説明

トランスフェクション目的の直鎖ポリエチレンイミン(PEI)を製造するための方法及びその方法で得られた直鎖PEI

本発明は、トランスフェクションベクターとして使用するための直鎖ポリエチレンイミン(PEI)を合成及び調製する方法、並びに該方法を用いて得られた生成物に関する。該方法は、モノマー2−エチル−2−オキサゾリンを乾燥させること、及びポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)を得るために、以下により該モノマーを重合させることを含む:溶媒としてアセトニトリルを使用すること、乾燥された重合反応開始剤を添加すること、及びそれらを全て混合すること、該得られたPEOXを蒸発により精製すること、一方で、(i)H−NMR試験を行うことによる該PEOXポリマーの正確な同定、<1.0%のレベルまでのモノマーの不在の確認、及び<5.0%のレベルまでの溶媒の不在の確認、並びに(ii)ゲル浸透クロマトグラフィーを行うことにより、>23000Daの平均分子量(Mw)及び<1.5の該PEOXの多分散性(Mw/Mn)を得るために、メタノール及びジエチルエーテルを用いた少なくとも3回の連続する洗浄/沈殿段階並びに対応する濾過を行うこと、該PEOXを加水分解すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスフェクション応用のための直鎖ポリエチレンイミン(PEI)の製造及び品質管理に関する。
【0002】
本発明は、また、該製造法で得られた生成物、そしてさらに具体的には、非限定的に核酸に基づく治療を含むインビボ応用のための生成物に関する。
【0003】
本出願は、以前の米国仮出願第60/952993号に関する非仮出願であって、その仮出願の優先権を主張する非仮出願である。
【0004】
ポリエチレンイミン(PEI)は、高いカチオン電荷密度ポテンシャルを有する有機高分子である。PEIの3個目毎の原子は、プロトン化することのできるアミノ性窒素である。PEIは、DNAを捕らえることができ、そして多数のリンカーアミノ基が近接して位置することから、PEIは、事実上任意のpHで実質的な緩衝能を有する。
【0005】
PEI単独は、インビトロ及びインビボの両方でDNAプラスミドを送達するための高度に効率的なベクターである。
【0006】
PEIは、DNAを正荷電粒子に圧縮し、その粒子は、細胞表面で陰イオン性プロテオグリカンと相互作用してエンドサイトーシスによる粒子の侵入を促進することができる。正荷電粒子は、細胞表面で陰イオン性細胞表面プロテオグリカンに付着し、その後自然にエンドサイトーシスされる(Boussif et. al., 1995)。PEIは、また、「プロトンのスポンジ」として作用する独特の性質を有し、これは、エンドソームpHを緩衝し、いったん細胞内に入ったDNAを分解から保護する。プロトンの流入持続は、また、エンドソームの浸透圧膨張及び破裂を誘導し、これはDNA粒子にとって細胞質への逃避メカニズムをもたらす(Boussif, et . al., 1995; Behr, 1997)。
【0007】
要するに、PEIに基づくデリバリーシステムは、DNA凝縮/保護及びエンドソーム逃避などの、ウイルスの主要な性質の幾つかを模倣している。
【0008】
いくつかの製造法がPEIのために存在する。
【0009】
これは、実際に、該ポリマーが複数の工業分野において長年使用されてきたという事実による。
【0010】
しかし、トランスフェクション目的に使用される場合に、該PEIの効率は、多くの場合に良好ではなく、すなわち、細胞への導入に成功するのは、製品の10%未満である。
【0011】
特に、高分子量、すなわち>10000DaのPEIについて低効率である。
【0012】
さらに、そのような生成物が医学分野に、さらに詳細には、GMP基準などの高い製造基準を有する遺伝子治療のために使用しようとすれば、直ちに、非常に優れた効率及び品質が要求される。
【0013】
本発明は、この問題を解決することを目的とし、高分子量及び低い多分散性と共に大きな効率(≧55%)を可能にする。
【0014】
このために、すでに公知であるものよりも良好なトランスフェクションの効率及び信頼性をより高い品質で、可能にする直鎖ポリエチレンイミン(PEI)を合成及び調製する改良法を提供することが、本発明の目的である。
【0015】
好ましい一態様では、その品質は、GMP(Good Manufacturing Product)のための標準的なものである。
【0016】
さらに正確には、本発明は、トランスフェクションベクターとして使用するための直鎖ポリエチレンイミン(PEI)を合成及び調製する方法を目的とし、該方法は、99%よりも高い純度の、所定量のモノマー2−エチル−2−オキサゾリンから、該量のモノマーを徹底的に乾燥させる段階、並びに
− 所定量のアセトニトリルの徹底的な乾燥後に、該量の乾燥されたモノマーにおける溶媒として該アセトニトリルを使用すること、一方で、既定量の、徹底的に乾燥された重合反応開始剤を添加すること、及びそれら全部を混合すること、
− 得られた該PEOXを蒸発により精製して該溶媒を除去すること、一方で、メタノール及びジエチルエーテルを用いた少なくとも3回の連続する洗浄/沈殿段階及び対応する濾過を行うこと(但し、該乾燥、重合、及び精製の作業は、(i)H−NMR試験を行うことにより、該PEOXポリマーの正確な同定、<1.0%レベルまでのモノマーの不在の確認、及び<5.0%レベルまでの溶媒の不在の確認、並びに(ii)ゲル浸透クロマトグラフィーにより、平均分子量(Mw)>23000Da及び<1.5の該PEOXの多分散性(Mw/Mn)を得るように配列される)、
H−NMR試験を行うことにより、<5%の残留側鎖又はプロピオン酸の量を有するように、そして単一ピークとしてPEIを同定するために、十分に効率的に該PEIを得るために該PEOXを塩酸で加水分解すること
により、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)を得るために該量のモノマーを重合させる段階を含む。
【0017】
「特定の量のモノマー、アセトニトリル又は開始剤を徹底的に乾燥させること」により、使用直前に水10ppm未満への湿気の減少を得ることと理解されたく、これは、水素化カルシウム上で48時間乾燥させること、次いで129℃を超える温度でモノマーを蒸留及び収集することにより得ることができる。
【0018】
本発明は、また、非限定的に一つ及び/又は複数の以下の特徴を含む有利な態様を提案する:
− PEOXの平均分子量(Mw)は40000Da<Mw<54000Daである;
− モノマー/開始剤比は約500である(「約」により±5%と理解されたい);
− モノマー/開始剤比は480である;
− モノマーは、99.95%よりも高い純度である;
− モノマーに添加する前に開始剤をアセトニトリルと混合する;
− 重合を、85℃折茂高い温度で20時間よりも長い時間行う;
− 重合温度は105℃以上である;
− 初回の濾過後に、残渣をMeOHなどの溶媒で十分に洗浄し、ジエチルエーテルの添加後に、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を油として溶液から自然に分離させ、溶媒全体をデカンテーションし、真空中で乾燥させる前に該洗浄及び分離を少なくとも4回繰り返す;
− 加水分解段階は、共沸蒸留により得られた、放出されたプロピオン酸を、定期的に、そして少なくとも1日間反応混合物から除去すること、一方で、H−NMR分光法により反応工程をモニタリングすることを含む;
− 反応工程の最後に得られた残渣を水で希釈し、少なくとも3回蒸発させて痕跡量のプロピオン酸を除去し、次いで残渣を水に再び溶解させ、凍結乾燥の前に濾過する;
− メッシュの寸法が0.20μm〜0.25μmの無菌メンブレン、特に無菌細胞アセテートメンブレンを通過させて濾過をもたらす。
【0019】
しかし、そのような濾過は無菌的ではないことから、追加の費用を伴わず、これは、濾過の無菌性が必要であったであろうとする当業者の一般的な意見とは反対である。
【0020】
「無菌濾過」により、現行のUSPにより決定された値を少なくとも下回る、全ての生存している細菌及び生存しているエレメントの除去と理解されたい。
【0021】
本発明は、また、上記方法で得られた直鎖PEIを提案する。
【0022】
好都合には、本発明は、中間体PEOXが40000<分子量Mw<54000DaなどのMwを有することを特徴とする直鎖PEIを提案する。
【0023】
他の有利な態様では、PEOXの分子量Mwは約25000Daである。「約」により±1800Daと理解されたい。
【0024】
本発明は、非限定的な実施例として示され、添付の図面を参照する、特定の態様の以下の説明を読むことで、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の第一の態様による直鎖PEIの製造方法(GMP)の概略図を示す。
【図2】図2は、本発明の第二の態様による方法の段階を特徴付ける図である。
【図3】図3は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図4】図4は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図5】図5は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図6】図6は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図7】図7は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図8】図8は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図9】図9は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【図10】図10は、本発明の態様による方法で得られた結果の種々のグラフを示す。
【0026】
(GMP品質を有する)本発明記載の方法の第一の態様では、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)は、強い求電子剤としてp−トルエンスルホン酸メチルによる重合開始後の2−エチル−2−オキサゾリン(モノマー)のカチオン開環重合により得られる。
【0027】
オキサゾリン環が形成し(本明細書下記の開環重合の伝播段階参照)、次いで次のモノマーにより結合される。
【0028】
次いで、リビングポリマーが得られ、重合は、水及び炭酸ナトリウムの添加により終止される。
【0029】
【化1】

【0030】
重合度は、モノマー/開始剤比により、そして合成収率によりコントロールされる。
【0031】
モノマー/開始剤比から、理論的数平均分子量(Mn)を計算することができる。高度にコントロールされた重合は、理論的Mn付近の決定されたMnを有し、低い多分散性指数を有するポリマーを与える。
【0032】
PEOXの分子量が1000〜10000Daと予想された場合に、重合の古典的収率は55〜95%の範囲であった(Hoogenboom et al., 2003)。収量は、高分子量になるほど減少していった。分子量の決定は、<10000Daの低MnについてH−NMR分光法又はMALDI−TOF質量分析を使用することによって達成することができる。
【0033】
>10000Daよりも高い分子量のPEOXについては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)が現在使用されており、唯一の有効な方法に相当する。
【0034】
本発明の手順は、高度にコントロールされた重合を用いて10000Daを超える高分子量直鎖ポリエチレンイミンを生成させるプロセスの説明に関する。約500のモノマー/開始剤比で始まる重合が、90%よりも高い収率で得られ、GPC測定により、そして決定された多分散性指数が低いことにより示されるように、狭い分子量分布を有する高分子量直鎖PEIを製造させることができる。
【0035】
高度にコントロールされた重合は、出発物質(モノマー、開始剤)及び溶媒(アセトニトリル)の量が完全に定義されコントロールされた場合に専ら得られる。
【0036】
試薬は、米国企業Aldrich製であり、以下の規格で得られた:
− 2−エチル−2−オキサゾリン、参照番号13,745−6、純度規格>99%、GC分析により決定された純度99.5〜99.7%、水分含量について規格なし;
− p−トルエンスルホン酸メチル、参照番号158992、純度規格>98%、GC分析により決定された純度99.9%。
【0037】
アセトニトリルは、イタリア企業Carlo Erba製であり、参照番号0063716、HPLC等級、純度規格99.9%及び水分含量<0.03%。
【0038】
重合の収率に影響している最も重要なパラメーターの一つは、開始及び伝播(propagation)段階の間の水の存在であることが見出された。
【0039】
この理由から、使用される容器は入念に乾燥させ、合成を開始するまでアルゴン下で保管する。
【0040】
痕跡量の水の存在が重合収率を減少させうると推測したため、出発モノマー及びアセトニトリルの両方を蒸留する必要性もまた比較した(表1参照)。
【0041】
モノマー及びアセトニトリルを水素化カルシウムで乾燥させ、次いで使用前にアルゴン下で蒸留することにより精製した。
【0042】
アセトニトリルは、使用前に蒸留により精製した。
【0043】
結果から、2−エチル−2−オキサゾリン及びアセトニトリルの両方の蒸留が、≧90%のPEOXの生成収率を得るために必要であることが明らかに示された。
【0044】
加えて、高レベルの再現性が示される。これらの条件で、そして開始剤に対するモノマーの比500を使用して、PEOXポリマーは、同じ範囲、51.862+/−1.644に分子量及び1.15+/−0.03の平均Mw/Mnを有する。
【0045】
蒸留されていない試薬又は溶媒の使用は、一貫しない分子量を生じる。
【0046】
【表1】

【0047】
Mw及びMw/Mn(多分散性指数)をゲル浸透クロマトグラフィーにより得た。
【0048】
直鎖PEIの分析証明書(GMP)は、例えば本明細書下記の表2に提供される。
【0049】
生成物 直鎖ポリエチレンイミン
式(正味)(CN)×(HCl)
【0050】
【表2】

【0051】
Cfu:コロニー形成単位;RLU:相対光単位;EU:エンドトキシン単位;最大:〜を超えない
【0052】
トランスフェクションアッセイ
トランスフェクションの前日に、24ウェルの組織培養プレートのウェル1個あたり5×10個のHeLa細胞(ATCC CCL−2)を、1mlのMEM完全培地(10%ウシ胎児血清、重炭酸ナトリウム、2mM glutamax(商標)、200U/mlペニシリン及び200μg/mlストレプトマイシンを補充されたアール塩類を有するイーグルMEM培地)に入れて蒔く。トランスフェクションの当日に、インビボ−直鎖PEI pCMV−Luc複合体を調製する。一つのウェルについて、1μgのDNA(pCMVLucプラスミド、1mg/ml、ルシフェラーゼ遺伝子をコード)を、マイクロチューブ(1.5ml)に入れた50μlの150mM NaClに添加し、次いでVortexで混合する。インビボ−直鎖PEI試料又は陽性対照を50μlの150mM NaCl(条件については表を参照)に添加し、この溶液をVortexで混合する。インビボ−直鎖PEI試料の溶液(予め水で7.5mMに希釈)、又は直鎖PEI陽性対照(7.5mM)、又は50μlの150mM NaCl溶液(DNA単独の条件)を一度にDNA溶液に添加し、次いでvortexで10秒間混合する。この溶液(100μl)を室温で30分間インキュベーションしてから、それをウェルに添加する。静かにかき混ぜて均一化した後で、5%COを含む加湿空気雰囲気中で37℃で24時間インキュベーションする。
【0053】
【表3】

【0054】
トランスフェクションの翌日、ルシフェラーゼアッセイを行う。細胞培養液を除去し、各ウェルを1mlのPBSで洗浄する。PBSを除去後に、100μlの溶解緩衝液(Luciferase Cell Culture Lysis buffer(5×), Promega)を添加し、プレートを室温で30分間インキュベーションする。溶解液を1.5mlマイクロチューブに収集し、14,000rpmで5分間遠心分離する。ルミノメーター(LB 960 CENTRO, Berthold Technologies)用96ウェルプレートのウェル1個あたり2μlの上清を添加し、50μlのルシフェリン基質(Promega)の自動添加後に、1秒間にわたり積分した発光(RLU、相対光単位)を測定する。次いで、結果をRLU/ウェルで表す。RLU/ウェルの平均±SD(n=6)を計算する。
【0055】
図1に関してこの方法を以下にさらに詳細に説明する。
【0056】
原材料1(モノマー並びに他の溶媒及び試薬)を2で適切に定性し、その原材料から段階3の重合が提供され、中間生成物PEOXが得られる(4)が、それを5で適切に同定し、段階6でその質量を決定する。
【0057】
次いで、酸性加水分解7を提供して直鎖PEIを得て(8)、それを9で適切に同定し、トランスフェクション用試料に関して試験する(トランスフェクションアッセイ10)。
【0058】
外観11、燃焼残渣12、重金属の存在13、残留有機化合物の存在14、不純物プロファイル15、エンドトキシンアッセイ16及び最終的に生物学的負荷(微生物限界=微生物の量(cfu/g)の決定のためのアッセイ)17を提供し、その後及び/又はその間に、凍結乾燥18の最終段階を行う。
【0059】
したがって、凍結乾燥形態の最終生成物19を得てから、最終段階の充填20を行う。
【0060】
簡潔には、最終段階の充填は、インビボ−直鎖PEI原体溶液の調製により開始する。原体粉末を秤量し、水に溶解させて150mMの窒素終濃度を得る。磁気撹拌装置を使用して混合速度200rpmでこの溶液を約1時間混合し、次いで2〜8℃で24時間放置する。クラスA条件の室内でこの溶液を濾過する。濾過のために、無菌専用ガラス容器に一列に並べて入れた使い捨て無菌シリコーンチューブ及び2×Sartobran Pフィルター(0.45μm/0.22μm)を使用する。最初のフィルターの完全性を試験した後で、フィルターを通過させて無菌ガラス容器にPEI溶液をゆっくりと濾過する。この段階の後で、生物学的負荷試験のために試料を採取する。濾過後に、層流空気流下でDIN 2Rバイアルへの充填及びゴム栓の挿入を行う。次いで、バイアルを13mmアルミシールでキャップをする。キャップ工程の完了後にバイアルを−20℃で保存する。試料を採取し、大きな欠損がないか点検する。
【0061】
エンドトキシン及び無菌アッセイのために他の(ランダム化された)試料を採取する。出荷までバイアルを−20℃で保存する。
【0062】
第二の態様では、インビボ−直鎖PEIの製造及び管理を次の四つの主段階で行う(図2参照):
1)オキサゾリンからポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)への重合;
2)PEOXの精製;
3)PEOXからポリエチレンイミン(直鎖PEI)への変換;
4)及び直鎖PEIの精製。
【0063】
さらに正確には、製造及び管理段階を、図2を参照して本明細書下記に説明する。
【0064】
非常に純粋なモノマーから出発する。
段階1:この方法は、21で開始する。段階1の重合(22)を最初に提供する。
【0065】
【化2】

【0066】
段階2は、アセトニトリル中でのポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)の精製(23)に関する。
【0067】
該精製の間に、以下の段階を行う:
− モノマーを除去するためのエーテルを用いたポリマー物質の沈殿(24);
− メタノール及びエーテルを用いた、洗浄物の3サイクル洗浄(25);
− 溶媒を除去するための蒸発(26);
− 工程内品質管理による管理(27):すなわち、ポリマーを同定するためのH−NMR、モノマーの欠如を確認するためのH−NMR、溶媒の不在(<1.0%)を確認するためのH−NMR。
【0068】
次いで、ポリ(オキサゾリン)(PEOX)の精製された沈殿が得られる。
【0069】
段階3〜4。PEOXから直鎖PEIへの変換(28)及びポリマーの精製(29)。
ポリ(オキサゾリン)(PEOX)の精製された沈殿を得るためにさらに正確には、以下の段階が提供される。
− 30〜37% 水性HClへの添加;
− 水を用いたCH−CH−COOHの共沸蒸留(31);
− CH−CH−COOHを得るための塩酸の添加(32)。
【0070】
この段階で、水溶液中にHClと共に精製直鎖ポリエチレンイミンが得られる(33)。
【0071】
次いで、以下の段階が提供される。
− 過剰のHClの除去を伴う水の蒸発(34)(これにより、滅菌水に可溶化された直鎖PEI、HClを得ることができる(35))、次いで;
− 直鎖PEI、HCl粉末を提供するための凍結乾燥(36)。
【0072】
次いで、PEIを再加湿し、水性インビボ直鎖PEI(150mM窒素)を得て(37)から、濾過する(38)。
【0073】
次いで、最終原体のインビボ直鎖PEI品質試験(39及び40)を、換言すればトランスフェクションに使用されるPEIを送達する前に、提供する:
− インビボ直鎖PEIのH−NMR同一性及び純度;
H−NMR−残留側鎖又はプロピオン酸;
− インビボ直鎖PEIのゲル浸透−多分散性;
− HeLa細胞のトランスフェクション−生物学的活性;
− エンドトキシンレベル。
【0074】
インビボ直鎖PEIの上記製造を以下にさらに詳細に解説する。
【0075】
最初の段階22において、アセトニトリル中での二つの出発物質2−エチル−2−オキサゾリン及びパラトルエンスルホン酸メチルからのカチオン重合によりポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)が得られる。
【0076】
第二段階23は、ポリマー、PEOXを沈殿させるための、そしてモノマー、溶媒及び未反応の試薬を除去するための、メタノールの(ポリマーを洗浄する能力における)等価物中での、すなわちこの例ではクロロホルム中での、そしてエーテルを用いた、複数回の洗浄(25)で開始する。
【0077】
この中間体化合物に関して高低内品質試験27を完了する。
【0078】
これらの試験(工程内試験、表3参照)はPEOXポリマーを同定するための核磁気共鳴(NMR)、モノマーの不在を確認するためのNMR、及び溶媒の<1.0%レベルまでの不在を確認するためのNMRである(手順CQ−1001)。
【0079】
ゲル浸透アッセイ(CQ−1002)は、PEOXの多分散性を保証し、平均分子量を決定する。
【0080】
第三の段階28は、37%水性塩酸を用いた酸性加水分解を使用したプロピオネート側鎖の切断によるP、EOXから直鎖PEIへの変換である(30)。直鎖PEIの精製は、水中での共沸蒸留(31)によりプロピオン酸を除去することによって達成される。水及び過剰の塩酸の蒸発(34)後に、直鎖PEIを滅菌水に150mMアミンの濃度に再懸濁し(段階37)、0.22μmセルロースメンブレンを通過させて原体容器に濾過する(38)。
【0081】
インビボ−直鎖PEIの同定及び純度は、試験39、40の主にNMR試験により確認する(表3のCQ−1003参照)。
【0082】
これらの試験は、また、側鎖の完全な除去を確実にし、任意の残留プロピオン酸を検出する。
【0083】
次いで、トランスフェクションアッセイを使用して、インビボ−直鎖PEIの生物学的活性を測定する(CQ−1004)。
【0084】
最後に、エンドトキシンアッセイ(CQ−1005)を使用して、エンドトキシンレベルを測定する。
【0085】
本明細書においてさらに詳細に記載された本発明の態様によると、インビボ−直鎖PEIの生成全体にわたるバッチ生成手順が続く。
【0086】
特に、装置、構成要素、条件及び手順が作業者のイニシャルと日付と共に記録され、一方で、手順文書に準じて、資格のある技術スタッフにより工程内及び最終原体生成物試験が行われる(再度、本明細書表3参照)。全ての試験は、どの結果が記録されるかの可の規格を有する。
【0087】
【表4】

【0088】
次いで、顧客への各バッチのインビボ−直鎖PEIの発送を認可する前に、品質保証者がバッチ生産記録及び分析証明書の再評価及び承認に責任があることを念頭に置いて、本発明の第一の態様で先に示したように、各バッチの生成物について規格及び試験結果を有する分析証明書を用意する。
【0089】
反応スキーム:
【0090】
【化3】

【0091】
提供された、異なる実施例において、そのような作業を行うために以下の出発物質及び試薬を使用する。
【0092】
2−エチル−2−オキサゾリン、≧99%:
【0093】
モノマーは、非常に純粋、すなわち純度≧99%でなければならない。ここでもまた、モノマーは、米国企業Aldrichから得ることができ、蒸留により例えば99.98%の純度まで改良することができよう(図3及び4参照)。
【0094】
p−トルエンスルホン酸メチルは、高純度、すなわち98%である。
【0095】
開始剤は、例えばそして好ましくは、ここでもまた高純度の、すなわち≧95%、例えば98%を有するp−トルエンスルホン酸メチルである。
【0096】
酸は、好都合には塩酸、ここでもまた、そして例えばイタリア企業Flukaから購入された、酸性度37%の酸である。
【0097】
その他:
アセトニトリルはHPLC等級であり、溶媒メタノール及びエーテルは欧州薬局方等級であった。工程助剤である水素化カルシウム及び炭酸ナトリウムはFlukaから購入した。
【0098】
さらに正確には、そして本実施例において、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)の第一合成段階は以下の通りである。
【0099】
反応:
【0100】
【化4】

【0101】
合成:
重合開始剤としてp−トルエンスルホン酸メチルを使用して2−エチル−2−オキサゾリンから開始してポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を合成する。アルゴン下の火炎乾燥反応フラスコ中で反応を実施する。溶媒としてアセトニトリルを使用し、反応温度は85℃である。
【0102】
85℃で24時間後に、反応混合物を室温に冷却し、水でクエンチし、炭酸ナトリウムを添加する。結果として生じた懸濁液を85℃で追加的に24時間加熱する。室温に冷却し、続いて濾過(Duran D2ガラスフリット)して、固体を除き、フィルターケーキをメタノールで洗浄し、溶媒を蒸発させる。
【0103】
残渣をメタノールに溶解させ、もう一度濾過する(ガラス繊維、Whatman B)。オイルポンプで溶媒を蒸発させる。もう一度、残渣をメタノールに溶解させ、次いでジエチルエーテルの添加により沈殿させる。続いて、溶媒を除去する(オイルポンプによる真空)。2回目の沈殿を行い、次いでPEOXを一定重量になるまで乾燥させる。
【0104】
H−NMRスペクトルは、5%未満の溶媒及び1%未満のオキサゾリンモノマーを示さなければならない。
【0105】
PEOX及びPEIの実現の実施例を以下に記載するが、その一つ(バッチ1及び3)は、本発明の段階の全てを含むわけではなく(すなわち、アセトニトリルにおける蒸留を含まない)、不満足な結果を有し、一つ(バッチ2及び4)は、本発明の全ての段階を含み、満足させる結果を有する。
【0106】
【表5】

【0107】
成果と分析結果:
バッチ番号1:
合成及び作業は上記プロトコールに準じた。
収量:40.95g(81.9%)(すなわち低すぎる)
H−NMR−スペクトル:公知の不純物(プロトン化形態、1.78ppm)及びジエチルエーテルのシグナルが検出される。これらのシグナルに加えて、3.72ppmにシグナルを有する少量の未知不純物が検出される(図5)。
【0108】
【表6】

【0109】
500個のモノマーからなるインビボ−直鎖PEIについて予想されるモル質量は49,581g/molである。以下の装置を使用してGPCにより平均Mwを測定する:ポンプShimadzu LC-10AD(0.5ml/min)、自動インジェクターWISP(Waters)、ガードカラム1本(Shodex OH-pak K3-G、6.0×50mm)、それに続く連続的に連結したカラム3本(Shodex OH-pak、8.0×300mm)(1本のカラムは803HQ、1本のカラムは804HQ、1本のカラムは806HQ)、屈折率検出器、示差検出器Waters R410、及び多角度光散乱検出器DAWN F(Wyatt Techn)。試料を流すために使用される溶媒は、0.1M NaNO及びNaNを有する再蒸留水である。乾燥PEOXを室温で4時間撹拌しながらGPC溶媒で4〜6g/lに溶解させる。インジェクション前に、試料を0.22μm Dynagardフィルターを通過させる濾過に供する。100μlの4〜6g/l PEOXをガードカラムに自動インジェクションし、流速0.5ml/minでGPCを実現する。90°光散乱シグナル及びRIシグナル(dn/dc)の両方を追跡することにより、GPCのモニタリングを行う。散乱シグナルとRIデータを組み合わせることにより、ポリマーの絶対モル質量をソフトウェアにより計算する(ソフトウェアASTRAを使用)。
【0110】
バッチ番号2:
合成及び作業は上記プロトコールに準じた。
収量:43.71g(87.2%)(すなわち適合)
【0111】
H−NMR−スペクトル:このスペクトルは、PEOXに加えて溶媒ジエチルエーテル及びアセトニトリルを示す。追加的に未知の不純物(3.72ppm)が見出される(図6)。
【0112】
【表7】

【0113】
500個のモノマーからなるインビボ−直鎖PEIについて予想されるモル質量は49581g/molである。
【0114】
第二段階は、ポリエチレンイミンの合成を行うことからなる(インビボ−直鎖PEI):
反応:
【化5】

【0115】
合成:
インビボ−直鎖PEIの合成のために、水において塩酸を用いてアミド結合を加水分解することにより、上記の中間体PEOXの側鎖を除去する。この混合物を120℃で撹拌する。
【0116】
1日後に反応は完了する。H−NMR分光法により反応の進行をモニタリングする。
【0117】
未切断であるのは側鎖の5%以下でなければならない。
【0118】
蒸発により塩酸を除去する。残渣を水/塩酸に溶解させ、2回蒸発させて痕跡量のプロピオン酸を除去する。
【0119】
次いで、残渣を水に溶解させ、ガラス繊維フィルター(Whatman B)、次いで無菌0.22μm酢酸セルロースメンブレンを通過させて濾過する。その無色溶液を凍結乾燥させる。
【0120】
NMR分析は、ポリマーの同一性、低量の残留側鎖及び5%未満の残留プロピオン酸を示さなければならない。
【0121】
行ったインビボ−直鎖PEIの調製の概略は以下の通りである:
【0122】
【表8】

【0123】
バッチ番号3は、バッチ番号1の加水分解後に得られる。
【0124】
バッチ番号4は、バッチ番号2の加水分解後に得られる。
【0125】
成果及び分析結果:
バッチ番号3:
合成及び作業は上記プロトコールに準じた。
収量:27.61g(87.7%)
H−NMR−スペクトル:スペクトルは、インビボ−直鎖PEIについて単一ピークを示す(図9)。
バッチ番号4:
合成及び作業は上記プロトコールに準じた。
収量:29.43g(87.4%)
H−NMR−スペクトル:スペクトルは、インビボ−直鎖PEIについて単一ピークを示す(図10)。
【0126】
結論
二つのバッチの直鎖PEIを合成した。H−NMR−分光方による純度及び第2のバッチの生成物の収量は、最初のバッチに比べて再現性があり、満足のいくものであり、最初のバッチは、本発明の段階の幾つかを採用しなかったことが原因で、満足のいくものではなかった。
【0127】
PEOXの平均モル質量をGPCにより決定した。この仕様は、非常に高感度であることが示された。バッチ番号1において、鎖長は所望の値を達成しなかった(表5、図7)。
【0128】
次に、表8〜14及び対応する図3〜10に対応させて以下の結果を提供する。
1.)購入されたモノマー2−エチル−2−オキサゾリン(EH−1268.4−2)のGC(表8及び図3参照)。
2.)蒸留されたモノマー2−エチル−2−オキサゾリン(EH−1268.4−2)のGC(表9及び図4参照)。
3.)バッチ番号1のH−NMR−スペクトル(図5参照)。
4.)バッチ番号2のH−NMR−スペクトル(図6参照)。
5.)バッチ番号1のGPC(図7及び表11参照)。
6.)バッチ番号2のGPC(図8及び表12参照)。
7.)バッチ番号3のH−NMR−スペクトル(図9参照)。
8.)バッチ番号4のH−NMR−スペクトル(図10参照)。
【0129】
1.)購入されたモノマー2−エチル−2−オキサゾリン(EH−1268.4−2)のGC
【0130】
【表9】

【0131】
さらに正確には、Oyに高さ(PAの高さ)及びOxに時間(分)を示す図3は、温度40℃で、GCガスクロマトグラフィーについて観察された、異なるピーク、すなわち二の態様に記載された方法で使用された精製前のモノマーのピーク1(41)、ピーク2(42)、2−エチル−2−オキサゾリンのピーク(43)、ピーク3(44)及びピーク4(45)を示す。
【0132】
2.)蒸留されたモノマー2−エチル−2−オキサゾリン(EH−1268.4−2)のGC
図4及び表9は、蒸留されたモノマー(段階22の直前)のGCを示す。蒸留のこの特異的段階は、市販の原材料の純度に比べた場合に、モノマーの純度が増加することを示す(表8及び図3)。
【0133】
わずか三つのピーク、すなわちピーク1(46)、ピーク2(47)及び2−エチル−2−オキサゾリンのピーク(48)のみが残る。
【0134】
【表10】

【0135】
3, 4)バッチ1及び2のH−NMR−スペクトル
【0136】
【表11】

【0137】
図5及び6は、それぞれPEOXバッチ番号2のH−NMRスペクトル及びPEOXバッチ番号2のH−NMRスペクトルを示す。
【0138】
さらに詳細には、得られたピーク50〜53及びピーク55〜58はPEOX[1.0−1.3ppm(3H,CHCH)、2.0−2.5ppm(2H,CH−CH)、3.4−3.5ppm(4H,CHCH−N)]の同定を意味する。ピーク49及び54は、溶媒に相当する(CDCl)。
【0139】
5.)バッチ番号1のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)
【0140】
【表12】

【0141】
グラフ60(多角度光散乱検出器MALSからの生データ)及び61(屈折率検出器RIからの生データ)は、明らかに異なり、満足されない結果について重大な多分散性を示す(軸の単位は、Oxでは体積(ml)であり、OYではシグナル強度の相対尺度である)。
【0142】
6.)バッチ番号2のGPC
【0143】
【表13】

【0144】
ここで、縁62(MALS検出器からの生データ)及び63(RI検出器からの生データ)は、本発明に許容されるものとほぼ一致する。
【0145】
7,8)最終的に、図9及び図10に、バッチ番号1及び2のPEOXを用いてそれぞれ得られたPEI番号3及び番号4のバッチのH−NMRスペクトルを再現するが、それらは、それぞれピーク64(4.72ppm、DO)及び65(3.46ppm、CH−CH−NH、PEI由来)、及び66(4.71ppm、DO)、67(3.47ppm、CH−CH−NH、PEI由来)を示す。
【0146】
最終的に以下に表13を提供する、
【0147】
【表14】

【0148】
この表は、PEOXの質量Mwが初期開始剤/モノマー比に依存することを示す。
*注:この実施例において、最終PEIは質量>10000Da、さらに正確には約15000Da(すなわち、34180/99×43=14846Da)を有する。
【0149】
高成績のPEOX生成(>85%)は、理論値に近い質量を有するポリマーを生成させ、本発明の工程は<1.5の低い多分散性を有する。
【0150】
追加の利点及び改変は、当業者に容易に思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、そのより広い局面において本明細書に示され記載された特定の詳細、代表的な装置及び例示された実施例に限定されない。
【0151】
特に、それは、上記方法で得られた直鎖PEIに及ぶ。
【0152】
【表15】

【0153】
本発明による工程の第三の態様を以下に記載する。
【0154】
インビボ−直鎖PEIにおけるこの製造方法は、二段階合成で進行する。
【0155】
モノマー(2−エチル−2−オキサゾリン)からポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)への重合のための第一段階及び該PEOXから直鎖PEIを得るための第二段階。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスフェクションベクターとして使用するための直鎖ポリエチレンイミン(PEI)を合成及び調製する方法であって、
99%よりも高い純度の、所定量のモノマー2−エチル−2−オキサゾリンから、該量のモノマーを徹底的に乾燥させる段階、並びに
− 既定量のアセトニトリルを徹底的に乾燥させた後に、該量の乾燥されたモノマーにおける溶媒として該アセトニトリルを使用すること、一方で、既定量の、徹底的に乾燥された重合反応開始剤を添加すること、及びそれら全部を混合すること、
− 該溶媒を除去するために、該得られたPEOXを蒸発により精製すること、一方で、メタノール及びジエチルエーテルを用いて少なくとも3回の連続する洗浄/沈殿段階及び対応する濾過を行うこと(但し、該乾燥、重合、及び精製の作業は、(i)H−NMR試験、該PEOXポリマーの正しい同定、<1.0%レベルまでのモノマーの不在の確認、及び<5.0%レベルまでの溶媒の不在の確認により、並びに(ii)ゲル浸透クロマトグラフィーを行うことにより、>23000Daの平均分子量(Mw)及び<1.5の該PEOXの多分散性(Mw/Mn)を得るように配列されている)
H−NMR試験を行うことにより、<5%の量の残留側鎖又はプロピオン酸を有するために、及び単一ピークとして該PEIを同定するために、十分に効率的に該PEIを得るために、塩酸を用いて該PEOXを加水分解すること
により、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)を得るために該量のモノマーを重合させる段階を含む方法。
【請求項2】
中間体PEOXの平均分子量(Mw)が40000Da<Mw<54000Daであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
モノマー/開始剤比が約500であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
モノマー/開始剤比が480であることを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
モノマーが、99.95%よりも高い純度であることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
開始剤が、モノマーへの添加前にアセトニトリルと混合されることを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
重合が、85℃よりも高い温度で20時間よりも長い時間行われることを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
重合温度が、105℃よりも高いことを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
初回の濾過の後に残渣がMeOHで十分に洗浄されること、及びジエチルエーテルの添加後にポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)が油として溶液から自然に分離され、溶媒全体がデカンテーションされ、真空中での乾燥前に、該洗浄及び分離が少なくとも4回繰り返されることを特徴とする、請求項の1〜8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
加水分解する段階が、定期的に、そして少なくとも1日間共沸蒸留により得られた、放出されたプロピオン酸を反応混合物から除去すること、一方で、H−NMR分光法により反応工程をモニタリングすることを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
反応工程の最後に得られた残渣が水で希釈され、痕跡量のプロピオン酸を除去するために少なくとも3回蒸発され、次いで該残渣が水に再び溶解され、そして凍結乾燥の前に濾過されることを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
濾過が、0.20μmから0.25μmのメッシュ寸法を有する無菌酢酸セルロースメンブレンを通過させて提供されることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
1.0%未満のモノマー、5.0%未満の溶媒の存在、>23000Daの分子量Mw、1.5未満の多分散性Mw/Mnを有する中間体生成物(PEOX)の精製により、前記請求項1〜12のいずれか1項記載の方法により得られるような、直鎖PEI。
【請求項14】
中間体生成物PEOXが、40000<Mw<53000DaのようなPEOXの分子量Mwを有することを特徴とする、請求項13記載の直鎖PEI。
【請求項15】
中間体生成物PEOXが、約25000Daの分子量Mwを有することを特徴とする、請求項13記載の直鎖PEI。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−535264(P2010−535264A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518773(P2010−518773)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002339
【国際公開番号】WO2009/016507
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(508178685)
【Fターム(参考)】