説明

トイレ訓練を進める介護者を助ける方法

トイレ訓練を進める上で次の段階の用品への切り替え時期を介護者が判断するのを支援する方法である。この方法は、介護者が子供に第1の吸収性用品を使用している状態において、次の段階の用品のような第2の吸収性用品に関する情報を介護者に伝えるステップを含む。子供は、例えば、トイレ訓練を開始しておらず、又は、トイレ訓練過程中である。子供の行動特性又は濡れ方の特徴に応じて、トイレ訓練の進行を図るべく、次の段階の用品への切り替え時期にあるとの勧告が介護者に伝えられる。例えば、一実施例では、この方法は、子供の濡れ方の特徴をレディネス目標と比較するステップを含む。それがレディネス目標を満たしたならば、現在子供が着用している用品には存在しないトイレ訓練機能を有する用品への切り替えの勧告が介護者に伝えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ訓練の実施過程において、トイレ訓練用品の切り替え時期を介護者が判断するのを助ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
幼い男の子と女の子は、通常、トイレで一人で用を足すことを学ぶトイレ訓練過程に対し適応可能となるまでは、おむつをはく。子供がトイレ訓練過程を開始する時期は、多くの要因に依存するが、それには、心理的要因、生理的要因、個々の子供に特有な要因、又は、子供を囲む環境の要因が含まれる。
【0003】
トイレ訓練過程は、研究されており、トイレ訓練過程には、トイレ言葉の理解などの行動に特徴付けられる訓練初期段階から、幼児用座席なしでの通常のトイレ使用のような行動に特徴付けられる訓練後期段階まで、多くの訓練段階があることが分かっている。トイレ訓練過程の一部として、親又は介護者は、おむつの代わりにトイレを使うべきとの指示及び積極的な励まし及び/又は応援を子供に与えるのが望ましい。トイレ訓練用パンツは、これを着用したなら、おむつを大人の服装に酷似した下着を模倣した用品形態に変えてトイレをするような感覚を与える効果があるのでトイレ訓練過程中の適当な時点で使用するのが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレ訓練過程の特定の段階までに生ずる子供の能力の成長も、また、多くの要因に依存しているのでトイレ訓練過程は複雑である。この多くの要因にも、心理的要因、生理的要因、個々の子供に特有な要因、又は、子供を囲む環境の要因が含まれる。不都合なことであるが、初期のトイレ訓練教育又は手ほどきに対する子供からの反応が見られないような場合には、親又は介護者は、より適切な用品、教材又は技法の特定に戸惑う。この傾向は、子供における生理的レディネス及び/又は生理的成長の程度の評価が困難であることによって、具体的に言うならば、子供がどの程度長い間用品を濡らさずに乾いた状態を維持しているかということも、また、子供の排泄物がどの程度の量かということも(成長又はレディネスの指標)吸収容量の大きな吸収性用品によって隠されてしまうので、更に大きくならざるを得ない。
【0005】
子供のトイレ訓練教程の効率改善を目的とした提案が、米国特許第6250929号(特許文献1)に開示されている(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。米国特許第6250929号明細書は、トイレ訓練における子供の能力の現在レベル又は段階を評価するための成長尺度を使用する方法を記載している。この米国特許明細書の方法は、また、トイレ訓練における子供の能力の現在の段階に相応しい特定のトイレ訓練に関する勧告の形態でのフィードバックを提供する。米国特許第6250929号明細書は、当業界における格段の進歩を示している。
【0006】
この明細書は、子供のトイレ訓練における親などの介護者を支援する方法の一層の改良を対象とする。例えば、多くの介護者は、子供がトイレ訓練を受け始める準備ができた時期について正確に認識しておらず、また、トイレ訓練の迅速化及び/又は簡易化の促進の支援となるある吸収性用品(例えば、おむつ)から他の吸収性用品(例えば、吸収性パンツ)への切り替え時期の決定にも困難を感じている。この明細書は、子供に使用するトイレ用吸収性用品を選択する際に、介護者が、子供の濡れ方の特徴に基づいてその吸収性用品を選択するのを支援する方法について説明する。より詳細には、この明細書は、介護者が、子供の成長に合わせて、第1の段階の用品から次の段階の用品へと切り替えるのを支援する方法を対象とする。この明細書は、また、トイレ訓練過程にある子供の成長に関する情報を介護者へフィードバックして提供する方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に、この明細書は、トイレ訓練を進める上で次の段階のトイレ用品への切り替え時期を介護者が決定するのを支援する方法を対象とする。この明細書は、また、トイレ訓練過程において達成された進歩の程度を介護者に知らせるための方法も対象とする。例えば、一実施例では、この方法には、トイレ訓練を受けたことのない子供に初めて吸収性用品を使用するステップが含まれる。初めて使用する吸収性用品には、少なくとも1つのレディネス目標(readiness target)に関する指標(indicia)を含むことができる。レディネス目標とは、例えば、それが満たされたことが確認されたならば、子供のトイレ訓練を次の段階へと進めるべき時であることを示す子供の行動特性(behavioral characteristic)を含む。例えば、レディネス目標は、子供の濡れ方の特徴(wetness characteristic)に関係する。
【0008】
子供における第1の吸収性用品の使用の間、この明細書で説明の方法は、介護者に、第2の吸収性用品に関する情報を提供するステップをさらに含む構成が可能である。第2の吸収性用品は、例えば、第1の吸収性用品には存在しないトイレ訓練機能を備えることも可能である。第2の吸収性用品に関する情報は、様々な方法で介護者に伝達可能である。例えば、一実施例では、第2の吸収性用品に関する情報は、第1の吸収性用品を収納している包装材の上に又は第1の吸収性用品の上に直接表示することも可能である。例えば、第2の吸収性用品に関する情報を、第1の吸収性用品又はその包装材上に表示された印刷物とすることも可能である。
【0009】
代替的実施例では、第2の吸収性用品に関する情報は、第1の吸収性用品と共に使用する構成要素を介して介護者に伝達される。例えば、第1の吸収性用品は、信号装置を有する濡れ検知システムを含む。この信号装置は、第1の吸収性用品と共に使用される電子装置を含む。この信号装置は、トイレ訓練の進行を助ける代替用吸収性用品の選択についての情報を介護者に伝えるのに使用される。
【0010】
この明細書の説明によれば、本発明の方法は、さらに、子供が少なくとも1つのレディネス目標へ到達したときに、介護者に、第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えを勧告するステップを含む。第2の吸収性用品への切り替えの勧告は、上述したいずれかの方法で、介護者に伝えられる。
【0011】
一実施例では、第1の吸収性用品は、子供の1以上の濡れ方の特徴を監視するインジケータを含んでおり、この濡れ方の特徴はレディネス目標と関係する。濡れ方の特徴には、例えば、第1の吸収性用品で子供が濡らすことなしに乾いた状態を維持する時間の長さ、及び/又は、吸収性用品に放尿があった時に第1の吸収性用品において1回の排泄で子供が放出する尿の量が含まれる。第1の吸収性用品に含まれるインジケータには、上述したような濡れ検知システム、又は、第1の吸収性用品内に子供が放出する尿の量を定量的に又は定性的に計測するように設計された排泄量インジケータなどの任意の別の適切な装置を含み得る。第1の吸収性用品に含まれるインジケータは、介護者が、子供の濡れ方の特徴をレディネス目標と比較してトイレ訓練での子供の進歩の度合いを評価するのに使用することができる。
【0012】
トイレ訓練の開始の後、この明細書は、また、子供に生じた進歩に関するフィードバックを介護者に提供する別の方法も対象とする。例えば、トイレ訓練の実施中、子供の成長を評価するための手段として、濡れ方の特徴への監視が継続して行われる。例えば、時間の経過に伴い生ずる排泄量の増加、排泄と排泄の間の間隔の増加(すなわち、尿の放出量)、及び/又は、子供が普通のトイレの使用を試みる頻度は、継続して監視されることによって、トイレ訓練により子供に進歩が生じていること、及び、介護者が選択したトイレ訓練過程及び/又は選択した吸収性用品が有効に機能していることを介護者にフィードバックして知らせる。
【0013】
本発明の他の特徴及び側面は、以下の説明において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この明細書の説明に従って使用される吸収性用品の一実施例の透視図である。
【図2】この明細書の説明に従って使用される排泄量インジケータの一実施例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この明細書の説明は、例示的実施例の記述のためのみであり、本発明の範囲の限定を意図しないことを当業者は理解されたい。
【0016】
親を含む介護者は、しばしば、子供がトイレ訓練に適する時期の判断及びトイレ訓練過程において子供に進歩があったか否かの判断に戸惑う。さらに、トイレ訓練の途中において問題が生じた場合では、トイレ訓練過程の支援として有効な別の方策を知る機会を逸することとなる。この種の用品として、介護者がトイレ訓練教程を開始するのを支援する、及び/又は、トイレ訓練中に問題が生じたときに介護者を支援する様々な吸収性用品が市販されている。
【0017】
一般的に、この明細書の説明は、子供のトイレ訓練過程において、親を含む介護者が、適切な吸収性用品を選択して子供に使用するのを支援する方法を対象とする。より詳細には、この方法は、第1の吸収性用品の使用中に、別の吸収性用品に関する情報を介護者に提供するステップを含む。ここにいう別の吸収性用品とは、例えば、子供のトイレ訓練において介護者を支援するべく設計された1以上の機能を有する次の段階の用品を含む。例えば、一実施例では、次の段階の用品に関する情報は、吸収性用品が収納される包装材の上に表示され、又は現在使用している吸収性用品自体の上に直接表示される。
【0018】
この明細書の説明に従い、現在使用中の吸収性用品を別の吸収性用品に切り替えるための適切な時期について介護者に勧告又は助言を提供する1以上の指標(indices)を吸収性用品に設けることができる。第2の吸収性用品への切り替えは、例えば、トイレ訓練の開始を目的として、又は、別の場合としては、トイレ訓練過程の進行を助けることを目的として、勧告される。例えば、既定形態の用品を使用した特定の子供について、トイレ訓練過程に遅れが生じたり又は障害があったような場合には、別の用品が勧告される。
【0019】
一実施例として、次の段階の用品への切り替えを指示する勧告又は示唆は、子供における1以上の行動特性又は濡れ方の特徴に基づいている。
【0020】
例えば、子供がトイレ訓練教程に適する状態に達しているか否か、及び、トイレ訓練開始後に子供に成長が見られたか否かは、子供の様々な濡れ方の特徴によって判断される。例えば、子供が発達した膀胱制御能力を有することを示すサインは、その子供がトイレ訓練に適する状態に達しているか否かに関係する。膀胱制御能力は、具体的には、お漏らしとお漏らしの間の間隔の長期化、尿放出量の増加、等によって検証される。子供の方からトイレ使用を希望し、又は、トイレ使用能力を欲した場合、それは、トイレ訓練を子供が完全にマスターするのを支援する次の段階の別の吸収性用品へと訓練をレベルアップすることに子供が適応可能であることの明白なシグナルである。
【0021】
一実施例において、子供に現に使用する吸収性用品は、1以上のインジケータを含み、このインジケータは、用品の使用過程における子供の少なくとも1つの濡れ方の特徴を監視し、又は、用品の使用過程における子供の少なくとも1つの濡れ方の特徴に関する情報を提供する。この明細書の説明に従い、本発明の用品は、介護者に、1以上の濡れ方の特徴に関するレディネス目標を示す。子供がレディネス目標に到達可能となったならば、例えば、その吸収性用品又はその関連部品は、次の段階の用品への切り替え時期であることを介護者に伝える。レディネス目標は、例えば、吸収性用品が乾燥状態にある長さの時間であり、これは、用品内への尿放出量に関係し、又は、子供の別の様々な特性に関係する。吸収性用品の形態は、簡単なプルオン用品、子供にお漏らしを示す視覚インジケータを備えたプルオン用品、又は、子供にお漏らしを触覚でのフィードバックとして伝える知覚エレメントを備えたプルオン用品、又は、子供及び介護者に尿が放出していること(又は尿を放出したこと)を合図する聴覚アラームを備えたプルオン用品とすることができる。
【0022】
この明細書に説明の方法に従い様々な種類の吸収性用品の使用が可能である。一実施例では、例えば、この明細書に説明の方法は、図1に図解のような濡れ検知システムを含む吸収性用品を使用することができる。図1を参照するに、おむつなどの吸収性用品20を示す。吸収性用品20は、適切な吸収性用品であれば、いずれの用品も制限なしに含む。図示した実施例では、例えば、吸収性用品20は、前側領域22、後側領域24、及び股部分26を包含するシャーシ32を含む。シャーシ32は、各種の材料で製作可能である。一実施例では、例えば、シャーシ32は、外側カバー40及びこの外側カバー40に重ねられた状態で接合される身体側のライナー42を含む。ライナー42は、例えば、前側の腰部合せ目と後側の腰部合せ目を形成するようにシャーシ32の周縁に沿って外側カバー40に適切に接合される。さらに、ライナー42は、前側領域22と後側領域24の間の一対の側部合せ目を形成するように外側カバー40に適切に接合される。ライナー42は、用品を着用した際にライナーが着用者の皮膚と面するように用品の他の部分に対して配置される。
【0023】
外側カバー40は、例としては、通気性であり、且つ/又は、液体不浸透性である。外側カバー40は、単一層、多重層、積層体、スパンボンド布地、フイルム、メルトブローン布地、ゴム製ネット、多孔性ウエブ、ボンデッドカーデッド・ウエブ又は発泡材で構成することができる。
【0024】
身体側のライナー42は、一方で、着用者の皮膚に対する刺激性はなく、適切にフィットする柔らかい感触である。身体側のライナー42は、また、このライナーの厚さ寸法を液状の身体滲出物が容易に通り抜けるのを可能とするに十分な程の液体浸透性である。身体側のライナー42は、多孔発泡材、網状発泡材、多孔プラスチック・フイルム、織物ウエブと不織ウエブ、又は、これらの材料の混合材料などのウエブ材料の広範な選択から製造することができる。一実施例では、身体側のライナー42は、メルトブローン・ウエブ、スパンボンド・ウエブ、又はボンデッドカーデッド・ウエブを含む。身体側のライナー42は、実質的に疎水性の材料で構成可能であり、選択により、この疎水性の材料を界面活性剤で処理することも可能である。
【0025】
シャーシ32は、さらに、用品着用者の液状身体滲出物を吸収するための吸収構造体を外側カバー40と身体側のライナー42の間に配設することも可能である。この吸収構造体は、概略、用品着用者の皮膚に対して圧接して適合し、皮膚への刺激性のない構造又は構成要素の組合せであって、液体及び排泄物を吸収し保蔵することが可能である。例としては、この吸収構造体は、セルロース繊維、その他の天然繊維、合成繊維、織物シート又は不織シート、スクリム・ネット、又は他の安定化構造材、超吸収材料、結合材料、界面活性剤、選択された疎水性材料、顔料、ローション、他の香り制御剤、等を含み、これらの混合物も同様に含む。一実施例では、この吸収構造体は、セルロース綿毛又は超吸収ヒドロゲル形成粒子を基材とする。
【0026】
当業界で公知のように、シャーシは、また、身体側のライナー42に取り付けられて身体滲出物の横方向への流れを妨げる一対の流止めフラップ材46を含むことが可能である。流止めフラップ材46は弾性が有しており、その一部分はシャーシに接合しない縁を形成し、この縁は、吸収性用品20の少なくとも股部分26の個所で立ち上がった形態であり、着用者の身体に当接してシールを形成する。この流止めフラップ材46は、シャーシ32の全長に沿って長さ方向に延在する構成も可能であり、又は、シャーシの長さに沿ってその一部分でのみ延在する構成も可能である。
【0027】
身体滲出物の流止め及び/又は吸収の一層の向上を図るべく、吸収性用品20に、また、脚部伸縮部材58を適切に設けることも可能である。脚部伸縮部材58は、外側カバー40及び/又は身体側のライナー42に有効に機能するように接合され、吸収性用品20の股部分26内に配置される。
【0028】
脚部伸縮部材58は、任意の適切な弾性材料で形成することができる。適切な弾性材料には、例えば、天然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性弾性ポリマーのシート、ストランド、又はリボンが含まれる。この弾性材料は、引き伸ばして基材に接着したり、ギャザー基材に接着したり、又は、基材に接着後に、例えば、基材に弾性収縮力を与えるような加熱処理によって弾性を与えられ又は収縮される。
【0029】
図1に示すように、吸収性用品20は、さらに、一対の対向位置にある伸縮性側部パネル材又はタブ34を含む構成も可能である。伸縮性側部パネル材34は、用品を所定位置に保持するべく着用者の腰及び/又は臀部の周りで引き伸ばして利用される。図示した実施例では、伸縮性側部パネル材は、シャーシの後側領域に取り付けられる。しかし、代替的実施例では、伸縮性側部パネル材は、シャーシの前側領域に取り付けられる。
【0030】
或る代替的実施例では、シャーシの全体又はその大部分を弾性材料で製作することが可能である。この実施例では、例えば、側部パネル材34は、シャーシ32と一体構造にすることができる。
【0031】
着用者の所定の部位での吸収性用品の保持を目的として、吸収性用品は締結装置を含むが、この締結装置は、締結されたならば、一対の脚用開口に対向する腰用開口を有する3次元形状の用品を形成する。図示した実施例では、締結装置は、フックとループより成るファスナーを含む。例えば、図1に示すように、伸縮性側部パネル材34にはフック材82が接続し、このフック材は、用品を囲むように伸びて、適切なループ材の在る用品外表面に係合することを目的としている。
【0032】
しかし、フックとループより成るファスナーに加えるに、任意の適切な締結装置を用品に設けることも可能であることを理解されたい。例えば、或る代替的実施例では、着用者の身体の周りに側部パネル材を締結するのに圧力感知式接着剤を使用することができる。適切な別のファスナーには、粘着式ファスナー、機械式ファスナー、等が含まれる。適切な他の機械式ファスナーには、バックル、スナップ、等が含まれる。
【0033】
この明細書に説明の方法に従って使用することを目的として、吸収性用品20は、さらに、濡れ検知システムを含む。この濡れ検知システムは、第2導電要素102との間に間隔をおいて配置された第1導電要素100を含む。この実施例では、これらの導電要素は、相互の交差なしに、濡れ検知吸収性用品の前側領域22から後側領域24へと延在する。導電要素100と102は、例えば、エレクトロサイエンス・ラボラトリー社(Electroscience Laboratories, Inc.)から供給される112−Sシルバーメタリック導電性ペースト(インク)を含む導電性箔及び2002年7月9日にザイン等に発行の米国特許第6417455号明細書(特許文献2)に記載の導電性箔又は導線のような任意の適切な導電材料により構成される。第1導電要素100は、第2導電要素とは交差することなく開回路を形成しており、この開回路は、例えば、両導電要素間に導電性流体が載ったときに閉じる。しかし、別の実施例では、第1導電要素100と第2導電要素102を、シャーシ内のセンサーに接続することもできる。このセンサーは、温度の変化を感知するのに使用のもの、代謝物のような異物の存在を感知するのに使用のもの、又は、流体の存在の感知に加えて流体の量の感知に使用のものとすることができる。
【0034】
導電性要素100及び102は、吸収性用品に吸収された体液と接触する位置であるならばシャーシ32内のどの位置にでも取り付け可能である。この場合、導電要素100と102は、一般的に、外側カバー40の内側に存在する。実際、一実施例では、導電要素100と102は、吸収構造体44に面している外側カバー40の内側表面に取り付けられるか又は積層される。ところで、代替的には、導電要素100と102を、吸収構造体44上に配置することもでき、又は、ライナー42上に配置することもできる。
【0035】
導電要素100と102は、直接的接触又は間接的接触のいずれかを介して信号装置112に接続することができる。第1導電要素100は、第1導電パッド部材104に取り付けられ、一方、第2導電要素102は、第2導電パッド部材106に接続される。パッド部材104及び106は、導電要素によって形成される開回路の間に信号装置112への確実な接続を形成するために設けられる。この信号装置112は、製造者又は消費者によってシャーシ上に取り付けられるように設計されている。
【0036】
この明細書の説明に従い、信号装置112は、着用者の少なくとも1つの濡れ方の特徴を監視又は感知するように構成される。レディネス目標に関係する濡れ方の特徴に基づいて、同一の吸収性用品の使用継続か、又は、別の吸収性用品への切り替えか、の勧告又は示唆が、介護者に知らさせる。濡れ方の特徴の監視によって、介護者は、また、トイレ訓練の達成へと向かう子供の成長についてフィードバックを得ることができる。
【0037】
使用者又は介護者に情報を伝える様式は、その特定用途に応じて大胆に変更ことが可能である。一実施例では、例えば、関連する情報の全てを介護者に伝達するように信号装置112を構成することができる。例えば、信号装置が、濡れ方の特徴を監視し、そして、この濡れ方の特徴をレディネス目標と比較する。濡れ方の特徴がレディネス目標を満たしたならば、トイレ訓練過程を進める別の用品に子供が適する状態に達していることを信号装置が介護者に知らせる。別の用品への切り替えの勧告又示唆は、例えば、一実施例では、簡略には、信号装置の有する可聴信号又は可視信号とすることが可能である。例えば、信号装置は、色が変化(すなわち、赤から緑へ)して使用者に用品切り替え勧告を伝える1以上の発光装置を含む構成も可能である。代替的には、レディネスの選択されたサインに関連して聴覚信号の選択を変更することができる。
【0038】
代替的であり且つさらに工夫された方法としては、インターネットを介して接続可能な双方向ウエブサイトなどの電子通信媒体で接続するように信号装置を構成することができる。例えば、信号装置に保存された情報をダウンロードするべく、信号装置のウエブサイトへの接続が可能である。そのウエブサイトは、受信した情報とデータに基づいて、同一の用品の使用を継続すべきか、又は、別の用品への切り替えを行うべきか、の勧告又は示唆を生成する。この実施例では、ウエブサイトは、そのデータを使用し且つ子供の濡れ方の特徴に基づいて多数の異なる系列の用品の中から子供に最適な特定の用品を選択するよう構成可能である。用品の選択は、1以上の濡れ方の特徴のみに基づくのではなく、使用者がウエブサイトに入力することのできる様々な入力情報に基づくことができる。そのような別の情報には、性、身長、体重、年齢のような子供の各種の身体的特徴が含まれる。
【0039】
さらに別の実施例では、新しい用品への切り替えの勧告又は示唆は、用品を収納している包装材の上に表した又は現在子供が使用中の用品の上に直接に表した印刷物を介して介護者に伝えられる。例えば、この実施例では、信号装置112は、子供の1以上の濡れ方の特徴を監視又は検知するのに使用される。そして、介護者は、信号装置から得られた濡れ方の特徴を、印刷物によって介護者に示される1以上のレディネス目標と比較する。レディネス目標が満たされたならば、介護者は、それが、トイレ訓練を進めるための用品切り替え勧告に相当することを、印刷物によって知る。
【0040】
第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えは、子供の進歩成長に合わせて変更することができる。一実施例では、例えば、その勧告は、トイレ訓練開始を目的とするような、おむつからトイレ訓練パンツへの切り替えの勧告である。トイレ訓練パンツの使用は、おむつから大人の衣服とトイレ使用への変更を体感させるので、トイレ訓練過程の或る時点において使用するのが望ましい。
【0041】
代替的実施例では、第1の吸収性用品と第2の吸収性用品の両方とも、おむつ又はトイレ訓練パンツとして共通であるが、第2の吸収性用品に、第1の吸収性用品には存在しないトイレ訓練機能を含有し又は有する構成も可能である。例えば、トイレ訓練において困難が生じたならば、そのときの勧告又は示唆を、さらに強化された訓練を提供する用品への切り替えの勧告又は示唆とし、又は子供がトイレを使用するのを励ますこと、及び/又は、吸収性用品の濡れを嫌がらせること、のいずれかによって子供のトイレ訓練を助ける訓練補助を有する用品への切り替えの勧告又は示唆とする。
【0042】
例えば、一実施例では、その勧告は、第1のトイレ訓練パンツ用品から第2のトイレ訓練パンツ用品への切り替えの勧告である。この実施例では、第2のトイレ訓練パンツ用品は、第1の用品上には存在しない特徴機能である子供のトイレ使用を励ます図柄などを含むことができる。一実施例では、例えば、この図柄は、用品が濡れると消えることによって子供にお漏らしをさせないようにする漫画とすることが可能である。
【0043】
別の実施例では、第2の吸収性用品は、濡れたならば、着用者に冷たい感覚を与える冷却装置を含むことができる。冷却装置は、子供に用品へのお漏らしをさせないようにする効果があり、少なくとも、子供に用品が濡れた、そして、トイレ使用を考えるべき、とのシグナルを子供に与える効果がある。上述したように冷却装置を含む用品の使用は、例えば、夜中に用品への子供の放尿があり且つその際に子供を起こすのに冷却装置を使用するような場合に適している。
【0044】
通常、任意の適切な冷却装置を用品に設ける。一実施例では、例えば、冷却装置は、お漏らしがあった場合に温度変化を起こして冷たい感覚を生じさせる変温器を含む。使用可能な変温器の例が、米国特許第5681298号明細書(特許文献3)及び米国特許出願公開第2007/0149936号明細書(特許文献4)に開示されている(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0045】
図1に図解する実施例では、信号装置112は、少なくとも1つの濡れ方の特徴を監視するために使用される。しかし、濡れ方の特徴を監視するためには別の様々な構造が利用可能であることを理解されたい。例えば、一実施例では、濡れ方の特徴の監視又は検知は、別の種類のインジケータによって行われる。例えば、図2に示されるように、一実施例において、第1の吸収性用品は、全体的に200で示される排泄量インジケータを含む。排泄量インジケータは、吸収性用品内に放出される尿の量を直接的又は間接的のいずれかの様式で示すことを目的として設けられる。お漏らしの際の吸収性用品内での比較的大量な放出尿量は、子供の膀胱制御能力を示しており、したがって、トイレ訓練教程に対する準備ができた状態に達していることを示す。この明細書の説明に従い用品内に設けられる排泄量インジケータの例は、米国特許出願公開第2004/0055367号明細書(特許文献5)に開示されている(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0046】
図2に示されるように、排泄量インジケータ200は、各々が一次濡れインジケータを有する複数の濡れ表示領域を含み、この複数の濡れ表示領域は、排泄量すなわち排尿量の漸進的な増加を示すフィードバックを提供する。一実施例では、例えば、吸収構造体を介して尿が拡散するのに伴い各領域が別の色に変化する。
【0047】
より詳細には、排泄量インジケータ200は、複数の濡れ表示領域228を含む。濡れ表示領域は、パッドに吸収される排泄物の増加に対応する任意の適切な形状を有する。同心円型の領域では、例えば、円形とすることもでき、楕円形とすることもでき、又は、それらの複合形とすることもできる。図2に図解の実施例では、濡れ表示領域は、矩形領域231である。矩形領域231は、その長さが横中央軸線234に対して平行で、その幅が縦中央軸線236に対して平行となるように配置される。排泄量インジケータ200は、吸い上げ(wicking)によって理想的に排泄が生ずると想定される中央部分238から尿及びそのほかの液体が時間の経過に従ってより遠い領域に向けて吸い上げる。
【0048】
図2に示す排泄量インジケータ200は、吸収性用品内に設けることを目的としている。これに関連して、排泄量インジケータ200は、底部シート222と上部シート226の間に配置された吸収構造体224を含む。上部シート226と底部シート222は、吸収性用品のライナーと外側カバーとして構成されるか、又は、その逆に構成される。
【0049】
設けられる濡れ表示領域228の数は、特定用品及び必要な精度に応じて変更可能である。
【0050】
一実施例では、各々の濡れ表示領域228が、一次濡れインジケータ230と二次濡れインジケータ232とを含むことが可能である。一次濡れインジケータ230は、色を含む。一方、二次濡れインジケータ232は、単語、数字、文字、又は記号のような標示(indicia)を含む。しかし、代替的実施例では、排泄量インジケータは、単一の濡れインジケータのみを含む。
【0051】
濡れインジケータは、特定の用途に応じて、用品に吸収された液体の量を定性的に表示し、又は、液体の量を定量的に、例えば、ミリメーター、オンス等で表示することができる。
【0052】
さらに別の実施例では、排泄量インジケータ200は、図1に示すような信号装置に通信する電子機器を含む。例えば、信号装置は、放尿の後に、液体の拡散を表示し、したがって、用品内に存在する尿又はその他の液体の量を使用者に示すことができる。
【0053】
特定の一実施例では、例えば、信号装置は、排泄物の量の近似値を求めることを目的として、吸収性用品内にパルス入力信号を発信する。非較正状態においても、信号装置は、自己整合して、パルス信号の振幅変化量に基づいて排泄物量を比較する。データが集中するのに伴い、レディネス目標が満たされたか否かの判断のために、簡単なピーク最大値が比較される。簡単なピーク最大値は、また、トイレ訓練過程で子供に進歩があったか否かを判断するフィードバックを介護者に提供するのに使用される。例えば、トイレ訓練の実施中に子供に進歩があったならば、介護者は、現在使用中の用品の引き続き使用を望む。しかし、排泄物量が増加しない場合には、介護者は、用品の変更を望む。
【0054】
図2に示される排泄量インジケータ200は、用品が吸収した液体の相対量に関する情報を介護者に伝えるべく構成可能であるのみならず、用品切り替えの時であることを介護者に知らせるレディネス目標に関連して使用するようにも構成可能である。例えば、レディネス目標には、それに子供の液体量が一度到達したならば又は連続して到達したならば、子供がトイレ訓練を開始するのに必要な膀胱制御能力を有していることを示す特定の液体量が含まれる。すなわち、この明細書の説明は、介護者にトイレ訓練開始時期を判断するための直接客観的な方法を提供する。
【0055】
レディネス目標及び用品切り替え勧告は、図1に示す濡れ検知システムと関連した上述したいずれかの方法を使用して、排泄量インジケータ200との協同で介護者に伝えられる。
【0056】
さらに別の実施例では、第1の吸収性用品は、図2に示す排泄量インジケータの代わりに、子供が用品を着用した後において用品が乾燥状態にある時間を計測するインジケータを有する。子供が吸収性用品に放尿するに至るまでの時間の長さも、膀胱制御能力を示す1つの指標である。用品が乾燥状態にある時間は、様々な技法を使って計測し且つ検知することができる。例えば、一実施例では、図1に示す濡れ検知システムは、用品が乾燥状態にある時間の計測のために信号装置112内に組み入れたタイマーを含むことができる。
【0057】
代替的実施例では、この明細書の説明に関連して、別の様々な乾燥時間インジケータの利用が可能であり且つ使用できる。例えば、相対的時間経過を伝える様々な装置又はコンセプトが、米国特許第5058088号明細書(特許文献6)、米国特許第5719828号明細書(特許文献7)、米国特許第5785354号明細書(特許文献8)、米国特許第5602804号明細書(特許文献9)、米国特許第6752430号明細書(特許文献10)に開示されており(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)、これらは、この明細書に説明の方法を実施するための吸収性用品に使用可能である。
【0058】
吸収性用品での使用に特に適している特別な乾燥インジケータが、米国特許出願公開第2006/0114754号明細書(特許文献11)に開示されている(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。通常、この装置は、インジケータ・パネル又はデイスプレイ部分を基板上に有しており、該基板は、包装材料又は別のパッケージ内に封入される。このデイスプレイ装置は、様々な表面又は形状を包含する。例えば、基本となるインジケータ・パネルは、平坦であって、実質的に二次元表面を有する。代替的には、インジケータ・パネルは、三次元わん曲面を有するか、又は、成形物品又は幾何学形状の一部分を構成する。包装材料は、使用者がインジケータ部分を見ることができるように、少なくとも部分的に透明である。インジケータ・パネルの上には、相互に間隔をあけて配列された多数の視覚的に区別できる部分又は領域を有する図柄又は別のなんらかの視覚形象のいずれかが配置される。この装置は、さらに、少なくとも、内蔵式タンクを含み、この内蔵式タンクは、インジケータ・パネルに制御的に接続されており、このインジケータ・パネルは包装材料内に入れられている。インジケータ・パネルは、クロマトグラフイーで混合液から分離される層位別離成分を含む材料吸収性カラム又はストリップに類似の機能を果たすので、この装置は、全体として、クロマトグラムと言われる。
【0059】
前記のタンクは、活性化剤を含む。活性化剤は、タンクから放出されたならば、インジケータ・パネルに相互に作用する。活性化剤は、インジケータ・パネル内又はその上に移動前線(mobile front)を生じ、この移動前線は、視覚的に区別できる部分の各々から、着色剤と一緒にインジケータ・パネルを通過する。視覚的に区別できる部分の各々は、相互に隣接してか、又は、離間してかの、いずれかで配列することができる。視覚的に区別できる部分の各々は、単色又は多色のいずれかである。望ましくは、視覚的に区別できる部分の各々は、単色であり、且つ、隣接のものに対して、異なる、対比色である。視覚的に区別できる部分の各々には、移動前線が通過したときにこれに伴い広がって視覚的に区別できる部分に均一に充満し、より一層視覚的に目立たせることの可能な幅の線又は図形模様として、その初期において、着色剤の配置が可能である。
【0060】
移動前線の移動に伴い、着色剤の各視覚的に区別できる部分からの移動が引き起こされ、この移動は、境界に沿って、又は、隣接の視覚的に区別できる部分内へ、のいずれかである。或る実施例では、インジケータ・パネルは、隣接する視覚的に区別できる部分からの着色剤の流入又は混合のいずれをも可能とするように構成される。代替的なものとして、インジケータ・パネル材料の所謂「ゲート」は、1つの視覚的に区別できる部分から別の視覚的に区別できる部分への着色剤の流出率又は流出方向のいずれをも制御することができる。このゲートは、1つの着色剤又は1群の着色剤がその属する視覚的に区別できる部分の外へ移動するのを抑えるように設計されており、したがって、活性化剤が隣接する視覚的に区別できる部分を介しての移動を継続しても、着色剤の拡張現象は各視覚的に区別できる部分内に限定され、隣接する視覚的に区別できる部分への影響は生じない。
【0061】
インジケータ・パネルの活性部分は、セルロース又はセルロース・ポリマーを主成分とする材料(例えば、芯材の帯片)、ゲル、プラスチック/ポリマー・フイルム、クロマトグラフ分離材料、無機粒子又は無機酸化物(例えば、SiO,Al)、又は、これらの材料の混合物のグループから選択した材料で構成可能である。前記タンクは、液体状流体又は気体状流体のいずれかを含有することができる。液体状流体は、水、チキソトロピック材料、アルコール、又は、不燃性溶剤、又は、他の有機種のいずれかとすることができる。例えば、液体状流体は、界面活性剤、脂肪酸、又は、脂肪族アルコールとすることができる。気体状流体は、空気、酸素、二酸化炭素、還元ガス、又は、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン)、湿った気体(すなわち、水蒸気含有気体)、又は、これらの混合体のいずれかとすることができる。
【0062】
前記タンクとインジケータ・パネルの間には、壊し易いシールが配置される。この壊し易いシールを壊すと、タンク内部とインジケータ・パネルとの間に連通が形成され、計時エレメントが始動する。計時エレメントが始動したならば、活性化剤がインジケータに流入して作用し、インジケータ・パネルの表面上又は内部のいずれかに沿って所定の速度で前方へ進む。活性化剤がインジケータ・パネルを移動していく速度は、例えば、単位距離当りの、分、時、又は日のいずれかのオーダーでの表現ができるであろう。この装置には、さらに、インジケータ・パネルの前面に現れる計時エレメントの成長を中断するのに適した逆フィードバック妨害剤を含むことができる。逆フィードバック妨害剤は、インジケータ・パネルでの通常の成長及び現象を修正する。好ましくは、逆フィードバック妨害が何時生じたかを図表で示すようにインジケータ・パネルを精巧に調整する。換言するならば、インジケータ・パネルに逆フィードバック妨害が最初に入れられた時点で、それを越えての活性化剤の成長が抑えられ又は中断されるディスプレイ上の位置に、化学的特徴又は点又は線などのマークが現れる。
【0063】
一実施例では、第1の吸収性用品に乾燥インジケータを取り付けることができる。吸収性用品の子供への着用時に、壊し易いシールを壊して計時エレメントの起動が可能である。用品に濡れが生じたならば、計時エレメントは停止しその排泄の発生時を示す。この装置によって、吸収性用品が乾燥状態にある時間の定性的に又は定量的な計測が可能である。
【0064】
この明細書の説明に従い、子供が吸収性用品に放尿するまでに要した時間は乾燥インジケータによって示されるが、この時間は、介護者に吸収性用品によって直接又は間接に知らされるレディネス目標と比較することができる。子供がレディネス目標を満たしたならば、用品を切り替え且つトイレ訓練を支援する介護者への勧告が生成したものとすることができる。この情報はすべて、上述した方法又は技法の任意のものを使用して介護者に伝えることができる。
【0065】
用品が乾燥状態にある時間の長さは計算され、そして、様々な方法で介護者に伝達可能である。例えば、図1に示す信号装置を使用した場合では特に、乾燥状態にある時間の長さは、数日、数週間、又は数ヶ月のデータでの平均とすることができる。一実施例では、乾燥状態にある時間を、子供の日常行動にしたがって区切ることもできる。例えば、一日の異なる時間、朝、午後、夜などのような時間ごとに分けて計算することができる。分割した乾燥状態にある時間の計算は、子供の就寝中にも可能である。
【0066】
一実施例では、用品が乾燥状態にある時間は、インターネットによって接続可能な双方向ウエブサイトのような電子通信媒体による通信を介して記録し又は保存することができる。この方式では、レディネス目標が満たされたか否かの判断のためだけでなく、子供のトイレ訓練開始後に子供に進歩があったか否かを判断するためにも、或る長さの時間にわたり用品が乾燥状態にある時間の監視を行うことができる。この方式では、子供の進歩を示すフィードバックを介護者に提供することができる。子供に進歩が生ぜず、又は、子供の進歩が非常に遅い場合には、トイレ訓練を今までのものよりも促進する別の用品への切り替え検討の勧告が介護者に伝えられる。
【0067】
この明細書の説明に従い監視可能な別の1つの濡れ方の特徴には、子供がトイレを使用し又はトイレ使用を試みる頻度がある。この実施例では、例えば、子供の行動の監視のために接近検知システムが使用される。例えば、トイレ内に、子供に音声メッセージを伝え、及び/又は、子供がその装置に接近してトイレ使用を試みる時を監視する接近検知器を設置することができる。接近検知器は、例えば、子供のトイレ使用を記録するのみではなく、トイレ訓練中に子供に対して積極的なフィードバック又は指示を伝えることもできる。このフィードバック又は指示には、例えば、健康及び衛生生活能力訓練に必要な行動を含むこともできる。
【0068】
一実施例では、接近検知器は、ウエブで構成されるインターネット・サイトに無線通信し、又は、図1に示す信号装置に無線通信する。信号装置は、情報を保存し、そして、介護者にその情報を直接伝え、又は、その情報をウエブで構成されるインターネット・サイトへ伝送する。
【0069】
さらに別の実施例では、接近検知器は、信号装置自体を含む。この実施例では、例えば、センサーは、トイレの近くに配置され、信号装置と無線通信する。
【0070】
全体的には、接近検知器は、時の経過とともに子供がトイレに近づく回数、トイレの時間間隔及びトイレへの接近の時間、トイレ使用と使用の間の時間、等を追跡するのと同様に、子供がトイレに近づく各時点の信号を介護者に送信する。この情報の全てが、用品切り替え時期のみのインジケータとしてではなく、トイレ訓練中に子供に生じた進歩の判断にも使用される。
【0071】
この明細書の説明に従い1以上の濡れ方の特徴の監視が可能であることにご理解願いたい。例えば、上述した接近検知器は、排泄量インジケータ、乾燥時間インジケータ、等と共に使用可能である。その情報は、用品に係る勧告の提供のみではなく、トイレ訓練での子供の進歩に関するフィードバック及びどのような能力に一層の注意が必要なのかのフィードバックを提供することにも使用することができる。上述したように、この情報の全ては、図1に示す信号装置などの単一の電子装置上に保持することができ、又は、インターネットで構成されるウエブサイト上に全てダウンロードすることもできる。別のセンサーと信号装置及び/又はウエブを構成するサイトの間の通信は、無線で又は任意の適切なインターフェース装置の使用によることが可能である。
【0072】
本発明のこれらの及び他の改良及び変更は、本発明の思想及び範囲を逸脱することなしに当業者により実施可能であり、本発明の思想及び範囲は、添付請求項内に詳細に記載される。さらに、様々な実施例の特徴は、全体的にもまた部分的にも相互に取替え可能であることをご理解願いたい。さらに、当業者は、この明細書の説明は、例示の方法としてのみであり、添付請求項に記載された本発明を限定することを意図していないことを理解されよう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】米国特許第6250929号明細書
【特許文献2】米国特許第6417455号明細書
【特許文献3】米国特許第5681298号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0149936号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0055637号明細書
【特許文献6】米国特許第5058088号明細書
【特許文献7】米国特許第5719828号明細書
【特許文献8】米国特許第5785354号明細書
【特許文献9】米国特許第5602804号明細書
【特許文献10】米国特許第6752430号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0114754号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ訓練を進めるため次の段階の用品への切り替え時期を介護者が判断するのを助ける方法であって、
子供の濡れ方の特徴と関係する少なくとも1つのレディネス目標に関する指標(indicia)を含む第1の吸収性用品を、トイレ訓練未経験の子供に使用するステップと、
第1の吸収性用品には存在しないトイレ訓練機能を有する第2の吸収性用品についての情報を介護者に提供するステップと、
子供が少なくとも1つのレディネス目標に到達した時に第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えを介護者に勧告するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記レディネス目標は、子供が第1の吸収性用品を濡らすまでの時間、又は、用品を濡らしたときに子供が第1の吸収性用品内に放出する尿の量を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レディネス目標に関する指標、第2の吸収性用品についての情報、及び、第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えの勧告は、第1の吸収性用品によって直接介護者に伝えられるか、又は、第1の吸収性用品が収納される包装材によって介護者に伝えられるか、又は、第1の吸収性用品と共に使用される構成要素によって介護者に伝えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第1の吸収性用品は、該吸収性用品に尿が浸入したときに閉じる開回路を含む濡れ検知システムを含み、該濡れ検知システムは、前記開回路と通信する信号装置をさらに含み、該信号装置は、子供が第1の吸収性用品を濡らすまでの時間の長さを監視することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記信号装置は、子供が第1の吸収性用品を濡らすまでの時間の長さをレディネス目標と比較して、レディネス目標に到達したならば、介護者へ第2の吸収性用品への切り替えの勧告を生成するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記勧告が、可聴信号を発する信号装置によって又は可視信号を発する信号装置によって介護者へと伝えられることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記信号装置が、前記信号装置が生成するデータを保存し且つ前記勧告を生ずるべく電子通信媒体に接続されて構成されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項8】
第1の吸収性用品が、排泄量インジケータを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのレディネス目標に関する指標が色変化を含み、或る特定の色変化はレディネス目標が満たされたことを示すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項10】
第1の吸収性用品がおむつを含み、第2の吸収性用品がトイレ訓練パンツを含むか、又は、第1の吸収性用品が第1のトイレ訓練パンツを含み、第2の吸収性用品が第2のトイレ訓練パンツを含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のトイレ訓練パンツが、濡れたときに着用者に冷たい感覚を与える冷却装置を含み、該冷却装置は第1の吸収性用品には存在しないことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第2の吸収性用品についての情報及び第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えの勧告が、第1の吸収性用品の上又は第1の吸収性用品が収納される包装材の上に表された印刷物を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項13】
トイレ訓練を進めるため次の段階の用品への切り替え時期を介護者が判断するのを助ける方法であって、
子供の濡れ方の特徴と関係する少なくとも1つのレディネス目標に関する指標(indicia)を含む第1の吸収性用品を、トイレ訓練未経験の子供に使用するステップであって、前記第1の吸収性用品は濡れ方の特徴を検知するインジケータを含むステップと、
第1の吸収性用品には存在しないトイレ訓練機能を有する第2の吸収性用品についての情報を介護者に提供するステップと、
濡れ方の特徴の検知の際に前記インジケータによって示されるように少なくとも1つのレディネス目標に到達した時に第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えを介護者に勧告するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記インジケータが濡れ検知システムを含み、前記濡れ方の特徴が子供が第1の吸収性用品を濡らすまでの時間の長さを含み、又は、前記インジケータが排泄量インジケータを含み、前記濡れ方の特徴が放尿時に子供が第1の吸収性用品内に放出する尿の量を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第2の吸収性用品について介護者に提供される情報及び介護者に対する第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えの勧告は、第1の吸収性用品又は第1の吸収性用品を収納する包装材によって介護者へと伝えられることを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
子供のトイレ訓練過程において介護者を助ける方法であって、
尿の排泄量、放尿と放尿の間の乾燥状態にある時間、又はトイレでの排尿を試みる頻度を含む濡れ方の特徴の少なくとも1つを監視するステップと、
登録されている濡れ方の特徴の情報に対する経時的な比較を行いトイレ訓練に対して子供が進歩しているか否かを判断するステップと、
子供にトイレ訓練に対する進歩が生じているか否かを介護者に知らせるステップとより成ることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記情報が子供にトイレ訓練に対する進歩が生じていないことを示したときに、第1の吸収性用品から第2の吸収性用品への切り替えを介護者に勧告するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−526520(P2011−526520A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515673(P2011−515673)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052040
【国際公開番号】WO2010/001274
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(309038085)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】