説明

データ分析支援装置、データ分析支援方法及びプログラム

【課題】演算式に適用されるデータをツリー状に出力することができるようにする。
【解決手段】分析支援装置20は、1つ以上のパラメタを含む演算式にデータを代入して結果を算出する演算装置10から演算式ごとに出力される、パラメタIDと結果IDとを含む定義データの入力を受け付ける定義データ入力部211と、定義データを記憶する定義データ記憶部231と、ある結果IDを含む定義データを定義データ記憶部231から読み出してルートノードとし、ルートノードを親ノードとして親ノードに含まれるパラメタIDのそれぞれについて、パラメタIDと一致する結果IDを含む定義データを定義データ記憶部231から読み出して子ノードとし、子ノードのそれぞれを親ノードとして子ノードの読み出しを繰り返し、ルートノードをルートとするツリー状に定義データに基づく情報を出力する解析処理部232と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ分析支援装置、データ分析支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
計算機の性能向上に伴い、電気所などで観測されたデータを演算式に適用する演算処理が大量に行われている。ある演算結果を他の演算式に適用することも行われており、データの変更や演算式の変更などによる影響は広範囲に及ぶ。データや演算式を変更する場合などには、演算式に用いられるデータを一覧出力し、データの影響が及ぶ範囲などを確認している。このようなデータの視認性を高めたいというニーズがある。
【0003】
データの視認性を高めるためにはデータをツリー状に表示することが考えられる。例えば特許文献1では、ツリー構造のデータをツリー表示させる場合に、親要素を親ノードとして表示できないときには、親要素であることを判別可能としつつ、子ノードとして表示することで、下位層の要素をルートノードとして要素全体を表示できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−26210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のプログラムではツリー構造のデータを前提としており、演算式に用いられるデータを一覧出力したものはツリー構造のデータではないので、特許文献1のプログラムでは演算式に用いられるデータをツリー状に表示することができない。
【0006】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、演算式に適用されるデータをツリー状に出力できる、データ分析支援装置、データ分析支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、データの分析を支援する装置であって、1つ以上のパラメタデータを演算式に適用して結果データを求める演算装置から前記演算式ごとに出力される、前記結果データを示す結果コード及び前記演算式に適用される前記パラメタデータのそれぞれを示すパラメタコードを含む定義データの入力を受け付ける定義データ入力部と、前記入力された定義データを記憶する定義データ記憶部と、ある結果データに対応する前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して親ノードとし、前記親ノードに含まれる前記パラメタコードに対応する前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して子ノードとし、前記子ノードのそれぞれを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返し、前記結果コードに対応する前記定義データをルートとするツリー状に前記定義データに基づく情報を出力する解析処理部と、を備えることとする。
【0008】
また、本発明の記載のデータ分析支援装置では、前記定義データにはさらに、前記結果データを説明する結果名が含まれ、前記解析処理部は、前記定義データに含まれる前記結果名を前記定義データに基づく情報として前記ツリー状に出力するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明のデータ分析支援装置では、前記定義データにはさらに、前記演算式を示す演算コードが含まれ、前記データ分析支援装置はさらに、前記演算コードに対応づけて、前記演算式を説明する演算名を記憶する演算名記憶部を備え、前記解析処理部は、前記定義データを出力する際に、前記定義データに含まれる前記演算コードに対応する前記演算名を前記演算名記憶部から読み出し、前記結果名に対応づけて前記演算名を出力するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明のデータ分析支援装置では、前記定義データにはさらに前記結果データに関する場所を特定する場所コードを含み、前記データ分析支援装置はさらに、前記場所コードに対応づけて、前記場所を説明する場所名を記憶する場所名記憶部を備え、前記解析処理部は、前記定義データを出力する際に、前記定義データに含まれる前記場所コードに対応する前記場所名を前記場所名記憶部から読み出し、前記結果名に対応づけて前記場所名を出力するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明のデータ分析支援装置であって、前記結果コードの指定を受け付けるコード指定部を備え、前記解析処理部は、前記受け付けた結果コードに対応する前記定義データに基づく情報を出力する際には、前記定義データに基づく情報が強調されるように出力するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明のデータ分析支援装置では、前記解析処理部は、前記定義データ記憶部に記憶されている前記定義データのそれぞれについて、前記定義データを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返していき、前記定義データに基づく情報を前記ツリー状に出力するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の他の態様は、データの分析を支援する方法であって、コンピュータが、1つ以上のパラメタデータを演算式に適用して結果データを求める演算装置から前記演算式ごとに出力される、前記結果データを示す結果コード及び前記演算式に適用される前記パラメタデータのそれぞれを示すパラメタコードを含む定義データの入力を受け付け、前記入力された定義データをメモリに記憶し、ある結果データに対応する前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して親ノードとし、前記親ノードに含まれる前記パラメタコードに対応する前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して子ノードとし、前記子ノードのそれぞれを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返し、前記結果コードに対応する前記定義データをルートとするツリー状に前記定義データに基づく情報を出力することとする。
【0014】
また、本発明の他の態様は、データの分析を支援するためのプログラムであって、コンピュータに、1つ以上のパラメタデータを演算式に適用して結果データを求める演算装置から前記演算式ごとに出力される、前記結果データを示す結果コード及び前記演算式に適用される前記パラメタデータのそれぞれを示すパラメタコードを含む定義データの入力を受け付けるステップと、前記入力された定義データをメモリに記憶するステップと、ある結果データに対応する前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して親ノードとし、前記親ノードに含まれる前記パラメタコードに対応する前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して子ノードとし、前記子ノードのそれぞれを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返し、前記結果コードに対応する前記定義データをルートとするツリー状に前記定義データに基づく情報を出力するステップと、を実行させることとする。
【0015】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、演算式に適用されるデータをツリー状に出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る分析支援装置20を含むコンピュータシステムを説明するための図である。
【図2】演算装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】演算装置10のソフトウェア構成を示す図である。
【図4】演算モデル定義部111がユーザからのデータの入力を受け付けるためのユーザインタフェースの一例である画面12を示す図である。
【図5】分析支援装置20のハードウェア構成を示す図である。
【図6】分析支援装置20のソフトウェア構成を示す図である。
【図7】定義データ記憶部231に登録される定義データの構成例を示す図である。
【図8】名称記憶部232の構成例を示す図である。
【図9】分析支援装置20が表示する画面40の一例を示す図である。
【図10】解析処理部212による処理の流れを示す図である。
【図11】ノード表示処理の流れを示す図である。
【図12】解析処理部212が表示する画面41の一例を示す図である。
【図13】解析処理部212が表示する画面41の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態に係る分析支援装置20を含むコンピュータシステムを説明するための図である。コンピュータシステムには、演算装置10と分析支援装置20とが含まれる。
【0019】
演算装置10は、各種のデータを蓄積し(以下、演算装置10に蓄積されるデータを「蓄積データ」という。)、その蓄積データについて各種の演算を行う。演算は、演算式を用いて行われる。演算式には1つ以上の変数(以下、「パラメタ」という。)が含まれ、演算式のパラメタに蓄積データを代入して、演算式の評価値(以下、「結果データ」という。)を求める。結果データを代入するための変数を単に「結果」という。
【0020】
演算装置10は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータである。演算装置10は、ユーザから演算式やそのパラメタの指定を受け付け、演算式を識別する情報(以下、「演算ID」という。)と、パラメタを識別する識別情報(以下、「パラメタID」という。)と、を含む情報(以下、「演算モデル」という。)を作成する。演算装置10は、演算モデルに含まれるパラメタIDが示す蓄積データを、演算モデルに含まれる演算式のパラメタに適用して結果データを算出する。結果データは、蓄積データとして蓄積される。演算装置10は、演算モデルを表す情報(以下、「定義データ」という。)を出力することができる。
【0021】
分析支援装置20は、演算装置10で出力された定義データを解析して、解析結果を出力する、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などのコンピュータである。
【0022】
演算装置10にはコネクタ11が備えられ、分析支援装置20にはコネクタ21が備えられる。コネクタ11及びコネクタ21は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やRS232Cなどのシリアル通信を行うためのアダプタや、イーサネット(登録商標)や赤外線、無線などによる通信を行うためのアダプタなどである。本実施形態では、コネクタ11及びコネクタ21はUSBに準拠したシリアル通信を行うためのアダプタであるものとする。
【0023】
コネクタ11に可搬型のメモリ30を挿入することで、演算装置10は定義データをメモリ30に書き出すことができる。可搬型のメモリ30は、例えば、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどである。定義データが書き込まれたメモリ30をコネクタ21に挿入することで、分析支援装置20は定義データを読み出して解析し出力することができる。
【0024】
本実施形態の分析支援装置20は、定義データに基づいて、パラメタデータの依存関係を出力しようとするものである。
【0025】
==演算装置10==
図2は演算装置10のハードウェア構成を示す図である。演算装置10は、コネクタ11、CPU101、メモリ102、記憶装置103、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。CPU101は、記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。入力装置105は、データの入力を受け付ける、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0026】
図3は演算装置10のソフトウェア構成を示す図である。演算装置10は演算モデル定義部111、演算処理部112、定義データ出力部113、データ記憶部131、データ名記憶部132、演算モデル記憶部133を備える。なお、演算モデル定義部111、演算処理部112、定義データ出力部113は、CPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、データ記憶部131、データ名記憶部132、演算モデル記憶部133は、メモリ102や記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0027】
データ記憶部131は、蓄積データを記憶する。蓄積データは、1つのスカラ値であってもよいし、複数のスカラ値を並べたデータ列や、ベクトル値などであってもよい。蓄積データは例えばファイルとして記録することが可能であり、この場合データ記憶部131はファイルシステムとして実装される。なお、データ記憶部131には予め蓄積データが記憶されているものとする。
【0028】
蓄積データには、パラメタまたは結果を識別する識別情報(以下、「データID」という。パラメタを示すデータIDがパラメタIDであり、結果を示すデータIDを「結果ID」という。)と、パラメタまたは結果を表すデータ名とが割り当てられる。データ名記憶部132は、データIDに対応づけてデータ名を記憶する。なお、本実施形態では、蓄積データは電気所ごとのデータであるものとし、データIDには、蓄積データが関連する電気所の識別情報(以下、「電気所ID」という。)が含まれる。データIDの上位3桁は電気所IDであるものとする。
【0029】
演算モデル記憶部133は、演算モデルを記憶する。演算モデルには、演算式を評価した結果を示す結果ID、演算式を示す演算ID、その演算式に含まれるパラメタを示すパラメタIDが含まれる。演算モデルには、パラメタの数だけパラメタIDが含まれることになる。例えば、2つの変数を有する引き算であるy=x1−x2について、演算式x1−x2の演算IDが「0001」、結果yの結果IDが「0002」、パラメタx1のパラメタIDが「0003」、パラメタx2のパラメタIDが「0004」である場合に、演算モデルは、例えば「0001(0002,0003,0004)」などと表現することができる。なお、演算モデルには、一般的な演算式の保存形式を採用することができるが、後述するように、本実施形態では、演算モデルは、結果ID、結果名、演算ID、パラメタID1、・・・、パラメタIDnという項目を有する形式であるものとする。また、演算式には、四則演算に限らず、各種の統計演算等のデータ演算を行うための式とすることができる。
【0030】
演算モデル定義部111は、演算モデルを作成して演算モデル記憶部133に登録する。演算モデル定義部111は、ユーザから演算式やパラメタIDなどの入力を受け付けて演算モデルを作成する。
【0031】
図4は、演算モデル定義部111がユーザからのデータの入力を受け付けるためのユーザインタフェースの一例である画面12を示す図である。画面12には、電気所を選択するためのプルダウンリスト121、結果を表す名称(以下、「結果名」という。)を入力するための入力欄122、演算式を指定するためのプルダウンリスト123、パラメタIDの入力欄123、パラメタデータのデータ名(以下、「パラメタ名」という。)の表示欄125を備える。予め、プルダウンリスト121には利用可能な電気所の名称(以下、「電気所名」という。)が登録されており、プルダウンリスト123には、利用可能な演算式が登録されている。
【0032】
入力欄122に結果名が入力されると、演算モデル定義部111は、入力欄122に入力された結果名をデータ名記憶部132から検索する。演算モデル定義部111は、結果名が登録されていない場合には、新たなIDを取得し、プルダウンリスト121に選択されている電気所を示す電気所IDと、取得したIDとを結合してデータIDを生成し、生成したデータIDに対応づけて結果名をデータ名記憶部132に登録する。演算モデル定義部111は、結果名が登録されている場合には、対応するデータIDをデータ名記憶部132から取得し、取得したデータIDの上位3桁の電気所IDが示す電気所をプルダウンリスト121から選択する。
【0033】
入力欄124にパラメタIDが入力されると、演算モデル定義部111はパラメタIDに対応するデータ名をデータ名記憶部132から読み出して表示欄125に表示する。
【0034】
演算モデル定義部111は、入力欄122に入力された結果名に対応するデータIDを結果IDとし、プルダウンリスト123で選択された演算式を示す演算ID、入力欄124に入力されたパラメタIDを含む演算モデル13を作成し、作成した演算モデル13を演算モデル記憶部133に登録する。
【0035】
演算処理部112は、演算モデルに含まれる演算式に、演算モデルに含まれるデータ名が示すパラメタデータを適用して結果を算出し、算出した結果を蓄積データ記憶部131に蓄積する。演算処理部112は、例えば、蓄積データ記憶部131に新たなデータが登録されたことを検知して、演算モデル記憶部133に登録されている各演算モデルについて、演算モデルに含まれるパラメタIDに対応する蓄積データをパラメタデータとして蓄積データ記憶部131から読み出し、読み出したパラメタデータを、演算モデルに含まれる演算IDが示す演算式に適用して演算結果を算出し、算出した演算結果を、演算モデルに含まれる結果IDが示すデータとして蓄積データ記憶部131に登録する。
【0036】
定義データ出力部113は、演算モデルに基づいて、定義データをメモリ30に書き出す。本実施形態では、定義データ出力部113は、演算モデル記憶部133に記憶されている演算モデルをそのまま定義データとしてメモリ30に書き出すものとするが、例えば演算モデルには、結果IDや演算ID、パラメタIDに代えて結果名や演算式、パラメタ名などを含めるようにしておき、結果名、演算式、パラメタ名に対応する結果ID、演算ID、パラメタIDを定義データに含めて書き出すようにしてもよい。また、演算モデルには、演算処理に必要な各種の情報を含めるようにすることもできるが、定義データ出力部113は、演算モデルに含まれている結果ID、演算ID、パラメタIDのみを抽出して定義データに含めて書き出すようにすることもできる。定義データ出力部113は、ユーザからの指示に応じて定義データをメモリ30に書き出すようにしてもよいし、メモリ30がコネクタ11に挿入されたことを検知して書き出すようにしてもよい。
【0037】
以上のように、演算装置10からは定義データがメモリ30に書き出される。ユーザはメモリ30を演算装置10のコネクタ11から外し、分析支援装置20のコネクタ21に接続することで、分析支援装置20において定義データの解析処理を可能とする。
【0038】
図5は分析支援装置20のハードウェア構成を示す図である。分析支援装置20は、コネクタ21、CPU201、メモリ202、記憶装置203、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。CPU201は、記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。入力装置205は、データの入力を受け付ける、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0039】
図6は分析支援装置20のソフトウェア構成を示す図である。分析支援装置20は、定義データ取得部211、解析処理部212、定義データ記憶部231、及び名称記憶部232を備えている。なお、定義データ取得部211、解析処理部212は、分析支援装置20が備えるCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、定義データ記憶部231、名称記憶部232は、メモリ202や記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0040】
定義データ記憶部231は、定義データを記憶する。図7は、定義データ記憶部231に登録される定義データの構成例を示す図である。本実施形態では、定義データは上述した図4に示す演算モデル13と同じ構成であり、結果ID、結果名及び演算IDと、結果ID及び結果名が示すデータを算出するために必要なパラメタデータの数だけのパラメタIDとが含まれる。
【0041】
定義データ取得部211は、メモリ30から定義データを読み出す。定義データ取得部211は、ユーザからの指示に応じて定義データを読み出すものとするが、例えば、メモリ30がコネクタ21に挿入されたことを検知して読み出すようにしてもよい。定義データ取得部211は、読み出した定義データを定義データ記憶部231に登録する。
【0042】
名称記憶部232は、電気所名と演算名を管理する。図8は名称記憶部232の構成例を示す図である。名称記憶部232は、電気所IDに対応づけて電気所名を記憶するとともに、演算IDに対応づけて演算式を説明するための情報(以下、「演算名」という。)を記憶する。
【0043】
解析処理部212は、データの関連性を解析して出力する。後述するように、解析処理部212は、データの関連性をツリー形式で表示する。
【0044】
図9は分析支援装置20が表示する画面40の一例を示す図である。画面40には、ボタン401〜404と、電気所IDの入力欄405と、データIDの入力欄406が表示される。ボタン401が押下されると、定義データ取得部211がメモリ30から定義データを読み出す。ボタン401〜404のいずれかが押下されると、データの関連性の表示処理が行われる。
【0045】
図10は解析処理部212による処理の流れを示す図である。
画面40においてボタン402が押下されると(S501:YES)、解析処理部212は、名称記憶部232に登録されている電気所IDのそれぞれについて、電気所IDが上位3桁に設定された結果IDを定義データ記憶部231から読み出し(S502)、読み出した結果IDのそれぞれについて、後述するノード表示処理を、結果IDを第1引数とし、結果名を第2引数とし、1を第3及び第4引数として呼び出す(S503)。
【0046】
画面40においてボタン403が押下されると(S504:YES)、解析処理部212は、入力欄405に入力された電気所IDが上位3桁に設定された結果IDを定義データ記憶部231から読み出し(S505)、読み出した結果IDのそれぞれについて、後述するノード表示処理を、結果IDを第1引数とし、結果名を第2引数とし、1を第3及び第4引数として呼び出す(S506)。
【0047】
画面40においてボタン404が押下された場合(S504:NO)、解析処理部212は、入力欄406に入力されたデータIDをIDとして(S507)、後述するノード表示処理を、IDを第1引数とし、結果名を第2引数とし、1を第3及び第4引数を引数として呼び出す(S508)。
【0048】
図11は、ノード表示処理の流れを示す図である。
解析処理部212は、第1引数をIDとし(S521)、第2引数を親とし(S522)、第3引数をXとし(S523)、第4引数をYとする(S524)。解析処理部212は、結果IDがIDと一致する定義データを定義データ記憶部231から読み出す(S525)。解析処理部212は、IDの上位3桁である電気所IDに対応する電気所名を名称記憶部232232から読み出し(S526)、定義データに含まれている演算IDに対応する演算名を名称記憶部232から読み出す(S527)。解析処理部212は、深さX及び高さYに応じた位置に定義データを出力する(S528)。
【0049】
図12は、解析処理部212が表示する画面41の一例を示す図である。図12の画面41において、深さXが大きくなるほど、右方向に表示位置が移動し、高さYが大きくなるほど下方向に表示位置が移動するように定義データが表示される。画面41では、結果名412の上に電気所名411が表示され、結果名412の下に結果ID413が表示され、結果名412の右に演算名414が表示されている。
【0050】
解析処理部212は、変数nに1を設定し(S529)、定義データにn番目のパラメタIDが含まれていれば(S530:YES)、定義データに含まれているn番目のパラメタIDをIDとし(S531)、IDを第1引数とし、結果名を第2引数とし、X+1を第3引数とし、Yを第4引数としてノード表示処理を再帰的に呼び出す(S532)。なお、第1引数のIDは、画面41において表示された結果名のオブジェクトを特定するためのオブジェクトIDとしてもよい。解析処理部212は、nをインクリメントし(S533)、Yをインクリメントし(S534)、定義データの結果名から親まで連結線を描画して(S535)、ステップS530からの処理を繰り返す。図41の例では、深さX=1、高さY=1に表示された結果名412と、深さX=2、高さY=1に表示された結果名415とが連結線416で接続されている。
【0051】
解析処理部212は、n番目のパラメタIDが定義データに含まれていない場合に(S530:NO)処理を終了する。
【0052】
以上のようにして、画面40においてボタン402が押下されると、全電気所につき、電気所IDを含む定義データのそれぞれについて、その定義データをルートとする定義データの関連性が、結果名のツリーとして画面41にツリー表示される。ボタン403が押下されると、入力欄405に入力された電気所IDを含む定義データのそれぞれについて、その定義データをルートとする結果名のツリーが画面41に表示され、ボタン404が押下されると、入力欄406に入力されたデータIDに対応する定義データをルートとして結果名のツリーが画面41に表示される。したがって、画面41を見ればユーザは、定義データの関連性を容易に把握することができる。特に、画面41に表示されるツリーは、ルートの結果名が示す結果を算出するためには、ツリーに含まれているルート以外のノードに表示される結果名が示すパラメタが全て必要となることを表しているため、ユーザは画面41のツリーを見ることで、ルートの結果を算出するために必要なデータを容易に確認することができる。例えば、ある結果名のデータの内容に不具合が発見されたような場合には、その結果名をルートとするツリーから、その結果名のデータを算出するために必要なパラメタを確認し、そのパラメタのそれぞれについて不具合の有無を確認していくことができるので、不具合の調査を漏れなく確実にかつ容易に行うことができる。
【0053】
また、設備の仕様変更などによって、データに修正を加える場合にも、修正されるデータを算出するために必要なパラメタを容易に確認することができるので、それらのパラメタについても修正を行うことが容易になる。これにより、修正漏れなどの作業ミスを防止することができる。
【0054】
また、画面41には演算名も出力されているので、演算式に対する修正を行う場合にも、その影響の及ぶ範囲を容易に把握することができる。
【0055】
また、ツリーに含まれる各ノードを参照することで、あるパラメタに対して修正を行った場合に、その修正により影響を受ける結果、すなわち、修正されたデータをパラメタデータとして算出される結果データを容易に把握することができる。ここで、例えば、図13に示すように、画面41に結果IDの入力欄421を設け、分析支援装置20は、入力欄421から結果IDの指定を受け付ける結果ID指定部(強調ノード指定部)を備えるようにする。解析処理部212は、入力欄421に入力された結果IDに対応するノードを表示する図11のステップS528において、電気所名や結果名、結果IDなどを強調表示するようにしてもよい。図13の例では、入力欄421に入力された結果IDに対応する、深さX=2における電気所名422、結果名423、及び結果ID424が反転表示されている。このような強調表示により、ユーザは、あるパラメタにより影響される結果を容易に把握することができる。
【0056】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0057】
例えば、本実施形態では、演算装置10と分析支援装置20とが別のコンピュータであることを想定していたが、演算装置10及び分析支援装置20が1台のコンピュータにより実現されるようにしてもよい。この場合、メモリ30は可搬型のメモリではなく、コンピュータに内蔵されたメモリや二次記憶装置などとして実現するようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、演算装置10から出力される定義データは、可搬型のメモリ30を介して分析支援装置20に提供されることとしたが、演算装置10と分析支援装置20とを通信ネットワークにより接続し、演算装置10から分析支援装置20に通信ネットワークを介して定義データを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、分析支援装置20が定義データを取得するためのリクエストを送信し、演算装置10がこのリクエストに応じて定義データを分析支援装置20に送信するようにしてもよいし、演算装置10において演算処理が行われたり、蓄積データが更新されたりしたタイミングで、あるいは定期的に、定義データを分析支援装置20に送信するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、画面41の左上をルートとして、右方向に進むほど深い階層となるように定義データが描画されるものとしたが、下方向に進むほど深い階層となるように描画するようにしてもよい。また、右から左に、あるいは下から上にツリーが広がるように描画してもよい。
【0060】
また、本実施形態では、解析処理部212は、定義データに基づいて直接定義データをツリー表示するものとしたが、定義データ取得部211が定義データをメモリ30から読み出した後、解析処理部212が、定義データに基づいてツリー構造のデータを作成し、作成したツリー構造のデータを定義データ記憶部231に登録するようにしてもよい。この場合、解析処理部212は、図10におけるステップS502〜S503の処理を行い、図11におけるステップS528において、定義データを画面41に表示する代わりに、定義データに親を対応づけて定義データ記憶部231に登録するようにすることができる。また、解析処理部212は、ツリー構造の定義データについて、ツリー構造のデータをツリー状に表示するための一般的な処理により画面41に定義データをツリー表示することができる。
【0061】
また、本実施形態では、演算装置10が1台であるものとしたが、複数台の演算装置10であってもよい。この場合、分析支援装置20の定義データ取得部211は、複数の演算装置10から出力された定義データをまとめて定義データ記憶部231に登録する。これにより、複数の演算装置10によって行われる演算処理にも対応することができる。また、演算装置10から、複数の演算式のグループについて、グループごとに定義データが出力される場合にも、それらをまとめて定義データ記憶部231に登録することで、異なるグループの定義データについても対応することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 演算装置
11 コネクタ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
111 演算モデル定義部
112 演算処理部
113 定義データ出力部
131 データ記憶部
132 データ名記憶部
133 演算モデル記憶部
20 分析支援装置
21 コネクタ
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
205 入力装置
206 出力装置
211 定義データ取得部
212 解析処理部
231 定義データ記憶部
232 名称記憶部
30 メモリ
40 画面
41 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの分析を支援する装置であって、
1つ以上の第1の変数を含む演算式にデータを代入して結果を算出する演算装置から前記演算式ごとに出力される、前記第1の変数を示す第1のデータIDと、前記結果を代入する第2の変数を示す第2のデータIDとを含む定義データの入力を受け付ける定義データ入力部と、
前記定義データを記憶する定義データ記憶部と、
ある前記第2の変数を示す前記第2のデータIDを含む前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出してルートノードとし、前記ルートノードを親ノードとして前記親ノードに含まれる前記第1のデータIDのそれぞれについて、前記第1のデータIDと一致する前記第2のデータIDを含む前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して子ノードとし、前記子ノードのそれぞれを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返し、前記ルートノードをルートとするツリー状に前記定義データに基づく情報を出力する解析処理部と、
を備えることを特徴とするデータ分析支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ分析支援装置であって、
前記定義データにはさらに前記第2の変数を説明する結果名が含まれ、
前記解析処理部は、前記定義データに含まれる前記結果名を前記定義データに基づく情報として前記ツリー状に出力すること、
を特徴とするデータ分析支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ分析支援装置であって、
前記定義データにはさらに前記演算式を示す演算IDが含まれ、
前記データ分析支援装置はさらに、前記演算IDに対応づけて前記演算式を説明する演算名を記憶する演算名記憶部を備え、
前記解析処理部は、前記定義データを出力する際に、前記定義データに含まれる前記演算IDに対応する前記演算名を前記演算名記憶部から読み出し、前記結果名に対応づけて前記演算名を出力すること、
を特徴とするデータ分析支援装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のデータ分析支援装置であって、
前記定義データにはさらに前記第2の変数に関する場所を特定する場所IDを含み、
前記データ分析支援装置はさらに、前記場所IDに対応づけて前記場所を説明する場所名を記憶する場所名記憶部を備え、
前記解析処理部は、前記定義データを出力する際に、前記定義データに含まれる前記場所IDに対応する前記場所名を前記場所名記憶部から読み出し、前記結果名に対応づけて前記場所名を出力すること、
を特徴とするデータ分析支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデータ分析支援装置であって、
前記第2のデータIDの指定を受け付ける強調ノード指定部を備え、
前記解析処理部は、前記受け付けた第2のデータIDを含む前記定義データに基づく情報を出力する際には、前記定義データに基づく情報が強調されるように出力すること、
を特徴とするデータ分析支援装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータ分析支援装置であって、
前記解析処理部は、前記定義データ記憶部に記憶されている前記定義データのそれぞれについて、前記定義データを前記ルートノードとして、前記定義データに基づく情報を前記ツリー状に出力すること、
を備えることを特徴とするデータ分析支援装置。
【請求項7】
データの分析を支援する方法であって、
コンピュータが、
1つ以上の第1の変数を含む演算式にデータを代入して結果を算出する演算装置から前記演算式ごとに出力される、前記第1の変数を示す第1のデータIDと、前記結果を代入する第2の変数を示す第2のデータIDとを含む定義データの入力を受け付け、
前記定義データをメモリに記憶し、
ある前記第2の変数を示す前記第2のデータIDを含む前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出してルートノードとし、前記ルートノードを親ノードとして前記親ノードに含まれる前記第1のデータIDのそれぞれについて、前記第1のデータIDと一致する前記第2のデータIDを含む前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して子ノードとし、前記子ノードのそれぞれを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返し、前記ルートノードをルートとするツリー状に前記定義データに基づく情報を出力すること、
を特徴とするデータ分析支援方法。
【請求項8】
データの分析を支援するためのプログラムであって、
コンピュータに、
1つ以上の第1の変数を含む演算式にデータを代入して結果を算出する演算装置から前記演算式ごとに出力される、前記第1の変数を示す第1のデータIDと、前記結果を代入する第2の変数を示す第2のデータIDとを含む定義データの入力を受け付けるステップと、
前記定義データをメモリに記憶するステップと、
ある前記第2の変数を示す前記第2のデータIDを含む前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出してルートノードとし、前記ルートノードを親ノードとして前記親ノードに含まれる前記第1のデータIDのそれぞれについて、前記第1のデータIDと一致する前記第2のデータIDを含む前記定義データを前記定義データ記憶部から読み出して子ノードとし、前記子ノードのそれぞれを前記親ノードとして前記子ノードの読み出しを繰り返し、前記ルートノードをルートとするツリー状に前記定義データに基づく情報を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−173966(P2012−173966A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34936(P2011−34936)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(000211293)中国電機製造株式会社 (69)
【出願人】(599151776)中国計器工業株式会社 (49)
【Fターム(参考)】