説明

トイレ用ビデのノズルアセンブリー及びその制御方法

【解決手段】トイレ用ビデのノズルアセンブリー及びその制御方法を開示する。本発明によるトイレ用ビデのノズルアセンブリーは、洗浄水流路が形成される洗浄ノズルと、上記洗浄水流路と連結されて洗浄水を噴射させる噴射チューブと、上記噴射チューブに結合されるコネクタと、上記コネクタに結合される複数のポリマー駆動体を含み、上記ポリマー駆動体の内部には電気活性ポリマーが収容され、その外面には1対の電極が形成され、上記各ポリマー駆動体の電極に選択的に電圧が印加されると、電気活性ポリマーが一方の電極側に移動することによって該当ポリマー駆動体が曲がり、上記噴射チューブの噴射角度を調節するアクチュエータと、上記ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する電圧供給部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ用ビデのノズルアセンブリー及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トイレ(すなわち、大便器、室内便器など)はユーザーが座って排泄することができるようになっている。トイレには、手洗い所を快適で衛生的にする目的で、ビデを設置することができる。
【0003】
ビデには、ユーザーが用を足した後にユーザーの陰部を清潔にするために水を供給するノズルアセンブリーが設置されている。ノズルアセンブリーは、前進して洗浄水を噴射するノズルを含む。詳細に説明すれば、ユーザーが洗浄ボタンを押すと、ノズルがノズルアセンブリーから前進して、洗浄水をユーザーの陰部に噴射する。洗浄が完了すると、ノズルは後退して元の位置に戻る。
【0004】
ノズルの表面についた便のような異物を除去するために、ノズル洗浄装置が設置されている。ノズル洗浄装置は、ノズルが元の位置に戻った時に上記ノズルの表面に洗浄水を噴射する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のトイレ用ビデは、ノズルが前後方向にしか進退できないように設置されていたため、上記ノズルの噴射位置または/及び角度を多様に調節することが困難であった。
【0006】
上記の問題点を解決するための本発明の目的は、洗浄ノズルの洗浄水噴射位置または/及び角度を多様に調節できるトイレ用ビデのノズルアセンブリー及びその制御方法を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、洗浄ノズルの水流を振動させたり、回転させるトイレ用ビデのノズルアセンブリー及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明によるトイレ用ビデのノズルアセンブリーの一様態によると、洗浄水流路が形成される洗浄ノズルと、上記洗浄水流路と連結されて洗浄水を噴射させる噴射チューブと、上記噴射チューブに結合されるコネクタと、上記コネクタに結合される複数のポリマー駆動体を含み、上記ポリマー駆動体の内部には電気活性ポリマーが収容され、その外面には1対の電極が形成され、上記各ポリマー駆動体の電極に選択的に電圧が印加されると、電気活性ポリマーが一方の電極側に移動することによって該当ポリマー駆動体が曲がり、上記噴射チューブの噴射角度を調節するアクチュエータと、上記ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する電圧供給部とを含む。
【0009】
上記複数のポリマー駆動体は、噴射チューブを中心に対向するように対を成して配置することができる。
【0010】
上記ポリマー駆動体は2対で配置され、一方の対のポリマー駆動体は上記ノズルボディーの長さ方向に沿って配置され、他方の対のポリマー駆動体は上記ノズルボディーの長さ方向の両側に配置されることができる。
【0011】
上記各対のポリマー駆動体には、同じ極性の電圧を同一方向の電極に印加することができる。
【0012】
上記コネクタには、各ポリマー駆動体の端部を挿入する複数の挿入部を形成することができる。
【0013】
上記各挿入部は、該当ポリマー駆動体の変形方向と垂直な方向に、該当ポリマー駆動体と間隙を有するように形成することができる。
【0014】
上記電圧供給部は、外周面に複数の溝が形成された内部リングと、上記内部リングが内側面に嵌め込まれ、上記内部リングの複数の溝と対応するように複数の溝が形成されて上記各ポリマー駆動体を挿入する外部リングと、上記各ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する印刷回路基板とを含むことができる。
【0015】
上記内部リングと外部リングの溝には、上記各ポリマー駆動体の電極と対応するように電気接続部を形成することができる。
【0016】
上記噴射チューブは、0.5〜4゜の範囲で傾斜角を調節することができる。
【0017】
本発明によるトイレ用ビデのノズルアセンブリーの他の様態によると、洗浄水流路が形成される洗浄ノズルと、上記洗浄水流路と連結されて洗浄水を噴射させる噴射チューブと、上記噴射チューブが結合されるポリマー積層体と、上記ポリマー積層体の外面に形成された1対以上の電極を含み、上記電極に選択的に電圧が印加されると、上記電気活性ポリマーが一方の電極側に移動することによって曲がり、上記噴射チューブの噴射角度を調節するアクチュエータと、上記ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する電圧供給部とを含む。
【0018】
上記各電極の対は、噴射チューブを中心に対向して配置することができる。
【0019】
上記ポリマー積層体の外面には2対の電極を配置し、一方の対の電極は上記ノズルボディーの長さ方向に沿って配置し、他方の対の電極は上記ノズルボディーの長さ方向の両側に配置することができる。
【0020】
上記電圧供給部は、各電極に電圧を印加する印刷回路基板を含むことができる。
【0021】
上記噴射チューブは、0.5〜4゜の範囲で傾斜角を調節することができる。
【0022】
本発明によるトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法に関する一様態によると、複数のポリマー駆動体のうちで対向する1対のポリマー駆動体の電極に電圧を印加することにより、噴射チューブの噴射角度を調節する。
【0023】
本発明によるトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法に関する他の様態によると、ポリマー積層体の対向する1対の電極に電圧を印加することにより、噴射チューブの噴射角度を調節する。
【0024】
本発明によるトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法に関するさらに他の様態によると、ポリマー駆動体の対向する1対の電極に印加された電圧を遮断し、隣接する異なる対の電極に電圧を印加してから遮断することを繰り返して、噴射チューブの噴射角度を連続的に変更させて水流が振動したり、回転しながら噴射されるようにする。
【0025】
上記1対の電極に印加された電圧を遮断すると同時に、異なる対の電極に電圧を印加することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、洗浄ノズルの水噴射位置または/及び水噴射角度を多様に調節できるという効果がある。
【0027】
また、本発明によると、洗浄ノズルの水流を振動させたり、回転させるように形成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によるトイレ用ビデと便器を示した斜視図である。
【図2】図1のトイレ用ビデのノズルアセンブリーを示した斜視図である。
【図3】図2のノズルアセンブリーを構成するアクチュエータの第1実施例を示した斜視図である。
【図4】図3のアクチュエータを構成するポリマー駆動体を示した断面図である。
【図5】図3のアクチュエータを示した断面図である。
【図6】図3の電圧供給部の印刷回路基板を示した断面図である。
【図7】図3のポリマー駆動体を製作する工程を示した断面図である。
【図8】図3のポリマー駆動体を製作する工程を示した断面図である。
【図9】図3の噴射チューブが右側に傾いた状態を示した斜視図である。
【図10】図3の噴射チューブが前方側に傾いた状態を示した斜視図である。
【図11】本発明によるアクチュエータの第2実施例を示した斜視図である。
【図12】図11のポリマー駆動体を製作する工程を示した断面図である。
【図13】図11のポリマー駆動体を製作する工程を示した断面図である。
【図14】図11の噴射チューブが右側に傾いた状態を示した斜視図である。
【図15】図11の噴射チューブが前方側に傾いた状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
上記の目的を達成するための本発明によるトイレ用ビデの具体的な実施例について説明する。
【0030】
図1は本発明によるトイレ用ビデと便器を示した斜視図である。
【0031】
図1を参照すると、便器10には水が収容される。上記便器10の上部には、トイレ用ビデ20が設置される。
【0032】
上記トイレ用ビデ20は、便器10に装着される本体30を含む。上記本体30の下側には、上記便器10の上面後側に装着されるようにブラケット(不図示)を配置することができる。
【0033】
上記本体30の前方側には、座板40が回転できるように結合されている。上記座板40の内部にはヒーター(不図示)が配置され、上記座板40を適切な温度に暖める役割をする。
【0034】
また、上記本体30の上側には、蓋50が回転できるように結合される。上記蓋50は、本体30の上側にヒンジ結合されて、上記座板40と便器10の上側を覆う。
【0035】
上記本体30の内部には、乾燥装置60を設置することができる。上記乾燥装置60は、常温の空気または高温の空気を身体の一部に送風することができる。
【0036】
上記本体30の内部には、ノズルアセンブリー100が上記便器10の前/後側に往復運動ができるように配置される。上記ノズルアセンブリー100は、洗浄水が噴射されるノズルを含む。
【0037】
上記本体30の一側には上記乾燥装置60とノズルアセンブリー100が制御できるように操作部70が配置される。上記操作部70にはユーザーが所定の機能を選択することができるように複数のボタンが含まれる。ユーザーが洗浄ボタンを押すと、上記ノズル110が前方側に前進して洗浄水を噴射することで、ユーザーの陰部を洗浄する。
【0038】
図2はトイレ用ビデのノズルアセンブリーを示した斜視図であり、図3はノズルアセンブリーを構成するアクチュエータの第1実施例を示した斜視図であり、図4はアクチュエータを構成するポリマー駆動体を示した断面図である。
【0039】
図2から図4を参照すると、上記トイレ用ビデのノズルアセンブリー100は、洗浄ノズル110、噴射チューブ120(図3参照)、アクチュエータ130及び電圧供給部140を含む。
【0040】
上記洗浄ノズル110は、長さ方向に沿って洗浄水流路113が形成されたノズルボディー111と、上記ノズルボディー111の端部に着脱できるように結合されるノズルチップ115を含む。このような洗浄ノズル110は、モーター(不図示)とギア部(不図示)により前後方向に進退できるように設置される。
【0041】
上記ノズルチップ115の上面を成すようにノズルカバー117が配置される。ノズルカバー117は、ほぼ円盤状に形成されることができる。
【0042】
上記ノズルカバー117の下部には、噴射チューブ120(図3参照)、アクチュエータ130及び電圧供給部140を配置することができる。
【0043】
上記ノズルチップ115には、上記洗浄ノズル110の洗浄水流路113と連結されて洗浄水を噴射させる噴射チューブ120(図3参照)が結合される。上記噴射チューブ120は、細長いチューブ状とすることができる。このような噴射チューブ120は、フレキシブルな材質で製作することができる。
【0044】
上記アクチュエータ130は、噴射チューブ120が結合されるコネクタ131と、内部に電気活性ポリマー(electroactive polymer)が収容された複数のポリマー駆動体135とを含む。
【0045】
上記コネクタ131は、円形ディスク(disc)状または多角形板状に形成することができる。このようなコネクタ131は、硬質ポリマー(hard polymer)素材で形成することができる。
【0046】
上記電気活性ポリマーには、イオン性ポリマー(ionic polymer)、ポリマーゲル(polymer gel)、伝導性ポリマー(conductive polymer)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube(CNT))などがある。このような電気活性ポリマーは陽極(+)と陰極(−)の電圧を印加すると、一方の電極137側に移動する。以下では、イオン性ポリマーを基準に説明する。
【0047】
上記イオン性ポリマーには、パーフルオロスルホン酸ポリマー(perfluorosulfonic acid polymer)などのような物質がある。上記パーフルオロスルホン酸ポリマーとは、水素をフッ素で置換したスルホン酸のことである。このようなパーフルオロスルホン酸ポリマーは、陽極(+)を帯びる。
【0048】
上記パーフルオロスルホン酸ポリマーの化学式は次の通りである。
【0049】
【化1】

【0050】
上記イオン性ポリマーは、約3−8Voltの低電圧を印加すると、大きな変形率が得られる。低電圧を印加すると、上記イオン性ポリマーが一方の電極137に移動するため、感電の危険性は解消することができる。
【0051】
また、上記イオン性ポリマーは、ポリマー内部のイオン基量が約0.9meq./gで、水含量が約25wt%で、イオン伝導度が約0.1S/cmである。従って、上記イオン性ポリマーは、ポリマー駆動体135の製造時に電気化学的特性を十分に補償できる膜特性を有する。
【0052】
また、上記イオン性ポリマーは、水和膜(a hydrated film)のヤング率(Young’s modulus)が約85MPaである。従って、上記イオン性ポリマーは、上記ポリマー駆動体135として使用するのに適した機械的柔軟性を有する。
【0053】
一方、上記コネクタ131には、上記噴射チューブ120を囲むように複数のポリマー駆動体135を配置することができる。この場合、上記コネクタ131には、上記各ポリマー駆動体135の端部を挿入する挿入部132を形成することができる。上記挿入部132は、挿入溝または挿入ホールとすることができる。
【0054】
上記各ポリマー駆動体135は、複数のポリマー膜136aが積層されて形成されるポリマー積層体136と、上記ポリマー積層体136の両側面に配置される1対の電極137とを含むことができる。上記ポリマー膜136aの内部には、イオン性ポリマーなどのような電気活性ポリマーが収容される。
【0055】
上記各ポリマー駆動体135の1対の電極137には、相反する極性の電圧が印加される。この場合、水和電気活性ポリマー(the hydrated elective polymer)が一方の電極137側に移動することによって、上記ポリマー駆動体135が一側に曲がる。また、上記コネクタ131が一側に移動することにより、上記噴射チューブ120の噴射角度が調節される。
【0056】
上記複数のポリマー駆動体135は、噴射チューブ120を中心に対向するように対を成して配置することができる。
【0057】
例えば、上記ポリマー駆動体135は、2対で配置することができる。この場合、一方の対のポリマー駆動体135は、上記ノズルボディー111の長さ方向に対して平行となるように配置し、他方の対のポリマー駆動体135は、上記ノズルボディー111の長さ方向の両側に、長さ方向と垂直に配置することができる。また、上記コネクタ131には、上記各ポリマー駆動体135の端部を挿入するために、約90゜の間隔毎に挿入部132が形成される。
【0058】
上記1対のポリマー駆動体135には、同じ極性の電圧が同一方向の電極137に印加される。例えば、上記1対のポリマー駆動体135において、左側の電極137には陽極(+)の電圧が印加され、右側の電極137には陰極(−)の電圧が印加される。
【0059】
このとき、上記1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマー(the hydrated electroactive polymer)が陰極(−)の電圧を印加された右側の電極137に移動するため、上記1対のポリマー駆動体135は、右側の電極137側が膨脹し、左側の電極137側が収縮する。従って、上記1対のポリマー駆動体135は、左側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を左側に若干移動させる。このとき、上記噴射チューブ120は、コネクタ131が移動することで、左側に若干傾いた状態となる。
【0060】
また、上記ポリマー駆動体135が2対で配置される場合、一方の対のポリマー駆動体135をノズルボディー111の長さ方向と平行でないように配置し、他方の対のポリマー駆動体135をノズルボディー111の長さ方向と垂直でないように配置することもできる。
【0061】
また、上記ポリマー駆動体135は、3対以上で配置することができる。この場合、上記ポリマー駆動体135の各対は、対向するように配置することができる。
【0062】
上記ポリマー駆動体135は、噴射チューブ120の傾斜角が約0.5゜〜4゜の範囲で傾くように、調節することができる。この場合、上記噴射チューブ120の傾斜角は、上記ポリマー駆動体135に印加される電圧の大きさを調節することで適切に調節することができる。
【0063】
即ち、上記ポリマー駆動体135に3Vの電圧を印加すると、上記電気活性ポリマーの一方の電極137に移動する水和電気活性ポリマーの量が相対的に減少する。従って、上記ポリマー駆動体135は相対的に軽く曲がり、上記噴射チューブ120の傾斜角が相対的に小さくなる。
【0064】
また、上記ポリマー駆動体135に8Vの電圧を印加すると、上記電気活性ポリマーの一方の電極137に移動する水和電気活性ポリマーの量が相対的に多くなる。従って、上記ポリマー駆動体135は相対的に大きく曲がり、上記噴射チューブ120の傾斜角が大きくなる。
【0065】
また、上記噴射チューブ120の傾斜角は、ノズルチップ115と陰部との間の距離が遠いほど、0.5゜に近くなるよう調節され、上記距離が近いほど4゜に近くなるよう調節される。これは、上記噴射距離が遠いほど、上記噴射角度が小さくても到達位置の変更が相対的に大きくなり、上記噴射距離が近いほど、上記噴射角度が大きくても到達位置の変更が相対的に小くなるためである。
【0066】
上記挿入部132は、該当ポリマー駆動体135の変形方向に対して垂直な方向に、該当ポリマー駆動体135に対して間隙を有するように、形成することができる。即ち、上記左右1対のポリマー駆動体135が挿入される挿入部132は、前後方向に間隙を有し、上記前後1対のポリマー駆動体135が挿入される挿入部132は、左右方向に間隙を有する。
【0067】
上記2対のポリマー駆動体135に電圧の印加と遮断を繰り返すことで、上記コネクタ131は回転することができる。この場合、上記各ポリマー駆動体135が該当挿入部132に対してそれぞれ若干間隙を有するため、上記コネクタ131は円滑に回転できる。これについては、本発明の作用部分で詳しく説明する。
【0068】
図5はアクチュエータを示した断面図であり、図6は電圧供給部の印刷回路基板を示した断面図である。
【0069】
図5及び図6を参照すると、上記電圧供給部140は、内部リング141と、上記内部リング141の外側面に嵌め込まれる外部リング143と、上記各ポリマー駆動体135の電極137に電圧を印加する印刷回路基板147とを含む。
【0070】
上記内部リング141の外周面には複数の溝が形成され、上記外部リング143の内周面には上記内部リング141に形成された複数の溝に対応するように複数の溝が形成される。上記内部リング141と外部リング143の溝には上記ポリマー駆動体135がそれぞれ挿入される。
【0071】
上記内部リング141と外部リング143の溝には、上記各ポリマー駆動体135の電極137と対応するように電気接続部142、144をそれぞれ形成することができる。また、上記印刷回路基板147には、電気接続部142、144と連結するように配線148を印刷することができる。
【0072】
ここで、上述した本発明の実施の形態のように形成されるポリマー駆動体を製造するための方法について説明する。
【0073】
図7及び図8は、図3のポリマー駆動体を製作する工程を示した断面図である。
【0074】
図7及び図8を参照すると、モールド139の内部に空間を形成し、上記モールド139の空間に複数のポリマー膜136aを積層(stacking)する。この場合、上記ポリマー膜136aの積層数は、ポリマー駆動体135の機械的な曲げ剛性と駆動力を考慮して適切に設計することができる。
【0075】
上記モールド139に複数のポリマー膜136aが積層されると、上記ポリマー膜136aの上側と下側を加熱しながら圧着して所定厚さのポリマー積層体136を製造する。
【0076】
上記ポリマー積層体136の両側面には、金属電極137が蒸着される。金属電極137の蒸着方法としては、化学的還元法(または無電解メッキ方法)と言われるインプレグネーションケミカル還元法を使用する。
【0077】
上記インプレグネーションケミカル還元法の化学反応式は次の通りである。
【0078】
【化2】

【0079】
上記還元法では、白金(Pt)イオンとして[Pt(NH]Clを使用し、還元剤としてNaBHを使用する。
【0080】
上記のような化学反応を利用して高分子膜の表面に数μm厚さの白金電極137を蒸着する。このようなメッキ反応を数回繰り返し、使用するのに適した電気伝導度を有するように金属電極137を適切な厚さに蒸着する。
【0081】
上記金属電極137は、上述した蒸着方法の他にも様々な蒸着方法により高分子膜の表面に蒸着することができる。
【0082】
ここで、上記のように構成された本発明によるノズルアセンブリーの作用について説明する。
【0083】
ノズルアセンブリーの作用の説明おいて、右側は図9における矢印方向、左側は図9における矢印の反対方向、前方は図10における矢印方向、後方は図10における矢印の反対方向と定義する。
【0084】
上記電気活性ポリマーに電圧が印加されると、上記電気活性ポリマーが発熱して水分が蒸発する。そのため、上記電気活性ポリマー内部のイオンが水分不足により移動できず、上記電気活性ポリマーの作動が不可能となる。
【0085】
しかしながら、上記ポリマー駆動体135がノズルチップ115の内部に配置されるため、上記各ポリマー駆動体135の電気活性ポリマーには、上記ノズルボディー111の洗浄水流路113を通じて水分が供給され続ける。従って、上記ポリマー駆動体135に水分を十分に供給することができる。
【0086】
上記ポリマー駆動体135の電極137に選択的に電源を供給することで、上記噴射チューブ120を前後左右に傾けたり、回転させることができる。上記操作部70により、上記ノズルアセンブリー100の噴射チューブ120を傾けたり、または回転させるように制御することができる。
【0087】
上記噴射チューブ120を左右側に傾ける場合について説明する。
【0088】
図9は、噴射チューブを右側に傾けた状態を示した斜視図である。
【0089】
図9を参照すると、左右1対のポリマー駆動体135において、左側の電極137には陰極(−)の電圧が印加され、右側の電極137には陽極(+)の電圧が印加される。
【0090】
このとき、上記左右1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された左側の電極137へ移動するため、上記左右1対のポリマー駆動体135は、左側の電極137側が膨脹し、右側の電極137側が収縮する。上記左右1対のポリマー駆動体135は、右側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を右側に若干移動させる(図9における矢印方向)。
【0091】
また、上記コネクタ131が右側に移動するときに、上記コネクタ131は、挿入部132に対して間隙があるため、上記前後1対のポリマー駆動体135による妨害を受けることはない。
【0092】
従って、上記ノズルアセンブリー100の噴射チューブ120はコネクタ131により右側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射するため、洗浄水の到達位置が右側に若干移動する。
【0093】
また、上記左右1対のポリマー駆動体135において、左側の電極137に陽極(+)の電圧が印加され、右側の電極137に陰極(−)の電圧が印加されると、上記左右1対のポリマー駆動体135は左側に傾く(図9における矢印の反対方向)。
【0094】
従って、上記ノズルアセンブリーの噴射チューブ120は左側に傾いた状態で洗浄水を噴射するため、洗浄水の到達位置が左側に若干移動する。
【0095】
上記のように噴射チューブ120の位置が左右方向に移動するときには、上記前後1対のポリマー駆動体135の電極137には電圧が印加されない。
【0096】
次に、上記噴射チューブ120が前後側に傾く場合について説明する。
【0097】
図10は噴射チューブが前方側に傾いた状態を示した斜視図である。
【0098】
図10を参照すると、上記前後1対のポリマー駆動体135において、後方側の電極137には陰極(−)の電圧が印加され、前方側の電極137には陽極(+)の電圧が印加される。このとき、上記前後1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された後方側の電極137に移動するため、上記前後1対のポリマー駆動体135は後方側の電極137側が膨脹し、前方側の電極137側が収縮する。上記前後1対のポリマー駆動体135は、前方側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を前方側に若干移動させる(図10における矢印方向)。
【0099】
また、上記コネクタ131が前方側に移動するとき、上記コネクタ131は、挿入部132に対して間隙があるため、上記左右1対のポリマー駆動体135による妨害を受けることはない。
【0100】
従って、上記ノズルアセンブリー100の噴射チューブ120がコネクタ131により前方側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射するため、洗浄水の到達位置は前方側に若干移動する。
【0101】
上記前後1対のポリマー駆動体135において、後方側の電極137に陽極(+)の電圧が印加され、前方側の電極137に陰極(−)の電圧が印加されると、上記前後1対のポリマー駆動体135は後方側に傾く(図10における矢印の反対方向)。
【0102】
従って、上記ノズルアセンブリー100の噴射チューブ120は後方側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射するため、洗浄水の到達位置は後方側に若干移動する。
【0103】
次に、上記噴射チューブ120が回転する場合について説明する。
【0104】
図9及び図10を参照すると、左右1対のポリマー駆動体135において、左側の電極137には陰極(−)の電圧が印加され、右側の電極137には陽極(+)の電圧が印加される。このとき、上記左右1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された左側の電極137に移動するため、上記左右1対のポリマー駆動体135は、右側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を右側に若干移動させる。このとき、上記噴射チューブ120は、右側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射する(図9における矢印方向)。
【0105】
次いで、上記左右1対のポリマー駆動体135の電極137に印加された電圧を遮断する。また、上記前後1対のポリマー駆動体135において、後方側の電極137には陰極(−)の電圧を印加し、前方側の電極137には陽極(+)の電圧を印加する。上記前後1対のポリマー駆動体135の電気活性ポリマーに含有された水分が陰極(−)の電圧を印加された後方側の電極137に移動するため、上記前後1対のポリマー駆動体135は、前方側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を前方側に若干移動させる(図10の矢印方向)。
【0106】
このとき、上記左右1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーがまだ元の状態に回復していないため、上記噴射チューブ120は、右側に傾いた状態で前方側に移動し円錐を描きながら洗浄水を噴射する。
【0107】
次いで、上記前後1対のポリマー駆動体135の電極137に印加された電圧を遮断する。また、左右1対のポリマー駆動体135において、左側の電極137には陽極(+)の電圧を印加し、右側の電極137には陰極(−)の電圧を印加する。このとき、上記左右1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された右側の電極137に移動するため、上記左右1対のポリマー駆動体135は、左側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を左側に若干移動させる(図9における矢印の反対方向)。
【0108】
このとき、上記前後1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーがまだ元の状態に回復していないため、上記噴射チューブ120は、前方側に傾いた状態で左側に移動し円錐を描きながら洗浄水を噴射する。
【0109】
次いで、上記前後1対のポリマー駆動体135の電極137に印加された電圧を遮断する。また、上記左右1対のポリマー駆動体135において、後方側の電極137には陽極(+)の電圧が印加され、前方側の電極137には陰極(−)の電圧が印加される。上記前後1対のポリマー駆動体135の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された前方側の電極137に移動するため、上記左右1対のポリマー駆動体135は、後方側の電極137側に曲がって上記コネクタ131を後方側に若干移動させる(図10における矢印の反対方向)。
【0110】
このとき、上記前後1対のポリマー駆動体135の電気活性ポリマーがまだ元の状態に回復していないため、上記噴射チューブ120は左側に傾いた状態で後方側に移動し円錐を描きながら洗浄水を噴射する。
【0111】
上記のように、上記噴射チューブ120が所定の角度傾いた状態で円錐を描いて回転することにより、回転水流を噴射させることができる。
【0112】
また、上記左右1対のポリマー駆動体135を左右交互に早く曲がるようにすることで、上記噴射チューブ120の水流を振動させることができる。
【0113】
次に、本発明によるノズルアセンブリーのアクチュエータの第2実施例について説明する。
【0114】
図11は、本発明によるアクチュエータの第2実施例を示した斜視図である。
【0115】
図11を参照すると、上記アクチュエータ230は、噴射チューブ220が結合されるポリマー積層体236と、上記ポリマー積層体236の外面に1対以上が形成された電極237を含むポリマー駆動体235とを含む。
【0116】
上記ポリマー積層体236の内部には、電気活性ポリマー(electroactive polymer)が収容される。上記電気活性ポリマーは第1実施例で上述した内容と実質的に同一であるため、その説明を省略する。
【0117】
上記ポリマー積層体236は、複数のポリマー膜236a(図12参照)を積層することにより形成されている。上記ポリマー膜236aの内部には、イオン性ポリマーなどのような電気活性ポリマーが収容される。
【0118】
上記ポリマー積層体236の外面には、電極237を対で対向させるように配置することができる。上記ポリマー積層体236に2対の電極237が配置される場合、一方の対の電極237を、上記ノズルボディー111の長さ方向と平行に配置し、他方の対の電極237を、上記ノズルボディー111の長さ方向の両側に、長さ方向と垂直に配置することができる。
【0119】
上記1対の電極237には、相互に反対の極性の電圧が印加される。例えば、左側の電極237には陽極(+)の電圧が印加され、右側の電極137には陰極(−)の電圧が印加される。
【0120】
このとき、上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された右側の電極237に移動するため、上記ポリマー積層体236は右側の電極237側が膨脹し、左側の電極237側が収縮する。従って、上記ポリマー積層体236は、左側の電極237側に曲がって上記噴射チューブ220を左側に若干傾かせる。
【0121】
また、上記電極237が2対で配置される場合は、一方の対の電極237をノズルボディー111の長さ方向と平行でないように配置し、他方の対の電極237をノズルボディー111の長さ方向と垂直でないように配置することもできる。
【0122】
また、上記電極237はポリマー積層体236の外面に3対以上で配置することができる。この場合、各対の電極237を対向するように配置することができる。
【0123】
上記ポリマー駆動体235は、噴射チューブ220の傾斜角が約0.5゜〜4゜の範囲で傾くように調節し制御することができる。この場合、上記噴射チューブ220の傾斜角は、上記ポリマー駆動体235に印加される電圧の大きさを調節することで、適切に調節することができる。このような傾斜角の調節については上述した内容と実質的に同一であるため、その説明を省略する。
【0124】
上記2対の電極237に電圧の印加と遮断を繰り返すことで、上記噴射チューブ220を回転させることができる。
【0125】
上記電圧供給部240は、ポリマー積層体236の下面を支持する支持リング241と、上記ポリマー駆動体235の電極237に電圧を印加する印刷回路基板247とを含む。
【0126】
上記印刷回路基板247には、ポリマー駆動体235の電極237と連結するように配線248を印刷することができる。
【0127】
上記のように構成された本発明によるアクチュエータの第2実施例の製造方法について説明する。
【0128】
図12及び図13はポリマー駆動体を製作する工程を示した断面図である。
【0129】
図12及び図13を参照すると、モールド239の内部に空間を形成し、上記モールド239の空間に複数のポリマー膜236aを積層(stacking)する。このとき、上記ポリマー膜236aの中心部には金属ロッド237a(steel rod)を配置する。また、上記ポリマー膜236aの上側と下側とを加熱しながら圧着して、所定厚さのポリマー積層体236を製造する。
【0130】
上記ポリマー積層体236が製造された後、上記金属ロッド237aをポリマー積層体236から抜き取る。これによって上記ポリマー積層体236には、噴射チューブ220を入れることができる孔が形成される。
【0131】
上記ポリマー積層体236の外面には、金属層を蒸着する。金属層の蒸着方法としては化学的還元法(または無電解メッキ方法)と言われるインプレグネーションケミカル還元法を使用する。このような化学的還元法については上述した内容と同一であるため、その説明を省略する。
【0132】
上記金属層は、ポリマー積層体236の外面全体に形成される。従って、上記ポリマー積層体236の角を切断して上記金属層を複数の電極237に分離することができる。
【0133】
上記のように構成された本発明によるアクチュエータの作用について説明する。
【0134】
アクチュエータの作用の説明において、右側は図14における矢印方向、左側は図14における矢印の反対方向、前方は図15における矢印方向、後方は図15における矢印の反対方向と定義する。
【0135】
図14は、噴射チューブが右側に傾いた状態を示した斜視図である。
【0136】
図14を参照すると、上記ポリマー駆動体235がノズルチップ215の内部に配置されるため、上記各ポリマー駆動体235の電気活性ポリマーには、上記ノズルボディー111の洗浄水流路113を通じて水分が供給され続ける。
【0137】
上記ポリマー駆動体235の電極237に選択的に電源を供給することで、上記噴射チューブ220を前後左右に傾けたり、回転させることができる。上記操作部により上記ノズルアセンブリーの噴射チューブ220が傾いたり、回転されるように制御することができる。
【0138】
先ず、上記噴射チューブ220が左右側に傾く場合について説明する。
【0139】
左側の電極237には陰極(−)の電圧が印加され、右側の電極237には陽極(+)の電圧が印加される。
【0140】
このとき、上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された左側の電極237に移動するため、上記ポリマー駆動体235は、左側の電極237側が膨脹し、右側の電極237側が収縮する。上記ポリマー駆動体235が右側の電極237側に曲がって、上記噴射チューブ220が右側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射する(図14における矢印方向)。
【0141】
また、左側の電極237に陽極(+)の電圧が印加され、右側の電極237に陰極(−)の電圧が印加されると、上記ポリマー駆動体235は左側に傾く(図1における矢印の反対方向)。従って、上記噴射チューブ220は左側に傾いた状態で洗浄水を噴射する。
【0142】
上記のように噴射チューブ220を左右方向に位置移動させる場合には、上記前後1対の電極237に電圧を印加しない。
【0143】
次に、上記噴射チューブ220が前後側に傾く場合について説明する。
【0144】
図15は噴射チューブが前方側に傾いた状態を示した斜視図である。
【0145】
図15を参照すると、後方側の電極237には陰極(−)の電圧が印加され、前方側の電極237には陽極(+)の電圧が印加される。この場合、上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された後方側の電極237に移動するため、上記ポリマー駆動体235は、前後1対の後方側の電極237側が膨脹し、前方側の電極237側が収縮する。上記ポリマー駆動体235が前方側の電極237側に曲がって、上記噴射チューブ220が前方側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射する(図15の矢印方向)。
【0146】
また、後方側の電極237に陽極(+)の電圧が印加され、前方側の電極237に陰極(−)の電圧が印加されると、上記ポリマー駆動体235は後方側に傾く(図15の反対方向)。従って、上記噴射チューブ220は後方側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射する。
【0147】
次に、上記噴射チューブが回転する場合について説明する。
【0148】
左側の電極237には陰極(−)の電圧が印加され、右側の電極237には陽極(+)の電圧が印加される。このとき、上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された左側の電極237に移動するため、上記ポリマー積層体236が右側の電極237側に曲がって、上記噴射チューブ220が右側に若干傾いた状態で洗浄水を噴射する(図14における矢印方向)。
【0149】
次いで、上記左右1対の電極237に印加された電圧を遮断する。また、後方側の電極237には陰極(−)の電圧が印加され、前方側の電極237には陽極(+)の電圧が印加される。上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された後方側の電極237に移動するため、上記ポリマー駆動体235は前方側の電極237側に曲がる(図15における矢印方向)。
【0150】
このとき、上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーがまだ元の状態に回復していないため、上記噴射チューブ220は、右側に傾いた状態で前方側に移動し円錐を描きながら洗浄水を噴射する。
【0151】
次いで、上記前後1対の電極237に印加された電圧を遮断する。また、左側の電極237には陽極(+)の電圧が印加され、右側の電極237には陰極(−)の電圧が印加される。従って、上記ポリマー駆動体235の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された右側の電極237に移動するため、上記ポリマー積層体236は左側の電極237側に曲がる(図14における矢印の反対方向)。
【0152】
このとき、上記ポリマー駆動体235の水和電気活性ポリマーがまだ元の状態に回復していないため、上記噴射チューブ220は前方側に傾いた状態で左側に移動し円錐を描きながら洗浄水を噴射する。
【0153】
次いで、上記前後1対の電極237に印加された電圧を遮断する。また、後方側の電極237には陽極(+)の電圧が印加され、前方側の電極237には陰極(−)の電圧が印加される。上記ポリマー積層体236の水和電気活性ポリマーが陰極(−)の電圧を印加された前方側の電極237に移動するため、上記ポリマー駆動体235は後方電極237側に曲がる(図15における矢印の反対方向)。
【0154】
このとき、上記ポリマー積層体236の電気活性ポリマーがまだ元の状態に回復していないため、上記噴射チューブ220は左側に傾いた状態で後方側に移動し円錐を描きながら洗浄水を噴射する。
【0155】
上記のように、上記噴射チューブ220が所定の角度傾いた状態で円錐を描いて回転するため、回転水流が噴射されるようにすることができる。
【0156】
また、上記ポリマー駆動体235を左右交互に早く曲がるようにすることで、上記噴射チューブ220の水流を振動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は洗浄ノズルの噴射方向及び噴射角度を多様に調節することができるため、産業上に著しい利用可能性がある。
【符号の説明】
【0158】
110 洗浄ノズル
120 噴射チューブ
130 アクチュエータ
131 コネクタ
132 挿入部
135 ポリマー駆動体
136 ポリマー積層体
137 ポリマー膜
138 電極
140 電圧供給部
141 内部リング
142、144 電気接続部
143 外部リング
147 印刷回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水流路が形成された洗浄ノズルと、
前記洗浄水流路と連結されて洗浄水を噴射させる噴射チューブと、
前記噴射チューブに結合されるコネクタと、前記コネクタに結合される複数のポリマー駆動体を含み、前記ポリマー駆動体の内部には電気活性ポリマーが収容され、その外面には1対の電極が形成され、前記各ポリマー駆動体の電極に選択的に電圧が印加されると、電気活性ポリマーが一方の電極側に移動することによって該当ポリマー駆動体が曲がり、前記噴射チューブの噴射角度を調節するアクチュエータと、
前記ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する電圧供給部と、
を含むトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項2】
前記複数のポリマー駆動体は、噴射チューブを中心に対向するように対を成して配置されることを特徴とする請求項1に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項3】
前記ポリマー駆動体は2対で配置され、一方の対のポリマー駆動体は前記ノズルボディーの長さ方向に沿って配置され、他方の対のポリマー駆動体は前記ノズルボディーの長さ方向の両側に配置されることを特徴とする請求項2に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項4】
前記各対のポリマー駆動体には、同じ極性の電圧が同一方向の電極に印加されることを特徴とする請求項3に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項5】
前記コネクタには各ポリマー駆動体の端部が挿入されるように複数の挿入部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項6】
前記各挿入部は該当ポリマー駆動体の変形方向と垂直な方向に該当ポリマー駆動体と間隔を有するように形成されることを特徴とする請求項5に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項7】
前記電圧供給部は、
外周面に複数の溝が形成された内部リングと、
前記内部リングが内側面に嵌め込まれ、前記内部リングの複数の溝に対応するように複数の溝が形成され、前記各ポリマー駆動体が挿入されるようにする外部リングと、
前記各ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する印刷回路基板と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項8】
前記内部リングと外部リングの溝には、前記各ポリマー駆動体の電極に対応するように電気接続部が形成されることを特徴とする請求項7に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項9】
前記噴射チューブは、0.5〜4゜の範囲で傾斜角が調節されることを特徴とする請求項1に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項10】
洗浄水流路が形成される洗浄ノズルと、
前記洗浄水流路と連結されて洗浄水を噴射させる噴射チューブと、
前記噴射チューブが結合されるポリマー積層体と、前記ポリマー積層体の外面に形成された1対以上の電極を含み、前記電極に選択的に電圧が印加されると、前記電気活性ポリマーが一方の電極側に移動することによって曲がり、前記噴射チューブの噴射角度を調節するアクチュエータと、
前記ポリマー駆動体の電極に電圧を印加する電圧供給部と、
を含むトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項11】
前記各電極の対は、噴射チューブを中心に対向して配置されることを特徴とする請求項10に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項12】
前記ポリマー積層体の外面には2対の電極が配置され、
一方の対の電極は前記ノズルボディーの長さ方向に沿って配置され、他方の対の電極は前記ノズルボディーの長さ方向の両側に配置されることを特徴とする請求項11に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項13】
前記電圧供給部は、各電極に電圧を印加する印刷回路基板を含むことを特徴とする請求項12に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項14】
前記噴射チューブは、0.5〜4゜の範囲で傾斜角が調節されることを特徴とする請求項10に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリー。
【請求項15】
複数のポリマー駆動体のうちで対向する1対のポリマー駆動体の電極に電圧を印加することにより、噴射チューブの噴射角度を調節するトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法。
【請求項16】
ポリマー積層体の対向する1対の電極に電圧を印加することより、噴射チューブの噴射角度を調節することを特徴とするトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法。
【請求項17】
ポリマー駆動体の対向する1対の電極に印加された電圧を遮断し、隣接する異なる対の電極に電圧を印加してから遮断することを繰り返し、噴射チューブの噴射角度を連続的に変更させて水流が振動し、または、回転しながら噴射されるようにするトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法。
【請求項18】
前記1対の電極に印加された電圧を遮断すると同時に、異なる対の電極に電圧を印加することを特徴とする請求項17に記載のトイレ用ビデのノズルアセンブリーの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−504719(P2012−504719A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529995(P2011−529995)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005606
【国際公開番号】WO2010/041844
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】