステップ14へ進む。
次に、制御部10は、ステップ14で、ワークフロー動作確認処理を実行する。
このワークフロー動作確認処理では、利用可否判断通知部14が、画像形成装置2から受信したワークフローの識別情報に基づいてジョブ実行管理部12にワークフローの読み出しを指示する。
【0036】
ジョブ実行管理部12は、ワークフロー情報格納部11から上記識別情報に対応するワークフローを読み出して利用可否判断通知部14へ送る。
利用可否判断通知部14は、ジョブ実行管理部12から受け取ったワークフローに基いてワークフロー実行部13による第1データ処理部15〜第4データ処理部18に動作確認を実行させる。
この動作確認では、例えば、第1データ処理部15の画像変換処理では、ワークフロー情報格納部11に予め記憶させているデータについて画像変換処理が正しく行えるか否かを確認する。
【0037】
また、第2データ処理部16のSMTP配信処理では、ワークフロー情報格納部11に予め記憶させているデータをSMTPサーバ3に配信できるか否かを確認する。
さらに、第3データ処理部17のフォルダ配信処理では、ワークフロー情報格納部11に予め記憶させているデータをファイルサーバ4に格納できるか否かを確認する。
さらにまた、第4データ処理部18のOCR処理では、ワークフロー情報格納部11に予め記憶させている画像データにOCR処理を施してコードデータが得られるか否かを確認する。
【0038】
次に制御部10は、ステップ15で、ワークフロー動作確認結果取得処理を実行する。
このワークフロー動作確認結果取得処理では、利用可否判断通知部14が、上記第1データ処理部15〜第4データ処理部18における動作確認結果を収集して取得する。
次に、制御部10は、ステップ16で、ワークフロー中の全ての処理について動作確認成功か否かを判断する。
この判断では、上記依頼されたワークフローの全処理の動作確認が成功したらステップ17へ進み、上記依頼されたワークフローのいずれか1つの処理でも動作確認が成功しなかったらステップ18へ進む。
【0039】
そして、制御部10は、ステップ17の上記選択したワークフローの利用可能通知処理で、通信制御部19を介して画像形成装置2へ上記選択したワークフローの利用が可能であることを通知して、この処理を終了する。
また、制御部10は、ステップ18の上記選択したワークフローの利用不可通知処理で、通信制御部19を介して画像形成装置2へ上記選択したワークフローが利用不可であることを通知し、この処理を終了する。
【0040】
このようにして、データ配信装置1では、画像形成装置2からの依頼に基づいてワークフローに基づく第1データ処理部15〜第4データ処理部18に対して事前に設定されている設定に基づいて所定の動作確認処理を実行させる。
そして、利用可否判断通知部14が、第1データ処理部15〜第4データ処理部18の各動作確認結果を収集し、動作不可のものがあった場合、動作確認の依頼があったワークフローは利用できない旨の通知を画像形成装置2へ通知する。
【0041】
画像形成装置2では、データ配信装置1からの通知に基いて利用者に選択したワークフローが利用できないことを表示する。
したがって、利用者は、ワークフローの利用を開始する前に、利用したいワークフローがデータ配信装置1で利用可能か否かを予め知ることができ、実行させても失敗するようなワークフローの実行を回避して作業効率を高めることができる。
【0042】
次に、上記動作確認処理後、画像形成装置2からデータ配信装置1へワークフローの処理を依頼する場合、画像形成装置2の制御部20は、利用者によって選択されたワークフローの識別情報と、その選択されたワークフローを適用するデータと、そのデータの配信先情報とを通信制御部22を介してデータ配信装置1へ送信する。
一方、データ配信装置1の制御部10は、画像形成装置2から通信制御部19を介してデータとそのデータに適用するワークフローの識別情報とデータの配信先情報を受信すると、ジョブ実行管理部12が、それらのデータをワークフロー情報格納部11に一旦格納する。
【0043】
そして、ジョブ実行管理部12は、ワークフロー情報格納部11から上記識別情報に対応するワークフローを読み出し、ワークフロー実行部13へ渡す。
さらに、ワークフロー実行部13は、ワークフローに基いて第1データ処理部15〜第4データ処理部18を含む各データ処理部のいずれか1つまたは複数を動作させて上記受信したデータに対する処理を実行し、そのデータを上記配信先情報が示すネットワーク6上の装置(この実施形態の場合、SMTPサーバ3、ファイルサーバ4、又はWebサーバ5)へ通信制御部19を介して配信する。
【0044】
図4は、ワークフローの動作確認対象のワークフローリストの一例を示す図である。
画像形成装置2の制御部20は、利用者によってワークフロー選択画面から、例えば、第1ワークフローと第4ワークフローが選択されると、それらのワークフローの実行の前に、図4に示したようなワークフローリストを作成し、第1ワークフローと第4ワークフローの各識別情報と共に第1ワークフローと第4ワークフローの動作確認依頼をデータ配信装置1へ送信する。
【0045】
図5は、ワークフローの動作確認時に使用するパラメータの一例を示す図である。
データ配信装置1では、ワークフロー情報格納部11に、各ワークフローに記載される処理内容毎の動作確認時のパラメータを予め記憶している。
図5に示したように、例えば、画像変換処理については、特にパラメータを設定せず、SMTP配信処理のパラメータとしては、SMTPサーバ3のアドレスであるSMTPServerAddress「192.168.0.xxx」を記憶している。
【0046】
そして、動作確認が依頼されたワークフローにSMTP配信処理が含まれていた場合、第1データ処理部15は上記アドレスに基いてSMTPサーバ3への配信の動作確認を実行し、予め動作確認用に用意したデータがSMTPサーバ3へ格納されたか否かを確認する。この場合、SMTPサーバ3へ格納されなければ、SMTP配信処理が失敗と判断する。
【0047】
図6は同じくワークフローの動作確認時に使用するパラメータの一例を示す図である。
また、図6に示したように、フォルダ配信処理については、次の3つを記憶している。
1.認証ユーザのホームフォルダの空き容量が5MBを超えていること。
2.配信先パス(のフォルダ)の空き容量が5MBを超えていること。
3.配信先のパス「¥¥FileServer.local¥ShareFolder1」「¥¥SharedServer.local¥FolderA」。
【0048】
そして、動作確認が依頼されたワークフローにフォルダ配信処理が含まれていた場合、第2データ処理部16はファイルサーバ4にアクセスし、上記各配信先のパスで示される各フォルダについて、認証ユーザのホームフォルダの空き容量が5MBを超えていることと、配信先パスのフォルダの空き容量が5MBを超えていることを確認する。
この場合、いずれかの容量が5MB以下の場合はフォルダ配信処理が失敗と判断する。
【0049】
図7は、ワークフロー選択画面の一例を示す図である。
画像形成装置2は、データ配信装置1から取得したワークフロー選択画面情報に基づいて操作表示部21に図7に示すようなワークフロー選択画面30を表示する。
このワークフロー選択画面30には、利用者がデータ配信装置1で利用できるワークフローを選択するワークフロー1〜ワークフロー4の選択ボタン31〜34が表示される。
【0050】
利用者がワークフロー選択画面30から所望のワークフローボタンを、例えば、第1ワークフローの選択ボタン31と、第4ワークフローの選択ボタン34とを押下すると、画像形成装置2は上述の処理によってデータ配信装置1に第1ワークフローと第4ワークフローの動作確認を依頼する。
そして、データ配信装置1から、例えば、第1ワークフローについては利用可能の通知が、第4ワークフローについては利用不可の通知があった場合、第1ワークフローの選択ボタン31を選択可能な状態を示す輝度表示にし、第4ワークフローの選択ボタン34を選択不可能な状態を示す半輝度表示、もしくは選択ボタン34上に利用不可を表すアイコンを表示する。
【0051】
さらに、第4ワークフローについては、ワークフロー利用不可メッセージとして、例えば、「選択した第4ワークフローでは現在配信できません。管理者に連絡するか、しばらくしてから利用して下さい。」を表示し、利用者に選択したワークフローが利用できない旨を通知する。
また、データ配信装置1から画像形成装置2に利用不可の通知と共に、利用不可の詳しい原因を通知するようにすれば、画像形成装置2ではワークフロー利用不可メッセージ中に原因を表示することができ、その原因が管理者でなくても理解できる内容ならば、利用者が自ら対応することができる。
【0052】
図8は、ワークフローの処理手順の一例を示す説明図である。
図7に示したワークフロー1〜ワークフロー4の選択ボタン31〜34で実行できる処理手順としては、例えば、図8に示すようになる。
ワークフロー1の選択ボタン31で実行できる処理は、例えば、図8の(a)に示すように、データに対して画像変換処理(例えば、画像フォーマットの変換、ビットマップデータからJPEG圧縮データに変換)を施した後に、SMTP配信処理によってSMTPサーバ3へ配信する。
【0053】
また、ワークフロー2の選択ボタン32で実行できる処理は、例えば、図8の(b)に示すように、データに対してOCR処理を施した後に、フォルダ配信処理によってファイルサーバ4の指定されたフォルダへ配信して格納する。
さらに、ワークフロー3の選択ボタン33で実行できる処理は、例えば、図8の(c)に示すように、データをフォルダ配信処理によってファイルサーバ4の指定されたフォルダへ配信して格納すると共に、SMTP配信処理によってSMTPサーバ3へ配信する。
さらにまた、ワークフロー4の選択ボタン34で実行できる処理は、例えば、図8の(d)に示すように、データをフォルダ配信処理によってファイルサーバ4の指定されたフォルダへ配信して格納する。
【0054】
図9は、ワークフロー画面の一例を示す図である。
このワークフロー画面40は、例えば、上述の動作確認処理によって利用可能であることが通知されたワークフロー3の詳細設定のためのものであり、利用者は、操作表示部21からフォルダ配信先指定欄41に、ファイルサーバ4のデータを格納するフォルダの配信先パスを入力する。
さらに、SMTP配信先指定欄42に、SMTPサーバ3のアドレスを入力する。
【0055】
そして、ワークフロー3を適用するデータを選択し、ワークフロー3の実行を入力すると、データとそのデータに適用するワークフロー3の識別情報とデータの配信先情報(この場合、ファイルサーバ4のフォルダの配信先パスとSMTPサーバ3のアドレス)と共に、ワークフロー3の実行要求をデータ配信装置1へ送信する。
【0056】
次に、上記データ配信装置1において、利用可否判断通知部14が、予め設定した間隔で定期的に上述したワークフローの動作確認を実行させる実行手段としての機能も果たすようにすると良い。
この場合、利用可否判断通知部14に予めワークフローの動作確認の実行条件として、毎日定時、一日の内の所定時間毎等の間隔を設定する。
【0057】
そして、利用可否判断通知部14は、上記間隔に基いて定期的にワークフロー情報格納部11に格納された各ワークフローについて上述のようにして動作確認を実行し、その動作確認結果をネットワーク6上のデータ配信装置1を利用する全ての装置(画像形成装置2を含む)に通知する。
このようにすれば、データ配信装置1が自ら定期的に全ワークフローに対して動作確認を行い、配信処理が実行不能なワークフローを利用者が選択できないようにすることができる。
【0058】
例えば、画像形成装置2では、データ配信装置1からワークフロー選択画面情報を取得し、ワークフロー選択画面を表示したときに、その時点までにデータ配信装置1から取得した上記通知に基いて利用できるワークフローの選択ボタンのみを有効に表示することができる。
したがって、利用者は所望のワークフローを選択し、そのワークフローの動作確認を待たずにデータ配信装置1で利用できるワークフローを失敗することなく実行させることができる。
【0059】
次に、上記データ配信装置1において、利用可否判断通知部14が、動作確認を実行するワークフローの種類を選択する選択手段の機能も果たすようにすると良い。
例えば、図示を省略したデータ配信装置1の入力部からの選択指示に基づいて、または、画像形成装置2、図示を省略した管理者が使用するネットワーク6上の端末装置からの選択指示に基づいて、制御部10が上記選択手段の機能を果たすようにすると良い。
【0060】
このようにすれば、データ配信システムの管理者が動作確認を行うワークフローを適宜選択することができる。
したがって、データ配信システムの管理者は動作確認が不要なワークフローを動作確認処理から除外することができる。
例えば、管理者は各ワークフローの実行結果のログに基いて過去に失敗が所定回数よりも少ないワークフローについては、自動による動作確認対象から除外するようにすれば、データ配信装置1の処理負担を軽減させることができる。
【0061】
次に、上記データ配信装置1において、利用可否判断通知部14が、上記間隔を変更する変更手段の機能を果たすようにすると良い。
この場合、例えば、図示を省略したデータ配信装置1の入力部からの変更操作入力に基づいて、または、画像形成装置2、図示を省略した管理者が使用するネットワーク6上の端末装置からの変更操作入力に基づいて、利用可否判断通知部14が、自部の動作を予め設定した間隔で定期的に実行させる実行手段に対する上記間隔を変更する変更手段の機能を果たすようにすると良い。
【0062】
このようにすれば、管理者がデータ配信装置1におけるワークフローの動作確認処理の実行間隔を自由に設定できる。
上記間隔としては、日時、時間で指定するとよい。また、ネットワーク6からのアクセス量を監視し、アクセス量が少ない時間帯に自動的に上記動作確認を実行するようにしても良い。
【0063】
次に、動作確認を実行する複数のワークフローを複数のグループに分け、各グループ毎に動作確認処理の実行間隔を設定するようにしても良い。
例えば、利用頻度の高いワークフローのグループは動作確認の実行回数を多く設定し、利用頻度の低いワークフローのグループは動作確認の実行回数を少なく設定することにより、利用者は利用頻度の高いワークフローについて利用可能か否かを重点的に知ることができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0064】
次に、上述の実施形態では、ワークフローに処理を依頼する画像形成装置2と、ワークフローを実行するデータ配信装置1がそれぞれ異なる装置の場合を説明したが、この発明のデータ処理装置は、一般的な画像形成装置に上記データ配信装置1の機能を設けることによっても実施できる。
すなわち、処理対象のデータとそのデータに適用するワークフローの識別情報とデータの配信先情報の受信先とワークフローの動作確認の結果の通知先とを同一装置にする。
図10は、この発明の他の実施形態の画像形成装置の内部構成例を示す構成図である。
この実施形態の画像形成装置は、タンデム型間接転写方式の画像形成装置の構成例を示している。
【0065】
このような構成の画像形成装置としては、例えば、複写機(コピー機)、複合機(マルチファンクションペリフェラル:MFP)がある。
図10に示した画像形成装置は、装置本体(以下「本体」という)51の上部に原稿を自動的にコンタクトガラス80上に給送する自動原稿給送部(「ADF」と略称する)52を、本体51の中央部に画像形成部(「プリンタ部」ともいう)53を、本体51の下部にそれぞれ用紙(記録紙)Pを積載して格納する複数段(この例では4段)の給紙カセット90を備えた給紙部(「給紙バンク」ともいう)54をそれぞれ備えている。
なお、給紙部54には、さらに他の給紙部を増設することも可能である。
【0066】
ADF52の本体51の上面には、図示を省略した操作部を備えており、その操作部にはユーザが複写(コピー)動作の開始を指示入力するためのスタートキー、コピー枚数を含む各種のパラメータを設定入力するためのテンキー、両面モード(用紙の表裏両面に画像を形成するモード)を含む各種モード、用紙サイズ、コピー濃度を含む設定項目を選択するキー、ユーザに対する各種の操作画面とメッセージの表示を行う液晶表示器等の表示部などを備えている。
【0067】
プリンタ部53の上方には原稿の画像を読み取る画像読取部(「スキャナ部」ともいう)55を、プリンタ部53の図10で左側には排紙収納部(「排紙トレイ」ともいう)56をそれぞれ備えており、その排紙トレイ56にはモノクロ又はカラーのトナー画像が印刷された(画像形成された)用紙Pが排紙されて収納される。
【0068】
また、プリンタ部53には、それぞれ表面(但し予め帯電されている)が露光されて静電潜像が形成される複数の第1の像担持体となるドラム状の感光体(「感光体ドラム」ともいう)61Y、61M、61C、61K(それらをまとめて以下総称して「各感光体ドラム61」ともいう)を備えている。
プリンタ部53の上部には、そのプリンタ部53の各感光体ドラム61上のそれぞれ露光位置(帯電面)に、それぞれ各色の画像情報に対応したレーザ光を照射してそこに静電潜像を形成する露光部57を備えている。
【0069】
各感光体ドラム61のそれぞれの回りには、各感光体ドラム61の表面をそれぞれ一様に帯電処理する帯電部62Y、62M、62C、62K(それらをまとめて以下総称して「各帯電部62」ともいう)と、各感光体ドラム61の表面に形成された静電潜像をそれぞれ各色のトナーで可視像化して単色のトナー画像(以下「単色画像」という)を形成する現像部63Y、63M、63C、63K(それらをまとめて以下総称して「各現像部63」ともいう)と、各感光体ドラム61上の単色画像(可視像)を中間転写体(以下「中間転写ベルト」という)に1次転写した後に各感光体ドラム61上に残った未転写トナー(残留トナー)を除去回収するクリーニング処理を行う感光体クリーニング部64Y、64M、64C、64K(それらをまとめて以下総称して「各感光体クリーニング部64」ともいう)を備えている。
【0070】
さらに、プリンタ部53には、各感光体ドラム61上に形成された各単色画像が順次1次転写されることによって4色重ねの合成カラー画像が形成される第2の像担持体である無端ベルト状の中間転写ベルト65を備えており、その中間転写ベルト65は複数のローラに掛け回されており、その各ローラの回転によって図中矢示A方向に回動するようになっている。
また、プリンタ部53の用紙搬送上流側にはレジスト部を構成するレジストローラ70を、そのプリンタ部53の用紙搬送下流側に定着部58をそれぞれ備え、そのレジストローラ70により用紙Pのスキュー補正を行うと共に、その用紙Pを各感光体ドラム61上のトナー画像とタイミングをとって、中間転写ベルト65と2次転写対向ローラ71との間の2次転写部72へ向けて給送するようにしている。
【0071】
そして、その2次転写部72で、中間転写ベルト65上に担持した合成カラー画像を給紙バンク54内のいずれかの給紙カセット90あるいは手差し給紙トレイ59から給紙した用紙Pに順次2次転写し、その合成カラー画像を定着部58で熱と圧力とを加えて定着する。
その定着部58の下流側には、定着部58を通過した用紙Pを排紙トレイ56上に排出する排紙ローラ73を備えている。
【0072】
さて、いま、この画像形成装置を用いてコピーをとるときは、ユーザがADF52の原稿台上に原稿をセットする。または、ADF52を開いてスキャナ部55のコンタクトガラス80上に原稿をセットし、ADF52を閉じてそれで押さえる。
そして、操作部上のスタートキーを押すと、画像形成装置は次のような動作を行う。
まず、ADF52の原稿台に原稿がセットされている場合には、その原稿をコンタクトガラス80上へ自動給送した後、コンタクトガラス80上に直接原稿がセットされている場合には、直ちに、スキャナ部55を駆動し、第1走行体81および第2走行体82を図10の紙面の左右方向に往復移動させる。
【0073】
そして、第1走行体81で原稿照明用の光源83を点灯させると共に原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体82に向け、第2走行体82のミラー84で反射して結像レンズ85を通してCCDを含む画像読み取りセンサ86に入れ、原稿の画像を読み取る。
このとき、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色分解光毎に光電変換され、電気的なR、G、Bの画像信号が出力される。
【0074】
そのRGB画像信号はデジタル化されて画像処理がなされ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像信号として露光部57へ送られ、その内部のレーザダイオード(LD)を含む光源(図10では図示を省略)が位相変調方式(Phase Modulation:PM)又はパルス幅変調方式(Pulse Width Modulation:PWM)を含む変調方式によって駆動されることにより、原稿画像に対応するレーザ光が射出される。
【0075】
そして、その光源から射出されたレーザ光により、ポリゴンミラー87と、図10では符号を付さずに図示した各種のミラーとレンズとを介して各感光体ドラム61の(各帯電部62による帯電処理で帯電された)帯電面が露光され、そこに静電潜像が形成される。
また、ユーザによるスタートキーの押下により、図示を省略した駆動モータによって駆動ローラ74を回転駆動して他のローラ75と2次転写ローラ76と符号を付すのを省略した他のローラを従動回転させ、中間転写ベルト65を回動させる。
【0076】
それと同時に、プリンタ部53で各感光体ドラム61を回転させて各感光体ドラム61上の静電潜像にそれぞれ各現像部63によりY、M、C、Kの各単色トナーを付着させ、各単色のトナー画像(単色画像)を各感光体ドラム61上に形成する。
そして、中間転写ベルト65の回動とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト65上に4色重ねの合成カラー画像を形成する。
【0077】
まず、最初に感光体ドラム61Y上のY画像(イエロー色の画像)を図10の矢示A方向に回動している中間転写ベルト65上に図示を省略した1次転写ローラにより1次転写し、次にそのY画像が感光体ドラム61Mの位置まで移動したときに、そこにM画像(マゼンタ色の画像)を重ね合わせて1次転写ローラにより1次転写する。
【0078】
そのM画像を転写した部分が感光体ドラム61Cの位置まで移動したときに、そこにC画像(シアン色の画像)を重ね合わせて1次転写ローラにより1次転写し、更にそのC画像を転写した部分が感光体ドラム61Kの位置まで移動したときに、そこにK画像(ブラック色の画像)を重ね合わせて1次転写ローラにより1次転写する。
そして、そのY、M、C、Kの4色を重ね合わせた合成カラー画像が中間転写ベルト65の回動により、その内側に位置する2次転写ローラ76と外側に位置する2次転写対向ローラ71との間の2次転写位置まで移動すると、そのタイミングに一致するように同期がとられて給送された用紙Pに、2次転写ローラ76により一括転写する。
【0079】
このように、この画像形成装置は、中間転写ベルト65が1回動して1つの合成カラー画像を形成する作像プロセスを行う。
そして、その中間転写ベルト65上の4色重ねの合成カラー画像が用紙Pに一括転写された後は、その中間転写ベルト65上に残留する未転写トナーが中間転写クリーニング部(ベルトクリーニング部)77により除去回収される。
合成カラー画像が定着されて定着部58を通過した用紙Pは、片面モード(用紙の片面にのみ画像を形成するモード)が設定されている場合には、排紙ローラ73により排紙トレイ56に排出される。
【0080】
また、両面モードが設定されている場合には、定着部58と排紙ローラ73との間の搬送経路上に設けている分岐爪78により、用紙Pがプリンタ部53の下側に配設している両面部79に送り込まれ、それが反転されて再びレジストローラ70に搬送され、今度は裏面(第2面)に合成カラー画像が形成された後に排紙ローラ73により排紙トレイ56上に排出される。
【0081】
一方、用紙Pを給送する給紙バンク54には、各給紙段毎に給紙カセット90がそれぞれ設けられている。
その各給紙段の給紙カセット90は、用紙Pを積載する底板91と、その底板91に積載された用紙Pを図10で反時計回り方向に回転することにより給送するピックアップコロ92と、そのピックアップコロ92により給送された用紙Pが複数枚であったときにはそれを1枚に分離するフィードコロとリバースコロとからなる分離手段93とを備えている。
【0082】
この給紙部54からの給送は、給紙カセット90の底板91上に収納した未使用の用紙Pが、その底板91が上昇側に回動することにより最上位に位置する用紙Pがピックアップコロ92に当接する位置まで上昇し、その状態でピックアップコロ92が回転することにより給紙カセット90から送り出される。
そこで、用紙Pが2枚以上送り出されたときには、それが分離手段93によって1枚に分離される。そして、その用紙Pが、搬送手段94によって停止状態にあるレジストローラ70へ搬送され、そこで一旦停止されて、その先端と中間転写ベルト65上の合成カラー画像との位置関係が正確に一致するタイミングで、そのレジストローラ70が回転を開始することによりプリンタ部53に向けて搬送される。
【0083】
以下、上述したプロセスを経て画像形成が行われ、それが排紙トレイ56に排出される。
制御装置60は、図示を省略するが、画像形成装置の全体の制御を司る制御部としての各部と共に、図1に示したデータ配信装置1と同様の各部も備えており、この画像形成装置は、原稿を走査してその画像を読み取り、その画像情報をデジタル化して用紙に画像を形成するデジタル複写機としての機能の他に、制御装置60により原稿の画像情報を遠隔地との間で授受するファクシミリ装置としての機能や、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するプリンタとしての機能と、上述したデータ配信装置1としての機能も有する多機能の画像形成装置である。
【0084】
この画像形成装置は、利用者によるワークフローの利用時、制御装置60が、操作表示部にワークフロー選択画面を表示し、そのワークフロー選択画面によってワークフローが選択されると、その選択されたワークフローの処理の動作確認をし、その動作確認結果に基いて選択されたワークフローが利用可能か否かを明示する。
そして、ワークフローが利用可能な場合、例えば、原稿から読み取った画像データに対して画像変換処理を施した後に電子メールに添付してSMTP配信処理を行う。
このようにして、画像形成装置において利用者にワークフローによる処理を実行可能にし、利用者がワークフローを利用する際、そのワークフローが利用可能か否かを確認して利用者に明示するので、利用者は利用したいワークフローが利用可能か否かを容易に判断することができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0085】
この実施形態のデータ処理装置は、ワークフローを利用する前に、予め処理を成功させることが可能か否かを判定し、失敗することが確実な場合はワークフローが利用できない状態にあることをワークフロー利用前に利用者に通知することができる。
したがって、利用者は選択したワークフローの処理が失敗することを処理実行前に知ることができ、処理が失敗するワークフローの実行をせずに済み、利用者の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0086】
1:データ配信装置 2:画像形成装置 3:SMTPサーバ 4:ファイルサーバ 5:Webサーバ 6:ネットワーク 10、20:制御部 11:ワークフロー情報格納部 12:ジョブ実行管理部 13:ワークフロー実行部 14:利用可否判断通知部 15:第1データ処理部 16:第2データ処理部 17:第3データ処理部 18:第4データ処理部 19、22:通信制御部 21:操作表示部 23:記憶部 24:画像形成部 30:ワークフロー選択画面 31〜34:ワークフロー1〜ワークフロー4の選択ボタン 40:ワークフロー画面 41:フォルダ配信先指定欄 42:SMTP配信先指定欄 51:画像形成装置の装置本体 52:自動原稿給送部(ADF) 53:画像形成部(プリンタ部) 54:給紙部(給紙バンク) 55:画像読取部(スキャナ部) 56:排紙収納部(排紙トレイ) 57:露光部 58:定着部 59:手差し給紙トレイ 60:制御装置 61、61Y、61M、61C、61K:感光体ドラム 62、62Y、62M、62C、62K:帯電部 63、63Y、63M、63C、63K:現像部 64、64Y、64M、64C、64K:感光体クリーニング部 65:中間転写体(中間転写ベルト) 70:レジストローラ 71:2次転写対向ローラ 72:2次転写部 73:排紙ローラ 74:駆動ローラ 75:ローラ 76:2次転写ローラ 77:中間転写クリーニング部(ベルトクリーニング部) 78:分岐爪 79:両面部 80:コンタクトガラス 81:第1走行体 82:第2走行体 83:光源 84:ミラー 85:結像レンズ 86:画像読み取りセンサ 87:ポリゴンミラー 90:給紙カセット 91:底板 92:ピックアップコロ 93:分離手段 94:搬送手段 P:用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2009−223728号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データに対して行う処理内容を示すワークフローを記憶するワークフロー記憶手段と、
データと該データに適用するワークフローの識別情報と前記データの配信先情報を受信すると、前記ワークフロー記憶手段から前記識別情報に対応するワークフローを読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出したワークフローに基いて前記受信したデータに対する処理を実行し、該データを前記配信先情報が示すネットワーク上の装置へ配信する処理手段と、
前記ワークフロー記憶手段のワークフローの識別情報と共に動作確認依頼があった場合、前記読出手段によって前記ワークフロー記憶手段から前記識別情報に対応するワークフローを読み出し、該読み出したワークフローに基いて前記処理手段によって動作確認をさせ、該動作確認の結果を通知する利用可否判断通知手段とを備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記ワークフロー記憶手段は、複数種類のワークフローを記憶していることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記利用可否判断通知手段の動作を予め設定した間隔で定期的に実行させる実行手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記実行手段によって動作確認を実行するワークフローの種類を選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項3記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記間隔を変更する変更手段を設けたことを特徴とする請求項3記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記処理対象のデータと該データに適用するワークフローの識別情報と前記データの配信先情報の受信先と前記動作確認の結果の通知先が前記ネットワーク上の他の同一装置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−243203(P2012−243203A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114819(P2011−114819)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】