説明

データ及び音声の伝送可能無線コミュニケータ

異なるタイプのモバイルデバイス(210)において伝送可能なコミュニケータ(110)が開示される。コミュニケータは、音声通信リンク(190)及びデータ通信リンク(192)の双方、並びに音声及びデータ情報の双方とともに同時に動作することが可能である。コミュニケータは、色々なモバイルデバイスにおいて伝送が可能となっており、モバイルデバイスには、限定はしないが、モバイル電話機(120)、パーソナルディジタルアシスタント(130)、音楽プレーヤ(170)、ラジオ、モバイルコンピュータ(145)又はその組み合わせに相当するデバイスが含まれる。本発明の実施例は、無線通信リンクが断たれることなく動作している間に伝送可能である。データ情報は、ブルートゥース(R)リンク、無線イーサネットリンク又はIEEE802.11リンクなどのデータリンクにおいて伝送可能である。データ情報はまた、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)リンク又はコード分割多重アクセス(CDMA)リンクなどの音声リンクにおいて伝送可能である。同様に、音声情報は、音声リンク又はデータリンクのいずれかにおいて伝送可能であり、例えばインターネットプロトコル(IP)による音声がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く音声及びデータの移動性無線通信のための方法及び装置に関する。特に本発明は、移動電話機、モバイルコンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、音楽プレーヤ及びその他のホストデバイスを含む色々なホスト装置に適合したワイヤレスコミュニケータに関する。
【背景技術】
【0002】
現代の社会及びテクノロジは、移動性に、また本拠地となる自宅又はオフィスから離れている間に各個人と情報通信することに益々依拠するようになっている。音声、データ又はこれら双方のための移動性無線通信システムは、急速に変化するテクノロジを巻き込み、産業活動における急成長を促すものとなっている。
【0003】
移動性無線通信システムにおいて生じる1つの問題は、通信サービスにアクセスしている間ユーザが居ることのできる領域の範囲が限定されていることである。無線通信リンクの信号強度は、普通のユーザが気づかず予測することのできないような形で大きく変化しうるものである。したがって、ユーザは、自分の通信デバイスが機能する場所を見つけ出そうと試行するのに多大な時間と労力を費やす可能性がある。
【0004】
関連の問題は、受け取る無線サービスの質である。質の乏しい通信や、中断したり又は減退したりする通信セッションなどはユーザに多大な迷惑をかけてしまうことがある。信号はあるものの楽に会話するには弱いということがある。例えば、ユーザが“cat”という言葉の綴りを、“Charlie”,“Alpha”,“Tango”ではなく、「C」,「A」,「T」と言うことができれば、ユーザにとって利便性に極めて重要な意義を持つ。言ったことを始終繰り返したり、又は正しく聞いていることを確認しなければならないことも、不便で時間のかかるものであり、混乱を招くかもしれない。
【0005】
移動性無線通信システムにおいて生じるもう1つの問題は、コストである。無線通信は、高いコストを伴うのが普通である。かかるコストは、無線デバイスの製造又は購入のための一時コストと、当該デバイスへの通信を提供するサービスのための経常コストとの双方のことである。概して定期的に移動をするビジネスマンが移動電話機と無線アクセス手段を備えたモバイルコンピュータと、無線アクセス手段を備えたパーソナルディジタルアシスタント(PDA)とを持つことは珍しいことではない。無線アクセス回路のこのような重複は不要であり、必要以上にコスト高である。
【0006】
購入及び製造コストに加えて、分毎又はメッセージ毎の使用料金などのサービスコストは、当該機器コストよりも大幅に高くつくことが多い。無線通信の価格決定構造及びプランは、複雑なことが多く、自家使用ベースのサービスプロバイダと異なる現在位置又はローミングサービスプロバイダとの双方に関わる場合もあり、起動したときに思いもよらずコストが増大するという盲点又は例外を持つ可能性もある。通信を行う元の最適な通信パス又は最適な位置を選択するために特定の状況においてどんなチャージが適用されるかをユーザが確認することは、ユーザが通信を行うことよりも長くかかることもある。
【0007】
移動無線通信システムに生じるもう1つの問題は、セキュリティである。データの所有者の物理的制御の下にない位置からの感応性データへのアクセスを可能とすることは高いリスクを伴う可能性がある。ユーザが当該データへアクセスすることを許可されたことを認証するメカニズムが必要である。また、不意の盗聴又は高度の傍受によってデータが利用可能とならないように当該データを暗号化するメカニズムも必要である。
【0008】
公衆の電話番号に対する呼び出しを簡単に始動することなどの秘密の情報が含んでいない場合でも、当該呼び出しすなわち通信セッションが用いる通信サービスに対する料金のアカウントをユーザが持っていることを検証すべきである。残念ながら、認証、セキュリティ及び検証メカニズムは、ユーザに対して平明であることは稀であり、むしろユーザにかなり不便な思いをさせてしまう可能性がある。
【0009】
これらの問題に対する現在のアプローチは、ユーザに相当な負担をかけるのが一般的であり、かかる負担には、通信の情報内容というよりも、不便性の負担や、自分のモバイル通信デバイスがどのように動作しているかについて沢山知る必要があるユーザの負担、通信セッション及び機器の技術的な詳細に関するユーザの費やす時間の負担といったものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改良した無線コミュニケータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例は、ユーザの便宜性の向上、通信サービスの利用可能範囲の拡大、モバイルデバイスの製造又は購入に関する一時コストの低減、モバイル通信サービスの経常的な契約コストの低減、モバイル通信の質の向上、情報又はサービスに対する非認証アクセスの回避をなすセキュリティの向上、モバイル通信の傍受を防止するためのセキュリティの向上、といった利点を奏する。
【0012】
本発明は、2つ以上のタイプのモバイルホストデバイスにおいて伝送可能な無線コミュニケータを提供することである。極めて適切なモバイルデバイスには、モバイル電話機、パーソナルディジタルアシスタント、音楽プレーヤ、ラジオ又はモバイルコンピュータが含まれるが、これらに必ずしも限定されない。
【0013】
かかる無線コミュニケータは、音声レシーバ、データレシーバ、音声トランスミッタ、データトランスミッタ及びベースバンドモデムを含む。このコミュニケータは、当該モバイルホストデバイスのうちのアクティブなものからの出力ホスト信号を受信し、当該アクティブホストに入力信号を供給する。
【0014】
本発明の実施例においては、例えば入力音声ベースバンド信号を入力ホスト信号に変換するモード、又は出力ホスト信号を出力音声ベースバンド信号に変換するモードといった色々なモードにベースバンドモデムが動作する。
【0015】
本発明の実施例は、ベースバンドモデムのモードを制御したり、又は無線コミュニケータと外部デバイスとの間の通信リンクを始動するコントローラを含む。このようなリンクの始動の一部として、当該コントローラは、どの通信リンクが現在利用可能かを判定するようにしてもよいし、又は当該利用可能なリンクのうちの好ましいものを選択するようにしてもよい。さらに、かかるコントローラは、無線コミュニケータが、アクティブになっている第1のモバイルホストデバイスからアクティブとなっている別のモバイルホストデバイスへ転送される間、当該通信リンクをアクティブに維持することができる。さらに、当該コントローラは、通信リンクを始動するときに不揮発性メモリからのデータを用いるようにしてもよい。かかるデータは、契約データ、ユーザ識別データ、ユーザ選定データ、セキュリティデータその他のデータを含むようにしてもよい。
【0016】
本発明の目的、特徴及び利点は、図面に関係づけて読むことにより、ここでの説明や解説から明らかとなる。本発明に関連する技術、本発明の例示の実施例及び本発明の例示の使用形態は、各種図面に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここでの説明、解説及び図面は、本発明に関連する技術を描いたものであり、本発明の例を示し、本発明を用いた例を提示している。既知の方法、処理、システム、回路又は要素は、本発明の原理を曖昧にするのを避けるために詳細を表すことなく示され説明されることがある。一方、本発明の特定の実施例の詳細は、かかる詳細が本発明の他の実施例に当てはまらないとしても、提示される。
【0018】
ここでの説明や解説の幾つかは、イコール、アサート、「真」又は「偽」を含む抽象的又は包括的な用語を用いている(但し、これらに限定されない)。当業者は、こうした用語を、コンピュータ又はディジタル若しくは電気機械的システム内の構成要素、データ又は動作の便宜的専門用語として用いている。このような構成部、データ及び動作は、限定はしないが電子的電圧、磁界及び光学的反射性を含む実際の物体の物理的特性によって表される。例えば、「アサートされる」又は「真」は、3ボルト近辺の電子信号を指しうるものであり、「アサートされていない」又は「偽」は、0.3ボルト近辺の信号を指しうるものであり、当該電圧又は信号からの対応づけも同様である。同様に、限定はしないが、判定、始動、選択及び制御を含む感覚的又は心理的用語も、物理的特性の構成要素、データ、動作又は操作などを指し示しうる。
【0019】
図1は、本発明の実施例による無線通信システムの機能ブロック図である。システム100は、各種のモバイルデバイスを、公衆交換電話網(PSTN)165、データサーバ186又はこれらの双方に接続する。こうした接続又は無線通信リンクの各々は、当該モバイルデバイス間で伝送可能なコミュニケータを介して生じる。
【0020】
伝送可能コミュニケータ110は、多数のモバイルホストデバイスのうちのいずれかのものに接続され、当該いずれかのものと共に動作するように物理的及び電子的に適合されている。これらのモバイルホストデバイスは、色々なタイプのデバイスを含むものであり、これには、モバイル電話機120、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)130、モバイルコンピュータ145、音楽プレーヤ170、このようなデバイスの2つ以上の機能を組み合わせたデバイス、又は他方の電子デバイスからの音声又はデータを送信又は受信することの可能なモバイル電子デバイスを含む。
【0021】
伝送可能コミュニケータ110は、1つ以上のヘッドセット150、電気通信システム160、又は無線アクセスポイント180との無線でかつ高周波の通信リンクを確立させ維持する。ヘッドセット150は、ユーザに音声を供給する。電気通信システム160は、公衆交換電話網(PSTN)と、コミュニケータ110が付されコミュニケータ110と共に動作する特定のモバイルホストデバイスであるアクティブホストとの間の通信をなす。無線アクセスポイント180は、ネットワーク184を介してサーバ186との通信をなす。
【0022】
モバイル通信用グローバルシステム(GSM)リンク190は、伝送可能コミュニケータ110と電気通信システム160との間における無線の、音声用ラジオリンクである。ブルートゥース(登録商標)リンク194は、コミュニケータ110とヘッドセット150との間の無線ラジオリンクである。802.11通信リンク192は、コミュニケータ110と無線アクセスポイント180との間の無線の、データ用ラジオリンクである。ブルートゥース規格の情報は、www.bluetooth.orgに公表されている。IEEE802.11規格の情報は、www.ieee.orgに公表されている。
【0023】
ネットワーク184は、無線アクセスポイント180をサーバ186に結合する。無線アクセスポイント180は、アクティブホストデバイスをサーバ184に結合する。そして、サーバ186は、伝送可能コミュニケータ110に付されたモバイルデバイスからのリクエストを行い、当該デバイスに対し情報を供給する。
【0024】
本発明の色々な実施例において、GSMリンク190は、1つ以上の音声用通信リンクと置き換えられるか又は当該リンクが追加されるようにしてもよい。かかるリンクには、モバイル電話リンク、セルラー電話リンク、先進移動電話システム(AMPS)リンク、時分割多重アクセス(TDMA)リンク、コード分割多重アクセス(CDMA)リンク、CDMA−2000リンク、ワイドバンドコード分割多重アクセス(WCDMA)リンク、又はコミュニケータ110とシステム160との間の何らかの音声用無線通信メカニズムが含まれる。
【0025】
本発明の色々な実施例では、802.11リンク192は、1つ以上の音声用リンクと置き換えられるか又は当該リンクが追加されるようにしてもよい。かかるリンクには、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)リンク、無線イーサネットリンク、電気電子技術者協会(IEEE)規格802.11のバージョンに準拠したリンク、又はコミュニケータ110と無線アクセスポイント180との間の何らかのデータ用無線通信メカニズムが含まれる。
【0026】
本発明の色々な実施例においては、ブルートゥースリンク194は、1つ以上の低電力通信リンクと置き換えられるか、又は当該リンクが追加されるようにしてもよい。
【0027】
ネットワーク184は、インターネット、プライベートインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はこのようなネットワークの2つ以上の組み合わせとすることができる。サーバ186は、コンピュータ、ウェブサーバ、又は当該ユーザに関心のあるモバイルホストデバイスに通信可能なデバイスとすることができる。
【0028】
音楽プレーヤ170は、Moving Picture Experts Group (MPEG) Layer-3 Audio (MP3)プレーヤ、周波数変調(FM)ラジオ、振幅変調(AM)ラジオ、このようなデバイスの2つ以上の組み合わせ、又は音声情報をユーザに提供する何らかのデバイスとすることができる。
【0029】
各モバイルホストデバイスは、コミュニケータ110を直接受信し、保持しこれと物理的に結合するプラグ、レセプタクル(受け口)、ソケットなどを含み、或いは、間接的な連結器を含む。例えば、コミュニケータ110は、アダプタ140を介してモバイルコンピュータ145Bと接続可能である。
【0030】
アダプタ140は、伝送可能コミュニケータ110を受信するソケットを含む。そしてこのアダプタは、モバイルコンピュータ145Bによって受信される。アダプタ140とコンピュータ145Bとの間の機械的及び電子的インターフェースは、PCメモリカード国際協会(PCMCIA)規格のバージョンに準拠可能である。対照的に、モバイルコンピュータ145Aは、コミュニケータ110に直接結合するソケットを含む。
【0031】
ヘッドセットは、音声の会話、音楽、記録音声その他の音声信号を聴取するためのイヤホンを含む。このヘッドセットはまた、ユーザの声を電子的に取り込み送信又は記録することをサポートするマイクロフォンを含む。
【0032】
図2は、本発明の実施例による伝送可能コミュニケータの機能ブロック図である。図2はまた、伝送可能コミュニケータ110とアクティブホスト210との間の相互接続の他、伝送可能コミュニケータ110とオプションの1つ又は複数の外部アンテナ220との間の相互接続を示している。
【0033】
伝送可能コミュニケータ110は、ベースバンドモデム230、ホストインターフェース240、コントローラ250、不揮発性メモリ255、レシーバ260、トランスミッタ270、ラジオ周波数(RF)フィルタ及びスイッチアセンブリ280、内部GSMアンテナ290並びに内部ブルートゥース/イーサネットアンテナ295を含む。ベースバンドモデム230は、復調器232、変調器234及び変換器(コンバータ)238を含む、レシーバ260及びトランスミッタ270の各々は、GSM音声信号、802.11データ信号及びブルートゥース低電力信号のためのセクションを有する。
【0034】
GSMリンク190は、入力ラジオ信号及び出力ラジオ信号を含み、これら信号の双方は、音声通信用に構成される。入力ラジオ信号は、内部GSM/CDMAアンテナ290、外部アンテナ220のうちの1つ、又はこれらの両方によって入力RF電気信号264に変換される。出力ラジオ信号は、同じ1つ又は複数のアンテナに供給されるラジオ周波数(RF)電気信号274から発生される。
【0035】
通信リンク192又は194は、各々、入力ラジオ信号及び出力ラジオ信号を含む。入力ラジオ信号は、内部ブルートゥース/802.11アンテナ295、外部アンテナ220の1つ、又はこれらの両方によって入力RF電気信号264に変換される。出力ラジオ信号は、同じ1つ又は複数のアンテナに供給された出力RF電気信号274から生成される。ブルートゥース信号と802.11信号とで1つのアンテナが共用されることにより満足な性能が得られることが期待されるが、本発明の幾つかの実施例は、各タイプの信号のための個別のアンテナを用いている。
【0036】
入力及び出力RF電気信号264及び274は、それぞれ、レシーバ260及びトランスミッタ270内の適切なセクションによって受信及び供給される。本発明の色々な実施例は、色々な構成の2つ以上のレシーバ及びトランスミッタセクションを含む。
【0037】
RFフィルタ及びマルチプレクサ280は、入力ラジオ信号をアンテナとレシーバ260との間に、出力ラジオ信号をアンテナとトランスミッタ270との間に結合する。アセンブリ280の重要な機能は、レシーバ260内に逆に結合される伝送されたラジオ信号からのエネルギの量を減衰させることである。
【0038】
レシーバ260は、入力RF電気信号264から入力ベースバンドアナログ信号262を発生する。入力ベースバンドアナログ信号262は、ベースバンドモデム230内の復調器232に結合される。この復調器は、概してこれら信号をディジタルデータに変換するが、本発明の幾つかの実施例では当該信号がアナログを維持するものとすることができる。
【0039】
トランスミッタ270は、出力ベースバンドアナログ信号274から出力RF電気信号274を発生する。出力ベースバンドアナログ信号272は、ベースバンドモデム230内の変調器234によって発生する。この変調器は、概してこれら信号をディジタルデータから変換するが、本発明の幾つかの実施例においては当該出力信号は既にアナログとなっているものとすることができる。
【0040】
ホストインターフェース240は、伝送可能コミュニケータ110をアクティブホストデバイス210に電子的に結合する。特に、このホストインターフェースは、ベースバンドモデム230から当該ホストへ1つ以上の入力ホスト信号212を伝送し、当該ホストからベースバンドモデムへ1つ以上の出力ホスト信号214を伝送し、当該ホストからコミュニケータ内の色々な構成要素に電力を伝送する。オプションとして、ホストインターフェース240も1つ以上の外部アンテナ220又は225をRFフィルタ及びスイッチ280に結合する。オプションとして、ホストインターフェース240も、1つ以上の制御信号を、伝送可能コミュニケータ110とアクティブホストデバイス210との間に結合する。かかる制御信号は、目覚まし信号又はシャットダウン信号を含むが、これらに限定されない。
【0041】
動作の色々なモードにおいて、ベースバンドモデム230は、変調器234に、レシーバ260内の色々なセクションから到来する入力アナログベースバンド信号262から得られる復調器232からの1つ以上の信号を供給する。他のモードでは、ベースバンドモデムは、当該変調器に、アクティブホスト210から到来する出力ホスト信号214を供給する。またさらに他のモードでは、多数の信号が変調器に供給され、かかる信号から当該変調器が、トランスミッタ270内のセクションに各々が対応する多数の出力アナログベースバンド信号272を発生する。これらモードでは、変調器へ供給される信号の幾つかは、当該モバイルデバイスから到来することがあり、他のものは、復調器から到来可能である。
【0042】
ベースバンドモデム230はまた、モバイルホスト210に供給される入力ホスト信号212に対して色々なモードで動作する。ベースバンドモデム230は、モバイルデバイス210に、ベースバンドモデム230の動作の現モードに基づくレシーバ260内の適切なセクションに基づいて復調器232から1つ以上の入力信号を供給する。
【0043】
これらモードの各々は、ベースバンドモデム230内の適切なデータ伝送パスのセクションを含む。これらの幾つかは、フォーマット変換に関係するものとしてもよく、コンバータ238によって行われる。
【0044】
ベースバンドモデム230内のデータパスの選択及び変換機能の選択は、コンバータ238によって行われる可能性があり、コントローラ250によって制御可能である。コントローラ250は、伝送可能コミュニケータが現在動作しているモードに適する形でパス及び変換動作を可能(イネーブル)としたり不可能(ディセーブル)としたりすることができる。これの代替として又はこれに加えて、モバイルデバイス210は、ベースバンドモデム230を通じる通信パスを制御してもよいし、又はフォーマット化及び変換動作又はこれらの両方を制御又は実行するようにしてもよい。
【0045】
本発明の幾つかの実施例では、伝送可能コミュニケータ110は、当該コミュニケータが一方のアクティブホスト210から他方のものに伝送されたときに通信リンク190,192又は194の1つ以上をアクティブに維持する。この特徴は、例えば、コミュニケータを用いて音声コールをするユーザが自分のPDA又はコンピュータにダウンロードするのに利用可能なファイルがあることを知るときに有利である。また、ユーザが、音声コールをするように動機付けする自分のPDA又はコンピュータに関するメッセージを読むときにも有利である。
【0046】
ユーザは、恐らくはコミュニケータが伝送される度に適用される設定を確立することによって、対象リンクがあればどのリンクがアクティブに維持されるべきものであるかを規定することができるものとしてもよい。これに代え又は加えて、ユーザは、物理的にコミュニケータを排除する前に「リンク維持」(“maintain link”)コマンドを入力してもよいし、又はアクティブホストに表示されたメニューから選択してもよく、ここでのメニューには、「呼び出し終了及びコミュニケータ排除」(“End calls and eject communicator”)及び「コミュニケータ排除及びアクティブ呼び出し維持」(“Eject communicator and maintain active calls” )と付されたオプションが含まれる。
【0047】
通信リンクをアクティブに維持するために、コントローラ250、ベースバンドモデム230、レシーバ260及びトランスミッタ270は、コミュニケータ110が伝送されている間にアクティブのままとなる。かくして、この特徴をサポートする本発明の実施例は、制約された時間量のための限定された形態で動作するのに十分な電力をこれらの回路に供給することが可能な暫定的電源も含んでいなければならない。この電源は、他にも可能性があるが特に、小型バッテリ、又はキャパシタ、及びコミュニケータがアクティブホストに再接続されたときに当該キャパシタを再チャージするチャージポンプを含みうる。
【0048】
アクティブな通信リンクを維持するために、ベースバンドモデム230、コントローラ250又はこれらの両方は、維持すべきリンクにおいて受信されるメッセージのブリアンブルを検出しこれに応答する。この応答は、好ましくは(但し必須ではない)、当該リンクをアクティブに維持するために当該リンクの他の端部において当該デバイスを指示することに制限される。当該暫定的電源からの電力消費は、コミュニケータが伝送されている期間において音声又はデータを伝送又は受信しないことによって低減される。
【0049】
不揮発性メモリ255は、加入者情報、セキュリティ情報、その他の情報又はこうした情報の組み合わせを保持する。コントローラ250は、この情報をアクセスし、それをベースバンド変調器230、モバイルデバイス210、又はこれらの双方に適宜供給する。
【0050】
ベースバンドモデム230は、当業界において知られている。例えば、Nokia Inc. of Irving, TX and Tokyo, Japanは、www.nokia.comにおいて自分達のベースバンドモデム製品についての情報を公表している。同様に、Qualcomm, Inc. of San Diego, CAは、www.qualcomm.comにおいて自分達のベースバンドモデム製品についての情報を公表している。入力アナログベースバンド信号262、入力ホスト信号212、出力アナログベースバンド信号272及び出力ホスト信号214を適切に変調し、復調し、ルーチングしかつ変換することのできるいずれの回路又はデバイスも、ベースバンドモデム230として用いることができる。
【0051】
レシーバ260は、当業界において知られている。RF電気信号をベースバンドアナログ信号に適切に変換することのできるいずれのデバイスも用いることができる。トランスミッタ270は、当業界において周知である。ベースバンドアナログ信号をRF電気信号に適切に変換することのできるいずれのデバイスも用いることができる。
【0052】
アンテナ220,290及び295は、当業界において知られている。内部アンテナは、パッチアンテナとすることができ、外部アンテナは、モノポールとすることができる。電気信号をラジオ信号に又はこの逆に変換することのできるいずれのデバイスも、これらのデバイスのために用いることができる。RFフィルタ及びスイッチアセンブリブリ280は、当業界において周知である。RF電気信号を適切にカップリングし復調することのできるいずれのデバイスも用いることができる。
【0053】
本発明の種々の実施例において、コントローラ250は、簡単なステートマシンとしたり、プログラムされた命令の制御の下で動作するプロセッサとしたり、又はこれらの組み合わせとすることができる。ユーザから現在所望されている動作のモードを表す情報を受信し、適切にベースバンドモデム230を制御し、適切な通信リンクを始動及び持続させることのできるいずれの回路又はデバイスも、コントローラ250として用いることができる。
【0054】
不揮発性メモリ250は、当業界において周知である。データを保持することのできるいずれのデバイスも用いることができる。かかるデバイスは、限定はしないがフラッシュメモリ又は電気的消去可能なプログラマブル読出専用メモリ(EEPROM)が含まれる。
【0055】
本発明の種々の実施例において、不揮発性メモリ255は、種々の加入者情報を保持する。かかる情報には、伝送可能コミュニケータに付されるモバイルデバイスがかけることのできる電話番号、1つ以上のサービスプロバイダを伴うユーザのアカウント番号又はその他の情報が含まれる。
【0056】
本発明の種々の実施例では、不揮発性メモリ255は、種々のセキュリティ情報を保持する。かかる情報には、伝送可能コミュニケータが動作する前にユーザが入力しなければならないパスワード、当該モバイルデバイスが種々のセッション又はサービスにログインするために提供しなければならないパスワード、当該モバイルデバイスが通信リンクを持つ可能性の高い個人、組織又はサービスの公開キー、及び秘密キー又はユーザのキーが含まれる。
【0057】
図3は、本発明の実施例による伝送可能コミュニケータが音声用リンクだけを用いて音声通信、データ通信又はこれらの両方をサポートすることができる多数のモードを示している。
【0058】
モバイル電話機120Aは、電気通信システム160と電話機120Aとの間でGSM通信リンク190により音声が伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このモードがアクティブである間、ユーザは、リアルタイムの会話中となる。この会話において、ユーザは恐らく、背景技術によるモバイル電話機により供給される機能及びサービスの質から全く又は殆ど変化を感じない。
【0059】
モバイル電話機120Cは、電気通信システム160とヘッドセット150Aとの間でGSM通信リンク190及びブルートゥース通信リンク194の双方により音声が伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このモードにおいて、ユーザは、無線ヘッドセットを介して話し、聞き、そして電話機を自分の耳と口の近くに保つ必要がない。
【0060】
モバイル電話機120Bは、電気通信システム160とヘッドセット150Aとの間で音声用GSM通信リンク190によりデータが伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このようなデータは、限定はしないが、ウェブページ、マップ若しくはドライブ方向、テキストメッセージ、英数字のページ、株式情報若しくは警報、天気情報若しくは予報、交通情報、又はこれら情報の組み合わせを含みうる。こうしたデータ伝送は、必須ではないが、無線アクセスプロトコル(WAP)を用いることができる。
【0061】
モバイル電話機がアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図3には示されない動作の付加的モードで動作することができる。例えば、音声及びデータ情報は、当該電話機に対して同じGSMリンクにより同時に伝送可能である。或いは、音声及びデータは、伝送可能コミュニケータが当該電話機に対してデータ情報を伝送し音声情報をヘッドセットに対して中継する状況で、GSMリンクにより同時に伝送可能である。
【0062】
音楽プレーヤ170Aは、電気通信システム160と音楽プレーヤ170Aとの間でGSMリンク190によりデータ情報が伝送されるデータオーバボイスモード(data over voice mode)において動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。伝送されているデータ情報は、当該音楽プレーヤにおける記憶及び後の再生のために転送されている音声メールメッセージ、音楽プレーヤにダウンロードされている歌、又はその他のオーディオ情報を含みうる。
【0063】
音楽プレーヤ170Bは、GSMリンク190及びブルートゥースリンク194の双方において音声が伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。この音声情報は、ヘッドセット150Bに対してコミュニケータにより中継される。ユーザは、当該ヘッドセットを用いてリアルタイムの会話中となる。音楽プレーヤは、当該コミュニケータの電力のソースとして間接的にのみ当該会話にかかわることができる。或いは、伝送可能コミュニケータ110は、当該音声情報を、記録され保持されるように音楽プレーヤ170Bに音声情報を供給する。
【0064】
音楽プレーヤがアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図3には示されない付加的モードで動作可能である。すなわち、音声及びデータ情報は、当該コミュニケータに対して同じGSMリンクにより同時に伝送可能である。このコミュニケータは、データ情報を音楽プレーヤに供給することができ、音声情報をヘッドセットに対して中継することができる。
【0065】
PDA130Aは、電気通信システム160とPDA130Aとの間で音声用GSMリンク190によりデータが伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。かかるデータの内容及びフォーマットは、モバイル電話機120Aに対して上述したようなものとしてもよく、又はPDA用の内容及びフォーマットを用いることもできる。
【0066】
PDA130Bは、電気通信システム160からヘッドセット150Cへのパスにおいて、GSMリンク190及びブルートゥースリンク194の双方により伝送される音声情報を当該コミュニケータが中継するモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。ここでも、ユーザは、リアルタイムの会話中となり、PDAは当該伝送可能コミュニケータの電力のソースとして間接的にのみかかわることができる。
【0067】
PDAがアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図3には示されない付加的モードで動作可能である。すなわち、音声及びデータ情報は、当該コミュニケータに対して同じGSMリンクにより同時に伝送可能である。この伝送可能コミュニケータは、PDAに対してデータ情報を中継することができ、当該ヘッドセットに対して音声情報を中継することができる。
【0068】
モバイルコンピュータ145Bは、電気通信システム160とモバイルコンピュータ145Bとの間で音声用GSM通信リンク190によりデータが伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。かかるデータの内容及びフォーマットは、モバイル電話機120A又はPDA130Aに対して上述したようなものとしてもよく、又は音声用通信リンクによるダイアルアップネットワーク接続を用いたコンピュータと等価なものとすることもできる。
【0069】
モバイルコンピュータ145Aは、GSMリンク190及びブルートゥースリンク194に対してコミュニケータが音声情報を中継するモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このモードにおいて、当該コミュニケータは、電気通信システム160からヘッドセット150Dへ通信パスを完成させ、これによりユーザがリアルタイムの会話をすることができるようにしている。
【0070】
モバイルコンピュータがアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図3には示されない付加的モードで動作可能である。すなわち、音声及びデータ情報は、当該コミュニケータに対して同じGSMリンクにより同時に伝送可能である。この伝送可能コミュニケータは、モバイルコンピュータに対してデータ情報を中継することができ、当該ヘッドセットに対して音声情報を中継することができる。
【0071】
図4は、図3とは異なる多数の動作モードを示しており、本発明の実施例による伝送可能コミュニケータは、データ用リンクだけを用いて音声通信、データ通信又はこれらの両方をサポートすることができる。
【0072】
モバイル電話機120Aは、無線アクセスポイント160と電話機120Aとの間で802.11通信リンク192によりデータが伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このようなデータは、限定はしないが、ウェブページ、マップ若しくはドライブ方向、テキストメッセージ、英数字のページ、株式情報若しくは警報、天気情報若しくは予報、交通情報、又はこれら情報の組み合わせを含みうる。
【0073】
モバイル電話機120Bは、無線アクセスポイント160と電話機120Bとの間でデータ用802.11通信リンク192により音声が伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このモードがアクティブとなっている間、ユーザはリアルタイムの会話中となる。ユーザは、このモードにおいて提供されるサービスの質の何らかの変化を感じるかもしれない。何故なら、データサービスによる音声の質は、比較的低い速度の通信リンク又は比較的負荷の重い通信データネットワークが使われている場合に特に、制限されるからである。
【0074】
モバイル電話機120Cは、無線アクセスポイント160とヘッドセット150Aとの間でデータ用802.11通信リンク192及びブルートゥース通信リンク194により音声が伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このモードにおいて、ユーザは、無線ヘッドセットを介して自分の会話に参加し、電話機120Cを自分の頭の近くに保つ必要がない。
【0075】
モバイル電話機がアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図4には示されない動作の付加的モードで動作することができる。例えば、音声及びデータ情報は、当該電話機に対して同じ802.11リンクにより同時に伝送可能である。或いは、音声及びデータは、伝送可能コミュニケータが当該電話機に対してデータ情報を伝送し音声情報をヘッドセットに対して中継する状況で、802.11リンクにより同時に伝送可能である。
【0076】
音楽プレーヤ170Aは、無線アクセスポイント160と音楽プレーヤ170Aとの間で802.11リンク192によりデータ情報が伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。伝送されているデータ情報は、当該音楽プレーヤ170Aにおける記憶及び後の再生のために転送される音声メールメッセージ、音楽プレーヤにダウンロードされる歌、又はその他のオーディオ情報を含みうる。
【0077】
音楽プレーヤ170Bは、音声がデータ用802.11リンク192により伝送されブルートゥースリンク194を介してヘッドセット150Bに対して当該コミュニケータにより中継されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。ユーザは、このヘッドセットを用いてリアルタイムの会話中となる。音楽プレーヤは、コミュニケータ110の電力のソースとして間接的にしか通信セッションにかかわらないようにすることができる。或いは、コミュニケータ110は、音声情報を記録及び保持されるように音楽プレーヤ170Bに供給することができる。
【0078】
音楽プレーヤがアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図4には示されない動作の付加的モードで動作することができる。すなわち、音声及びデータ情報の双方は、当該コミュニケータに対して同じ802.11リンクにより同時に伝送可能である。
【0079】
PDA130Aは、アクセスポイント160とPDA130Aとの間で802.11リンク192によりデータが伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。
【0080】
PDA130Bは、音声が無線アクセスポイント180からヘッドセット150Cへ伝送される形で、802.11リンク192及びブルートゥースリンク194の双方により伝送される音声情報を当該コミュニケータが中継するモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。ユーザは、リアルタイムの会話中となる。PDA130Bは、当該伝送可能コミュニケータの電力のソースとして間接的にしかかかわらないようにすることができる。
【0081】
PDAがアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図4には示されない付加的モードで動作することができる。すなわち、音声及びデータ情報は、当該コミュニケータに対して同じ802.11リンクにより同時に伝送可能である。この伝送可能コミュニケータは、データ情報をPDAに対して中継し、音声情報をヘッドセットに対して中継する。
【0082】
モバイルコンピュータ145Bは、無線アクセスポイント160とモバイルコンピュータ145Bとの間で802.11通信リンク192によりデータが伝送されるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このようなデータの内容及びフォーマットは、モバイル電話機120Aに対して、又はPDA130Aに対して上述したようなものとしてもよく、又は音声用通信リンクによるダイアルアップネットワーク接続を用いたコンピュータと等価なものとしてもよい。
【0083】
モバイルコンピュータ145Aは、802.11通信リンク192及びブルートゥースリンク194に対して当該コミュニケータが音声情報を中継するモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。このモードにおいて、当該コミュニケータは、電気通信システム160からヘッドセット150Dへの通信パスを完成させ、これにより、ユーザがリアルタイムの会話をなすことを可能とする。
【0084】
モバイルコンピュータがアクティブホストである場合、伝送可能コミュニケータ110は、図3には示されない付加的モードで動作することができる。すなわち、音声及びデータ情報は、当該コミュニケータに対して同じ802.11リンクにより同時に伝送可能である。この伝送可能コミュニケータは、データ情報をモバイルコンピュータに対して中継し、音声情報をヘッドセットに対して中継する。
【0085】
図5は、またさらに他のモードを示しており、本発明の実施例による伝送可能コミュニケータは、データリンク及び音声リンクを同時に用いながら音声通信、データ通信又はこれらの両方をサポートすることができる。
【0086】
モバイル電話機120Bは、2つの通信チャネルが同時にアクティブとなるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。あるチャネルにおいては、電気通信システム160と電話機120Bとの間で音声用GSM通信リンク190により音声が伝送される。他のチャネルにおいては、無線アクセスポイント180と電話機120Bとの間でデータ用802.11通信リンク192によりデータが伝送される。このようなデータは、限定はしないが、ウェブページ、マップ若しくはドライブ方向、テキストメッセージ、英数字のページ、株式情報若しくは警報、天気情報若しくは予報、交通情報、又はこれら情報の組み合わせを含みうる。
【0087】
モバイル電話機120Aは、2つの通信セッションが3つの通信リンクにより同時にアクティブとなるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。第1の音声通信セッションは、電気通信システム160とコミュニケータとの間で音声用GSM通信リンク190により伝送される。この通信セッションの一部として、コミュニケータは、ブルートゥースリンク194によりヘッドセット150Aに対して音声情報を中継する。これに加え、データは、無線アクセスポイント180と電話機120Bとの間でデータ用802.11通信リンク192により第2の通信セッションにおいて伝送される。
【0088】
PDA130は、3つの通信リンクにより2つの通信セッションが同時にアクティブになるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。音声は、電気通信システム160とコミュニケータとの間で音声用GSM通信リンク190により伝送され、当該音声情報がヘッドセット150Bに対して中継される。無線アクセスポイント180とPDA130との間でデータ用802.11通信リンク192によりデータが伝送される。
【0089】
音楽プレーヤ170は、2つの通信セッションが3つの通信リンクにより同時にアクティブとなるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。音声は、電気通信システム160とコミュニケータとの間で音声用GSM通信リンク190により伝送され、当該音声情報がヘッドセット150Cに対して中継される。無線アクセスポイント180と音楽プレーヤ170との間でデータ用802.11通信リンク192によりデータが伝送される。
【0090】
モバイルコンピュータ145は、2つの通信セッションが同時にアクティブとなるモードで動作する伝送可能コミュニケータ110を含む。音声は、電気通信システム160とコミュニケータとの間で音声用GSM通信リンク190により伝送され、当該音声情報がヘッドセット150Dに対して中継される。無線アクセスポイント180とモバイルコンピュータ145との間でデータ用802.11通信リンク192によりデータが伝送される。
【0091】
本発明の種々の実施例による伝送可能コミュニケータが効果的に動作することのできるモードの数は、広範囲な動作条件の下で極めて柔軟性のある態様でユーザをサポートすることができる。本発明の各種実施例により達成される利点は、次のようなものを含む。
・ユーザの利便性向上
・通信サービスの利用可能領域の拡大
・モバイルデバイスの製造又は購入のための一時コストの低減
・モバイルデバイスの通信サービスの契約にかかる経常コストの低減
・モバイルデバイスとの通信の質の向上
・情報若しくはサービスへの非認証アクセス又は通信の傍受を回避するためのセキュリティの向上
【0092】
本発明の幾つかの実施例においては、ユーザの利便性がかなり向上する。伝送可能コミュニケータは、どんな無線リンク及びどんなサービスが現時点で現在の位置で利用可能かを自動的に検出することができる。これは、何が利用可能かを確認するための周期的なポーリングをなすコントローラによって、又はユーザによりホストデバイスが動作を起こすように要求されたときにどんなサービスが利用可能かをチェックするコントローラによって行うことができる。
【0093】
利用可能なリンクの自動的な検出は、どのサービスが利用可能かを手動で判定するための複雑になりうる一連の試行又はテストをユーザにさせないようにする。例えば、WLAN機能を持つが伝送可能コミュニケータを持たないモバイル電話機及びモバイルコンピュータを持つユーザは、どのリンクが利用可能かを判定するために自分の電話機及び自分のコンピュータをオンにする必要が生じる。
【0094】
伝送可能コミュニケータは、音声用に構成されたリンクだけが利用可能なリンクであるかどうか、データ用に構成されたリンクだけが利用可能なリンクであるかどうかにかかわらず、同時の音声及びデータ通信をサポートすることができる。これは、音声情報をデータ通信リンク上の伝送に適した構成又はフォーマットに(又はこの逆に)自動的に変換するベースバンドモデム内のコンバータによって行うことができ、データ情報は、音声リンクの適切なフォーマットに変換される。
【0095】
ユーザは、自分の活動をサポートするのに現に用いられている通信リンクのタイプに気づく必要もない。リンクにおける通信及びサービスの自動的なポータビリティにより、ユーザは、手動でどのリンクが利用可能かを判定するための複雑になりうる一連の試行又はテストから解放される。
【0096】
伝送可能コミュニケータによって、ユーザは、その時どの通信リンクが利用可能かに基づくのではなく、その時自分にとって便利なものは何かに基づいて、使用する自分のモバイルデバイスのどれかを選択することができる。これに対して、伝送可能コミュニケータを持たないユーザは、自分の望む通信の種類に最も適したデバイスに加え又は代えて現に利用可能な通信リンクを有するデバイスを用いる必要性が出てくる。例えば、そのユーザは、データによる音声を用いて電話の呼び出しをするために自分のコンピュータをオンにして立ち上げなければならなくなる可能性があり、又は自分のモバイル電話機をオンにしてそれを自分のコンピュータに繋ぎEメールにアクセス又はデータをダウンロードする必要が出てくる。
【0097】
伝送可能コミュニケータがあれば、ユーザは、自分のモバイルデバイスのいずれかを介して任意のサービスにアクセスするのに1つのパスワード(同じパスワード)を入力する必要があるだけである。これに対して、伝送可能コミュニケータを持たないユーザは、自分がアクセスするサービスの各タイプに対して異なるアカウント番号及びパスワードを思い出す必要が出てくる。或いは、このようなユーザは、自分が用いる各モバイルデバイスの異なるアカウント番号、又は恐らくは各デバイスについて各タイプのサービスのために多数の異なるアカウント及びパスワードを思い出す必要も出てくる。
【0098】
伝送可能コミュニケータがあれば、ユーザは、少量のセキュリティ情報しか思いだす必要がなくなる。かなりの量のセキュリティ情報を不揮発性メモリに記憶可能であり、当該情報は、ユーザのモバイルデバイスのそれぞれについての使用のために利用可能である。
【0099】
さらに、ユーザは、パスワードを入力するなどして自分自身を伝送可能コミュニケータに対して認証させることができ、コミュニケータは、ユーザがアクセスする色々な通信リンク及びサービスに当該ユーザを認証させることができる。これに対して、伝送可能コミュニケータを持たないユーザは、自分が通信リンク又はサービスを切り換える度にアカウント及びパスワード情報を再入力しなければならなくなる。
【0100】
伝送可能コミュニケータがあれば、新しいアカウント情報、新しいユーザ情報(例えばユーザの好みなど)、及び新しいセキュリティ情報を、ユーザのモバイルデバイスの各々における情報を更新するのではなく、伝送可能コミュニケータにおける不揮発性メモリの内容を更新することによって追加することができる。
同様の簡素化は、現情報が更新され又は新しく改めなければならないときにも当てはまる。
【0101】
伝送コミュニケータがあれば、多数のユーザが同じ伝送可能コミュニケータを共用することができる。したがって、アカウント識別子、会計情報及びセキュリティ情報は、一旦入力されるか又は一旦更新されることだけで済む。これに対し、伝送可能コミュニケータのないユーザの人達は、ユーザ毎に、又はモバイルデバイス毎に、或いは各ユーザの各モバイルデバイスにつき1回、この情報を入力しなければならなくなる。
【0102】
サービスの利用可能エリアの範囲は、本発明の実施例によって格段に拡大する。ユーザの視点からすると、全てのサービス(音声及びデータの両方)は、データ通信リンク又は音声通信リンクが利用可能なときであれば利用可能である。
【0103】
モバイルデバイスの一時コストは、本発明の実施例により大幅に減る。何故ならば、かかるデバイス内の構成要素が減るからである。各モバイルデバイスにおいてRF回路、トランスミッタ、レシーバ、不揮発性メモリ及びベースバンドモデムを備えるのではなく、2つ以上のモバイルデバイスにわたり共用されるのである。
【0104】
こうした節減によって、例えば音楽プレーヤなどのそうしないと無線の機能をもたないデバイスに無線機能を加えることをコスト面で有利に実現することができる。さらに、こうした節減は、例えばパーソナルディジタルアシスタントなどの価格に敏感な販売量を呈する無線型のデバイスのマーケットを拡大することも可能である。
【0105】
さらに、モバイルデバイスの一時コストは、多数の個人が1つの伝送可能コミュニケータを共有することができる状況において、大幅に削減される。例えば、1度に1人だけが無線アクセスを必要とする家族は、単一の伝送可能コミュニケータを共有することができる。或いは、同時期に移動する2人以上の従業員があまり発生しない部門は、2つの伝送可能コミュニケータを共有することができる。
【0106】
通信サービスの契約の再発(経常)コストは、本発明の実施例により大幅に削減される。ユーザは、自分の何台ものモバイルデバイスの各々につき1つ又は各デバイスに対する各サービスにつき1つというのではなく、伝送可能コミュニケータに対して1つのサービスプランを購入するだけで済む。さらに、例えばGSM/CDMA通信リンク及びイーサネット通信リンクの双方が利用可能である場合、当該コントローラは、より安価なリンクを選択することができる。
【0107】
モバイルデバイスとの通信リンクの質は、本発明の実施例により向上する。例えば、GSMリンク及びイーサネットリンクの双方が利用可能である場合、当該コントローラはより良いリンクを選択することができるので、サービスの質を向上することができる。或いは、ユーザは、不揮発性メモリに記憶される好みの設定において、当該コントローラが2つ以上のリンクが利用可能である場合により良好な質のリンク又はより安価なリンクを選択すべきであるかどうかを規定することが可能である。
【0108】
本発明の実施例により、セキュリティ及びプライバシーは格段に向上する。モバイルデバイス及び通信の重要なセキュリティ問題は、情報又はサービスへの権限のないアクセスを回避するためのユーザの認証である。コントローラは、ユーザが正しいパスワードを入力して伝送可能コミュニケータを用いることを要求することができ、これにより、権限のないユーザが当該伝送可能コミュニケータを介して何らかの情報等をアクセスすることが防止される。
【0109】
さらに、伝送可能コミュニケータ内の不揮発性メモリは、この特定の伝送可能コミュニケータが動作可能とさせるコンピュータ、電話及びPDAのシリアル番号などのセキュリティ関連情報を大量に記憶することができる。伝送可能コミュニケータ内のコントローラは、権限のないモバイルホストデバイスとの通信リンクを始動することを拒否することができる。
【0110】
さらに、伝送可能コミュニケータ内の不揮発性メモリは、例えばアクセス要求にサインするために用いることができるユーザの秘密キーを記憶することができる。かかるアクセス要求を許諾するシステムは、その後に、ユーザの公開キーを用いて当該アクセス要求がユーザ(又は少なくとも当該ユーザの秘密キーを知る誰か)に由来していることを認証することができる。同様に、不揮発性メモリは、通信リンクの他の端部においてサーバ又は個人の公開キーを記憶することができ、誰であることを請求しているのかを検証するために用いることができる。
【0111】
モバイルデバイス及び通信にとってもう1つの重要なセキュリティ問題は、通信リンクにより伝送される音声及びデータ情報の不意の盗聴及び組織的な傍受の双方を回避することである。不揮発性メモリは、通信を暗号化し解読するために用いられる暗号キーを記憶することができる。公開キー暗号法が使われる場合、通信される情報は、傍受や盗聴から確実に保護される。
【0112】
本発明のここに含まれる説明及び本発明を用いることに鑑みれば当業者にとっては明らかとなるように、本発明は産業に活用することができる。
【0113】
本発明は、既知の又はここに記述した製造技術を用いて実現することができる。本発明は、既知の又はここに記述した構成要素及び材料から構成することができる。例えば、トランスミッタ及びベースバンドモデムは、当該産業における多数の製造業者から現に入手可能な既知の構成要素である。
【0114】
本発明は、ここに記述した当座の問題を解決しかつ当座の必要性に適うものである。例えば、無線通信デバイスの多くのユーザは不便を経験しており、本発明を用いれば減らすことのできるコストを支払っている。
【0115】
本発明の範囲は、添付の各請求項及びそれらの法的な均等物によって規定される。本発明は、ここでの開示内容、当業者に知られる技術、及びさらになされるべき当該分野の進展に鑑みて、数多くの変形、変更、代替例からの選択、形態の変更及び改善によって定まるものである。ここでの図面や説明は、特定の詳細を表すことによって本発明を示す意図のものであり、緻密にしようとするものでも、開示した構成、形態及び実施例に本発明を限定するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施例による無線通信システムにおける機能的構成部及びそれらの相互接続を示すものであり、かかるシステムが色々なモバイルデバイスを電話ネットワーク、データサーバ又はこれらの両方を、当該モバイルデバイスの間で伝送可能なコミュニケータを介して接続することを示す図。
【図2】本発明の実施例による伝送可能コミュニケータにおける機能的構成部及びそれらの相互接続を示す図。
【図3】本発明の実施例による伝送可能なコミュニケータが音声通信のために構成されたラジオリンクにより通信することを可能とした多数のモードを示す図。
【図4】本発明の実施例による伝送可能なコミュニケータがデータ通信のために構成されたラジオリンクにより通信することを可能とした多数の付加的モードを示す図。
【図5】本発明の実施例による伝送可能なコミュニケータがデータラジオリンク及び音声ラジオリンクを同時に用いて通信することを可能としたもう1つのモードを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブホストとの使用に適合した無線コミュニケータであって、
入力音声ラジオ信号を受信し、これに基づいて入力音声ベースバンド信号を供給するよう構成された音声レシーバと、
出力音声ベースバンド信号を受信し、これに基づいて出力音声ラジオ信号を送信するよう構成された音声トランスミッタと、
入力データラジオ信号を受信し、これに基づいて入力データベースバンド信号を供給するよう構成されたデータレシーバと、
出力データベースバンド信号を受信し、これに基づいて出力データラジオ信号を送信するよう構成されたデータトランスミッタと、
前記入力音声ベースバンド信号及び前記入力データベースバンド信号を受信し、前記出力音声ベースバンド信号及び前記出力データベースバンド信号を生成し、前記アクティブホストから出力ホスト信号を受信し、前記アクティブホストへ入力ホスト信号を供給するよう構成されたベースバンドモデムと、
を有し、
当該無線コミュニケータは、異なるタイプの少なくとも2つのモバイルホストデバイスにおいて伝送されこれらと共に動作するように構成され、常に前記モバイルホストデバイスのうちの1つが前記アクティブホストとされる、
無線コミュニケータ。
【請求項2】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、
前記ベースバンドモデムはさらに、前記入力音声ベースバンド信号を前記入力ホスト信号に変換するモード、前記入力音声ベースバンド信号を前記出力データベースバンド信号に変換するモード、前記入力データベースバンド信号を前記入力ホスト信号に変換するモード、前記入力データベースバンド信号を前記出力音声ベースバンド信号に変換するモード、前記出力ホスト信号を前記出力音声ベースバンド信号に変換するモード、前記出力ホスト信号を出力データベースバンド信号に変換するモード、及びこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせに相当するモードから選択されたモードで動作するように構成され、
当該無線コミュニケータはさらに、前記ベースバンドモデムのモードを制御するよう構成されたコントローラを有する、
無線コミュニケータ。
【請求項3】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、前記無線コミュニケータと外部デバイスとの間で通信リンクを始動するよう構成されたコントローラをさらに有し、前記通信リンクは、音声通信リンク、データ通信リンク及び低電力通信リンクから選択される、無線コミュニケータ。
【請求項4】
請求項3に記載の無線コミュニケータであって、前記コントローラはさらに、どの通信リンクが現に利用可能かを判定し当該利用可能リンクのうちの1つを選択し好適なリンクにおいて通信リンクを始動するように構成されている、無線コミュニケータ。
【請求項5】
請求項3に記載の無線コミュニケータであって、前記コントローラはさらに、アクティブとなっている第1のモバイルホストデバイスからアクティブとなっている異なるモバイルホストデバイスへ当該無線コミュニケータが伝送されている間に前記通信リンクをアクティブに維持するように構成されている、無線コミュニケータ。
【請求項6】
請求項3に記載の無線コミュニケータであって、不揮発性メモリをさらに有し、前記コントローラはさらに、前記通信リンクを始動するために前記不揮発性メモリに保持されているデータを用いるように構成されている、無線コミュニケータ。
【請求項7】
請求項6に記載の無線コミュニケータであって、前記コントローラにより用いられるデータは、契約データ、ユーザ識別データ、ユーザ選定データ、セキュリティデータ及びこれらの少なくとも2つの組み合わせから選ばれる、無線コミュニケータ。
【請求項8】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、前記入力音声ラジオ信号及び出力音声ラジオ信号は、モバイル電話信号、先進移動電話システム(AMPS)信号、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)信号、時分割多重アクセス(TDMA)信号、コード分割多重アクセス(CDMA)信号及びワイドバインドコード分割多重アクセス(WCDMA)信号から選択されている、無線コミュニケータ。
【請求項9】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、前記入力データラジオ信号及び前記出力データラジオ信号は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)信号、無線イーサネット信号、電気電子技術者協会(IEEE)規格802.11信号、低電力無線信号及びブルートゥース信号から選択される、無線コミュニケータ。
【請求項10】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、前記アクティブモバイルデバイスは、モバイル電話機、パーソナルディジタルアシスタント、音楽プレーヤ、ラジオ、モバイルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ポケットコンピュータ、タブレットコンピュータ、及びこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせに相当するデバイスのうちから選択されたタイプのものである、無線コミュニケータ。
【請求項11】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、
第2の入力データラジオ信号を受信し、これに基づき前記ベースバンドモデムに第2の入力データベースバンド信号を供給するように構成された第2のデータレシーバと、
前記ベースバンドモデムから第2の出力データベースバンドラジオ信号を受信し、これに基づいて第2の出力データラジオ信号を送信するように構成された第2のデータトランスミッタと、
をさらに有し、
前記入力データ信号及び前記出力データ信号は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)信号であり、前記第2の入力データ信号及び第2の出力データ信号は、低電力無線信号である、
無線コミュニケータ。
【請求項12】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、前記ベースバンドモデムはさらに、前記音声トランスミッタに、音声通信リンクによる伝送のためにフォーマット化されたデータ情報を供給し、前記音声レシーバから、前記音声通信リンクによる伝送のためにフォーマット化されたデータ情報を受信するように構成される、無線コミュニケータ。
【請求項13】
請求項1に記載の無線コミュニケータであって、前記ベースバンドモデムはさらに、前記データトランスミッタに、データ通信リンクによる伝送のためにフォーマット化された音声情報を供給し、前記データレシーバから、前記データ通信リンクによる伝送のためにフォーマット化された音声情報を受信するように構成される、無線コミュニケータ。
【請求項14】
アクティブホストとの使用のために構成された無線コミュニケータであって、
入力音声ラジオ信号を受信し、これに基づいて入力音声ベースバンド信号を供給する手段と、
出力音声ベースバンド信号を受信し、これに基づいて出力音声ラジオ信号を送信する手段と、
入力データラジオ信号を受信し、これに基づいて入力データベースバンド信号を供給する手段と、
出力データベースバンド信号を受信し、これに基づいて出力データラジオ信号を送信する手段と、
前記出力音声ベースバンド信号及び前記出力データベースバンド信号を変調し、前記入力音声ベースバンド信号及び前記入力データベースバンド信号を復調する手段と、
を有し、
当該無線コミュニケータは、異なるタイプの少なくとも2つのモバイルホストデバイスにおいて伝送されこれらとともに動作するように構成され、常に前記モバイルホストデバイスの1つが前記アクティブホストとされる、
無線コミュニケータ。
【請求項15】
請求項14に記載の無線コミュニケータであって、前記変調及び復調手段は、前記入力音声ベースバンド信号を前記アクティブホストに供給される入力ホスト信号に変換し、前記入力音声ベースバンド信号を前記出力データベースバンド信号に変換し、前記入力データベースバンド信号を前記入力ホスト信号に変換し、前記入力データベースバンド信号を前記出力音声ベースバンド信号に変換し、前記アクティブホストから受信された出力ホスト信号を前記出力音声ベースバンド信号に変換し、前記出力ホスト信号を出力データベースバンド信号に変換する手段である、無線コミュニケータ。
【請求項16】
請求項14に記載の無線コミュニケータであって、当該無線コミュニケータと外部デバイスとの間の通信リンクを制御する手段をさらに有し、前記通信リンクは、音声通信リンク、データ通信リンク及び低電力通信リンクから選択される、無線コミュニケータ。
【請求項17】
請求項14に記載の無線コミュニケータであって、前記変調及び復調手段は、データ情報を前記出力音声ベースバンド信号に変換し、前記入力音声ベースバンド信号をデータ情報に変換し、当該データが音声通信リンクにより伝送されるようにする手段である、無線コミュニケータ。
【請求項18】
請求項14に記載の無線コミュニケータであって、前記変調及び復調手段は、音声情報を前記出力データベースバンド信号に変換し、前記入力データベースバンド信号を音声情報に変換し、当該音声がデータ通信リンクにより伝送されるようにする手段である、無線コミュニケータ。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−519269(P2007−519269A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516755(P2006−516755)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050986
【国際公開番号】WO2004/114534
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】