説明

データ更新処理装置及びデータ更新処理システム

【課題】更新対象となるデータの格納先を特に調べることなく、データ記録装置に記録されているデータを更新可能とする。
【解決手段】データ更新処理装置101は、レイアウトされたデータをディスプレイ画面102に表示させ、表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定し、スキャンされた画像を、更新対象となるデータのサーバ105における格納先に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記録装置に格納されるデータの更新処理が可能な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機(MFP:Multi Function Peripherals)上で、サーバに登録してある文字データと共に画像データを取得してマージ処理し、帳票データ等の印刷文書データを作成する技術がある。また、デジタル複合機で画像データをスキャンし、スキャンした画像データをユーザが指定した送信先にEメールで送信することが可能である。
【0003】
さらに、ユーザの身分証明を示す識別証をスキャンし、その識別情報が登録されている端末装置にスキャンした画像データを転送することができるデータ転送システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−73194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したようなデジタル複合機上で、帳票データの一部を変更したい場合、通常のデジタル複合機では、特定のデータベースの、特定のテーブルの、特定のIDの画像データを更新することはできない。そのため、PC上で直接データベースにアクセスして画像データを更新するしかなく、更新したい画像データが、どのテーブルに保管され、どのIDに該当するのかを調べる必要がある。
【0006】
また、サーバにデータをアップデートせずに、特定のデジタル複合機のみで、帳票データの一部をスキャンした画像データや入力された文字データに変更してカスタマイズすることも考えられる。しかしながら、各自で帳票データをカスタマイズすることになるため、複数のデジタル複合機で常に同じ帳票データを生成したい場合に問題となる。
【0007】
また、特許文献1に開示される発明は、識別証から識別情報を読み取って、指定の端末装置にデータを転送するため、決められた識別証にしか利用できず、ユーザが自由に更新データを選択できるものではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、更新対象となるデータの格納先を特に調べることなく、データ記録装置に記録されているデータを、スキャンされた画像により更新可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のデータ更新処理装置は、レイアウトして出力されるデータを記録可能なデータ記録装置のデータの更新処理を行うデータ更新処理装置であって、レイアウトされたデータを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段上に表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定する指定手段と、画像のスキャンを指示する指示手段と、前記スキャンされた画像を、更新対象となるデータの前記データ記録装置における格納先に格納する格納手段とを有することを特徴とする。
本発明のデータ更新処理方法は、レイアウトして出力されるデータを記録可能なデータ記録装置のデータの更新処理を行うデータ更新処理装置によるデータ更新処理方法であって、レイアウトされたデータを表示手段に表示させる表示制御ステップと、前記表示手段上に表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定する指定入力を入力する指定入力ステップと、画像のスキャンを指示する指示を入力する指示入力ステップと、前記スキャンされた画像を、更新対象となるデータの前記データ記録装置における格納先に格納する格納ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、レイアウトされて、表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定し、スキャンされた画像を、更新対象となるデータのデータ記録装置における格納先に格納するように構成している。従って、本発明によれば、更新対象となるデータの格納先を特に調べることなく、データ記録装置に記録されているデータを、スキャンされた画像により更新することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るデータ更新処理装置(デジタル複合機(MFP:Multi Function Peripherals))の全体構成を示す図である。図1に示すように、データ更新処理装置101は、ディスプレイ画面102、アプリケーション実行部103、アプリケーション104及びジョブ実行部106から構成されている。
【0013】
ディスプレイ画面102は、アプリケーション104のユーザインタフェース(UI)画面を表示する。アプリケーション実行部103は、アプリケーション104を動作させる。アプリケーション104は、サーバ(データ記録装置)105からデータを取得してドキュメントデータを生成、又は、スキャン操作や文字入力操作によって取得したデータをサーバ105にアップデートする。なお、本説明中で用いる「アップデート」とは、サーバ105に格納されるデータを更新するための送信処理を意味する。アプリケーション104の機能の詳細は後述する。
【0014】
ジョブ実行部106は、アプリケーション104から指示を与えられ、フォルダへのデータの保存処理107、スキャン処理108、プリント処理109及びコピー処理110等のジョブを実行する。
【0015】
アプリケーション104において、111はUI表示部である。UI表示部111は、ユーザが操作するためのUI画面をディスプレイ画面102上に表示させる。
【0016】
112は、操作要求伝達部である。操作要求伝達部112は、ドキュメントセット選択、スキャン操作、文字入力等のユーザの操作に合わせて、UI表示部111、後述するドキュメントセット処理部114及びジョブ実行命令部118に処理を要求する。
【0017】
113は、ドキュメントセットDB(データベース)である。ドキュメントセットDB113は、ドキュメントデータを生成するためのドキュメントセットを格納する。
【0018】
114は、ドキュメントセット処理部である。ドキュメントセット処理部114は、ドキュメントセットの操作要求伝達部112への伝達や、データ更新、ドキュメントデータ生成の処理を、後述するアップデート処理部115(格納手段)と出力データ生成部117に要求する。
【0019】
115は、アップデート処理部である。アップデート処理部115は、スキャン操作によって取得した画像データや、UI表示部111から入力された文字データをサーバ105にアップデートする処理を行う。
【0020】
116は、一時フォルダである。一時フォルダ116は、スキャン操作によって取得した画像データを一時的に格納する。
【0021】
117は、出力データ生成部である。出力データ生成部117は、サーバ105から画像データや文字データを取得し、特定のレイアウトファイルに基づいてマージを行い、ジョブを実行するためのデータ生成処理を行う。
【0022】
118は、ジョブ実行命令部である。ジョブ実行命令部118は、操作要求伝達部112や出力データ生成部117から、フォルダへのデータ保存処理107、スキャン処理108、プリント処理109、コピー処理110のジョブ要求を受け取り、ジョブ実行部106に伝達する。
【0023】
図2は、本実施形態におけるアプリケーション104のモジュール構成の一例を示す図である。ドキュメントセット処理部114において、201は、ドキュメントセット伝達処理部である。ドキュメントセット伝達処理部201は、操作要求伝達部112、出力データ生成部117、後述するプレビュー画像表示部203にドキュメントセットを渡す。
【0024】
202は、ドキュメントセットDB管理部である。ドキュメントセットDB管理部202は、ドキュメントセットをドキュメントセットDB113から取得、或いは新しいドキュメントセットをドキュメントセットDB113へ格納する。
【0025】
203は、プレビュー画像表示部である。プレビュー画像表示部203は、ドキュメントセットに含まれるプレビュー画像データを操作要求伝達部112に渡す。また、プレビュー画像表示部203は、ユーザが更新したデータに係る情報をアップデート処理部115に渡す。
【0026】
次に、アップデート処理部115において、204は、更新データ記憶部である。更新データ記憶部204は、スキャン操作によって取得した画像データを一時フォルダ116に記憶し、一時フォルダ116に記憶した画像データを示す情報とそのデータ格納先を示す情報とを後述するデータアップデート処理部205に伝える。また、更新データ記憶部204は、文字入力画面で入力された文字データをデータアップデート処理部205に伝える。画像データを取得するスキャン操作を指示する構成は、本発明の指示手段の適用例となる構成である。
【0027】
205は、データアップデート処理部である。データアップデート処理部205は、更新データ記憶部204から伝えられたデータをサーバ105にアップデートする。
【0028】
次に、出力データ生成部117において、206は、データ取得部である。データ取得部206は、サーバ105からデータを取得する。
【0029】
207は、データマージ部である。データマージ部207は、ドキュメントセット伝達処理部201から伝達されたレイアウトファイルに基づいて、データ取得部206で取得したデータをマージする。
【0030】
208は、レイアウト処理部である。レイアウト処理部208は、データマージ部207でマージ処理されたデータをレイアウトする。
【0031】
209は、レンダリング処理部である。レンダリング処理部209は、レイアウト処理部208でレイアウト処理され、生成されたドキュメントデータをレンダリングし、ジョブ実行命令部118に渡す。
【0032】
図3は、本実施形態におけるデータ更新処理装置101のドキュメントセットDB113に格納されているドキュメントセットの一例を示す図である。
【0033】
ドキュメントセットは、データ取得定義ファイル300、レイアウトファイル310、プレビュー画像データ321及びプレビュー画像対応表330から構成される。
【0034】
データ取得定義ファイル300は、データの取得方法が定義されている。レイアウトファイル310は、データのレイアウト情報が記述されている。プレビュー画像データ321は、ドキュメントデータにマージするデータの配置場所を表示するための画像データである。プレビュー画像対応表330は、プレビュー画像データにマージするデータの情報が記述されている。
【0035】
まず、データ取得定義ファイル300の記述内容について説明する。このデータ取得定義ファイルは、本発明の管理手段の適用例となる構成である。301は、サーバ105における取得先のテーブルを示す取得テーブルであり、この例では『Menu』が定義されている。
【0036】
302は、サーバ105における取得テーブル301のフィールドを示す取得フィールドであり、この例では『Name、Price』の各フィールドのデータを取得するように定義されている。303は、取得画像IDであり、取得する画像データのID情報が定義されている。
【0037】
次に、レイアウトファイルの記述について説明する。311に示す『Menu.Name』は、取得テーブル301である『Menu』から取得フィールド302に記述されている『Name』を料理名としてマージする意味である。312に示す『Menu.Price』は、311と同様に、『Price』を値段としてマージする意味である。
【0038】
そして、313に示す『Company.Id』は、303の取得画像IDに記述された『Company.Id=0000』の情報を基にサーバ105から取得した画像データを貼り付ける意味である。また、314に示す『Menu.Id』も313と同様に、『Menu.Id=0001』の情報を基にサーバ105から取得した画像データを貼り付ける意味である。
【0039】
次に、プレビュー画像データ321とプレビュー画像対応表330の記述について説明する。321は、プレビュー画像データであり、生成されるドキュメントデータのレイアウト構造とデータの配置場所(1)〜(4)が記述されている。
【0040】
プレビュー画像対応表の331は、プレビュー画像データに記述された(1)の対応フィールドとそのデータの説明文の記述である。また、332〜334も同様に、各番号の対応フィールドとそのデータの説明文の記述である。
【0041】
図4は、プレビュー画像データの表示例を示す図である。プレビュー画像データの(1)、(2)、(3)、(4)の対応フィールドにプレビュー画像対応表330の各説明文がマージされて表示されている。
【0042】
ユーザが、プレビュー画像データにおける(2)の画像部分を選択した場合、システムは、プレビュー画像対応表の332から(2)の対応フィールド『Menu.Id』を得る。システムは、この対応フィールド『Menu.Id』についてデータ取得定義ファイルを参照することにより、『Menu.Id』は取得画像IDであることが分かる。従って、システムは、ユーザにスキャン操作を要求し、更新したいメニューの画像データをスキャンさせる。さらに、303に記述された取得画像IDの『Menu.Id=0001』が画像データのアップデート先であると判定し、そのアップデータ先を指定して画像データをアップデートする。
【0043】
また、ユーザがプレビュー画像データにおける(3)や(4)を選択した場合には、データ取得定義ファイルを参照することにより、『Menu,Name』、『Menu,Price』は文字データを格納する取得テーブル及び取得フィールドを示していることが分かる。従って、システムは、文字データの入力を要求する。そして、入力された文字データのアップデート先が取得テーブル『Menu』の取得フィールド『Name』と『Price』とであることを判定し、そのアップデート先を指定して文字データをそれぞれアップデートする。
【0044】
このようにして、プレビュー画像データに対する更新対象データの選択操作に応じて、システムは、更新対象データを指定することができる(指定手段)。
【0045】
図5は、本実施形態におけるドキュメントデータの生成例を示す図である。『Menu.Name』、『Menu.Price』に対応するデータの配置場所には、サーバ105から取得した文字データである「クリームシチュー」、「980」がマージされている。また、『Company.Id』、『Menu.Id』に対応するデータの配置場所には、サーバ105から取得した画像データがマージされている。
【0046】
なお、本実施形態に係るデータ更新処理装置101では、図3に示すドキュメントセットが用いられた。もしも、帳票データのアップデートは行わず、帳票データを生成するだけのデータ処理装置がある場合、ドキュメントセットは、データ取得定義ファイル300とレイアウトファイル310のみでよい。データ更新処理装置と同じサーバにアクセス可能なデータ処理装置が、同じデータ取得定義ファイルとレイアウトファイルを持っていれば、データ更新処理装置と全く同じ帳票データを得ることができる。
【0047】
図6は、本実施形態に係るデータ更新処理装置101のアプリケーション104の処理を概略的に示すフローチャートである。
【0048】
先ず、アプリケーション104は、ドキュメントセットリストをディスプレイ画面に表示する(S601)。次に、アプリケーション104は、ユーザによってドキュメントセットが選択されたか否かを判定する(S602)。ユーザがドキュメントセットを選択した場合(S602/Yes)、アプリケーション104は、ドキュメントデータを更新するかをユーザに対して問い合わせる。ここでいうドキュメントセットリストとは、複数のドキュメントセットを一覧表示するためのデータである。
【0049】
ユーザがドキュメントデータの更新を要求しなかった場合(S603/No)、アプリケーション104は、選択されたドキュメントセットに基づいてドキュメントデータを生成して印刷し(S604)、処理を終了する。
【0050】
ユーザがドキュメントデータの更新を要求した場合(S603/Yes)、アプリケーション104は、プレビュー画像データの各データ配置場所に、プレビュー画像対応表の各対応フィールドの情報をセットする。そして、アプリケーション104は、プレビュー画像データをディスプレイ画面102(表示手段)に表示させる(S605)。なお、S605の処理は、本発明の表示制御手段の適用例となる処理である。
【0051】
次に、アプリケーション104は、表示されたプレビュー画像データに対して画像データの更新要求の操作があったか否かを判定する(S606)。画像データの更新要求があった場合(S606/Yes)、アプリケーション104は、UI表示部111によるUI表示によりスキャン操作をユーザに要求する(S607)。
【0052】
一方、画像データの更新要求がない場合(S606/No)、アプリケーション104は、S607の処理を行なうことなく、処理をS608に移行させる。
【0053】
S608においては、アプリケーション104は、表示されるプレビュー画像データに対して文字データの更新要求の操作があったか否かを判定する。文字データの更新要求があった場合(S608/Yes)、アプリケーション104は、UI表示部111によるUI表示により文字データの入力をユーザに要求する(S609)。
【0054】
一方、文字データの更新要求がなかった場合(S608/No)、アプリケーション104は、S609の処理を行なうことなく、処理をS610に移行させる。
【0055】
S610においては、アプリケーション104は、ユーザから得られたアップデートするためのデータ(画像データ、文字データ)があるか否かを判定する(S610)。即ち、ユーザの操作により画像データや文字データが入力されたか否かを判定する。
【0056】
アップデートするためのデータがある場合(S610/Yes)、アプリケーション104は、当該データをサーバ105に送信する(S611)。その際、図3のデータ取得定義ファイル300において管理されるデータの格納先(取得先)が参照され、該当する格納先を指定してデータの送信が行なわれる。
【0057】
一方、アップデートするためのデータがない場合(S610/No)、アプリケーション104は、S611を実行することなく、処理を終了する。
【0058】
図7は、本実施形態におけるアプリケーション104の操作要求伝達部112の処理を示すフローチャートである。
【0059】
先ず、操作要求伝達部112は、UI表示部111からの要求を受け付けたか否かを判定する(S701)。UI表示部111からの要求を受け付けた場合、処理はS702に移行する。
【0060】
S702においては、操作要求伝達部112は、当該要求がドキュメントセットリスト要求であるか否かを判定する。
【0061】
当該要求がドキュメントセットリスト要求である場合(S702/Yes)、操作要求伝達部112は、ドキュメントセット処理部114に対してドキュメントセットリストを要求し、取得したリストをUI表示部111に伝達する(S703)。
【0062】
一方、当該要求がドキュメントセットリスト要求でない場合(S702/No)、操作要求伝達部112は、当該要求がドキュメントデータの生成要求であるか否かを判定する(S704)。
【0063】
当該要求がドキュメントデータの生成要求である場合(S704/Yes)、操作要求伝達部112は、指定されたドキュメントセットをドキュメントセット処理部114に伝達し、ドキュメントデータの生成を要求する(S705)。
【0064】
一方、当該要求がドキュメントデータの生成要求ではない場合(S704/No)、操作要求伝達部112は、当該要求がドキュメントデータの更新要求であるか否かを判定する(S706)。
【0065】
当該要求がドキュメントデータの更新要求である場合(S706/Yes)、操作要求伝達部112は、指定されたドキュメントセットをドキュメントセット処理部114に伝達し、ドキュメントデータの更新を要求する(S707)。
【0066】
一方、UI表示部111からの要求を受け付けていない場合(S701/No)、操作要求伝達部112は、ドキュメントセット処理部114から要求を受け付けたか否かを判定する(S708)。
【0067】
ドキュメントセット処理部114から要求があった場合(S708/Yes)、操作要求伝達部112は、当該要求がスキャン操作要求であるか否かを判定する(S709)。
【0068】
当該要求がスキャン操作要求である場合、操作要求伝達部112は、UI表示部111にスキャン操作画面の表示を要求するとともに、出力データ生成部117にスキャンジョブ実行を要求する(S710)。さらに、操作要求伝達部112は、ジョブ実行命令部118から伝達された、スキャンされた画像データの格納先をドキュメントセット処理部114に伝達する(S711)。
【0069】
一方、当該要求がスキャン操作要求ではない場合、操作要求伝達部112は、ドキュメントセット処理部114からの当該要求が文字データの入力要求であるか否かを判定する(S712)。
【0070】
当該要求が文字データの入力要求である場合(S712/Yes)、操作要求伝達部112は、UI表示部111に文字データの入力画面の表示を要求し(S713)、入力された文字データをドキュメントセット処理部114に伝達する(S714)。
【0071】
図8は、本実施形態におけるドキュメントセット処理部114の処理を示すフローチャートである。
【0072】
先ず、ドキュメントセット処理部114は、操作要求伝達部112からドキュメントデータの生成が要求されたか否かを判定する(S801)。
【0073】
操作要求伝達部112からドキュメントデータの生成が要求された場合(S801/Yes)、ドキュメントセット処理部114は、ドキュメントセットを出力データ生成部117に伝達する(S802)。
【0074】
一方、操作要求伝達部112からドキュメントデータの生成が要求されていない場合(S801/No)、ドキュメントセット処理部114は、操作要求伝達部112からドキュメントセットリストが要求されたか否かを判定する(S803)。
【0075】
ドキュメントセットリストが要求された場合(S803/Yes)、ドキュメントセット処理部114は、ドキュメントセットDB113からドキュメントセットリストを取得し、操作要求伝達部112に伝達する(S804)。
【0076】
一方、ドキュメントセットリストが要求されていない場合、ドキュメントセット処理部114は、操作要求伝達部112からデータの更新を要求されたか否かを判定する(S805)。
【0077】
操作要求伝達部112からデータの更新が要求された場合(S805/Yes)、ドキュメントセット処理部114は、プレビュー画像データにプレビュー画像対応表の情報をマージするよう出力データ生成部117に対して指示する(S806)。なお、プレビュー画像データは、ドキュメントセット処理部114に伝達されたドキュメントセットに含まれるデータである。これにより、出力データ生成部117は、プレビュー画像対応表の情報をマージしたプレビュー画像データを生成する。生成されたプレビュー画像データは、UI表示部111の制御によってディスプレイ画面102に表示される。
【0078】
次に、ドキュメントセット処理部114は、プレビュー画像データ上でユーザが選択した更新データが画像データであるか否かを判定する(S807)。
【0079】
ユーザが選択した更新データが画像データである場合(S807/Yes)、ドキュメントセット処理部114は、操作要求伝達部112にスキャン操作画面を表示させるように要求する(S808)。これにより、操作要求伝達部112は、UI表示部111に対してスキャン操作画面を表示させるように指示し、UI表示部111は、スキャン操作画面をディスプレイ画面102に表示する。その後、処理はS811に移行する。
【0080】
一方、ユーザが選択した更新データが画像データではない場合(S807/No)、ドキュメントセット処理部114は、プレビュー画像データでユーザが選択した更新データが文字データであるか否かを判定する(S809)。
【0081】
ユーザが選択した更新データが文字データである場合(S809/Yes)、ドキュメントセット処理部114は、操作要求伝達部112に文字データ入力画面を表示させるように要求する(S810)。これにより、操作要求伝達部112は、UI表示部111に対して文字データ入力画面を表示させるように指示し、UI表示部111は、文字データ入力画面をディスプレイ画面102に表示する。その後、処理はS811に移行する。
【0082】
S811においては、ドキュメントセット処理部114は、上記画像データの格納先情報又は上記文字データと、上記画像データ又は上記文字データのアップデート先とをアップデート処理部115に伝達する(S811)。ここでのデータのアップデート先は、図3で示したドキュメントセットのデータ取得定義ファイル300に記述された格納場所の情報である。
【0083】
図9は、本実施形態におけるアップデート処理部115の処理を示すフローチャートである。
【0084】
まず、アップデート処理部115は、ドキュメントセット処理部114から上記画像データの格納先情報又は上記文字データとそのアップデート先とを取得する(S901)。
【0085】
次に、アップデート処理部115は、更新データが画像データであるか否かを判定する(S902)。即ち、ドキュメントセット処理部114から伝達されたデータが、画像データの格納先情報とそのアップデート先であれば、更新データは画像データと判定される。
【0086】
更新データが画像データである場合(S902/Yes)、アップデート処理部115は、ドキュメントセット処理部114から取得した格納先情報を基に一時フォルダ116から画像データを取得する(S903)。
【0087】
一方、更新データが画像データではない場合(S902/No)、更新データは文字データであることを意味する。文字データは、ドキュメントセット処理部114から更新データの情報として既に伝達されている。
【0088】
S904では、アップデート処理部115は、更新データである画像データ又は文字データを、ドキュメントセット処理部114から伝達されたサーバ105のアップデート先にアップデートする。即ち、更新データに該当するアップデート先(データの格納先)を図3のデータ取得定義ファイル300から判定し、判定したアップデート先に更新データをアップデートする。
【0089】
なお、図9では、画像データ及び文字データの何れか一方のみをサーバ105に対してアップデートする仕組みを示している。それ以外にも、更新対象が画像データ及び文字データの両方である場合には、画像データ及び文字データの両方をサーバ105にアップデートするようにしてもよい。
【0090】
図10は、本実施形態における出力データ生成部117の処理を示すフローチャートである。
【0091】
まず、出力データ生成部117は、サーバ105からデータを取得する(S1001)。即ち、出力データが指定されると、当該出力データを生成するための各データの格納先を図3のデータ取得定義ファイル300から判定し、判定した格納先から当該各データを取得する(取得手段)。
【0092】
次に、出力データ生成部117は、レイアウトファイルと取得データ(画像データ、文字データ)のマージ処理を行う(S1002)。サーバ105からのデータ取得の際には、対象データのアップデート先に基づいて取得処理が行なわれる。
【0093】
次に、出力データ生成部117は、マージ処理後のデータに対するレイアウト処理を行い(S1003)、続いてレンダリング処理を行う(S1004)。これにより、ドキュメントデータが生成される。なお、出力データ生成部117によるS1003の処理は、本発明のレイアウト手段の適用例となる処理である。
【0094】
最後に、出力データ生成部117は、生成したドキュメントデータのプリントジョブをジョブ実行部106に要求する(S1005)。
【0095】
ここでは、サーバ105からのデータの取得が全て終了してからデータマージ部207の処理へ移る例を挙げた。しかし、データマージ部207によるマージ処理中に必要なデータをデータ取得部206に要求し、要求される度に必要なデータをデータ取得部206がサーバ105から取得するようにしても良い。
【0096】
なお、図1の103、106、111、112、114、115、117、118に示す各ブロックの機能構成は、データ更新処理装置101が備えるCPUが、同じくデータ更新処理装置101内のROM又はHDD内のプログラムを実行することで実現される。また、図6乃至図10のフローチャートに示す上記各ブロックによる処理も、データ更新処理装置101が備えるCPUが、同じくデータ更新処理装置101が備えるROM又はHDD内のプログラムを実行することにより実現される。HDDは、データ更新処理装置101内部に備える必要はなく、外部に配置する構成としてもよい。
【0097】
図11は、本実施形態に係るデータ更新処理装置を利用したデータ更新処理システムの構成例を示す図である。
【0098】
1101は、サーバである。サーバ1101は、データ更新処理装置1102及びデータ処理装置1103、1104からアクセス可能である。データ更新処理装置1102、データ処理装置1103、1104には、データ更新処理装置1102と同一のドキュメントセット1105がある。ここでは、ドキュメントセット1105は、図3に示したドキュメントセットである場合を考える。
【0099】
データ更新処理装置1102は、1106の文字データ480(チーズバーガー)を入力し、画像データ1107をスキャンして、サーバ1101にアップデートしたとする(1)。
【0100】
そして、データ処理装置1103、1104がドキュメントセット1105を使用し、ドキュメントデータを生成すると、以前生成された図5のようなドキュメントデータではなく、データが更新されたドキュメントデータ1108が生成される(2)。なお、データ処理装置1103、1104によるドキュメントデータ生成処理は、上述した、データ更新処理装置101がサーバから必要なデータを取得し、ドキュメントデータを生成する処理と同じであるため、その説明は省略する。
【0101】
また、データ更新処理装置1102が、ドキュメントセット1105を用いてドキュメントデータを生成した場合も同様に、ドキュメントデータ1108が生成される。
【0102】
以上のように、本実施形態においては、更新対象となるデータのサーバ上における格納先を管理し、入力されたデータを、格納先を指定して送信するように構成している。従って、更新対象となるデータの格納先を特に調べることなく、サーバに記録されているデータを更新(アップデート)することが可能となる。
【0103】
また、本実施形態においては、プレビュー画面データ上で更新対象データを選択すると、データ更新処理装置は、更新対象データの格納先をデータ取得定義ファイルから自動的に判定するため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0104】
さらに、本実施形態によれば、サーバ上に更新データを格納しておくため、データ更新処理装置以外のデータ処理装置もその更新データを共用することが可能となる。
【0105】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム等のコンピュータが記憶媒体からプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0106】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0107】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0108】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0109】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに接続された機能拡張ユニット等に備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づきCPU等が実際の処理を行い、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施形態に係るデータ更新処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】アプリケーションのモジュール構成の一例を示す図である。
【図3】データ更新処理装置のドキュメントセットDBに格納されているドキュメントセットの一例を示す図である。
【図4】プレビュー画像データの表示例を示す図である。
【図5】ドキュメントデータの生成例を示す図である。
【図6】データ更新処理装置のアプリケーションの処理を示すフローチャートである。
【図7】アプリケーションの操作要求伝達部の処理を示すフローチャートである。
【図8】ドキュメントセット処理部の処理を示すフローチャートである。
【図9】アップデート処理部の処理を示すフローチャートである。
【図10】出力データ生成部の処理を示すフローチャートである。
【図11】データ更新処理装置を利用したシステム構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
101、1102 データ更新処理装置
102 ディスプレイ画面
103 アプリケーション実行部
104 アプリケーション
105、1101 サーバ
106 ジョブ実行部
107 フォルダへのデータ保存処理
108 スキャン処理
109 プリント処理
110 コピー処理
111 UI表示部
112 操作要求伝達部
113 ドキュメントセットDB
114 ドキュメントセット処理部
115 アップデート処理部
116 一時フォルダ
117 出力データ生成部
118 ジョブ実行命令部
201 ドキュメント伝達処理部
202 ドキュメントセットDB管理部
203 プレビュー画像表示部
204 更新データ記憶部
205 データアップデート処理部
206 データ取得部
207 データマージ部
208 レイアウト処理部
209 レンダリング処理部
300 データ取得定義ファイル
310 レイアウトファイル
321 プレビュー画像データ
330 プレビュー画像対応表
1103、1104 データ処理装置
1105 ドキュメントセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レイアウトして出力されるデータを記録可能なデータ記録装置のデータの更新処理を行うデータ更新処理装置であって、
レイアウトされたデータを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段上に表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定する指定手段と、
画像のスキャンを指示する指示手段と、
前記スキャンされた画像を、更新対象となるデータの前記データ記録装置における格納先に格納する格納手段とを有することを特徴とするデータ更新処理装置。
【請求項2】
出力対象となる出力データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記データをレイアウトするレイアウト手段とを更に有することを特徴とする請求項1に記載のデータ更新処理装置。
【請求項3】
レイアウトして出力されるデータを記録可能なデータ記録装置に対して、データ更新処理装置及びデータ処理装置が夫々通信回線を介して接続されるデータ更新処理システムであって、
前記データ更新処理装置は、
レイアウトされたデータを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段上に表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定する指定手段と、
画像のスキャンを指示する指示手段と、
前記スキャンされた画像を、更新対象となるデータの前記データ記録装置における格納先に格納する格納手段とを有し、
前記データ処理装置は、
出力対象となる出力データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記データをレイアウトするレイアウト手段とを有することを特徴とするデータ更新処理システム。
【請求項4】
レイアウトして出力されるデータを記録可能なデータ記録装置のデータの更新処理を行うデータ更新処理装置によるデータ更新処理方法であって、
レイアウトされたデータを表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記表示手段上に表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定する指定入力を入力する指定入力ステップと、
画像のスキャンを指示する指示を入力する指示入力ステップと、
前記スキャンされた画像を、更新対象となるデータの前記データ記録装置における格納先に格納する格納ステップとを含むことを特徴とするデータ更新処理方法。
【請求項5】
レイアウトして出力されるデータを記録可能なデータ記録装置のデータの更新処理を行うデータ更新処理装置によるデータ更新処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
レイアウトされたデータを表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記表示手段上に表示されたデータに対する操作によって選択されたデータを、更新対象となるデータとして指定する指定入力を入力する指定入力ステップと、
画像のスキャンを指示する指示を入力する指示入力ステップと、
前記スキャンされた画像を、更新対象となるデータの前記データ記録装置における格納先に格納する格納ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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