説明

データ送受信システム、データ転送方法及びデータ送受信プログラムを記録した記録媒体

【課題】 情報処理装置側でメール送信先項目等にデータが入力されておらず情報処理装置側での入力が確定していない場合であっても、通信端末装置のメール機能が使えないような状況に陥らなくする。
【解決手段】 携帯電話200及びパソコン100は、近接した位置でデータ送受信を行うローカルな通信部270,170、公衆回線網を介して遠隔地にある任意の通信装置との通信を行うグローバルな通信部260,160、任意の通信装置を特定するID(アドレス)を記憶する記録部250,150等を備え、携帯メール制御部210は、パソコン100からの転送データに、送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、グローバルな通信部260により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、記録部250に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、転送データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機、携帯情報端末・電子メール端末等のデータ送受信システム、データ転送方法及びデータ送受信プログラムを記録した記録媒体に関し、詳細には、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置で、電子メール送受信に代表されるデジタル情報の電子配信・受信機能を、携帯電話機等の通信端末装置側のメール機能を経由して行う際の、通信端末装置−情報処理装置間でのローカルな情報通信制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】急速なインターネットの普及に伴って電子メールの利用が日常的になってきている。電子メールは人と人とのコミュニケーション手段に活用されるのが一般的であり、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)やPDA(PersonalDigital Assistants)などの情報端末だけでなく、携帯電話機やPHS(Personal Handy-Phone System)にもインターネットを介した電子メールの送受信機能を有するものが急増している。これらの電子メール送受信端末を使用することで、場所や時間にとらわれず、いつでもどこでも電子メールを送受信することが可能になっている。
【0003】一方、PCを含む情報端末もインターネットの普及に対応し、アナログ電話回線などを通じてネットワークに接続するためのモデムポート部が搭載され、モデムポート部を使用して電子メールを送受信するための電子メール機能を有するのが通例である。また、伝達手段に赤外線を使用する光通信ポート部を搭載するものが多いが、ケーブルなどの物理的な接続手段を必要とせず情報端末同士でお互いの情報を交換する目的で主に使用される。
【0004】近年、無線通信技術の発展や、インターネットに代表される電子通信(ネットワーク)インフラ/サービスの整備向上等に起因し、携帯電話に代表されるモバイル使用を商品コンセプトとする機器においても、電子メールの送受信機能やインターネットアクセス機能等が具備されている。また、PCに代表される情報機器はもちろんのこと、近年においては、携帯電話に代表されるグローバルな(他人との)通信/通話機能を持つ機器においても、ローカルな(自分が保有する機器同士の)データ通信機能を、別途、赤外線やBluetooth規格の無線通信手段を備えることにより実現している。例えば、このローカルなデータ通信機能の利用(応用)技術も、例えば、特開2000−10893号公報には、携帯電話の電子メール機能が情報機器側から有効に利用される携帯通信端末が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子メール等のデジタルデータを送受信する機能を備える機器を、個人で、複数台保有している人が増加している。また、屋内にパソコンがあり、携帯電話も保有していている人の殆どは、パソコンでも携帯電話でも、個々に、電子メール機能が具備されているのが一般的である。上記パソコンでも携帯電話でも電子メール機能が存在し、さらに、個々の、両者の電子メール機能を利用する者の、「パソコンで電子メールを送信する」場合と、「携帯電話で電子メールを送信する」場合とで利用シーン等に相違がないか否かについて考察する。
【0006】例えば、パソコン側のメール機能を使用する際に用いられるアドレス帳(メールアドレスリスト)の中身と、携帯電話側のメール機能を使用する際に用いられるアドレス帳の中身とは、ほとんどの場合、完全には一致しないであろう。換言すれば、これは、状況等にもよるが、パソコンでメールを送る相手と、携帯電話でメールを送る相手とは異なる、すなわち、使用される場所(パソコンは家、携帯電話は街中、移動中、移動先)だけでなく、例えば、パソコンはビジネス用途中心、携帯電話はプライベート用途中心等のように、利用者は、パソコンと携帯電話とを、機器そのものやメール機能として、使う相手又は送信先を個々に設定、使い分けをしていることを意味する。
【0007】上述した点について、上記公報に記載の装置には何ら言及するところがない。上記公報に記載の装置では、メールを受信したシーンに限定された例であることから、上述した「何れのメール機能を利用するかは、利用シーン/状況によって使い分けされる」に対する、問題点は明確には見えてこないが、メールを送信するシーンを具体的に想定すれば、「パソコン側と携帯電話側のどちらのアドレス帳を利用するのか?」等の商品の実仕様を設計する上で、解決すべき課題が多く残存していることが分かる。
【0008】具体的に説明すると、例えばパソコンでメール文を作成し、携帯電話のメール機能を使ってメール送信するということに対する利点(「携帯電話のメール機能を使って、パソコンでメール文を作成/送信する」という要求が生じる理由)は、基本的に、パソコンユーザにとって、キーボード入力する方が、携帯電話のダイヤルボタン等で、メール文を入力より簡単であることに起因するものである。
【0009】上記は、パソコンユーザを主体とした要求であり、携帯電話ユーザを主体とすれば、要求内容もその理由も逆転する。すなわち、携帯電話でメール文を作成し、パソコンのメール機能を使ってメール送信するという要求、また、その要求は、携帯電話のダイヤルボタン入力の方がメール文を入力し易いことに起因するものになる。さらには、例えば、メール機能が個々に具備されている携帯電話を2台保有しているユーザも、上記と同じ要求があると考えられる。すなわち、基本的な要求として、以下のような解決課題がある。
【0010】メール機能(デジタルデータの配信/受信機能)が具備されている機器を2台以上保有しており、一方が他方より利用者にとって使いやすい場合や、一方が他方より優先的に利用(例えば、一方がビジネス用に、他方がプライベート用に利用)している場合等のように、保有している機器を区別し使用する者にとって、その機器が対で存在する状況下にある場合には、一方の機器を操作するだけで、若しくは、他方側では複雑な操作をすることなしで、メール機能を利用したい、という要求がある。
【0011】ところが、例えば、メール送信に対して、上記要求を満たすためには、少なくとも、一方の機器のアドレス帳(メールアドレスが記録されている個人のデータベース)と、他方側のアドレス帳が、今まさに使われようとする瞬間に同一となっているか、若しくは、一方の機器側で、他方側のアドレス帳を欲する時、入手できるシステムとなっているか、のいずれかを実現する必要がある。しかし、上記公報記載の装置を含む従来技術には、上述した技術思想が存在しないため、パソコンと携帯電話とが対となったシステムとして考えた場合、「使い勝手」が悪いという解決課題があった。
【0012】本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、情報処理装置側でメール送信先項目等にデータが入力されておらず情報処理装置側での入力が確定していない場合であっても、通信端末装置のメール機能が使えないような状況に陥らなくすることができ、利用者の側に立って使い勝手を向上させることができるデータ送受信システム、データ転送方法及びデータ送受信プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のデータ送受信システムは、ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ送受信システムにおいて、前記通信端末装置は、前記情報処理装置との間でデータを送受信する第1の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第2の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記情報処理装置からの送信要求に応じて、前記記録手段に記録されているアドレス情報を、前記第1の通信手段により、送信する制御を行うとともに、前記情報処理装置からの指示に従って、前記第1の通信手段により受信した該情報処理装置からの転送データを、前記第2の通信手段により、対応する通信装置に送信する制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記情報処理装置からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、前記選択手段により、前記記録手段に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、転送データを送信することを特徴としている。
【0014】さらに、前記通信端末装置は、前記第2の通信手段により、転送データを送信した通信装置のアドレス情報を含むデータを記録管理する記録管理手段を備え、前記制御手段は、前記第2の通信手段により、前記ネットワークに接続された任意の通信装置から送信されたデータを受信し、該送信されたデータが、前記記録管理手段により記録管理されている、転送データを送信した通信装置のアドレス情報を含むデータに対する返信データであるか否かを判別し、前記返信データである時には、前記第1の通信手段により、前記情報処理装置に、該返信データを送信することで、情報処理装置から通信端末装置経由で、メール送信したメールに対する返信メールについて、情報処理装置側で確認することができる。
【0015】また、前記記録管理手段は、データを送信した日時を対応付けて記録管理し、前記制御手段は、前記記録管理手段に記録された日時情報を基に、所定期間内の返信データに対してのみ、前記第1の通信手段により、前記情報処理装置に、該返信データを送信することで、情報処理装置側では最新期間内の返信メールを受け取ることができ、データ受信の実効を図ることができる。
【0016】本発明のデータ送受信システムは、ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ送受信システムにおいて、前記情報処理装置は、前記通信端末装置との間でデータを送受信する第3の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第4の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、該通信端末装置の記録手段の記録内容を要求する第1の送信要求を行うとともに、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、転送データを前記通信端末装置を経由して通信装置へ送信する第2の送信要求を行い、前記第2の送信要求による通信装置の指定の際、前記記録手段に記録されているアドレス情報、又は、前記通信端末装置への要求に応じて該通信端末装置から送信されたアドレス情報を、前記選択手段により、利用者に選択させる制御手段とを備えることを特徴としている。さらに、前記情報処理装置は、前記通信端末装置を経由して通信装置に送信するデータに、自己のアドレス情報又は所定の文字列を付与することで、メールを受信した受信者(通信装置)側から、情報処理装置に対してアクセスが容易になる。
【0017】本発明のデータ転送方法は、ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ転送方法において、前記情報処理装置が、前記通信端末装置に対して、第3の通信手段により、該通信端末装置の記録手段の記録内容を要求する第1の送信要求を行うステップと、前記情報処理装置からの第1の送信要求に応じて、前記通信端末装置が、前記記録手段に記録されているアドレス情報を、第1の通信手段により、送信するステップとを実行することを特徴としている。
【0018】本発明のデータ転送方法は、ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ転送方法において、前記情報処理装置が、前記通信端末装置に対して、第3の通信手段により、転送データを前記通信端末装置を経由して通信装置へ送信する第2の送信要求を行うステップと、前記通信端末装置が、前記情報処理装置からの第2の送信要求に応じて、第1の通信手段により受信した該情報処理装置からの転送データを、第2の通信手段により、対応する通信装置に送信する際、前記情報処理装置からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、第2の通信手段により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、前記選択手段により、前記記録手段に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、第2の通信手段により、転送データを送信するステップとを実行することを特徴としている。
【0019】また、より好ましくは、前記情報処理装置では、前記通信端末装置に対して、前記第2の送信要求による通信装置を指定する際、記録手段に記録されているアドレス情報、又は、前記通信端末装置への送信要求に応じて該通信端末装置から送信されたアドレス情報を、選択手段により、利用者に選択させるステップを実行するものであってもよい。
【0020】このように構成された本発明のデータ送受信システム及びデータ転送方法は、情報処理装置側で、メール送信先項目等にデータが入力されていない場合においても、入力エラー等の処理を行うことにより、情報処理装置側での入力が確定していないと、通信端末装置のメール機能が使えないような状況を回避することができる。すなわち、送信先アドレスが入力されていない場合には、通信端末装置側で、送信先アドレスを入力するシステムとなり、通信端末装置側のアドレス帳を、わざわざ、情報処理装置側にデータ転送しなくてもよいものとなる。
【0021】また、本発明は、コンピュータを、情報処理装置との間でデータを送受信する第1の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第2の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記情報処理装置からの送信要求に応じて、前記記録手段に記録されているアドレス情報を、前記第1の通信手段により、送信する制御を行うとともに、前記情報処理装置からの指示に従って、前記第1の通信手段により受信した該情報処理装置からの転送データを、前記第2の通信手段により、対応する通信装置に送信する制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記情報処理装置からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、前記選択手段により、前記記録手段に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、転送データを送信する通信端末装置として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】また、本発明は、コンピュータを、通信端末装置との間でデータを送受信する第3の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第4の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、該通信端末装置の記録手段の記録内容を要求する第1の送信要求を行うとともに、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、転送データを前記通信端末装置を経由して通信装置へ送信する第2の送信要求を行い、前記第2の送信要求による通信装置の指定の際、前記記録手段に記録されているアドレス情報、又は、前記通信端末装置への要求に応じて該通信端末装置から送信されたアドレス情報を、前記選択手段により、利用者に選択させる制御手段とを備える情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本発明の好適なデータ送受信システム及びデータ転送方法の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置が適用されるメール通信システムの構成を示す図である。本実施の形態に係る情報処理装置は、パケット通信を行うネットワークを介してサーバコンピュータに接続されたパーソナルコンピュータ(パソコン)、また通信端末装置は、PDA等の携帯情報端末、携帯電話機/PHSに適用した例である。
【0024】図1において、100はパソコン(情報処理装置)、200はメール送受信装置である携帯端末(通信端末装置)、350は一般公衆回線300及びインターネット接続プロバイダ400を介して接続されるインターネット350であり、インターネット350は、世界中に張り巡らされたアナログ及びデジタル回線網で、この回線を介して他の端末とメールの送受信を行う。インターネット350には、メールプロバイダ410、基地局である携帯メールサービス420等が接続されている。インターネット350を介して送られてきたメールがメールプロバイダ410に到着すると、基地局である携帯メールプロバイダ410から携帯電話200へ着呼信号を送信する。すると、携帯電話200は、この着呼信号を受信して、携帯メールサービス420に接続の確立を要求し、携帯メールサービス420は接続を割り当て、その後両者間で同期信号などを送受信する。これにより接続が確立されたならば、携帯電話200は着呼応答信号を送信し、この着呼応答信号を受信した携帯メールサービス420は携帯電話200にメールを送信する。この図の場合は、無線通信により携帯メールサービス420から携帯電話200にメールを送信するものとする。
【0025】携帯電話200は、アナログ回線,ISDN回線,パケット回線,PHS回線,無線回線等からなる様々なインターネット350に接続されている。上記インターネット350は、各種サーバのコンピュータとパソコン100のローカルコンピュータの間を結ぶ、LAN(Local Area Network),DialUp接続等によるデータ通信手段を総称する概念である。また、ネットワークのアクセス回線としては、FTTH(Fiber To The Home)、HFC(Hybrid Fiber Coax:光同軸ケーブル)、及びADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の大容量回線、又はアナログモデムを利用した電話回線、PHS,携帯電話等を利用したワイヤレス回線等が利用可能である。
【0026】本実施の形態のシステム構成では、パソコン100は、インターネット接続プロバイダ400を介して、一般公衆回線300より、インターネット350に接続が可能となっており、パソコン100からの電子メールの送受信は、このインターネット350上に存在するメールプロバイダ410を通じて、また、携帯電話200は、無線通話(電話)用と同様の無線通信回線320を利用し、キャリア会社(基地局)内のホストコンピュータ(携帯メールサービス420)を介して、インターネット350に接続が可能となっており、携帯電話からの電子メールの送受信は、このインターネット350上に存在する携帯メールサービス420を通じて処理される。
【0027】また、パソコン100及び携帯電話200は、送受信された電子メールのデータ管理を行っているサーバへのアクセス形)は異なるものの、メールアドレスが異なるため個々に独立した電子メール機能を備えている。なお、以下の説明では、パソコン100と携帯電話200の所有者(使用者)は同一者であると利用シーンを想定している。
【0028】パソコン100は、赤外線ポートを備えたノート型パソコンからなる情報処理装置であり、本装置全体を制御するCPUからなるPCメール制御部110(制御手段,第1の送信要求手段,第2の送信要求手段)、LCDディスプレイ及び各ドライバ等で構成され、受信した電子メールの内容等を表示する表示部120、送信する電子メールのメール文等のデータ入力や各種機能の指示を行うためのキーボード及びマウス等のポインティングデバイス等で構成される入力部130、日時時刻を計時、あるいは、一定時間の経過を計測するための計時部140、HDD等から構成される各種データベース及びメモリを備えデータを記録する記録部150(記録手段)、モデムポート部からなりインターネット接続プロバイダ400に接続(コネクト)するグローバルな通信部160(第4の通信手段)、赤外線(IR)で通信を行う光通信ポート部からなり携帯電話200との間でのデータ交換/通信するためのローカルな通信部170(第3の通信手段)を備えて構成される。また、図示は省略するが、外部記録装置や各種機器を接続するためのインタフェースを備えている。
【0029】この記録部150には、送信/受信した電子メールの経歴や、電子メールを送信する可能性のある相手先(メールアドレス)等の各種データベースや、PCメール制御部110で利用するシステム定数(例えば、自機のメールアドレス)等が記録されている。また、メモリを有し受信データや、PCメール制御部110で利用する変数域を記憶する記憶領域が確保されている。
【0030】携帯電話200は、赤外線ポートを備えたPDA等の携帯情報端末やPHS/携帯電話機であり、本装置全体を制御するCPUからなるPCメール制御部210(制御手段,記録管理手段)、LCDディスプレイ及び各ドライバ等で構成され、受信した電子メールの内容等を表示する表示部220、送信する電子メールのメール文等のデータ入力や各種機能の指示を行うための機能キー,操作キー等で構成される入力部230、日時時刻を計時、あるいは、一定時間の経過を計測するための計時部240(記録管理手段の一部)、各種データベース及びメモリを備えデータを記録する記録部250(記録手段)、モデムポート部からなり携帯メールサービス420に接続(コネクト)するグローバルな通信部260(第2の通信手段)、赤外線(IR)で通信を行う光通信ポート部からなりパソコン100との間でのデータ交換/通信するためのローカルな通信部270(第1の通信手段)、新着メールの受信の旨を利用者に音声で通知するための音声出力部280を備えて構成される。
【0031】携帯電話200は、グローバルな通信部260を使用して携帯メールサービス420と無線通信を行い、インターネット350に接続する。両機器とも、実際には、電子メール機能以外の機能(パソコン100のPCメール制御部110は、PCアプリケーションプログラム実行形態、また、携帯電話200では、通話機能)が具備されており、説明の便宜上、パソコン/携帯電話と呼んでいるが、両機器ともメール専用機として使用している。PCメール制御部110及び携帯メール制御部210は、CPU等から構成され、制御プログラム、演算に使用するデータを記憶したメモリを用いて情報端末の各種処理を実行する。
【0032】特に、携帯メール制御部210は、携帯電話200からの送信要求に応じて、記録部250に記録されているアドレス情報を、ローカルな通信部270により、送信する制御を行うとともに、携帯電話200からの指示に従って、通信部270により受信した携帯電話200からの転送データを、グローバルな通信部260により携帯メールサービス420に接続された通信装置に送信する制御を行う制御部であり、詳細には、携帯電話200からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、グローバルな通信部260により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、記録部250に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、グローバルな通信部260により、転送データを送信する制御を行う。また、携帯電話200から送信され、通信部260により、通信装置に転送したデータを、記録管理する。
【0033】また、PCメール制御部110は、携帯電話200に対して、携帯電話200の記録部250の記録内容を、ローカルな通信部170により、送信要求するとともに、携帯電話200に対して、転送データを、ローカルな通信部170により、携帯電話200を経由し、通信部260を介して通信装置に送信するための送信要求し、この送信要求による通信装置の指定の際、自機の記録部150に記録されているアドレス情報、又は、携帯電話200への要求に応じて携帯電話200から送信されたアドレス情報を、前記選択手段により、利用者に選択させる制御を行う。
【0034】記録部150,250は、ROM、RAM等の半導体メモリとHDD等の記録装置からなり、ROMは各制御部110,210が動作する際に必要なプログラム、通信制御データ等の固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリである。また、ROMには、電子メールにより入力された制御信号から家電機器30の制御コマンドを解析するための制御情報及び機器固有の情報が格納されている。RAMは、文字表示に関するデータや演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとして使用される。また、RAMの一部は、電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically erasable programmable ROM)からなり、EEPROMに書き込むプログラムを変えることによって、特に携帯電話200における各種の仕様を変更することができる。すなわち、最近ではシステム開発のデバッグごとにマスクROMを変更する時間損失を回避するため、プログラムROMを不揮発性メモリ、例えばEPROM,EEPROMとし、プログラム開発・修正時間の短縮の大幅な短縮を図っている。また、プログラムをダウンロードしてEEPROMのプログラム内容を書き換えるようにすれば機能のアップグレードや機能の変更を容易に行うことが可能になる。
【0035】表示部120,220は、LCDディスプレイからなり、例えばパソコン100の表示部120は1024×768ドットマトリクス表示が可能である。この表示画面には、遠隔制御時には相手の機器の名称や制御情報が表示される。グローバルな通信部160,260は、公衆電話網などの通信回線を通じてデジタル・データを送受信する周辺機器である。ローカルな通信部170,270は、赤外線を利用してデータを伝送するための規格、IrDA(Infrared Data Association),ASK等に準拠して光通信を行うためのI/Oポートである。ローカルな通信部170,270は、送出された信号を受信するための受光部を備える。
【0036】パソコン100が有するインタフェースは、PCMCIA(Personal Computer Memory Card Interface Association)規格として規定されるPCカードインタフェース部、SDメモリカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード等を接続するための挿入スロット及びコネクタからなるカード接続部である。携帯電話200の音声出力部280は、音声データ生成チップ,D/Aコンバータ,アンプ及びスピーカ等を備え、音声データ生成チップを用いてメール内容の音声合成を行いスピーカにより音声出力する。
【0037】上記制御部110,210、表示部120,220及び入力部130,230は、全体として、記録部150,250に記録されているアドレス情報を、表示し利用者に選択させる選択手段を構成する。メールプロバイダ410及び携帯メールサービス420は、複数の端末の電子メールを送受信管理するメールサーバである。
【0038】メールプロバイダ410は、各ユーザの管理処理等を実行するホストコンピュータなどから構成され、情報を蓄積するデータベースを備えている。メールプロバイダ410は、端末からの要求(受信したメールの送信要求)に応じて受信メールを送信する制御を行う。携帯メールサービス420は、特定の端末(メールアドレス)へのメールの受信が発生した際、無線回線320を介して、一定のタイミングで、端末にメールの受信があった旨を通知する。以下、上述のように構成された通信端末装置の動作を説明する。まず、パソコン100のPCメール制御部110の動作について説明する。
【0039】図2乃至図9は、パソコン100のPCメール制御部110の制御内容を示すフローチャートである。本フローはPCメール制御部110のCPUにより実行される。図中、Sはフローの各ステップを示す。図2R>2は、パソコン100側の図示しないシステム電源が投入された時にエントリされる最初の制御内容を示している。まず、ステップS1でメイン画面(ウィンドウ)を表示する。表示されたメイン画面(ウィンドウ)に対して、後述するステップS2、S4等で利用者が入力部130により指定項目を選択可能である。
【0040】次いで、ステップS2で利用者が入力部130を通じて、送信用のメールデータの作成を指示したか否かを判別し、メールデータ作成を指示していなければ、ステップS3でローカル通信部170を介して携帯電話200から特別なメール(「特別なメール」については、携帯電話200の制御(図11のステップS606,ステップS607)において後述する)の受信通知があったか否かを判別する。
【0041】特別なメールを受信した旨の出力がなかったときは、ステップS4で受信メールの確認を目的として、利用者が入力部130を通じてメールプロバイダ410へのアクセスを指示したか否かを判別する。メールプロバイダ410の接続でないときは、図中破線で示すステップS5でメール表示処理等を行って上記ステップS2に戻る。すなわち、本発明の特徴部分である上記制御以外に、実際には、過去に受信したメールや過去に発信したメールのリスト表示の指示や、リスト表示されたメールデータの1つのデータを選択指示することによって、そのメール内容を表示する等の制御(ステップS5)も必要であるが、これらについては、直接、本発明に関係しないことから、詳細については省略する。
【0042】上記ステップS2で利用者が入力部130を通じて送信用のメールデータの作成を指示したとき、上記ステップS3でローカル通信部170を介して携帯電話200より特別なメールを受信した旨の出力があったとき、あるいは、上記ステップS4で利用者が入力部130を通じてメールプロバイダ410へのアクセスを指示したときの、利用者指示又はローカル通信部170の受信の、いずれかが発生した場合には、個々のエントリ10(図3)、エントリ20(図8)、エントリ30(図9)に移行する。
【0043】図3乃至図7は、利用者が入力部130を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。図14は、送信メール作成用の表示画面の一例を示す図である。図14において、b1はアドレス帳のオープン指示ボタン(宛先ボタン)、b2はPCのメール送信指示ボタン、b3は携帯電話経由のメール送信指示ボタン(転送ボタン)、c1は各指示ボタンにおけるアドレス帳指定チェックボックスである。c1がチェックの場合は携帯アドレス帳、c1が未チェックの場合はPCアドレス帳が、オープン又は指示される。また、i1はアドレス帳のオープン指示ボタンb1の後に表示されるメール送信先入力フィールド、i2はタイトルの後に表示されるメールタイトル名入力フィールド、i3はメール本文入力フィールドである。
【0044】図3のフローにおいて、まず、ステップS100で図14に示すような、個々の入力フィールドに何も入力(表示)されていないメール作成用の画面(ウィンドウ)を表示し、ステップS101で個々の入力フィールドに対応した変数を初期化する。ここで、変数c1_fは、アドレス帳指定チェックボックスc1のチェック状態を記録している変数であり、未チェック状態の時は0値を、チェック状態の時は1値をとる。なお、初期値は0値(未チェック状態)に設定される。
【0045】また、チェックボックスc1の設定状態(未チェック状態かチェック状態か)によって、宛先ボタンb1が押下された時の対象とするアドレス帳の選択肢が異なり、未チェック状態(変数c1_fが0値)の時はパソコン100のアドレス帳を、チェック状態(変数c1_fが1値)の時は携帯電話200のアドレス帳を利用する。また、変数S_Adrは、メール送信先入カフィールドi1の入力(表示)内容を記録する文字型配列変数で、初期値はNULL(何も入力されていない)に設定される。
【0046】さらに、変数S_Titleは、メールのタイトル(サブジェクト)の入力フィールドi2の入力(表示)内容を記録する文字型配列変数、また、変数S_Msgは、メール本文の入力フィールドi3の入力(表示)内容を記録する文字型配列変数であり、いずれも、初期値は、変数S_Adrと同様に、NULLに設定される。
【0047】上述した個々の入力フィールドに対応した変数の初期化処理後、入力部130のマウス等のポィンティングデバイス操作によって、利用者がメール作成用の画面(ウィンドウ)上の、チェックボックスc1のクリック操作を行ったか(ステップS102)、宛先ボタンb1のクリック操作を行ったか(ステップS103)、転送ボタンb3のクリック操作を行ったか(ステップS104)、送信ボタンb2のクリック操作を行ったか(ステップS105)、利用者操作の有無をチェックする。上記いずれの利用者操作がなかった場合(ステップS105のNO)には、後述するエントリ13(図4R>4)に移行する。
【0048】上記ステップS102でチェックボックスc1のクリック操作が行われたときは、ステップS110でチェックボックスc1の表示状態を示す変数c1_f値を反転するために変数c1_f値をチェックする。c1_f値が1値の場合には、ステップS111でチェックボックスc1を未チェック状態に表示更新し、ステップS112で変数c1_f値を0値に変更する(c1_f←0)。また、変数c1_f値が0値の場合には、ステップS113でチェックボックスをチェック状態に表示更新し、ステップS114で変数c1_f値を1値に変更する(c1_f←1)。
【0049】上記、チェックボックスc1の表示状態の変更、及び変数c1_f値の反転処理を行った後は、次の、利用者の入力部130に対する操作の有無をチェックするために、ループエントリL1(ステップS102)に戻る。上記ステップS102でチェックボックスc1のクリックが行われなかったときは、ステップS103〜ステップS105で各ボタン、すなわちアドレス帳のオープン指示ボタン(宛先ボタン)b1、PC経由のメール送信指示ボタンb2、携帯電話経由のメール送信指示ボタンb3の、クリック操作が行われたか否かを判別する。
【0050】宛先ボタンb1のクリック操作が行われたときは、エントリ15(図5)に移行し、転送ボタンb3のクリック操作が行われたときは、エントリ18(図7R>7)に移行する。上記ステップS105で送信ボタンb2のクリック操作が行われたときは、ステップS120で変数S_Adrと変数S_Msgのいずれか一方がNULLか否か、すなわち、メールの送信先かメール本文のいずれかが入力されていないか否かをチェックし、いずれかが入力されていない時には、ステップS121で利用者に送信データが正しく入力されていない旨を意味するエラーを通知(表示通知でも音声通知でも特に問題はない)し、ループエントリL1(ステップS102)に戻る。
【0051】また、上記ステップS120で変数S_Adr、S_Msgともに、何らかの入力がなされている時には、ステップS122でインターネット接続プロバイダ400に接続(ダイヤルアップ)した後、メールプロバイダ410に、変数S_Adr、S_Title、S_Msgの内容を出力し、ステップS123でメール作成用の画面(ウィンドウ)を消去(クローズ)して、図2のループエントリL0に戻る。一方、上記ステップS105で送信ボタンb2のクリック操作が行われなかったときは、チェックボックスc1、宛先ボタンb1、転送ボタンb3、送信ボタンb2のいずれの利用者操作がなかった場合であり、この場合の制御内容を、エントリ13(図4)で示す。
【0052】図4に示すエントリ13では、キーボード等の入力部130によって、利用者が、メール送信先入カフィールドi1に対しての文字入力、メールのタイトル(サブジェクト)の入力フィールドi2に対しての文字入力、メール本文の入力フィールドi3に対しての文字入力を行ったか否かをチェックし(ステップS130〜ステップS132)、いずれの入力フィールドに対しても文字入力を行わなかったときは(ステップS132のNO)、次の、利用者の入力部130に対する操作の有無をチェックするために、ループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。
【0053】上記ステップS130でメール送信先入カフィールドi1に対しての文字入力が行われたときは、ステップS140で入力文字を、変数S_Adrに対して加算記録するとともに、メール送信先入カフィールドi1に対して加算表示し、文字カーソルを更新(1左に移動)してループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。
【0054】上記制御において、実際には、Deleteキーやカーソルキーの入力に伴う入力文字の削除や文字カーソルの移動制御、入力フィールド以上の文字が入力された時のスクロール制御等のエディタ制御が必要となるが、これらについては、本発明と直接関係がないため詳細な説明は省略する。なお、この点については以下の入力フィールドi2、i3に対しても同様に説明を省略する。
【0055】上記ステップS131でメールのタイトル(サブジェクト)の入力フィールドi2に対しての文字入力が行われたときは、ステップS141で入力文字を、変数S_Titleに対して加算記録するとともに、メールのタイトル(サブジェクト)の入力フィールドi2に対して加算表示し、文字カーソルを更新(1左に移動)してループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。
【0056】上記ステップS132でメール本文の入力フィールドi3に対しての文字入力が行われたときは、ステップS142で入力文字を、変数S_Msgに対して加算記録するとともに、メール本文の入力フィールドi3に対して加算表示し、文字カーソルを更新してループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。
【0057】図3のフローに戻って、上記ステップS103で宛先ボタンb1のクリック操作が行われたと判断した時の制御内容を、エントリ15以降(図5及び図6R>6)で示す。図5に示すエントリ15では、まず、ステップS150で変数c1_f値が0値か否か、すなわち、チェックボックスc1が未チェック状態か否かをチェックし、未チェック状態の時には、ステップS151で本機(パソコン100)の記録部150に記録されているアドレス帳データベースPCADの内容で、図15に示されるメールアドレス選択画面(ウィンドウ)を表示し、後述するエントリ16(図6)へ移行する。ここで、メールアドレス選択画面(ウィンドウ)の仕様例について、図15を用いて説明する。
【0058】図15は、メールアドレス選択画面(ウィンドウ)の仕様例を示す図である。図15において、表示領域d1は、アドレス帳データベース(PCAD/TELAD)に記録されているデータを表示する領域であり、図15に示すように、本実施の形態では、名前とメールアドレスとを対で表示している。すなわち、少なくとも、アドレス帳データベースに記録されている内容は、名前とメールアドレスとが対になって管理されているものである。
【0059】また、表示領域d2は、現在、表示(選択)中のアドレス帳データが本機(パソコン100)のものか、それとも、携帯電話200から得たものかを示す表示領域である。上述したステップS151の制御の場合には、図15に示される表示例とは異なり、表示領域d2には“パソコン”が表示される。
【0060】また、宛先選択用カーソルs1は、現在選択中のアドレスデータを意味し、TOボタンb4がクリック(操作)された際に、メール送信先アドレスの表示領域d3に加算表示されるアドレスデータを示す。正確には、すでに、何らかのメール送信先が入力/表示されている場合には、“,(カンマ)”でセパレートする等、複数のメールアドレスが入力/指定できるようにする必要がある。
【0061】また、宛先指定決定ボタンb5は、本ボタンがクリック(操作)された時点で、メール送信先アドレスの表示領域d3に表示されている文字列を、メール送信先として確定(本メールアドレス選択画面が消去された後、図14のメール作成用の画面のフィールドi1に確定した文字列の内容がそのまま転記される)させるボタンである。また、宛先指定キャンセルボタンb6は、メール送信先アドレスの表示領域d3に表示されている文字列をキャンセルし、本メールアドレス選択画面を消去するためのボタンである。
【0062】図5のエントリ15のフローに戻って、上記ステップS150でチェックボックスc1がチェック状態の時、すなわち、表示・選択対象のアドレス帳が携帯電話200側である場合には、ステップS152でローカル通信部170を介して、携帯電話200にアドレス帳データの送信要求コマンドを出力し、この要求に対しての返答(アドレス帳データの送信)を、規定時間内に、ローカル通信部170を介して受信したか否か、すなわち、携帯電話200よりのアドレス帳データの送信有無をチェックする(ステップS153,ステップS154)。
【0063】送信要求コマンドが送出されてから規定時間が経過したときは、アドレス帳データの送信がされなかったと判断して、ステップS155で本機(パソコン100)の近傍(ローカル通信部170で受信できる場所)に、携帯電話200が存在しない旨を意味するエラーを通知してループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。
【0064】上記ステップS154で、携帯電話200から送信要求に対するアドレス帳データの送信があった時には、ステップS156で該当送信データを記録部150内に領域確保されている変数域TELADに記録し、ステップS157で受信・記録した変数TELADの内容で、図15に示されるメールアドレス選択画面(ウィンドウ)を表示し、エントリ16(図6)に移行する。
【0065】エントリ16は、上述したメールアドレス選択画面(ウィンドウ)を表示処理後の制御内容を示す。まず、ステップS160でカーソルs1の表示位置を意味する変数CPosを初期化(第1番目のアドレスデータを意味する1値を代入)するとともに、現在の変数S_Adrの内容、すなわち、図14のメール作成用の画面(ウィンドウ)のフィールドi1の表示内容と同一の文字列を変数B_Adr(本メールアドレス選択画面の入力制御のみで使用されるメール送信先を記録する文字型配列変数)にコピーし、さらに、変数S_Adr(B_Adr)の内容を表示領域d3に初期表示する。
【0066】ステップS161〜ステップS164では、カーソルキー及びマウス操作による利用者操作の有無をチェックする。すなわち、ステップS161でキーボード等の入力部130によって、利用者が上下カーソルキーの入力操作を行ったか否かを判別し、カーソルキーの入力操作でないときは、ステップS62でマウス等の入力部130によって、利用者がメールアドレス選択画面(ウィンドウ)のTOボタンb4のクリック操作を行ったか否かを判別する。TOボタンb4のクリック操作でなければ、ステップS163で決定ボタンbSのクリック操作を行ったか否かを判別し、決定ボタンbSのクリック操作を行っていなければステップS164で閉じるボタンb6のクリック操作を行ったか否かを判別する。
【0067】上記いずれの利用者操作がなかった場合(ステップS164のNO)には、次の、利用者の入力部130に対する操作の有無をチェックするために、ステップS161のループエントリL2に戻る。上記ステップS161で上下カーソルキーの入力操作が行われたときには、ステップS165でカーソルs1をカーソルキーの入力に応じた場所(下カーソルなら1行下、上カーソルなら1行上)に表示更新し、ステップS166で変数CPos値も、カーソルキーの入力に応じて更新(下カーソルなら1インクリメント、上カーソルなら1デクリメント)して、ステップS161のループエントリL2に戻る。
【0068】上記制御において、実際には、エラー処理(例えば、先頭のデータにカーソルが存在する時の上カーソルキー入力の際、変数CPos値もカーソルs1の表示も更新しない等の処理が必要)やスクロール処理等の制御が必要となるが、これらについては、本発明と直接関係がないため詳細な説明は省略する。
【0069】上記ステップS162でTOボタンb4のクリック操作が行われたときには、ステップS167で現在のカーソルs1が示す、すなわち、アドレス帳データ(PCADもしくはTELAD)のメールアドレスが記録されているフィールドの変数CPos番目の内容を、変数B_Adrに加算記録し、表示フィールドd3に加算表示してステップS161のループエントリL2に戻る。
【0070】上記ステップS163で決定ボタンb5のクリック操作が行われたときには、ステップS168でその時点の変数B_Adrを変数S_Adrにコピーして(S_Adr←B_Adr)ステップS169に進む。また、上記ステップS164で閉じるボタンb6のクリック操作が行われたときには、そのままステップS169に進む。
【0071】ステップS169では、メールアドレス選択画面(ウィンドウ)を消去(クローズ)し、ステップS170でメール作成用の画面(ウィンドウ)のメール送信先入カフィールドi1に、その時点の変数S_Adrを再表示してループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。
【0072】図7のエントリ18は、図3のステップS104で、転送ボタンb3のクリック操作が行われたと判断した時の制御内容を示す。まず、ステップS180で現在の変数S_Msg(メール本文)にパソコン100側の自分のメールアドレスを含む規定のメッセージ(利用者が予め用意したメッセージが好ましい)を機械的に加算する。
【0073】なお、この制御によって、メールを受信した側から見た場合、以下のような効果を得ることが期待できる。・「送られてきたメールの送信者メールアドレスは、携帯電話200のメールアドレスだが、どうも、パソコン100で入力し、携帯電話200の経由で送信したものだ」ということを直感できる。すなわち、・いま、メールを送信された瞬間には、送信者は、パソコン100の前に居ることが分かるメッセージをメール本文に追加することを意味する。これにより、メールを受信した者が返信メールを送信する際、「携帯電話200側のメールアドレスに返信するべき」か「パソコン100側のメールアドレスに返信するべき」かの判断材料の情報として利用できる可能性がある。
【0074】特に、・携帯電話200に備えられているメール機能は、基本的に、着信と同時に、プロバイダ(サーバ)から通知される。・携帯電話200の表示装置は、サイズ/解像度が小さいことから、長文のメール文を確認するのに不快感を持つ。等を考慮すると、返信者の・返信メールを送信する際、「メール受信からそれほど(数分程度)時間が経過していないので、パソコン100側にも、メールしてあげよう…」と見当つけられることは、その返信メールを受信する側にとって、とてもありがたい配慮であると言える。
【0075】図7のフローの説明に戻り、ステップS181でローカル通信部170を介して、携帯電話200に、変数S_Adr、S_Title、S_Msgの内容を出力し、ステップS182で携帯電話200からローカル通信部170を介して、規定時間内のデータ受信の完了を意味する通知をチェックする(ステップS182、ステップS185)。
【0076】規定時間内にデータ受信の完了通知が送信されなかった場合には、ステップS183で本機(パソコン100)の近傍(ローカル通信部170で受信できる場所)に、携帯電話200が存在しない旨を意味するエラーを通知し、ステップS184で、上記ステップS180で変数S_Msgに加算した携帯電話200を経由してメール送信した旨を意味する文字列を取り除き、ループエントリL1(図3のステップS102)に戻る。上記ステップS185で携帯電話200からデータ受信の完了通知が送信されたときには、ステップS186でメール作成用の画面(ウィンドウ)を消去(クローズ)し、図2に示すループエントリL0に戻る。
【0077】図8のエントリ20は、図2のステップS3で、ローカル通信部170を介して、携帯電話200から特別なメールを受信したことにより、そのメールデータ送信があった時の制御内容を示す。まず、ステップS200で携帯電話200から送信されるデータを、記録部150内に領域確保されている変数域R_Adr、R_Title、R_Msgに、個々に対応付けて記録し、ステップS201でデータを受信した旨を、ローカル通信部170を介して、携帯電話200に出力する。次いで、ステップS202で受信したデータ(変数R_Adr、R_Title、R_Msgに記録した内容)を、表示部120に出力する。
【0078】なお、この携帯電話200経由で受信したメールも、他の通常に受け取ったメールと同一の記録領域に記憶して管理してもよいが、「利用者は機器毎に利用する目的を決めて使用している」というコンセプトに鑑み、この点をより明確にするという意味から、本実施の形態では、別管理としている。これは、後述する図9のステップS303において通常の受信したメールを記録する受信メール記録エリアには、携帯電話200経由で受信したメールは記録せず、単に表示するのみにとどめていることに示される。
【0079】ステップS203では、上記ステップS202の受信したデータの表示画面(ウィンドウ)を「閉じる」という利用者の入力部130に対する操作をウェイトし、表示画面を閉じる操作が行われたときには、ステップS204で表示画面(ウィンドウ)を消去(クローズ)し、図2に示すループエントリL0に戻る。
【0080】図9のエントリ30は、図2のステップS4で、受信メールの確認を目的に、利用者が入力部130を通じて、メールプロバイダ410へのアクセスを指示した時の制御内容を示す。まず、ステップS300でインターネット接続プロバイダ400に接続(ダイヤルアップ)し、ステップS301で本プロバイダを介して、メールプロバイダ410に接続し(S300)、本メールプロバイダ410に、自分(パソコン100側のメールアドレス)宛てに送信されたメールの送信を要求する(S301〜S302)。ステップS303では、その要求に応じて送信されたメールデータを、記録部150内に領域確保されている受信メールを記録・管理する記録エリアに加算記録する。受信メールは、基本的に新着分のみが出力される。
【0081】ここで、受信メールのリスト表示が行われている状態が、一般的であるため、上記ステップS303後、ステップS304でその受信メールリスト画面(ウィンドウ)の表示更新を行った後、図2に示すループエントリL0に戻る。以上が、パソコン100のPCメール制御部の制御内容である。次に、携帯電話200側の携帯メール制御部210の動作について説明する。
【0082】図10乃至図13は、携帯電話200側の携帯メール制御部210の制御内容を示すフローチャートである。図10のフローは、携帯電話200内に図示しないバッテリ(電池)が挿入され、携帯メール制御部210に対して電源供給がなされた時にエントリされる最初の制御内容を示す。まず、ステップS500で携帯メールサービス420より、無線回線320を介して、グローバルな通信部260に新着メールの通知があったか否かをチェックし、新着メールの通知がなければ、ステップS501で利用者の入力部230の操作により、送信メールの作成指示がなされたか否かをチェックする。送信メールの作成指示がなければ、ステップS502でローカルな通信部270を通じて、パソコン100より、メールの経由送信要求(メールデータの送信)が発生したか否かをチェックし、メールの経由送信要求がなければ、ステップS503でローカルな通信部270を通じて、パソコン100より、自機(携帯電話200)のアドレス帳データの送信要求が発生したか否かをチェックする。チェックの結果により、個々のエントリ60(図11)、エントリ70(図12)、エントリ90(図13)に移行する。なお、上記制御以外に、実際には、電話(通話)用の入力部230の操作に伴う制御(ステップS504)も必要となるが、これらについては、直接、本発明に関係しないことから、詳細な説明は省略する。
【0083】上記ステップS503で、パソコン100から自機(携帯電話200)のアドレス帳データの送信要求が発生したときには、ステップS510で記録部250内に記録されているアドレス帳データベースTELADの内容を、ローカル通信部270を通じて、パソコン100に送信して上記ステップS500に戻る。この場合、受信(パソコン100)に送信するデータは、パソコン100が受信できる形態/仕様であることが必要であり、少なくとも名前とその名前に対応つけられたメールアドレスのデータだけは送信される必要がある。
【0084】図11は、上述した携帯メールサービス420より、無線回線320を介して、グローバルな通信部260に新着メールの通知があった場合の制御内容を示すフローチャートである。まず、ステップS600で携帯メールサービス420に新着メールデータの送信を要求し、ステップS301でデータが送信されるまでウェイトする。データが送信されると、ステップS602でそのメールデータを記憶部250内に領域確保されている受信メール記録・管理する記録エリアに加算記録し、ステップS603で新着メールを受信した旨を音声出力部280で利用者に通知する。
【0085】次いで、ステップS604で利用者により、入力部230の新着メールの表示を意味するボタン(本実施の形態では、図16に示されるボタンB3)が押下されたか否かをチェックし、押下が発生した時は、ステップS610で新着メールを表示し、ステップS611で再度、ボタンB3が押下されるまでウェイトし、押下されると、ステップS612で表示した新着メール内容を消去(ここでの消去とは、省電力制御として、表示部220への電源供給を遮断する意味を含む)して、図10のループエントリL5に戻る。
【0086】上記ステップS604で、ボタンB3の押下が発生していないときには、ステップS605で新着メール受信の旨を音声出力してから規定時間経過したか否かをチェックし、規定時間経過していない時は、ステップS604に戻って再度、ボタンB3の押下が発生していないかのチェックを行う。規定時間経過した時には、ステップS606でパソコン100から本機(携帯電話200)経由でメール送信されたメールの返信メールであるか否かをチェックする。本機(携帯電話200)経由でメール送信されたメールの返信メールであって、かつ、送信した時刻から規定時間内に返信されたメールの場合には、ステップS607でこの新着メールを、ローカル通信部270を通じて、パソコン100に送信し、そうでなければ、ボタンB3の押下が発生していないかのチェックステップS604に戻る。
【0087】ステップS608では、パソコン100で正常に受信したか否かを、規定時間内に受信が完了した旨の通知がローカル通信部270を通じて送信されたか否かをチェックし、規定時間を経過していれば上記ステップS604に戻って上述した処理を繰り返し、規定時間を経過していなければステップS609で受信通知があったか否かを判別する。
【0088】上記ステップS608及びステップS609により、規定時間内に、受信が完了した旨の通知がローカル通信部270を通じて送信されたときには、パソコン100側で正常に受信したと判断して、図10のループエントリL5に移行し、正常に受信しなかったと判断した場合には、上記ステップS604に戻ってボタンB3の押下が発生していないかのチェックを行う。
【0089】上記ステップS607でパソコン100に送信されるメールデータが、前述した、PCメール制御部110の制御内容の説明文における「特別なメール」(図2のステップS3で処理されるメールデータ)のことである。すなわち、本実施の形態では、従来技術と異なり、携帯電話200で受信したメールをパソコン100側に転送すべきか否かを、予め(パソコン100の存在に関係なく)、機械的に制約制御しており、本制御も、「利用者は機器毎に利用する目的を決めて使用している」というコンセプトに基づく制御である。
【0090】また、ある送信メールに対する返信メールか否かを判断する方法には、例えば、送信したメールのタイトルに、文字列“Re:”が加算されたタイトルになっているか否か等で判断する等が考えられるが、この場合は、さらに、「送信した時刻からの規定時間以内」という条件も付与されることから、単に、送信時の「送信先」と受信時の「送信元」とが一致するか否か、すなわち、ステップS606による、「送信した時刻から一定時間内に送信した者から送信されたメールか否か」という判断だけで何ら問題はない。
【0091】上記ステップS604で、ボタンB3の押下が発生しているときには、ステップS610で新着メールを表示し、ステップS611でボタンB3の押下が発生していないかのチェックを行う。ボタンB3が押下されると、ステップS612で表示を消去して図10のループエントリL5に移行する。
【0092】図12のエントリ12は、利用者の入力部230の操作により、送信メールの作成指示がなされた時(図10のステップS501)の制御内容を示す。まず、ステップS700で記録部250内に領域確保されている送信アドレスデータの各フィールドの記録領域域、文字型配列変数T_S_Adr、T_S_Title、T_S_Msgをそれぞれ初期化し(NULLを代入)、ステップS701で現在の選択されている入力フィールドを示す変数SelFDの初期化(0値:本文フィールド)し、ステップS702で表示部220を送信メール入力用の画面に初期表示する。ここで、図16を用いて、携帯電話200側のメール作成画面の仕様例について説明する。
【0093】図16は、携帯電話200側のメール作成画面の仕様例を示す図である。図16において、表示領域D1は、入力中のメールデータの表示領域であり、1行目はメールタイトル(サブジェクト)の、2行目移行はメール本文の表示領域である。また、その入力/表示内容は、個々の変数、前者は変数T_S_Title、後者は変数T_S_Msgに記録されている。
【0094】また、選択中の入力フィールドC1は、タイトル/本文のどちらの入力フィールドが選択されているかを示すカーソルであり、表示状態は変数SelFD値と一致し、SelFDが0値の場合には“本文”側に、SelFDが1値の場合には“タイトル”側のフィールド名に印(文字色が異なる等)がついている。また、C2は、文字の入力位置を示すカーソルである。
【0095】図12のフローに戻って、ステップS703〜ステップS705は、利用者の入力部230に対する入力操作に伴う制御である。すなわち、ステップS703で文字入力操作がなされたか否かをチェックし、文字入力操作がなければステップS704で切替ボタンB1が操作されたか否かをチェックし、切替ボタンB1が操作されていなければ、ステップS705でアドレスボタンB2が操作されたか否かをチェックする。いずれの入力・操作が行われなかったときには、再度、これら入力・操作のチェックを行うために、ループエントリL6に戻る。
【0096】上記ステップS703で文字入力操作がなされたときには、ステップS710で変数SelFD値をチェックし、変数SelFD値が0値、すなわち、メール本文の入力フィールドが選択されている時には、ステップS712で入力文字を、変数T_S_Msgに加算記録するとともに、メール本文の表示フィールドに加算表示し、文字カーソルC2を入力文字数分更新してループエントリL6に戻る。
【0097】また、上記ステップS710で変数SelFD値が1値、すなわち、メールタイトルの入力フィールドが選択されている時には、ステップS711で入力文字を、変数T_S_Titleに加算記録するとともに、メールタイトルの表示フィールドに加算表示し、文字カーソルC2を入力文字数分更新してループエントリL6に戻る。
【0098】上記ステップS704で切替ボタンB1が操作されたときには、ステップS720で変数SelFD値を反転(0値なら1値に、1値なら0値に)し、ステップS721で新SelFD値に応じてカーソルC1の表示を更新して、ループエントリL6に戻る。
【0099】さらに、上記ステップS705でアドレスボタンB2が操作されたときには、ステップS730で変数T_S_MsgがNULLか、すなわち、本文フィールドに何も文字入力がなされていない状態でないか否かをチェックし、何も入力されていない状態である時には、ステップS731で利用者に送信データが正しく入力されていない旨を意味するエラーを通知(表示通知でも音声通知でもよい)して、ループエントリL6に戻る。文字入力されている時には、後述するエントリ85(図13のステップS803)に移行する。
【0100】図13のエントリ85は、ローカルな通信部270を通じて、パソコン100より、メールの経由送信要求(メールデータの送信)が発生した場合の制御内容を示す。まず、ステップS800でパソコン100より送信されたメールデータを、記録部250内に領域確保されている変数T_S_Adr、T_S_Title、T_S_Msgに受信記録し、ステップS801でデータの受信が完了した旨をローカルな通信部270を通じて、パソコン100に通知する。
【0101】ステップS802で変数T_S_Adrが設定されているか否か、すなわち、パソコン100からデータ送信された時点で、メール送信先が設定されているか否かをチェックする。すでに、メール送信先が設定されている場合には、後述するステップS811以降の、送信メールデータの携帯メールサービス420への送信制御に移行する。上記ステップS802でメール送信先が設定されていない時には、上述した、携帯電話200側の送信メールの作成制御からエントリされるエントリ85(ステップS803)に進む。
【0102】エントリ85(ステップS803)では、まず、選択中のアドレス帳データのデータNoを意味する変数ANoを1値(第1番目のアドレス帳データが選択されていることを意味する)に初期化し、ステップS804でこの変数ANoで示されるアドレス帳データを表示する。
【0103】図17は、アドレス帳データの選択画面例を示す図である。図17に示すように、本実施の形態では、1データのみを表示ものとし、ボタンB1、ボタンB2で表示データの切替を、さらに、ボタンB3で送信先確定後、送信する仕様(すなわち、複数指定はできない)としている。
【0104】図13のフローに戻って、ステップS804でアドレス帳データの表示処理後、ステップS805で利用者により、確定ボタンB3が操作されたか否かをチェックし、確定ボタンB3が操作されていなければ、ステップS806で前候補ボタンB2が操作されたかをチェックする。前候補ボタンB2が操作されていなければ、ステップS807で次候補ボタンB1が操作されたか否かをチェックし、次候補ボタンB1が操作されていなければ、いずれのボタン操作も行われなかったと判断して、再度、利用者の操作の有無をチェックするために、ループエントリL7(ステップS805)に戻る。また、いずれかのボタン操作(押下)が行われたときは、個々の制御に移行する。
【0105】まず、確定ボタンB3が操作されたと判断した時には(S805:YES)、変数T_S_Adrに、現在の変数ANo値で示されるアドレスデータのメールアドレスフィールドの内容を記録し(S810)、後述する(ステップS811移行の)、送信メールデータの携帯メールサービス420への送信制御に移行する。
【0106】上記ステップS802でパソコン100からデータ送信された時点で、メール送信先が設定されている場合、あるいは、ステップS810の確定ボタン805の操作に伴い、表示されているアドレス帳データのメールアドレスを、メール送信先として確定させた場合、ステップS811で携帯メールサービス420に、変数T_S_Adr、変数T_S_Title、変数T_S_Msgの内容を、グローバル通信部260を通じて出力し、ステップS812でパソコン100から送信要求された送信メールか否か、すなわち、エントリ80よりエントリされたものか、エントリ85よりエントリされたものかをチェックする。
【0107】パソコン100から要求されたメール送信の場合には、前述した図11のステップS606の制御のために、すなわち、返信メールをパソコン100に転送すべきか否かを判断するために、ステップS813で計時部240より取得した現在の日時(メール送信日時)とともに、送信したメール内容(この際に管理・記録するメール内容は、送信先情報T_S_AdrとメールタイトルT_S_Title程度でも十分に目的は達する)を、記録部250の管理エリアに記録・管理してステップS814に進む。また、パソコン100から要求されたメール送信でない場合には、上記ステップS813をスキップしてステップS814に進む。ステップS814では、アドレス帳データの表示を消去(ここでの消去とは、省電力制御として、表示部220への電源供給を遮断するという意味を含む)し、図10のループエントリL5に戻る。
【0108】一方、上記ステップS806で前候補ボタンB2が操作されたときには、変数ANo値を、現在より1つ前のデータを示す値に設定するために、ステップS820で変数ANo値を1デクリメントし、ステップS821で変数ANo値が0値か否かをチェックする。変数ANo値が0値、すなわち、先頭データより前のデータを示す値となった場合には、ステップS822で変数ANo値を、最終データを示す値MAXに設定し、さらに、ANo番目のアドレス帳データを表示するために上記ステップS804に戻る。
【0109】上記ステップS807で次候補ボタンB1が操作されたときには、変数ANo値を、現在より1つ後のデータを示す値に設定するために、ステップS830で変数ANo値を1インクリメントし、ステップS831で変数ANo値が最終データを示す値MAXか否かをチェックする。変数ANo値がデータ数より大きな値MAX、すなわち、最終データより後のデータを示す値となった場合には、ステップS832で変数ANo値を、先頭データを示す値(1値)に設定し直し、さらに、ANo番目のアドレス帳データを表示するために上記ステップS804に戻る。
【0110】以上のように、本実施の形態の携帯電話200及びパソコン100は、近接した位置でデータ送受信を行うローカルな通信部270,170、公衆回線網を介して遠隔地にある任意の通信装置との通信を行うグローバルな通信部260,160、任意の通信装置を特定するID(アドレス)を記憶する記録部250,150等を備え、携帯メール制御部210は、携帯電話200からの送信要求に応じて、記録部250に記録されているアドレス情報を、ローカルな通信部270により、送信する制御を行うとともに、携帯電話200からの指示に従って、通信部270により受信した携帯電話200からの転送データを、グローバルな通信部260により携帯メールサービス420に接続された通信装置に送信する制御を行う。さらに、携帯メール制御部210は、携帯電話200からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、グローバルな通信部260により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、記録部250に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、グローバルな通信部260により、転送データを送信する制御を行う。
【0111】また、PCメール制御部110は、携帯電話200に対して、携帯電話200の記録部250の記録内容を、ローカルな通信部170により、送信要求するとともに、携帯電話200に対して、転送データを、ローカルな通信部170により、携帯電話200を経由し、通信部260を介して通信装置に送信するための送信要求し、この送信要求による通信装置の指定の際、自機の記録部150に記録されているアドレス情報、又は、携帯電話200への要求に応じて携帯電話200から送信されたアドレス情報を、前記選択手段により、利用者に選択させる制御を行う。
【0112】このように、本実施の形態の携帯電話200及びパソコン100は、パソコン100側から携帯電話200経由送信が指示された時、送信すべき先の有無にかかわらず、ローカル通信部170,270を通じて送信すべきメールデータを、携帯電話200側に出力する制御を行うので、パソコン100側で、メール送信先項目等にデータが入力されていない場合においても、入力エラー等の処理を行うことにより、パソコン100側での入力が確定していないと、携帯電話200のメール機能が使えないような状況を回避することができる。すなわち、送信先アドレスが入力されていない場合には、携帯電話200側で、送信先アドレスを入力するシステムとなり、携帯電話200側のアドレス帳を、わざわざ、パソコン100側にデータ転送しなくてもよいものとなる。
【0113】これは、常に、パソコン100側と携帯電話200側のアドレス帳の同期(シンクロナイズ)をとる必要がないや、あらかじめ、パソコン100側に携帯電話200側のアドレス帳を送信しておく必要がないことを意味し、速度面において有効である。すなわち、送信するメールデータのテキスト容量はそれほどでもないが、アドレス帳のデータ容量は膨大となり得るため、通信のための時間が非常にかかる可能性がある場合に有効である。
【0114】本メール送受信制御は、ある意味ではパソコン100側と携帯電話200のアドレス帳の同期(シンクロナイズ)を否定するものであるが、以下に述べる効果を得ることができる。アドレス帳を同期処理することは、常に、パソコンのアドレス帳も携帯電話のアドレス帳も同一の内容が記録されている状態を維持することを意味するが、これによって、両者とも、アドレス帳に記録されているデータ量(件数)が増大する可能性が高まり、その結果として、増大したリスト(候補)からの目的のデータの抽出/選択する行為が困難になると言う弊害を生み出す。
【0115】前述したとおり、パソコンで携帯電話側のメール機能(他方が一方のデジタルデータの配信/受信機能)を使用するシステムにおいては、利用者は、パソコンと携帯電話とを、機器そのものやメール機能として、使う相手(送信する先)を個々に設定、使い分けをしている可能性が非常に高く、この弊害は、使い分けそのものを否定する可能性が高いからである。したがって、アドレス帳の同期(シンクロナイズ)をとる制御より、むしろ、必要とする時(携帯電話側のアドレス帳が、パソコン側で必要な時)に要求し、取得するという態様の方が、「使い勝手」面においても、また、処理速度面(シンクロナイズ制御は、通信手段を介して、常に特定のタイミングで、管理情報の交換や新規生成されたデータの転送制御が必要なため、その制御のための速度が比較的かかる)で有効である。
【0116】また、本実施の形態は、携帯メール制御部210が、携帯電話200から送信され、通信部260により、通信装置に転送したデータを、記録管理するので、パソコン100から送信要求のあったメールの返信のみをパソコン100に転送することができ、またパソコン100から携帯電話200経由で、メール送信したメールに対する返信メールについて、パソコン100側で確認することができる。
【0117】すなわち、利用者が機器そのものやメール機能として、使う相手(送信する先)を個々に設定、使い分けをしている場合には、携帯電話に送信されたメールは、基本的には携帯電話で確認するものであり、わざわざ、パソコンに転送してほしいと思わない、と考えられるが、パソコンから携帯電話経由で、メール送信したメールに対する返信メールについてのみは、パソコンの前にいる時などでは、パソコン側で確認したいという要求がある。
【0118】また、本実施の形態では、データを送信した日時を対応付けて記録管理しているので、パソコンに転送するデータを送信してから返信までの時間で管理することができる。例えば、返信メールであっても、1ケ月以上前に送信したメールに対する返信メールは返信メールとしないことが可能になり、返信メールの質の向上とパソコン側で確認する手間を省くことができる。
【0119】さらに、本実施の形態では、携帯電話200を経由して通信装置に送信するデータに、自己のアドレス情報又は所定の文字列を付与するので、メールを受信した受信者(通信装置)側から、情報処理装置に対してアクセスが容易になる。このように、パソコン側のメールアドレスをメールデータ内に付与するのは、メールを受信した側から見た場合、携帯電話経由の送信者アドレスは、携帯電話のメールアドレスになるからである。
【0120】この場合、メールデータに付与する文字列はどのようなものでも良く、単に、「携帯電話を経由してメール送信したこと」を通知する分には、例えば、「携帯電話経由送信」程度の文字列を付与すれば良い。パソコン側のメールアドレスを付与するようにすれば、メールを受信した者により一層配慮することができる。例えば、パソコン側のメールアドレスを受信者が判れば、「パソコンの前に居るのだから、パソコンに返信してあげよう…」や、「僕もパソコンメールでメールできるから、今後は、必要に応じて、パソコン側でメールしてあげよう…」等が期待でき、ユーザインタフェースの向上とメール利用の可能性を広げる効果がある。
【0121】以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。なお、上記実施の形態では、パソコン等の情報処理装置、携帯電話に適用した例であるが、データ送受信可能な装置であればどのような装置にも適用可能である。例えば、メール通信機能を備えたPDAやPHS等の制御にも応用できる。また、メールデータは、どのようなデータであってもよい。
【0122】また、本実施の形態では、データ送受信システム、情報処理装置及び携帯電話という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、ネットワークシステム、メール送受信装置、メール転送装置やデータ通信方法等でもよいことは勿論である。また、上記通信端末装置及び情報処理装置を構成する各回路部、例えば記憶部や表示部の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。また、上記実施の形態では、携帯電話と情報処理装置をIR通信により接続するようにしているが、どのような接続方法でもよく、例えば電波を用いた無線通信や有線通信であってもよい。
【0123】また、以上説明した通信端末装置又は情報処理装置は、これら通信端末装置又は情報処理装置を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、図1に示されている携帯メール制御部210又はPCメール制御部110のメインメモリそのものがプログラムメディアであってもよいし、また外部記憶装置としてCD−ROMドライブ等のプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なCD−ROM等のプログラムメディアであってもよい。いずれの場合でも、格納されているプログラムは携帯メール制御部210又はPCメール制御部110のCPUがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め各装置に格納されているものとする。
【0124】ここで、上記プログラムメディアは、通信端末装置又は情報処理装置と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等の磁気ディスクやCD−ROM、CD−R/RW、MO、MD、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW等の光ディスクのディスク系、PCカード、コンパクトフラッシュカード、スマートメディア、ICカード、SDカード、メモリースティック等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0125】さらに、インターネット接続プロバイダ400又は携帯メールサービス420等の外部の通信ネットワークとの接続が可能な通信接続手段を介して通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように、流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め格納しておくか、あるいは別な記録楳体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0126】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれば、情報処理装置側でメール送信先項目等にデータが入力されておらず情報処理装置側での入力が確定していない場合であっても、通信端末装置のメール機能が使えないような状況に陥らなくすることができ、利用者の側に立って使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置が適用されるメール通信システムの構成を示す図である。
【図2】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の利用者が入力部を通じて、送信用のメールデータの作成を指示した際にエントリされ、実行される制御内容を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の携帯電話側の携帯メール制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の携帯メールサービスより、無線回線を介して、グローバルな通信部に新着メールの通知があった場合の制御内容を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の携帯電話側の携帯メール制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の携帯電話側の携帯メール制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の送信メール作成用の表示画面の一例を示す図である。
【図15】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置のメールアドレス選択画面(ウィンドウ)の仕様例を示す図である。
【図16】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置の携帯電話側のメール作成画面の仕様例を示す図である。
【図17】本実施の形態の通信端末装置及び情報処理装置のアドレス帳データの選択画面例を示す図である。
【符号の説明】
100 パソコン(情報処理装置)
110 PCメール制御部(制御手段,第1の送信要求手段,第2の送信要求手段)
120,220 表示部
130,230 入力部
140,240 計時部(記録管理手段の一部)
150,250 記録部(記録手段)
160 通信部(第4の通信手段)
170 通信部(第3の通信手段)
200 携帯端末(通信端末装置)
210 携帯メール制御部(制御手段,記録管理手段)
260 通信部(第2の通信手段)
270 通信部(第1の通信手段)
280 音声出力部
300 一般公衆回線
350 インターネット
400 インターネット接続プロバイダ
410 メールプロバイダ
420 携帯メールサービス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ送受信システムにおいて、前記通信端末装置は、前記情報処理装置との間でデータを送受信する第1の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第2の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記情報処理装置からの送信要求に応じて、前記記録手段に記録されているアドレス情報を、前記第1の通信手段により、送信する制御を行うとともに、前記情報処理装置からの指示に従って、前記第1の通信手段により受信した該情報処理装置からの転送データを、前記第2の通信手段により、対応する通信装置に送信する制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記情報処理装置からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、前記選択手段により、前記記録手段に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、転送データを送信することを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項2】 さらに、前記通信端末装置は、前記第2の通信手段により、転送データを送信した通信装置のアドレス情報を含むデータを記録管理する記録管理手段を備え、前記制御手段は、前記第2の通信手段により、前記ネットワークに接続された任意の通信装置から送信されたデータを受信し、該送信されたデータが、前記記録管理手段により記録管理されている、転送データを送信した通信装置のアドレス情報を含むデータに対する返信データであるか否かを判別し、前記返信データである時には、前記第1の通信手段により、前記情報処理装置に、該返信データを送信することを特徴とする請求項1記載のデータ送受信システム。
【請求項3】 前記記録管理手段は、データを送信した日時を対応付けて記録管理し、前記制御手段は、前記記録管理手段に記録された日時情報を基に、所定期間内の返信データに対してのみ、前記第1の通信手段により、前記情報処理装置に、該返信データを送信することを特徴とする請求項2記載のデータ送受信システム。
【請求項4】 ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ送受信システムにおいて、前記情報処理装置は、前記通信端末装置との間でデータを送受信する第3の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第4の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、該通信端末装置の記録手段の記録内容を要求する第1の送信要求を行うとともに、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、転送データを前記通信端末装置を経由して通信装置へ送信する第2の送信要求を行い、前記第2の送信要求による通信装置の指定の際、前記記録手段に記録されているアドレス情報、又は、前記通信端末装置への要求に応じて該通信端末装置から送信されたアドレス情報を、前記選択手段により、利用者に選択させる制御手段とを備えることを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項5】 さらに、前記情報処理装置は、前記通信端末装置を経由して通信装置に送信するデータに、自己のアドレス情報又は所定の文字列を付与することを特徴とする請求項4記載のデータ送受信システム。
【請求項6】 ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ転送方法において、前記情報処理装置が、前記通信端末装置に対して、第3の通信手段により、該通信端末装置の記録手段の記録内容を要求する第1の送信要求を行うステップと、前記情報処理装置からの第1の送信要求に応じて、前記通信端末装置が、前記記録手段に記録されているアドレス情報を、第1の通信手段により、送信するステップとを実行することを特徴とするデータ転送方法。
【請求項7】 ネットワークに接続可能な通信端末装置と、前記通信端末装置との間でデータ通信が可能な情報処理装置とを備え、前記情報処理装置からのデータを、前記通信端末装置を経由して前記ネットワークに接続された任意の通信装置に転送するデータ転送方法において、前記情報処理装置が、前記通信端末装置に対して、第3の通信手段により、転送データを前記通信端末装置を経由して通信装置へ送信する第2の送信要求を行うステップと、前記通信端末装置が、前記情報処理装置からの第2の送信要求に応じて、第1の通信手段により受信した該情報処理装置からの転送データを、第2の通信手段により、対応する通信装置に送信する際、前記情報処理装置からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、第2の通信手段により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、前記選択手段により、前記記録手段に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、第2の通信手段により、転送データを送信するステップとを実行することを特徴とするデータ転送方法。
【請求項8】 前記情報処理装置では、前記通信端末装置に対して、前記第2の送信要求による通信装置を指定する際、記録手段に記録されているアドレス情報、又は、前記通信端末装置への送信要求に応じて該通信端末装置から送信されたアドレス情報を、選択手段により、利用者に選択させるステップを実行することを特徴とする請求項7記載のデータ転送方法。
【請求項9】 コンピュータを、情報処理装置との間でデータを送受信する第1の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第2の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記情報処理装置からの送信要求に応じて、前記記録手段に記録されているアドレス情報を、前記第1の通信手段により、送信する制御を行うとともに、前記情報処理装置からの指示に従って、前記第1の通信手段により受信した該情報処理装置からの転送データを、前記第2の通信手段により、対応する通信装置に送信する制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記情報処理装置からの転送データに、該転送データを送信する先の送信先情報が付与されている場合には、該送信先情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、該転送データを送信し、前記送信先情報が付与されていない場合には、前記選択手段により、前記記録手段に記録されているアドレス情報を利用者に選択させ、該選択されたアドレス情報に対応する通信装置に対して、前記第2の通信手段により、転送データを送信する通信端末装置として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】 コンピュータを、通信端末装置との間でデータを送受信する第3の通信手段と、一般公衆回線を介してネットワークに接続された任意の通信装置との通信を行う第4の通信手段と、前記通信装置を特定するアドレス情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されているアドレス情報を選択する選択手段と、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、該通信端末装置の記録手段の記録内容を要求する第1の送信要求を行うとともに、前記通信端末装置に対して、前記第3の通信手段により、転送データを前記通信端末装置を経由して通信装置へ送信する第2の送信要求を行い、前記第2の送信要求による通信装置の指定の際、前記記録手段に記録されているアドレス情報、又は、前記通信端末装置への要求に応じて該通信端末装置から送信されたアドレス情報を、前記選択手段により、利用者に選択させる制御手段とを備える情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2003−131989(P2003−131989A)
【公開日】平成15年5月9日(2003.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−325111(P2001−325111)
【出願日】平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】