説明

データ検索装置およびデータ検索プログラム

【課題】 共有データに自由な文字列であるタグを付加してデータを検索できる装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 データ検索装置1のタグ編集部18は,データベース4のアイテムと,アイテムに付加される自由な語句であるタグとの対応をタグアイテム記憶部11に記憶する。タグマトリクス編集部12は,ユーザが入力した2以上のタグ群各々を列/行とするタグマトリクスを生成してタグマトリクス記憶部13に記憶する。アイテム数集計部14は,タグマトリクスのセル毎に対応する行タグと列タグのペアをキーにアイテムを検索し,検索されたアイテム数を集計してセルに設定する。タグマトリクス出力部15は,セル毎に集計されたアイテム数が設定されたタグマトリクスを出力装置3に出力し,選択されたセルの検索結果であるアイテムのリストを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,複数ユーザが共有するデータの検索処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子化された様々な情報を蓄積して共有するデータ共有システムが知られている。特に,登録されたユーザそれぞれが,ネットワークを通じて,自由にデータを登録して,データベースに登録されたデータを自由に閲覧するデータ共有システムが知られている。
【0003】
このようなデータ共有システムでは,様々な情報が蓄積されるため,情報の分類管理が必要となる。
【0004】
従来手法の1つとして,共有データをフォルダに分類して管理する手法が知られている。この手法では,データ共有システムで,予め分野毎のフォルダ(分類先フォルダ)を作成しておき,データ登録時には,ユーザに,内容的に最もあてはまると考えられるフォルダを選択させてデータ(例えばデータファイル,データ格納場所(URL)等)を蓄積し,データ閲覧時には,ユーザが,フォルダを指定することによってデータ検索の範囲を絞り込み,所望されている可能性が高いデータを優先的に表示する。さらに,フォルダが多数となる場合には,分類先フォルダを階層化して管理する。
【0005】
しかし,データを複数の観点から分類すれば,登録先に該当するフォルダが複数あることも多い。データ登録時に最適であると考えて選択したフォルダが,データ使用の目的や用途に応じた観点で探すフォルダと違っていることも多く,複数のユーザがデータを共有する場合には,データを登録したユーザと利用するユーザとが異なることが多いため,データが登録されているフォルダの見当を付けることが難しかった。
【0006】
そして,所望するデータを見つけられなかった場合に,ユーザは,必要なデータが未登録であると考えて,同様のデータを重複して登録してしまうため,作業労力や資源利用の点で無駄が生じるという問題があった。
【0007】
これらの問題を解決するため,データを複数の分類先へ分類できるようにするために,所定のタグ群からユーザが選択したタグをデータに付加させてデータを登録しておき,データを探す場合にタグを用いて検索するシステムが知られている。
【0008】
また,ユーザ毎にタグが付けられたデータを蓄積し,ユーザが自分の登録データを表示させると,そのデータと同一タグを持つデータを登録しているユーザ数を表示するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−157727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
所定のタグ群から選択されたタグを付加して共有データを管理する場合には,ユーザは,複数の分類先を選んでデータを登録することができるが,任意のタグを付けることができないという制約があった。すなわち,ユーザは,例えば,内容,用途,業務分野,関連分野などの様々なデータ活用の観点から,そのデータを最も適切に表す語句をタグとして付加したいと考える。しかし,予め用意されているタグ群に,データに最適なタグが含まれているとは限らず,ユーザは,与えられたタグから選択しなければならなかった。
【0011】
データの有効活用を図るためには,共有されている同じデータを,ユーザそれぞれが自分の用途や業務目的で利用できるように,ユーザが適切と考える自由な表現のタグを付加できる仕組みが必要であった。
【0012】
また,ユーザそれぞれの利用の目的や用途に応じて,適切なタグで共有データを検索できるだけでなく,関連するデータをも簡単に把握できるような仕組み,例えば,ある業務目的に関連して,どのような分野でどの程度の量のデータが蓄積されているのかを把握できる仕組みが望まれていた。
【0013】
本発明の目的は,ユーザそれぞれが付加した自由なタグを持つデータを利用する場合に,ユーザが自由かつ任意に定めたタグ群を用いてデータを検索でき,異なるタグによる検索結果として,関連するデータ群を把握できるデータ検索装置を提供することである。
【0014】
さらに,本発明の別の目的は,上記データ検索装置で実現される処理を,コンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
【0015】
さらに,本発明の前記ならびに他の目的と新規な特徴は,明細書の記述および添付図面から明らかにされるものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様として開示されるデータ検索装置は,データベースに蓄積されたデータを,タグを用いて検索する検索装置であって,1)任意の文字列であるタグ,該タグを一意に識別するタグ番号,および該タグが付加されたデータを一意に識別するアイテム番号との対応関係を記憶するタグアイテム記憶部と,2)タグを行および列の要素とするタグマトリクスを記憶するタグマトリクス記憶部と,3)任意の文字列であるタグを1または複数を含むタグ群を2以上取得し,該取得したタグ群の一方に含まれるタグを行の要素とし他方に含まれるタグを列の要素とするタグマトリクスを生成して前記タグマトリクス記憶部に格納する処理とを行うタグマトリクス編集部と,4)前記タグマトリクスの行および列の交点に対応するタグの組み合わせ各々を検索条件として前記タグアイテム記憶部に記憶された対応関係を検索し,該組み合わせと一致するタグが付与されたアイテム数を算出して前記タグマトリクスの対応する交点に設定するアイテム数集計部と,5)前記タグマトリクス記憶部から,表示要求されたタグマトリクスを取り出して,該取り出したタグマトリクスであって行および列のタグの交点にアイテム数が設定されたものを出力するタグマトリクス出力部とを備える。
【0017】
さらに,前記データ検索装置は,タグである任意の文字列および該タグが付与されるデータのアイテム番号を取得する処理と,該取得したタグが前記タグアイテム記憶部に蓄積されたタグと一致する場合に,該一致するタグの対応関係に前記アイテム番号を追加し,該取得したタグが前記タグアイテム記憶部に蓄積されたタグと一致しない場合に,該取得したタグ,該タグのタグ番号,前記アイテム番号が対応付けられた対応関係を前記タグアイテム記憶部に追加するタグ編集部を備えることができる。
【0018】
また,本発明の別の態様として開示されるデータ検索プログラムは,タグアイテム記憶部とタグマトリクス記憶部とを備えるコンピュータに,1)ユーザによって入力された,任意の文字列であるタグを1または複数を含むタグ群を2以上取得する処理と,2)前記取得したタグ群の一方に含まれるタグを行の要素および他方に含まれるタグを列の要素とするタグマトリクスを生成して前記タグマトリクス記憶部に格納する処理と,3)任意の文字列であるタグ,該タグを一意に識別するタグ番号,および該タグが付加されたデータを一意に識別するアイテム番号との対応関係を記憶するタグアイテム記憶部に記憶された対応関係を,前記タグマトリクスの行および列の交点に対応するタグの組み合わせ各々を検索条件として検索し,該組み合わせと一致するタグが付与されたアイテム数を算出して前記タグマトリクスの対応する交点に設定する処理と,4)前記タグマトリクス記憶部から,表示要求されたタグマトリクスを取り出して,該取り出したタグマトリクスであって行および列のタグの交点にアイテム数が設定されたものを出力する処理とを実行させるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,ユーザは,複数の検索条件をタグ群として設定することができ,各検索条件による検索結果を簡単に把握することができる。
【0020】
また,タグ群の設定により,ある目的や用途に応じたデータ検索の複数の検索条件を保存し,自由に再利用することができる。いわば,一連の検索条件に意味づけして保存し,必要に応じて表示させることができる。
【0021】
さらに,ユーザは,共有されるデータに,自由な語句のタグを任意の数だけ設定することができ,データを自由かつ柔軟に分類して蓄積させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例におけるデータ検索装置のブロック構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例におけるタグデータのデータ構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例におけるタグアイテムのデータ構成例を示す図である。
【図4】タグアイテムとタグデータとの関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例におけるタグマトリクスのデータ構成例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例におけるタグマトリクス作成画面の例を示す図(その1)である。
【図7】本発明の一実施例におけるタグマトリクス作成画面の例を示す図(その2)である。
【図8】本発明の一実施例におけるセル集計データのデータ構成例を示す図である。
【図9】本発明の一実施例におけるタグマトリクスの表示例を示す図(その1)である。
【図10】本発明の一実施例におけるタグマトリクスの表示例を示す図(その2)である。
【図11】本発明の一実施例におけるタグマトリクスの表示例を示す図(その3)である。
【図12】本発明の一実施例における表示ログ記憶部に蓄積される閲覧ログのデータ構成例を示す図である。
【図13】本発明の一実施例におけるタグ入力画面の表示例を示す図である。
【図14】タグ編集処理の処理フロー例を示す図である。
【図15】タグマトリクス編集処理の処理フロー例を示す図である。
【図16】タグマトリクスのアイテム数集計処理の処理フロー例を示す図である。
【図17】タグマトリクス表示処理の処理フロー例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は,本発明の一実施例におけるデータ検索装置のブロック構成例を示す図である。
【0024】
データ検索装置1は,CPUおよびメモリ等を有するハードウェアと,ソフトウェアプログラムとを備えるコンピュータ・システムによって実現される。
【0025】
データ検索装置1は,タグアイテム記憶部11,タグマトリクス編集部12,タグマトリクス記憶部13,アイテム数集計部14,タグマトリクス出力部15,アイテム出力部16,表示ログ記憶部17,およびタグ編集部18を備える。
【0026】
データ検索装置1は,入力装置2,および出力装置3を備えて,データベース4と接続する。入力装置2は,キーボード,マウス等で,出力装置3は,ディスプレイ,プリンタ等によって実施することができる。
【0027】
データベース4は,利用が認められたユーザが登録したアイテムと呼ばれる各種データ,例えばドキュメント,イメージ,動画,音声などのバイナリデータ,ブログ,URL等が蓄積されているデータ蓄積システムである。
【0028】
データ検索装置1の各構成を説明する。
【0029】
タグアイテム記憶部11は,タグデータとタグアイテムデータとを記憶する。
【0030】
タグデータは,データベース4に蓄積されたアイテムに付加されたタグに関する情報を示すデータである。タグデータは,タグとして新規な語や句などが登録される場合に,新規に生成される。
【0031】
図2は,タグデータのデータ構成例を示す図である。
【0032】
タグデータは,タグID,タグワード,登録数,閲覧数,作成日時,更新日時,削除日時等の項目を有する。
【0033】
「タグID」は,タグアイテム記憶部11に記憶されるタグを一意に識別する情報である。「タグワード」は,データベース4のアイテムに付加されたタグである,語,句等の任意の文字列である。
【0034】
「登録数」は,同一のタグIDが設定されているタグアイテムの総数である。タグアイテムについては後述する。
【0035】
「閲覧数」は,タグIDに対応するタグが出力装置3に出力された総回数である。
【0036】
「作成日時」は,タグデータが生成された日時,「更新日時」は,タグデータの内容が更新された日時,「削除日時」は,タグデータの削除操作がされた日時である。
【0037】
さらに,タグデータは,図2に示すように,登録数(3ヶ月以内),登録数(6ヶ月以内),登録数(1年以内),閲覧数(3ヶ月以内),閲覧数(6ヶ月以内),閲覧数(1年以内)の項目を有してもよい。「登録数(3ヶ月以内)」は,現在から過去3ヶ月以内の登録されたタグアイテム総数を示す,また,「登録数(6ヶ月以内)」,「登録数(1年以内)」も,それぞれ,現在から過去6ヶ月以内,過去1年以内の総数を示す。「閲覧数(3ヶ月以内)」,「閲覧数(6ヶ月以内)」,「閲覧数(1年以内)」についても同様である。期間を区切った登録数と閲覧数は,時間経過による変遷を示す情報を得るためである。
【0038】
タグアイテムは,ユーザによって,指定されたアイテムと,そのアイテムに対して付加されたタグとの対応関係を示すデータである。タグアイテムは,タグIDとユーザIDとの組により一意に特定される。
【0039】
図3は,タグアイテムのデータ構成例を示す図である。
【0040】
タグアイテム記憶部11に記憶されるタグアイテムは,タグID,ユーザ入力ワード,ユーザID,アイテムID,アイテムタイプ,作成日時,更新日時,削除日時等の項目を有する。
【0041】
「タグID」は,ユーザが入力したタグ(ユーザ入力ワード)と同一とみなすタグワードを示す識別情報であり,タグデータのタグIDが採用される。
【0042】
「ユーザID」は,アイテムにタグを付加したユーザを一意に識別する情報である。
【0043】
「アイテムID」は,タグが付加されているアイテムを一意に識別する情報,「アイテムタイプ」は,そのアイテムのデータ種を示す情報である。タグが付加されたアイテム毎に,アイテムIDとアイテムタイプとのペアが登録される。
【0044】
「ユーザ入力ワード」は,ユーザがタグとして実際に入力した語または句(文字列)である。
【0045】
「作成日時」は,タグアイテムが生成された日時,「更新日時」は,タグアイテムの内容が更新された日時,「削除日時」は,タグアイテムの削除操作がされた日時である。
【0046】
タグデータは,新規な語句がタグとして入力された場合に,タグ編集部18により生成される。また,タグデータは,そのタグワードと同一の語句がアイテムに付加または削除される都度,そのタグを持つアイテムが閲覧される都度で更新される。
【0047】
タグアイテムは,タグ編集部18により生成される。同一ユーザによって同一のタグが別のアイテムに付加または削除される都度で更新される。
【0048】
図4は,タグアイテムとタグデータとの関係を示す図である。
【0049】
データベース4を利用するユーザA,Bが登録されていて,ユーザAが,アイテムd0010(ドキュメント)にタグxxxを付加すると仮定する。
【0050】
タグxxxが新規な語であって,タグアイテム記憶部11に,ワード=xxxであるタグデータが存在しなければ,以下のタグデータとタグアイテムとが生成される。
【0051】
新タグデータ=「タグID=001,ワード=xxx,登録数=1,…」
新タグアイテム=「タグID=001,ユーザ入力ワード=xxx,ユーザID=A,アイテムID=d0010,アイテムタイプ=ドキュメント,…」
その後,ユーザBが,アイテムd0015(イメージ)にタグyyyを付加すると仮定する。タグyyyが新規な語であれば,同様に,以下のタグデータとタグアイテムとが生成される。
【0052】
新タグデータ=「タグID=002,ワード=yyy,登録数=1,…」
新タグアイテム=「タグID=002,ユーザ入力ワード=yyy,ユーザID=B,アイテムID=d0015,アイテムタイプ=イメージ,…」
さらにその後,ユーザAが,アイテムd0020(URL)にタグxxxを付加すると仮定する。ここで,ワード=xxxであるタグデータが既にタグアイテム記憶部11に生成されている。そこで,タグ編集部18により,以下のようにタグデータが更新され,タグアイテムが生成される。
【0053】
更新されたタグデータ=「タグID=001,ワード=xxx,登録数=2,…」
更新されたタグアイテム=「タグID=001,ユーザ入力ワード=xxx,ユーザID=A,アイテムID=d0010,アイテムタイプ=ドキュメント,アイテムID=d0020,アイテムタイプ=URL,…」
さらにその後,ユーザBが,アイテムd0020(URL)にタグxxxを付加すると仮定する。ここで,ワード=xxxであるタグデータが既にタグアイテム記憶部11に生成されている。そこで,タグ編集部18により,以下のようにタグデータが更新され,タグアイテムが生成される。
【0054】
更新されたタグデータ=「タグID=001,ワード=xxx,登録数=3,…」
新タグアイテム=「タグID=001,ユーザ入力ワード=xxx,ユーザID=B,アイテムID=d0020,アイテムタイプ=URL,…」
このように,タグデータは新規な語・句が登録される場合のみ生成され,タグアイテムは,ユーザごとに新たなタグがアイテムに付加されるごとに生成される。
【0055】
タグマトリクス編集部12は,ユーザによって入力された,任意の文字列であるタグが1または複数含まれるタグ群を2以上取得して,取得したタグ群の一方に含まれるタグを行の要素および他方に含まれるタグを列の要素とするタグマトリクスを生成してタグマトリクス記憶部13に格納する。
【0056】
図5は,タグマトリクスのデータ構成例を示す図である。
【0057】
タグマトリクス記憶部13に記憶されるタグマトリクスは,マトリクスID,列タグ,行タグ,アイテム数,作成日時,更新日時,削除日時等の項目を有する。
【0058】
「マトリクスID」は,タグマトリクス記憶部13に記憶されているタグマトリクスを一意に識別する情報である。
【0059】
「列タグ」は,ユーザによって入力された1つのタグ群に含まれるタグを示す情報であり,タグIDで特定される。列タグの各タグは,タグマトリクスが表示される場合に,X軸を構成するタグ項目となる。
【0060】
「行タグ」は,ユーザによって入力された別のタグ群に含まれるタグを示す情報であり,タグIDで特定される。行タグの各タグは,タグマトリクスが表示される場合に,Y軸を構成するタグ項目となる。
【0061】
「アイテム数」は,タグマトリクスを構成する列タグと行タグとの組み合わせである検索条件により検索された総アイテム数を示す。
【0062】
「作成日時」は,タグマトリクスが生成された日時,「更新日時」は,タグマトリクスの内容が更新された日時,「削除日時」は,タグマトリクスの削除操作がされた日時である。
【0063】
タグマトリクス編集部12は,ユーザからタグマトリクス生成の要求を受け付けると,出力装置3に,タグマトリクス作成画面を表示して,ユーザの入力を待機する。
【0064】
図6および図7は,タグマトリクス作成画面の例を示す図である。
【0065】
図6に示すタグマトリクス作成画面400は,タイトル,行タグ,列タグ,説明の各入力領域を有する。「タイトル」は,タグマトリクスのタイトルが入力される領域である。「行タグ」は,行タグとなるタグを示す語・句が入力される領域,「列タグ」は,列タグとなるタグを示す語・句が入力される領域,「説明」は,タグマトリクスに関する情報が入力される領域である。
【0066】
図7に示すタグマトリクス作成画面410は,タグマトリクスの関連情報を入力する画面である。タグマトリクス作成画面410は,タイトル,作成日,有効期限,期限切れ時の動作,コメントの許可,タグマトリクスの利用等の入力または表示領域を有する。
【0067】
「タイトル」は,タグマトリクス作成画面400で入力されたタイトルが表示される領域,「作成日」は,タグマトリクスを作成した日付情報が入力される領域である。
【0068】
「有効期限」は,タグマトリクスの閲覧を有期とする場合の期限を示す日付情報が入力される領域である。
【0069】
「期限切れ時の動作」は,有効期限に指定された期限の到来時に実行される処理が入力される領域,「コメントの許可」,タグマトリクスに対する他ユーザのコメントの許否を指定する領域,「タグマトリクスの利用」は,タグマトリクスの優先的表示を指定する領域である。
【0070】
タグマトリクス作成画面410の各領域は付加的なものである。また,「期限切れ時の動作,コメントの許可,タグマトリクスの利用」の入力は,予め用意したメニュー等の選択により指定されるようにしてもよい。
【0071】
アイテム数集計部14は,タグマトリクス記憶部13に格納された各タグマトリクスについて,そのタグマトリクスの各セル(交点)に対応する行タグおよび列タグの組み合わせを検索条件として,タグアイテム記憶部11に記憶されたタグアイテムを検索し,タグの組み合わせと一致するタグが付与されたアイテム数を算出して,各セルに対応するセル集計データに書き込む。
【0072】
図8は,セル集計データのデータ構成例を示す図である。
【0073】
セル集計データは,タグマトリクスのセル分だけ生成される。第1タグ,第2タグ,およびアイテム数の項目を有する。「第1タグ」はタグマトリクスの列タグを構成するタグID,「第2タグ」はタグマトリクスの行タグを構成するタグID,「アイテム数」は,列タグのタグIDと行タグのタグIDとの組で検索されたアイテムIDの数を示す。
【0074】
タグマトリクス出力部15は,入力装置2を介して,ユーザからタグマトリクスの表示要求を受け付けると,タグマトリクス記憶部13から,表示要求されたタグマトリクスを取り出して,該当するタグマトリクスを出力装置3に出力する。
【0075】
図9〜図11は,タグマトリクスの表示例を示す図である。
【0076】
図9に示すタグマトリクス表示画面420は,タグマトリクス記憶部13に記憶されているタグマトリクスを表示する画面であり,「よく閲覧されるタグマトリクス」および「最近閲覧されたタグマトリクス」の領域を有する。
【0077】
「よく閲覧されるタグマトリクス」は,閲覧数が多いタグマトリクスのタイトルまたはサムネイルが表示される領域であり,「最近閲覧されたタグマトリクス」は,直近の期間で閲覧数が多いタグマトリクスのタイトルまたはサムネイルが表示される領域である。タグマトリクスの閲覧数は,後述する閲覧ログから求められる。
【0078】
図10に示すタグマトリクス表示画面430は,図9で選択されたタグマトリクスを表示する画面である。
【0079】
タグマトリクスの「列タグ」に「ポータルサイト,仮想化,サーバ,…」が,「行タグ」に「ポータルサイト,拡販,提案,…」が,それぞれ設定されている場合に,タグマトリクス表示画面430のタグマトリクスに,列タグと行タグの項目に登録されたタグ(語・句)が表示される。タグマトリクスの各項目の交点となるセルには,対応する列タグと行タグとの組み合わせで検索されたアイテム数が表示される。
【0080】
例えば,列タグ=ポータルサイト,行タグ=ポータルサイトの交点のセルに表示されているアクセス数「50」は,データベース4に蓄積されたアイテムのうち,タグ「ポータルサイト」が付加されたアイテム数が50であることを表す。同様に,列タグ=ポータルサイト,行タグ=拡販の交点のセルのアクセス数「10」は,タグ「ポータルサイト」と「拡販」とが付加されたアイテム数が10であることを表す。
【0081】
さらに,タグマトリクス出力部15は,タグマトリクス表示画面430に表示されているタグマトリクス上で選択されたセル(交点)に対応する列タグと行タグの組み合わせによってタグアイテム記憶部11から抽出されている全アイテムから,各アイテムに付加されたタグを全て取得し,取得したタグのうちタグマトリクスの列タグと行タグに設定されているタグ以外のタグを分類タグとして特定し,特定した分類タグの一覧を出力する。
【0082】
さらに,タグマトリクス出力部15は,タグマトリクス表示画面430に表示されているタグマトリクス上で選択されたセル(交点)に対応する列タグと行タグの組み合わせによる検索処理で抽出されたアイテムの一覧を出力する。
【0083】
図11に示すタグマトリクス表示画面440は,図10で表示されたタグマトリクスの「ポータルサイト」と「拡販」の交点が選択された場合に,セルにアイテム数=10として表示されているアイテムの一覧を表示する画面である。
【0084】
タグマトリクス表示画面440は,選択されたタグの組み合わせ,アイテムのリスト,その他のタグのリストの表示領域を有する。
【0085】
「選択されたタグの組み合わせ」は,タグマトリクス表示画面430に表示されているタグマトリクス上で選択されたセル(交点)に対応する列タグと行タグとが表示される領域である。
【0086】
「アイテムのリスト」は,選択されたセルに書き込まれたセル数として特定されているアイテム,すなわち,対応する列タグと行タグとが付加されているアイテムがリスト表示される領域である。図11に示す例では,データベース4に記憶されている,「ポータルサイト」と「拡販」の2つのタグが付加されたアイテム各々を特定する情報として,アイテムのタイトルと生成日時/更新日時とが表示されている。
【0087】
なお,「アイテムのリスト」には,各アイテムのタイトルと生成日時/更新日時とともに,データベース4でアイテムの関連情報として蓄積されているアイテムの説明が表示されるようにしてもよい。
【0088】
「その他のタグのリスト」は,タグマトリクス表示画面430に表示されたタグマトリクスで選択されたセル(交点)に付加された全タグのうち,タグマトリクスの列タグと行タグ以外のタグである分類タグのリストが表示される領域である。分類タグは,いわば,アイテムに付加されている,列タグと行タグ以外の3番目以降のタグである。
【0089】
タグマトリクス出力部15は,タグマトリクス表示画面440の「その他のタグのリスト」内でタグが選択されると,タグマトリクス表示画面440の「アイテムのリスト」に表示されているアイテムを選択されたタグで絞り込み検索する。そして,選択されたタグが付加されたアイテムを抽出して,そのアイテムのリストをタグマトリクス表示画面440内に表示する。さらに,タグマトリクス表示画面440の「その他のタグのリスト」で別のタグが選択されると,タグマトリクス出力部15は,選択されたタグで同様の絞り込み処理を行う。
【0090】
また,タグマトリクス出力部15は,タグマトリクスが表示される都度,表示処理のログ情報を表示ログ記憶部17に蓄積する。さらに,所定期間の閲覧数を集計して,対応するタグデータの閲覧数を更新する。
【0091】
図12は,表示ログ記憶部17に蓄積される閲覧ログのデータ構成例を示す図である。
【0092】
閲覧ログは,タグID,ユーザID,作成日時等の項目を有する。「タグID」は閲覧されたアイテムに付加されたタグのタグID,「ユーザID」は,アイテムを閲覧したユーザのユーザID,「作成日時」は閲覧ログが生成された日時を示す情報である。
【0093】
なお,表示ログ記憶部17は,既知のログ情報蓄積処理を行うので,その詳細な説明は省略する。
【0094】
アイテム出力部16は,タグマトリクス表示画面440の「アイテムのリスト」のアイテムが選択されると,アイテムIDを用いてデータベース4から該当するアイテムを取り出して出力装置3に表示する。
【0095】
タグ編集部18は,データベース4のアイテムに付加されるタグを,追加,更新,削除する。
【0096】
タグ編集部18は,ユーザが,タグの入力を要求すると,タグ入力画面を表示して,指定されたアイテムに入力されたタグを付加する。
【0097】
図13は,タグ入力画面450の表示例を示す図である。
【0098】
タグ入力画面450は,アイテムのタイトル,登録済みタグ,タグ入力等の領域,登録ボタンおよびクリアボタンの領域等を備える。
【0099】
「アイテムのタイトル」は,タグを付加するアイテム(アイテムのタイトル)を表示する領域,「登録済みタグ」は,ユーザによって入力されたタグ(ユーザ入力ワード)を表示する領域である。「タグ入力」は,タグとして付加される語・句(文字列)が入力される領域である。「登録ボタン」は,タグ入力に入力された語・句によるタグ入力を要求するボタン,「クリアボタン」は,タグ入力要求を中止するボタンである。
【0100】
ユーザがタグ入力画面450のタグ入力に語,句を入力すると,タグ編集部18は,タグ入力の語,句(ユーザ入力ワード)と,アイテムのタイトルに表示されたアイテムのアイテムIDとアイテムタイプのペアと,ユーザIDとを取得する。そして,ユーザIDとユーザ入力ワードとが同じであるタグアイテムがタグアイテム記憶部11に蓄積されていなければ,タグ編集部18は,図2に示すデータ構成を持つタグアイテムを生成する。ユーザIDとユーザ入力ワードとが同じであるタグアイテムが既にタグアイテム記憶部11に蓄積していれば,タグ編集部18は,ユーザ入力ワードが同じタグアイテムに,アイテムIDとアイテムタイプとを追加して,更新日時を現在日時に書き換える。
【0101】
さらに,タグ編集部18は,タグアイテム記憶部11から,タグIDが同じタグデータ(図3参照)を取り出して,登録数に書き込まれた数値を1加算し,更新日時を現在日時に書き換える。
【0102】
なお,ユーザがアイテムに付加されたタグを削除する要求をした場合には,タグ編集部18は,タグ入力画面450に類似する画面であって,指定されたアイテムに付加されたタグを表示する画面(図示しない)を表示し,この画面内で指定された削除対象のタグ(ユーザ入力ワード)に対応するタグアイテムから,指定されたアイテムのアイテムIDとアイテムタイプとを削除し,更新日時を書き換える。
【0103】
さらに,タグ編集部18は,所定の契機または期間毎に,各ユーザが入力してタグアイテムに格納されているユーザ入力ワードの表記揺れを検出し,同じ意味を表すタグに複数の表記が混在しているかを調べる。そして,最も多数の表記を選択し,対応するタグデータのタグワードに,選択した表記によるタグを設定する。表記揺れは,長音記号の有無,送り仮名,大文字/小文字,全角/半角の相違などであり,例えば,「サーバ,サーバー」,「ウィンドウ,ウインドウ」,「Internet,internet,Internet,internet」等である。
【0104】
なお,タグ編集部18は,既知の表記揺れの検出処理を行うので,詳細な説明を省略する。
【0105】
これにより,タグマトリクス出力部15は,タグマトリクスや分類タグの表示を,最多数の表記を採用して表示することができる。
【0106】
以下,図14〜図17を用いて,データ検索装置1の処理の流れを説明する。
【0107】
図14は,タグ編集処理の処理フロー例を示す図である。
【0108】
データ検索装置1のタグ編集部18は,ユーザからタグ編集の要求を受け付ける,タグを編集するアイテムを特定し(ステップS1),編集の操作内容を特定する(ステップS2)。
【0109】
編集の操作内容が「追加」であれば(ステップS2の「追加」),タグ編集部18は,追加するタグを受け付け(ステップS3),受け付けたタグと同じタグワードを持つタグデータがあるかを調べる(ステップS4)。
【0110】
該当するタグデータがあれば(ステップS4のY),タグ編集部18は,該当するタグデータの登録数を更新し(ステップS5),該当するタグデータがなければ(ステップSのN),タグデータを生成してタグアイテム記憶部11に保存する(ステップS6)。
【0111】
さらに,タグ編集部18は,該当するタグデータのタグIDとユーザIDとでタグアイテムを検索し,該当するタグアイテムがあれば(ステップS7のY),該当するタグアイテムにアイテムID,アイテムタイプを追加して更新する(ステップS8)。該当するタグアイテムがなければ(ステップS7のN),タグID,ユーザID,タグ(ユーザ入力ワード),指定されたアイテムのアイテムID,アイテムタイプを登録したタグアイテムを生成してタグアイテム記憶部11に保存する(ステップS9)。
【0112】
ステップS2の処理で,編集の操作内容が「削除」であれば(ステップS2の「削除」),タグ編集部18は,入力装置2で入力された,削除するタグを受け付け(ステップS10),タグアイテム記憶部11に記憶された該当するタグのタグアイテムから,指定されたアイテムID,アイテムタイプを削除する。なお,削除するタグのタグアイテムに指定されたアイテムだけが付加されている場合には,タグアイテム自体を削除してもよい(ステップS11)。そして,削除するタグのタグデータの登録数を更新する(ステップS12)。
【0113】
ステップS2の処理で,編集の操作内容が「関連情報の編集」であれば(ステップS2の「関連情報の編集」),タグ編集部18は,ユーザID,アイテムIDに該当するタグアイテムを特定して(ステップS13),入力装置2を介して編集する情報を受け付け(ステップS14),タグアイテムを更新する(ステップS15)。
【0114】
図15は,タグマトリクス編集処理の処理フロー例を示す図である。
【0115】
タグマトリクス編集部12は,ユーザからタグマトリクス編集の要求を受け付けると,編集の操作内容を特定する(ステップS20)。
【0116】
編集の操作内容が「生成」であれば(ステップS20の「生成」),タグマトリクス編集部12は,列タグと行タグのそれぞれについて,タグの入力を受け付け(ステップS21),列の項目を列タグ群の各タグで,行の項目を行タグ群の各タグで構成するタグマトリクスを生成し(ステップS22),入力された他の情報でタグマトリクスの関連情報を生成して(ステップS23),タグマトリクスをタグマトリクス記憶部13に保存する(ステップS24)。
【0117】
ステップS20の処理で,編集の操作内容が「削除」であれば(ステップS20の「削除」),タグマトリクス編集部12は,タグマトリクス記憶部13から削除するタグマトリクスを特定して取り出し(ステップS25),タグマトリクスを削除する(ステップS26)。
【0118】
ステップS20の処理で,編集の操作内容が「編集」であれば(ステップS20の「編集」),タグマトリクス編集部12は,タグマトリクス記憶部13から該当するタグマトリクスと関連情報を特定して取り出し(ステップS27),編集する情報を受け付け(ステップS28),受け付けた情報でタグマトリクスまたは関連情報を更新する(ステップS29)。
【0119】
図16は,タグマトリクスのアイテム数集計処理の処理フロー例を示す図である。
【0120】
アイテム数集計部14は,タグマトリクス記憶部13からタグマトリクスを1つずつ取り出して,以下の処理を行う。
【0121】
アイテム数集計部14は,取り出すタグマトリクスを特定処理(ステップS30),タグマトリクスのセル毎に,対応する列タグと行タグとのペアを生成する。そして,生成したペアを検索キーにしてデータベース4を検索し,該当するアイテムを抽出する(ステップS32)。検索結果に含まれるアイテム数を集計し,該当するセルのセル集計データに書き込む(ステップS33)。
【0122】
全てのセルで検索を行っていれば(ステップS34のY),処理を終了し,行っていなければ(ステップS34のN),ステップS32の処理へ戻り,次のセルについてステップS32〜S33の処理を行う。
【0123】
図17は,タグマトリクス表示処理の処理フロー例を示す図である。
【0124】
タグマトリクス出力部15は,選択されたタグマトリクスをタグマトリクス記憶部13から取り出して,出力装置3に表示する(ステップS40)。
【0125】
次に,表示したタグマトリクスでセルが選択されると,タグマトリクス出力部15は,選択されたセルに対応する列タグと行タグを特定し(ステップS41),特定したタグのペアで検索したアイテムを取得する(ステップS42)。さらに,検索されたアイテム群が持つタグを全て取得して分類タグとし,分類タグ毎にアイテム数を集計する(ステップS43)。
【0126】
タグマトリクス出力部15は,検索されたアイテム群を,所定の順序(例えば,閲覧数が多い順,更新日時が新しい順等)でリスト表示し,分類タグをアイテム数順にリスト表示する(ステップS44)。
【0127】
その後,タグマトリクス出力部15は,表示されたタグマトリクス,アイテムのリスト,分類タグのリストで,ユーザの選択があったかを検出して(ステップS45),選択された対象が「分類タグ」であれば(ステップS45の「タグ」),選択された分類タグで,リスト表示されたアイテムを検索して,選択された分類タグが付加されたアイテムを抽出して,絞り込んだアイテムを表示する(ステップS46)。
【0128】
選択された対象が「アイテム」であれば(ステップS45の「アイテム」),アイテム出力部16は,データベース4から,選択されたアイテムの内容を取り出して,出力装置3へ表示する(ステップS47)。
【0129】
図1に示すデータ検索装置1は,コンピュータのハードウェアと,コンピュータが実行可能なプログラムによって実施することができ,この場合に,データ検索装置1が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。提供されたプログラムをコンピュータが実行することによって,上記説明したデータ検索装置1の処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0130】
なお,上記のコンピュータは,可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り,そのプログラムに従った処理を実行することもでき,または,サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに,逐次,受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。さらに,このプログラムは,コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0131】
以上の説明では,本発明を,その背景となった技術分野であるデータ共有システムのデータ検索処理に適用した場合について説明したが,これに限定されるものではなく,その記述の主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0132】
また,データ検索装置1が処理するタグマトリクスは,データベース4に蓄積されるアイテムとして扱うことができ,その場合に,データベース4が,データ検索装置1の内部に構成されるタグマトリクス記憶部13を兼ねることができる。
【0133】
また,タグマトリクスにより検索され表示されたアイテムリスト内に,さらに別のタグマトリクスを含めることができる。
【0134】
また,タグデータに親または子の関係を設定したタグを示す項目を含めてもよい。これにより,タグを階層化することができる。
【0135】
以上説明したように,本発明によれば,次のような効果がある。
【0136】
本発明によれば,ユーザは,データベースに蓄積されるデータに対して,任意な文字列かつ任意の数のタグを設定して分類することができる。
【0137】
さらに,ユーザは,データベースのデータを検索する条件を,任意なタグを任意の数含むような2以上のタグ群で設定することができる。
【0138】
ユーザは,検索条件を部分的に替えて関連した検索結果を得たい場合,比較したい検索結果を得たい場合などの検索操作で用いる検索条件を,意味づけして保存することができる。ユーザは,同一検索条件による検索処理をマトリクスの指定だけで簡単に繰り返すことができ,検索結果も簡単に得ることができる。
【0139】
また,ユーザは,タグマトリクスの各セルに対応する検索結果として,検索されたアイテム数を同時に得ることができるため,データベース内に,どのような分類のデータがどのように蓄積されているかを一目で把握することができる。
【0140】
例えば,2つのタグ群として,顧客の業種を示すタグ群(医療,金融,製造等のタグ)と業務フェーズを示すタグ群(営業,設計,運用等のタグ)のタグマトリクスが設定されている場合に,ユーザは,各タグ群の組み合わせで検索されたマトリクス数の多少により,どの顧客分野に対するどの業務フェーズで情報が充実しているかまたは手薄であるかという状況(情報の偏在)を簡単に知ることができる。さらに,アイテム数が少ない分野に関するデータの積極的な登録をユーザ促し,データベースの充実を図るという効果も期待できる。
【符号の説明】
【0141】
1 データ検索装置
11 タグアイテム記憶部
12 タグマトリクス編集部
13 タグマトリクス記憶部
14 アイテム数集計部
15 タグマトリクス出力部
16 アイテム出力部
17 表示ログ記憶部
18 タグ編集部
2 入力装置
3 出力装置
4 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースに蓄積されているデータを,タグを用いて検索するデータ検索装置であって,
任意の文字列であるタグ,該タグを一意に識別するタグ番号,および該タグが付加されたデータを一意に識別するアイテム番号との対応関係を記憶するタグアイテム記憶部と,
タグを行および列の要素とするタグマトリクスを記憶するタグマトリクス記憶部と,
任意の文字列であるタグを1または複数を含むタグ群を2以上取得し,該取得したタグ群の一方に含まれるタグを行の要素とし他方に含まれるタグを列の要素とするタグマトリクスを生成して前記タグマトリクス記憶部に格納する処理とを行うタグマトリクス編集部と,
前記タグマトリクスの行および列の交点に対応するタグの組み合わせ各々を検索条件として前記タグアイテム記憶部に記憶された対応関係を検索し,該組み合わせと一致するタグが付与されたアイテム数を算出して前記タグマトリクスの対応する交点に設定するアイテム数集計部と,
前記タグマトリクス記憶部から,表示要求されたタグマトリクスを取り出して,該取り出したタグマトリクスであって行および列のタグの交点にアイテム数が設定されたものを出力するタグマトリクス出力部とを備える
ことを特徴とするデータ検索装置。
【請求項2】
前記タグマトリクス編集部は,前記タグマトリクスの行および列の交点に対応するタグの組み合わせによって前記タグアイテム記憶部から抽出された全アイテムから,該アイテムに付加されたタグを取得し,該取得したタグのうち前記タグマトリクスの行および列の要素であるタグ以外のタグを分類タグとして特定し,
前記タグマトリクス出力部は,前記特定された分類タグの一覧を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ検索装置。
【請求項3】
前記タグマトリクス出力部は,前記出力したタグマトリクスの行および列の交点の選択を受け付け,該選択された交点に対応するタグの組み合わせによって抽出されたアイテムの一覧を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ検索装置。
【請求項4】
前記タグマトリクス出力部は,前記アイテムの一覧でのアイテムの選択を受け付け,前記データベースから該選択されたアイテムを取得して出力する
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ検索装置。
【請求項5】
タグである任意の文字列および該タグが付与されるデータのアイテム番号を取得する処理と,該取得したタグが前記タグアイテム記憶部に蓄積されたタグと一致する場合に,該一致するタグの対応関係に前記アイテム番号を追加し,該取得したタグが前記タグアイテム記憶部に蓄積されたタグと一致しない場合に,該取得したタグ,該タグのタグ番号,前記アイテム番号が対応付けられた対応関係を前記タグアイテム記憶部に追加するタグ編集部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のデータ検索装置。
【請求項6】
前記タグ編集部は,所定の表記規則情報を備えて,前記タグアイテム記憶部に記憶されたタグについて表記の相違を解析し,同一語または句であって表記が異なるタグ群について最多数の表記を該タグ群の標準表記とする処理を行い,
前記タグマトリクス出力部は,前記分類タグの一覧を,前記標準表記を用いて出力する処理を行う
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ検索装置。
【請求項7】
タグアイテム記憶部とタグマトリクス記憶部とを備えるコンピュータに,
任意の文字列であるタグを1または複数を含むタグ群を2以上取得する処理と,
前記取得したタグ群の一方に含まれるタグを行の要素とし他方に含まれるタグを列の要素とするタグマトリクスを生成して前記タグマトリクス記憶部に格納する処理と,
任意の文字列であるタグ,該タグを一意に識別するタグ番号,および該タグが付加されたデータを一意に識別するアイテム番号との対応関係を記憶するタグアイテム記憶部に記憶された対応関係を,前記タグマトリクスの行および列の交点に対応するタグの組み合わせ各々を検索条件として検索し,該組み合わせと一致するタグが付与されたアイテム数を算出して前記タグマトリクスの対応する交点に設定する処理と,
前記タグマトリクス記憶部から,表示要求されたタグマトリクスを取り出して,該取り出したタグマトリクスであって行および列のタグの交点にアイテム数が設定されたものを出力する処理とを実行させる
ことを特徴とするデータ検索プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−38052(P2012−38052A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176945(P2010−176945)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】