データ記録装置、データ記録方法、及び、プログラム
【課題】車両の走行に関するデータの記録漏れを防止する。
【解決手段】ドライブレコーダ1においては、動作モードが記録モードの場合には、カメラ3、マイク23及び記録制御部20bのそれぞれが、車両8の走行に関するデータを継続的に取得する。これとともに、動作モードが再生モードの場合には、画像処理部21が車両8の走行に関するデータを再生する。また、動作モードが再生モードの場合においては、条件判定部20dが車両8が走行しているか否かを判定する。そして、車両8が走行している場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する。このように、車両8が走行している場合には動作モードが記録モードに自動的に変更されるため、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【解決手段】ドライブレコーダ1においては、動作モードが記録モードの場合には、カメラ3、マイク23及び記録制御部20bのそれぞれが、車両8の走行に関するデータを継続的に取得する。これとともに、動作モードが再生モードの場合には、画像処理部21が車両8の走行に関するデータを再生する。また、動作モードが再生モードの場合においては、条件判定部20dが車両8が走行しているか否かを判定する。そして、車両8が走行している場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する。このように、車両8が走行している場合には動作モードが記録モードに自動的に変更されるため、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行に関するデータを記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両において使用され、車両の走行中に車両の周辺を撮影するカメラで得られた画像データを、メモリカードなどの記録媒体に記録するドライブレコーダと呼ばれるデータ記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようなデータ記録装置は、駆動開始(起動)から駆動停止まで継続的に所定周期で画像データを取得し、過去一定時間内に取得した画像データを内部のメモリ内に記憶する。そして、データ記録装置は、事故などのイベントの発生を検知した場合は、そのイベントの発生前後に得られた一定時間分の画像データを、記録媒体に記録するようになっている。ユーザは、このようにデータ記録装置で記録された画像データを閲覧することで、イベントの発生前後における車両の周辺の様子を事後的に把握することが可能となる。
【0004】
また、近年では、データ記録装置の駆動開始から駆動停止まで、継続的に画像データを記録媒体に記録する常時記録方式のデータ記録装置も知られている。このような常時記録方式のデータ記録装置は、イベントの発生とは無関係に画像データを常時に記録するため、車両の走行の様子を事後的に把握するためにも利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4531085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで上記のようなデータ記録装置には、記録媒体に記録された画像データを再生するための再生モードを備えたものがある。再生モードでは、データ記録装置は、記録媒体に記録された画像データを読み出し、画像データの内容を表示可能な形式の映像信号に変換して、表示装置に出力するという再生処理を行う。このような再生処理には、処理負荷が比較的大きな画像処理が必要となる。このため、データ記録装置は、再生モードでは、新たな画像データを継続的に取得する取得処理を行うことはできない。
【0007】
したがって、データ記録装置の動作モードを再生モードのまま放置した場合、データ記録装置は新たな画像データを取得できないことから、車両の走行中において記録すべき画像データを記録媒体に記録できなくなる。すなわち、車両の走行に関するデータの記録漏れが発生してしまう。
【0008】
なお、再生処理と取得処理とを同時に実現するために、一つのデータ記録装置が取得用の画像処理回路と再生用の画像処理回路とをそれぞれ備えることも考えられるが、このように複数の画像処理回路を備えた場合にはデータ記録装置のコストが大きく上昇してしまう。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両の走行に関するデータの記録漏れを防止できるデータ記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置であって、動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得するデータ取得手段と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する再生手段と、前記車両が走行しているか否かを判定する判定手段と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する第1変更手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデータ記録装置において、前記車両の走行速度を取得する速度取得手段、をさらに備え、前記判定手段は、前記走行速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のデータ記録装置において、前記車両にかかる加速度を取得する加速度取得手段、をさらに備え、前記判定手段は、前記加速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載のデータ記録装置において、前記判定手段は、前記加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に、前記車両が走行していると判定する。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1に記載のデータ記録装置において、前記車両の位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記判定手段は、前記位置に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定する。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、ユーザの操作を受け付ける操作手段、をさらに備え、前記第1変更手段は、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行していることと、前記ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続することと、のいずれかの条件を満足した場合に、前記動作モードを前記記録モードに変更する。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、ユーザの操作を受け付ける操作手段と、前記動作モードが記録モードの場合に、前記ユーザの操作に応答して、前記動作モードを前記再生モードに変更する第2変更手段と、をさらに備え、前記第2変更手段は、前記ユーザの操作がある場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに維持する。
【0017】
また、請求項8の発明は、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録方法であって、動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、を備えている。
【0018】
また、請求項9の発明は、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし7の発明によれば、車両が走行している場合は動作モードが記録モードに変更されるため、車両の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、走行速度に基づいて、車両が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、走行速度がわからなくても、車両が走行しているか否かを判定できる。
【0022】
また、特に請求項4の発明によれば、走行以外の衝撃が加えられた場合にかかる加速度に基づいた誤判定を防止できる。
【0023】
また、特に請求項5の発明によれば、走行速度がわからなくても、車両が走行しているか否かを判定できる。
【0024】
また、特に請求項6の発明によれば、ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続した場合にも動作モードが記録モードに変更されるため、車両の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0025】
また、特に請求項7の発明によれば、車両が走行している場合は動作モードが記録モードに維持されることから、車両の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、ドライブレコーダの概要を説明する図である。
【図2】図2は、ドライブレコーダの構成を示す図である。
【図3】図3は、ドライブレコーダの記録モードでの動作の流れを示す図である。
【図4】図4は、ドライブレコーダの再生モードでの動作の流れを示す図である。
【図5】図5は、ドライブレコーダの動作モードの遷移を示す図である。
【図6】図6は、速度判定処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、加速度の波形の一例を示す図である。
【図8】図8は、加速度の波形の一例を示す図である。
【図9】図9は、加速度判定処理の流れを示す図である。
【図10】図10は、位置判定処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、操作判定処理の流れを示す図である。
【図12】図12は、記録モードから再生モードに変更する場合の処理の流れを示す図である。
【図13】図13は、可搬性装置が使用される様子を示す図である。
【図14】図14は、可搬性装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係るデータ記録装置であるドライブレコーダ1の概要を説明する図である。図に示すように、ドライブレコーダ1は、車両8に搭載され、車両8の車室内において使用される。
【0029】
ドライブレコーダ1は、本体部2と、車両8の周辺を撮影するカメラ3とを備えている。カメラ3の光軸は車両8の前方に向けられており、カメラ3は車両8の走行中における周辺の様子を示す画像データ(静止画データ)を継続的に取得する。一方、本体部2は、事故などのイベントが発生した場合には、その発生前後にカメラ3で取得された画像データを記録媒体に記録する。
【0030】
また、ドライブレコーダ1は、記録媒体に記録した画像データを再生することが可能である。車両8の車室内には、画像データを表示可能なディスプレイを備えた表示装置4が設けられている。ドライブレコーダ1の本体部2は、再生対象となる画像データを読み出し、その画像データを表示可能な形式の映像信号に変換して、この表示装置4に出力する。これにより、画像データの内容が表示装置4において表示される。
【0031】
図2は、ドライブレコーダ1の構成を示す図である。前述のようにドライブレコーダ1は、本体部2とカメラ3とを備えている。カメラ3は、レンズと撮像素子とを備えており、電子的に画像データを取得する。カメラ3は、所定の周期ごとに画像データを取得する。カメラ3で取得された画像データは、ケーブルを介して本体部2に入力される。
【0032】
本体部2は、装置全体を制御する制御部としてマイクロコンピュータを備えている。このマイクロコンピュータは、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU200と、演算処理の作業領域となるRAM201と、各種データを記憶する不揮発性メモリ202とを含んでいる。不揮発性メモリ202は、例えば、フラッシュメモリなどであり、ファームウェアとしてのプログラム203や設定パラメータなどを記憶する。
【0033】
また、本体部2は、画像処理部21、画像出力部22、及び、マイク23を備えている。
【0034】
画像処理部21は、画像データを処理する画像処理回路(ハードウェア回路)である。画像処理部21は、カメラ3で取得された画像データに対してA/D変換や圧縮処理等の所定の画像処理を行って、例えばJPEG形式のデジタルの画像データを生成する。画像処理部21が生成した画像データは、一旦、RAM201に記憶される。
【0035】
画像処理部21は、また、画像データを再生する画像処理を行うことも可能である。具体的には、画像処理部21は、再生対象となる画像データに対して伸張処理等の所定の画像処理を行い、表示装置4で表示可能なNTSCなどの形式の映像信号に画像データを変換する。
【0036】
画像出力部22は、画像処理部21で生成された映像信号をケーブルを介して表示装置4に出力する。これにより、再生対象となる画像データの内容が表示装置4において表示される。
【0037】
また、マイク23は、車両8の走行中などにおいて、車両8の近傍の音を集音して継続的に音声データを取得する。マイク23で取得された音声データは、一旦、RAM201に記憶される。
【0038】
RAM201の記憶領域のうちの一部はリングバッファとして利用される。このリングバッファに対して、カメラ3で継続的に取得される画像データ(画像処理部21による処理後の画像データ)、及び、マイク23で継続的に取得される音声データが記憶される。リングバッファには、さらに、画像データに対応付けて後述する挙動データも記憶される。リングバッファでは、最後の領域までデータが記憶されると最初の領域に戻って新たなデータが記憶される。すなわち、リングバッファでは、最も古いデータに対して新たなデータが順次に上書きされていく。これにより、RAM201のリングバッファは、常に過去一定時間分の画像データ、音声データ及び挙動データを記憶した状態となる。本実施の形態では、リングバッファに例えば40秒分の画像データ、音声データ及び挙動データが記憶される。
【0039】
また、ドライブレコーダ1は、カードスロット24、計時回路25、加速度センサ26、GPS受信部27、速度取得部28、及び、操作部29を備えている。
【0040】
カードスロット24は、画像データ、音声データ及び挙動データを記録するための可搬性の記録媒体であるメモリカード9を着脱可能となっている。カードスロット24は、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。事故などの所定のイベントが生じたときには、カードスロット24は、装着されたメモリカード9に画像データ、音声データ及び挙動データを含むファイルを記録する。また、画像データを再生するときには、カードスロット24は、装着されたメモリカード9から再生対象となる画像データを含むファイルを読み出す。
【0041】
計時回路25は、現時点の日付及び時刻を示す時刻情報を計時する。これとともに、計時回路25は、ある時点からの経過時間を計時する。
【0042】
加速度センサ26は、車両8にかかる加速度(G)を取得する。加速度センサ26は、互いに直交する3軸の加速度をそれぞれ検出し、これら3軸の加速度の合成値を検出結果として取得する。したがって、加速度センサ26は、車両8にかかる加速度がどのような方向であっても検出することができる。
【0043】
GPS受信部27は、車両8の位置を取得する。GPS受信部27は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、車両8の位置を緯度経度で取得する。
【0044】
速度取得部28は、車両8の走行速度(km/h)を取得する。速度取得部28は、車両8に設けられる速度センサ81と接続されている。速度センサ81は、車両8のアウトプットシャフトの回転数に基づくパルス信号を発生して本体部2に入力する。速度取得部28は、この速度センサ81からのパルス信号に基づいて、車両8の走行速度を取得する。
【0045】
操作部29は、ユーザの操作を受け付ける複数のボタンを含む操作部材である。ユーザは、操作部29を操作することで、ドライブレコーダ1に各種の指示を行うことが可能である。ユーザの操作部29の操作内容を示す操作信号はCPU200に入力される。これにより、ドライブレコーダ1はユーザの操作に応答して動作する。
【0046】
また、ドライブレコーダ1は、車両8が備えるバッテリ82から電力の供給を受けて駆動する。ドライブレコーダ1は、ユーザの車両キーの操作に連動したキースイッチ83のオンに応答して駆動開始(起動)し、キースイッチ83のオフに応答して駆動停止する。
【0047】
このようなドライブレコーダ1の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ202に予め記憶されたプログラム203に従ってCPU200が演算処理を実行することにより実現される。このプログラム203は、新たなプログラムが記録されたメモリカード9をカードスロット24で読み取ることにより、更新することが可能となっている。
【0048】
図中のモード変更部20a、記録制御部20b、再生制御部20c、及び、条件判定部20dは、CPU200がプログラム203に従って演算処理を実行することで実現される機能の一部である。
【0049】
モード変更部20aは、ドライブレコーダ1の動作モードを変更する。ドライブレコーダ1の動作モードには、画像データ、音声データ及び挙動データをメモリカード9に記録するための記録モードと、記録した画像データを再生するための再生モードとが含まれている。モード変更部20aは、この動作モードを通常はユーザの操作に応答して変更するが、所定の条件を満足した場合はユーザの操作に係わらず変更する。
【0050】
記録制御部20bは、記録モードにおけるドライブレコーダ1の動作を制御する。記録制御部20bは、動作モードが記録モードの場合に、カメラ3に画像データを継続的に取得させるとともに、マイク23に音声データを継続的に取得させる。さらに、記録制御部20bは、時刻情報、加速度、走行速度、及び、車両8の位置等の車両8の走行状態を示す挙動データを継続的に取得する。また、記録制御部20bは、事故などの所定のイベントが生じた場合は、RAM201のリングバッファに記憶された画像データ、音声データ及び挙動データのうち、イベント発生前後の所定時間分のデータを一のファイルにしてメモリカード9に記録させる。
【0051】
再生制御部20cは、再生モードにおけるドライブレコーダ1の動作を制御する。再生制御部20cは、動作モードが再生モードの場合に、ユーザの操作に応じて再生対象となる画像データを含むファイルを選択し、選択したファイルに含まれる画像データを画像処理部21に再生させる。
【0052】
条件判定部20dは、動作モードの変更に係る条件が満足するか否かを判定する。この条件判定部20dの処理の詳細については後述する。
【0053】
<1−2.記録モードの動作>
次に、ドライブレコーダ1の動作について説明する。まず、動作モードが記録モードの場合のドライブレコーダ1の動作について説明する。図3は、記録モードにおけるドライブレコーダ1の動作の流れを示す図である。この動作は、記録制御部20bの制御により実行される。
【0054】
記録モードでは、まず、カメラ3が車両8の周辺の様子を示す画像データを取得する。カメラ3で取得されたアナログの画像データは、画像処理部21において、A/D変換や圧縮処理等の所定の画像処理が施されてデジタルの画像データに変換される。取得された画像データは、RAM201のリングバッファに記憶される。また、この画像データの取得とともに、マイク23が音声データを取得し、記録制御部20bが挙動データを取得する。これら音声データ及び挙動データも、RAM201のリングバッファに記憶される(ステップS11)。
【0055】
このステップS11の処理は所定の周期(例えば、1/30秒)で繰り返される。これにより、画像データ、音声データ及び挙動データが継続的に取得され、過去一定時間分の画像データ、音声データ及び挙動データがRAM201のリングバッファに記憶される。
【0056】
このように車両の走行に関するデータが継続的に取得される一方で、所定のイベントが発生したか否かが記録制御部20bにより監視される(ステップS12)。本実施の形態のドライブレコーダ1において、所定のイベントが発生したと判断する条件は、例えば、下記の条件(A)〜(C)のいずれかである。
【0057】
(A)所定以上の加速度が、所定時間以上継続して検出されること。例えば、0.40G以上の加速度が、100ミリ秒以上継続して検出されたような場合。
【0058】
(B)所定の期間内の走行速度の増減が、所定の閾値以上となったこと。例えば、走行速度60km/h以上での走行中に1秒間の減速が14km/h以上となるような場合。
【0059】
(C)操作部29の特定のボタンがユーザにより操作されたこと。
【0060】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生して衝突事故の発生の蓋然性が高い状況に相当する。条件(B)は、急激な減速となっており事故が急迫した蓋然性が高い状況に相当する。また、条件(C)は、ユーザ(代表的にはドライバ)が危険を感じてデータの記録が必要と判断した状況に相当する。
【0061】
(A)〜(C)のいずれかのイベントが発生した場合は(ステップS12にてYes)、記録制御部20bは、例えば、当該イベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データ、音声データ及び挙動データをRAM201のリングバッファから読み出す。すなわち、記録制御部20bは、イベントの発生時を含むイベントの発生前後の所定時間(20秒間)に取得された車両8の走行に関するデータを読み出す。そして、記録制御部20bは、読み出した画像データ、音声データ及び挙動データを、カードスロット24においてメモリカード9に記録させる(ステップS13)。このとき記録される所定時間分の画像データ、音声データ及び挙動データは、一のファイルに含まれた状態とされる。
【0062】
<1−3.再生モードの動作>
次に、動作モードが再生モードの場合のドライブレコーダ1の動作について説明する。図4は、再生モードにおけるドライブレコーダ1の動作の流れを示す図である。この動作は、再生制御部20cの制御により実行される。
【0063】
再生モードでは、まず、再生制御部20cが、メモリカード9に記録されたファイルのうちから、ユーザの操作に基づいて再生対象とする画像データを含むファイルを選択する。この際、表示装置4には、メモリカード9に記録されたファイルの一覧が表示される。ユーザは、このような表示装置4の画面を確認しながら、操作部29を操作することで、所望のファイルを選択する指示を行うことができる(ステップS21)。
【0064】
ユーザは、画像データの再生を指示する再生指示を操作部29の操作により行うまで(ステップS22にてNo)、このようなファイルを選択する指示を行うことができる。
【0065】
ユーザから再生指示がなされる(ステップS22にてYes)と、次に、選択されたファイルがカードスロット24によりメモリカード9から読み出され、RAM201に記憶される。
【0066】
続いて、画像処理部21が、ファイルに含まれる画像データを再生する。すなわち、画像処理部21は、読み出されたファイルに連続的に含まれる画像データのそれぞれに対して伸張処理等の所定の画像処理を行う。これにより、画像処理部21は、表示装置4で表示可能なNTSCなどの形式の映像信号を生成する。この映像信号は、画像出力部22から表示装置4に出力される。これにより、ファイルに含まれる複数の画像データの内容が表示装置4において連続的に表示される(ステップS23)。
【0067】
ファイルに含まれる全ての画像データの再生が完了すると、画像データの再生が停止し、処理はステップS21に戻る。これにより、再生制御部20cは、再度、ユーザの操作に基づいて再生対象とする画像データを含むファイルを選択する状態となる。
【0068】
このように再生モードにおいては、画像処理部21は画像データを再生するための画像処理を行うことから、新たな画像データを取得するための画像処理を行うことは不可能である。すなわち、再生モードにおいては、ドライブレコーダ1は、車両8の走行に関するデータを継続的に取得することはできない。したがって、データの記録漏れをなくすためには、ドライブレコーダ1の動作モードをなるべく記録モードにしておく必要がある。
【0069】
<1−4.動作モードの変更>
次に、モード変更部20aによる動作モードの変更について説明する。図5は、ドライブレコーダ1の動作モードの遷移を示す図である。
【0070】
ドライブレコーダ1の動作モードは、駆動開始(起動)の直後は、記録モードM1となる。したがって、ドライブレコーダ1は、駆動開始の直後から画像データ、音声データ及び挙動データを継続的に取得する状態となる。
【0071】
前述のように、モード変更部20aは、動作モードをユーザの操作に応答して変更する。動作モードが記録モードM1の場合に、ユーザが操作部29に所定の操作を行うと、このユーザの操作に応答して、モード変更部20aは動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する(矢印A1)。また、動作モードが再生モードM2の場合に、ユーザが操作部29に所定の操作を行うと、このユーザの操作に応答して、モード変更部20aは動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(矢印A2)。
【0072】
モード変更部20aは、また、動作モードが再生モードM2の場合においては、所定の条件(a)(b)のいずれかを満足したときにも、動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(矢印A3,A4)。
【0073】
本実施の形態のドライブレコーダ1において、動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更するための条件(a)(b)は、下記のとおりである。
【0074】
(a)車両8が走行していること。
【0075】
(b)ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続すること。
【0076】
したがって、条件(a)が満足する場合、すなわち、車両8が走行している場合には動作モードが記録モードM1に変更されることから、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。また、条件(b)が満足する場合、すなわち、ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続した場合にも動作モードが記録モードM1に変更されることから、車両8の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0077】
これらの条件(a)(b)が満足するか否かは、条件判定部20dが判定する。条件判定部20dは、条件(a)が満足するか否かについては、走行速度、加速度、及び、車両8の位置のそれぞれに基づいて判定する。以下、走行速度に基づく判定を含む処理を「速度判定処理」、加速度に基づく判定を含む処理を「加速度判定処理」、車両8の位置に基づく判定を含む処理を「位置判定処理」という。
【0078】
また、条件判定部20dは、条件(b)が満足するか否かについては、操作部29からの操作信号に基づいて判定する。以下、この操作信号に基づく判定を含む処理を「操作判定処理」という。
【0079】
このような「速度判定処理」、「加速度判定処理」、「位置判定処理」及び「操作判定処理」は、互いに独立して並列的に実行される。また、これら4つの処理は、図4に示す再生モードの基本的な動作に対して独立して並列的に実行される。以下、これら4つの処理のそれぞれについて具体的に説明する。
【0080】
<1−4−1.速度判定処理>
まず、速度判定処理について説明する。速度判定処理では、走行速度に基づいて条件(a)が満足するか否か(車両8が走行しているか否か)が判定される。図6は、速度判定処理の流れを示す図である。この速度判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0081】
まず、条件判定部20dは、速度取得部28から現時点の車両8の走行速度を取得する(ステップS31)。次に、条件判定部20dは、現時点の走行速度が所定の閾値(例えば、5km/h)より大きいか否かを判定する(ステップS32)。
【0082】
走行速度が閾値よりも小さい場合(ステップS32にてNo)は、条件判定部20dは、車両8は停止していると判定し、処理はステップS31に戻る。そして、再び、ステップS31,S32の処理が実行される。これにより、車両8が停止しているときには、現時点の走行速度が閾値より大きいか否かの判定が繰り返される。
【0083】
一方、走行速度が閾値よりも大きい場合(ステップS32にてYes)は、条件判定部20dは、条件(a)が満足した(車両8が走行している(または発進した))と判定する。そして、この場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS33)。
【0084】
<1−4−2.加速度判定処理>
次に、加速度判定処理について説明する。加速度判定処理では、加速度に基づいて条件(a)が満足するか否か(車両8が走行しているか否か)が判定される。
【0085】
車両8にかかる加速度は、車両8が走行している場合だけではなく、車両8のドアの開閉や車両に人間が乗車したような場合など、走行以外の比較的小さな衝撃が加えられた場合においても検出される。したがって、加速度が所定の閾値より大きくなることに基づいて車両8が走行していると単純に判定すると、このようにドアの開閉など走行以外の衝撃が加えられた場合に、車両8が走行していると誤判定してしまうおそれがある。
【0086】
このため、本実施の形態では、加速度が閾値を超える状態の継続時間が考慮される。図7は、ドアの開閉などの走行以外の衝撃が加えられた場合に検出される加速度の波形の一例を示す図である。一方、図8は、車両8が走行を開始した場合に検出される加速度の波形の一例を示す図である。
【0087】
図7に示すように、走行以外の衝撃が加えられた場合の加速度は、急激に大きくなりピーク時点で閾値を超えて、その後、急激に小さくなっている。これに対して、図8に示すように、車両8が走行している場合の加速度は、閾値を超えた後、ある程度の期間、閾値を超える状態が維持される。すなわち、車両8が走行している場合(図8の場合)は、走行以外の衝撃が加えられた場合(図7の場合)と比較して、加速度が閾値を超える状態の継続時間CTは長くなる。このように継続時間CTが継続する状態は、特に車両8が停車中から発進するときに顕著に現れる。
【0088】
このような原理を利用し、加速度判定処理では、加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に、車両8が走行している(または、発進した)と判定される。これにより、走行以外の衝撃が加えられた場合にかかる加速度に基づいた誤判定が防止される。
【0089】
図9は、加速度判定処理の流れを示す図である。この加速度判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0090】
まず、条件判定部20dは、加速度センサ26から現時点において車両8にかかる加速度を取得する。このとき取得された加速度は「オフセット値」としてRAM201に記憶される(ステップS41)。この「オフセット値」は、車両8の停車状態において車両8にかかる重力加速度に相当する。
【0091】
次に、計時回路25が計時する継続時間CTがクリアされる(ステップS42)。次に、条件判定部20dは、加速度センサ26から現時点において車両8にかかる加速度を取得する(ステップS43)。このとき取得される加速度は「測定加速度」とされる。この「測定加速度」は、重力加速度とは別に車両8に加わる加速度と、重力加速度とをあわせた値となる。
【0092】
条件判定部20dは、続いて、「測定加速度」から「オフセット値」を減算して、重力加速度とは別に車両8に加わる加速度(以下、「実加速度」という。)を取得する(ステップS44)。
【0093】
次に、条件判定部20dは、「実加速度」が所定の閾値(例えば、0.02G)より大きいか否かを判定する(ステップS45)。「実加速度」が閾値よりも小さい場合(ステップS45にてNo)は、条件判定部20dは車両8は停止していると判定し、処理はステップS42に戻る。そして再び、ステップS42〜S45の処理が実行される。これにより、車両8が停止しているときには、「実加速度」が閾値より大きいか否かの判定が繰り返される。
【0094】
一方、「実加速度」が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS45にてYes)は、計時回路25により、「実加速度」が閾値を超える状態が継続している時間を示す継続時間CTがカウントアップされる(ステップS46)。
【0095】
続いて、条件判定部20dは、この継続時間CTが所定時間(例えば、1秒)を超えるか否かを判定する(ステップS47)。継続時間CTが所定時間を超えない状態では、処理はステップS43に戻る。そして再び、ステップS43以降の処理が実行される。
【0096】
走行以外の衝撃が車両8に加えられた場合においては、「実加速度」が閾値を超えたとしてもその後に「実加速度」は閾値よりも速やかに小さくなる。したがって、この場合は、ステップS45にてNoとなり、処理はステップS42に戻り、継続時間CTはクリアされる。
【0097】
これに対して、車両8が走行を開始した場合においては、「実加速度」が閾値を超える状態が継続する。このため、継続時間CTをカウントアップする処理(ステップS46)が繰り返され、最終的に、継続時間CTが所定時間を超えることになる。
【0098】
このように継続時間CTが所定時間を超えた場合は(ステップS47にてYes)、条件判定部20dは、条件(a)が満足した(車両8が走行している(または発進した))と判定する。そして、この場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS48)。
【0099】
<1−4−3.位置判定処理>
次に、位置判定処理について説明する。位置判定処理では、車両8の位置に基づいて条件(a)が満足するか否か(車両8が走行しているか否か)が判定される。図10は、位置判定処理の流れを示す図である。この位置判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0100】
まず、条件判定部20dは、GPS受信部27から現時点における車両8の位置を取得する。このとき取得された車両8の位置は「基準位置」としてRAM201に記憶される(ステップS51)。この「基準位置」は、車両8が停車した位置に相当する。
【0101】
次に、条件判定部20dは、GPS受信部27から現時点における車両8の位置を取得する。このとき取得される車両8の位置は「測定位置」とされる(ステップS52)。そして、条件判定部20dは、「基準位置」と「測定位置」とに基づいて、「基準位置」から「測定位置」までの距離を「移動距離」として導出する(ステップS53)。車両8が停車した状態を維持した場合、理想的には「基準位置」と「測定位置」とは一致し、「移動距離」は0となる。
【0102】
次に、条件判定部20dは、「移動距離」が所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS54)。この閾値は、GPS受信部27の測定誤差を考慮して設定され、例えば100mとされる。
【0103】
「移動距離」が閾値よりも小さい場合(ステップS54にてNo)は、条件判定部20dは、車両8は停止していると判定し、処理はステップS52に戻る。そして、再び、ステップS52〜S54の処理が実行される。これにより、車両8が停止しているときには、「移動距離」が閾値より大きいか否かの判定が繰り返される。
【0104】
一方、「移動距離」が閾値よりも大きい場合(ステップS54にてYes)は、条件判定部20dは、条件(a)が満足した(車両8が走行している(または発進した))と判定する。そして、この場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS55)。
【0105】
<1−4−4.操作判定処理>
次に、操作判定処理について説明する。操作判定処理では、操作信号に基づいて条件(b)が満足するか否か(ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続するか否か)が判定される。図11は、操作判定処理の流れを示す図である。この操作判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0106】
まず、計時回路25が計時する無操作時間NTがクリアされる(ステップS61)。この無操作時間NTは、画像データが再生中でなく、かつ、ユーザの操作が無い状態が継続した時間である。
【0107】
次に、条件判定部20dは、画像データが再生中であるか否かを判定する(ステップS62)。画像データが再生中の場合は(ステップS62にてYes)、処理はステップS61に戻り、無操作時間NTがクリアされる。
【0108】
また、画像データの再生前(ファイルの選択中)、あるいは、ファイルの全ての画像データの再生後など、画像データが再生中でない場合は(ステップS63にてNo)、次に、条件判定部20dは、操作信号に基づいてユーザの操作があるか否かを判定する。ユーザの操作がある場合は(ステップS63にてYes)、処理はステップS61に戻り、無操作時間NTがクリアされる。
【0109】
また、画像データが再生中でなく、かつ、ユーザの操作が無い場合は(ステップS62,S63の双方でNo)、次に、計時回路25により無操作時間NTがカウントアップされる。
【0110】
続いて、条件判定部20dは、この無操作時間NTが所定時間(例えば、30秒)を超えるか否かを判定する(ステップS47)。無操作時間NTが所定時間を超えない状態では、処理はステップS62に戻る。そして再び、ステップS62以降の処理が実行される。その後、ユーザの操作がなされた場合は(ステップS63にてYes)、処理はステップS61に戻り、無操作時間NTはクリアされる。
【0111】
これに対して、ユーザの操作が無い状態が継続した場合は、無操作時間NTをカウントアップする処理(ステップS64)が繰り返される。この状態が継続し、無操作時間NTが所定時間を超えた場合は(ステップS65にてYes)、条件判定部20dは条件(b)が満足したと判定する。そして、この場合、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS66)。
【0112】
以上のように、本実施の形態のドライブレコーダ1においては、動作モードが記録モードの場合には、カメラ3、マイク23及び記録制御部20bのそれぞれが、車両8の走行に関するデータを継続的に取得する。これとともに、動作モードが再生モードの場合には、画像処理部21が車両8の走行に関するデータを再生する。また、動作モードが再生モードの場合においては、条件判定部20dが車両8が走行しているか否かを判定する。そして、車両8が走行している場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する。このように、車両8が走行している場合には動作モードが記録モードに自動的に変更されるため、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【0113】
また、車両8が走行しているか否かの判定(速度判定処理、加速度判定処理及び位置判定処理)においては、画像データが再生中であるか否かは考慮されない。したがって、画像データの再生中であっても車両8が走行していれば、動作モードが記録モードM1に変更されることになり、車両8の走行に関するデータの記録漏れを有効に防止できる。
【0114】
また、条件判定部20dは、車両8の走行速度に基づいて車両8が走行しているか否かを判定するため、車両8が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0115】
また、条件判定部20dは、加速度に基づいて車両8が走行しているか否かを判定するため、車両8に設けられる速度センサ81からのパルス信号が得られない場合であっても、車両8が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0116】
また、条件判定部20dは、加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に車両が走行していると判定するため、走行以外の衝撃が加えられた場合にかかる加速度に基づく誤判定を防止できる。
【0117】
また、条件判定部20dは、車両8の位置に基づいて車両8が走行しているか否かを判定するため、車両8に設けられる速度センサ81からのパルス信号が得られない場合であっても、車両8が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0118】
また、モード変更部20aは、動作モードが再生モードM2の場合に、条件(a)及び条件(b)のいずれかの条件を満足した場合に、動作モードを記録モードM1に変更する。このため、ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続した場合にも動作モードが記録モードM1に自動的に変更されることから、記録モードM1に変更されやすくなる。その結果、車両8の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0119】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する場合に車両8が走行しているか否かを考慮していなかった。これに対して、第2の実施の形態では、動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する場合に車両8が走行しているか否かを考慮するようになっている。第2の実施の形態のドライブレコーダ1の構成及び動作は、第1の実施の形態と略同様であるため、以下、相違点を説明する。
【0120】
図12は、動作モードが記録モードM1の場合に、ユーザが操作部29に動作モードを再生モードM2に変更するための操作を行ったとき(図5に示す矢印A1)における、ドライブレコーダ1の動作の流れを示す図である。
【0121】
まず、条件判定部20dが、速度取得部28から現時点の車両8の走行速度を取得する(ステップS71)。次に、条件判定部20dは、現時点の走行速度が所定の閾値(例えば、5km/h)より大きいか否かを判定する(ステップS72)。
【0122】
走行速度が閾値よりも小さい場合(ステップS72にてNo)は、条件判定部20dは、車両8は停止していると判定する。この場合は、モード変更部20aが、動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する(ステップS73)。
【0123】
一方、走行速度が閾値よりも大きい場合(ステップS72にてYes)は、条件判定部20dは、車両8は走行していると判定する。この場合は、処理はそのまま終了する。すなわち、モード変更部20aは、動作モードを記録モードM1のまま維持し、再生モードM2に変更しないことになる。
【0124】
このように、第2の実施の形態のドライブレコーダ1では、動作モードを変更するためのユーザの操作がある場合に車両8が走行しているときは、モード変更部20aは動作モードを記録モードM1のまま維持して再生モードM2に変更しない。したがって、車両8の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0125】
なお、本実施の形態では、条件判定部20dは、車両8が走行しているか否かを走行速度に基づいて判定しているが、加速度、車両8の位置、ユーザの車両8の操作(アクセルの操作等)などの他の情報に基づいて判定してもよい。
【0126】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置は車両8に搭載されるドライブレコーダであるものとして説明したが、同様の機能を、スマートフォンやPDAなどのユーザが携行可能な可搬性装置によっても実現可能である。本実施の形態では、データ記録装置が可搬性装置である場合について説明する。
【0127】
図13は、データ記録装置となる可搬性装置5が使用される様子を示す図である。可搬性装置5は、通常はユーザが携行して使用するものであるが、車両8へユーザが乗車する際には、図に示すように車両8のダッシュボードの上に設けられたホルダに対して固定して使用される。可搬性装置5は、カメラ51を内蔵している。このカメラ51の光軸が車両8の前方側を向くように、可搬性装置5は車室内に固定される。これにより、カメラ51は、車両8の周辺の様子を示す画像データを取得することが可能となる。
【0128】
図14は、可搬性装置5の構成を示す図である。可搬性装置5が備える構成のうち、図2に示す第1の実施の形態のドライブレコーダ1と同様の機能を有するものについては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0129】
可搬性装置5は、携行して利用されるものであるため、外部から電力の供給を受けずに駆動できるように内蔵電池59を備えている。なお、可搬性装置5は、シガーソケットなどを介して車両8から電力の供給を受けることが可能となっていてもよい。
【0130】
可搬性装置5は、一つの筐体で構成されており、この筐体内にカメラ51と、ディスプレイ52とを備えている。ディスプレイ52は、画像出力部22から出力される映像信号に基づいて、再生対象となる画像データの内容を表示する。
【0131】
図13のように、カメラ51の光軸が車両8の前方側を向くように可搬性装置5を車両8に配置した場合、ディスプレイ52の画面は車室内に向けられる。これによりユーザは、着座した状態でディスプレイ52の表示内容を確認することが可能である。
【0132】
また、可搬性装置5は、無線通信が可能な通信部50を備えている。この通信部50を備えることにより、可搬性装置5は、携帯電話装置、あるいは、データ通信装置として機能する。なお、可搬性装置5は、図2に示す速度取得部28を備えていない。
【0133】
可搬性装置5も、装置全体を制御する制御部として、CPU200、RAM201及び不揮発性メモリ202を含むマイクロコンピュータを備えている。可搬性装置5のデータ記録装置としての機能は、不揮発性メモリ202に予め記憶されたプログラム204に従ってCPU200が演算処理を実行することにより実現される。このプログラム204は、新たなプログラムが記録されたメモリカード9をカードスロット24で読み取ること、あるいは、通信部50が所定のサーバ装置から新たなプログラムをダウンロードすることなどにより、更新することが可能となっている。
【0134】
図中のモード変更部20a、記録制御部20b、再生制御部20c、及び、条件判定部20dは、CPU200がプログラム204に従って演算処理を実行することで実現される機能の一部である。これらモード変更部20a、記録制御部20b、再生制御部20c、及び、条件判定部20dによって実行される処理の内容は、第1の実施の形態と同様である。
【0135】
したがって、データ記録装置が可搬性装置5である場合においても、第1の実施の形態と同様の処理を行うことが可能であり、第1の実施の形態と同様に、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【0136】
ただし、可搬性装置5は、速度取得部28を備えていないため速度センサ81からのパルス信号を得ることができず、パルス信号に基づいて走行速度を取得することはできない。しかしながら、GPS受信部27で得られる車両8の位置の変化に基づいて、可搬性装置5が車両8の走行速度を取得できるようにしてもよい。また、可搬性装置5と車両8に設けられる通信装置とを無線通信で通信させることなどで、可搬性装置5が走行速度を取得できるようにしてもよい。このようにすることで、データ記録装置が可搬性装置5である場合においても、走行速度に基づいて車両8が走行しているか否かを判定できる。
【0137】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0138】
上記実施の形態のデータ記録装置は、イベントが発生した場合に記録媒体にデータを記録するイベント記録方式を採用していたが、駆動開始から駆動停止まで継続的にデータを記録媒体に記録する常時記録方式を採用してもよい。常時記録方式のデータ記録装置の場合では、記録モードにおいて画像データが常に記録媒体に記録されることになる。
【0139】
また、一つのデータ記録装置において、イベント記録方式と常時記録方式とをユーザが選択できるようになっていてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態では、加速度判定処理ごとにオフセット値を取得しているが、駆動開始時(起動時)、あるいは、データ記録装置の車両への装着時にオフセット値を取得するようにしてもよい。ただし、車両が停車する位置の傾斜などに応じて重力加速度の車両へのかかりかたは変わるため、上記実施の形態のように加速度判定処理ごとにオフセット値を取得することが精度向上のためには望ましい。
【0141】
また、上記実施の形態では、可搬性の記録媒体に車両の走行に関するデータを記録するものとして説明したが、データ記録装置に内蔵された記録媒体に車両の走行に関するデータを記録するようにしてもよい。
【0142】
また、上記実施の形態では、再生モードにおいて画像データを再生するものとして説明したが、あわせて音声データを再生してもよい。また、再生モードにおいて音声データのみを再生するようにしてもよい。
【0143】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、条件(a)が満足するか否かについては、走行速度、加速度、及び、車両の位置に基づいて判定しているが、これらのいずれか1つあるいは2つに基づいて判定してもよい。
【0144】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、条件(a)の「車両が走行していること」を、走行速度、加速度、及び、車両8の位置といった実際の車両8の挙動に基づいて判定しているが、ユーザの発進の意思を示す操作に基づいて判定してもよい。例えば、変速機のシフトレバーのPレンジからDレンジへの切り替え操作を検出した場合に、「車両が走行している」と判定してもよい。
【0145】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、表示装置4はデータ記録装置の外部装置であるものとして説明したが、データ記録装置が表示装置を備えてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、本体部2とカメラ3とは分離して設けられていたが、上述した本体部2の機能とカメラ3とが同一筐体内に設けられていてもよい。
【0146】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 ドライブレコーダ
2 本体部
3 カメラ
4 表示装置
5 可搬性装置
204 プログラム
20a モード変更部
20d 条件判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行に関するデータを記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両において使用され、車両の走行中に車両の周辺を撮影するカメラで得られた画像データを、メモリカードなどの記録媒体に記録するドライブレコーダと呼ばれるデータ記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようなデータ記録装置は、駆動開始(起動)から駆動停止まで継続的に所定周期で画像データを取得し、過去一定時間内に取得した画像データを内部のメモリ内に記憶する。そして、データ記録装置は、事故などのイベントの発生を検知した場合は、そのイベントの発生前後に得られた一定時間分の画像データを、記録媒体に記録するようになっている。ユーザは、このようにデータ記録装置で記録された画像データを閲覧することで、イベントの発生前後における車両の周辺の様子を事後的に把握することが可能となる。
【0004】
また、近年では、データ記録装置の駆動開始から駆動停止まで、継続的に画像データを記録媒体に記録する常時記録方式のデータ記録装置も知られている。このような常時記録方式のデータ記録装置は、イベントの発生とは無関係に画像データを常時に記録するため、車両の走行の様子を事後的に把握するためにも利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4531085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで上記のようなデータ記録装置には、記録媒体に記録された画像データを再生するための再生モードを備えたものがある。再生モードでは、データ記録装置は、記録媒体に記録された画像データを読み出し、画像データの内容を表示可能な形式の映像信号に変換して、表示装置に出力するという再生処理を行う。このような再生処理には、処理負荷が比較的大きな画像処理が必要となる。このため、データ記録装置は、再生モードでは、新たな画像データを継続的に取得する取得処理を行うことはできない。
【0007】
したがって、データ記録装置の動作モードを再生モードのまま放置した場合、データ記録装置は新たな画像データを取得できないことから、車両の走行中において記録すべき画像データを記録媒体に記録できなくなる。すなわち、車両の走行に関するデータの記録漏れが発生してしまう。
【0008】
なお、再生処理と取得処理とを同時に実現するために、一つのデータ記録装置が取得用の画像処理回路と再生用の画像処理回路とをそれぞれ備えることも考えられるが、このように複数の画像処理回路を備えた場合にはデータ記録装置のコストが大きく上昇してしまう。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両の走行に関するデータの記録漏れを防止できるデータ記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置であって、動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得するデータ取得手段と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する再生手段と、前記車両が走行しているか否かを判定する判定手段と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する第1変更手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデータ記録装置において、前記車両の走行速度を取得する速度取得手段、をさらに備え、前記判定手段は、前記走行速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のデータ記録装置において、前記車両にかかる加速度を取得する加速度取得手段、をさらに備え、前記判定手段は、前記加速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載のデータ記録装置において、前記判定手段は、前記加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に、前記車両が走行していると判定する。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1に記載のデータ記録装置において、前記車両の位置を取得する位置取得手段、をさらに備え、前記判定手段は、前記位置に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定する。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、ユーザの操作を受け付ける操作手段、をさらに備え、前記第1変更手段は、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行していることと、前記ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続することと、のいずれかの条件を満足した場合に、前記動作モードを前記記録モードに変更する。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、ユーザの操作を受け付ける操作手段と、前記動作モードが記録モードの場合に、前記ユーザの操作に応答して、前記動作モードを前記再生モードに変更する第2変更手段と、をさらに備え、前記第2変更手段は、前記ユーザの操作がある場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに維持する。
【0017】
また、請求項8の発明は、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録方法であって、動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、を備えている。
【0018】
また、請求項9の発明は、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし7の発明によれば、車両が走行している場合は動作モードが記録モードに変更されるため、車両の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、走行速度に基づいて、車両が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、走行速度がわからなくても、車両が走行しているか否かを判定できる。
【0022】
また、特に請求項4の発明によれば、走行以外の衝撃が加えられた場合にかかる加速度に基づいた誤判定を防止できる。
【0023】
また、特に請求項5の発明によれば、走行速度がわからなくても、車両が走行しているか否かを判定できる。
【0024】
また、特に請求項6の発明によれば、ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続した場合にも動作モードが記録モードに変更されるため、車両の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0025】
また、特に請求項7の発明によれば、車両が走行している場合は動作モードが記録モードに維持されることから、車両の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、ドライブレコーダの概要を説明する図である。
【図2】図2は、ドライブレコーダの構成を示す図である。
【図3】図3は、ドライブレコーダの記録モードでの動作の流れを示す図である。
【図4】図4は、ドライブレコーダの再生モードでの動作の流れを示す図である。
【図5】図5は、ドライブレコーダの動作モードの遷移を示す図である。
【図6】図6は、速度判定処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、加速度の波形の一例を示す図である。
【図8】図8は、加速度の波形の一例を示す図である。
【図9】図9は、加速度判定処理の流れを示す図である。
【図10】図10は、位置判定処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、操作判定処理の流れを示す図である。
【図12】図12は、記録モードから再生モードに変更する場合の処理の流れを示す図である。
【図13】図13は、可搬性装置が使用される様子を示す図である。
【図14】図14は、可搬性装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係るデータ記録装置であるドライブレコーダ1の概要を説明する図である。図に示すように、ドライブレコーダ1は、車両8に搭載され、車両8の車室内において使用される。
【0029】
ドライブレコーダ1は、本体部2と、車両8の周辺を撮影するカメラ3とを備えている。カメラ3の光軸は車両8の前方に向けられており、カメラ3は車両8の走行中における周辺の様子を示す画像データ(静止画データ)を継続的に取得する。一方、本体部2は、事故などのイベントが発生した場合には、その発生前後にカメラ3で取得された画像データを記録媒体に記録する。
【0030】
また、ドライブレコーダ1は、記録媒体に記録した画像データを再生することが可能である。車両8の車室内には、画像データを表示可能なディスプレイを備えた表示装置4が設けられている。ドライブレコーダ1の本体部2は、再生対象となる画像データを読み出し、その画像データを表示可能な形式の映像信号に変換して、この表示装置4に出力する。これにより、画像データの内容が表示装置4において表示される。
【0031】
図2は、ドライブレコーダ1の構成を示す図である。前述のようにドライブレコーダ1は、本体部2とカメラ3とを備えている。カメラ3は、レンズと撮像素子とを備えており、電子的に画像データを取得する。カメラ3は、所定の周期ごとに画像データを取得する。カメラ3で取得された画像データは、ケーブルを介して本体部2に入力される。
【0032】
本体部2は、装置全体を制御する制御部としてマイクロコンピュータを備えている。このマイクロコンピュータは、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU200と、演算処理の作業領域となるRAM201と、各種データを記憶する不揮発性メモリ202とを含んでいる。不揮発性メモリ202は、例えば、フラッシュメモリなどであり、ファームウェアとしてのプログラム203や設定パラメータなどを記憶する。
【0033】
また、本体部2は、画像処理部21、画像出力部22、及び、マイク23を備えている。
【0034】
画像処理部21は、画像データを処理する画像処理回路(ハードウェア回路)である。画像処理部21は、カメラ3で取得された画像データに対してA/D変換や圧縮処理等の所定の画像処理を行って、例えばJPEG形式のデジタルの画像データを生成する。画像処理部21が生成した画像データは、一旦、RAM201に記憶される。
【0035】
画像処理部21は、また、画像データを再生する画像処理を行うことも可能である。具体的には、画像処理部21は、再生対象となる画像データに対して伸張処理等の所定の画像処理を行い、表示装置4で表示可能なNTSCなどの形式の映像信号に画像データを変換する。
【0036】
画像出力部22は、画像処理部21で生成された映像信号をケーブルを介して表示装置4に出力する。これにより、再生対象となる画像データの内容が表示装置4において表示される。
【0037】
また、マイク23は、車両8の走行中などにおいて、車両8の近傍の音を集音して継続的に音声データを取得する。マイク23で取得された音声データは、一旦、RAM201に記憶される。
【0038】
RAM201の記憶領域のうちの一部はリングバッファとして利用される。このリングバッファに対して、カメラ3で継続的に取得される画像データ(画像処理部21による処理後の画像データ)、及び、マイク23で継続的に取得される音声データが記憶される。リングバッファには、さらに、画像データに対応付けて後述する挙動データも記憶される。リングバッファでは、最後の領域までデータが記憶されると最初の領域に戻って新たなデータが記憶される。すなわち、リングバッファでは、最も古いデータに対して新たなデータが順次に上書きされていく。これにより、RAM201のリングバッファは、常に過去一定時間分の画像データ、音声データ及び挙動データを記憶した状態となる。本実施の形態では、リングバッファに例えば40秒分の画像データ、音声データ及び挙動データが記憶される。
【0039】
また、ドライブレコーダ1は、カードスロット24、計時回路25、加速度センサ26、GPS受信部27、速度取得部28、及び、操作部29を備えている。
【0040】
カードスロット24は、画像データ、音声データ及び挙動データを記録するための可搬性の記録媒体であるメモリカード9を着脱可能となっている。カードスロット24は、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。事故などの所定のイベントが生じたときには、カードスロット24は、装着されたメモリカード9に画像データ、音声データ及び挙動データを含むファイルを記録する。また、画像データを再生するときには、カードスロット24は、装着されたメモリカード9から再生対象となる画像データを含むファイルを読み出す。
【0041】
計時回路25は、現時点の日付及び時刻を示す時刻情報を計時する。これとともに、計時回路25は、ある時点からの経過時間を計時する。
【0042】
加速度センサ26は、車両8にかかる加速度(G)を取得する。加速度センサ26は、互いに直交する3軸の加速度をそれぞれ検出し、これら3軸の加速度の合成値を検出結果として取得する。したがって、加速度センサ26は、車両8にかかる加速度がどのような方向であっても検出することができる。
【0043】
GPS受信部27は、車両8の位置を取得する。GPS受信部27は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、車両8の位置を緯度経度で取得する。
【0044】
速度取得部28は、車両8の走行速度(km/h)を取得する。速度取得部28は、車両8に設けられる速度センサ81と接続されている。速度センサ81は、車両8のアウトプットシャフトの回転数に基づくパルス信号を発生して本体部2に入力する。速度取得部28は、この速度センサ81からのパルス信号に基づいて、車両8の走行速度を取得する。
【0045】
操作部29は、ユーザの操作を受け付ける複数のボタンを含む操作部材である。ユーザは、操作部29を操作することで、ドライブレコーダ1に各種の指示を行うことが可能である。ユーザの操作部29の操作内容を示す操作信号はCPU200に入力される。これにより、ドライブレコーダ1はユーザの操作に応答して動作する。
【0046】
また、ドライブレコーダ1は、車両8が備えるバッテリ82から電力の供給を受けて駆動する。ドライブレコーダ1は、ユーザの車両キーの操作に連動したキースイッチ83のオンに応答して駆動開始(起動)し、キースイッチ83のオフに応答して駆動停止する。
【0047】
このようなドライブレコーダ1の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ202に予め記憶されたプログラム203に従ってCPU200が演算処理を実行することにより実現される。このプログラム203は、新たなプログラムが記録されたメモリカード9をカードスロット24で読み取ることにより、更新することが可能となっている。
【0048】
図中のモード変更部20a、記録制御部20b、再生制御部20c、及び、条件判定部20dは、CPU200がプログラム203に従って演算処理を実行することで実現される機能の一部である。
【0049】
モード変更部20aは、ドライブレコーダ1の動作モードを変更する。ドライブレコーダ1の動作モードには、画像データ、音声データ及び挙動データをメモリカード9に記録するための記録モードと、記録した画像データを再生するための再生モードとが含まれている。モード変更部20aは、この動作モードを通常はユーザの操作に応答して変更するが、所定の条件を満足した場合はユーザの操作に係わらず変更する。
【0050】
記録制御部20bは、記録モードにおけるドライブレコーダ1の動作を制御する。記録制御部20bは、動作モードが記録モードの場合に、カメラ3に画像データを継続的に取得させるとともに、マイク23に音声データを継続的に取得させる。さらに、記録制御部20bは、時刻情報、加速度、走行速度、及び、車両8の位置等の車両8の走行状態を示す挙動データを継続的に取得する。また、記録制御部20bは、事故などの所定のイベントが生じた場合は、RAM201のリングバッファに記憶された画像データ、音声データ及び挙動データのうち、イベント発生前後の所定時間分のデータを一のファイルにしてメモリカード9に記録させる。
【0051】
再生制御部20cは、再生モードにおけるドライブレコーダ1の動作を制御する。再生制御部20cは、動作モードが再生モードの場合に、ユーザの操作に応じて再生対象となる画像データを含むファイルを選択し、選択したファイルに含まれる画像データを画像処理部21に再生させる。
【0052】
条件判定部20dは、動作モードの変更に係る条件が満足するか否かを判定する。この条件判定部20dの処理の詳細については後述する。
【0053】
<1−2.記録モードの動作>
次に、ドライブレコーダ1の動作について説明する。まず、動作モードが記録モードの場合のドライブレコーダ1の動作について説明する。図3は、記録モードにおけるドライブレコーダ1の動作の流れを示す図である。この動作は、記録制御部20bの制御により実行される。
【0054】
記録モードでは、まず、カメラ3が車両8の周辺の様子を示す画像データを取得する。カメラ3で取得されたアナログの画像データは、画像処理部21において、A/D変換や圧縮処理等の所定の画像処理が施されてデジタルの画像データに変換される。取得された画像データは、RAM201のリングバッファに記憶される。また、この画像データの取得とともに、マイク23が音声データを取得し、記録制御部20bが挙動データを取得する。これら音声データ及び挙動データも、RAM201のリングバッファに記憶される(ステップS11)。
【0055】
このステップS11の処理は所定の周期(例えば、1/30秒)で繰り返される。これにより、画像データ、音声データ及び挙動データが継続的に取得され、過去一定時間分の画像データ、音声データ及び挙動データがRAM201のリングバッファに記憶される。
【0056】
このように車両の走行に関するデータが継続的に取得される一方で、所定のイベントが発生したか否かが記録制御部20bにより監視される(ステップS12)。本実施の形態のドライブレコーダ1において、所定のイベントが発生したと判断する条件は、例えば、下記の条件(A)〜(C)のいずれかである。
【0057】
(A)所定以上の加速度が、所定時間以上継続して検出されること。例えば、0.40G以上の加速度が、100ミリ秒以上継続して検出されたような場合。
【0058】
(B)所定の期間内の走行速度の増減が、所定の閾値以上となったこと。例えば、走行速度60km/h以上での走行中に1秒間の減速が14km/h以上となるような場合。
【0059】
(C)操作部29の特定のボタンがユーザにより操作されたこと。
【0060】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生して衝突事故の発生の蓋然性が高い状況に相当する。条件(B)は、急激な減速となっており事故が急迫した蓋然性が高い状況に相当する。また、条件(C)は、ユーザ(代表的にはドライバ)が危険を感じてデータの記録が必要と判断した状況に相当する。
【0061】
(A)〜(C)のいずれかのイベントが発生した場合は(ステップS12にてYes)、記録制御部20bは、例えば、当該イベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データ、音声データ及び挙動データをRAM201のリングバッファから読み出す。すなわち、記録制御部20bは、イベントの発生時を含むイベントの発生前後の所定時間(20秒間)に取得された車両8の走行に関するデータを読み出す。そして、記録制御部20bは、読み出した画像データ、音声データ及び挙動データを、カードスロット24においてメモリカード9に記録させる(ステップS13)。このとき記録される所定時間分の画像データ、音声データ及び挙動データは、一のファイルに含まれた状態とされる。
【0062】
<1−3.再生モードの動作>
次に、動作モードが再生モードの場合のドライブレコーダ1の動作について説明する。図4は、再生モードにおけるドライブレコーダ1の動作の流れを示す図である。この動作は、再生制御部20cの制御により実行される。
【0063】
再生モードでは、まず、再生制御部20cが、メモリカード9に記録されたファイルのうちから、ユーザの操作に基づいて再生対象とする画像データを含むファイルを選択する。この際、表示装置4には、メモリカード9に記録されたファイルの一覧が表示される。ユーザは、このような表示装置4の画面を確認しながら、操作部29を操作することで、所望のファイルを選択する指示を行うことができる(ステップS21)。
【0064】
ユーザは、画像データの再生を指示する再生指示を操作部29の操作により行うまで(ステップS22にてNo)、このようなファイルを選択する指示を行うことができる。
【0065】
ユーザから再生指示がなされる(ステップS22にてYes)と、次に、選択されたファイルがカードスロット24によりメモリカード9から読み出され、RAM201に記憶される。
【0066】
続いて、画像処理部21が、ファイルに含まれる画像データを再生する。すなわち、画像処理部21は、読み出されたファイルに連続的に含まれる画像データのそれぞれに対して伸張処理等の所定の画像処理を行う。これにより、画像処理部21は、表示装置4で表示可能なNTSCなどの形式の映像信号を生成する。この映像信号は、画像出力部22から表示装置4に出力される。これにより、ファイルに含まれる複数の画像データの内容が表示装置4において連続的に表示される(ステップS23)。
【0067】
ファイルに含まれる全ての画像データの再生が完了すると、画像データの再生が停止し、処理はステップS21に戻る。これにより、再生制御部20cは、再度、ユーザの操作に基づいて再生対象とする画像データを含むファイルを選択する状態となる。
【0068】
このように再生モードにおいては、画像処理部21は画像データを再生するための画像処理を行うことから、新たな画像データを取得するための画像処理を行うことは不可能である。すなわち、再生モードにおいては、ドライブレコーダ1は、車両8の走行に関するデータを継続的に取得することはできない。したがって、データの記録漏れをなくすためには、ドライブレコーダ1の動作モードをなるべく記録モードにしておく必要がある。
【0069】
<1−4.動作モードの変更>
次に、モード変更部20aによる動作モードの変更について説明する。図5は、ドライブレコーダ1の動作モードの遷移を示す図である。
【0070】
ドライブレコーダ1の動作モードは、駆動開始(起動)の直後は、記録モードM1となる。したがって、ドライブレコーダ1は、駆動開始の直後から画像データ、音声データ及び挙動データを継続的に取得する状態となる。
【0071】
前述のように、モード変更部20aは、動作モードをユーザの操作に応答して変更する。動作モードが記録モードM1の場合に、ユーザが操作部29に所定の操作を行うと、このユーザの操作に応答して、モード変更部20aは動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する(矢印A1)。また、動作モードが再生モードM2の場合に、ユーザが操作部29に所定の操作を行うと、このユーザの操作に応答して、モード変更部20aは動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(矢印A2)。
【0072】
モード変更部20aは、また、動作モードが再生モードM2の場合においては、所定の条件(a)(b)のいずれかを満足したときにも、動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(矢印A3,A4)。
【0073】
本実施の形態のドライブレコーダ1において、動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更するための条件(a)(b)は、下記のとおりである。
【0074】
(a)車両8が走行していること。
【0075】
(b)ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続すること。
【0076】
したがって、条件(a)が満足する場合、すなわち、車両8が走行している場合には動作モードが記録モードM1に変更されることから、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。また、条件(b)が満足する場合、すなわち、ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続した場合にも動作モードが記録モードM1に変更されることから、車両8の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0077】
これらの条件(a)(b)が満足するか否かは、条件判定部20dが判定する。条件判定部20dは、条件(a)が満足するか否かについては、走行速度、加速度、及び、車両8の位置のそれぞれに基づいて判定する。以下、走行速度に基づく判定を含む処理を「速度判定処理」、加速度に基づく判定を含む処理を「加速度判定処理」、車両8の位置に基づく判定を含む処理を「位置判定処理」という。
【0078】
また、条件判定部20dは、条件(b)が満足するか否かについては、操作部29からの操作信号に基づいて判定する。以下、この操作信号に基づく判定を含む処理を「操作判定処理」という。
【0079】
このような「速度判定処理」、「加速度判定処理」、「位置判定処理」及び「操作判定処理」は、互いに独立して並列的に実行される。また、これら4つの処理は、図4に示す再生モードの基本的な動作に対して独立して並列的に実行される。以下、これら4つの処理のそれぞれについて具体的に説明する。
【0080】
<1−4−1.速度判定処理>
まず、速度判定処理について説明する。速度判定処理では、走行速度に基づいて条件(a)が満足するか否か(車両8が走行しているか否か)が判定される。図6は、速度判定処理の流れを示す図である。この速度判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0081】
まず、条件判定部20dは、速度取得部28から現時点の車両8の走行速度を取得する(ステップS31)。次に、条件判定部20dは、現時点の走行速度が所定の閾値(例えば、5km/h)より大きいか否かを判定する(ステップS32)。
【0082】
走行速度が閾値よりも小さい場合(ステップS32にてNo)は、条件判定部20dは、車両8は停止していると判定し、処理はステップS31に戻る。そして、再び、ステップS31,S32の処理が実行される。これにより、車両8が停止しているときには、現時点の走行速度が閾値より大きいか否かの判定が繰り返される。
【0083】
一方、走行速度が閾値よりも大きい場合(ステップS32にてYes)は、条件判定部20dは、条件(a)が満足した(車両8が走行している(または発進した))と判定する。そして、この場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS33)。
【0084】
<1−4−2.加速度判定処理>
次に、加速度判定処理について説明する。加速度判定処理では、加速度に基づいて条件(a)が満足するか否か(車両8が走行しているか否か)が判定される。
【0085】
車両8にかかる加速度は、車両8が走行している場合だけではなく、車両8のドアの開閉や車両に人間が乗車したような場合など、走行以外の比較的小さな衝撃が加えられた場合においても検出される。したがって、加速度が所定の閾値より大きくなることに基づいて車両8が走行していると単純に判定すると、このようにドアの開閉など走行以外の衝撃が加えられた場合に、車両8が走行していると誤判定してしまうおそれがある。
【0086】
このため、本実施の形態では、加速度が閾値を超える状態の継続時間が考慮される。図7は、ドアの開閉などの走行以外の衝撃が加えられた場合に検出される加速度の波形の一例を示す図である。一方、図8は、車両8が走行を開始した場合に検出される加速度の波形の一例を示す図である。
【0087】
図7に示すように、走行以外の衝撃が加えられた場合の加速度は、急激に大きくなりピーク時点で閾値を超えて、その後、急激に小さくなっている。これに対して、図8に示すように、車両8が走行している場合の加速度は、閾値を超えた後、ある程度の期間、閾値を超える状態が維持される。すなわち、車両8が走行している場合(図8の場合)は、走行以外の衝撃が加えられた場合(図7の場合)と比較して、加速度が閾値を超える状態の継続時間CTは長くなる。このように継続時間CTが継続する状態は、特に車両8が停車中から発進するときに顕著に現れる。
【0088】
このような原理を利用し、加速度判定処理では、加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に、車両8が走行している(または、発進した)と判定される。これにより、走行以外の衝撃が加えられた場合にかかる加速度に基づいた誤判定が防止される。
【0089】
図9は、加速度判定処理の流れを示す図である。この加速度判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0090】
まず、条件判定部20dは、加速度センサ26から現時点において車両8にかかる加速度を取得する。このとき取得された加速度は「オフセット値」としてRAM201に記憶される(ステップS41)。この「オフセット値」は、車両8の停車状態において車両8にかかる重力加速度に相当する。
【0091】
次に、計時回路25が計時する継続時間CTがクリアされる(ステップS42)。次に、条件判定部20dは、加速度センサ26から現時点において車両8にかかる加速度を取得する(ステップS43)。このとき取得される加速度は「測定加速度」とされる。この「測定加速度」は、重力加速度とは別に車両8に加わる加速度と、重力加速度とをあわせた値となる。
【0092】
条件判定部20dは、続いて、「測定加速度」から「オフセット値」を減算して、重力加速度とは別に車両8に加わる加速度(以下、「実加速度」という。)を取得する(ステップS44)。
【0093】
次に、条件判定部20dは、「実加速度」が所定の閾値(例えば、0.02G)より大きいか否かを判定する(ステップS45)。「実加速度」が閾値よりも小さい場合(ステップS45にてNo)は、条件判定部20dは車両8は停止していると判定し、処理はステップS42に戻る。そして再び、ステップS42〜S45の処理が実行される。これにより、車両8が停止しているときには、「実加速度」が閾値より大きいか否かの判定が繰り返される。
【0094】
一方、「実加速度」が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS45にてYes)は、計時回路25により、「実加速度」が閾値を超える状態が継続している時間を示す継続時間CTがカウントアップされる(ステップS46)。
【0095】
続いて、条件判定部20dは、この継続時間CTが所定時間(例えば、1秒)を超えるか否かを判定する(ステップS47)。継続時間CTが所定時間を超えない状態では、処理はステップS43に戻る。そして再び、ステップS43以降の処理が実行される。
【0096】
走行以外の衝撃が車両8に加えられた場合においては、「実加速度」が閾値を超えたとしてもその後に「実加速度」は閾値よりも速やかに小さくなる。したがって、この場合は、ステップS45にてNoとなり、処理はステップS42に戻り、継続時間CTはクリアされる。
【0097】
これに対して、車両8が走行を開始した場合においては、「実加速度」が閾値を超える状態が継続する。このため、継続時間CTをカウントアップする処理(ステップS46)が繰り返され、最終的に、継続時間CTが所定時間を超えることになる。
【0098】
このように継続時間CTが所定時間を超えた場合は(ステップS47にてYes)、条件判定部20dは、条件(a)が満足した(車両8が走行している(または発進した))と判定する。そして、この場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS48)。
【0099】
<1−4−3.位置判定処理>
次に、位置判定処理について説明する。位置判定処理では、車両8の位置に基づいて条件(a)が満足するか否か(車両8が走行しているか否か)が判定される。図10は、位置判定処理の流れを示す図である。この位置判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0100】
まず、条件判定部20dは、GPS受信部27から現時点における車両8の位置を取得する。このとき取得された車両8の位置は「基準位置」としてRAM201に記憶される(ステップS51)。この「基準位置」は、車両8が停車した位置に相当する。
【0101】
次に、条件判定部20dは、GPS受信部27から現時点における車両8の位置を取得する。このとき取得される車両8の位置は「測定位置」とされる(ステップS52)。そして、条件判定部20dは、「基準位置」と「測定位置」とに基づいて、「基準位置」から「測定位置」までの距離を「移動距離」として導出する(ステップS53)。車両8が停車した状態を維持した場合、理想的には「基準位置」と「測定位置」とは一致し、「移動距離」は0となる。
【0102】
次に、条件判定部20dは、「移動距離」が所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS54)。この閾値は、GPS受信部27の測定誤差を考慮して設定され、例えば100mとされる。
【0103】
「移動距離」が閾値よりも小さい場合(ステップS54にてNo)は、条件判定部20dは、車両8は停止していると判定し、処理はステップS52に戻る。そして、再び、ステップS52〜S54の処理が実行される。これにより、車両8が停止しているときには、「移動距離」が閾値より大きいか否かの判定が繰り返される。
【0104】
一方、「移動距離」が閾値よりも大きい場合(ステップS54にてYes)は、条件判定部20dは、条件(a)が満足した(車両8が走行している(または発進した))と判定する。そして、この場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS55)。
【0105】
<1−4−4.操作判定処理>
次に、操作判定処理について説明する。操作判定処理では、操作信号に基づいて条件(b)が満足するか否か(ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続するか否か)が判定される。図11は、操作判定処理の流れを示す図である。この操作判定処理は、動作モードが再生モードM2の場合に実行される。
【0106】
まず、計時回路25が計時する無操作時間NTがクリアされる(ステップS61)。この無操作時間NTは、画像データが再生中でなく、かつ、ユーザの操作が無い状態が継続した時間である。
【0107】
次に、条件判定部20dは、画像データが再生中であるか否かを判定する(ステップS62)。画像データが再生中の場合は(ステップS62にてYes)、処理はステップS61に戻り、無操作時間NTがクリアされる。
【0108】
また、画像データの再生前(ファイルの選択中)、あるいは、ファイルの全ての画像データの再生後など、画像データが再生中でない場合は(ステップS63にてNo)、次に、条件判定部20dは、操作信号に基づいてユーザの操作があるか否かを判定する。ユーザの操作がある場合は(ステップS63にてYes)、処理はステップS61に戻り、無操作時間NTがクリアされる。
【0109】
また、画像データが再生中でなく、かつ、ユーザの操作が無い場合は(ステップS62,S63の双方でNo)、次に、計時回路25により無操作時間NTがカウントアップされる。
【0110】
続いて、条件判定部20dは、この無操作時間NTが所定時間(例えば、30秒)を超えるか否かを判定する(ステップS47)。無操作時間NTが所定時間を超えない状態では、処理はステップS62に戻る。そして再び、ステップS62以降の処理が実行される。その後、ユーザの操作がなされた場合は(ステップS63にてYes)、処理はステップS61に戻り、無操作時間NTはクリアされる。
【0111】
これに対して、ユーザの操作が無い状態が継続した場合は、無操作時間NTをカウントアップする処理(ステップS64)が繰り返される。この状態が継続し、無操作時間NTが所定時間を超えた場合は(ステップS65にてYes)、条件判定部20dは条件(b)が満足したと判定する。そして、この場合、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する(ステップS66)。
【0112】
以上のように、本実施の形態のドライブレコーダ1においては、動作モードが記録モードの場合には、カメラ3、マイク23及び記録制御部20bのそれぞれが、車両8の走行に関するデータを継続的に取得する。これとともに、動作モードが再生モードの場合には、画像処理部21が車両8の走行に関するデータを再生する。また、動作モードが再生モードの場合においては、条件判定部20dが車両8が走行しているか否かを判定する。そして、車両8が走行している場合は、モード変更部20aが動作モードを再生モードM2から記録モードM1に変更する。このように、車両8が走行している場合には動作モードが記録モードに自動的に変更されるため、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【0113】
また、車両8が走行しているか否かの判定(速度判定処理、加速度判定処理及び位置判定処理)においては、画像データが再生中であるか否かは考慮されない。したがって、画像データの再生中であっても車両8が走行していれば、動作モードが記録モードM1に変更されることになり、車両8の走行に関するデータの記録漏れを有効に防止できる。
【0114】
また、条件判定部20dは、車両8の走行速度に基づいて車両8が走行しているか否かを判定するため、車両8が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0115】
また、条件判定部20dは、加速度に基づいて車両8が走行しているか否かを判定するため、車両8に設けられる速度センサ81からのパルス信号が得られない場合であっても、車両8が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0116】
また、条件判定部20dは、加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に車両が走行していると判定するため、走行以外の衝撃が加えられた場合にかかる加速度に基づく誤判定を防止できる。
【0117】
また、条件判定部20dは、車両8の位置に基づいて車両8が走行しているか否かを判定するため、車両8に設けられる速度センサ81からのパルス信号が得られない場合であっても、車両8が走行しているか否かを容易に判定できる。
【0118】
また、モード変更部20aは、動作モードが再生モードM2の場合に、条件(a)及び条件(b)のいずれかの条件を満足した場合に、動作モードを記録モードM1に変更する。このため、ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続した場合にも動作モードが記録モードM1に自動的に変更されることから、記録モードM1に変更されやすくなる。その結果、車両8の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0119】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する場合に車両8が走行しているか否かを考慮していなかった。これに対して、第2の実施の形態では、動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する場合に車両8が走行しているか否かを考慮するようになっている。第2の実施の形態のドライブレコーダ1の構成及び動作は、第1の実施の形態と略同様であるため、以下、相違点を説明する。
【0120】
図12は、動作モードが記録モードM1の場合に、ユーザが操作部29に動作モードを再生モードM2に変更するための操作を行ったとき(図5に示す矢印A1)における、ドライブレコーダ1の動作の流れを示す図である。
【0121】
まず、条件判定部20dが、速度取得部28から現時点の車両8の走行速度を取得する(ステップS71)。次に、条件判定部20dは、現時点の走行速度が所定の閾値(例えば、5km/h)より大きいか否かを判定する(ステップS72)。
【0122】
走行速度が閾値よりも小さい場合(ステップS72にてNo)は、条件判定部20dは、車両8は停止していると判定する。この場合は、モード変更部20aが、動作モードを記録モードM1から再生モードM2に変更する(ステップS73)。
【0123】
一方、走行速度が閾値よりも大きい場合(ステップS72にてYes)は、条件判定部20dは、車両8は走行していると判定する。この場合は、処理はそのまま終了する。すなわち、モード変更部20aは、動作モードを記録モードM1のまま維持し、再生モードM2に変更しないことになる。
【0124】
このように、第2の実施の形態のドライブレコーダ1では、動作モードを変更するためのユーザの操作がある場合に車両8が走行しているときは、モード変更部20aは動作モードを記録モードM1のまま維持して再生モードM2に変更しない。したがって、車両8の走行に関するデータの記録漏れをより有効に防止できる。
【0125】
なお、本実施の形態では、条件判定部20dは、車両8が走行しているか否かを走行速度に基づいて判定しているが、加速度、車両8の位置、ユーザの車両8の操作(アクセルの操作等)などの他の情報に基づいて判定してもよい。
【0126】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置は車両8に搭載されるドライブレコーダであるものとして説明したが、同様の機能を、スマートフォンやPDAなどのユーザが携行可能な可搬性装置によっても実現可能である。本実施の形態では、データ記録装置が可搬性装置である場合について説明する。
【0127】
図13は、データ記録装置となる可搬性装置5が使用される様子を示す図である。可搬性装置5は、通常はユーザが携行して使用するものであるが、車両8へユーザが乗車する際には、図に示すように車両8のダッシュボードの上に設けられたホルダに対して固定して使用される。可搬性装置5は、カメラ51を内蔵している。このカメラ51の光軸が車両8の前方側を向くように、可搬性装置5は車室内に固定される。これにより、カメラ51は、車両8の周辺の様子を示す画像データを取得することが可能となる。
【0128】
図14は、可搬性装置5の構成を示す図である。可搬性装置5が備える構成のうち、図2に示す第1の実施の形態のドライブレコーダ1と同様の機能を有するものについては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0129】
可搬性装置5は、携行して利用されるものであるため、外部から電力の供給を受けずに駆動できるように内蔵電池59を備えている。なお、可搬性装置5は、シガーソケットなどを介して車両8から電力の供給を受けることが可能となっていてもよい。
【0130】
可搬性装置5は、一つの筐体で構成されており、この筐体内にカメラ51と、ディスプレイ52とを備えている。ディスプレイ52は、画像出力部22から出力される映像信号に基づいて、再生対象となる画像データの内容を表示する。
【0131】
図13のように、カメラ51の光軸が車両8の前方側を向くように可搬性装置5を車両8に配置した場合、ディスプレイ52の画面は車室内に向けられる。これによりユーザは、着座した状態でディスプレイ52の表示内容を確認することが可能である。
【0132】
また、可搬性装置5は、無線通信が可能な通信部50を備えている。この通信部50を備えることにより、可搬性装置5は、携帯電話装置、あるいは、データ通信装置として機能する。なお、可搬性装置5は、図2に示す速度取得部28を備えていない。
【0133】
可搬性装置5も、装置全体を制御する制御部として、CPU200、RAM201及び不揮発性メモリ202を含むマイクロコンピュータを備えている。可搬性装置5のデータ記録装置としての機能は、不揮発性メモリ202に予め記憶されたプログラム204に従ってCPU200が演算処理を実行することにより実現される。このプログラム204は、新たなプログラムが記録されたメモリカード9をカードスロット24で読み取ること、あるいは、通信部50が所定のサーバ装置から新たなプログラムをダウンロードすることなどにより、更新することが可能となっている。
【0134】
図中のモード変更部20a、記録制御部20b、再生制御部20c、及び、条件判定部20dは、CPU200がプログラム204に従って演算処理を実行することで実現される機能の一部である。これらモード変更部20a、記録制御部20b、再生制御部20c、及び、条件判定部20dによって実行される処理の内容は、第1の実施の形態と同様である。
【0135】
したがって、データ記録装置が可搬性装置5である場合においても、第1の実施の形態と同様の処理を行うことが可能であり、第1の実施の形態と同様に、車両8の走行に関するデータの記録漏れを防止できる。
【0136】
ただし、可搬性装置5は、速度取得部28を備えていないため速度センサ81からのパルス信号を得ることができず、パルス信号に基づいて走行速度を取得することはできない。しかしながら、GPS受信部27で得られる車両8の位置の変化に基づいて、可搬性装置5が車両8の走行速度を取得できるようにしてもよい。また、可搬性装置5と車両8に設けられる通信装置とを無線通信で通信させることなどで、可搬性装置5が走行速度を取得できるようにしてもよい。このようにすることで、データ記録装置が可搬性装置5である場合においても、走行速度に基づいて車両8が走行しているか否かを判定できる。
【0137】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0138】
上記実施の形態のデータ記録装置は、イベントが発生した場合に記録媒体にデータを記録するイベント記録方式を採用していたが、駆動開始から駆動停止まで継続的にデータを記録媒体に記録する常時記録方式を採用してもよい。常時記録方式のデータ記録装置の場合では、記録モードにおいて画像データが常に記録媒体に記録されることになる。
【0139】
また、一つのデータ記録装置において、イベント記録方式と常時記録方式とをユーザが選択できるようになっていてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態では、加速度判定処理ごとにオフセット値を取得しているが、駆動開始時(起動時)、あるいは、データ記録装置の車両への装着時にオフセット値を取得するようにしてもよい。ただし、車両が停車する位置の傾斜などに応じて重力加速度の車両へのかかりかたは変わるため、上記実施の形態のように加速度判定処理ごとにオフセット値を取得することが精度向上のためには望ましい。
【0141】
また、上記実施の形態では、可搬性の記録媒体に車両の走行に関するデータを記録するものとして説明したが、データ記録装置に内蔵された記録媒体に車両の走行に関するデータを記録するようにしてもよい。
【0142】
また、上記実施の形態では、再生モードにおいて画像データを再生するものとして説明したが、あわせて音声データを再生してもよい。また、再生モードにおいて音声データのみを再生するようにしてもよい。
【0143】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、条件(a)が満足するか否かについては、走行速度、加速度、及び、車両の位置に基づいて判定しているが、これらのいずれか1つあるいは2つに基づいて判定してもよい。
【0144】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、条件(a)の「車両が走行していること」を、走行速度、加速度、及び、車両8の位置といった実際の車両8の挙動に基づいて判定しているが、ユーザの発進の意思を示す操作に基づいて判定してもよい。例えば、変速機のシフトレバーのPレンジからDレンジへの切り替え操作を検出した場合に、「車両が走行している」と判定してもよい。
【0145】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、表示装置4はデータ記録装置の外部装置であるものとして説明したが、データ記録装置が表示装置を備えてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、本体部2とカメラ3とは分離して設けられていたが、上述した本体部2の機能とカメラ3とが同一筐体内に設けられていてもよい。
【0146】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 ドライブレコーダ
2 本体部
3 カメラ
4 表示装置
5 可搬性装置
204 プログラム
20a モード変更部
20d 条件判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置であって、
動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得するデータ取得手段と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する再生手段と、
前記車両が走行しているか否かを判定する判定手段と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する第1変更手段と、
を備えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
前記車両の走行速度を取得する速度取得手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記走行速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
前記車両にかかる加速度を取得する加速度取得手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記加速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ記録装置において、
前記判定手段は、前記加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に、前記車両が走行していると判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
前記車両の位置を取得する位置取得手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記位置に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、
ユーザの操作を受け付ける操作手段、
をさらに備え、
前記第1変更手段は、前記動作モードが再生モードの場合に、
前記車両が走行していることと、
前記ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続することと、
のいずれかの条件を満足した場合に、前記動作モードを前記記録モードに変更することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、
ユーザの操作を受け付ける操作手段と、
前記動作モードが記録モードの場合に、前記ユーザの操作に応答して、前記動作モードを前記再生モードに変更する第2変更手段と、
をさらに備え、
前記第2変更手段は、前記ユーザの操作がある場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに維持することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項8】
車両の走行に関するデータを記録するデータ記録方法であって、
動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、
前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、
を備えることを特徴とするデータ記録方法。
【請求項9】
車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、
前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置であって、
動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得するデータ取得手段と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する再生手段と、
前記車両が走行しているか否かを判定する判定手段と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する第1変更手段と、
を備えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
前記車両の走行速度を取得する速度取得手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記走行速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
前記車両にかかる加速度を取得する加速度取得手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記加速度に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ記録装置において、
前記判定手段は、前記加速度が閾値を超える状態が所定の時間を超えて継続した場合に、前記車両が走行していると判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
前記車両の位置を取得する位置取得手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、前記位置に基づいて、前記車両が走行しているか否かを判定することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、
ユーザの操作を受け付ける操作手段、
をさらに備え、
前記第1変更手段は、前記動作モードが再生モードの場合に、
前記車両が走行していることと、
前記ユーザの操作が無い状態が所定の時間を超えて継続することと、
のいずれかの条件を満足した場合に、前記動作モードを前記記録モードに変更することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載のデータ記録装置において、
ユーザの操作を受け付ける操作手段と、
前記動作モードが記録モードの場合に、前記ユーザの操作に応答して、前記動作モードを前記再生モードに変更する第2変更手段と、
をさらに備え、
前記第2変更手段は、前記ユーザの操作がある場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに維持することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項8】
車両の走行に関するデータを記録するデータ記録方法であって、
動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、
前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、
を備えることを特徴とするデータ記録方法。
【請求項9】
車両の走行に関するデータを記録するデータ記録装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
動作モードが記録モードの場合に、前記データを継続的に取得する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記データを再生する工程と、
前記車両が走行しているか否かを判定する工程と、
前記動作モードが再生モードの場合に、前記車両が走行しているときは、前記動作モードを前記記録モードに変更する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−234241(P2012−234241A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100411(P2011−100411)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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