説明

トナー回収装置及び画像形成装置

【課題】収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、この収容部に搬送されるトナーの量を少なくする。
【解決手段】クリーニング装置の筐体には、感光体ドラムの表面から除去されたトナーが搬送される搬送路35が形成されている。搬送部材33は、搬送路35内に設けられ、回転することによりトナーを搬送する。回収容器41は、搬送部材33により搬送されたナーを収容する。制御部11は、回収容器41に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合には、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少するように、搬送部材33の回転を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー回収装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成されたトナー像が用紙に転写された後、感光体ドラムの表面にトナーが残留することがある。この残留トナーを感光体ドラムの表面から除去して、回収する技術が知られている。特許文献1には、廃トナーをバッファ部を介して廃トナー容器に搬送し、バッファ部が満杯になると、バッファ部から廃トナー容器への搬送を停止する技術が記載されている。特許文献2には、トナーを回収するボックスに2つの回収口を設け、一方の回収口が満杯になると、トナーの搬送経路を変えて、もう一方の回収口からトナーをボックスに収容する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−242274号公報
【特許文献2】特開2009−204678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、この収容部に搬送されるトナーの量を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るトナー回収装置は、像保持体の表面から除去されたトナーが搬送される搬送空間と、当該搬送空間に設けられ、回転して前記トナーを搬送する搬送部材とを備える搬送部と、前記搬送部材により搬送されたトナーを収容する収容部と、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、前記搬送部材による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少するように、当該搬送部材の回転を制御する搬送制御部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係るトナー回収装置は、請求項1に記載の構成において、前記搬送制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、前記搬送部材の回転速度を低下させることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係るトナー回収装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記搬送制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、前記搬送部材の回転時間を短くすることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係るトナー回収装置は、請求項1から3のいずれかに記載の構成において、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達したことを検知し、検知信号を出力する検知部を備え、前記搬送制御部は、前記検知部により前記検知信号が出力された後、前記回転の制御を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電部と、前記帯電部によって帯電させられた像保持体に対し、画像データに応じた露光を行って静電潜像を形成する露光部と、前記露光部により形成された静電潜像をトナーで現像する現像部と、前記現像部により現像された像を媒体に転写する転写部と、前記転写部により転写された像を前記媒体に定着させる定着部と、前記像保持体の表面からトナーを除去する除去部と、請求項1から4のいずれかに記載のトナー回収装置とを備える画像形成部と、前記収容部に収容されたトナーの量が上限に達したときに、前記画像形成部の動作を停止させる停止部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、単位時間当たりのトナーの搬送量が減少するように搬送部材の動作を制御しない場合に比べて、この収容部に搬送されるトナーの量が少なくなる。
請求項2に係る発明によれば、搬送部材の回転速度を制御しない場合に比べて、搬送部材による単位時間当たりのトナーの搬送量を容易に減少させることができる。
請求項3に係る発明によれば、搬送部材の回転速度を制御しなくても、前記搬送部材による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させることができる。
請求項4に係る発明によれば、検知部を用いない場合に比べて、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達したことを精度よく検知することができる。
請求項5に係る発明によれば、収容部からトナーが溢れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置の構成を示すブロック図
【図2】画像形成部の構成を示す模式図
【図3】搬送路を示す断面図
【図4】回収容器を示す断面図
【図5】回収容器が満杯になったことを検知する処理を示すフローチャート
【図6】回収容器の容量を示す図
【図7】回転速度の制御に用いられる制御テーブルを示す図
【図8】回転時間の制御を示すタイミングチャート
【図9】プリント枚数と回収容器に回収されるトナー量との関係を示す図
【図10】従来技術に係る予備容量と本実施形態に係る予備容量とを比較する図
【図11】変形例に係る画像形成部の構成を示す模式図
【図12】変形例に係る搬送路を示す断面図
【図13】変形例に係る回収容器を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、UI(User Interface)部14と、画像形成部15とを備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを備えている。CPUは、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置1の各部を制御する。通信部12は、通信回線に接続される通信インターフェースである。例えば、コンピュータ装置から画像データが送信されてくると、画像形成装置1は、通信部12によりこの画像データを受信する。記憶部13は、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶部13には、各種のデータが記憶される。UI部14は、例えばタッチスクリーンとキーとを備えている。UI部14は、画像形成装置1を操作するのに用いられる。画像形成部15は、画像データに応じた画像を用紙に形成する。
【0013】
図2は、画像形成部15の構成を示す模式図である。画像形成部15は、感光体ドラム21を備えている。感光体ドラム21(像保持体の一例)は、表面に光導電膜が形成された円筒状の部材である。感光体ドラム21は、ドラムモータ(図示せず)により軸を中心に回転させられる。感光体ドラム21の周りには、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、転写ローラ25と、クリーニング装置26とが設けられている。帯電器22(帯電部の一例)は、感光体ドラム21の表面を均一に帯電させる。露光装置23(露光部の一例)は、帯電した感光体ドラム21に対し、画像データに応じた露光を行って静電潜像を形成する。現像装置24(現像部の一例)は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーで現像する。転写ローラ25(転写部の一例)は、現像装置24により現像された画像を用紙(媒体の一例)に転写する。定着器27は、熱と圧力とを加えることによってこの画像を用紙に定着させる。定着器27を通過した用紙は、画像形成装置1から排出される。
【0014】
クリーニング装置26は、転写ローラ25の下流側において、感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去する。クリーニング装置26は、クリーニング部材31と、筐体32と、搬送部材33とを備えている。クリーニング部材31(除去部の一例)は、例えばブレード状の部材である。この場合、クリーニング装置26は、クリーニング部材31を感光体ドラム21の表面に押し当てることにより、感光体ドラム21の表面からトナーを除去する。クリーニング部材31によって除去されたトナーは、筐体32(搬送部の一例)内に落下する。
【0015】
筐体32は、感光体ドラム21の表面から除去されたトナーが搬送される搬送路35(搬送空間の一例)を備えている。図3は、搬送路35を示す断面図である。この搬送路35には、搬送部材33が設けられている。搬送部材33は、軸とその周りに設けられる螺旋状の羽根とを備えている。軸の一端には、搬送モータ34が接続されている。搬送部材33は、搬送モータ34によって回転させられる。搬送部材33が回転すると、筐体32内のトナーは、図中の矢印Y方向に搬送される。搬送路35の底部には、開口部36が形成されている。搬送部材33によって搬送されたトナーは、この開口部36から回収容器41(収容部の一例)へと落下する。
【0016】
図4は、回収容器41を示す断面図である。回収容器41の上部には、開口部36と対向する位置に開口部42が形成されている。開口部36から落下したトナーは、この開口部42を介して回収容器41内に収容される。回収容器41には、搬送部材43と、検知部45とが設けられている。搬送部材43は、軸とその周りに設けられる螺旋状の羽根とを備えている。軸の一端には、搬送モータ44が接続されている。搬送部材43は、搬送モータ44によって回転させられる。搬送部材43が回転すると、回収容器41内のトナーは、図中の矢印X方向に搬送される。これにより、回収容器41内におけるトナー分布が均一になる。
【0017】
検知部45は、回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知し、検知信号を出力する。検知部45は、例えば光センサーを用いてこの検知を行う。この光センサーは、光を出す発光部と、光を受ける受光部とを備えている。この発光部と受光部とは、回収容器41を介して対向するように配置される。回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達するまでの間、発光部から出た光は、回収容器41の内部を通って受光部に照射されるようになっている。一方、回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達すると、回収容器41内のトナーが発光部と受光部との間に入る。この場合、発光部から出た光がこのトナーによって遮られ、受光部の受光量が変化する。これにより、回収容器41内のトナー量が閾値K1に達したことが検知される。このように、本実施形態では、検知部45を用いて回収容器41に収容されたトナーの量が閾値K1に達したことを検知しているため、回収容器41に収容されたトナーの量が閾値K1に達したことが精度よく検知される。
【0018】
制御部11は、回収容器41が満杯になったことを検知する処理を行う。図5は、この処理を示すフローチャートである。制御部11は、まず回収容器41が満杯に近い状態になったか否かを判断する(ステップS11)。図6は、回収容器41の容量を示す図である。画像が形成されるにつれて、回収容器41の内部にはトナーが蓄積されていく。回収容器41内のトナー量が閾値K1よりも少ない場合には、検知部45から検知信号は出力されない。この場合、制御部11は、回収容器41が満杯に近い状態になっていないと判断する(ステップS11:NO)。一方、回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達すると、検知部45から検知信号が出力される。この場合、制御部11は、回収容器41が満杯に近い状態になったと判断する(ステップS11:YES)。
【0019】
回収容器41が満杯に近い状態になると、制御部11は、回収容器41が満杯に近い状態になったことを利用者に通知する(ステップS12)。例えば、制御部11は、回収容器41が満杯に近い状態になったことを通知するメッセージをUI部14に表示させる。利用者は、この通知により、回収容器41が満杯に近い状態になったことを認識する。そして、利用者は、回収容器41を交換するために新たな回収容器を準備する。図6に示すように、回収容器41には、回収容器41が満杯に近い状態になってからある程度の期間(例えば1週間)、画像形成装置1が使用できるように、予備容量R1が確保されている。この予備容量R1は、例えば利用者が新たな回収容器を準備するのに必要な期間と、その期間のプリント枚数とに応じて予め決められている。例えば、利用者が新たな回収容器を準備するのに必要な期間が1週間であり、利用者の1週間のプリント枚数が800枚であると想定した場合、この予備容量R1は、800枚の画像を形成したときに回収されるトナーの量に応じた容量に決められる。
【0020】
また、回収容器41が満杯に近い状態になると、制御部11は、画像形成装置1の使用状況に関する情報に基づいて、回収容器41が満杯になったか否かを判断する(ステップS13)。この使用状況に関する情報とは、例えばプリント枚数と画素数である。この場合、制御部11は、回収容器41が満杯に近い状態になると、プリント枚数の計数及び画素数の計数を開始する。具体的には、制御部11は、画像を形成した枚数を計数し、計数した枚数をプリント枚数としてメモリに記憶させる。また、制御部11は、現像装置23に供給される画像データを用いて、画像が形成される領域の画素数を計数し、計数した画素数をメモリに記憶させる。メモリに記憶されたプリント枚数及び画素数がいずれも閾値に到達していない場合、制御部11は、回収容器41が満杯になっていないと判断する(ステップS13:NO)。一方、メモリに記憶されたプリント枚数又は画素数の少なくとも一方が閾値に到達した場合には(ステップS13:YES)、回収容器41内のトナー量が図6に示す上限K2に達したと推定される。この場合、制御部11は、回収容器41が満杯になったと判断する(ステップS13:YES)。
【0021】
回収容器41内のトナー量が上限K2を超えると、回収容器41からトナーが溢れ出してしまう。これを防ぐために、制御部11(停止部の一例)は、回収容器41が満杯になったと判断すると、利用者によって回収容器41が交換されるまで、画像形成部15の動作を停止させる(ステップS14)。つまり、制御部11は、回収容器41に収容されたトナーの量が上限K2に達したときに、画像形成部15の動作を停止させる。
【0022】
また、制御部11(搬送制御部の一例)は、検知部45により検知信号が出力された場合には、搬送モータ34を制御して、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させる。この単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させる方法としては、例えば搬送部材33の回転速度を低下させる方法と、搬送部材33の回転時間を短くする方法とがある。
【0023】
図7は、回転速度の制御に用いられる制御テーブル51を示す図である。この制御テーブル51は、予め記憶部13に記憶されている。この制御テーブル51には、通常の回転速度S1と、この回転速度S1よりも遅い回転速度S2とが記述されている。制御部11は、検知部45により検知信号が出力されるまでは、搬送モータ34を制御して、制御テーブル51に記述されている回転速度S1で搬送部材33を回転させる。一方、回収容器41が満杯に近い状態になり、検知部45により検知信号が出力されると、制御部11は、搬送モータ34を制御して、制御テーブル51に記述されている回転速度S2で搬送部材33を回転させる。この場合、搬送部材33の単位時間当たりの回転数が減るため、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少する。
【0024】
図8は、回転時間の制御を示すタイミングチャートである。制御部11は、検知部45により検知信号が出力されるまでは、ドラムモータが動作している期間T1の間、搬送モータ34を動作させて搬送部材33を回転させる。一方、回収容器41が満杯に近い状態になり、検知部45により検知信号が出力されると、制御部11は、例えば図8(a)に示すように、期間T1において搬送モータ34のオン、オフを繰り返して、搬送部材33の回転、停止を繰り返す。この場合、搬送部材33は断続的に回転することになるため、搬送部材33の回転時間が短くなり、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少する。あるいは、制御部11は、図8(b)に示すように、期間T1よりも短い期間T2において搬送モータ34を動作させる。この場合、搬送部材33は、期間T2しか回転しないため、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少する。この方法によれば、搬送部材33の回転速度を制御しなくても、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少する。
【0025】
このように、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させると、搬送路35内にトナーが溜まり、回収容器41に搬送されるトナーの量が少なくなる。したがって、プリント枚数が同じであっても、回収容器41に回収されるトナーの量が少なくなる。図9は、プリント枚数と回収容器41に回収されるトナー量との関係を示す図である。図中の直線L1は、従来技術のように搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させない場合において、回収容器41に回収されるトナー量を示す。図中の直線L2は、本実施形態のように搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させる場合において、回収容器41に回収されるトナー量を示す。検知信号が出力されるまでは、いずれの場合も、回収容器41に回収されるトナー量は変わらない。しかしながら、検出信号が出力された後においては、本実施形態のように搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させる場合は、従来技術のように搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させない場合に比べて、回収容器41に回収されるトナー量が少なくなる。
【0026】
このように、検出信号が出力された後、回収容器41に回収されるトナー量が少なくなる場合には、回収容器41に確保される予備容量は少なくてもよい。図10は、従来技術に係る予備容量R0と本実施形態に係る予備容量R1とを比較する図である。従来技術では、例えば回収容器41が満杯に近い状態になってから800枚の画像を形成できるように構成する場合には、予備容量R0を確保する必要があった。これに対し、本実施形態では、図9に示すように、検出信号が出力された後においては、プリント枚数が同じであっても、回収容器41に回収されるトナー量が少なくなる。この場合、回収容器41が満杯に近い状態になってから800枚の画像を形成できるように構成する場合であっても、予備容量R0よりも少ない予備容量R1を確保すればよい。予備容量R1が少なくなると、満杯に近い状態になるまでの間に回収したトナーを収容する容量R2が増える。あるいは、この容量R2を変えない場合には、回収容器41自体のサイズが小さくなる。
【0027】
また、回収容器41に搬送されるトナーの量は、搬送路35内のトナーの量によって変化する。例えば、搬送路35内のトナーの量が多い場合には、回収容器41に搬送されるトナーの量も多くなる。上述した実施形態では、回収容器41からトナーが溢れないようにするために、回収容器41の予備容量R1は、搬送路35内のトナー量が最大であるという前提で決められている。しかしながら、従来技術のように搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させない場合には、搬送路35内のトナーはすぐに回収容器41へと搬送されるため、搬送路35内のトナーは少量になる。したがって、回収容器41に確保された予備容量に対して、実際に回収容器41に回収されるトナーの量が少なくなる。これに対し、本実施形態では、検知信号が出力された後においては、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少し、搬送路35内のトナー量が増える。したがって、回収容器41に確保された予備容量R1と、実際に回収容器41に回収されるトナー量との誤差が小さくなる。
【0028】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を相互に組み合わせてもよい。
【0029】
(変形例1)
画像形成装置1は、カラーの画像を形成するプリンタであってもよい。図11は、この変形例に係る画像形成部15Aの構成を示す模式図である。画像形成部15Aは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色毎に、上述した感光体ドラム21、帯電器22、現像装置24、転写ローラ25(以下、「一次転写ローラ25」という)及びクリーニング装置26を備えている。以下の説明では、イエローの画像の形成に係わる構成については符号の末尾に「Y」を付し、マゼンタの画像の形成に係わる構成については符号の末尾に「M」を付し、シアンの画像の形成に係わる構成については符号の末尾に「C」を付し、黒の画像の形成に係わる構成については符号の末尾に「K」を付す。
【0030】
また、画像形成部15Aは、中間転写ベルト28と、二次転写ローラ29とを備えている。一次転写ローラ25Y、25M、25C、25Kは、感光体ドラム21Y、21M、21C、21K上に形成された画像を中間転写ベルト28に転写する。中間転写ベルト28は、図中の矢印A方向に回転し、一次転写ローラ25Y、25M、25C、25Kによって転写された画像を二次転写ローラ29へと搬送する。二次転写ローラ29は、中間転写ベルト28により搬送された画像を用紙に転写する。
【0031】
クリーニング装置26Y,26M,26C,26Kは、搬送路35Y,35M,35C,35Kを備えている。図12は、搬送路35Yを示す断面図である。この搬送路35Yは、図3に示す搬送路35とほぼ同様の構成を備えている。ただし、この搬送路35Yには、開口部36に代えて、開口部37Yが形成されている。この開口部37Yは、搬送路35Yの一端に設けられている。搬送部材33Yによって搬送されたトナーは、この開口部37Yから回収容器41A(収容部の一例)へと落下する。なお、搬送路35M,35C,35Kも、搬送路35Yと同様の構成を備えている。
【0032】
図13は、回収容器41Aを示す断面図である。開口部37Y、37M、37C、37Kから落下したトナーは、回収容器41A内に収容される。回収容器41Aには、搬送部材43Aと、検知部45Aと、検知室48とが設けられている。搬送部材43Aは、軸とその周りに設けられる螺旋状の羽根とを備えている。軸の一端には、搬送モータ44Aが接続されている。搬送部材43Aは、搬送モータ44Aによって回転させられる。搬送部材43Aが回転すると、回収容器41A内のトナーが回収容器41Aの中央へと搬送される。検知室48は、回収容器41A内のトナー量が決められた量を超えると、そのトナーが内部に入り込むように構成されている。検知部45Aは、上述した検知部45と同様に、検知室48内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知して、検知信号を出力する。この変形例に係る構成であっても、回収容器41Aに収容されたトナー量が閾値K1に到達した場合に、この回収容器41に搬送されるトナーの量が少なくなる。
【0033】
(変形例2)
単位時間当たりのトナーの搬送量を減少させる方法は、実施形態で説明した方法に限らない。例えば、制御部11は、搬送部材33の回転速度を制御する場合において、検知部45により検知信号が出力された後、画像を形成する枚数が増えるにつれて、搬送部材33の回転速度を徐々に低下させてもよい。また、制御部11は、図8(a)に示すように期間T1において搬送部材33の回転、停止を繰り返す場合において、回転する時間と停止する時間の比率を異ならせたり、回転する時間の間隔を変えたりしてもよい。また、制御部11は、図8(b)に示すように期間T2において搬送部材33を回転させる場合において、検知部45により検知信号が出力された後、プリント枚数が増えるにつれて、期間T2を短くしてもよい。さらに、制御部11は、上述した搬送部材33の回転速度を低下させる方法と、搬送部材33の回転時間を短くする方法とを併用してもよい。この場合には、これらの方法を併用しない場合よりも、搬送部材33による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少する。
【0034】
(変形例3)
上述した実施形態では、検知部45は、光センサを用いて、回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知していた。しかしながら、回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知する方法は、光センサを用いた方法に限らない。例えば、検知部45は、磁気センサを用いて、回収容器41内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知してもよい。この場合、磁気センサは、回収容器41内の磁界の強度を測定し、測定した強度が閾値K1に応じて設定された値になると、検出信号を出力する。
【0035】
(変形例4)
回収容器41が設けられる位置は、図3に示す位置に限らない。例えば、回収容器41は、搬送路35と並んで設けられてもよい。この場合、搬送部材33は、搬送路35内のトナーを回収容器41側へと送りだす。
【0036】
(変形例5)
上述した実施形態では、回収容器41が満杯になったか否かを判断するときに、プリント枚数と画素数とが両方とも使用されていた。しかしながら、プリント枚数と画素数のいずれか一方のみが使用されてもよい。また、上述した使用状況に関する情報は、プリント枚数と画素数に限らない。例えば、感光体ドラム21の回転数や搬送部材33の回転数であってもよい。
【0037】
(変形例6)
搬送部材33の羽根の形状は、螺旋状に限らない。例えば、搬送部材33の羽根は、板状の形状をしていてもよい。この場合、搬送部材33の軸には、間隔を空けて複数の羽根が設けられる。同様に、搬送部材43の羽根も、螺旋状以外の形状であってもよい。
【0038】
(変形例7)
クリーニング部材31は、ブレード状の部材に限らない。例えば、クリーニング部材31は、ブラシであってもよい。この場合、クリーニング装置26は、このブラシを回転させることにより、感光体ドラム21の表面からトナーを除去する。
【符号の説明】
【0039】
1…画像形成装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…UI部、15…画像形成部、21…感光体ドラム、22…帯電器、23…露光装置、24…現像装置、25…転写ローラ、26…クリーニング装置、27…定着器、31…クリーニング部材、32…筐体、33…搬送部材、34…搬送モータ、35…搬送路、41…回収容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体の表面から除去されたトナーが搬送される搬送空間と、当該搬送空間に設けられ、回転して前記トナーを搬送する搬送部材とを備える搬送部と、
前記搬送部材により搬送されたトナーを収容する収容部と、
前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、前記搬送部材による単位時間当たりのトナーの搬送量が減少するように、当該搬送部材の回転を制御する搬送制御部と
を備えることを特徴とするトナー回収装置。
【請求項2】
前記搬送制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、前記搬送部材の回転速度を低下させる
ことを特徴とする請求項1に記載のトナー回収装置。
【請求項3】
前記搬送制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した場合に、前記搬送部材の回転時間を短くする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー回収装置。
【請求項4】
前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達したことを検知し、検知信号を出力する検知部を備え、
前記搬送制御部は、前記検知部により前記検知信号が出力された後、前記回転の制御を行う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトナー回収装置。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体を帯電させる帯電部と、
前記帯電部によって帯電させられた像保持体に対し、画像データに応じた露光を行って静電潜像を形成する露光部と、
前記露光部により形成された静電潜像をトナーで現像する現像部と、
前記現像部により現像された像を媒体に転写する転写部と、
前記転写部により転写された像を前記媒体に定着させる定着部と、
前記像保持体の表面からトナーを除去する除去部と、
請求項1から4のいずれかに記載のトナー回収装置とを備える画像形成部と、
前記収容部に収容されたトナーの量が上限に達したときに、前記画像形成部の動作を停止させる停止部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−29724(P2013−29724A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166679(P2011−166679)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】