トラス式堤防空間および壁体構造
【課題】環境の保護と改善を行い、景観的効果の増進と生態発展において役立つトラス式堤防空間および壁体構造を提供する。
【解決手段】ビーム構造群1およびロッド部材群2を含む。ビーム構造群1の各ビーム構造10は、固定支持柱11と多方向連結板12より組成され、固定支持柱11は下部が支持地層または基盤13に固定され、上部が多方向連結板12を組立てトラス結合点作用のような結合点構造を構成している。ロッド部材群2のいずれのロッド部材20も結合部材として両端と結合点を連結して一体を為してヒンジ連結作用となり、この相互による組合せを通じて全体構造を枠組形式の堤防空間および壁体構造に構成する。圧力受容を伝達分布させることで、より合理的にできる。部材の可塑性を利用して良好な空間景観を形作り、生態発展に植物を役立たせることができる。
【解決手段】ビーム構造群1およびロッド部材群2を含む。ビーム構造群1の各ビーム構造10は、固定支持柱11と多方向連結板12より組成され、固定支持柱11は下部が支持地層または基盤13に固定され、上部が多方向連結板12を組立てトラス結合点作用のような結合点構造を構成している。ロッド部材群2のいずれのロッド部材20も結合部材として両端と結合点を連結して一体を為してヒンジ連結作用となり、この相互による組合せを通じて全体構造を枠組形式の堤防空間および壁体構造に構成する。圧力受容を伝達分布させることで、より合理的にできる。部材の可塑性を利用して良好な空間景観を形作り、生態発展に植物を役立たせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、堤防空間および壁体構造に関し、特に、通常のトラス構造の観念を転化して利用し、土の填入植生、種生物間の交流と生息環境および良好な空間景観を作り上げるために建設される堤防空間と壁体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
片持ち梁式または重力式構造は、土木工程において通常使用される壁体、堤防構造である。重力式構造は本体自身の重量により外力から生み出される転覆モーメントおよび水平スラストの圧力に耐えるものであり、片持ち梁式構造は梁特性を利用して外力がもたらす転覆モーメントに抵抗すると同時に、全体構造の重量および基礎底部にかけられた重量がもたらす摩擦力により外力が生み出す水平トラストに抵抗するものである。この2タイプの構造は、力学上、共に平面構造に属し、このほか以下の共通の特徴を有している。先ず機能が単一であり、つまり、安全保護の他、その他の機能を有さない。第二に、実体平面および景観の単調化であり、基本的には構造壁体面層から見ると、平らな面であり、その景観の豊かさには欠乏がもたらされ、たとえ造型枠板によって形作ろうとしても、景観に対して良好な改善を行うことは難しい。第三は、現場における鋳造性である。上記2タイプの構造は、現場において鉄筋、枠板を組立てなければならず、その後、コンクリート鋳造を行うため、天候の影響を受け易く、施工速度を緩慢にさせる。第四は、隔絶作用である。構造壁体そのものは種生物間の活動動線を隔て、高さが高くなるほど、明らかなものとなる。第五は、修復の困難で、部分壁体または基礎破損等、修復を完成させるための良好な方法を有するのは難しい。第六は、緊急の使用ができないことであり、堤防、壁体の構造過程から見ると、それらを緊急の保護措置とすることは不可能である。
【0003】
多方面に配慮しなければならないのは、堤防、壁体構造技術は設計思考の将来的方向である。たとえ同一の構造形式が多重用途の目的を有しているとしても、現行で通常使用する片持ち梁式または重力式の堤防、壁体構造は基本的に安全的保護を設計の主軸としており、兼用およびその他用途としての目的を少なくし、用途の単一化、景観の平面単調化をもたらし、且つ種生物間の活動動線において交流に困難をもたらすことになる。さらに、現場における鋳造施工および材料性質の関係のみに限られるため、緊急に使用することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主要な目的は、既知の片持ち梁式、重力式による壁体、堤防構造の機能の単一化、景観の単調化、施工の複雑さと長期化、損壊時の修復が困難等の欠点に対応するもので、多方面に配慮した設計思考方法により、使用目的と多重用途を堤防壁体構造に発展させ、安全保護の目的を達成させるだけでなく、環境の保護と改善を行い、景観的効果の増進と生態発展において役立つようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のトラス式堤防空間および壁体構造は、ビーム構造群およびロッド部材群を含み、該ビーム構造群の各ビーム構造は主に固定支持柱と多方向連結板の2タイプの部材から組成され、固定支持柱の下部はビーム構造の支持点とするために支持地層または基盤に打設または埋設されており、上部には多方向連結板を組立て、トラス構造の結合点作用を有する結合点構造を形成する。つまり、各ビーム構造は支持点と結合点とのダブル作用の構造を有し、ロッド部材群の各ロッドはトラス構造のロッド部材と同様にビーム構造の各結合点が互いに組み合わさって連結し、全体構造に対してトラス構造の荷重機能を発揮させることになる。本発明のトラス式堤防空間および壁体構造は、通常のトラス構造と以下の点で異なる。
【0006】
先ず、通常のトラス構造は、結合点が圧力を受容する作用点であり、ロッド部材を通じて伝達分布され、最後に、力量をトラス構造の支持構造上に伝達して地層へと導入する。つまり、この過程において、各結合点およびロッド部材と構造の支持点は無関係ではなく、トラス式堤防空間および壁体構造の各結合点は片持ち梁式構造上に直接設けられ、且つ各ビーム構造は全て支持作用を兼ね、ロッド部材は各結合点と連結する。よって、この形式構造は、各結合点とロッド部材が直接関連するものであり、さらに深く言えば、通常のトラス構造の集中支持形式を分散式の支持形式へ変換するものである。
【0007】
次に、ロッド部材方面について述べる。通常のトラス構造のロッド部材は軸力ロッド部材であり、その他二次効果を考慮する以外に通常は考慮することのないモーメント、せん断応力作用を考慮しなければならないが、本構造におけるロッド部材は2タイプに分けられる。そのうち一つは圧力の受容作用が結合点におけるものであり、もう一つは通常のトラス構造のロッド部材の作用と同様であるが、さらに深く検討すれば、この圧力を受けるロッド部材を構造本体の外部構成部材として見なし、結合点を支持または外力を仲介伝達するものとすることができる。
【0008】
ビーム構造群およびロッド構造群を相対させて説明する。ビーム構造の各ビーム構造は、主に、固定支持柱と多方向連結板の2タイプの部材から組成され、柱の下部は地層または基盤中に形成された支持点上に打設あるいは埋設され、その上部にはヒンジ特性を有する結合点を構成するための多方向連結板を組立てる。ヒンジ結合点はロッド部材に対する引張圧縮作用に耐えうるものでなければならず、圧力受容部分は多方向連結板材および固定支持柱部材により圧力抵抗強度が提供され、圧力受容部分は前述以外にも結合点とロッド部材間の結合部材に関連する。結合部材は結合点が引張または圧縮を受けるか否かにかかわらず、その主要なものはせん断応力作用であり、せん断応力作用は多方向連結板内部に対して引張圧縮作用をもたらし、この作用は板から固定支持柱に伝達される。前述した各項を総合すると、固定支持柱は主にモーメント、せん断応力作用に耐えるものであり、各部材の圧力受容特性に基づき、適した材料を選択して部材を製作しなければならない。例えば、多方向連結板を製作することで、鉄筋コンクリート内に鋼材を敷設し、板が圧力を受ける部分を鉄筋コンクリートによるものとし、引張を受けるのは鋼材によるものとする。その他各部材もまたこれと同様であるが、ここにおいて非常に重要な問題は、固定支持柱は支持地層に深く打設されることであり、この打設の深さは地層の地質状況に基づいて調整されなければならない。このほか、基盤中に埋設される場合、柱と基盤中のある部材が連結して目的を達成できるように、必ず良好な状態で埋設されなければならない。各部材の形式は、組立が便利であり、良好な固定制御作用を有するものであれば、特別な制限を受けない。
【0009】
ロッド部材群の各ロッド部材は両辺端を利用し、結合部材と結合点に対して結合を行うか、または、ロッド端に他方向連結板と相互に組合せた嵌合構造を設けて楔ユニットとし、結合または楔ユニットをヒンジ連結作用とし、ヒンジ連結をロッド部材の辺端支持とする。全体的構造上、ロッド部材の区分は外力導入結合点および結合点間における力量伝達分布の2タイプに分けられ、よって、分析上では相応する2つのヒンジアーチ楔結合および軸力ロッド部材の方法により処理を行う。また、結合点部材と同様に、用いられる構造材料は圧力受容特性に基づいて配置され、アーチ楔構造に鉄筋コンクリートまたは鋼材を使用する等、軸力ロッド部材は引張圧縮の相違によりそれぞれ前述の材料を使用する。つまり、ビーム構造または構成部材にかかわらず、圧力受容の種別は構造の全体配置の影響を直接受け、よって、経済的で快速に目的を達成するために、構造の全体配置に対して完全な分析を行うことが先決条件となる。
【0010】
このほかに説明するのは、ビーム構造群のいずれのビーム構造も複数の組合せを行い、構造順位群を形成することができる点である。この順位群は独立した空間ビーム構造と見なすことができ、全構造はそれを構造順位群として完全に分解することができる。順位群は単独で圧力を受ける。例えば、3つのビーム構造に三角枠組を用い、それを共に束ねて順位群とする等、ロッド部材を順位群で互いに連結し、伝達分布することができる。ロッド部材群のロッド部材は、より良好な伝達受容能力効果を達成するため、その他ロッド部材を用い、2つまたはそれ以上のロッド部材を連結させることができる。また、全体構造において付属構造を増設し、構造に対する強化作用を形成することにより、構造の圧力受容は分担される。例えば、力量を結合点のロッド部材の後方に導入してタイヤネットを敷設し、それをロッド部材に連結させ、タイヤネット上に土を填入して覆い被せる等、このようにタイヤと土を填入した部分との間が塞がれるのを防ぎ、部分的に構造が受ける圧力を分担することができる。
【0011】
本トラス式堤防空間および壁体構造は、前述の基本枠組において複数の変化を行うことができる。ビーム構造群中の固定支持柱の下部を地層の支持作用部分に打ち込むことで、順位構造本体および内部の土填入本体の重量が生み出す摩擦作用に取って代わり、固定支持柱の下部を取り除き、構造底部の摩擦を用いて支持作用に代えることができる。それと同時に、結合部材を切断してロッド部材が直接一体を為すように結合し、さらに、多方向連結板と結合して結合点作用の構造となるようにし、全体構造を完成させることができる。また、固定支持柱の上部を縮減し、結合部材とロッド部材および多方向連結板との相互結合により縮減部分の作用に取って代わることが可能で、固定支持柱を取り除くこともできる。また、構造本体と内部土填入本体の重量および構造部材、ロッド部材と多方向連結板との相互結合を採用することにより、それぞれ固定支持柱の上下部作用に取って代わるものとし、構造本体、内部土填入部分の重量および構造の内部作用により基本構造枠組の効果を達成することができる。
【0012】
次に、構造に対する構造施工について述べる。基本的にトラス式堤防空間および壁体構造は、完全にプレキャストされたユニットの組立により導かれる。よって、始めに構造部材の設計形式に基づいてプレキャストを行い、これと同時に、構造の配置に基づいて現地に精確にその形式を配置する。組立方面においては、先ず固定支持柱を打設した後、多方向連結板とロッド部材を組立てるか、または、最底層に多方向連結板とロッド部材を組立てた後、固定支持柱を打設し、次に、層の順序を追って多方向連結板とロッド部材を設計した高さまで組立て、土の填入作業を行うことができる。この作業は層の順序を追って行うか、または、全体構造が完成したときに行うことができる。そして、最後に、植生作業を行うことになるが、注意しなければならないのは、本構造の施工方法は一定不変のものではなく、環境や状況に基づいて相応して調整を行うものであるということである。
【0013】
本発明のトラス式堤防空間および壁体構造の効果を複数の方面から述べる。先ず、第一に構造方面であるが、これは空間構造に属し、圧力受容を伝達分布させることで、より合理的にすることができる。第二は、景観および生態方面である。本構造は、空間的構造により堤防および壁体構造を平面化より空間化へと進めていくものであると同時に、部材の可塑性を利用して良好な空間景観を形作ること、また、構造の中空部分に土を填入植生し、より美しい景観となるようにさらに気候を調節して生態発展に植物を役立たせることができる。第三は、施工および修復方面についてである。トラス式堤防空間および壁体構造は、プレキャストによる組立方法であり、施工をより快速に簡易に行うことができる。また、品質上においても容易に制御することができ、緊急状況において使用することも可能である。よって、もし損壊が起こっても、部分的に分解交換するだけで修復することができる。第四に、その他構造上、基盤を設けない状況において、内部の土填入部分より直接底部の土層へと雨水および水の滲み込みが行われ、保水作用を達成することができる。さらに、構造がより程度の高い沈下に耐えられるように、また、植物の根系が自由に伸展でき、水土保持効果の増加を可能とするため、固定支持柱は導管作用を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2は、本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造に関する斜視図または模式図であり、以下の特徴を含む。
ビーム構造群1は、各ビーム構造10が固定支持柱11および多方向連結板12から組成される。固定支持柱11は、下部が支持地層または基盤13に固定され、ビーム構造の支持における支持点を形成するため、上部に少なくとも一つ以上の多方向連結板12が組立てられ、トラス構造のような結合点構造を構成する。さらに、ロッド部材群2は、いずれのロッド部材20も結合部材30により両端と結合点が一体を為すようにし、ヒンジ連結作用となるようにされている。この相互結合に基づき、全体構造はトラス式の堤防空間および壁体構造を有するものとなる。
【0015】
前掲した構造のビーム構造群1およびロッド部材群2は、所定の数量と形式のみを呈しているが、これに限られるものではない。より進んだ実施構造を図3と図4に示す。つまり、前記多方向連結板12の中央に第一貫通孔121を設け、固定支持柱11を突き出させ、位置決めを行うために用いる。さらに、前記第一貫通孔121の周辺に複数の第一連結孔122を設け、2つの多方向連結板12の間に接続板14を設ける。前記接続板14の中間に第二貫通孔141を設け、板本体に複数の放射状の連結溝142を設ける。該連結溝142の溝口に外部より適宜前記いずれか一つのロッド部材20の端部21を套設することができる。前記端部21は第一連結孔122に相対するところに対応する第二連結孔211を設け、結合部材30を用い、第一連結孔122と第二連結孔211により相互連結して一体を為し、ヒンジ連結作用となる。
【0016】
前掲の接続板14は、結合点構造において、圧力を分散するために用いられるが、この用途に限られるものではない。第二実施例の結合点構造を図5と図6に示すが、これらは第一実施例と同じ図面番号を用いて表示する同一のものである。前記接続板14は套設リング15に取って代わられるものとする。該套設リング15の中間には固定支持柱11が突き出るための第三貫通孔151を設ける。前記ロッド部材20の端部21は套設リング15の側縁に延伸し、そのカーブ面に合わせて凹カーブ端面22を設け、該ロッド部材の端部には第一連結孔122に相対して対応する第三連結孔23を設ける。これより、前記結合部材30は、第一連結孔122と第三連結孔23との相互連結により一体を為し、ヒンジ連結作用を呈する。
【0017】
図6Aと図6Bでは、本実施例は、前記ロッド部材20と結合部材30を結合させて一体と為し、つまり、前記結合部材30は予め定められた長さによりロッド部材20を成型して二端を設け、さらに、前記端部より結合部材30を多方向連結板12の第一連結孔122と直接連結し、ヒンジ連結作用を呈することを示す。
図7および図8は、本発明の第三実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点構造の図を示す。前記多方向連結板12は第一貫通孔121の周囲に複数の開口が外部に向けられた嵌め込み溝123を設け、前記嵌め込み溝123は多方向連結板12の上側面または下側面に設置されている。より好ましい実施の形態では、嵌め込み溝123は上下側面の双方に設置されているが、これに限られるものではない。前記ロッド部材20の端部21には前記嵌め込み溝123に合わせて互いに嵌合する嵌合部材24を設け、楔ユニット結合とし、その相互連結を一体と為し、ヒンジ連結作用を呈する。前述の嵌め込み溝123はT型に限られるものではなく、その他嵌め込み楔ユニットの構造とすることも可能であるが、それについて、ここでは繰り返し述べない。
【0018】
図9は、本発明の第四実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造のビーム構造群1中のビーム構造10が三個またはそれ以上であり、三角枠組40を利用してそれらを組合せ、空間を有するビーム構造形式の順位群50としているところを示す。この順位群50は各自独立し、順位群50間はロッド部材20を利用して連結することができる。このほか、本実施例は全体結合において付属構造を増設することが可能で、構造の強化作用を形成し、構造が受容する圧力を分担させることができるが、これについてはすでに発明内容において説明しているので、ここでは再述しない。
【0019】
前掲の実施の形態の他、事実上、本発明の組合せは外部環境の要求に基づいて一定の程度内において変化を加えることが可能である。例えば、前記固定支持柱11は、上部がさらに長さを短縮することで、結合部材30とロッド部材20および多方向連結板12との連結に取って代わるものとすることができる。特殊な環境に対して前記固定支持柱11の下部は取り除かれ、構造本体および内部の土填入本体の重量が生み出す底部摩擦に取って代わるのに十分なものとなる。
【0020】
図10は、本実施例の一つの使用状態における模式図を示す。ビーム構造群1の各ビーム構造10は堤防または壁体構造の要求に基づいて合わせて設けられ、且つロッド群2の各ロッド部材20は可塑性を有し、全体的な景観的要求に合わせて良好な空間景観を作り上げることができる。また、構造中の中空部分は土を填入植生60することができ、植物は景観をより美しくし、気候を調整することが可能で、生態発展に役立つものとなる。
【0021】
このほか、本実施例は、圧力受容の伝達分布により合理性を加えることが可能で、確かな耐用性と使用寿命を延長させることができる。さらに、全体構造はプレキャスト方法により組立てることが可能で、手軽で素早い工事を有し、緊急状況において用いられ、迅速な修復を行うことができる。さらに、前記固定支持柱11は導管作用を有し、構造がより程度の高い沈下に耐え得るようにし、植物の根系が自由に発展し、水土保持効果を増進させる。
【0022】
よって、本発明が提示する技術手段は進歩性、新規性および産業上の利用可能性等の発明特許の要件を確かに有しており、奨励される発明として貴局より特許授与を賜ることができれば感謝に堪えない。
上述で公開した図面、説明は本発明のより好ましい実施の形態においてのみであり、およそ本項の技術を熟知した技術者が本案の範疇に基づいて為された修飾または同等効果を有する変化は本案の特許申請の範囲内に含まれなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の斜視図である。
【図2】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の模式図である。
【図3】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の分解斜視図である。
【図4】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の断面図である。
【図5】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の分解斜視図である。
【図6】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の断面図である。
【図6A】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合部材とロッド部材とが結合して一体を為す状態を示す概略図である。
【図6B】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造のロッド部材と多方向連結板との組合せ状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第三実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の分解斜視図である。
【図8】本発明の第三実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の断面図である。
【図9】本発明の第四実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の概略図である。
【図10】本発明の第一実施例、第二実施例、第三実施例または第四実施例の使用状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ビーム構造群、2 ロッド部材群、10 ビーム構造、11 固定支持柱、12 多方向連結板、13 支持地層または基盤、14 接続板、15 套設リング、20 ロッド部材、21 端部、22 凹カーブ端面、24 第三連結孔、24 嵌め込み部材、30 結合部材、40 枠組、50 順位群、60 植生、121 第一貫通孔、122 第一連結孔、123 嵌め込み溝、141 第二貫通孔、142 連結溝、151 第三貫通孔、211 第二連結孔
【技術分野】
【0001】
本考案は、堤防空間および壁体構造に関し、特に、通常のトラス構造の観念を転化して利用し、土の填入植生、種生物間の交流と生息環境および良好な空間景観を作り上げるために建設される堤防空間と壁体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
片持ち梁式または重力式構造は、土木工程において通常使用される壁体、堤防構造である。重力式構造は本体自身の重量により外力から生み出される転覆モーメントおよび水平スラストの圧力に耐えるものであり、片持ち梁式構造は梁特性を利用して外力がもたらす転覆モーメントに抵抗すると同時に、全体構造の重量および基礎底部にかけられた重量がもたらす摩擦力により外力が生み出す水平トラストに抵抗するものである。この2タイプの構造は、力学上、共に平面構造に属し、このほか以下の共通の特徴を有している。先ず機能が単一であり、つまり、安全保護の他、その他の機能を有さない。第二に、実体平面および景観の単調化であり、基本的には構造壁体面層から見ると、平らな面であり、その景観の豊かさには欠乏がもたらされ、たとえ造型枠板によって形作ろうとしても、景観に対して良好な改善を行うことは難しい。第三は、現場における鋳造性である。上記2タイプの構造は、現場において鉄筋、枠板を組立てなければならず、その後、コンクリート鋳造を行うため、天候の影響を受け易く、施工速度を緩慢にさせる。第四は、隔絶作用である。構造壁体そのものは種生物間の活動動線を隔て、高さが高くなるほど、明らかなものとなる。第五は、修復の困難で、部分壁体または基礎破損等、修復を完成させるための良好な方法を有するのは難しい。第六は、緊急の使用ができないことであり、堤防、壁体の構造過程から見ると、それらを緊急の保護措置とすることは不可能である。
【0003】
多方面に配慮しなければならないのは、堤防、壁体構造技術は設計思考の将来的方向である。たとえ同一の構造形式が多重用途の目的を有しているとしても、現行で通常使用する片持ち梁式または重力式の堤防、壁体構造は基本的に安全的保護を設計の主軸としており、兼用およびその他用途としての目的を少なくし、用途の単一化、景観の平面単調化をもたらし、且つ種生物間の活動動線において交流に困難をもたらすことになる。さらに、現場における鋳造施工および材料性質の関係のみに限られるため、緊急に使用することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主要な目的は、既知の片持ち梁式、重力式による壁体、堤防構造の機能の単一化、景観の単調化、施工の複雑さと長期化、損壊時の修復が困難等の欠点に対応するもので、多方面に配慮した設計思考方法により、使用目的と多重用途を堤防壁体構造に発展させ、安全保護の目的を達成させるだけでなく、環境の保護と改善を行い、景観的効果の増進と生態発展において役立つようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のトラス式堤防空間および壁体構造は、ビーム構造群およびロッド部材群を含み、該ビーム構造群の各ビーム構造は主に固定支持柱と多方向連結板の2タイプの部材から組成され、固定支持柱の下部はビーム構造の支持点とするために支持地層または基盤に打設または埋設されており、上部には多方向連結板を組立て、トラス構造の結合点作用を有する結合点構造を形成する。つまり、各ビーム構造は支持点と結合点とのダブル作用の構造を有し、ロッド部材群の各ロッドはトラス構造のロッド部材と同様にビーム構造の各結合点が互いに組み合わさって連結し、全体構造に対してトラス構造の荷重機能を発揮させることになる。本発明のトラス式堤防空間および壁体構造は、通常のトラス構造と以下の点で異なる。
【0006】
先ず、通常のトラス構造は、結合点が圧力を受容する作用点であり、ロッド部材を通じて伝達分布され、最後に、力量をトラス構造の支持構造上に伝達して地層へと導入する。つまり、この過程において、各結合点およびロッド部材と構造の支持点は無関係ではなく、トラス式堤防空間および壁体構造の各結合点は片持ち梁式構造上に直接設けられ、且つ各ビーム構造は全て支持作用を兼ね、ロッド部材は各結合点と連結する。よって、この形式構造は、各結合点とロッド部材が直接関連するものであり、さらに深く言えば、通常のトラス構造の集中支持形式を分散式の支持形式へ変換するものである。
【0007】
次に、ロッド部材方面について述べる。通常のトラス構造のロッド部材は軸力ロッド部材であり、その他二次効果を考慮する以外に通常は考慮することのないモーメント、せん断応力作用を考慮しなければならないが、本構造におけるロッド部材は2タイプに分けられる。そのうち一つは圧力の受容作用が結合点におけるものであり、もう一つは通常のトラス構造のロッド部材の作用と同様であるが、さらに深く検討すれば、この圧力を受けるロッド部材を構造本体の外部構成部材として見なし、結合点を支持または外力を仲介伝達するものとすることができる。
【0008】
ビーム構造群およびロッド構造群を相対させて説明する。ビーム構造の各ビーム構造は、主に、固定支持柱と多方向連結板の2タイプの部材から組成され、柱の下部は地層または基盤中に形成された支持点上に打設あるいは埋設され、その上部にはヒンジ特性を有する結合点を構成するための多方向連結板を組立てる。ヒンジ結合点はロッド部材に対する引張圧縮作用に耐えうるものでなければならず、圧力受容部分は多方向連結板材および固定支持柱部材により圧力抵抗強度が提供され、圧力受容部分は前述以外にも結合点とロッド部材間の結合部材に関連する。結合部材は結合点が引張または圧縮を受けるか否かにかかわらず、その主要なものはせん断応力作用であり、せん断応力作用は多方向連結板内部に対して引張圧縮作用をもたらし、この作用は板から固定支持柱に伝達される。前述した各項を総合すると、固定支持柱は主にモーメント、せん断応力作用に耐えるものであり、各部材の圧力受容特性に基づき、適した材料を選択して部材を製作しなければならない。例えば、多方向連結板を製作することで、鉄筋コンクリート内に鋼材を敷設し、板が圧力を受ける部分を鉄筋コンクリートによるものとし、引張を受けるのは鋼材によるものとする。その他各部材もまたこれと同様であるが、ここにおいて非常に重要な問題は、固定支持柱は支持地層に深く打設されることであり、この打設の深さは地層の地質状況に基づいて調整されなければならない。このほか、基盤中に埋設される場合、柱と基盤中のある部材が連結して目的を達成できるように、必ず良好な状態で埋設されなければならない。各部材の形式は、組立が便利であり、良好な固定制御作用を有するものであれば、特別な制限を受けない。
【0009】
ロッド部材群の各ロッド部材は両辺端を利用し、結合部材と結合点に対して結合を行うか、または、ロッド端に他方向連結板と相互に組合せた嵌合構造を設けて楔ユニットとし、結合または楔ユニットをヒンジ連結作用とし、ヒンジ連結をロッド部材の辺端支持とする。全体的構造上、ロッド部材の区分は外力導入結合点および結合点間における力量伝達分布の2タイプに分けられ、よって、分析上では相応する2つのヒンジアーチ楔結合および軸力ロッド部材の方法により処理を行う。また、結合点部材と同様に、用いられる構造材料は圧力受容特性に基づいて配置され、アーチ楔構造に鉄筋コンクリートまたは鋼材を使用する等、軸力ロッド部材は引張圧縮の相違によりそれぞれ前述の材料を使用する。つまり、ビーム構造または構成部材にかかわらず、圧力受容の種別は構造の全体配置の影響を直接受け、よって、経済的で快速に目的を達成するために、構造の全体配置に対して完全な分析を行うことが先決条件となる。
【0010】
このほかに説明するのは、ビーム構造群のいずれのビーム構造も複数の組合せを行い、構造順位群を形成することができる点である。この順位群は独立した空間ビーム構造と見なすことができ、全構造はそれを構造順位群として完全に分解することができる。順位群は単独で圧力を受ける。例えば、3つのビーム構造に三角枠組を用い、それを共に束ねて順位群とする等、ロッド部材を順位群で互いに連結し、伝達分布することができる。ロッド部材群のロッド部材は、より良好な伝達受容能力効果を達成するため、その他ロッド部材を用い、2つまたはそれ以上のロッド部材を連結させることができる。また、全体構造において付属構造を増設し、構造に対する強化作用を形成することにより、構造の圧力受容は分担される。例えば、力量を結合点のロッド部材の後方に導入してタイヤネットを敷設し、それをロッド部材に連結させ、タイヤネット上に土を填入して覆い被せる等、このようにタイヤと土を填入した部分との間が塞がれるのを防ぎ、部分的に構造が受ける圧力を分担することができる。
【0011】
本トラス式堤防空間および壁体構造は、前述の基本枠組において複数の変化を行うことができる。ビーム構造群中の固定支持柱の下部を地層の支持作用部分に打ち込むことで、順位構造本体および内部の土填入本体の重量が生み出す摩擦作用に取って代わり、固定支持柱の下部を取り除き、構造底部の摩擦を用いて支持作用に代えることができる。それと同時に、結合部材を切断してロッド部材が直接一体を為すように結合し、さらに、多方向連結板と結合して結合点作用の構造となるようにし、全体構造を完成させることができる。また、固定支持柱の上部を縮減し、結合部材とロッド部材および多方向連結板との相互結合により縮減部分の作用に取って代わることが可能で、固定支持柱を取り除くこともできる。また、構造本体と内部土填入本体の重量および構造部材、ロッド部材と多方向連結板との相互結合を採用することにより、それぞれ固定支持柱の上下部作用に取って代わるものとし、構造本体、内部土填入部分の重量および構造の内部作用により基本構造枠組の効果を達成することができる。
【0012】
次に、構造に対する構造施工について述べる。基本的にトラス式堤防空間および壁体構造は、完全にプレキャストされたユニットの組立により導かれる。よって、始めに構造部材の設計形式に基づいてプレキャストを行い、これと同時に、構造の配置に基づいて現地に精確にその形式を配置する。組立方面においては、先ず固定支持柱を打設した後、多方向連結板とロッド部材を組立てるか、または、最底層に多方向連結板とロッド部材を組立てた後、固定支持柱を打設し、次に、層の順序を追って多方向連結板とロッド部材を設計した高さまで組立て、土の填入作業を行うことができる。この作業は層の順序を追って行うか、または、全体構造が完成したときに行うことができる。そして、最後に、植生作業を行うことになるが、注意しなければならないのは、本構造の施工方法は一定不変のものではなく、環境や状況に基づいて相応して調整を行うものであるということである。
【0013】
本発明のトラス式堤防空間および壁体構造の効果を複数の方面から述べる。先ず、第一に構造方面であるが、これは空間構造に属し、圧力受容を伝達分布させることで、より合理的にすることができる。第二は、景観および生態方面である。本構造は、空間的構造により堤防および壁体構造を平面化より空間化へと進めていくものであると同時に、部材の可塑性を利用して良好な空間景観を形作ること、また、構造の中空部分に土を填入植生し、より美しい景観となるようにさらに気候を調節して生態発展に植物を役立たせることができる。第三は、施工および修復方面についてである。トラス式堤防空間および壁体構造は、プレキャストによる組立方法であり、施工をより快速に簡易に行うことができる。また、品質上においても容易に制御することができ、緊急状況において使用することも可能である。よって、もし損壊が起こっても、部分的に分解交換するだけで修復することができる。第四に、その他構造上、基盤を設けない状況において、内部の土填入部分より直接底部の土層へと雨水および水の滲み込みが行われ、保水作用を達成することができる。さらに、構造がより程度の高い沈下に耐えられるように、また、植物の根系が自由に伸展でき、水土保持効果の増加を可能とするため、固定支持柱は導管作用を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2は、本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造に関する斜視図または模式図であり、以下の特徴を含む。
ビーム構造群1は、各ビーム構造10が固定支持柱11および多方向連結板12から組成される。固定支持柱11は、下部が支持地層または基盤13に固定され、ビーム構造の支持における支持点を形成するため、上部に少なくとも一つ以上の多方向連結板12が組立てられ、トラス構造のような結合点構造を構成する。さらに、ロッド部材群2は、いずれのロッド部材20も結合部材30により両端と結合点が一体を為すようにし、ヒンジ連結作用となるようにされている。この相互結合に基づき、全体構造はトラス式の堤防空間および壁体構造を有するものとなる。
【0015】
前掲した構造のビーム構造群1およびロッド部材群2は、所定の数量と形式のみを呈しているが、これに限られるものではない。より進んだ実施構造を図3と図4に示す。つまり、前記多方向連結板12の中央に第一貫通孔121を設け、固定支持柱11を突き出させ、位置決めを行うために用いる。さらに、前記第一貫通孔121の周辺に複数の第一連結孔122を設け、2つの多方向連結板12の間に接続板14を設ける。前記接続板14の中間に第二貫通孔141を設け、板本体に複数の放射状の連結溝142を設ける。該連結溝142の溝口に外部より適宜前記いずれか一つのロッド部材20の端部21を套設することができる。前記端部21は第一連結孔122に相対するところに対応する第二連結孔211を設け、結合部材30を用い、第一連結孔122と第二連結孔211により相互連結して一体を為し、ヒンジ連結作用となる。
【0016】
前掲の接続板14は、結合点構造において、圧力を分散するために用いられるが、この用途に限られるものではない。第二実施例の結合点構造を図5と図6に示すが、これらは第一実施例と同じ図面番号を用いて表示する同一のものである。前記接続板14は套設リング15に取って代わられるものとする。該套設リング15の中間には固定支持柱11が突き出るための第三貫通孔151を設ける。前記ロッド部材20の端部21は套設リング15の側縁に延伸し、そのカーブ面に合わせて凹カーブ端面22を設け、該ロッド部材の端部には第一連結孔122に相対して対応する第三連結孔23を設ける。これより、前記結合部材30は、第一連結孔122と第三連結孔23との相互連結により一体を為し、ヒンジ連結作用を呈する。
【0017】
図6Aと図6Bでは、本実施例は、前記ロッド部材20と結合部材30を結合させて一体と為し、つまり、前記結合部材30は予め定められた長さによりロッド部材20を成型して二端を設け、さらに、前記端部より結合部材30を多方向連結板12の第一連結孔122と直接連結し、ヒンジ連結作用を呈することを示す。
図7および図8は、本発明の第三実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点構造の図を示す。前記多方向連結板12は第一貫通孔121の周囲に複数の開口が外部に向けられた嵌め込み溝123を設け、前記嵌め込み溝123は多方向連結板12の上側面または下側面に設置されている。より好ましい実施の形態では、嵌め込み溝123は上下側面の双方に設置されているが、これに限られるものではない。前記ロッド部材20の端部21には前記嵌め込み溝123に合わせて互いに嵌合する嵌合部材24を設け、楔ユニット結合とし、その相互連結を一体と為し、ヒンジ連結作用を呈する。前述の嵌め込み溝123はT型に限られるものではなく、その他嵌め込み楔ユニットの構造とすることも可能であるが、それについて、ここでは繰り返し述べない。
【0018】
図9は、本発明の第四実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造のビーム構造群1中のビーム構造10が三個またはそれ以上であり、三角枠組40を利用してそれらを組合せ、空間を有するビーム構造形式の順位群50としているところを示す。この順位群50は各自独立し、順位群50間はロッド部材20を利用して連結することができる。このほか、本実施例は全体結合において付属構造を増設することが可能で、構造の強化作用を形成し、構造が受容する圧力を分担させることができるが、これについてはすでに発明内容において説明しているので、ここでは再述しない。
【0019】
前掲の実施の形態の他、事実上、本発明の組合せは外部環境の要求に基づいて一定の程度内において変化を加えることが可能である。例えば、前記固定支持柱11は、上部がさらに長さを短縮することで、結合部材30とロッド部材20および多方向連結板12との連結に取って代わるものとすることができる。特殊な環境に対して前記固定支持柱11の下部は取り除かれ、構造本体および内部の土填入本体の重量が生み出す底部摩擦に取って代わるのに十分なものとなる。
【0020】
図10は、本実施例の一つの使用状態における模式図を示す。ビーム構造群1の各ビーム構造10は堤防または壁体構造の要求に基づいて合わせて設けられ、且つロッド群2の各ロッド部材20は可塑性を有し、全体的な景観的要求に合わせて良好な空間景観を作り上げることができる。また、構造中の中空部分は土を填入植生60することができ、植物は景観をより美しくし、気候を調整することが可能で、生態発展に役立つものとなる。
【0021】
このほか、本実施例は、圧力受容の伝達分布により合理性を加えることが可能で、確かな耐用性と使用寿命を延長させることができる。さらに、全体構造はプレキャスト方法により組立てることが可能で、手軽で素早い工事を有し、緊急状況において用いられ、迅速な修復を行うことができる。さらに、前記固定支持柱11は導管作用を有し、構造がより程度の高い沈下に耐え得るようにし、植物の根系が自由に発展し、水土保持効果を増進させる。
【0022】
よって、本発明が提示する技術手段は進歩性、新規性および産業上の利用可能性等の発明特許の要件を確かに有しており、奨励される発明として貴局より特許授与を賜ることができれば感謝に堪えない。
上述で公開した図面、説明は本発明のより好ましい実施の形態においてのみであり、およそ本項の技術を熟知した技術者が本案の範疇に基づいて為された修飾または同等効果を有する変化は本案の特許申請の範囲内に含まれなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の斜視図である。
【図2】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の模式図である。
【図3】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の分解斜視図である。
【図4】本発明の第一実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の断面図である。
【図5】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の分解斜視図である。
【図6】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の断面図である。
【図6A】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合部材とロッド部材とが結合して一体を為す状態を示す概略図である。
【図6B】本発明の第二実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造のロッド部材と多方向連結板との組合せ状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第三実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の分解斜視図である。
【図8】本発明の第三実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の結合点の構造の断面図である。
【図9】本発明の第四実施例によるトラス式堤防空間および壁体構造の概略図である。
【図10】本発明の第一実施例、第二実施例、第三実施例または第四実施例の使用状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ビーム構造群、2 ロッド部材群、10 ビーム構造、11 固定支持柱、12 多方向連結板、13 支持地層または基盤、14 接続板、15 套設リング、20 ロッド部材、21 端部、22 凹カーブ端面、24 第三連結孔、24 嵌め込み部材、30 結合部材、40 枠組、50 順位群、60 植生、121 第一貫通孔、122 第一連結孔、123 嵌め込み溝、141 第二貫通孔、142 連結溝、151 第三貫通孔、211 第二連結孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム構造群およびロッド部材群を含むトラス式堤防空間および壁体構造において、
前記ビーム構造群の各ビーム構造は固定支持柱と多方向連結板より組成され、固定支持柱は下部が支持地層または基盤に固定され、上部が多方向連結板を組立てトラス結合点作用のような結合点構造を構成し、
前記ロッド部材群のいずれのロッド部材も結合部材として両端と結合点を連結して一体を為してヒンジ連結作用となり、この相互による組合せを通じて全体構造を枠組形式の堤防空間および壁体構造に構成することを特徴とするトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項2】
前記多方向連結板の中央に固定支持柱が突き出して貫通して位置決めを行うための第一貫通孔が設けられ、前記第一貫通孔の周辺に複数の第一連結孔が環設され、さらに2つの多方向連結板の間に接続板が設けられ、前記接続板の中間に第二貫通孔が設けられ、板上に複数の放射状の連結溝が設けられ、前記連結溝の溝口に外部より前記いずれのロッド部材の端部を套設することが可能であり、前記端部の第一連結孔に相対するところに対応する第二連結孔が設けられ、結合部材を利用して第一連結孔と第二連結孔とを互いに連結して一体を為し、ヒンジ連結作用となることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項3】
前記接続板は、套設リングに取って代わることが可能であり、前記套設リングの中間に固定支持柱が突き出して貫通するための第三貫通孔を設けることが可能であり、前記ロッド部材の端部は套設リングの側縁に延伸し、さらにカーブ面に合わせて凹カーブ端面と為るように設けられ、前記ロッド部材の端部の第一連結孔に相対するところに対応する第三連結孔が設けられ、これより前記結合部材は第一連結孔と第三連結孔とを互いに連結して一体を為し、ヒンジ連結作用を呈することを特徴とする請求項2記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項4】
前記ロッド部材と結合点との結合は、多方向連結板とロッド部材との間が互いに嵌合する嵌め込み溝構造を採用し、楔ユニット結合となることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項5】
前記ビーム構造群のビーム構造は、3つまたはそれ以上とし、枠組を利用してその組合せを空間を有するビーム構造形式の順位群とし、前記順位群は各自独立可能であり、順位群間において連結可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項6】
強化作用を有する付属構造を増設可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項7】
前記ロッド部材と結合部材は、一体を為すように結合することを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項8】
前記固定支持柱は、上部の長さをより短縮することが可能で、結合部材とロッド部材および多方向連結板の連結を変えることに取って代わるものとすることが可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項9】
前記固定支持柱の下部は、構造本体および内部の土填入重量が生み出す十分な底部摩擦に取って代わり、取り除くことが可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項1】
ビーム構造群およびロッド部材群を含むトラス式堤防空間および壁体構造において、
前記ビーム構造群の各ビーム構造は固定支持柱と多方向連結板より組成され、固定支持柱は下部が支持地層または基盤に固定され、上部が多方向連結板を組立てトラス結合点作用のような結合点構造を構成し、
前記ロッド部材群のいずれのロッド部材も結合部材として両端と結合点を連結して一体を為してヒンジ連結作用となり、この相互による組合せを通じて全体構造を枠組形式の堤防空間および壁体構造に構成することを特徴とするトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項2】
前記多方向連結板の中央に固定支持柱が突き出して貫通して位置決めを行うための第一貫通孔が設けられ、前記第一貫通孔の周辺に複数の第一連結孔が環設され、さらに2つの多方向連結板の間に接続板が設けられ、前記接続板の中間に第二貫通孔が設けられ、板上に複数の放射状の連結溝が設けられ、前記連結溝の溝口に外部より前記いずれのロッド部材の端部を套設することが可能であり、前記端部の第一連結孔に相対するところに対応する第二連結孔が設けられ、結合部材を利用して第一連結孔と第二連結孔とを互いに連結して一体を為し、ヒンジ連結作用となることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項3】
前記接続板は、套設リングに取って代わることが可能であり、前記套設リングの中間に固定支持柱が突き出して貫通するための第三貫通孔を設けることが可能であり、前記ロッド部材の端部は套設リングの側縁に延伸し、さらにカーブ面に合わせて凹カーブ端面と為るように設けられ、前記ロッド部材の端部の第一連結孔に相対するところに対応する第三連結孔が設けられ、これより前記結合部材は第一連結孔と第三連結孔とを互いに連結して一体を為し、ヒンジ連結作用を呈することを特徴とする請求項2記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項4】
前記ロッド部材と結合点との結合は、多方向連結板とロッド部材との間が互いに嵌合する嵌め込み溝構造を採用し、楔ユニット結合となることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項5】
前記ビーム構造群のビーム構造は、3つまたはそれ以上とし、枠組を利用してその組合せを空間を有するビーム構造形式の順位群とし、前記順位群は各自独立可能であり、順位群間において連結可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項6】
強化作用を有する付属構造を増設可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項7】
前記ロッド部材と結合部材は、一体を為すように結合することを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項8】
前記固定支持柱は、上部の長さをより短縮することが可能で、結合部材とロッド部材および多方向連結板の連結を変えることに取って代わるものとすることが可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【請求項9】
前記固定支持柱の下部は、構造本体および内部の土填入重量が生み出す十分な底部摩擦に取って代わり、取り除くことが可能であることを特徴とする請求項1記載のトラス式堤防空間および壁体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−38370(P2008−38370A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210657(P2006−210657)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(506264937)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(506264937)
【Fターム(参考)】
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