説明

トリエチレンジアミンの製造方法

【課題】高い収量、選択率及び触媒有効寿命並びに避けられないピペラジンの低い形成を有しかつ高純度、色彩安定性及び臭気品質を与える、ゼオライト触媒の存在でのエチレンジアミン(EDA)の反応によりエチレンジアミン(TEDA)の製造方法。
【解決手段】ゼオライト触媒が、酸化物として酸化状態IVの1つ又はそれ以上の金属Mを含有し、かつM=酸化状態IVの金属又はM=酸化状態IVの2つ又はそれ以上の金属については、10超:1のSiO/MOモル比を有し、かつ反応温度が250〜500℃である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト触媒の存在でのエチレンジアミン(EDA)の反応によるトリエチレンジアミン(TEDA)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリエチレンジアミン(TEDA=DABCO(登録商標)=1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)は、重要な基礎化学薬品であり、かつとりわけ、医薬品及びプラスチックの製造において、殊にポリウレタンの製造における触媒として使用される。
【0003】
TEDA製造の公知方法は、本質的に出発原料及び触媒の種類により異なる。使用される出発原料が有利な基礎化学薬品、例えばモノエタノールアミン(MEOA)又はエチレンジアミン(1,2−ジアミノエタン、EDA)であることは基本的に有利である。しかしながら、従来の方法は、殊に出発原料EDAに関して、極めて低い選択率を有することがわかっている。その上、環化反応の間に形成する不純物の除去は困難であり、その結果、これらの方法は、工業的に定着することができなかった。
【0004】
US 3285920(H.G. Muhlbauer他、Jefferson Chemical Co.)に記載されたTEDA及びピペラジン(以下PIPと呼ぶ)の同時製造方法は、最初にEDA、エタノールアミン及び/又はそれらのオリゴマーが、金属酸化物水素化触媒を用いた還元的アミノ化法でアンモニア及び水素の存在で反応されてピペラジン及びN−(β−アミノエチル)ピペラジンの混合物が得られ、かつピペラジンの除去後の残留物が環化触媒、例えばリン酸塩及びアルミノケイ酸塩の存在で環化される二段階法である。TEDAの収率は約25%であり、かつPIPの収率は約12%である。
【0005】
US-A-2937176(Houdry Process Corp.)は、アルキレンポリアミン又はアルカノールアミンを、固体酸触媒、例えばシリカ−アルミナの存在で、300〜500℃の温度での気相反応によるTEDAの製造に関する。TEDAは、炭化水素、有利にペンタンからの結晶化により精製される。
【0006】
DE-A-2434913(Shunan Petrochemicals)(対応公報:US-A-3956329)には、一般式a(M2/nO)(Al(SiO)[式中、M=アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛族元素、H又はNH;n=カチオンの価数;a=1.0±0.5;n=2〜12]のA、X及びY型のゼオライト上で反応させることによる、アミン、例えばN−アミノエチルピペラジン、PIP又はEDAからのTEDAの合成のためのペンタシル(pentasil)ゼオライトの使用が記載されている。所望の形への変換のためには、ゼオライトは、水素カチオンとのイオン交換のために塩酸水溶液で、又は所望の金属カチオンとのイオン交換のために金属ハロゲン化物で処理される。
【0007】
EP-A-158319(Union Carbide Corp.)は、‘高シリカゼオライト’触媒の存在での、非環式アミン又はヘテロ環式アミンからの1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの製造に関する。
【0008】
EP-A-313753(対応公報:DE-A1-3735212)及びEP-A-312734(対応公報:DE-A1-3735214)(双方ともHuels AG)には、ペンタシル型のゼオライトの存在でのエタノールアミン及び/又はエチレンジアミンの反応によるPIP/TEDA混合物の製造方法が開示されている。該方法に従って、反応混合物は、280〜380℃で、及び0.1〜10h-1のLHSV(時間基準の液空間速度)及び0.1〜10barの絶対圧で、気体の形で固定層触媒上に導通される。出発化合物が希釈剤、例えば水と一緒に使用されることも提案されている。46%の最大TEDA選択率が達成される。
【0009】
EP-A-382055(対応公報:DE-A-3903622、BASF AG)によれば、1,2−ジアミノエタン(EDA)及びピペラジン0〜200mol%が、液相反応の場合にアルミニウムゼオライト、ホウ素ゼオライト、ガリウムゼオライト及び/又は鉄シリケートゼオライト上で次の好ましい反応条件下で、TEDAへと変換される:反応温度100〜300℃、圧力1〜5bar及びWHSV 1〜10h-1。反応は有利に、気相中で、反応温度200〜400℃、圧力0.5〜5bar及びWHSV 1〜10h-1で実施される。溶剤又は希釈剤、例えば水は添加されてもよい。好ましい気相方法において、70%までのTEDA収率が得られる。特別な製造方法として、ゼオライトの成形後の水性塩酸での処理、引き続き400〜500℃でのか焼が記載されている。
【0010】
EP-A-423526(対応公報:DE-A-3934459、Bayer AG)には、低下した酸性度を有するペンタシル型のゼオライト上でのEDAの反応によるTEDA及びPIPの製造方法が記載されている。この出願明細書によれば、この種類のゼオライトは、アルカリ金属カチオンによる全ての交換可能なカチオンの少なくとも50%の交換により得られることができるか又はゼオライト構造のアルミニウムが鉄により同形置換されているものである。この出願明細書によれば、この方法により処理されていないZSM-5触媒は、あまり適していないことがわかった。反応は、300〜400℃の温度で及び0.03〜2.0kg(EDA)/kg(ゼオライト)/hの時間基準の質量空間速度で、EDA 1mol当たり水2〜25mol、有利に5〜15molを含むEDA/水混合物を用いて実施される。65%までのTEDAに関する選択率が達成される。
【0011】
US-A-4966969(Idemitsu Kosan)には、12を上回るSiO/Al比を有しかつ400〜600℃で空気下にか焼したペンタシル型の金属シリケート上で、アミン含有化合物、例えばモノエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペラジン又はピペラジン誘導体から100〜500℃の反応温度及び3barからの圧力で、TEDAを製造する方法が記載されている。
【0012】
US-A-5041548(Idemitsu Kosan Ltd)には、TEDAの製造のために、アミン含有の化合物、例えばモノエタノールアミン、エチレンジアミン又はピペラジンの反応において、とりわけ、有機テンプレート、例えばテトラアルキルアンモニウム化合物の存在で製造されたペンタシルゼオライト(SiO/M:例えばH-ZSM5、SiO/Al=45〜90)を用いることが提案されている。400℃でのEDA/水混合物の反応において、45%のTEDA収率が達成される。有機テンプレートなしで製造されたペンタシルゼオライトは、350〜400℃でのアミン含有の化合物の反応において著しく劣悪なTEDA収率を示す。
【0013】
EP-A-831096、EP-A-842936及びEP-A-952152(Air Products and Chemicals Inc.)には、特別に変性されたペンタシルゼオライトを用いたEDA又はモノエタノールアミンからのTEDAの製造方法が記載されている:
EP-A-831096(対応公報:US-A-5731449)によれば、ペンタシルゼオライトのカセイアルカリ液処理(Na-ZSM5、SiO/Al=160)、これは引き続きNHNO溶液及びか焼を用いてH形に変換されている(H-ZSM5、SiO/Al=153)は、未処理のゼオライトと比較して、340℃でのEDA/水混合物の反応において明らかな失活なしに、TEDAに関する選択率の23%から56%への増大及び32時間への長期安定性の増大が達成されるのを可能にする。この効果は、カセイアルカリ液処理の結果として、ゼオライトの外部表面層上の活性中心(ヒドロキシル基、IR分光分析法による分析)の不動態化により説明される。
【0014】
EP-A-842936(対応公報:US-A-5741906)によれば、脱アルミニウム剤(アルミニウム除去のためのキレート化剤、例えばシュウ酸)での予備処理は同様に、ペンタシルゼオライト(H-ZSM5、SiO/Al=180)の外部表面層の不動態化を可能にし、ひいては、例えば、350℃でのモノエタノールアミン、ピペラジン及び水からのTEDAの合成において、未処理のゼオライトを比較して30%までの改善された選択率を可能にする。
【0015】
EP-A-952152(対応公報:US-A-6084096)によれば、ペンタシルゼオライトの表面不動態化は、同様に、ケイ素化合物で処理し、引き続きか焼することにより達成されてもよい。エタノール中のテトラエトキシシラン溶液での極めて微結晶性のペンタシルゼオライト(H-ZSM5、SiO/Al=90、結晶サイズ:0.07μm)の処理、引き続きか焼は、例えば、TEDA及びPIPに関する選択率を340℃でのEDA/水混合物の反応において、活性の僅かな減少を伴う未処理の材料と比較して81%から89%に増大させることを可能にする。
【0016】
EP-A-842935(対応公報:US-A-5756741)(Air Products and Chemicals Inc.)には、最初にピペラジンに富む中間体が、環化反応によりアミノ化合物から製造され、かつこの中間体がついで、ペンタシルゼオライト上で、例えば、EDAの添加下にTEDAに変換される二段階法が記載されている。この特別な二段階法が、TEDAの合成におけるPIP再循環の必要性を最小限にするか又は排除しさえすることに特許の保護が請求されている。
【0017】
EP-A-1041073(Tosoh Corp.)は、アミノエチル基を有する特定の化合物を、シリカ/アルミナ比が少なくとも12である結晶性アルミノケイ酸塩と接触させることによるトリエチレンジアミン及びピペラジンの製造方法に関する。成形されたアルミノケイ酸塩は、500〜950℃の温度で、有利に550〜850℃で、少なくとも1(有利に3)時間か焼される。か焼に続いて、50〜80℃で3〜50時間に亘り水性無機酸で酸処理される。
【0018】
US-A-4289881(Bayer AG;対応公報:EP-A-10671)には、SiO触媒の存在での特定のピペラジン誘導体からのTEDA製造が記載されている。
【0019】
DD-A-206896(VEB Leuna-Werke)は、NHの存在での多孔質SiO/Al触媒上でのN−(β−アミノエチル)ピペラジン及び/又はN−(β−ヒドロキシエチル)ピペラジンの反応によるTEDAの製造方法に関する。
【0020】
Derwent Abstract No. 1997-371381(RU-A-2071475(AS Sibe Catalysis Inst.))には、錯化剤の水溶液で処理したペンタシルゼオライト上でのモノエタノールアミンからのトリエチレンジアミンの製造が記載されている。
【0021】
RU-C1-2114849(Institute for Technology and Construction of Catalysis and Adsorption Processes using "Tseosite" Zeolite SO RAN)(Derwent Abstract No. 2000-036595)には、40〜300のモジュラス(SiO/Alモル比)を有するペンタシルゼオライト上で、モノエタノールアミン(MEOA)、EDA及びPIPの混合物からTEDAを製造する方法が記載されている。使用されるゼオライトは、アルミニウムキレート化剤(EDTA、スルホサリチル酸、TMAOH)での処理により脱アルミニウムされる。特にこの特許には、350〜450℃で相応して処理されたゼオライト上でのMEOA/EDA、MEOA/PIP、EDA/PIP及びEDA/MEOA/PIP混合物と、希釈剤としてのNH又は水(1:3〜10)との反応が記載されている。反応器生成物は、精留により沸点範囲で分けられる。160〜180℃の範囲が引き続き冷却され、かつ晶出される。母液は出発原料として再使用される。
【0022】
先行技術による方法の共通の特徴は、TEDAの形成に関して低い選択率、反応器フィード中の希釈剤又は溶剤としての水の極めて高い、ひいてはもしかすると不経済な割合、例えば失活の結果としての不適切な触媒有効寿命、及びもしかすると付加的な複雑な触媒製造及び/又は変性である。
【特許文献1】US 3285920
【特許文献2】US-A-2937176
【特許文献3】DE-A-2434913(対応公報:US-A-3956329)
【特許文献4】EP-A-158319
【特許文献5】EP-A-313753(対応公報:DE-A1-3735212)
【特許文献6】EP-A-312734(対応公報:DE-A1-3735214)
【特許文献7】EP-A-382055(対応公報:DE-A-3903622)
【特許文献8】EP-A-423526(対応公報:DE-A-3934459)
【特許文献9】US-A-4966969
【特許文献10】US-A-5041548
【特許文献11】EP-A-831096(対応公報:US-A-5731449)
【特許文献12】EP-A-842936(対応公報:US-A-5741906)
【特許文献13】EP-A-952152(対応公報:US-A-6084096)
【特許文献14】EP-A-842935(対応公報:US-A-5756741)
【特許文献15】EP-A-1041073
【特許文献16】US-A-4289881(対応公報:EP-A-10671)
【特許文献17】DD-A-206896
【特許文献18】RU-A-2071475(Derwent Abstract No. 1997-371381)
【特許文献19】RU-C1-2114849(Derwent Abstract No. 2000-036595)
【特許文献20】US-A-3702886
【特許文献21】US-A-3709979
【特許文献22】DE-C2-2434913
【特許文献23】WO98/55228
【特許文献24】DE-A1-19723949
【特許文献25】DE-A-19623611
【特許文献26】EP出願明細書番号00114475.7(2000年7月6日)
【非特許文献1】W.M. Meier、D.H. Olsen及びCh. Baerlocher、"Atlas of Zeolite Structure Types"、Elsevier、第4版、London 1996
【非特許文献2】J. Weitkamp他、Catalysis and Zeolites、Chapter 3: Modification of Zeolites、Springer Verlag、1999
【非特許文献3】J. LeMaitre他、"Characterization of Heterogeneous Catalysts"、Editor Francis Delanny、Marcel Dekker、New York 1984、310-324
【非特許文献4】ISO 6271
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の対象は、先行技術と比較して改善され、実施するのが簡単であり、高い収率、選択率及び触媒有効寿命を有し、並びにピペラジンの不可避の形成が少なく、かつ高い純度、色彩安定性(即ちISO 6271による低い色数、これは延長された貯蔵時間、例えば6、12ヶ月又はそれ以上に亘り小さいままである)及び臭気品質[即ち、TEDAの固有の臭気としてのみ可能であり、かつ5員環を有する環式の飽和N−複素環式化合物又は6員環を有する他の環式の飽和N−複素環式化合物(例えばPIP又はN−エチルピペラジン)及び/又は5又は6員環を有する芳香族N−複素環式化合物の臭気としては不可能である]のTEDAを与える、容易に入手し易い出発化合物からTEDAを製造する経済的な方法を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この対象は、ゼオライト触媒の存在でのエチレンジアミン(EDA)の反応によりトリエチレンジアミン(TEDA)の製造方法により達成されることが見出され、その際、
ゼオライト触媒が、酸化物として酸化状態II、III又はIVの1つ又はそれ以上の金属Mを含有し、かつ
M=Alについては、1400超:1のSiO/Mモル比を有し、
M=酸化状態IIの金属又はM=酸化状態IIの2つ又はそれ以上の金属については、100超:1のSiO/MOモル比を有し、
M=酸化状態IIIの金属又はM=酸化状態IIIの2つ又はそれ以上の金属については、100超:1のSiO/Mモル比を有し、かつ
M=酸化状態IVの金属又はM=酸化状態IVの2つ又はそれ以上の金属については、10超:1のSiO/MOモル比を有し、
かつ反応温度が250〜500℃であることにより特徴付けられる。
【0025】
本発明による方法は、バッチ式か又は有利に連続的に実施されてよい。
【0026】
本発明による反応は、液相中又は有利に気相中で実施されることができる。
【0027】
反応は、有利に溶剤又は希釈剤の存在で実施される。
【0028】
適した溶剤又は希釈剤の例は、炭素原子2〜12個を有する非環式又は環式のエーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル又はそれらの異性体、MTBE、THF、ピラン又はラクトン、例えばγ−ブチロラクトン、ポリエーテル、例えばmonoglyme、diglyme等、芳香族炭化水素又は脂肪族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン及び石油エーテル又はそれらの混合物、また特にN−メチルピロリドン(NMP)又は水若しくは上記の種類の水性の有機溶剤又は希釈剤である。アンモニアは、適した溶剤又は希釈剤でもある。
【0029】
特に好ましい溶剤又は希釈剤、殊に溶剤は、水である。
【0030】
また、反応が気相中で実施される場合の適した希釈剤は、不活性ガス、例えば窒素(例えば反応器フィードの飽和を超えて)又はアルゴンである。気相中の反応は、有利にアンモニアの存在で実施される。
【0031】
例えば、反応は、使用されるEDAに対して2〜1200質量%、特に12〜1200質量%、殊に14〜300質量%、まさに特に23〜300質量%の溶剤又は希釈剤の存在で実施される。
【0032】
例えば、本方法において使用される出発混合物又は反応器フィード(=連続的方法の場合の出発原料流)は、EDA 5〜80質量%、特に10〜80質量%、特に有利に20〜70質量%、まさに特に有利に20〜65質量%並びに溶剤及び希釈剤2〜60質量%、特に10〜60質量%、特に有利に15〜60質量%、殊に20〜50質量%を含有する。
【0033】
本発明による方法の特別な実施態様において、EDAと、それぞれ2−アミノエチル基、−HN−CH−CH−を有している1つ又はそれ以上のアミン化合物とが反応される。
【0034】
この種類のアミン化合物は、有利にエタノールアミン(例えばモノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)又はトリエタノールアミン(TEOA))、ピペラジン(PIP)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、トリ(2−アミノエチル)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン(AEEA)及びピペラジン誘導体、例えばN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(HEP)及びN−(2−アミノエチル)ピペラジン(AEPIP)である。
【0035】
PIPが特に好ましい。
【0036】
反応器フィード中のこれらのアミン化合物の含量は、この特別な実施態様において、その都度使用されるEDAに対して、(合計で)一般に1〜1000質量%、有利に3〜250質量%、殊に7〜250質量%である。
【0037】
例えば、本方法で使用される出発混合物又は反応器フィード(=連続的方法の場合の出発原料流)は、(合計で)これらのアミン化合物0.5〜50質量%、有利に2〜50質量%、殊に5〜50質量%を含む。
【0038】
この特別な実施態様において、反応器生成物(=連続的方法の場合の生成物流)から困難を伴ってのみ除去されることができる副生物の形成は、MEOAが使用される場合には、出発混合物中又は反応器フィード中に生じうることも見出されたので、出発混合物又は反応器フィード中のこのアミン化合物の含量は、使用されるEDAに対して有利に1〜50質量%である。
【0039】
反応後に、形成された生成物は、反応生成物混合物から常法により、例えば蒸留及び/又は精留により単離され;未反応の出発原料は、反応へ返送されてもよい。
【0040】
従って、本発明による方法から反応生成物混合物中に生じるPIPは、それから、例えば蒸留により除去されてよく、かつ反応へ返送されてもよい。
【0041】
本方法の1つの特別な利点は、反応生成物混合物の後処理の際に得られたTEDA及びピペラジンの双方とも含有する中間体留分及び、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(HEP)、N−(2−アミノエチル)ピペラジン(AEPIP)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、トリ(2−アミノエチル)アミン及び/又はN−(2−アミノエチル)エタノールアミン(AEEA)を含有する留分が反応へ再び返送されることができることである。
【0042】
更に、他のアミン環化/縮合反応からの他のアミン化合物の不可避の形成が、TEDAの収率が著しく損なわれることなく本発明による反応に供給されることができる。
【0043】
特に好ましい実施態様において、本発明による方法は、殊に連続的方法(定常状態)の場合に、EDA及び、その都度EDAに対して、水14〜300質量%及びPIP 7〜250質量%、
有利にEDA及び、その都度EDAに対して、水23〜300%及びPIP 8〜250質量%、
特に有利にEDA及び、その都度EDAに対して、水33〜250質量%及びPIP 17〜250質量%、
まさに特に有利にEDA及び、その都度EDAに対して、水 110〜185質量%及びPIP 25〜100質量%を反応させることにより実施される。
【0044】
この実施態様において、PIP又はEDAの割合は、一方を選んでかつ他を犠牲にして0.01〜20質量%、例えば0.01〜10質量%の範囲に低下されることもできるか又は増大されることもできる。
【0045】
例えば、本方法において使用される出発混合物又は反応器フィードは、この特に好ましい実施態様において、水10〜60質量%、EDA 20〜70質量%及びPIP 5〜50質量%、
有利に水15〜60質量%、EDA 20〜65質量%及びPIP 5〜50質量%、
特に有利に水20〜50質量%、EDA 20〜60質量%及びPIP 10〜50質量%、
まさに特に有利に水45〜55質量%、EDA 30〜40質量%及びPIP 10〜30質量%
を含み、
その際、PIP又はEDAの割合が一方を選んでかつ他方を犠牲にして、上記のような範囲に低下されることもできるか又は増大されることもできる。
【0046】
本方法のこの特に好ましい実施態様において、反応器フィードは、上記の混合比又は量のEDA、PIP及び水に加えて、有利に別の成分10質量%未満、特に5質量%未満、殊に2質量%未満を含む。
【0047】
この特に好ましい実施態様において、出発原料の上記の混合比又は量で、反応が、殊に連続的方法の場合に(定常状態で)、EDAが90%を上回り、殊に95%を上回る選択率を有するTEDA及びPIPへと事実上完全に変換される(即ち95%を上回り、殊に97%を上回る変換率)ようにして実施されることができることが見出された。
【0048】
本方法は、有利に本発明によれば、反応器フィード(=連続的方法の場合の出発原料流)中の適切なEDA/PIP比を、全収支中のPIPの消費が0に近づく(反応生成物混合物中、TEDA100kg当たり、例えば0〜30kg、殊に0〜15kg、まさに特に0〜10kg)、殊に0であるような上記の範囲で、反応生成物混合物からのPIPの除去を通して調節し、かつ反応器フィード中に循環することにより実施され、かつ同時に使用されるEDAが完全に反応され(>95%、殊に>97%、まさに特に>99%)、即ち結果として本質的に付加的なPIPが、連続的方法の間に本発明による方法に供給されない。
【0049】
反応がこうして実施される場合には、排出されたEDAの量は、本発明によれば0に近づくので、例えば蒸留及び/又は精留による反応器生成物混合物の分離は、この変法において特に簡単である。
【0050】
本発明による方法における反応温度は、有利に300〜400℃、特に有利に310〜390℃である。
【0051】
出発原料成分又は反応器フィードは、有利に予め温度調節される。
【0052】
本発明による方法を実施するために、次の反応条件が更に有利であることが証明された:
− 反応中に使用されたアミンに対して、0.05〜6h-1、有利に0.1〜1h-1、特に有利に0.3〜1h-1のWHSV(時間基準の質量空間速度)、及び
− 0.01〜40bar、特に0.1〜10bar、有利に0.8〜2barの圧力(絶対)。
【0053】
本発明による方法が実施される適した反応器は、撹拌釜反応器、殊に管形反応器及び管束反応器である。
【0054】
ゼオライト触媒は、有利に固定層の形で反応器中に配置される。
【0055】
液相中の反応は、例えば、懸濁、トリクル又はプール法により実施されることができる。
【0056】
気相中の好ましい反応は、触媒の流動層又は有利に固定層中で実施されることができる。
【0057】
次のパラグラフは、付加的に、本発明による方法がどのようにして実施されることができるかを例により概説する:
反応器フィード(上記のような組成物)は、所望の場合には、実際の反応器の一部であってよい蒸発器中で、250〜500℃の温度で気相に変換され、かつ触媒上に供給される。反応器流出口でガスの形で生じる反応生成物混合物は、20〜100℃の温度、有利に80℃で、ポンプ輸送により循環された液化反応生成物混合物により急冷される。この液化反応生成物混合物は、次のようにして後処理される:第一の蒸留段階において、低沸点成分、例えばアセトアルデヒド、エチルアミン、アンモニア及び水並びに合成中の副生物として形成される複素環式化合物が分離される。第二の蒸留段階において、反応生成物混合物は、反応器フィードに返送されるピペラジンを含有しない。分離されたピペラジンの流れは、ここで20質量%までのTEDAを含んでいてよい。(選択的に、水及びピペラジンを同時に除去することも可能であり、かつ反応器フィード中に一緒に返送されてもよい)。好ましい蒸留段階において、目標とされる生成物TEDAは、反応生成物混合物から蒸留により回収されかつ、必要に応じて、更に、例えば引き続き結晶化段階(例えば以下に記載されているようにして)中で後処理される。
【0058】
次の利点は、とりわけ、本発明による方法で達成される:
− 本方法は、出発原料として使用されるEDAが、価格及び入手し易さに応じて、それぞれ2−アミノエチル基、−HN−CH−CH−を有する1つ又はそれ以上のアミン化合物により置換されるのを可能にするか(上記参照)、又はこれらのアミン化合物を付加的に反応器フィードに添加されるのを可能にする。
− 本質的に副生物に過ぎないピペラジンは、反応が上記のようにして適した方法で実施される場合には、方法に返送されてよくかつTEDAに変換されることができる。未反応のピペラジン及びTEDAの混合物は、触媒に返送されてもよい、それというのも、TEDAが反応条件下で安定であることが見出されたからである。
− 反応器フィード中の上記に記載されているようなEDA/PIP比の与えられた適した選択は、全収支中のPIPの消費が0に近づく、それというのも、反応生成物混合物中に存在するPIPの再循環の際に、体積に関して一定のPIP流は、反応器フィード中に得られ、ひいては全収支中の唯一のアミンとして専らEDAが外側から反応に連続的に供給されなければならないからである。
− TEDAを得るための、EDAの反応に対して高い選択率及び高い変換率が達成される。
− 本発明に従って使用されるゼオライト触媒のために、少数の副生物がEDA及び、使用される場合には、上記のアミン化合物の反応において形成され、このことは、必須の生成物規格(純度、色数及び臭気)を達成するために方法において形成されたTEDAの単純化された後処理をもたらす。
【0059】
TEDAの製造のために本発明による方法において触媒として使用されるゼオライトは、主に二酸化ケイ素(SiO)からなる骨格構造を有する。
【0060】
二酸化ケイ素に加えて、ゼオライトは、金属酸化物M2/zO(z=2、3又は4)の形で他の二価の、三価の又は四価の金属M(金属II、III又はIVの酸化状態)のこん跡も含有していてよく、その際、二酸化ケイ素及び金属酸化物のモル比、SiO/M2/zO(このモル比は‘モジュラス’としても公知である)は、四価の金属(z=4)については10を上回り、二価の及び三価の金属(z=2又は3)については100を上回り、M=Al(z=3)については1400を上回る。
【0061】
本発明による方法において有利に使用されるゼオライト触媒は、M=Alについては、1400超〜40000:1、殊に1400超〜5000:1のSiO/Mモル比を有し、
M=酸化状態IIの金属又はM=酸化状態IIの2つ又はそれ以上の金属については、100超〜40000:1、殊に200超〜5000:1のSiO/MOモル比を有し、
M=酸化状態IIIの金属又はM=酸化状態IIIの2つ又はそれ以上の金属については、100超〜40000:1、殊に200超〜5000:1のSiO/Mモル比を有し、かつ
M=酸化状態IVの金属又はM=酸化状態IVの2つ又はそれ以上の金属については、10超〜40000:1、殊に25超〜5000:1のSiO/MOモル比を有する。
【0062】
本発明による方法において使用されるゼオライト触媒は、有利にペンタシル型のものである。
【0063】
モジュラスの上限(40000)は、出発物質(M又はMの化合物の残留こん跡)の純度及びゼオライトの合成において使用される装置の純度及び耐薬品性によって調節されるに過ぎない。
【0064】
上記の制限未満のモジュラスについて、ゼオライトのブレンステッド及びルイス酸性度密度(酸性度密度:酸性中心/全触媒表面積)が、著しく増大し、達成可能なTEDA収率及び選択率並びに触媒有効寿命が著しく低下し、かつTEDAを精製するための費用が著しく増大する。
【0065】
意外なことに、本発明による方法においてゼオライト結晶内の酸性度の劇的な低下が、通常の場合に水熱合成の間に格子中の金属酸化物の形の二価の及び/又は三価の金属(z=2又は3についてのM)の取り込みのために、本発明による利点、例えばTEDAに関する選択率の著しい改善をもたらすことが見出された。ゼオライト格子中の金属酸化物の形の四価の金属(z=4についてのM)を有するゼオライトも、本発明によれば、TEDAに関する改善された選択率を達成する。
【0066】
上記で示されているようなモジュラスを有するゼオライト触媒、有利にペンタシル型のもののためには、ゼオライト材料自体に関しても又はこれが得られることができる方法に関しても付加的な要求が存在しない。
【0067】
SiOに加えて、酸化物として酸化状態II、III又はIVの1つ又はそれ以上の金属Mも含有する本発明による方法において使用されるゼオライト触媒において、酸化状態IIの金属Mは、有利にZn、Sn及びBe並びにそれらの混合物からなる群から選択され、
酸化状態IIIの金属Mは、有利にAl、B、Fe、Co、Ni、V、Mo、Mn、As、Sb、Bi、La、Ga、In、Y、Sc及びCr並びにそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
酸化状態IVの金属Mは、有利にTi、Zr、Ge、Hf及びSn並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0068】
Mがアルミニウム、ガリウム、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、鉄又はホウ素であるゼオライトが好ましい。Mがアルミニウム、チタン、鉄又はホウ素であるものが特に好ましい。
【0069】
本発明により使用すべきペンタシル型の適したゼオライト触媒の例は、次の種類のものである:ZSM-5(US-A-3702886に開示されているような)、ZSM-11(US-A-3709979に開示されているような)、ZSM-23、ZSM-53、NU-87、ZSM-35、ZSM-48及び少なくとも2つの上記のゼオライトを含む混合構造、殊にZSM-5及びZSM-11並びにそれらの混合構造である。
【0070】
特に好ましくは、本発明による方法には、MFI又はMEL構造又はMEL/MFI又はMFI/MEL混合構造を有するゼオライトである。
【0071】
本発明に従って使用されるゼオライトは、ミクロ細孔を有する規則正しい溝及びかご構造を有している結晶性金属シリケートである。そのようなゼオライトのネットワークは、接続酸素橋を介して結合しているSiO及びM2/zO(z=2、3又は4)四面体から形成されている。公知の構造の概要は、例えば、W.M. Meier、D.H. Olsen及びCh. Baerlocher、"Atlas of Zeolite Structure Types"、Elsevier、第4版、London 1996に与えられている。
【0072】
また適しているのは、本発明によれば、アルミニウム(M=Al)を含有せず、かつゼオライト格子中のSi(IV)が部分的に金属M(IV)、例えばTi、Zr、Ge、Hf及び/又はSnにより、部分的に金属M(II)、例えばZn、Sn及び/又はBeにより、及び/又は部分的に金属M(III)、例えばB、Fe、Co、Ni、V、Mo、Mn、As、Sb、Bi、La、Ga、In、Y、Sc及び/又はCrにより置き換えられているゼオライトである(II=酸化状態2、III=酸化状態3、IV=酸化状態4)。
【0073】
前記のゼオライトは、通常、SiO源及び金属源(例えばM=上記のような酸化状態のAl、Zn、Be、B、Fe、Co、Ni、V、Mo、Mn、As、Sb、Bi、La、Ga、In、Y、Sc、Cr、Ti、Zr、Ge、Hf及び/又はSn)の混合物及びテンプレートとしての窒素含有塩基("テンプレート化合物")、例えばテトラアルキルアンモニウム塩を、所望の場合には塩基性化合物(例えばカセイアルカリ液)の添加下に、高められた温度下の圧力容器中で数時間又は数日間の期間に亘り反応させて、結晶性生成物が得られることにより製造される。これは、分離され(例えば濾別、噴霧乾燥又は沈殿される)、洗浄され、乾燥され、かつ有機窒素塩基の除去のために、高められた温度でか焼される(以下参照)。合成は、ゼオライトの形成が保証される場合には、場合によりテンプレートなしでも可能である。生じる粉末中に、金属(例えばM=上記で記載されたような酸化状態のAl、Zn、Be、B、Fe、Co、Ni、V、Mo、Mn、As、Sb、Bi、La、Ga、In、Y、Sc、Cr、Ti、Zr、Ge、Hf及び/又はSn)は、少なくとも部分的に四、五又は六配位の割合が変化してゼオライト格子内に存在する。
【0074】
本発明に従って使用されるゼオライトは、記載された方法により製造されることができる及び/又は商業的に入手可能である。
【0075】
本発明により使用されるゼオライト触媒が、有利にペンタシル型のものである場合には、製造の種類のために少なくとも部分的に好ましい酸性H形及び/又はNH形ではないが、しかし、例えば、Na形(又は任意の他の金属塩の望まれる形)であり、これは、先行技術に従って、例えばアンモニウムイオンでのイオン交換により少なくとも部分的に好ましいH及び/又はNH形に変換されてよく、引き続きか焼される(以下参照)。同様に少なくとも部分的なH形へのゼオライトの変換のために文献から公知である希プロトン酸、例えば鉱酸での処理は、まさに実用向きである。本明細書中で適しているのは、全てのプロトン酸、例えば塩酸又は硫酸である(以下参照)。
【0076】
引き続き、こうして交換したゼオライト触媒を所望のMe形に変換することも可能であり、かつ相応する金属塩溶液(金属Me=アルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属)とのイオン交換によりH及び/又はNHを含有する。
【0077】
できるだけ高い選択率、高い変換率及び特に長い触媒有効寿命を達成するために、特許の保護が請求されたゼオライト触媒を変性することも有利でありうる。
【0078】
ゼオライト触媒の適した変性は、'J. Weitkamp他、Catalysis and Zeolites、Chapter 3: Modification of Zeolites、Springer Verlag、1999'に記載されているように、ゼオライト材料−成形されたか又は成形されていない−を、公知の先行技術(EP-A-382055、4頁、2行以降+20行以降; DE-C2-2434913、3頁、23行以降; US-A-5041548、4頁、27行以降)に従って、濃プロトン酸又は希プロトン酸−例えば塩酸、硫酸、フッ化水素酸、リン酸、カルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸−及び/又は錯化剤−例えばアセチルアセトネート(acac)、ニトリロ三酢酸、スルホサリチル酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)で−例えばEP-A-842936及びRU-C1-2114849により、及び/又は水蒸気で処理することからなる。
【0079】
特別な実施態様において、本発明による方法において使用されるゼオライトのドーピングは、亜族I〜VIII、有利に亜族I、II、IV及びVIII、特に有利にZn、Ti、Zr、Fe、Co、Ni、Cr又はVからの遷移金属の施与により実施されることができる。
【0080】
施与は、本発明による方法において使用されるゼオライトを金属塩水溶液中に含浸することにより、ゼオライト上に相応する金属塩溶液を噴霧することによるか又は先行技術から公知の適した他の方法により実施されることができる。金属塩溶液の製造に適した金属塩は、相応する金属の硝酸塩、ニトロシル硝酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、アセチルアセトネート、クロロ錯体、ニトロ錯体又はアミン錯体であり、その際、硝酸塩及びニトロシル硝酸塩が好ましい。複数の金属でドープされているゼオライトの場合に、金属塩又は金属塩溶液は、同時にか又は逐次施与されてよい。
【0081】
金属塩溶液でコーティングされるか又は含浸されたゼオライトは、引き続き、有利に60〜150℃の温度で乾燥され、かつ場合により200〜950℃、有利に400〜750℃の温度でか焼される。別個の含浸の場合に、触媒は各含浸段階後に乾燥され、かつ場合により上記のようにか焼される。遷移金属が含浸される順序は、自由に選択可能である。コーティングされかつ乾燥されかつ場合によりか焼されたゼオライトは、引き続き場合により30〜約600℃、有利に150〜約450℃の温度での遊離水素を含有するガス流中での処理により活性化される。ガス流は有利に、水素50〜100体積%及び窒素0〜50体積%からなる。
【0082】
遷移金属溶液は、遷移金属の全含量が、その都度触媒の全質量に対して、約0.01〜約10質量%、有利に約0.01〜5質量%、更に有利に約0.01〜約2質量%、殊に約0.05〜1質量%であるような量でゼオライトに施与される。
【0083】
触媒上の遷移金属表面積は、合計で有利に約0.01〜約10m/g、更に有利に0.05〜5m/g、殊に約0.05〜3m/g(触媒1g当たりのm)である。金属表面積は、J. LeMaitre他による"Characterization of Heterogeneous Catalysts"、Editor Francis Delanny、Marcel Dekker、New York 1984、310-324頁中に記載された化学吸着法により測定される。
【0084】
有効寿命を増大させるために、本発明に従って使用すべきゼオライトは、例えばセルロース材料、粘土、ポリマー、金属、グラファイト、結合剤又は金属酸化物、例えばアルミナ類、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素上に担持されてもよい。更にこれを、グラニュールとして、ビーズの形で又はガラス若しくは他の構造要素、例えば任意の種類の織物(殊にメタルメッシュ)に塗布して使用することも可能である。
【0085】
本発明により使用すべきゼオライトのために使用されることができる凝固成形方法は、原則として相応する成形を達成する全ての方法である。成形がタブレット化又は押出しにより実施される方法が好ましい。特に好ましくは、成形が常用の押出機中で押出しにより行われて、例えば、通常1〜10mm、殊に2〜5mmの直径を有する押出物が得られる方法である。結合剤及び/又は助剤が必要とされる場合には、押出し又はタブレット化は有利に混合又はコンパウンディング法により先行される。所望の場合には、押出し/タブレット化に続いてか焼段階もなされる。得られた成形物は、所望の場合には、粉砕されて、有利に粒径0.5〜5mm、殊に0.5〜2mmを有するグラニュール又は粗粒が得られる。これらのグラニュール又は粗粒並びに他の方法で生じた触媒成形物は、事実上、0.5mmの最小粒度を有するものよりも相対的に微粒状の成分を含有しない。
【0086】
好ましい実施態様において、本発明により使用すべき成形されたゼオライトは、触媒の全質量に対して結合剤80質量%までを含有する。特に好ましい結合剤含量は、1〜60質量%、殊に20〜45質量%である。適した結合剤は、原則としてこの種類のために使用される全ての化合物、有利にケイ素、アルミニウム、ホウ素、リン、ジルコニウム及び/又はチタンの化合物、殊に酸化物である。結合剤として特に興味深いのは、SiOがシリカゾルとして又はテトラアルコキシシランの形で成形方法に導入されていてもよい二酸化ケイ素である。また、結合剤として、マグネシウム及びベリリウムの酸化物並びに粘土、例えばモンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト及びアノーキサイトも適している。
【0087】
凝固成形方法に挙げられることができる助剤の例は、押出し助剤であり;常用の押出し剤は、メチルセルロースである。この種類の薬剤は、一般に引き続くか焼段階において完全に燃焼される。
【0088】
本発明により使用すべきゼオライト触媒のか焼は、250〜950℃の温度で、有利に400〜750℃、特に有利に450〜600℃で、一般に、少なくとも1時間の継続期間、有利に2〜5時間実施される。か焼は、ガス雰囲気、例えば窒素、空気又は希ガス雰囲気中で実施される。一般に、か焼は、酸素含有の雰囲気中で実施され、その際、酸素含量は、0.1〜90体積%、有利に0.2〜22体積%、特に有利に10〜22体積%である。他の酸素を供給する物質の使用も同様に可能である。長い用語"酸素を供給する物質"は、上記のか焼条件下で酸素を放出することができる全ての物質を包含する。特に言及されるのは、式N[式中、x及びyは、中性の窒素酸化物を与えるように選択される]の窒素酸化物、NO、アジピン酸プラントからのNO−含有廃ガス流、NO、NO、オゾン又は2つ若しくはそれ以上のそれらの混合物である。酸素を供給する物質としてのCOの使用の際には、500℃〜800℃の温度が有利にか焼の間に調節される。水蒸気雰囲気下でのか焼も同様に可能である。
【0089】
更に本発明によれば、本発明により使用されるゼオライト触媒の使用後に、これは、その形に関係なく、例えば活性及び/又は選択率の低下後に、失活の原因であるコーティングの目標とされる燃焼により再生が実施される方法により再生されることができることが分かっている。これは、有利に正確に定義された量の酸素を供給する物質を有する不活性ガス雰囲気中で実施される。この種類の再生方法は、とりわけ、WO98/55228及びDE-A1-19723949に記載されており、この開示の内容は、参照によりその全範囲内で本明細書中に明らかに取り込まれる。
【0090】
再生後に、触媒の活性及び/又は選択率は、再生直前の状態と比較して増大している。
【0091】
本発明により使用すべきかつ再生すべきゼオライト触媒は、反応装置(反応器)又は外部炉中で、酸素を供給する物質0.1〜約20体積部、特に有利に酸素0.1〜約20体積部を含有する雰囲気中で約250℃〜800℃、有利に約400℃〜550℃、殊に約450℃〜500℃の範囲内の温度に加熱される。加熱は、有利に約0.1℃/分〜約20℃/分、有利に約0.3℃/分〜約15℃/分、殊に0.5℃/分〜10℃/分の加熱速度で実施される。
【0092】
この加熱相の間に、触媒は、その上に位置する大部分有機コーティングの分解が始まる温度に加熱され、その一方で同時に温度は酸素含量を介して調節され、ひいては触媒構造に対する損傷が起こるようには増大しない。温度のゆっくりとした増大又は相応する酸素含量の調節を介しての低い温度で及び相応する火力での保持は、再生すべき触媒の高い有機含量の場合に、触媒の局所的な過熱を防止するための実質的な段階である。
【0093】
反応器流出口での廃ガス流の温度がガス流中の酸素を供給する物質の増大する量の代わりに低下する場合には、有機コーティングの燃焼が終了する。処理の継続期間は、一般にその都度約1〜30時間、有利に約2〜約20時間、殊に約3〜約10時間である。
【0094】
こうして再生された触媒の引き続く冷却の間に、冷却が、あまり急に行われない("急冷"しない)ことが確実でなければならない、それというのも、さもなければ触媒の機械的強度に悪影響が及ぼされうるからである。
【0095】
触媒を、上記で記載されているようなか焼により実施される再生後に、必要に応じて、出発原料の汚染のために残留している触媒の無機含量(アルカリ金属こん跡等)を除去するために、水及び/又は希酸、例えば塩酸ですすぐことも必要でありうる。触媒の再乾燥及び/又はか焼が、引き続き実施されてもよい。
【0096】
本発明による方法の別の実施態様において、少なくとも部分的に失活された触媒は、再生方法に従って加熱する前に、目標とする生成物の更なる付着を除去するために、反応反応器中で又は外部反応器中で溶剤で洗浄される。触媒に対する目標とされる生成物の付着が、その都度それから除去されることができるけれども、温度及び圧力は、しかしながら、大部分有機コーティングが同様に除去されるように高く選択されないようにして本明細書中での洗浄は実施される。ここで、触媒は、有利に適した溶剤ですすがれるに過ぎない。従って、この洗浄操作に適しているのは、それぞれの反応生成物が易溶性である全ての溶剤である。使用される溶剤の量及び洗浄操作の継続期間は重要ではない。洗浄操作は、数回繰り返してもよく、かつ高められた温度で実施されてよい。洗浄操作が大気圧又は超大気圧又は亜臨界圧下に実施されることができる限り、溶剤としてCOを使用する際には、超臨界圧力が好ましい。洗浄操作が完了した際に、触媒は一般に乾燥される。乾燥操作は、一般に重要でないけれども、乾燥温度は、細孔、殊にミクロ細孔中への溶剤の突然の蒸発を防止するために、洗浄に使用される溶剤の沸点を大きく上回らないべきである、それというのも、このことは触媒に対する損傷もまねきうるからである。
【0097】
製造方法の1つの好ましい実施態様は、TEDAの合成のための本発明による連続的方法が、プロセススループットを増大させるために本発明による触媒の再生の間に中断される必要がないことにありうる。これは、交互に操作されてもよい並列に接続された少なくとも2つの反応器の使用により達成されることができる。
【0098】
触媒再生は、並列に接続された少なくとも1つの反応器がそれぞれの反応段階から切り離され、かつこの反応器中に存在する触媒が再生されるようにして実施されることができ、その際、少なくとも1つの反応器が連続的方法の間の各段階でEDAの反応のために常に利用可能である。
【0099】
本発明に従って得られるTEDAは、その純度を改善するために、適した溶剤(例えばペンタン又はヘキサン)から再結晶されてよい。しかしながら、これは通常不必要である、それというのもTEDAは、本発明による方法により、95質量%を上回り、例えば97質量%を上回る純度で製造されることができるからである。
【0100】
特別な実施態様において、特許の保護が請求されているTEDAの製造方法は、引き続き、先行するEP出願明細書番号00114475.7(2000年7月6日;BASF AG)によるTEDA法と組み合わされる。
【0101】
この組合せによれば、最初にTEDAは、特許の保護が請求されているように製造される。多段階であってよいTEDAの引き続く後処理において(例えば蒸留により)、有利に最終的な後処理段階(殊に蒸留又は精留段階)において、TEDAは蒸発され、かつ得られた蒸気の形のTEDAは例えば、有利に95質量%を上回り、殊に97質量%を上回る純度を有して、蒸留塔の頂部で又は側部の分岐中で、液体溶剤中に導入される。直接的な液体溶剤中への蒸気の形のTEDAのこの導入は、以下にTEDA急冷とも呼ばれる。
【0102】
生じる溶液からのTEDAの引き続く晶出により、高品質の純TEDAが得られる。
【0103】
液体溶剤は一般に、環式又は非環式の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族ニトリル及びエーテルからなる群から選択される。
【0104】
例えば、ポリウレタンフォームの製造における触媒溶液として使用されることができる上記の方法の組合せによる純TEDA溶液の製造のために、TEDA急冷に使用される溶剤は、有利にアルコール(例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール又は有利にジプロピレングリコール)である。こうして得られたジプロピレングリコール中の33質量%のTEDA溶液の色数は、APHA 150未満、殊にAPHA 100未満、まさに特にAPHA 50未満である。
【0105】
上記方法の組合せによる純粋な(結晶性)TEDAの製造のためには、TEDA急冷に使用される溶剤は、有利に、脂肪族炭化水素、殊に炭素原子5〜8個を有する飽和脂肪族炭化水素である(例えばヘキサン、ヘプタン又は有利にペンタン)。本発明に従って製造されたTEDA溶液からの純TEDAの結晶化は、当業者に公知の方法により実施されてよい。引き続き多段階、又は有利に一段階の結晶化により得られたTEDA結晶は、高純度(一般に、少なくとも99.5質量%、殊に少なくとも99.8質量%の純度、PIP含量0.1質量%未満、殊に0.05質量%未満、N−エチルピペラジン含量0.02質量%未満、殊に0.01質量%未満)であり、かつジプロピレングリコール中の33質量%の溶液の色数は、APHA 50未満、殊にAPHA 30未満である。
【0106】
(全てのAPHA数はISO 6271による)。
【0107】
液体溶剤中への蒸気の形のTEDAの導入は、急冷装置中、例えば有利に流下薄膜型凝縮器(薄膜、トリクルフィルム又は流下凝縮器)又はジェット装置中で実施される。蒸気の形のTEDAは、ここでは、並流で又は向流で液体溶剤と共に搬送されることができる。蒸気の形のTEDAを急冷装置中に頂部から導入することも有利である。更に、流下薄膜型凝縮器の頂部で液体溶剤を接線方向に供給するか又は急冷装置の内壁の完全な湿潤を達成するために液体溶剤を1つ又はそれ以上のノズルを通して供給することも有利である。
【0108】
一般に、TEDA急冷中の温度は、使用される溶剤及び/又は急冷装置の温度を20〜100℃、有利に30〜60℃に制御することにより調節される。TEDA急冷中の絶対圧は、一般に0.5〜1.5barである。
【0109】
一般に、溶剤の種類に応じて、最初に、約1〜50質量%、有利に20〜40質量%のTEDA含量を有する溶液が、TEDA急冷の間に得られる。
【実施例】
【0110】
触媒A:
最初に、TS-1ゼオライト粉末(ペンタシル、MFI構造)を、DE-A-19623611の例1に記載されているようにして製造した(SiO/TiO=40[mol/mol])。SiO 20質量%(完成した押出物の全質量に対して)での押出し前に、ゼオライト粉末を5M HClで処理し、水で数回洗浄し、かつ500℃で5時間か焼した。2mmの押出物を、引き続き500℃で5時間か焼した。
【0111】
例1:TEDAの連続的製造
以下の表に示された触媒を、気相装置中で使用した(加熱した管形反応器:長さ:1000mm、直径6mm)。出発原料混合物:EDA 35%、PIP 15%、水50.0%(全てのデータは質量%)。水性の出発原料混合物を、反応器中へ直接にポンプ輸送し、かつ加圧せずに触媒上に導通する前に上部で345℃の反応温度で蒸発させた。時間基準の質量空間速度:出発原料混合物1.0kg/触媒kg*h。反応生成物を、反応器流出口で凝縮器中で凝縮し、収集し、かつアリコートをガスクロマトグラフィーにより分析した。
【0112】
GC分析:
カラム:RTX-5、30m;温度プログラム:80℃〜5℃/分〜280℃、検出器:FID、内標準:N−メチルピロリドン(NMP)。
【0113】
評価:
第1表:エチレンジアミン(EDA)及びピペラジン(PIP)からのトリエチレンジアミン(TEDA)の合成;フィード:35:15:50 EDA:PIP:HO[質量%];モジュラス:使用されたゼオライトのSiO/TiOモル比。
【0114】
【表1】

(U=表中に与えられている物質(EDA又はPIP)の使用量に対する変換率[質量%];
S=EDA及びPIPに由来する反応された−CH−CH−単位に対する選択率)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライト触媒の存在で、エチレンジアミン(EDA)の反応によりトリエチレンジアミン(TEDA)を製造する方法において、
ゼオライト触媒が、酸化物として酸化状態IVの1つ又はそれ以上の金属Mを含有し、酸化状態IVの前記金属Mは、Ti、Zr、Ge、Hf及びSn並びにそれらの混合物からなる群から選択されており、かつ
M=酸化状態IVの金属又はM=酸化状態IVの2つ又はそれ以上の金属については、10超:1のSiO/MOモル比を有し、
かつ反応温度が250〜500℃である
ことを特徴とする、ゼオライト触媒の存在で、エチレンジアミン(EDA)の反応によりトリエチレンジアミン(TEDA)を製造する方法。
【請求項2】
反応を連続的に実施する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
反応を気相中で実施する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
反応を溶剤又は希釈剤の存在で実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
反応を、水及び/又はアンモニアの存在で実施する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
反応を、使用されるEDAに対して水2〜1200質量%の存在で実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
反応を、使用されるEDAに対して水14〜300質量%の存在で実施する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
EDAと、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピペラジン(PIP)、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン及びN−(2−アミノエチル)ピペラジンからなる群からの1つ又はそれ以上のアミン化合物とを反応させる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
EDAと、EDAに対して1〜1000質量%のピペラジン(PIP)とを反応させる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
EDAと、EDAに対して7〜250質量%のピペラジン(PIP)とを反応させる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
EDA、その都度EDAに対して8〜250質量%のPIP及び23〜300質量%の水を反応させる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
反応後に生じるPIPを分離し、かつEDAとの反応に返送する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
全収支中のPIP消費がTEDA 100kg当たり0〜30kgである、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
反応温度が310〜390℃である、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
絶対圧が0.1〜10barである、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
WHSV(時間基準の質量空間速度)が、反応中に使用されるアミンに対して、0.05〜6h-1である、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
ゼオライト触媒が、M=酸化状態IVの金属又はM=酸化状態IVの2つ又はそれ以上の金属については、10超〜40000:1のSiO/MOモル比を有する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
ゼオライト触媒がペンタシル型のものである、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
ゼオライト触媒が、MFI若しくはMEL構造型又はそれらの混合構造(MEL/MFI又はMFI/MEL)のものである、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
Al及び/又は他の金属Mがゼオライト中で酸化状態II又はIIIである場合には、ゼオライト触媒は反応条件下で少なくとも部分的にH及び/又はNHの形で存在するか又は使用される、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
ゼオライト触媒を、方法で使用する前に、プロトン酸で処理する、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
ゼオライト触媒が1つ又はそれ以上の遷移金属でドープされている、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
ゼオライト触媒が結合剤として二酸化ケイ素を含む、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
酸素又は酸素を供給する物質の存在でのガス雰囲気中で、250〜800℃の範囲内の温度で処理されているか又は再生されているゼオライト触媒を少なくとも部分的に使用する、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
方法を、並列に接続された少なくとも2つの反応器中で中断なく実施し、その都度反応器の1つを、ゼオライト触媒の再生のために出発原料及び生成物流から切り離すことができる、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
TEDA溶液の製造方法において、請求項1から25までのいずれか1項に記載されているようにしてTEDAを製造し、製造したTEDAを蒸発させ、かつ蒸気の形のTEDAを液体溶剤中に導通させることを特徴とする、TEDA溶液の製造方法。
【請求項27】
TEDAの製造方法において、請求項26に記載されているようにして純TEDA溶液を製造し、引き続きこの溶液からTEDAを晶出させることを特徴とする、TEDAの製造方法。
【請求項28】
液体溶剤を、環式又は非環式の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、ケトン、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族ニトリル及びエーテルからなる群から選択する、請求項26又は27記載の方法。

【公開番号】特開2009−102348(P2009−102348A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314160(P2008−314160)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【分割の表示】特願2001−378736(P2001−378736)の分割
【原出願日】平成13年12月12日(2001.12.12)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】