説明

トシラート前駆体からの18F−放射性標識スチリルピリジンおよびその安定性医薬組成物の合成

本発明は、18F-放射性標識スチリルピリジンおよびそのトシラート前駆体を合成する方法に関する。本発明はさらに18F-放射性標識スチリルピリジンを含む安定した医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本出願は、合衆国法典第35巻第119(e)条に基づき、2008年12月31日に出願された米国仮特許出願番号第61/141,885号の優先権を主張し、その開示内容はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般には18F-放射性標識化された脳造影剤の合成法、さらに具体的には18F-放射性標識化されたスチリルピリジンおよびそのトシラート前駆体を合成する方法、および18F-放射性標識化された脳造影剤を含む安定した医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、認知機能低下、不可逆性記憶喪失、失見当識、および言語障害を特徴とする進行性の神経変性疾患である。ADは65歳以上の人口の10%、また85歳以上の人口の少なくとも50%が罹患する。ADは40〜50歳の若年層の患者においても報告されているが、その疾患の存在は脳組織の病理学検査なしでは発見が困難であるため、生体における発病の時期は不明である。
【0003】
通常は死後の剖検で行われる脳組織の検査が、現在、ADを確定診断する唯一の方法である。剖検中、監察医は、ADの病因を区別する特徴として、アミロイド-βペプチド沈着物および非常にリン酸化したタウタンパク質の繊維から形成される神経原繊維変化(NTF)から成る過剰な老人斑(NP)について脳組織を検査する。アミロイド沈着物は、アミロイドペプチドの凝集により、続いて他の凝集物および/またはアミロイドペプチドとの更なる組み合わせにより形成される。アミロイドペプチドの原線維の凝集物であるAβ1-40およびAβ1-42は、NPで見られるアミロイド前駆体タンパク質およびAD患者の脳血管性アミロイド沈着物から誘導される主なペプチド代謝物である。
【0004】
パーキンソン病(PD)は、静止時の振戦、動作緩慢、筋固縮、および姿勢保持障害を特徴とする進行性の神経変性疾患である。PDは、診断を受けた患者の15%は50歳未満であるが、一般に60歳以降に発症する。PDの家族病歴は、その疾患の診断を受けた患者の5〜10%について病因的因子であるが、症例の1%のみが明らかに家族性であることが分かっている。現在、150万人の米国人がPDを患いながら生活していると推定されている。
【0005】
レビー小体型認知症(DLB)は、兆候の度合いが様々に変化する症状を有する進行性の脳疾患である。これらの症状には、進行性認知症、パーキンソン病の動作困難、幻覚、神経弛緩剤に対する感受性の亢進が含まれる。ADと同様に、平均的発症年齢が一般に50〜85歳の間であり、老齢化がDLBの最も大きな危険因子であると考えられている。さらに、認知症全症例の20%がDLBに起因し、PD患者の50%以上がDLBの一種である「パーキンソン病認知症(PDD)」を生じる。DLBは単独で、また上述の通り、ADおよびPDに関わるものを含め、他の脳異常との関連で生じることもあり得る。現在、DLBの確定診断は死体剖検後のみに可能である。
【0006】
PDおよびDLBは、黒質内のドーパミン作用ニューロン死と関連するドーパミン欠損の病因論を共有する。α-シヌクレインの凝集物は線条体におけるドーパミン作用ニューロン脱落に関係している可能性があるように見えるが、PDにおけるドーパミン作用ニューロン死の原因は不明である。また、DLBにおいては、「レビー小体」と呼ばれるα-シヌクレインを含む異常なタンパク質の沈着物がドーパミン作用ニューロン死の原因であることが認められている。レビー小体は、主に黒質および脳幹の青斑部の中、また脳の皮質下および皮質領域の中で発生する。脳内のこの特定の局在性のため、レビー小体はアセチルコリンの生成を妨害し、知覚および思考過程に混乱を起こし、行動に影響を及ぼす可能性がある。レビー小体はα-シヌクレインタンパク質沈着物から構成されているため、老人斑(NP)の一種であると考えられている。
【0007】
神経変性の病因論は、微小血管の要素、またはかん流、脳の欠損症状を含む、病変の混合が関与し得る。例えば、「混合型認知症」と一般に呼ばれる疾患は、かん流の欠損とアミロイド斑病変の双方をしばしば包含する。「混合型認知症」という用語は様々な意味を持つが、その用語はADと血管性認知症(VaD)の共存、特にVaDが脳の血管系内の多数の微小血栓により引き起こされている場合に言及するために一般に使用される。現在、混合型認知症の真の有病率についてはほとんど分かっていないが、ADおよびVaDの組み合わせは何れかの疾患が単独に脳に与える影響よりも大きい影響を与え得るため、この形の神経変性は臨床上重要である。混合型認知症は従来、診断が非常に困難である。症状は、ADまたはVaD、またはその二つを組み合わせたものに似ている。
【0008】
脳内のアミロイド沈着物の発生は、地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、特発性骨髄腫、アミロイド性多発ニューロパチー、アミロイド性心筋症、全身性神経アミロイド症、アミロイド性多発ニューロパチー、アミロイド症を伴う遺伝性脳出血、ダウン症候群、スクレイピー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、隔離動脈アミロイド、透析患者におけるβ2-ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋肉疲労症におけるβ2-アミロイド沈着物、ランゲルハンス島糖尿病の2型インスリノーマを含むがそれらに限られない、様々な他の疾患の特徴でもあり得る。
【0009】
神経変性疾患の診断において老人斑(NP)の存在が果たす役割のため、現行の方法論を使用して当該の異常に結合し画像化を可能にする放射性標識リガンドの開発に関心が持たれている。一般的な造影剤の一部には、[11C]PIB、[11C] 4-N-メチルアミノ-4’-ヒドロキシ-スチルベン(SB-13)、[18F]FDDNPおよび[123I]IMPYが含まれる。
【0010】
[18F]AV-45 (「18F-AV-45」), ((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミンは、脳内でのアミロイド凝集物の陽電子放出断層撮影法(PET)画像用の放射医薬品である(例えば、Choi, SR, et al., J Nucl Med, 50(11), 1887-1894, 2009を参照のこと)。18F-AV-45は、F-18 放射性同位体を含み、その放射性崩壊半減期は110分であるため、中央集中した場所で製造し、半径4から8時間以内にあるPET脳画像診断を行う撮像施設に出荷し得る。この18F-AV-45、および他のF-18放射性標識のアミロイド造影化合物の生産および流通スキームでは、F-18同位体の放射性崩壊のため、放射性医薬品がPETスキャンを行う当日に製造される必要がある。従って、幾つかの必要条件が生じる。まず第1に、放射性18F-AV-45は安定した中間化合物(「前駆体」と呼ばれる)から短時間で製造される必要がある。第2に18F-AV-45放射性医薬品は、前駆体のF-18フッ素イオンとの反応から始めて合理的な(例えば、>10%)の放射化学的収率で算出される必要がある。そして、第3に18F-AV-45は、放射性医薬品並びに非放射性部分の双方(19F-AV-45は、製造環境中の安定性F-19のためにある程度少量で常に存在する)に十分な溶解性並びに化合物の放射線分解を抑制するための安定化特性を提供する溶液媒体中にある必要がある。
【0011】
エタノールは、放射性薬剤を含め、脂溶性薬剤の可溶化に適した補助として一般に認められている(例えば、Lemaire C., et al., J Label Compd and Radiopharm, 42, 63-75, 1999を参照)。アスコルビン酸またはアスコルビン酸塩類は、放射性医薬品の放射線分解を抑制するために過去に使用されており(例えば、Tofe AJ, et al., J. Nucl Med, 17, 820-825, 1976、Knapp FF, et al., Anticancer Res 17, 1783-1795, 1997、Liu S, et al., Bioconj Chem, 14, 1052-1056, 2003を参照)、F-18放射性医薬品を含む(例えば、Firnau G, et al., J Nucl Med, 25, 1228-1233, 1984を参照)。しかしながら、18F-AV-45など、F-18脳撮像用放射性医薬品の可溶化と安定化の双方に推奨される媒体としての含水エタノール溶液におけるアスコルビン酸塩類の使用は新しい。
【0012】
F-18を含有する放射性医薬品の生成においてF-18フッ素と反応させるためのトシラート基を含む前駆体の使用はこれまでに述べられている(例えば、Zhang W, et al., Nucl Med Biol 34, 89-97, 2007を参照)。しかしながら、より多く(すなわち、>10gm)の数量のトシラート前駆体(本明細書中、「AV-105」と称する)を生成する効率的な合成過程はこれまでに述べられていない。本明細書中に引用される公表文献のそれぞれは、本仕様に明白な教示と不一致でない範囲で、これより参照によりそのそれぞれの全文が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の概要
本発明の実施形態は、有効量の18F-放射性標識化合物、約1.0%から約20%(v/v)のエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸またはその塩を有する脳の神経変性疾患の陽電子放出断層撮影法(PET)用の放射性医薬組成物を対象とする。様々な実施形態において、18F-放射性標識化合物は患者の脳内の病的標的に結合できる。病的標的は、自然にまたは病理学的に変化したタンパク質、ペプチド、またはオリゴヌクレオチド、β-アミロイド、α-シヌクレイン、または水疱性モノアミン輸送体2(VMAT2)の異常集中を含み得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一部の態様によると、18F-放射性標識化合物はスチリルピリジン誘導体である。様々な態様において、18F-放射性標識化合物は、((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(18F-AV-45)である。一部の実施形態においては、18F-AV-45はトシラート前駆体から生成される。他の態様においては、放射性医薬組成物中の18F-放射性標識化合物は、(2R,3R,11bR)-9-(3-[18F]フルオロプロポキシ)-3-イソプロピル-10-メトキシ-11b-メチル-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オル(「18F-AV-133」)である。また、さらに他の態様においては、18F-放射性標識化合物はジヒドロテトラベナジン(DTBZ)の誘導体である。
【0015】
一部の実施形態の放射性医薬組成物は、約1.0%から約15.0%(v/v)の範囲でエチルアルコール濃度を含む。他の実施形態では、約0.1%から約1.0%(w/v)の範囲でアスコルビン酸またはその塩の濃度を含む。放射性医薬組成物のpHは約4.5から約8.0の範囲にし得る。好適な実施形態において、放射性医薬組成物の純度は、合成終了(EOS)後、少なくとも約4時間後の測定時に約90%以上である。
【0016】
放射性医薬組成物は、例えば認知症、認知障害、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、血管性認知症(VaD)、およびその組み合わせなどの神経変性疾患の診断に使用され得る。
【0017】
本発明の他の実施形態は、18F-放射性標識化合物の有効量、少なくとも約1.0%(v/v)のエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸塩を含む脳の神経変性疾患の陽電子放出断層撮影法(PET)用の放射性医薬組成物を対象とし、その場合に18F-放射性標識化合物は合成終了から合成終了後約12時間までに約10%未満分解する。
【0018】
本発明の別の態様では、患者における神経変性疾患を診断するための以下の手順を含む方法が提供される。患者に対し神経変性疾患に関連する標的に結合できる放射性医薬組成物を投与する手順であって、その放射性医薬組成物には、少なくとも約1.0%(v/v)のエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含む18F-放射性標識化合物の有効量が含まれる手順、および標的が位置すると予測されるところの領域を含む患者の脳の少なくとも一部を造影する手順、および標的を検出する手順。造影の手順は、陽電子放出断層撮影法(PET)、PETとコンピュータ断層撮影を組み合わせた(PET/CT)、PETと磁気共鳴画像法を組み合わせた(PET/MRI)、またはその組み合わせを使用して実行し得る。
【0019】
本発明のまた別の実施形態においては、トシラート前駆体を合成し、18F放射性医薬品を提供するためにジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中のトシラート前駆体の求核18Fフッ素化を実行し、アスコルビン酸またはその塩を含む含水エチルアルコール溶液中で18F放射性医薬品を製剤する手順を含め、β-アミロイドに結合可能な18F-放射性標識組成物を生成するための方法が提供されており、その場合にエチルアルコールは最低濃度約1.0%(v/v)で存在し、アスコルビン酸またはその塩の最低濃度は最終的な18F-放射性標識医薬組成物中で約0.1%(w/v)である。
【0020】
別の実施形態においては、18F-AV-45のトシラート前駆体、(E)-2-(2-(2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)スチリル)ピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4-メチルベンゼン硫酸塩(「AV-105」)を生成する方法が提供されている。この方法は、(i)モノBoc保護のビニルアニリン化合物を用意し、(ii)そのビニルアニリン化合物をメチル、t-ブチルカルバミン酸誘導体に転換し、(iii)2-ハロー5-ヨードピリジンをトリエチレングリコールと反応させ、(iv)手順(ii)のメチル、t-ブチルカルバミン酸誘導体を手順(iii)の結果として得られる化合物と反応させ、(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩を生成し、また(v)(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩を塩化トシルと反応させAV-105を形成する手順を含む。
【0021】
本発明のなおも別の実施形態においては、AV-105トシラート前駆体をジメチルスルホキシド(DMSO)溶液またはその他の高沸点の非プロトン性溶媒中の18F-フッ素イオンと反応させ、((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(18F-AV-45)を生成し、18F-AV-45を単離し、18F-AV-45を精製することを含め、放射性医薬組成物を生成する方法が提供されている。その放射性医薬組成物の生成方法はさらに約1.0%から約15%(v/v)のエチルアルコールと約0.1%から約1.0%(w/v)のアスコルビン酸塩を含む溶液中で18F-AV-45を製剤する手順を含み得る。本発明の特定の実施形態において、そのアスコルビン酸塩はアスコルビン酸ナトリウムであり、その濃度は約0.5%(w/v)である。
【0022】
上述の概要は、それぞれ例証した実施形態または本発明のすべての実施形態を説明することを意図していない。
【0023】
本開示内容をよりよく理解するため、次の図を参照されたい。各図の内容は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一つの実施形態に基づくトシラート前駆体AV-105の合成およびp-トルエンスルホナートからの非放射性19F-AV-45の合成の概略を示す図である。
【図2】本発明の別の実施形態に基づくトシラート前駆体AV-105の代替合成方法を示す図である。
【図3】トシラート前駆体を使用してβ-アミロイド結合する放射性医薬品18F-AV-45を生成する、本発明の一つの態様の放射性合成方法を描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明を実施するための形態
説明されている特定の組成物または方法論は異なり得るため、本発明はこれらに限られない。さらに、本説明中で使用されている用語は特定のバージョンまたは実施形態を説明するものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。別途定義されていない限り、本明細書中で使用されているすべての技術用語および科学用語は本分野において当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。不一致がある場合、定義を含め、本特許出願明細書が優先される。
【0026】
本明細書中(原文)で使用される場合、文脈からそうでないことが明らかに決定される場合を除き、単数形の不定冠詞(「a」、「an」)および定冠詞(「the」)は複数形の言及を含む。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「約」という用語は、別途記載がある場合を除き、その数の数値の±10%を意味する。
【0028】
「投与」は、診断薬と関連で使用される場合、例えば、放射性医薬品は標的組織の中または上に直接投与する、または患者に全身的に放射性医薬品を投与することを意味し、それにより診断薬は標的とされる組織に関連する組織または病変を造影するために使用される。組成物の「投与」は、注射、注入、または何れかの方法を他の既知の手法と組み合わせて達成させ得る。
【0029】
「有する」、「含有する」、「持つ」、「含む」、およびそれらの同根語である用語は、本明細書中で使用される場合、「を含むが必ずしもそれに限られない」ことを意味する。
【0030】
「有効量」または「治療有効量」は、本明細書中で使用される場合、神経変性疾患が疑われる個人の脳において生物学的標的を適切に造影するために十分なガンマ放射線信号を得ることができる陽電子を放出する放射性医薬品の量を指す。
【0031】
「合成終了」または「EOS」という用語は、本明細書中で使用される場合、放射性合成の終了を意味する。これは、放射性医薬品の単離に必要とされる任意の精製を含め、放射性合成過程が完了した時点である。
【0032】
「高沸点の非プロトン性溶媒」とは、本明細書中で使用される場合、1atmにおいて少なくとも約140°Cの沸点を持つ非プロトン性溶媒として定義される。
【0033】
「病因論」または「病理学的」は、本明細書中で使用される場合、例えば、タンパク質、ペプチド、RNA、および疾患過程に関連する他の物質の異常生成に関連する変化した生物学的過程を指す。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「患者」および「被験者」という用語は、本明細書中に記されている化合物が投与され、本発明の解析法の実行に関連してその脳活性が測定される対象である、任意の生体を指す。患者および/または被験者は、ヒトではない任意の哺乳動物、霊長類、またはヒトを含み得るがそれに限られない。当該の患者および/または被験者は、一つ以上の特定の疾患状態の兆候、症状、病因を示す可能性もあり、また示さない可能性もある。
【0035】
本発明の放射性医薬品などの診断薬との関連で使用される場合、「標的」という用語は、放射性医薬品または診断薬の局所化が望まれる組織または他の物質を指す。標的は、患者内の罹患組織、病原体、感染性物質、または異常タンパク質、ペプチド、RNAまたはDNA、若しくは疾患過程で変えられる正常発現の受容体などの他の望ましくない物質を含み得るが、それに限られない。
【0036】
一般に言って、本明細書中で使用される場合、「組織」という用語は、ある特定の機能を実行する際に結合される同様に特殊化した組織の集合体を指す。
【0037】
本発明の様々な実施形態は、トシラート前駆体からの18F-放射性標識造影剤およびそのような18F-放射性標識造影剤を含む安定した製剤の医薬組成物の合成に関する方法を提供する。
【0038】
本発明の特定の実施形態は、約1.0%から約30%(w/v)までのエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含有する溶液に、18F-放射性標識のスチリルピリジンまたは18F-標識のジヒドロテトラベナジン(DTBZ)誘導体などの18F-放射性標識化合物の有効量を含む放射性医薬組成物を対象とする。本発明の他の実施形態は、約1.0%から約20%(v/v)までのエチルアルコール、およびpHがおよそ4.5と8.0の間の少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含有する静脈注射用溶液中に、有効量の18F-放射性標識化合物を含む放射性医薬組成物を対象とする。この放射性医薬組成物は透明な溶液で、不溶性物質が無く、製造後少なくとも6時間にわたり100 mCi/mL(37から3700 MBq/mL)またはそれよりも高い濃度で安定しているF-18放射性医薬品である。
【0039】
本発明の実施形態の非経口放射性医薬組成物は、患者の脳内の病理学的標的、例えば、自然にまたは病理学的に変化したタンパク質、ペプチド、またはオリゴヌクレオチド、β-アミロイド、α-シヌクレインに、またはパーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、または糖尿病における水疱性モノアミン輸送体(VMAT2)など特定の神経変性疾患が存在する場合に障害を起こす正常発現の内因性標的に結合することができるF-18放射性標識化合物を含み得る。
【0040】
本発明の様々な実施形態は、標的への親和性および選択度が高く、低分子重量(<400 g/mol)、脳の初期摂取が高く迅速除去できることを保証するために中程度の脂溶性(log Pの範囲が1〜3)であり、例えば、11Cまたは18Fなどの陽電子を放出する放射性核種を取り込むための分子中の官能基、脳内での高い安定性、並びに末梢で生成されるトレーサー化合物代謝物を脳内で摂取しないこと、また臨床施設に対するトレーサー化合物の高い安定供給を含む特徴を持つ放射性医薬組成物を提供する。
【0041】
本発明の18F-標識の造影剤の使用は、例えば、11C(t1/2= 20分)などの他の放射性同位体と比べて相対的に大きい18Fの半減期(t1/2=110分)が理由で多数の物流的利点をもたらす。18Fの相対的に長い半減期は、放射性崩壊による信号強度の損失がより少なく非特異的に結合されたトレーサーのクリアランスにより長い時間が提供されるため有利である。
【0042】
本発明の特定の実施形態において、放射性医薬組成物中の18F-放射性標識化合物は、脳の陽電子放出断層撮影法(PET)で使用するためにアミロイド凝集物に結合することができる18F-放射性標識化合物を含む。様々な態様において、18F-放射性標識化合物は((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(「18F-AV-45」)である。一部の実施形態では、18F-AV-45はトシラート前駆体から生成される。本発明の他の実施形態では、18F-放射性標識化合物はジヒドロテトラベナジン(DTBZ)の誘導体である。また他の態様では、放射性医薬組成物中の18F-放射性標識化合物は (2R,3R,11bR)-9-(3-[18F]フルオロプロポキシ)-3-イソプロピル-10-メトキシ-11b-メチル-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オル(「18F-AV-133」)である。
【0043】
本発明のまた別の実施形態において、有効量の18F-放射性標識化合物、少なくとも約1.0%(w/v)のエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)を含む放射性医薬組成物が提供されており、そこでその放射性医薬組成物は放射性合成後少なくとも4時間にわたり、またより好ましくは放射性合成後8時間までの時間にわたり、望まれる放射性医薬品の放射化学的純度を90%に保持する。
【0044】
特定の実施形態の放射性医薬組成物は、約1.0%から約15.0%(v/v)までの濃度範囲のエチルアルコール、および約0.1%から約1.0%(w/v)までの濃度範囲のアスコルビン酸塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウムまたはアスコルビン酸の他の塩)を含む。本発明の特定の実施形態では、アスコルビン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の濃度で使用されている。組成物のpHは約4.5から約8.0までの範囲とすることができる。一部の実施形態において、合成終了(EOS)から少なくとも2時間後に測定した場合、放射性医薬品の純度は少なくとも90%である。好適な実施形態において、EOSの後少なくとも4時間後に測定した場合、放射性医薬組成物の純度は少なくとも90%である。
【0045】
本発明のなおも別の実施形態では、トシラート前駆体を合成し、トシラート前駆体の求核18Fフッ素化を実行し、18Fフッ化トシラート前駆体を含水溶液中で製剤し、最終的に得られた18F-放射性標識スチリルピリジン組成物において約1.0%(w/v)の最低濃度を達成するためにエチルアルコールを加え、最終的に得られた18F-放射性標識スチリルピリジン組成物において約0.1%(w/v)の最低濃度を達成するためにアスコルビン酸ナトリウムを加えることを含め、β-アミロイドに結合することができる18F-放射性標識組成物を生成するための方法が提供されている。
【0046】
また別の実施形態では、18F-AV-45、(E)-2-(2-(2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)スチリル)ピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4-メチルベンゼンスルホナートのトシラート前駆体(「AV-105」)を生成する方法が提供されている。この方法は、(i)モノBoc保護のビニルアニリン化合物を用意し、(ii)手順(i)のビニルアニリン化合物をN-メチル、t-ブチルカルバミン酸(すなわち、N-メチル、N-Boc)誘導体に転換し、(iii)2-ハロー5-ヨードピリジン(一部の実施形態においては、ハロー= クロロまたはブロモ)をトリエチレングリコールと反応させ、(iv)手順(ii)のN-メチル、N-Boc誘導体を手順(iii)の結果として得られる化合物と反応させ、(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩を生成し、また(v)(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩を塩化トシルと反応させAV-105を形成する手順を含む。
【0047】
本発明の別の態様では、AV-105トシラート前駆体をDMSOまたは他の高沸点の非プロトン性溶媒中で18F-フッ素イオンと反応させ、((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(「18F-AV-45」)を生成し、18F-AV-45を単離し、また18F-AV-45を精製することを含め、放射性医薬組成物を生成する方法が提供されている。さらに、放射性医薬組成物を生成する方法は、約1.0%から約15%(v/v)のエチルアルコールおよび約0.1%から約1.0%以上(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムまたはアスコルビン酸塩を含む溶液中で18F-AV-45を製剤する手順を含み得る。本発明の特定の実施形態において、アスコルビン酸ナトリウムの濃度は0.5%(w/v)である。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態では、有効量の18F-放射性標識化合物、少なくとも約1.0%(v/v)のエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含む放射性医薬組成物が提供されている。そこで、その放射性医薬組成物は、体外測定で次の速度に対応する割合で分解する。(a)測定の約2時間後に約0.01%から約5%までの完全分解、(b)測定の約10時間後に約0.01%から約10%までの完全分解、(c)測定の約15時間後に約0.01%から約20%までの完全分解、および(d)測定の約24時間後に約25%未満の完全分解。
【0049】
特定の実施形態において、本発明は18F-放射性標識スチリルピリジントシラート前駆体、AV-105(図1に示す)の合成方法に関わる。AV-105の合成方法は、第1級メシラートの代わりに第1級トシラートを活性離脱基として使用する。放射性フッ素化のためのトシラート前駆体の使用は、少なくとも放射性フッ素化反応中に生成されるトシラートは18F-放射性標識の造影剤からクロマトグラフ法で容易く除去されるという理由で有益である。図1は、本発明の一つの実施形態におけるAV-105の初期合成および冷AV-45の合成を描写する。p-トルエンスルホナート(トシラート)の活性離脱基としての使用は、メシラートが使用される場合に副生物として形成されるメタンスルホン酸の遺伝毒性の特性が原因で好ましくないメタンスルホナート(メシラート)の必要性を無くす。さらに、p-トルエンスルホン酸は、メタンスルホン酸よりもより容易く検出されるので、UV検出機能付きの液体クロマトグラフィーを使用してより容易に精製できる。さらに図1に示すように、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)が、AV-105を生成するためのBoc保護の手順(6から7)およびトシル化の手順(8)に含まれている。トシル化手順中にDMAPを包含することで、出発原料の完全転換に必要とされる時間を削減する結果になる。また、DMAPの存在は長い反応時間による分解を抑止する。この合成は少量(例えば、グラム)のAV-105を生成可能であるが、50グラムまたはより大量のAV-105の生成に関して容易くスケール可能ではなかった。
【0050】
AV-105の代替合成方法は、図2に図示されている。この収束合成方法は、擬似ハロゲン化物を精製するために、典型的なメタンスルホニルクロリドではなくp-トルエンスルホニルクロリドを使用する。図2に示されているヘック反応の使用は合成の収束を速め、それにより合成をより効率化し、より高い収率とする。しかしながら、図1および2で報告されている収率は例証として示されており、取得可能な最大収率を表わすものではない。当業者に理解されるように、本明細書中に記載するAV-105を生成するための合成方法は、中間反応物またはAV-105自体に精製法を使用することで、さらに最適化し得る。前記の手法は、少量の試薬不純物または反応副生物を除去することが可能な、例えば、再結晶化法、溶媒-溶媒抽出法、またはカラムクロマトグラフィー分離法を含み得る。それにもかかわらず、本明細書中の方法は、全収率が40%以上で純度が約95%より高いAV-105を生成可能である。
【0051】
β-アミロイドに結合する放射性医薬品18F-AV-45を生成するために第1級アルキルトシラートを使用する本発明の一つの実施形態の放射性合成は、図3に示されている。本発明の態様の放射性標識法の過程後、18F-AV-45(図3で製剤IIと表示されている)は食塩溶液中で製剤される。一部の実施形態では、食塩溶液は、少なくとも約1.0%(v/v)のエチルアルコールおよび少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含み、pHは4.5から8.0までの間である。他の実施形態では、エチルアルコール濃度は約1.0%から約10.0%(v/v)までの範囲であり、アスコルビン酸ナトリウム濃度は約0.1%から約1.0%(w/v)までの範囲である。理論に拘束されるものではないが、アスコルビン酸ナトリウムの存在は粗製18F-AV-45の精製中および最終産物の希釈剤中に放射線分解を最低限に抑え、安定性および保存性を増す。本発明の一つの実施形態において、アスコルビン酸ナトリウムの公称濃度は0.5%(w/v)である。
【0052】
本発明の別の態様では、18F-AV-45などの有効量の18F-放射性標識アミロイド造影化合物、または代替のF-18標識のアミロイド結合する放射性医薬品、約1.0%から15%(v/v)までのエチルアルコール、および約0.1%から1%(w/v)までのアスコルビン酸ナトリウムを含む、神経変性疾患と関連付けられている標的に結合可能な放射性医薬粗製物を投与し、標的が位置すると予測されるところの患者の領域を含む患者の一部分を造影し、標的を検出することにより、患者において神経変性疾患を検出するための方法が提供されている。その患者の領域は少なくとも脳の一部を含み得る。
【0053】
本放射性医薬組成物は、例えば、認知症、認知障害、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、血管性認知症(VaD)、およびその組み合わせなどの神経変性疾患の診断に使用できる。
【0054】
本発明の実施形態の18F-放射性標識医薬組成物は、当分野で既知の任意の方法で投与し得る。例えば、特定の態様において、本放射性医薬組成物は注射により投与できる。特に、投与方法は、血管注入、静脈注射、腹腔内注射、皮下注射、および筋肉注射を含み得るがそれに限られない。また、18F-放射性標識医薬組成物は、例えば、静脈内投与の単位用量形式でも投与し得る。一部の実施形態において、本放射性医薬組成物は、適量の放射性医薬品を含む単位用量注射器中に用意できる。
【0055】
本発明の様々な実施形態の18F-放射性標識医薬品は、陽電子放出断層撮影法(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、コンピュータ断層撮影と同時のPET(PET/CT)、磁気共鳴画像法と同時のPET(PET/MRI)、またはその組み合わせを含め、当分野で既知の適切な技法を使用して撮像し得る。
【0056】
本発明の実施形態の18F-放射性医薬組成物は、放射化学の高い純度および放射性合成の高い収率の双方を有する。18F-放射性標識医薬品の保存期間は、実施形態間で異なる可能性があり、手順の様々な態様に依存する可能性がある。一般に、本明細書中に記されている組成物中に製剤されている場合、18F-放射性標識医薬品の保存期間は生成後8時間より長い。本発明の特定の実施形態は、ヒトへの投与が安全であり、且つ病院または他の撮像施設への出荷の時間(例えば、8〜10時間まで)にわたって放射線分解または他の劣化に対して安定している18F-標識の化合物の製剤をさらに提供する。例えば、一つの実施形態において、エチルアルコールおよびアスコルビン酸ナトリウムを含む18F-AV-45放射性医薬組成物は生成後、最高20時間まで安定性(90% RCP超)を維持する。
【実施例】
【0057】
実施例
本明細書中で開示される発明をより効率的に理解するために、以下の実施例が提供されている。これらの実施例は例証のみを目的とし、如何なる方法によっても本発明を限定するものとは解釈すべきではない。
実施例1.0. AV-105トシラート前駆体の18F-AV-45への合成
【0058】
本発明の一つの実施形態に基づき((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ) ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(「18F-AV-45」)のトシラート前駆体(E)-2-(2-(2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)スチリル)ピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4-メチルベンゼンスルホナート(「AV-105」)をスケールアップ合成するための合成手段を図2に示す。モノBoc保護のビニルアニリン10は、ビニルアニリンを二炭酸ジ-tert-ブチルと室温の水中で2時間、強力に攪拌することにより用意される。モノBoc保護のビニルアニリン10は沈殿して98%の収率を提供するまでろ過され、それをさらに精製せずに使用した。ジメチルホルムアミド(DMF)中の水素化ナトリウムおよびヨウ化メチルを使用する中間体のメチル化により、粗生成物であるtert-ブチルメチル(4-ビニルフェニル)カルバミン酸塩11(収率88%)が生成され、それもさらに精製せずに使用した。2-ブロモ-5-ヨードピリジンは、カリウムtert-ブトキシドを使用してトリエチレングリコールとアルキル化された。モノアルキル化生成物である2-(2-(2-(5-ヨードピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール13を主産物であることを保証するため、少なくとも4 eqのトリエチレングリコール対ヨードピリジンが使用された。モノアルキル化された生成物13(収率88%)は精製されず、反応手順dで直接使用された。粗生成物11とモノアルキル化された生成物13との間のヘック反応がDMF中の酢酸パラジウム、臭化テトラブチルアンモニウム、および炭酸カリウムを使用して行われ、スチリルピリジン14が得られ、それはバイオタージ中圧フラッシュクロマトグラフィーにより精製された(収率55%)。スチリルピリジン14のトシル化は、DCM中の塩化トシル、トリエチルアミン、およびDMAPを使用して行われ、AV-105が得られ、それはバイオタージ中圧フラッシュクロマトグラフィーにより精製された。2-ブロモ-5-ヨードピリジンから始まる全収率は40%であった(3段階の手順)。
実施例1.1. tert-ブチル4-ビニルフェニルカルバミン酸塩
【0059】
ビニルアニリン(3.75g、31.4 mmol)および二炭酸ジ-tert-ブチル(7.55g、34.6 mmol)は室温の水中(23 mL)で2時間、強力に攪拌された。沈殿物がろ過され、残留しているろ過ケーキは酢酸エチル(50 mL)に再溶解された。有機層は水(50 mL)とブライン(50 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過、減圧下で濃縮され、さらに精製せずに次の手順で使用し得るピンク色を帯びた個体として粗モノBoc保護ビニルアニリン5(6.75g、98%)を取得した。
実施例1.2. tert-ブチルメチル(4-ビニルフェニル)カルバミン酸塩
【0060】
窒素雰囲気中、水素化ナトリウム(1.11g、46.2 mmol)が無水DMF(80 mL)に加えられ、その懸濁液は氷浴を使用して0℃に冷却された。無水DMF(30 mL)に溶解されたモノBoc保護のビニルアニリン10(6.75g、30.8 mmol)が追加じょうごを通して30分以内に加えられた。反応混合物を室温に戻し、ヨウ化メチル(8.75g、61.6 mmol)がシリンジを使用して30分以内に加えられた。室温でさらに1.5時間攪拌後、その混合物は氷(200g)の上に注がれ、酢酸エチル(200 mL)で抽出された。有機層が含水層と分離し、水(100 mL)およびブライン(50 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、減圧下で濃縮され、赤みを帯びた油として粗生成物11(6.3g、88%)を取得した。
実施例1.3. 2-(2-(2-(5-ヨードピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール
【0061】
カリウムtert-ブトキシド(869mg、7.7 mmol)は、テトラヒドロフラン(THF)(40 mL)中の2-ブロモ-5-ヨードピリジン(2g、7.04 mmol)およびトリメチレングリコール(4.23g、28.1 mmol)の溶液に分けながら加えられた。その後、その反応混合物は20時間還流された。その反応混合物はTHF溶剤を除去するために減圧下で濃縮された。その濃縮物は水(100 mL)で希釈され、酢酸エチル(50 mL x 2)で抽出された。組み合わされた有機層は、水(50 mL)、次にブライン(50 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過、減圧下で濃縮され、周囲温度で一晩置いた後に凝固した薄い黄色がかった油としてモノアルキル化生成物2-(2-(2-(5-ヨードピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール13(2.2g、88%)を得た。
実施例1.4. (E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩
【0062】
結合パートナーであるtert-ブチルメチル(4-ビニルフェニル)カルバミン酸塩11(1.29g、5.55 mmol)と2-(2-(2-(5-ヨードピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール13(1.96 g、5.55 mmol)は、酢酸パラジウム(62.3mg、0.278 mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(5.53g、16.65 mmol)および炭酸カリウム(3.83g、27.75 mmol)と共に無水DMF(80 mL)に加えられた。その反応混合物は5分間N2で脱気され、一晩中100℃に加熱された。その反応物の量は真空下で50%削減され、その混合物は酢酸エチル(200 mL)と水(400 mL)とに分配された。含水層は分離され、追加の酢酸エチル(150 mL)で抽出された。有機層は合わせられ、水(100 mL)およびブライン(100 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下で濃縮された。その残留物はバイオタージ中圧フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中45%酢酸エチル、ヘキサン中65%酢酸エチル)で精製され、(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル) カルバミン酸塩14(1.4g、55 %)を得た。
実施例1.5. (E)-2-(2-(2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)スチリル)ピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4-メチルベンゼンスルホナート(AV-105)
【0063】
(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩14(1.3g、2.83 mmol)はDCM(50 mL)に溶解され、続いて塩化トルエンスルホニル(1.08g、5.68 mmol)、トリエチルアミン(0.86g、8.49 mmol)およびDMAP(24mg、0.2 mmol)が加えられた。その混合物は室温で6時間攪拌された。次に、水(50 mL)が加えられた。有機層は分離され、ブラインで洗浄、無水硫酸ナトリウム上で乾燥、減圧下で濃縮、バイオタージ中圧フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%酢酸エチルから始まり、上位のヘキサン中40%酢酸エチルまで)により精製され、透明な薄い黄色の油として化合物AV-105(1.5g、86%)が得られ、それは真空下で数日後に最終的に凝固した。
実施例2.0. AV-105からの18F-AV-45の放射性合成
【0064】
[18F]フッ素活性は、陰イオン交換カートリッジ上に封入され、含水K.2.2.2-K2CO3溶液(炭酸カリウムおよびクリプトフィックス)およびCH3CNを使用して反応槽へ流出した。流出活性は真空下で乾燥された。この[18F]フッ素は、CH3CNを反応槽へ加えることによりさらに乾燥され、水-CH3CN共沸混合物は加熱蒸発された。AV-105(2.0 mLのDMSO中1.5mg)が反応槽へ加えられた。槽中の混合物は18F-放射性標識反応のために110〜120°Cに加熱された。3M HClの溶液が槽に加えられ、その結果得られた混合物はN-Boc基を除去するために5分間120°Cに加熱された。冷却後、1M NaOH溶液が中和のために加えられた。その溶液は逆相カートリッジ上にかけられた。カートリッジ上の単離された粗18F-AV-45は5% w/vのアスコルビン酸ナトリウムを含む注入用の約4 mLの水(WFI)で洗浄された。次に、18F-AV-45は1.5 mLのCH3CNを使用して5% w/vのアスコルビン酸ナトリウムおよび1 mLの高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)溶媒を含む2 mLのWFIを含む貯留層へ流出された。その後、18F-AV-45は、半調整用のHPLCカラムに入れられ、精製にさらされた。精製された18F-AV-45を含むHPLC留分は、0.5% w/vのアスコルビン酸ナトリウムを含むWFI 20 mLを含む槽に収集された。希釈された溶液はSEP-PAK(登録商標)C-18カートリッジを通過し、封入された18F-AV-45は0.5% w/vのアスコルビン酸ナトリウムを含む15 mLのWFIで洗浄された。18F-AV-45は、1 mLのEtOH(USP)を使用してSEP-PAK(登録商標)Light C-18カートリッジから0.5% w/vのアスコルビン酸ナトリウム(USP)を含む9 mLの0.9%塩化ナトリウム注射(無菌、USP)へ流出された。その後、この溶液は、0.22μmの殺菌フィルターを通して10または30 mLの予め圧着された無菌隔壁密封容器に調剤された。18F-AV-45製剤はNMT 10% v/v EtOH(USP)および0.5% w/vのアスコルビン酸ナトリウム(USP)を含む塩化ナトリウム注射(0.9%、USP、無菌)で希釈し得る。
実施例3.0. 19F-AV-45を可溶化および18F-AV-45を安定化させるための製剤
【0065】
18F-AV-45放射性医薬品の製剤・組成物は、放射性合成系にある管、弁、他の資材からの19F-フッ素が少量存在するために18F-AV-45の放射性合成中に1〜5μg/mLの数量で形成される非放射性19F-AV-45の可溶性に対して評価された。組成物中にはエタノールが無く、19F-AV-45の可溶性が低いため、粒状物質が観察され得る。従って、19F-AV-45の可溶性が沈殿物形成の可能性を避けるために十分であることを判定するために10%エタノールの放射性医薬組成物への付加を評価した。製剤組成物(0.9%含水塩化ナトリウム中、10%(v/v)EtOHおよび0.5%(w/v)アスコルビン酸ナトリウム)におけるAV-45の溶解限度は周囲温度で17μg/mLであると判定された。可視沈殿物は濃度が22μg/mLの溶液中で顕著であった。20μg/mLの濃度で作成されたサンプルは遠心分離後にHPLC分析により評価された。20μg/mLのサンプルは周囲温度で1週間保管後にも試験された。周囲温度で1週間保管後も濃度に変化は無かった。
【0066】
本発明の実施形態の18F-AV-45放射性医薬組成物は放射線分解または化学分解に対して際立って安定している。アスコルビン酸ナトリウムは18F-AV-45の精製中および最終製剤溶液中で放射線分解を最小限に抑え、安定性および保存性を高めるために使用されている。含水溶液中のエタノール1〜10%(v/v)は18F-AV-45の可溶化を補助する。最終製剤中の18F-AV-45の安定性を実証するため、アスコルビン酸ナトリウムを使用した研究用組成物とアスコルビン酸ナトリウムを使用しない研究用組成物が製造された。それらの組成物は、紫外(UV)検出器および放射化学検出器の両方を備えた、逆HPLCを使用して合成終了(EOS)時に分析された。18F-AV-45の放射化学純度は放射分析測定検出でHPLCによりモニタリングされ、19F-AV-45の純度は製剤中のHPLC UV検出により面積率正規化によりモニタリングされた。放射化学および紫外解析の双方の面積率の値が表1および2に示されている。
【0067】
EOS時、アスコルビン酸ナトリウム無しで生成された18F-AV-45組成物の放射化学的純度は84%であり、さらに分解して2時間後にはその純度は80%であった。アスコルビン酸ナトリウムを使用して生成された18F-AV-45組成物の純度は顕著により高かった。EOS時、その純度は96%であり、EOSから2時間後もごく僅かな分解しかなかった(95%の純度)。
表1. 合成終了(EOS)時の18F-AV-45注射の放射化学純度率分析
【0068】
【表1】

【0069】
アスコルビン酸ナトリウムは、表2に示すように、19F-AV-45に対して同様に安定化させる効果を持ち、UVにより検出される非放射性不純物の形成を最小限に抑えた。
表2. 18F-AV-45注射における19F-AV-45の合成終了(EOS)時およびEOSから2時間後のUV純度分析*
【0070】
【表2】

*本表には1%以上の不純物のみが記載されている
【0071】
表3は、0.5%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含むおよそ10%(v/v)エタノールの標準食塩溶液における18F-AV-45放射化学薬品の長期安定性を示す。記載の通り、18F化合物の放射化学純度は製造後およそ20時間まで維持されている。

表3. アスコルビン酸ナトリウム0.5%で製造および製剤された18F-AV-45注射の長期安定性
【0072】
【表3】

【0073】
FLUROTEC(登録商標)での保管時に0.5%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含む10%(v/v)のエタノールの標準食塩溶液における18F-AV-45放射性医薬品の安定性を実証するため、追加試験が行われた。製剤の安定性は、3つの異なる製造ロットの18F-AV-45について評価された。バイアルは周囲温度および40°Cの温度で直立および反転状態で、50°Cで直立状態で保管された。製剤は、12時間の試験期間にわたり特定の間隔でサンプル採集され、放射化学純度および強度について評価された。試験したすべての温度において製剤の12時間にわたる定数RCPおよび< 5%の濃度変動は、製剤中の製剤原料の安定性並びに製剤原料のバイアル栓との最小限の相互作用を実証している。
【0074】
本発明はその特定の好適な態様に関してかなり詳細に記されているが、他の様式も可能である。従って、添付の請求項の精神および範囲は本明細書中に含まれている説明および好適な様式に限られるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳の神経変性疾患の陽電子放出断層撮影(PET)のための放射性医薬組成物であって、
有効量の18F-放射性標識化合物、
約1.0%から約20%(v/v)までのエチルアルコール、および
少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸またはその塩を含む放射性医薬組成物。
【請求項2】
18F-放射性標識化合物が患者の脳内の病的標的に結合することができる請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項3】
病的標的が自然にまたは病理学的に変化したタンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドの異常集中である請求項2記載の放射性医薬組成物。
【請求項4】
病的標的がβ-アミロイドである請求項2記載の放射性医薬組成物。
【請求項5】
病的標的がα-シヌクレインである請求項2記載の放射性医薬組成物。
【請求項6】
病的標的が水疱性モノアミン輸送体2(VMAT2)である請求項2記載の放射性医薬組成物。
【請求項7】
18F-放射性標識化合物がスチリルピリジン誘導体である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項8】
18F-放射性標識化合物が((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(18F-AV-45)である請求項1の放射性医薬組成物。
【請求項9】
18F-AV-45がトシラート前駆体から生成される請求項8の放射性医薬組成物。
【請求項10】
18F-放射性標識化合物がジヒドロテトラベナジン(DTBZ)の誘導体である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項11】
18F-放射性標識化合物が(2R,3R,11bR)-9-(3-[18F]フルオロプロポキシ)-3-イソプロピル-10-メトキシ-11b-メチル-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(18F-AV-133)である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項12】
エチルアルコール濃度が約1.0%から約15.0%(v/v)までの範囲内である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項13】
アスコルビン酸またはその塩が約0.1%から約1.0%(w/v)までの範囲内である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項14】
放射性医薬組成物のpHが約4.5から約8.0までの範囲内である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項15】
放射性医薬組成物の純度が合成終了から少なくとも約4時間後の測定時に約90%以上である請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項16】
神経変性疾患の診断に使用するための請求項1記載の放射性医薬組成物。
【請求項17】
神経変性疾患が、認知症、認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、および血管性認知症の少なくとも一つである請求項16記載の放射性医薬組成物。
【請求項18】
脳の陽電子放出断層撮影法(PET)のための放射性医薬組成物であって、
有効量の18F-放射性標識化合物、
少なくとも約1.0%(v/v)のエチルアルコール、および
少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸塩を含み、ここで、18F-放射性標識化合物は合成終了時から合成終了から約12時間後までに約10%未満分解する放射性医薬組成物。
【請求項19】
患者において神経変性疾患を診断するための方法であって、
患者の神経変性疾患に関連する標的に結合可能な放射性医薬組成物を投与する手順を含み、前記放射性医薬組成物は有効量の18F-放射性標識化合物、少なくとも約1.0%(v/v)のエチルアルコール、および少なくとも約0.1%(w/v)のアスコルビン酸ナトリウムを含み、
標的が位置することが予測されるところの領域を含む患者の脳の一部を造影する手順、および
標的を検出する手順を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
造影手順が、陽電子放出断層撮影法(PET)、コンピュータ断層撮影と同時のPET(PET/CT)、磁気共鳴画像法と同時のPET(PET/MRI)、またはその組み合わせを使用して実行される請求項19の方法。
【請求項21】
β-アミロイド沈着物に結合可能な18F-放射性標識医薬組成物を生成する方法であって、
トシラート前駆体を合成する手順、
トシラート前駆体の求核18Fフッ素化をジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中で行い、18F放射性医薬品を準備する手順、および
アスコルビン酸またはその塩を含む含水エチルアルコール中で18F放射性医薬品を製剤する手順を含み、
ここで、最終的に得られた18F-放射性標識医薬組成物において、エチルアルコールが約1.0%(v/v)の最低濃度で存在し、アスコルビン酸またはその塩の最低濃度が約0.1%(w/v)であることを特徴とする方法。
【請求項22】
トシラート前駆体(E)-2-(2-(2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)スチリル)ピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4-メチルベンゼンスルホン酸塩(AV-105)を生成する方法であって、
(i)モノBoc保護のビニルアニリン化合物を用意する手順、
(ii)そのビニルアニリン化合物をメチル、t-ブチルカルバミン酸誘導体に転換する手順、
(iii)2-ハロー5-ヨードピリジンをトリエチレングリコールと反応させる手順、
(iv)手順(ii)のメチル、t-ブチルカルバミン酸誘導体を手順(iii)の結果として得られる化合物と反応させ、(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩を生成する手順、および
(v)(E)-tert-ブチル4-(2-(6-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)フェニル(メチル)カルバミン酸塩を塩化トシルと反応させ、AV-105を形成する手順を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
放射性医薬組成物を生成する方法であって、
請求項23のトシラート前駆体(E)-2-(2-(2-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニル (メチル)アミノ)スチリル)ピリジン-2-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4-メチルベンゼンスルホン酸塩(AV-105)をジメチルスルホキシド(DMSO)溶液または他の高沸点の非プロトン性溶媒中の18F-フッ素イオンと反応させ、((E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニル)-N-メチルベンゼンアミン)(18F-AV-45)を生成する手順、
18F-AV-45を単離する手順、および
18F-AV-45を精製する手順を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
さらに、約1.0%から約15%(v/v)までのエチルアルコールおよび約0.1%から約1.0%(w/v)までのアスコルビン酸塩を含む溶液中で18F-AV-45を製剤する手順を含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
アスコルビン酸塩がアスコルビン酸ナトリウムであり、その濃度が約0.5%(w/v)である請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−514007(P2012−514007A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543721(P2011−543721)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/069741
【国際公開番号】WO2010/078370
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511157859)アビド・ラジオファーマシューティカルス・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】AVID RADIOPHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】