説明

トイレ用ドア開閉スイッチ

【課題】ドア開閉スイッチの色彩の異なる表記部分を適時に点灯させることにより、次に操作すべきスイッチ部分を指示してスイッチに操作アシスト機能を付与し、しかも、スイッチ各表記部分の視認性を高めるとともに意匠的効果を高める。
【解決手段】状態表示部Cを間にして開き用の押しボタン部1と閉じ用の押しボタン部2を配設したトイレ用ドア開閉スイッチの改良であり、上記開き用及び閉じ用の各押しボタン部1,2には、色彩の異なる着色部A,Bを有している。そして、トイレ内が空室の待機時には前記開き用押しボタン部1の着色部Aを点灯させておく。トイレ内に在室の使用時には前記開き用及び閉じ用押しボタンの着色部A,Bを消灯させて状態表示部Cを点灯表記させる。退室時には前記状態表示部Cを非表記にするとともに閉じ用押しボタン部2の着色部Bを点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレ用ドア開閉スイッチ、詳しくは病院や駅構内などに設置されるトイレに構築された自動ドアを開閉させるためのスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来知られたトイレ用ドア開閉スイッチの概要を説明するために特許文献1の特開平7−293110号公報を例示すると、特許文献1の図1に示すように、トイレ1には、その間口1aに設けられる自動開閉式のドア2と、該間口1a付近の室外面に取付けられ前記ドア2を開閉操作する室外用スイッチ3と、室内に取付けられ前記ドア2を開閉操作する室内用スイッチ4と、前記ドア2の開閉動作を規制するロック機構2bとを備えているものである。
【0003】
そして、特許文献1の図3に開示されるように、室外用スイッチ3は、外部開スイッチ3a、外部閉スイッチ3b及び使用中ランプ3cを有し、その外部開スイッチ3aを操作すると前記ドア2が開き、外部閉スイッチ3bを操作するとドア2が閉じるように設定されている。
また、室内用スイッチ4は、内部開スイッチ4a、内部閉スイッチ4b及び施錠中ランプ4cを有し、その内部開スイッチ4aを操作すると前記ドア2が開き、内部閉スイッチ4bを操作するとドア2が閉じるように設定されている。
ロック機構2bは、前記室内用スイッチ4の内部閉スイッチ4bを操作してドア2を閉じた際に該ドア2を自動的に施錠し、前記内部開スイッチ4aを操作してドア2を開ける際に自動的に解錠するものである。
さらに、前記室内用スイッチ4の内部閉スイッチ4bを操作してドア2を閉じ、前記ロック機構2bが施錠されたときに、室外用スイッチ3の使用中ランプ3c及び室内用スイッチ4の施錠中ランプ4cが点灯するように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−293110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ドア開閉スイッチは、その室外用スイッチ3、室内用スイッチ4のいずれも、開スイッチ3a,4aに文字「開」が表記され、閉スイッチ3b,4bに文字「閉」が表記されており、使用者は、使用中ランプ3c等で確認できる室内状態に応じて操作(押ボタン操作)すべき開スイッチ3a,4a又は閉スイッチ3b,4bを判断できるようにしている。
しかしながら、上記スイッチ、特に室外用スイッチ3は表記部分が離れた位置から見難く、使用中ランプ3c等の室内状態表示は、その表示が小さいためにトイレから離れた位置で容易に確認し難しく、また、使用者がトイレから退室するときに室外用スイッチ3の閉スイッチ3bを押し忘れ、ドア2が開いたままとなる等の不具合があった。
【0006】
本発明は、上記従来事情に鑑みて、ドア開閉スイッチの色彩の異なる表記部分を適時に点灯させることにより、次に操作すべきスイッチ部分を指示する、すなわち、点灯による発光アシスト機能を付与し、しかも、スイッチ各表記部分の視認性を高めるとともに意匠的効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯る本発明は、状態表示部Cを間にして開き用の押しボタン部と閉じ用の押しボタン部を配設したトイレ用ドア開閉スイッチにおいて、上記開き用及び閉じ用の各押しボタン部には、色彩の異なる着色部A,Bを有し、トイレ内が空室の待機時には前記開き用押しボタン部の着色部Aを点灯させておき、トイレ内に在室の使用時には前記開き用及び閉じ用の着色部A,Bを消灯させて状態表示部Cを点灯させ、退室時には前記状態表示部Cを非表記にするとともに閉じ用押しボタン部の着色部Bを点灯させることを特徴とする。
【0008】
なお、従来と同様に、上記開き用押しボタン部の着色部Aには少なくとも文字「開」が表記され、閉じ用押しボタン部の着色部Bには少なくとも文字「閉」が表記されており、状態表示部Cには「使用中」であることが表示されるようにする。それにより、各押しボタン部の着色部A,B、状態表示部Cの指標性を高めてトイレ利用者の誤操作を防止するなど利便性を向上させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開き用押しボタン部の着色部A、閉じ用押しボタン部の着色部B及び状態表示部Cをトイレ内の状態に応じて適時に点灯または消灯させるので、スイッチとしての操作アシスト機能が付与されトイレ利用者の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のドア開閉スイッチを示す斜視図である。
【図2】各部を詳細に説明する正面図である。
【図3】使用状況を説明する正面図であり、(a)は待機時、(b)はトイレ使用時、(c)は退室時の各状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図面により説明すれば、図1において本発明のドア開閉スイッチSWの全体を示すが、その用途、使用については前述した特許文献1の説明と同様であり、同スイッチSWはトイレ用ドアの室外用スイッチとして使用される場合を示している。
【0012】
図1及び図2に示すとおり、スイッチSWは、状態表示部Cを間にしてその両側に開き用押しボタン部1、閉じ用押しボタン部2が取り付けられている。
このスイッチSWは、押しボタン部1を押すことによりトイレ用ドアが開き、押しボタン部2を押すことによりドアが閉じるようになっており、中央部の状態表示部Cはトイレ内の状況、つまりトイレ内に利用者が在室しているかどうか(空室、在室)を表示するようにしている。
【0013】
上記押しボタン部1には略中央部に着色部Aが形成され、押しボタン部2にも着色部Bが形成され、両着色部A、Bは異なる色彩で着色されている。具体的には、着色部A、Bは、透光材に異なる色彩を付した部分で、スイッチ内部の光源(LED)を点灯、消灯させることにより各着色部の明るさ(点灯色、消灯色)が変化するものである。
着色部Aには、文字「開」及び「OPEN」が表記されており、着色部Bには文字「閉」及び「CLOSE」が表記されており、各着色部A,Bが点灯されたときには前記文字も明るく表示される。
【0014】
状態表示部Cには、消灯時には表示されない程度(非表記)の薄い文字「使用中」及び「OCCUPIED」が形成され、内部の光源を点灯することにより、それら文字が表示されるようにしている(表記)。
【0015】
上記スイッチSWの使用法を図3により説明する。
トイレ内に利用者が入室していない待機時(空室)には、図3(a)に示すように、開き用押しボタン部1の着色部Aが点灯して、着色部Aは明るい点灯色になるとともに文字「開」及び「OPEN」も明るく表示され、閉じ用押しボタン2の着色部Bは消灯色、状態表示部Cは文字「使用中」及び「OCCUPIED」が表示されない非表記の状態である。したがって、トイレ利用予定者は、離れた位置からもスイッチSWの点灯状態をみてトイレ内が空室であることを認識することができる。
【0016】
そして、トイレ利用者がスイッチSWの押しボタン部1を押してドアを開き、トイレ内に入って室内用スイッチ(図示せず)の閉じ用押しボタン部を押したときに前述したようにドアが施錠されるが、それに伴って、スイッチSWは、使用時(在室)を表示する図3(b)に変化する。すなわち、押しボタン部1及び2の何れも消灯し、状態表示部Cが文字「使用中」及び「OCCUPIED」が表示された状態である。それにより、トイレ利用予定者はスイッチSWの点灯状態をみて、トイレが使用中であることを認識することができる。
【0017】
さらに、トイレ利用者が室内から退出するときに、図示しない室内用スイッチの開き用押しボタン部を押してドアを開いたときに、スイッチSWは、退室時を表示する図3(c)に変化する。すなわち、室内用スイッチの開き用押しボタン部を押すことによりドアの施錠が開錠されるので状態表示部Cが非表記の状態になるとともに閉じ用押しボタン部2の着色部Bが点灯し、着色部Bは明るい点灯色になり、文字「閉」及び「CLOSE」も明るく表示された状態である。それにより、トイレから退出する利用者は着色部Bが点灯していることにより該閉じ用押しボタン部2の操作を促されていることを理解でき、その閉じ用押しボタン部2を押すことによってドアが閉じてスイッチSWは図3(a)の待機時状態に戻る。したがって、閉じ用押しボタン部2の操作し忘れによるドアの閉め忘れを防止することもできる。
【0018】
なお、上記説明においては、スイッチSWの着色部A、B、状態表示部Cについて点灯、消灯させることを説明したが、その点灯には、一般的に使用されているように点滅する点灯状態を包含するものである。
【符号の説明】
【0019】
SW:ドア開閉スイッチ
1:開き用押しボタン部
2:閉じ用押しボタン部
A:着色部
B:着色部
C:状態表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態表示部Cを間にして開き用の押しボタン部と閉じ用の押しボタン部を配設したトイレ用ドア開閉スイッチにおいて、
上記開き用及び閉じ用の各押しボタン部には、色彩の異なる着色部A,Bを有し、トイレ内が空室の待機時には前記開き用押しボタン部の着色部Aを点灯させておき、トイレ内に在室の使用時には前記開き用及び閉じ用の着色部A,Bを消灯させて状態表示部Cを点灯表記させ、退室時には前記状態表示部Cを非表記にするとともに閉じ用押しボタン部の着色部Bを点灯させることを特徴とするトイレ用ドア開閉スイッチ。
【請求項2】
上記開き用押しボタン部の着色部Aには少なくとも文字「開」が表記され、閉じ用押しボタン部の着色部Bには少なくとも文字「閉」が表記されており、状態表示部Cには「使用中」であることが表示されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のトイレ用ドア開閉スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−60799(P2013−60799A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10150(P2012−10150)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願変更の表示】意願2011−22711(D2011−22711)の変更
【原出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(301001306)寺岡オートドア株式会社 (1)
【Fターム(参考)】