説明

トリガー式噴霧器用キャップ

【課題】トリガー式噴霧器用キャップを操作するとき、指が操作レバー部の付け根に入り込まないようにする。
【解決手段】噴霧器用キャップの操作部3は、噴筒部31、取付板32、引き金の役をする操作レバー部34、ノズルステム挿嵌部35、液通路36、噴口部37(噴霧ノズルなどを取り付ける)等を有している。噴口部37の下方から操作レバー部34の上端部分に亘って肉厚部50を形成する。この肉厚部50により指が操作レバー部34の付け根に入り込まない。なお肉厚部のほかに、噴口部の下方及び/又は操作レバー部の上端部に突部を設けたり、操作レバー部に指掛部を形成するなどしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は殺虫剤等の組成物を噴射するエアゾル式とかポンプ式等の噴霧器用容器に用いる噴霧器用キャップであって、トリガーと称せられる操作用の操作レバー部を有するいわゆるトリガー式噴霧器用キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
図1ないし図6にいわゆるトリガー式噴霧器用キャップの内エアゾルキャップとして構成した場合を示している。図1は噴霧器用容器10の全体構成の外観図を示し、図2は噴霧器用キャップ2の部分を断面で示している。図において噴霧器用キャップ2は噴霧器用容器10の容器1の上端に取り付けられている。噴霧器用キャップ2は操作部3とカバー部4とから構成されている。図2に示すようにカバー部4は容器1の上端のマウント5に取り付けられている。操作部3は容器1の上端に突き出したノズルステム6に挿嵌され、カバー部4に揺動可能に枢支されている。
図3は操作部3を取り出して示した側面図、図4は図3をA方向からみた平面図であって、操作部3において、31は噴筒部、32は取付板、33は取付杆、34はトリガーと称せられる操作レバー部、35はバルブステム挿嵌部、36は噴筒部内の噴射液の通路、37は噴筒部先端の噴口部、38は噴口部に嵌めこまれた噴霧オリフィスを夫々示している。操作部3の取付板32の先端の取付杆33はカバー部4の後方のリブ41の下端の保持切欠42に保持されている。それで指先で操作レバー部34を引金のように引くと操作部全体は取付杆33を中心として反時計方向に揺動する。
7はバージンシールであって、図2に示す状態のように使用前の保管、運搬中に誤って操作部が動かされることがないようにされている。
図5はバージンシール7を外したところを示す図、図6は操作レバー部34を指で引いて操作部3を反時計方向に揺動させ、バルブステム6を傾倒させて液を噴出させているところを示している。図で39は操作レバー部34の付け根である。
以上の図示の例のほか、噴筒部と、トリガー部分が別体となっている多数レバー式と称せられるものも考案されている(例えば、特許文献1参照)ように、一体、別体は限定されるものではない。
【0003】
【特許文献1】特公平3−51468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来のトリガー式噴霧器用キャップにおいては、噴筒部31から直接操作レバー部34が形成されているので、指で操作レバー部34を引いたとき指が操作レバー部34の付け根の部分39(図6)のところに入りこんでしまい、小さな力では操作しにくくなる。また噴霧オリフィス38より噴射された薬液が垂れて指にかかりやすいなどの欠点も免かれなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は前記の欠点を解消するために、噴霧器用キャップの操作レバー部を指で引いたとき指が操作レバー部の付け根のところに入り込まないように、噴口部の下方から操作レバー部の上端部に亘る肉厚部を形成したり、噴口部の下方および/又は操作レバー部の上端部に突部を設けたり、あるいは操作レバー部に指掛部を形成したトリガー式噴霧器用キャップを得たものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明のトリガー式噴霧器用キャップは、上記のような構成であるので、噴霧器用容器を使用し、薬液を噴射するため、操作レバー部を指で引いたとき、指が付け根の部分に入り込まないので、小さい力でレバー操作ができ、さらに噴筒部と指とがある程度離れているので噴射されて垂れた薬液が指にかからない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図7は第1実施例を示し、操作部3の噴口部37の下方から操作レバー部34の上端部に亘って肉厚部50が形成されている。
図8は第2実施例を示し、噴口部37の下方に突部51が設けられている。図9は第3実施例を示し、噴口部37の下方と、操作レバー部34の上端近くとに突部52,53が夫々設けられている。
図10は第4実施例を示し、操作レバー部34の上端近くに2個の突部54,55が設けられている。
図11は第5実施例を示し、操作レバー部34の先端部分に指掛部56が形成されている。図12は第6実施例を示し、操作レバー部34の中央部分の適所に指掛部57が形成されている。
この発明において、突部、肉厚部等の形状としては四角状、丸状等任意の形状でよく、又厚みや大きさにおいても、操作者の指がレバー操作中に付け根のところに入り込まない程度の大きさがあればよく、突部の数も1つでも複数でも任意である。
【0008】
この発明のトリガー式噴霧器用キャップは前記の如き構成であって、噴霧器用容器を使用するに際して操作レバー部を指で引いたときに指が操作レバー部の付け根に入り込まないので小さな力で操作レバー部を引くことができ、又噴射された液が垂れても指にかかることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】噴霧器用容器の外観図
【図2】トリガー式噴霧器用キャップの断面図
【図3】操作部を取り出して示した側面図
【図4】図3をA方向からみた平面図
【図5】噴霧器用キャップのバージンシールを外した状態の断面図
【図6】同じく使用中の状態を示す図
【図7】この発明の第1実施形態の断面図
【図8】同じく第2実施形態の断面図
【図9】第3実施形態の断面図
【図10】第4実施形態の断面図
【図11】第5実施形態の断面図
【図12】第6実施形態の断面図
【符号の説明】
【0010】
10 噴霧器用容器
1 容器
2 キャップ部
3 操作部
4 カバー部
5 マウント
6 バルブステム
7 バージンシール
31 噴筒部
32 取付板
33 取付杆
34 操作レバー部
35 バルブステム挿嵌部
36 液通路
37 噴口部
38 噴霧オリフィス
39 レバーの付け根
41 支持リブ
42 保持切欠
50 肉厚部
51 突部
56 指掛部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧器用容器の、容器の上端部のマウントに嵌合されたカバー部と、
容器の上部に突き出したノズルステムに挿嵌され、かつカバー部に揺動可能に枢支された操作部とからなり、
操作部は操作レバー部を有しているトリガー式噴霧器用キャップにおいて、
操作部の前端に形成されている噴口部の下方から操作レバー部の上端部に亘る肉厚部が設けられていることを特徴とするトリガー式噴霧器用キャップ。
【請求項2】
噴霧器用容器の、容器の上端部のマウントに嵌合されたカバー部と、
容器の上部に突き出したノズルステムに挿嵌され、かつカバー部に揺動可能に枢支された操作部とからなり、
操作部は操作レバー部を有しているトリガー式噴霧器用キャップにおいて、
操作レバー部の上端部および/又は噴口部に突部が設けられていることを特徴とするトリガー式噴霧器用キャップ。
【請求項3】
前記の突部は噴口部の下方に設けられていることを特徴とする請求項2記載のトリガー式噴霧器用キャップ。
【請求項4】
前記の突部は操作レバー部の上端部と噴口部の下方とに夫々設けられていることを特徴とする請求項2記載のトリガー式噴霧器用キャップ。
【請求項5】
前記の突部は操作レバー部の上端部の噴口部側に設けられていることを特徴とする請求項2記載のトリガー式噴霧器用キャップ。
【請求項6】
噴霧器用容器の、容器の上端部のマウントに嵌合されたカバー部と、
容器の上部に突き出したノズルステムに挿嵌され、かつカバー部に揺動可能に枢支された操作部とからなり、
操作部は操作レバー部を有しているトリガー式噴霧器用キャップにおいて、
操作レバー部に指掛部を設けたことを特徴とするトリガー式噴霧器用キャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−312169(P2006−312169A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218539(P2006−218539)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願変更の表示】意願2005−31717(D2005−31717)の変更
【原出願日】平成8年2月8日(1996.2.8)
【出願人】(000100539)アース製薬株式会社 (191)
【Fターム(参考)】