説明

トラップ部材

【課題】 作業効率を高めることができるトラップ部材を提供する。
【解決手段】 トラップ部材13は、略球状である貯留室31と、導入管33と、排出管35と、延長管37と、一対のバイパス管39と、を備える。バイパス管39は、貯留室31の側面と導入管33の側面とを連通する管であって、その2つが導入管33を中心として反対に位置するように配置されている。このバイパス管39は丸みを帯びたR形状であって、導入管33の側面から交差するように延び出している。バイパス管39と貯留室31の側面との接続位置は、トラップ部材13が留去操作時に回転する軸Aを傾けたときに最も下に位置する点である。なお、留去操作においては、30°〜60°の範囲でトラップ部材13および容器11を傾けるため、その範囲のいずれかであればよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液が収容される容器と、前記溶液が蒸発した溶媒を液化する液化器と、の間に配置して用いられるトラップ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液の溶媒を蒸発させて留去するロータリーエバポレータを用いた溶媒留去操作において、溶媒を減圧下で留去する際に突沸が起こると、溶液が液化器に上がって溶媒回収容器に流入してしまい、溶質の回収量が低下してしまうため、溶液が収容されたフラスコなどの容器と液化器との間にトラップ部材を配置する場合がある。
【0003】
トラップ部材としては、従来、図5(A)に示すトラップ部材101、図5(B)に示すトラップ部材102、図5(C)に示すトラップ部材103などが使用されている。いずれのトラップ部材も、容器と接続する導入管(101A,102A,103A)が下側に形成され、液化器と接続する排出管(101B,102B,103B)が上側に接続される。容器から突沸液が飛び出すと、溶液は貯留室(101C,102C,103C)に収まり、液化器まで到達しないため、溶質の回収量が低下することを抑制できる。
【0004】
これらのうち、トラップ部材101は、導入管101Aから延長する延長管101Dが貯留室101Cの内部に配置されており、延長管101Dと貯留室101Cとを連通する通気孔101Eが複数形成されている。延長管101Dの先端は封じられているため、突沸して吹き上げられた溶液は上方向に進まず、通気孔101Eを通過して貯留室101Cの側面の壁面に向かって流入するため、液化器に溶液が到達することを確実に防止する。
【0005】
しかしながら、通気孔101Eから吐出された溶液は貯留室101Cに溜まるため、一度溶媒留去操作を中断し、貯留室101C内部の溶液を容器に戻すという作業が必要となる。
【0006】
これに対し、トラップ部材102では、貯留室102Cに入った溶液は容器に戻るため、貯留室102Cに溶液が溜まることはない。しかしながら、トラップ部材101の延長管101Dに相当する構成がないので、突沸すると溶液が貯留室102Cの上部に直接掛かることになる。
【0007】
排出管102Bは、その下端が貯留室102Cの内部に進入して開口が横方向を向くように形成されているため、突沸しても溶液が液化器に流入し難くはなっているものの、上部に付着した溶液を、貯留室102の内壁面にて凝縮した溶媒の循環により自動的に洗浄して容器に回収することは困難であり、一度減圧留去を中断して洗浄する必要がある。
【0008】
このように、トラップ部材101、102では、突沸による溶媒留去操作の中断により、作業効率が著しく低下してしまうという問題があった。
ここで、トラップ部材101の延長管101Dの根元に抜き孔101Fを形成することも考えられるが、溶媒留去操作においてトラップ部材101は斜めに配置されるため、貯留室101Cに溜まった溶液が完全に抜けないという問題があった。
【0009】
そこで、従来、トラップ部材103のように、抜き孔103Fを形成すると共に、貯留室103Cを断面三角形の略円錐形としたものが提案されている(特許文献1)。このように構成されたトラップ部材103では、斜めに配置しても溶液が抜き孔103Fから容器に還流する(図6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭53−32875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、トラップ部材103は、貯留室103Cを断面三角形にする必要があるという形状の制限があり、例えば貯留室が略球状のものと比較して、操作時に不便となる場合があった。
【0012】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業効率を高めることができるトラップ部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、溶液が収容される容器と、前記溶液が蒸発した溶媒を液化する液化器と、の間に配置して用いられ、貯留室と、前記貯留室の外側面に接続され、前記貯留室の内部と外部を連通しており、前記容器と接続可能に形成されてなる導入管と、前記貯留室の外側面に接続され、前記貯留室の内部と外部を連通しており、前記液化器と接続可能に形成されてなる排出管と、前記貯留室の内部に配置され、前記導入管を延長してなる延長管と、を備えるトラップ部材であって、前記貯留室の側面と前記導入管の側面とを連通するバイパス管を備えることを特徴とする。
【0014】
このように構成されたトラップ部材では、貯留室にて液化した溶媒や、突沸時に貯留室に流入した溶液が、バイパス管を介して導入管に戻り、容器に還流する。従って、貯留室に溶液や溶媒が溜まってしまい、それを容器に戻すために減圧留去を中断するといった作業が必要なくなり、作業効率が向上する。
【0015】
また、溶媒留去作業後にトラップ部材を洗浄する際に、排出管から洗浄液を注入すると、洗浄液は貯留室に留まらずに導入管から排出される。従って、貯留室に溜まった洗浄液を排出するためにトラップ部材の上下を反転する必要がなく、洗浄の手間が省ける。また、汚れた洗浄液が貯留室内に留まらず常にフレッシュな洗浄液で洗浄が行えるため、洗浄の効率が高くなり、洗浄に必要な洗浄液の量を低減することができる。
【0016】
なお、上記構成のトラップ部材は、貯留室にて液化した溶媒の還流をバイパス管により行うため、図5(C)に示すトラップ部材103のように貯留室103Cを断面三角形の形状とする必要がなく、様々な形状をとることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトラップ部材において、前記貯留室は、前記導入管との接続部分の近傍が球状であることを特徴とする。
このように構成されたトラップ部材では、貯留室と導入管とを大きい角度で接続することができるため、トラップ部材の強度を高く保つことができ、減圧条件下であっても破損の危険性を低減することができる。そして、バイパス管を有していることにより、貯留室における導入管との接続部分が球状であっても貯留室に溶液が溜まることがないので、作業効率の向上と、トラップ部材の破損の危険性低減とを両立することが可能になる。
【0018】
なお、従来品と比較すると、例えば図5(C)に示すトラップ部材103では、貯留室と導入管との接続部分の角度Cが小さい角度であるため、トラップ部材の強度を高く維持することができず、破損の危険性が増大してしまう。また、図5(A)に示すトラップ部材101のようにバイパス管を持たず接続部分の近傍が球状である構成では、仮に延長管101Dに抜き孔101Fを設けても、貯留室101Cに液だまりができてしまう。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のトラップ部材において、前記バイパス管が、前記導入管における前記容器と接続する領域を下端とし、前記排出管における前記液化器と接続する領域を上端とした場合に、上端と下端とを結ぶ軸を、鉛直から所定の角度で傾けたときに、前記貯留室の側面のうち最も下側に位置する点において前記貯留室と接続しており、前記所定の角度とは、30°〜60°の範囲のいずれかであることを特徴とする。
【0020】
上記構成のトラップ部材であれば、溶媒留去操作を行う際にバイパス管の接続部分が貯留室の最も下側に位置するため、貯留室に流入した溶液を確実にバイパス管に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ロータリーエバポレータ1の側面図
【図2】トラップ部材13を示す拡大斜視図
【図3】トラップ部材13を傾けた状態を示す側面図
【図4】トラップ部材の変形例を示す側面図
【図5】従来のトラップ部材を示す側面図
【図6】従来のトラップ部材を傾けた状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示にすぎず、本発明が、下記の事例以外にも様々な形態で実施できるのはもちろんである。
[実施例]
(1)全体構成
図1にロータリーエバポレータ1の側面図を示す。ロータリーエバポレータ1は、試料溶液が収容されるフラスコである容器11と、容器11の開口部11Aに接続されるトラップ部材13と、試料溶液が蒸発した溶媒蒸気を液化する液化器15と、液化器15にて液化した溶媒を回収する回収フラスコ17と、トラップ部材13と液化器15とを接続する接続ホルダ19と、接続ホルダ19を保持する支持台21と、容器11を一定温度に加熱する恒温水槽23と、を有している。
【0023】
液化器15は、図示しないダイアフラムポンプなどの真空ポンプと接続して管内を減圧すると共に、冷却水循環装置と接続して冷却水を循環し、管内を冷却する。これにより、溶媒蒸気は液化器15に減圧吸引され、冷却されて液化する。
【0024】
接続ホルダ19は、トラップ部材13ごと容器11を回転させる図示しない駆動装置を有しており、留去操作時にはその駆動装置により容器11を回転させる。
図2に、トラップ部材13の拡大図を示す。トラップ部材13は、ガラスによって一体に形成されており、略球状である貯留室31と、導入管33と、排出管35と、延長管37と、一対のバイパス管39と、を備える。
【0025】
導入管33は、貯留室31の外側面に垂直に交差するように接続される筒状の部材であって、貯留室31の内部と外部(容器11)とを連通するものである。この導入管33は、貯留室31と反対に位置する端部に、容器11の開口部11Aに挿入されて密着するようにすり合わせ状に形成された接続部41が形成されており、容器11と接続可能となっている。
【0026】
排出管35は、貯留室31における導入管33と反対側の外側面に接続される筒状の部材であって、貯留室31の内部と外部(液化器15)を連通する。この排出管35は、貯留室31と反対に位置する端部に液化器15のジョイント15Aを挿入して密着するようにすり合わせ状に形成された接続部43が形成されており、液化器15と接続可能となっている。
【0027】
延長管37は、導入管33を延長してなる筒状の部材であって、貯留室31の内部に配置されている。延長管37は先端が封じられており、その先端付近に形成された複数の通気孔45により、延長管37の内部と貯留室31の内部空間とが連通している。この通気孔45は、延長管37の先端からやや側面側に寄った位置に配置されており、通気孔45が排出管35に向かず貯留室31の内壁面を向くように形成されている。
【0028】
バイパス管39は、貯留室31の側面と導入管33の側面とを連通する管であって、それぞれが導入管33を中心として反対に位置するように配置されている。このバイパス管39は丸みを帯びたR形状であって、導入管33の側面から導入管33と交差する方向に延び出している。
【0029】
バイパス管39と貯留室31の側面との接続位置について説明する。図3(A)における軸Aは、導入管33における容器11と接続する領域を下端とし、排出管35における液化器15と接続する領域を上端とした場合に、上端と下端とを結ぶ軸である。図3(B)に示すように、この軸Aを鉛直から所定の角度Bで傾けたときに、貯留室31の側面のうち最も下側に位置する点47において、バイパス管39と貯留室31とは接続する。なお上述した所定の角度Bとは、30°〜60°の範囲のいずれかである。
【0030】
即ち、バイパス管39と貯留室31の側面との接続位置は、溶媒留去操作時にトラップ部材13が回転する時の回転軸である軸Aを傾けたときに、最も下に位置する点である。なお、溶媒留去操作においては、30°〜60°の範囲でトラップ部材13および容器11を傾けるため、その範囲のいずれかであればよい。
【0031】
なお、トラップ部材13を軸Aに沿って回転させると、当然に、貯留室31の側面のうち最も下側に位置する点は変化する。よって、上記接続位置の判断は、トラップ部材13を回転させて、対象となるバイパス管39が最も下に位置するときに行うものとする。
【0032】
以上説明したように、本実施例のトラップ部材13において、容器11と貯留室31との連通は、導入管33から延長管37を通って通気孔45を経由するものと、導入管33からバイパス管39を経由するものと、の2通りが存在する。
(2)発明の作用・効果
本実施例のロータリーエバポレータ1では、溶媒留去操作を行うと、容器11に収容された溶液が蒸発した溶媒の蒸気は、貯留室31を経由して液化器15に入り、冷却されて液化し、回収フラスコ17に収容されるが、一部は貯留室31の内壁にて液化する。また、突沸時には、吹き上げられた溶液が延長管37の通気孔45から貯留室31の内部に流入する。
【0033】
貯留室31にて液化した溶媒や、突沸時に貯留室31に流入した溶液は、バイパス管39を介して導入管33に戻り、容器11に還流する。なお、バイパス管39はR形状であるため、バイパス管39に流入した溶液の一部は、バイパス管39の底部分に溜まって即座に導入管33に戻らない場合があるが、トラップ部材13が回転することで全ての溶液が導入管33に戻る。
【0034】
このように、本実施例のトラップ部材13を用いることにより、貯留室31に溶液などが溜まってしまい、それを容器11に戻すために減圧留去を中断するといった作業が必要なくなり、作業効率が向上する。
【0035】
また、突沸した溶液は、延長管37により貯留室31の上部に吹き上げて付着することが抑制されている。よって、上部に付着した溶液を別途洗浄する必要がない。また、貯留室31の上部以外に付着した溶液は貯留室31の内壁にて液化した溶媒の循環によって自動的に洗浄されて容器11に回収される。従って、貯留室を洗浄したり、貯留室に溜まった溶液を回収するために溶媒留去操作を中断する必要がない。
【0036】
また、本実施例のトラップ部材13であれば、溶媒留去操作を行う際にバイパス管39の接続部分が貯留室31の最も下側に位置するため、貯留室31に流入した溶液を確実にバイパス管39に送ることができ、その結果、貯留室31流入した溶液を確実に容器11に還流することができる。
【0037】
また、本実施例のトラップ部材13では、溶媒留去作業後にトラップ部材13を洗浄する際に、排出管35から洗浄液を注入すると、洗浄液は貯留室31に留まらずに導入管33から排出される。従って、貯留室31に溜まった洗浄液を排出するためにトラップ部材13の上下を反転する必要がなく、洗浄の手間が省ける。また、汚れた洗浄液が貯留室31内に留まらず常にフレッシュな洗浄液で洗浄が行えるため、洗浄の効率が高くなり、洗浄に必要な洗浄液の量を低減することができる。
【0038】
また、本実施例のトラップ部材13では、貯留室31が球状であるため、貯留室31と導入管33とが大きな角度を持って接続することができる。よって、トラップ部材13の強度を高く保つことができ、減圧条件下であっても破損の危険性を低減することができる。
【0039】
なお、従来の図5(C)に示すようなトラップ部材103では、図6に示すようにトラップ部材103の軸Dを角度Xに傾けて使用すると、抜き孔103Fから溶液を回収するためには、その貯留室103Cの側面の傾斜角度Yが0度以上となる必要があるため、貯留室103Cと軸Dとの接続角度を90−X度以下にする必要がある。例えば、60°に傾斜しても使用できるようにする場合には、接続角度が30°以下に制限されるため、強度を高めることが困難になる。
(3)変形例
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上記実施例においては、バイパス管39が2つ備えられている構成を例示したが、図4に示すように1つのみ備える構成であってもよいし、3つ以上備える構成であってもよい。なお、バイパス管の数を増やすと、貯留室31に溜まった溶液の還流速度を早くすることができる。一方、バイパス管の数を少なくして例えば1つにすると、溶媒留去操作後の洗浄時に、バイパス管39の貯留室31との接続部分をやや高い位置にすることで洗浄液を一時的に貯留室31内に留めることも可能となるため、洗浄液を溜めて貯留室31の内壁を洗浄することが容易になる。
【0041】
また、上記実施例においては、トラップ部材13がガラスで形成されている構成を例示したが、ガラス以外の材質であってもよい。
また、上記実施例においては、導入管33は貯留室31の側面に対して垂直に形成されている構成を例示したが、垂直でなくともよい。しかしながら、導入管33と貯留室31との接続部分の角度を大きくして強度を高く維持するために、なるべく垂直に近い角度で接続することが好ましい。
【0042】
また、上記実施例においては、貯留室31が略球状である構成を例示したが、球状以外の構成であってもよい。例えば、導入管33との接続部分近傍のみが球状であるナス型や断面楕円形の貯留室であっても、上記実施例と同様に強度を高く維持することができる。また、貯留室における接続部分が平板状であってもよい。なお、接続部分の強度を高めるためにはあまり適当ではないが、図5(C)に示すような断面三角形の貯留室にバイパス管を接続する構成であってもよい。
(4)溶媒留去試験
本実施例のトラップ部材を用いたロータリーエバポレータ(装置A)を用いて溶媒留去の速度を測定した。また、トラップ部材のみを図5(A)に示す従来のトラップ部材と交換したロータリーエバポレータ(装置B)を用いて同様の試験を行い、溶媒留去の速度を比較した。
[試験装置]
・ロータリー式エバポレータ:EYELA製 ROTARY EVAPORATOR N-1000
・恒温水槽:EYELA製 WATER BATH SB-350
・ダイアフラムポンプ:テクノシグマ製 DTC-21
・冷却水循環装置:テクノシグマ製 CM 500S
[試験条件1]
圧力30mmHg,水浴温度35℃,冷却水温度−10℃にて、トルエン100mLの留去に掛かる時間を測定した。
[試験条件2]
圧力65mmHg,水浴温度57℃,冷却水温度−10℃にて、トルエン100mLの留去に掛かる時間を測定した。
[試験結果]
試験条件1において、装置Aは15min07sec、装置Bは15min09secであった。
【0043】
試験条件2において、装置Aは12min52sec、装置Bは12min01secであった。なお、装置Bでは、トラップ部材の貯留室に液だまりが生じた。
このように、本実施例のトラップ部材は、溶媒留去操作において従来のトラップ部材と同様の蒸発性能を発揮することができた。試験条件2においては、装置Aの方が装置Bよりも時間が掛かっているが、装置Bでは貯留室に溜まった液だまり分が蒸発していないので、実質の能力は同等であるといえる。この液だまりが突沸により生じたものであれば、液だまり中に溶質が存在して溶質の回収量が低下してしまう場合があるが、本実施例のトラップ部材を用いた装置Aではそのような問題がなく良好に溶媒留去操作を行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1…ロータリーエバポレータ、11…容器、11A…開口部、13…トラップ部材、15…液化器、15A…ジョイント、17…回収フラスコ、19…接続ホルダ、21…支持台、23…恒温水槽、31…貯留室、33…導入管、35…排出管、37…延長管、39…バイパス管、41…接続部、43…接続部、45…通気孔、101…トラップ部材、101A…導入管、101C…貯留室、101D…延長管、101E…通気孔、101F…抜き孔、102…トラップ部材、102…貯留室、102C…貯留室、103…トラップ部材、103C…貯留室、103F…抜き孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液が収容される容器と、前記溶液が蒸発した溶媒を液化する液化器と、の間に配置して用いられ、
貯留室と、
前記貯留室の外側面に接続され、前記貯留室の内部と外部を連通しており、前記容器と接続可能に形成されてなる導入管と、
前記貯留室の外側面に接続され、前記貯留室の内部と外部を連通しており、前記液化器と接続可能に形成されてなる排出管と、
前記貯留室の内部に配置され、前記導入管を延長してなる延長管と、
を備えるトラップ部材であって、
前記貯留室の側面と前記導入管の側面とを連通するバイパス管を備える
ことを特徴とするトラップ部材。
【請求項2】
前記貯留室は、前記導入管との接続部分の近傍が球状である
ことを特徴とする請求項1に記載のトラップ部材。
【請求項3】
前記バイパス管は、前記導入管における前記容器と接続する領域を下端とし、前記排出管における前記液化器と接続する領域を上端とした場合に、上端と下端とを結ぶ軸を、鉛直から所定の角度で傾けたときに、前記貯留室の側面のうち最も下側に位置する点において前記貯留室と接続しており、
前記所定の角度とは、30°〜60°の範囲のいずれかである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトラップ部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate