説明

トチュウ由来のバイオポリマー

【課題】天然物由来の新規バイオポリマー、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、トチュウ由来のバイオポリマーを提供し、このバイオポリマーは、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得る工程、およびこのトチュウ分解産物を洗浄する工程により得られる。このような簡便な方法により得られるバイオポリマーは、トランス型イソプレノイドを主として含み、比較的高分子量である。そのため、固形のエラストマー特性を有し、工業原料として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トチュウ由来の新規バイオポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーボンニュートラルな資源の活用が社会的に要求されている。植物などの天然物内で代謝され、蓄積されるポリマーは、地球上に残された最後のバイオポリマーである。
【0003】
植物由来のバイオポリマーとして、例えば、天然ゴム、熱帯原産のグッタペルカノキから抽出される乳液状のバラタゴムなどが知られている。天然ゴムは、ゴムの木から採取される樹液を原料とするシス型のイソプレンゴムである。一方、バラタゴムは、トランス型ポリイソプレノイドであり、例えば、ゴルフボール、歯科医療用素材などとして利用されている。また、トランス型ポリイソプレノイドとしてはトチュウゴムがある。トチュウ由来バイオポリマーであるトチュウゴムは、加硫して単車用のタイヤ、チューブ類に利用する試みがなされているが、工業化には至っていない。
【0004】
ところで、従来、トチュウ由来のバイオポリマーの抽出方法としては、植物組織を有機溶媒などで抽出し溶出する手法が有効な手段であった。例えば、特許文献1には、原料トチュウをエタノールにて抽出処理した後、抽出液を除去し、残った固形分をさらにトルエンにて抽出処理し、トルエンを濃縮するか蒸発乾固して粗トチュウゴムを得ること、さらにこの粗トチュウゴムをトルエン・メタノール混合溶媒中に沈殿させ、得られた沈殿物を熱n−ヘキサンに溶解させた後、冷却により沈殿させることを特徴とするトチュウゴムの製造方法が記載されている。しかし、この方法は、有機溶媒および熱エネルギーを使用するためコストがかかる、有機溶媒が使用されることから環境に負荷がかかる、長時間の連続運転が必要である、スケールアップが困難であるなどの種々の問題点を有する。さらに、得られるトチュウゴムは、抽出溶媒に可溶性のゴムのみを含むため、分子量が低くなる傾向にある。
【特許文献1】特開2004−189953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、天然物由来の新規バイオポリマー、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、天然物由来の新規バイオポリマーを得るために鋭意検討を行った。その結果、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得、このトチュウ分解産物を洗浄することによって簡便かつ安全にバイオポリマーが得られること、さらに得られるバイオポリマーは、その構造が、側鎖または分岐を有し、および/またはポリマー間が架橋されていると考えられ、従来の溶媒抽出法によって得られるトチュウゴムに比べて、引っ張り強度、熱可塑性、耐磨耗性などの物理的強度に優れていることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得る工程、および該トチュウ分解産物を洗浄する工程により得られる。
【0008】
ある実施態様においては、上記洗浄は、高圧水洗である。
【0009】
ある実施態様においては、上記トチュウは、トチュウの種子および果皮の少なくとも1つの部位である。
【0010】
ある実施態様においては、上記バイオポリマーの重量平均分子量は、1×10〜1×10である。
【0011】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーの製造方法は、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得る工程、および該トチュウ分解産物を洗浄する工程を包含する。
【0012】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマー加工製品は、上記のいずれかのトチュウ由来のバイオポリマーを加工する工程により得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得、このトチュウ分解産物を洗浄することのみによってトチュウ由来のバイオポリマーを得ることができる。本発明の方法は、従来の抽出方法に比べて、熱や有機溶媒を使用しないので、安全かつ簡便であり、環境にも配慮される。また、実際の作業時間も短縮できる。大型の設備を必要としないので、例えば、トチュウの原木を栽培する山間部での作業も可能である。さらに得られるバイオポリマーは、トランス型イソプレノイドを主として含み、比較的高分子量である。そのため、固形のエラストマー状であり、工業用途に利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得る工程、およびこのトチュウ分解産物を洗浄する工程により得られる。本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、トランス型ポリイソプレノイドを主成分として含み、このトランス型ポリイソプレノイドは、従来の溶媒抽出法によって得られるトチュウゴムに比べて高分子量である。
【0015】
本発明に用いられるトチュウ(Eucommia ulmoides O.)は、木本性の蕎木である。このトチュウは、植物体の全草にトランス型ポリイソプレノイドを含んでおり、いずれの部位を用いてもよい。トランス型ポリイソプレノイドを多く含む点で、トチュウの種子、果皮(それぞれ約20質量%以上含有)、樹皮(12質量%以上)、および葉(約3質量%)が好適に用いられる。より好ましくは種子および果皮である。トチュウは、生のまま用いてもよいし、乾燥物などの加工物を用いてもよい。特にトチュウの種子および果皮として、トチュウの搾油残物を用いることが可能であり、このことは、廃棄物の有効利用の観点から好適である。
【0016】
本発明の方法においては、まず、上記トチュウを生物学的に腐朽させる。すなわち、トチュウと、トチュウの組織構造を崩壊され得る生物とを接触させる。本発明において、腐朽とは、トチュウが原形の状態ではあるが、白色腐朽菌などの生物に侵食されて手で接触した場合にトチュウの組織構造が容易に崩壊する状態をいう。この腐朽工程により、トチュウの組織構造を崩壊させ、その後の洗浄工程などの物理的作用によってトチュウ由来のバイオポリマーと組織との分離が容易になる。
【0017】
上記トチュウの組織構造を崩壊させ得る生物は、トチュウ組織、細胞、または細胞内成分(代謝産物など)を腐食・分解できる生物であればよく、特に制限されない。例えば、白色腐朽菌、褐色腐朽菌、軟腐朽菌などの腐朽菌類(真菌、粘菌などを含む)、微生物群(枯草菌、放線菌など)、および昆虫群(シロアリ、ダニなど)が挙げられる。これらの生物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、真菌、粘菌、放線菌などの複合菌叢として腐葉土を用いてもよい。このような腐葉土は、例えば、クスノキ、アラカシ、シイ、タブなどの広葉樹林の表土と下層植生との間で生じ得る。本発明では、トチュウの組織を効率的に腐食し得る点で、および入手容易な点で、腐葉土を用いることが好ましい。
【0018】
トチュウと、トチュウの組織構造を崩壊させ得る生物との割合は、腐朽処理時間などを考慮して適宜設定され得る。例えば、腐葉土を用いる場合、腐葉土1質量部に対して、トチュウ(果皮)を30000質量部の割合で接触させることも可能である。接触方法としては、例えば、網袋などに入れたトチュウを、腐葉土中に埋没させる方法、網袋などに入れた腐葉土を、トチュウの搾油残渣(種子および果皮)内に投入する方法、腐葉土を水洗して得られる洗浄水をトチュウに給水する方法などが挙げられる。
【0019】
トチュウと、トチュウの組織構造を崩壊させ得る生物との接触時間および温度についても特に制限されない。接触温度は、生物が生存し得る温度範囲であればよい。接触時間は、生物およびトチュウの量、接触温度などに応じて適宜設定される。例えば、広葉樹林の腐葉土を利用して広葉樹林の林床でトチュウ果皮を腐朽させる場合、2週間〜3カ月間、好ましくは1カ月〜2カ月間の腐朽期間を要する。
【0020】
次いで、得られるトチュウ分解産物を洗浄する。洗浄することによって、トチュウ分解産物中に含まれる組織塊、細胞乾燥物、一次代謝物、二次代謝物などの付着物をトチュウ由来のポリマーから除去し得る。洗浄には、例えば、水、界面活性剤(ツイーン(登録商標)など)を含む水溶液、ポリマーを溶解しない極性溶媒(エタノール、メタノール、ブタノールなど)が用いられる。コストの面および環境の観点から、好ましくは水である。
【0021】
洗浄は、付着物が除去されればよく、その方法は特に制限されない。例えば、水洗および揉粘を適宜(例えば、2〜10回、好ましくは2〜6回)繰り返すことによって行われる。付着物を効率的に除去する観点から、高圧下、すなわち常圧(10Pa)を超える圧力下で行うことが好ましい。例えば、高圧式洗浄機を用いて、吐出圧力0.1〜15MPa、好ましくは2〜8MPa、および吐出水量300〜400L/h、好ましくは370L/hにて行われる。高圧水洗を行う場合、水洗および揉粘を繰り返して行う場合に比べて、短時間で高純度のトチュウ由来のポリマーを得ることができる。
【0022】
洗浄後、さらにアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理を行うことによって、リグニン、フェノールなどが容易に除去され、さらなる精製が可能である。アルカリ処理は、具体的には、洗浄したトチュウ分解産物を0.1〜4Nの水酸化ナトリウム水溶液などでさらに洗浄することによって行われる。
【0023】
上記のように、腐朽工程および洗浄工程を経ることによって、トチュウ由来のバイオポリマーが得られる。トチュウの乾燥物から得られるバイオポリマーの収率は、通常、20%以上、好ましくは22〜35%程度である。
【0024】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、トランス型イソプレノイドを主成分として含み、必要に応じてセルロースを含み得る。本発明のトチュウ由来のバイオポリマー中のトランス型イソプレノイドの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらになお好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上である。100質量%であってもよい。
【0025】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマー中にセルロースが含まれる場合、本発明のバイオポリマーは、トランス型イソプレノイドとセルロースとの混合ゴムである。この場合、トランス型イソプレノイドとセルロースとの割合は、通常、5:5、好ましくは6:4以上8:2、好ましくは7:3以下の質量構成比である。このような混合ゴムは、例えば、洗浄工程において、水洗および揉粘を行った後、アルカリ処理を行うことによって得られる。
【0026】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーの重量平均分子量は、1×10〜1×10、好ましくは1×10〜1×10、より好ましくは1×10〜1×10である。このような高分子のバイオポリマーは、固形のエラストマー特性を有し、工業原料として有用である。特に高圧洗浄により得られるバイオポリマーは、繊維状の形態であり、繊維の融合箇所が存在する。
【0027】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、硬質ゴムであり、表面硬度が高く、熱可塑性、電気絶縁性、耐酸性、耐アルカリ性などの種々の優れた性質を有している。本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、例えば、自動車産業、家電基板、燃料電池、絶縁性薄膜、免震性素材、防音素材、バイオ燃料などの幅広い分野に利用され得る。
【0028】
本発明のトチュウ由来のバイオポリマーは、さらに加工することにより、トチュウ由来のバイオポリマー加工製品が得られる。このような加工によりトチュウ由来のバイオポリマーの改質が可能であり、例えば、滑らかでかつ肌触りがよいポリマーが得られる。加工は、例えば、溶媒溶解加工、熱溶解加工などが行われる。溶媒溶解加工は、例えば、トチュウ由来のバイオポリマーをトルエン、クロロホルム、ホルムアルデヒドなどの溶媒に溶解し、型に入れて乾燥させることによって行われる。熱溶解加工は、例えば、トチュウ由来のバイオポリマーを75〜130℃にて5分以上加熱して成形することによって行われる。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
1kgのトチュウ由来の搾油残物(トチュウ種子および果皮を含む)を網袋(ナイロンメッシュ2mm角の袋)に入れ、広葉樹林(クスノキ、シイ、タブなど)の腐葉層(地上から約5cmの深さ)に埋没させ、2カ月間放置した。網袋の中のトチュウが腐朽していることを手で触って容易に崩壊することにより確認した後、水洗し、トチュウゴム粗精製物を得た。
【0030】
さらに、この粗精製物を吐出圧力0.2〜0.9MPaおよび吐出水量370L/hの条件で水洗し、トチュウゴムの精製物を得た(トチュウゴム精製物1とする)。このトチュウゴムの精製物1の収量は、0.3kgであり、収率は約30%であった。なお、トチュウゴム粗精製物からトチュウゴム精製物を得るのに要した作業時間は、約1時間であった。
【0031】
次いで、得られたトチュウゴム粗精製物およびトチュウゴム精製物1について走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。トチュウゴム粗精製物の走査型電子顕微鏡写真を図1に、高圧水洗後のトチュウゴム精製物1の走査型電子顕微鏡写真を図2〜図4に示す。
【0032】
図1の高圧水洗前のトチュウゴム粗精製物は、図2のトチュウ精製物1に比べて付着物が多いことから、高圧水洗により付着物を容易に除去できることが明らかになった。図2および図3に示す走査型電子顕微鏡写真から、得られたトチュウゴム精製物1は長さ約1μm〜1mm、幅0.5〜40μmの繊維状であることがわかる。さらにトチュウゴム精製物1において、繊維融合が観察された(図4参照)。この繊維融合がトチュウゴムの強度を高めていると考えられる。
【0033】
さらに、得られたトチュウゴム精製物1の平均分子量をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)が6.6×10、重量平均分子量(Mw)が1.25×10、そして多分散度(Mw/Mn)が1.9であった。
【0034】
得られたトチュウゴム精製物1について、H−NMR分析を行ったところ、図5に示すような夾雑物の少ない高純度(約95%以上)のトランス型イソプレノイドであることが確認できた。
【0035】
(実施例2)
実施例1で調製したトチュウゴム粗精製物に対して、水洗および揉粘を6回繰り返して付着物を除去した。さらに、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で加水分解してフェノールを除去した。得られたトチュウゴム精製物(トチュウゴム精製物2とする)の収率は約29%であった。
【0036】
トチュウゴム精製物2を、分液ロートに入れ、クロロホルムを用いて分配した。得られたクロロホルム溶出物および残渣の重量を測定し、トチュウゴム精製物2中のトチュウゴム含量およびセルロース含量をそれぞれ求めたところ、トチュウゴム(トランス型イソプレノイド)が約80質量%、およびセルロースが約20質量%であった。
【0037】
(実施例3)
実施例1で得られた100gのトチュウゴム精製物1を、300mLのトルエンに溶解した後、この溶液を用いてシートを形成した(シート1とする)。このシート1の表面は非常に滑らかであり、肌触りのよいものであった。シート1をさらに走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。シート1の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。図6から明らかなようにシート1の表面は、多角形の鱗片様構造を有していることがわかる。
【0038】
他方、トルエンの代わりにクロロホルムを用いること以外は上記と同様にして得られたシート2についても、シート1同様、多角形の鱗片様構造の表面を有しており、非常に滑らかであり、肌触りがよかった。
【0039】
(実施例4)
実施例1で得られたトチュウゴム精製物1を、75〜130℃にて約5分間加熱して溶融した後、この溶融物を圧延してシートを形成した(シート3とする)。このシート3の表面は非常に滑らかであり、肌触りのよいものであった。シート3をさらに走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。シート3の走査型電子顕微鏡写真を図7に示す。図7から明らかなようにシート3の表面は、多角形の鱗片様構造を有していることがわかる。
【0040】
実施例3および4の結果から、本発明のトチュウ由来のポリマーは、有機溶媒処理または加熱処理などの加工を行うことによって、形状変化を生じることがわかる。このようなポリマーは、工業製品としての種々の分野に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得、このトチュウ分解産物を洗浄することのみによってトチュウ由来のバイオポリマーを得ることができる。本発明の方法は、従来の抽出方法に比べて、熱や有機溶媒を使用しないので、安全かつ簡便であり、環境にも配慮される。また、実際の作業時間も短縮できる。大型の設備を必要としないので、例えば、トチュウの原木を栽培する山間部での作業も可能である。得られるバイオポリマーは、トランス型イソプレノイドを主として含み、比較的高分子量である。そのため、固形のエラストマー特性を有し、工業原料として有用である。さらに、このバイオポリマーを原料保管することにより必要な時期に合わせて供給が可能である。このバイオポリマーは、カーボンニュートラルなポリマーとして自動車産業、家電基板、燃料電池、絶縁性薄膜、免震性素材、防音素材、バイオ燃料などの幅広い分野に利用され得る。さらにこのバイオポリマーを加工することにより、滑らかでかつ肌触りがよいポリマーを得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】トチュウゴム粗精製物の状態を示す走査型電子顕微鏡写真(×1,000)である。
【図2】トチュウゴム精製物1の状態を示す走査型電子顕微鏡写真(×1,500)である。
【図3】トチュウゴム精製物1の状態を示す走査型電子顕微鏡写真(×100)である。
【図4】トチュウゴム精製物1の状態を示す走査型電子顕微鏡写真(×10,000)である。
【図5】トチュウゴム精製物1の核磁気共鳴スペクトル図および構造式である。
【図6】トチュウゴム精製物1から得られたシートの表面構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×150)である。
【図7】トチュウゴム精製物1から得られたシートの表面構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×300)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得る工程、および該トチュウ分解産物を洗浄する工程により得られる、トチュウ由来のバイオポリマー。
【請求項2】
前記洗浄が、高圧水洗である、請求項1に記載のバイオポリマー。
【請求項3】
前記トチュウが、トチュウの種子および果皮の少なくとも1つの部位である、請求項1または2に記載のバイオポリマー。
【請求項4】
前記バイオポリマーの重量平均分子量が、1×10〜1×10である、請求項1から3のいずれかの項に記載のバイオポリマー。
【請求項5】
トチュウを生物学的に腐朽させてトチュウ分解産物を得る工程、および該トチュウ分解産物を洗浄する工程を包含する、トチュウ由来のバイオポリマーの製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかの項に記載のトチュウ由来のバイオポリマーを加工する工程により得られる、トチュウ由来のバイオポリマー加工製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−221306(P2009−221306A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65800(P2008−65800)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】