説明

トラックローダ

【課題】 パイロットホースが機体フレーム側の他部材と接触したり干渉したりして、パイロットホース乃至他部材が損傷乃至破損するのを防止する。
【解決手段】 左右走行装置3に支持された機体フレーム1と、キャビン4と、ブームシリンダ79によって上下揺動されるブーム77とを備える。機体フレーム1側に走行装置3及びブームシリンダ79を油圧制御する油圧制御装置が設けられ、キャビン4側に油圧制御装置のパイロット圧を操作するための操作レバーが設けられ、キャビン4は、底部側が機体フレーム1に載置される載置状態から機体フレーム1の上方に離間する倒伏状態まで揺動自在に機体フレーム1に支持されている。載置状態のキャビン4の後方の機体フレーム1の後部に油圧制御装置と連結された中継部材110が設けられ、この中継部材110がキャビン4内の操作レバーとパイロットホースを介して連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックローダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラックローダには、従来よりブームの先端側が機体フレームの前方側で昇降するように、機体フレームの後部にブームの基部側が上下揺動自在に支持され、ブームの基部側と機体フレームの後部との間にブームを昇降動作させるブームシリンダが設けられ、機体フレームにキャビンが搭載され、キャビンが機体フレームに対して、キャビンの底部側が機体フレームに載置される載置状態とキャビンの底部側が機体フレームから上方に離間する倒伏状態とに揺動自在に支持され、機体フレーム側に油圧制御装置が設けられ、キャビン側に油圧制御装置のパイロット圧を操作するための操作レバーが設けられたものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
この種の従来のトラックローダは、キャビンの底板にパイロットホースの中継部材を設け、キャビン側の操作レバーと機体フレーム側の油圧制御装置との間にパイロットホースを中継部材を介して連結するようにしていた(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−121768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来では、キャビンの底板に中継部材があったため、キャビンを前側に揺動して載置状態にしたときに、中継部材と油圧制御装置との間のパイロットホースが下方に大きく揺動するため、パイロットホースが機体フレーム側の他部材と接触したり、干渉したりして、パイロットホース及び他部材が損傷乃至破損するおそれがあった。また、キャビン側に、機体フレーム1側に向けて配置されるパイロットホースをクランプするための部品やガイドするためのガイド部材が多く必要になるため、組み立て工数、部品点数も多く必要になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、キャビンを載置状態にしても、中継部材と油圧制御装置との間のパイロットホースが下方に大きく揺動するのを防止して、パイロットホースが機体フレーム側の他部材と接触したり干渉したりして、パイロットホース乃至他部材が損傷乃至破損するのを防止でき、また、キャビン側に、機体フレーム側に向けて配置されるパイロットホースをクランプするための部品やガイドするためのガイド部材が少なくて済むようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決する本発明の第1の技術的手段は、油圧駆動式の左右走行装置3に支持された機体フレーム1と、この機体フレーム1の前部に搭載されたキャビン4と、機体フレーム1の後部に支持されていてブームシリンダ79によって上下揺動されるブーム77とを備え、前記機体フレーム1側に走行装置3及びブームシリンダ79を油圧制御する油圧制御装置が設けられ、キャビン4側に油圧制御装置のパイロット圧を操作するための操作レバーが設けられ、前記キャビン4は、底部側が機体フレーム1に載置される載置状態から機体フレーム1の上方に離間する倒伏状態まで揺動自在に機体フレーム1に支持されており、
載置状態のキャビン4の後方の機体フレーム1の後部に油圧制御装置と連結された中継部材110が設けられ、この中継部材110がキャビン4内の操作レバーとパイロットホースを介して連結されている点にある。
【0008】
また、本発明の第2の技術的手段は、前記操作レバーは走行用操作レバー137と作業用操作レバー138とが左右に振り分け配置され、前記中継部材110はキャビン4の背面に対面して走行用と作業用の中継部材110が左右に振り分け配置されている点にある。
また、本発明の第3の技術的手段は、前記左右各中継部材110は、外側方に突出した第1ホース接続部133と内側方に突出した第2ホース接続部134とが、それぞれ上下に複数配列されている点にある。
【0009】
また、本発明の第4の技術的手段は、前記機体フレーム1は、前部にキャビン4を搭載しかつ後部にエンジン101を搭載する底壁6と、この底壁6の前部の左右に設けた側壁7と、底壁6の後部の左右で側壁7の後部に設けられていてブーム77及びブームシリンダ79を支持する支持枠体11と、左右支持枠体11の前上部を連結する横連結部材19とが設けられており、
前記横連結部材19の上面にキャビン4の背面側を揺動自在に支持する支持軸55が支持され、前面に中継部材110が取り付けられている点にある。
【0010】
また、本発明の第5の技術的手段は、前記油圧制御装置は、機体フレーム1内でエンジン101より前方に配置された走行用油圧制御装置105と、機体フレーム1の前後方向中途部の側壁7の内面に配置された作業用コントロールバルブ107とで構成されている点にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、中継部材と油圧制御装置との間のパイロットホースが下方に大きく揺動するのを防止できる。
即ち、請求項1に係る発明は、キャビン4は、底部側が機体フレーム1に載置される載置状態から機体フレーム1の上方に離間する倒伏状態まで揺動自在に機体フレーム1に支持され、載置状態のキャビン4の後方の機体フレーム1の後部に油圧制御装置と連結された中継部材110が設けられ、この中継部材110がキャビン4内の操作レバーとパイロットホースを介して連結されているので、キャビン4を載置状態にしても、中継部材110と油圧制御装置との間のパイロットホースが下方に大きく揺動するのを防ぐことができ、パイロットホースが機体フレーム1側の他部材と接触したり干渉したりして、パイロットホース及び他部材が損傷乃至破損するのを防ぐことができる。
【0012】
また、中継部材110は機体フレーム1側に取り付けられているので、キャビン4を揺動しても中継部材110は機体フレーム1に対して動くことがなくなり、キャビン4側に、機体フレーム1側に向けて配置されるパイロットホースをクランプするための部品やガイドするためのガイド部材が少なくて済むようになり、組み立て工数、部品点数も少なくなる。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記操作レバーは走行用操作レバー137と作業用操作レバー138とが左右に振り分け配置され、前記中継部材110はキャビン4の背面に対面して走行用と作業用の中継部材110が左右に振り分け配置されているので、操作レバーから中継部材110までの油圧操作系を左右に分散配置することができる。
請求項3に係る発明は、前記左右各中継部材110は、外側方に突出した第1ホース接続部133と内側方に突出した第2ホース接続部134とが、それぞれ上下に複数配列されているので、多数本のパイロットホースを左右方向に分散しかつ上下方向に整列配置することができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記機体フレーム1は、底壁6と、側壁7と、支持枠体11と、左右支持枠体11の前上部を連結する横連結部材19とが設けられており、前記横連結部材19の上面にキャビン4の背面側を揺動自在に支持する支持軸55が支持され、前面に中継部材110が取り付けられているので、支持軸55と中継部材110とを近づけて配置することができ、パイロットホースの揺動を減少できる。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記油圧制御装置は、機体フレーム1内でエンジン101より前方に配置された走行用油圧制御装置105と、機体フレーム1の前後方向中途部の側壁7の内面に配置された作業用コントロールバルブ107とで構成されているので、走行用油圧制御装置105及び作業用コントロールバルブ107と中継部材110とを近づけて配置することができ、両者間の配管を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブームを上昇させた状態のトラックローダの側面図である。
【図2】同ブームを下降させた状態のトラックローダの側面図である。
【図3】同トラックローダの側面断面図である。
【図4】同トラックローダの正面断面図である。
【図5】同機枠フレームの斜視図である。
【図6】同キャビン下部を後方側から見た状態の斜視図である。
【図7】同横連結部材及び中継部材部分の正面図正面図である。
【図8】同キャビンの下部背壁部分の側面断面図である。
【図9】同横連結部材及び中継部材部分の側面断面図である。
【図10】同閉塞部材部分の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、本発明に係るトラックローダは、機体フレーム1と機体フレーム1に装着したローダ作業装置(掘削作業装置)2と機体フレーム1を支持する左右一対の走行装置3とを備え、機体フレーム1の前部側にキャビン4が搭載されている。
図3〜図5において、機体フレーム1は鉄板等により構成され、底壁6と左右一対の側壁7と前壁8とを有する上端が開口した箱形に形成されている。左右一対の側壁7の後端部上縁は後方に向かうに従って徐々に下方に進む円弧状に形成され、左右一対の側壁7の上端に左右方向外方に突出した折曲縁部7aが設けられている。前壁8の上端に後方に突出した上縁部(折曲縁部)8aが設けられている。
【0018】
機体フレーム1の後部に左右一対の支持枠体11が具備されている。左右一対の支持枠体11は、内側壁12と、外側壁13と、内側壁12の後端と外側壁13の前端とを連結する連結壁14とを有するコの字状に形成されている。
側壁7の後端部の上端に円弧状に湾曲した取付板16が溶接等により固着され、取付板16の前端部が側壁7の折曲縁部7aの後端部に溶接等により重合固着されている。取付板16の外側部は側壁7の上端から外側方に突出しており、側壁7の折曲縁部7aと取付板16とで、走行装置3の上側及び後側を覆うフェンダー17が構成されている。左右一対の支持枠体11の内側壁12及び外側壁13の前側下端は、それぞれ取付板16に溶接等により固着され、これにより左右一対の支持枠体11は取付板16を介して機体フレーム1の側壁7にそれぞれ連結固定されている。左右一対の支持枠体11の内側壁12、外側壁13及び連結壁14の各上部は側壁7よりも上方に突出されている。
【0019】
左右一対の支持枠体11の内側壁12の上部同士は横連結部材19により連結されている。横連結部材19は、門型の前壁板20と前壁板20の上端から後方に突出した上壁板21とを有し、横連結部材19の上壁板21の左右両端部に左右一対の支持ブラケット22が上方突設されている。左右一対の支持ブラケット22は、それぞれ左右一対の支持板23を有しており、各支持板23に左右に貫通した前側の取付孔24と後側の係止孔25とが設けられている。
【0020】
左右一対の支持枠体11の下端同士は補強板27及び下連結板28により連結されている。補強板27と下連結板28とは溶接等により互いに固着され、補強板27は溶接等により機体フレーム1の底壁6に連結固着され、補強板27及び下連結板28の両端部は、一対の支持枠体11の内側壁12又は連結壁14にそれぞれ溶接等により固着されており、左右一対の支持枠体11は補強板27及び下連結板28を介して底壁6に連結されている。
【0021】
左右一対の支持枠体11の後部上端であって内側壁12と外側壁13との間に取付孔を有する第1取付ボス32が設けられている。左右一対の支持枠体11の外側壁13の上側前端部にステー部材34が後方突設され、ステー部材34と内側壁12との間に取付孔を有する第2取付ボス36が設けられている。左右一対の支持枠体11の下端部であって内側壁12と外側壁13との間に取付孔を有する第3取付ボス38が設けられている。
【0022】
図1及び図2に示すように、機体フレーム1の後端部に、左右一対の支持枠体11間の後端開口を塞ぐ蓋部材40が開閉自在に設けられている。
図1〜図4において、キャビン4(運転者保護装置)は、左右一対の側枠部材42と、側枠部材42の上部間に架設された屋根部材41と、左右一対の側枠部材42にそれぞれ装着した左右一対の側壁体43とを備えている。左右一対の側枠部材42は、パイプ材等で構成されて、左右一対の前支柱部44と、左右一対の後支柱部45と、対応する前支柱部44の上端と後支柱部45の上端とを連結する左右一対の上横梁部46とを有している。左右の後支柱部45の下端部に左右一対の取付ブラケット47が後方に突設されている。左右一対の取付ブラケット47は、前記機体フレーム1の支持ブラケット22に対応するものであり、支持ブラケット22の取付孔24、係止孔25に対応して取付孔48及び係止孔49が設けられている。左右の前支柱部44の下端部に載置板50が溶接等により固着されている。
【0023】
一対の側壁体43は金属板等で構成され、一対の側枠部材42に溶接等によりそれぞれ固着されている。各側壁体43には多数の挿通孔52が設けられ、この挿通孔52を通して外側方のブーム77乃至ローダ作業装置2を見ることができるように構成されている。
キャビン4は、取付ブラケット47を介して機体フレーム1の支持ブラケット22に、左右方向の支持軸55廻りに揺動自在に支持されている。これにより、キャビン4の底部側が機体フレーム1の上端開口を塞ぐように機体フレーム1に載置される載置状態と、キャビン4の底部側が機体フレーム1から上方に離間して機体フレーム1の上端開口を開放する倒伏状態とに姿勢変更自在とされている。キャビン4を支持軸55廻りに前側に揺動したとき、載置板50が緩衝材等を介して前壁8の上縁部8aに接当載置され、これによりキャビン4を載置状態に保持するように構成されている。また、キャビン4を支持軸55廻りに後方に揺動して倒伏したとき、一対の取付ブラケット47の係止孔49と一対の支持ブラケット22の係止孔25とが一致し、この係止孔25,49に係止ピン56を挿入することにより、キャビン4を後方に揺動した倒伏状態に保持できるようになっている。キャビン4が機体フレーム1に対して、揺動自在に支持されている。
【0024】
なお、キャビン4を載置状態にしたときに、トラックローダの走行やローダ作業装置2による作業がなされ、キャビン4を倒伏状態にしたときには機体フレーム1内のメンテナンス等がなされる。
左右一対の側壁体43の下端部の前後方向中央部間に底壁体58が溶接等に連結固定されている。底壁体58は金属板等により構成され、底壁部59と左右一対の側壁部60とをコの字状に有し、一対の側壁部60の上端に外側方に突出した左右一対の取付片61が設けられ、底壁体58は一対の取付片61を介して一対の側壁体43の下端部に溶接等により固着されている。この底壁体58の底壁部59上に運転座席63が設けられている。
【0025】
キャビン4の左右一対の側枠部材42の後支柱部45間に窓枠体65が溶接等により固着され、窓枠体65にリヤガラス66が装着されている。
従って、キャビン4は上方が屋根部材41で塞がれ、側方が一対の側壁体43で塞がれ、後方がリヤガラス66で塞がれ、かつ下方の前後方向中央部が底壁体58により塞がれており、前方が開口した箱形に形成されている。
【0026】
図1及び図2において、左右一対の走行装置3は、前後一対の従動輪68と一対の従動輪68間の上方に配置した駆動輪69とを有し、これら従動輪68及び駆動輪69にクローラ70を巻き掛けてなるクローラ走行装置により構成され、駆動軸71の回転により駆動輪69を駆動軸71廻りに回転させて、走行装置3が駆動するようになっている。一対の従動輪68はトラックフレーム73の前後両端にそれぞれ横軸廻りに遊転自在に支持され、一対の従動輪68のうちの一方は図示省略のテンション調整機構によりテンション調整方向に付勢されている。一対の従動輪68間に複数の転輪72が設けられ、複数の転輪72はそれぞれトラックフレーム73に横軸廻りに遊転自在に支持されている。走行装置3の駆動軸71はキャビン4の後端部の下方に配置されている。
【0027】
左右一対の走行装置3はそれぞれ油圧式の走行モータ74を有しており、走行モータ74により駆動軸71を回転駆動し、駆動軸71の回転により走行モータ74のドラムの回転を介して駆動輪69が駆動軸71廻りに回転し、これにより、各走行装置3が走行モータ74によってそれぞれ駆動される。
ローダ作業装置2は、左右一対のブーム77とブーム77の先端に装着したバケット78(作業具)とを備える。
【0028】
左右一対のブーム77は、機体フレーム1及びキャビン4の左右両側に配置され、左右のブーム77はその前部側の中途部において、円筒状等のブーム連結体によって相互に連結されている。
左右一対のブーム77は、機体フレーム1の後上部にブーム77の基部側が後側の第1リフトリンク81と前側の第2リフトリンク82とを介して上下揺動自在に支持され、ブーム77の先端側が機体フレーム1の前方側で昇降するようになっている。左右一対のブーム77の基部側と機体フレーム1の後下部との間に複動式油圧シリンダからなる左右一対のブームシリンダ79が設けられている。
【0029】
第1リフトリンク81の下側基端部が、機体フレーム1の第1取付ボス32に対応する内側壁12と外側壁13との間に挿入されて、第1リンク支軸85が第1取付ボス32の取付孔に挿通されると共に第1リフトリンク81の下側基端部に挿通されることにより、第1リフトリンク81の下側基端部が機体フレーム1(第1取付ボス32)に第1リンク支軸85廻りに前後揺動自在に支持されている。
【0030】
第2リフトリンク82の前側基端部が、機体フレーム1の第2取付ボス36に対応するステー部材34と内側壁12との間に挿入されて、第2リンク支軸86が第2取付ボス36の取付孔に挿通されると共に第2リフトリンク82の前側基端部に挿通されることにより、第2リフトリンク82の前側基端部が、機体フレーム1(第2取付ボス36)に第1リンク支軸85の前方で第2リンク支軸86廻りに上下揺動自在に支持されている。
【0031】
第1リフトリンク81の上側遊端部にブーム77の基部側が第1ブーム支軸88廻りに上下揺動自在に支持され、第2リフトリンク82の後側遊端部にブーム77の基部側が第1ブーム支軸88よりも前側で第2ブーム支軸89廻りに上下揺動自在に支持されている。
ブームシリンダ79の下側基端部が、機体フレーム1の第3取付ボス38に対応する内側壁12と外側壁13との間に挿入されて、下シリンダ支軸91が第3取付ボス38の取付孔に挿通されると共にブームシリンダ79の下側基端部に挿通されることにより、ブームシリンダ79の下側基端部が機体フレーム1に下シリンダ支軸91廻りに揺動自在に連結されている。ブームシリンダ79の上側先端部はブーム77の基部に上シリンダ支軸92廻りに揺動自在に連結されている。
【0032】
而して、左右一対のブーム77は、機体フレーム1の後上部にブーム77の基部側が後側の第1リフトリンク81と前側の第2リフトリンク82とを介して上下揺動自在に支持され、左右のブームシリンダ79の伸縮によって左右一対のブーム77が昇降動作して、ブーム77の先端側が機体フレーム1の前方側で昇降するようになっている。
そして、図2に示すように、ブームシリンダ79が縮小してブーム77が下降した状態で、上シリンダ支軸92が第2ブーム支軸89の前方でかつ第2リンク支軸86の後方に位置し、第2リンク支軸86と第2ブーム支軸89とが上シリンダ支軸92よりも下方に位置して、側面から見てブームシリンダ79と第2リフトリンク82とが十字状にクロスするように構成されている。
【0033】
また、図1に示すように、ブームシリンダ79が伸長してブーム77が上昇した状態で、第2ブーム支軸89が第2リンク支軸86の上方に位置し、上シリンダ支軸92が第2ブーム支軸89の上方に位置して、第2ブーム支軸89と第2リンク支軸86と上シリンダ支軸92とが上下方向に略直線状に並ぶように構成されている。即ち、ブームシリンダ79が伸長してブーム77が上昇した状態で、第2ブーム支軸89が第2リンク支軸86の上方に位置して、第2リフトリンク82が上下方向に向き、上シリンダ支軸92が第2ブーム支軸89の上方に位置して、上シリンダ支軸92が第2リフトリンク82の上方延長線Lよりもやや前方に位置するように構成されている。
【0034】
駆動軸71から第1リンク支軸85までの高さh1及び駆動軸71から第2リンク支軸86までの高さh2が、走行装置3の下端から駆動軸71までの高さHよりも小に設定されている。下シリンダ支軸91が走行装置3の駆動軸71よりも後方でかつ下方に配置され、第1リンク支軸85が走行装置3の駆動軸71よりも後方でかつ上方に配置されている。
【0035】
バケット78はブラケット95を介してブーム77の先端部に支持軸97廻りに揺動自在に支持されている。バケット78のブラケット95とブーム77の先端側中途部との間に、複動式油圧シリンダからなるバケットシリンダ98が介装されている。このバケットシリンダ98の伸縮によってバケット78が揺動動作(スクイ・ダンプ動作)するように構成されている。
【0036】
図3及び図4において、機体フレーム1の底壁6上の後側にエンジン101が設けられている。機体フレーム1の底壁6上の前側に燃料タンク102と作動油タンク103とが設けられている。エンジン101の前方に走行用油圧制御装置105が設けられ、走行用油圧制御装置105の前方に3連のギヤポンプ106が設けられている。右側の側壁7の前後方向中途部に、作業用コントロールバルブ(油圧制御装置)107が設けられている。
【0037】
走行用油圧制御装置105は、エンジン101の動力によって作動油タンク103の作動油を左右一対の走行モータ74に給排して、左右一対の走行モータ74を駆動制御する。ギヤポンプ106はエンジン101の動力を走行用油圧制御装置105を介して入力することによって作動油タンク103の作動油を、作業用コントロールバルブ107を介してブームシリンダ79及びバケットシリンダ98に給排する。作業用コントロールバルブ107は、ブームシリンダ79及びバケットシリンダ98を駆動制御して、ブームシリンダ79及びバケットシリンダ98を伸縮動作させる。
【0038】
図3、図4及び図8〜図10において、キャビン4の背面の左右方向中央部にエアコン本体109が設けられ、エアコン本体109の左右両側にパイロットホースの中継部材110が設けられている。
キャビン4の後端下部に前方に没入した下部背壁113が設けられ、下部背壁113の後側に閉塞部材114が設けられ、キャビン4の下部背壁113と閉塞部材114との間にエアコン収納部115が形成され、このエアコン収納部115にエアコン本体109が収納されている。エアコン収納部115は、キャビン4内に開口した上端開口116を有している。
【0039】
エアコン本体109は、冷媒を気化させて周囲から熱を奪って周囲を低温状態とするエバポレータを具備し、エアコン本体109の内気導入口又は外気導入口から導入した空気を冷却して空調空気を送出するように構成されている。
また、エアコン本体109に連結したエアコンホースがキャビン4の側枠部材42内等に配置されてキャビン4内に挿入されており、エアコン本体109からの空調空気を、エアコンホースを通してキャビン4の運転座席63の上方側等に送出するようになっている。
【0040】
なお、エンジン101が設けられた機体フレーム1側に、冷媒を圧縮するコンプレッサーと、このコンプレッサーで圧縮された冷媒を放熱させながら凝縮・液化させる放熱器(コンデンサー)と、この放熱器で液化された冷媒を減圧して気化し易い状態とする膨張弁等とが設けられており、前記エアコン本体109のエバポレータは、膨張弁で減圧された冷媒を気化させた後、コンプレッサーへともどすように、コンプレッサー及び膨張弁とパイプ、ホース等を介して接続されている。
【0041】
図3、図4、図6、図8において、前記キャビン4の下部背壁113は、上水平壁118と、上水平壁118の前端から下方に突出した上垂直壁119と、上垂直壁119の下端から前方に突出した下水平壁120と、下水平壁120の前端から下方に突出した下垂直壁121とを有している。下垂直壁121はキャビン4の底壁体58に連結されている。
【0042】
閉塞部材114は、後壁板123と左右一対の側壁板124と底壁板125とを有し、後壁板123と左右一対の側壁板124とは左右一対の側部傾斜板126を介して連結され、底壁板125と左右一対の側壁板124とは左右一対の底部傾斜板127を介して連結されている。
左右一対の側壁板124の上部前側は外側方に進むに従って前方に向かうように傾斜された傾斜板部129とされ、傾斜板部129の前端が上垂直壁119の左右方向外端側の中途部に溶接等により連結固着されている。左右一対の側壁板124の下部は傾斜板部129よりも前方に突出されて、その前端が下垂直壁121の左右方向外端側の中途部に溶接等により連結固着されている。
【0043】
下垂直壁121の側壁板124よりも外側方に突出した両外端部に、パイロットホースをキャビン4の内外に挿通するための挿通孔130が左右一対設けられ、一対の挿通孔130の開口縁部に案内筒体132がそれぞれ装着され、左右一対の側壁板124にパイロットホースをガイドするための複数のガイド棒131が外側方に突設されている。
図7及び図9に示すように、パイロットホースの中継部材110は、左右一対あって機体フレーム1側である横連結部材19の前壁板20の左右両側に取り付けられている。左右一対の各中継部材110に、外側方に突出した複数の第1ホース接続部133と内側方に突出した複数の第2ホース接続部134とが対応して設けられている。上記の如くキャビン4の揺動支点となる支持軸55はキャビン4の背面側に配置されおり、中継部材110の近傍に位置している。
【0044】
図3に示すように、キャビン4内に、走行用油圧制御装置105のパイロット圧を操作するための走行用操作レバー137と、作業用コントロールバルブ107のパイロット圧を操作するための作業用操作レバー138とが設けられている。走行用操作レバー137と作業用操作レバー138とは、キャビン4内の運転座席63の左右に振り分けて設けられ、運転座席63の左側に走行用操作レバー137が配置され、運転座席63の右側に作業用操作レバー138が配置されている。走行用操作レバー137及び作業用操作レバー138は前後左右に揺動自在に支持されている。
【0045】
走行用操作レバー137の下部に走行用パイロットバルブが設けられ、作業用操作レバー138の下部に作業用パイロットバルブが設けられている。走行用操作レバー137の下部(走行用パイロットバルブ)に複数の走行用パイロットホース141が接続されて、複数の走行用パイロットホース141はキャビン4の底壁体58内の左側を後方に向けて配置されている。作業用操作レバー138の下部(作業用パイロットバルブ)に複数の作業用パイロットホース142が接続されて、複数の作業用パイロットホース142はキャビン4の底壁体58内の右側を後方に向けて配置されている。
【0046】
図3、図7、図8、図9において、走行用操作レバー137に接続された複数の走行用パイロットホース141及び作業用操作レバー138に接続された複数の作業用パイロットホース142は、それぞれ対応する下垂直壁121の挿通孔130から案内筒体132を介して後方のキャビン4外部に引き出された後、複数本のガイド棒131の上下又は前後に互い違いに引っ掛けられた後に弛みを持たせながら対応する左右の中継部材110側に送出されている。これにより、キャビン4が支持軸55廻りに揺動されても、パイロットホース141,142が下方に大きく撓んで他部材と擦れたり干渉したりしてするのを防ぐことができて、パイロットホース141,142や他部材の損傷を未然に防止できるようになっている。
【0047】
走行用操作レバー137と走行用油圧制御装置105との間に走行用パイロットホース141が中継部材110を介して連結され、作業用操作レバー138と作業用コントロールバルブ107との間に複数の作業用パイロットホース142が中継部材110を介して連結されている。複数の走行用パイロットホース141と複数の作業用パイロットホース142とは、左右一対の中継部材110に対して左右に振り分けて配置されている。
【0048】
即ち、図7に示すように、左側の中継部材110が走行用パイロットホース141用の中継部材とされ、右側の中継部材110が作業用パイロットホース142用の中継部材とされている。そして、走行用操作レバー137に接続された複数の走行用パイロットホース141(キャビン4側の走行用パイロットホース141A)が、左側の中継部材110の複数の第1ホース接続部133にそれぞれ接続され、これに対応して、走行用油圧制御装置105に接続された複数の走行用パイロットホース141(機体フレーム1側の走行用パイロットホース141B)が左側の中継部材110の複数の第2ホース接続部134にそれぞれ接続されている。
【0049】
作業用操作レバー138に接続された複数の作業用パイロットホース142(キャビン4側の作業用パイロットホース142A)が、右側の中継部材110の複数の第1ホース接続部133にそれぞれ接続され、これに対応して、作業用コントロールバルブ107に接続された複数の作業用パイロットホース142(機体フレーム1側の作業用パイロットホース142B)が、右側の中継部材110の複数の第2ホース接続部134にそれぞれ接続されている。
【0050】
而して、左側の走行用操作レバー137を、中立位置から前側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左右の走行モータ74を正転駆動して、トラックローダを前進走行させ、走行用操作レバー137を、中立位置から後側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左右の走行モータ74を逆転駆動して、トラックローダを後進走行させる。
【0051】
走行用操作レバー137を、中立位置から左側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左の走行モータ74を逆転駆動すると共に右の走行モータ74を正転駆動して、トラックローダを左回転させ、走行用操作レバー137を、中立位置から右側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左の走行モータ74を正転駆動すると共に右の走行モータ74を逆転駆動して、トラックローダを右回転させる。
【0052】
走行用操作レバー137を、中立位置から左前側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左右の走行モータ74を正転駆動又は逆転駆動して、走行用操作レバー137の揺動角度に対応してトラックローダを左旋回させながら前進走行させ、走行用操作レバー137を、中立位置から右前側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左右の走行モータ74を正転駆動又は逆転駆動して、走行用操作レバー137の揺動角度に対応してトラックローダを右旋回させながら前進走行させる。
【0053】
走行用操作レバー137を、中立位置から左後側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左右の走行モータ74を正転駆動又は逆転駆動して、走行用操作レバー137の揺動角度に対応してトラックローダを左旋回させながら後進走行させ、走行用操作レバー137を、中立位置から右後側に揺動操作したとき、走行用油圧制御装置105により左右の走行モータ74を正転駆動又は逆転駆動して、走行用操作レバー137の揺動角度に対応してトラックローダを右旋回させながら後進走行させる。
【0054】
右側の作業用操作レバー138を、中立位置から前方向に揺動操作すれば、作業用コントロールバルブ107によりブームシリンダ79を縮小動作させて、ブーム77を下降動作させる。作業用操作レバー138を、中立位置から後側に揺動操作すれば、作業用コントロールバルブ107によりブームシリンダ79を伸長動作させて、ブーム77を上昇動作させる。
【0055】
作業用操作レバー138を、中立位置から左側に揺動操作すれば、作業用コントロールバルブ107によりバケットシリンダ98を縮小動作させて、バケット78をスクイ動作させる。作業用操作レバー138を、中立位置から右側に揺動操作すれば、作業用コントロールバルブ107によりバケットシリンダ98を伸長動作させてバケット78をダンプ動作させる。
【0056】
上記実施の形態によれば、図2に示すように、ブームシリンダ79が縮小してブーム77が下降した状態で、上シリンダ支軸92が第2ブーム支軸89の前方でかつ第2リンク支軸86の後方に位置し、第2リンク支軸86と第2ブーム支軸89とが上シリンダ支軸92よりも下方に位置して、側面から見てブームシリンダ79と第2リフトリンク82とが十字状にクロスするように構成されているので、ブーム77が下降した状態で、ブーム77の基部側を支持する第2リフトリンク82がブームシリンダ79の上端部よりも下方に位置して、ブーム77の基端部側を低くすることが可能になるし、また、これによりブーム77の基端部側を支持する機体フレーム1の後部をより低くすることも可能になる。このため、機体フレーム1乃至キャビン4を低く設定して運転座席63を低い位置にしても、運転座席63に着座している運転者の視界よりもブーム77の中途部を下方に位置させることが可能になり、ブーム77で運転者の側方視界が妨げられることも少なくなるし、運転座席63の高さ位置に比べて機体フレーム1の後部が過度に高くなるのを防ぐことができ、後方視界もよくなる。
【0057】
また、図1に示すように、ブームシリンダ79が伸長してブーム77が上昇した状態で、第2ブーム支軸89が第2リンク支軸86の上方に位置し、上シリンダ支軸92が第2ブーム支軸89の上方に位置して、第2ブーム支軸89と第2リンク支軸86と上シリンダ支軸92とが上下方向に略直線状に並ぶように構成されているので、上記の如くブーム77が下降した状態でブーム77の基端部側が低い位置になるにも拘わらず、ブーム77が上昇した状態では、ブーム77の基端部側を極力高い位置に持ち上げることができて、ブーム77の先端側を機体フレーム1の前方側で大きく昇降させることができる。
【0058】
また、駆動軸71の回転により駆動する左右一対の走行装置3を備え、駆動軸71から第1リンク支軸85までの高さh1及び駆動軸71から第2リンク支軸86までの高さh2が、走行装置3の下端から駆動軸71までの高さHよりも小に設定されているので、機体フレーム1乃至キャビン4を低く設定して、トラックローダ全体を高さの低い小型のものにすることが可能になる。
【0059】
下シリンダ支軸91が走行装置3の駆動軸71よりも後方でかつ下方に配置されているので、走行装置3に対してブームシリンダ79を低い位置に配置することができ、この点からも機体フレーム1乃至キャビン4を極力低く設定することが可能になるし、機体フレーム1の後部を低くすることができる。しかも、第1リンク支軸85が走行装置3の駆動軸71よりも後方でかつ上方に配置されているので、ブーム77が上昇した状態でブーム77の基端部側を極力高い位置に持ち上げることができる。
【0060】
また、上記実施の形態によれば、キャビン4の背面の左右方向中央部にエアコン本体109が設けられ、エアコン本体109の左右両側にパイロットホースの中継部材110が設けられ、これら中継部材110は機体フレーム1側に取り付けられ、キャビン4側の操作レバー137,138と機体フレーム1側の油圧制御装置105,107との間にパイロットホース141,142が前記中継部材110を介して連結されているので、キャビン4を載置状態にしても、中継部材110と油圧制御装置105,107との間のパイロットホース141,142が下方に大きく揺動するのを防ぐことができ、パイロットホース141,142が機体フレーム1側の他部材と接触したり干渉したりして、パイロットホース141,142及び他部材が損傷乃至破損するのを防ぐことができる。また、中継部材110は機体フレーム1側に取り付けられているので、キャビン4を支持軸55廻りに揺動しても中継部材110は機体フレーム1に対して動くことがなくなり、キャビン4側に、機体フレーム1側に向けて配置されるパイロットホース141,142をクランプするための部品やガイドするためのガイド部材が少なくて済むようになり、組み立て工数、部品点数も少なくなる。しかも、エアコン本体109をキャビン4の背面のデッドスペースを利用して収納することができるし、中継部材110もエアコン本体109の左右両側のデットスペースをうまく利用して配置することができ、エアコン本体109及び中継部材110をコンパクトに収納することができ、エアコン本体109や中継部材110がトラックローダによる作業や運転の邪魔になることもなくなり、好都合である。
【0061】
また、キャビン4の揺動支点となる支持軸55が、中継部材110の近傍に位置するようにキャビン4の背面側に配置されているので、キャビン4を支持軸55廻りに揺動しても、キャビン4の揺動によってパイロットホース141,142が大きく揺動するのを防ぐことができ、この点からもパイロットホース141,142が機体フレーム1側の他部材と接触したり干渉したりするのを防ぐことができる。
【0062】
また、キャビン4の後端下部に前方に没入した下部背壁113が設けられ、下部背壁113の後側に閉塞部材114が設けられ、キャビン4の下部背壁113と閉塞部材114との間にエアコン収納部115が形成され、このエアコン収納部115にエアコン本体109が収納されているので、エアコン本体109をキャビン4の背面に簡単かつ確実に保持することができ、便利である。
【0063】
また、走行用油圧制御装置105のパイロット圧を操作するための走行用操作レバー137と、作業用コントロールバルブ107のパイロット圧を操作するための作業用操作レバー138とが、キャビン4内の運転座席63の左右に振り分けて設けられ、走行用操作レバー137と走行用油圧制御装置105とを連結する複数の走行用パイロットホース141と、作業用操作レバー138と作業用コントロールバルブ107とを連結する複数の作業用パイロットホース142とが、前記左右一対の中継部材110に対して振り分けて配置されているので、複数の走行用パイロットホース141と複数の作業用パイロットホース142とが絡み合ったり干渉したりしないように、複数の走行用パイロットホース141と複数の作業用パイロットホース142とを左右に分けて整然と配置することができる。
【0064】
なお、前記実施の形態では、機体フレーム1側に、走行モータ74を駆動制御する走行用油圧制御装置105と、ブームシリンダ79及びバケットシリンダ98を駆動制御する作業用コントロールバルブ107とが設けられ、走行用油圧制御装置105のパイロット圧を操作するための走行用操作レバー137と、作業用コントロールバルブ107のパイロット圧を操作するための作業用操作レバー138とが、キャビン4内に左右に振り分けて設けられているが、これに代え、機体フレーム1側に、走行用油圧制御装置105又は作業用コントロールバルブ107の一方のみを設け、これに対応して、走行用油圧制御装置105のパイロット圧を操作するための走行用操作レバー137又は作業用コントロールバルブ107のパイロット圧を操作するための作業用操作レバー138の一方のみを、キャビン4内に設けるようにしてもよい。
【0065】
また、前記実施の形態では、機体フレーム1の後上部にブーム77の基部側が後側の第1リフトリンク81と前側の第2リフトリンク82とを介して上下揺動自在に支持されているが、これに代え、ブーム77の基部側を第1リフトリンク81及び第2リフトリンク82とを介することなく、機体フレーム1の後部に直接揺動自在に支持するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 機体フレーム
2 ローダ作業装置
3 走行装置
4 キャビン
63 運転座席
68 従動輪
70 クローラ
71 駆動軸
74 走行モータ
77 ブーム
79 ブームシリンダ
81 第1リフトリンク
82 第2リフトリンク
86 第2リンク支軸
88 第1ブーム支軸
89 第2ブーム支軸
91 下シリンダ支軸
92 上シリンダ支軸
101 エンジン
105 走行用油圧制御装置
109 エアコン本体
110 中継部材
113 下部背壁
114 閉塞部材
115 エアコン収納部
137 走行用操作レバー
138 作業用操作レバー
141 走行用パイロットホース
142 作業用パイロットホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧駆動式の左右走行装置(3)に支持された機体フレーム(1)と、この機体フレーム(1)の前部に搭載されたキャビン(4)と、機体フレーム(1)の後部に支持されていてブームシリンダ(79)によって上下揺動されるブーム(77)とを備え、前記機体フレーム(1)側に走行装置(3)及びブームシリンダ(79)を油圧制御する油圧制御装置が設けられ、キャビン(4)側に油圧制御装置のパイロット圧を操作するための操作レバーが設けられ、前記キャビン(4)は、底部側が機体フレーム(1)に載置される載置状態から機体フレーム(1)の上方に離間する倒伏状態まで揺動自在に機体フレーム(1)に支持されており、
載置状態のキャビン(4)の後方の機体フレーム(1)の後部に油圧制御装置と連結された中継部材(110)が設けられ、この中継部材(110)がキャビン(4)内の操作レバーとパイロットホースを介して連結されていることを特徴とするトラックローダ。
【請求項2】
前記操作レバーは走行用操作レバー(137)と作業用操作レバー(138)とが左右に振り分け配置され、前記中継部材(110)はキャビン(4)の背面に対面して走行用と作業用の中継部材(110)が左右に振り分け配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトラックローダ。
【請求項3】
前記左右各中継部材(110)は、外側方に突出した第1ホース接続部(133)と内側方に突出した第2ホース接続部(134)とが、それぞれ上下に複数配列されていることを特徴とする請求項2に記載のトラックローダ。
【請求項4】
前記機体フレーム(1)は、前部にキャビン(4)を搭載しかつ後部にエンジン(101)を搭載する底壁(6)と、この底壁(6)の前部の左右に設けた側壁(7)と、底壁(6)の後部の左右で側壁(7)の後部に設けられていてブーム(77)及びブームシリンダ(79)を支持する支持枠体(11)と、左右支持枠体(11)の前上部を連結する横連結部材(19)とが設けられており、
前記横連結部材(19)の上面にキャビン(4)の背面側を揺動自在に支持する支持軸(55)が支持され、前面に中継部材(110)が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトラックローダ。
【請求項5】
前記油圧制御装置は、機体フレーム(1)内でエンジン(101)より前方に配置された走行用油圧制御装置(105)と、機体フレーム(1)の前後方向中途部の側壁(7)の内面に配置された作業用コントロールバルブ(107)とで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトラックローダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−207531(P2012−207531A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171238(P2012−171238)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2008−140949(P2008−140949)の分割
【原出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】