説明

トリガー式噴霧器

【課題】簡単な操作で霧の粒径を変化させることができ、しかも噴霧器先端のノズル部分のごく一部の改良により目的を達成でき、製造上のコストの増加も極めて少なくてすむトリガー式噴霧器を提案する。
【解決手段】トリガーD操作により容器体内の液を先端のノズルより噴霧する如く構成したトリガー式噴霧器であって、ノズルBの噴出口24の裏面位置周囲に配置されたスピン機構を介して本体Aより噴出口24に至るスピン流路と、噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口して噴出口24に直接至る直進流路とを備え、ノズルBを本体Aに対して回動が可能に装着し、ノズルBの所定位置ではスピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞され、ノズルBを回転した所定回転位置に於いて直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出することで霧の粒径を大きくする切替機構を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトリガー式噴霧器に関し、詳しくは簡単な操作を行うことで噴霧する霧の粒径を変更することができるトリガー式噴霧器に関する。
【背景技術】
【0002】
トリガー式噴霧器として、揺動可能に設けたトリガーを引くことで内蔵ポンプ機構の作用で先端のノズルから液を噴霧するものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記トリガー式噴霧器は、ノズル内にポンプ内と連通する蓄圧弁を備え、一定圧以上になると蓄圧弁が開放され、その下流の噴出口近傍に設けたスピン機構を介して液を噴出させることで噴出口より霧状に液を噴出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−204989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのトリガー式噴霧器において、用途によって霧の粒径が大きいものが相応しい場合もあり、また、小さい粒径が相応しいものもあり、従来はそれらの用途に相応した粒径の霧を噴霧するトリガー式噴霧器をそれぞれ用意していた。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、簡単な操作で霧の粒径を変化させることができ、しかも噴霧器先端のノズル部分のごく一部の改良により目的を達成でき、製造上のコストの増加も極めて少なくてすむトリガー式噴霧器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、トリガーD操作により容器体内の液を先端のノズルより噴霧する如く構成したトリガー式噴霧器であって、ノズルBの噴出口24の裏面位置周囲に配置されたスピン機構を介して本体Aより噴出口24に至るスピン流路と、噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口して噴出口24に直接至る直進流路とを備え、ノズルBを本体Aに対して回動が可能に装着し、ノズルBの所定位置ではスピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞され、ノズルBを回転した所定回転位置に於いて直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出することで霧の粒径を大きくする切替機構を設けた。
【0008】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、本体Aの流路先端にエレメントEを介して固定したスピンアダプターGと、スピンアダプターG周囲に回動可能に密嵌させた噴出口筒部23の前壁21a 部分に上記スピン機構及び噴出口24を設けたノズルBとを備え、上記切替機構を、スピンアダプターGの周面前部に凹設したスピン機構に至る専用導入溝63と、スピンアダプターGの周面前部に凹設したスピン機構及び直進流路の両方に至る兼用導入溝64と、スピンアダプターGの前面中央に先端を開口し、後部が側方の兼用導入溝64に連通して直進流路を構成する連通孔66と、噴出口筒部23の後部内面の、先端部が専用導入溝63及び兼用導入溝64の各後端部に連通可能な位置に凹設し、ノズルBの所定位置では専用導入溝63と連通し、ノズルBの所定角度の回動位置では兼用導入溝64と連通する切替溝27とで構成した。
【0009】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、本体Aの流路先端に固定したエレメントEに対して回転可能に装着されたスピンアダプターGと、スピンアダプターG周囲に密嵌固定した噴出口筒部23の前壁21a 部分に上記スピン機構及び噴出口24設けたノズルBとを備え、上記切替機構を、スピンアダプターG前後を貫通する貫通孔67と、エレメントEから突設して貫通孔67の後部開口を開閉可能に閉塞する邪魔板47とで構成し、ノズルBの所定位置では邪魔板47が貫通孔67遮断して、スピンアダプターGの周囲からスピン機構25を介して噴出口24に至るスピン流路のみが開通し、ノズルBの所定角度の回動により邪魔板47が貫通孔67を開放して直進流路も開通する如く構成した。
【0010】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第3の手段に於いて、貫通孔67の先端開口が噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口し、後端開口を偏心位置に開口し、前方から後方に広がるテーパー状に形成した。
【0011】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれか一つの手段に於いて、スピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞されるノズルBの嵌合位置から、直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出するノズルBの嵌合位置までの、ノズルBの回動角度を規制する回動角度記載手段を設けた。
【0012】
第6の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第5の手段のいずれか一つの手段に於いて、スピン流路,直進流路の上流に一定圧以上で開弁する蓄圧弁を設けた。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スピン流路のみ開通している場合には、細かい霧の噴霧が可能であり、また、直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出することで霧の粒径を大きくすることができ、これらの切替をノズルBを回転させるという簡単な操作で行える切替機構を備えているため、取り扱いも極めて便利である。
【0014】
本体Aの流路先端にエレメントEを介して固定したスピンアダプターGと、スピンアダプターG周囲に回動可能に密嵌させた噴出口筒部23の前壁21a 部分に上記スピン機構及び噴出口24を設けたノズルBとを備え、上記切替機構を、スピンアダプターGの周面前部に凹設したスピン機構に至る専用導入溝63と、スピンアダプターGの周面前部に凹設したスピン機構及び直進流路の両方に至る兼用導入溝64と、スピンアダプターGの前面中央に先端を開口し、後部が側方の兼用導入溝64に連通して直進流路を構成する連通孔66と、噴出口筒部23の後部内面の、先端部が専用導入溝63及び兼用導入溝64の各後端部に連通可能な位置に凹設し、ノズルBの所定位置では専用導入溝63と連通し、ノズルBの所定角度の回動位置では兼用導入溝64と連通する切替溝27とで構成した場合には、上記した効果を有するとともに、構造が簡単で組み付けが容易である利点もある。
【0015】
本体Aの流路先端に固定したエレメントEに対して回転可能に装着されたスピンアダプターGと、スピンアダプターG周囲に密嵌固定した噴出口筒部23の前壁21a 部分に上記スピン機構及び噴出口24設けたノズルBとを備え、上記切替機構を、スピンアダプターG前後を貫通する貫通孔67と、エレメントEから突設して貫通孔67の後部開口を開閉可能に閉塞する邪魔板47とで構成し、ノズルBの所定位置では邪魔板47が貫通孔67遮断して、スピンアダプターGの周囲からスピン機構25を介して噴出口24に至るスピン流路のみが開通し、ノズルBの所定角度の回動により邪魔板47が貫通孔67を開放して直進流路も開通する如く構成した場合には、同様に上記した効果を有するとともに、この場合も構造が簡単で組み付けが容易である利点も兼ね備えている。
【0016】
貫通孔67の先端開口が噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口し、後端開口を偏心位置に開口し、前方から後方に広がるテーパー状に形成した場合には、後端開口を遮断する邪魔板47の大きさを制限でき、スピン流路、直進流路への液の円滑な導入ができる如きスペースの確保を余裕をもって行える。また、直進流路を進む液の噴射力をより大きくする利点もある。
【0017】
スピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞されるノズルBの嵌合位置から、直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出するノズルBの嵌合位置までの、ノズルBの回動角度を規制する回動角度記載手段を設けた場合には、霧の大小の切替を確実に行えるとともに、手の感触で行える利点がある。
【0018】
スピン流路,直進流路の上流に一定圧以上で開弁する蓄圧弁を設けた場合には、常時安定した液圧でスピン流路或いは、スピン流路と直進流路に液の導入を行えるため、常時安定した霧の状態を現出できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】トリガー式噴霧器の一部切欠側面図である。(実施例1)
【図2】スピン機構部分の背面図である。(実施例1)
【図3】スピンアダプターの斜視図である。(実施例1)
【図4】ノズル部分の拡大断面図である。(実施例1)
【図5】流路切替状態のノズル部分の拡大断面図である。(実施例1)
【図6】ノズル部分の拡大断面図である。(実施例2)
【図7】流路切替状態のノズル部分の拡大断面図である。(実施例2)
【図8】作用を説明する説明図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明トリガー式噴霧器の一例を示し、トリガー式噴霧器1は、本体Aの先端にノズルBを備えている。また、容器体口頸部(図示せず)に嵌合させる装着筒Cにより容器体に装着し、本体Aより揺動可能に垂設したトリガーDを引くことで、内臓ポンプ機構(図示せず)の作用で先端のノズルBより噴出する如く構成している。内蔵ポンプ機構等は従来のこの種のトリガー式噴霧器に使用されるている機構を採用できる。
【0022】
本発明において、ノズルBは、図4に拡大図で示す如く、本体Aの流路を形成する射出筒10の先端に回動可能に嵌合させており、その内部にはエレメントE、蓄圧弁体F、スピンアダプターGを内蔵している。
【0023】
射出筒10は先端の先端壁11の前面に小径シリンダ12を突設し、その外方に大径の支持筒13を突設している。小径シリンダ12内には中央部が棒状に突出したコイルスプリング係止用の突部14を突設し、先端壁11からこのコイルスプリング係止用の突部14を貫通する流路孔15を穿設している。
【0024】
ノズルBは、支持筒13外周に回動可能に嵌合させた回動筒20を備え、回動筒20前端の前壁21の周縁より外周壁22を延設している。また、前壁21の中央部には、前端部が前壁21を前方へ隆起状に突設した、噴出口筒部23を備えており、噴出口筒部23の前壁21a 中央に噴出口24を開口している。また、噴出口24の裏面位置周囲にはスピン機構25を刻設している。スピン機構25は、図2に示す如く、噴出口24の裏面周囲に湾曲した放射状凹部26を凹設している公知形態のもので、ここを液が通過して噴出口24より噴出された際に霧状に噴出される様に構成されている。噴出口筒部23の内面後部には切替機構を構成する切替溝27を凹設している。また、噴出口筒部23の外方に同心円状のシール筒28を突設している。
【0025】
エレメントEは、支持筒13の前半部に嵌合筒部40を回動不能に嵌着し、嵌合筒部40の内面後端部より内方へ延設したフランジ41を介して後方へ弁座筒42を延設し、また、フランジ41の基端部より支持筒13内面に嵌合させた大径シリンダ43を延設している。弁座筒42の内面には蓄圧弁座44を備え、後端部内面に突設した係止突条部分を含めた蓄圧弁座44後方位置には切欠45を穿設している。
【0026】
蓄圧弁体Fは、大径シリンダ43内周を摺動する大径摺動部50と小径シリンダ12内周を摺動する小径摺動部51を、前後に連設した環状基部52を備え、また、蓄圧弁座44に圧接する弁板53を備え、環状基部52と弁板53とを周方向複数の連結板54により一体に連結して構成している。そして、弁板53とコイルスプリング係止用の突部14との間にコイルスプリングsを介在させて常時蓄圧弁座44に弁板53を圧接している。
【0027】
スピンアダプターGは、柱状部60後端縁よりフランジ状部61を延設し、フランジ状部61をエレメントEのフランジ41前面位置において嵌合筒部40の内周面に嵌着固定している。嵌合筒部40の内周面に突設した嵌合凸部46をフランジ状部61の縁部に凹設した嵌合凹部62に嵌合させて回動不能に嵌着している。また、柱状部60外周には噴出口筒部23を回動可能に密嵌させている。
【0028】
スピンアダプターGの柱状部60の周面前部にはスピン機構に至る専用導入溝63と、スピン機構25及び直進流路の両方に至る兼用導入溝64とをそれぞれ一対ずつ凹設しており、後端部にはフランジ状部61に至る連通用切溝65を穿設している。兼用導入溝64は、該兼用導入溝64を介して直接スピン機構25に連通する流路と、スピンアダプターGの前面中央に先端を開口し、後部が側方の兼用導入溝64に連通して直進流路を構成する連通孔66を介して噴出口24に直接液を導入する流路との2系列を同時に開放する。
【0029】
本願発明では、霧の粒径を変化させることができる切替機構を備えている。この切替機構は、ノズルBの所定位置ではスピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞されており、ノズルBの回転により直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出することで霧の粒径を大きくする。スピン流路は、スピン機構を介して本体Aより噴出口24に至る流路であり、直進流路は、噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口して本体Aより噴出口24に直接至る流路である。
【0030】
図示例において切替機構は、専用導入溝63と、兼用導入溝64と、連通孔66と、上記切替溝27とで構成している。切替溝27は、噴出口筒部23の後部内面で、先端部が専用導入溝63及び兼用導入溝64の各後端部に連通可能な位置に凹設し、ノズルBの所定位置では専用導入溝63連通する位置にあり、ノズルBの所定角度の回動により兼用導入溝64に連通する位置に回動する如く構成している。
【0031】
上記の如く構成したトリガー式噴霧器1を使用する場合について説明する。図1の状態からトリガーDを引くと、内臓ポンプ機構の作用で射出筒10先端から小径シリンダ12及び大径シリンダ43内に液が導入され、ここで、大径摺動部50と小径摺動部51との径差で生じる圧力により蓄圧弁体Fが上流側に押圧され、コイルスプリングsの付勢力に抗して蓄圧弁が開き、加圧液がその下流に導入される。
【0032】
その際、図4に示す如く、ノズルBの切替溝27が専用導入溝63と連通している場合には、加圧液は連通用切溝65から切替溝27、専用導入溝63をとおりスピン機構を介して噴出口24より霧として噴霧される。この際に霧は相対的に細かい粒径をなしている。
【0033】
次に、図4の状態からノズルを図5の状態に回転させた後、再びトリガーDを引いて液の噴出を行えば、加圧液は連通用切溝65から切替溝27、兼用導入溝64を通りスピン機構25を介して噴出口24より噴霧される流路と、切替溝27から兼用導入溝64を介して連通孔66の先端開口から直接噴出口24にいく流路との二つの流路が同時に形成され、スピン機構25を介するスピン流路では図4の場合と同様に霧状の噴霧が行われるが、同時に噴出される直進流路の液の同時噴出で霧の粒径が相対的に大きくなる。
【0034】
図6乃至図8は他の例を示すもので、図1の例において、主としてエレメントE、スピンアダプターGの構造が変更している。エレメントEは、図1の例に於ける嵌合筒部40、フランジ41、蓄圧弁座44付きの弁座筒42、大径シリンダ43、切欠45に関しては同様の構成を備えている。本例の場合にはこれに加え、エレメントEのフランジ41の内面より邪魔板47を突設している。この邪魔板47はスピンアダプターGの直進流路を開閉するためのものであり、図示例では、図8に示す如く三角形状をなしている。また、スピンアダプターGには貫通孔67設け、その外周前部には専用導入溝63を凹設し、ノズルBの噴出口筒部23の後部内面には切替溝に代えて固定溝29を凹設し、両者を連通させている。貫通孔67は先端開口が噴出口24後方の噴出口24の軸線上に開口し、また、後端開口は偏心位置に開口している。また、先端開口は小径で後端開口は大径であり、テーパー状に後部より前方に向かって縮径している。
【0035】
また、スピンアダプターGのフランジ状部61の周縁部に沿って所定角度凹設した摺動用凹部68を設け、エレメントEの嵌合筒部40内面から突設した摺動突部48を摺動用凹部68に摺動可能に嵌合させ、スピンアダプターGの回動を規制している。その他の構成は図1に示す例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0036】
上記の如く構成したトリガー式噴霧器1を使用する場合について説明する。図1の状態からトリガーDを引くと、内臓ポンプ機構の作用で射出筒10先端から小径シリンダ12及び大径シリンダ43内に液が導入され、ここで、大径摺動部50と小径摺動部51との径差で生じる圧力により蓄圧弁体Fが上流側に押圧され、コイルスプリングsの付勢力に抗して蓄圧弁が開き、加圧液がその下流に導入される。
【0037】
その際、図6に示す如く、貫通孔67の後部開口を邪魔板47が遮断している場合には、加圧液は連通用切溝65から固定溝29、専用導入溝63を通りスピン機構25を介して噴出口24より霧として噴霧される。この際に霧は相対的に細かい粒径をなしている。
【0038】
次に、図6の状態からノズルを図7の状態に回転させた後、再びトリガーDを引いて液の噴出を行えば、加圧液は連通用切溝65から固定溝29、兼用導入溝64を通りスピン機構25を介して噴出口24より噴霧される流路と、貫通孔67を通りその先端開口から直接噴出口24にいく流路との二つの流路が同時に形成され、スピン機構を介するスピン流路では図6の場合と同様に霧状の噴霧が行われるが、同時に噴出される直進流路の液の同時噴出で霧の粒径が相対的に大きくなる。
【0039】
尚、図6の状態から図7の状態へのノズルBの回動の際、図6の状態では、図8(a) に示す如く、エレメントEの摺動突部48が摺動用凹部68の一端に当接する位置にあり、この状態から所定方向にノズルBを回動すると、ノズルBに固定されたスピンアダプターGが一緒に回動し、図8(b) に示す如く、摺動用凹部68の他端に当接する位置まで回動する。それにより貫通孔67の後部開口が開放されて直進流路が開通する。本例ではこの様な回動角度規制手段を設けている。
【符号の説明】
【0040】
1…トリガー式噴霧器
A…本体
10…射出筒,11…先端壁,12…小径シリンダ,13…支持筒,
14…コイルスプリング係止用の突部,15…流路孔
B…ノズル
20…回動筒,21…前壁,21a …噴出口筒部の前壁,22…外周壁,23…噴出口筒部, 24…噴出口,25…スピン機構,26…放射状凹部,27…切替溝,28…シール筒,
29…固定溝
C…装着筒
D…トリガー
E…エレメント
40…嵌合筒部,41…フランジ,42…弁座筒,43…大径シリンダ,44…蓄圧弁座,
45…切欠,46…嵌合凸部,47…邪魔板,48…摺動突部
F…蓄圧弁体
50…大径摺動部,51…小径摺動部,52…環状基部,53…弁板,54…連結板
G…スピンアダプター
60…柱状部,61…フランジ状部,62…嵌合凹部,63…専用導入溝,
64…兼用導入溝,65…連通用切溝,66…連通孔,67…貫通孔,68…摺動用凹部
s…コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリガーD操作により容器体内の液を先端のノズルより噴霧する如く構成したトリガー式噴霧器であって、ノズルBの噴出口24の裏面位置周囲に配置されたスピン機構を介して本体Aより噴出口24に至るスピン流路と、噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口して噴出口24に直接至る直進流路とを備え、ノズルBを本体Aに対して回動が可能に装着し、ノズルBの所定位置ではスピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞され、ノズルBを回転した所定回転位置に於いて直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出することで霧の粒径を大きくする切替機構を設けたことを特徴とするトリガー式噴霧器。
【請求項2】
本体Aの流路先端にエレメントEを介して固定したスピンアダプターGと、スピンアダプターG周囲に回動可能に密嵌させた噴出口筒部23の前壁21a 部分に上記スピン機構及び噴出口24を設けたノズルBとを備え、上記切替機構を、スピンアダプターGの周面前部に凹設したスピン機構に至る専用導入溝63と、スピンアダプターGの周面前部に凹設したスピン機構及び直進流路の両方に至る兼用導入溝64と、スピンアダプターGの前面中央に先端を開口し、後部が側方の兼用導入溝64に連通して直進流路を構成する連通孔66と、噴出口筒部23の後部内面の、先端部が専用導入溝63及び兼用導入溝64の各後端部に連通可能な位置に凹設し、ノズルBの所定位置では専用導入溝63と連通し、ノズルBの所定角度の回動位置では兼用導入溝64と連通する切替溝27とで構成した請求項1記載のトリガー式噴霧器。
【請求項3】
本体Aの流路先端に固定したエレメントEに対して回転可能に装着されたスピンアダプターGと、スピンアダプターG周囲に密嵌固定した噴出口筒部23の前壁21a 部分に上記スピン機構及び噴出口24設けたノズルBとを備え、上記切替機構を、スピンアダプターG前後を貫通する貫通孔67と、エレメントEから突設して貫通孔67の後部開口を開閉可能に閉塞する邪魔板47とで構成し、ノズルBの所定位置では邪魔板47が貫通孔67遮断して、スピンアダプターGの周囲からスピン機構25を介して噴出口24に至るスピン流路のみが開通し、ノズルBの所定角度の回動により邪魔板47が貫通孔67を開放して直進流路も開通する如く構成した請求項1記載のトリガー式噴霧器。
【請求項4】
貫通孔67の先端開口が噴出口24後方の噴出口24の軸線位置に開口し、後端開口を偏心位置に開口し、前方から後方に広がるテーパー状に形成した請求項3記載のトリガー式噴霧器。
【請求項5】
スピン流路のみ開通し且つ直進流路が閉塞されるノズルBの嵌合位置から、直進流路が開放されて、スピン流路と同時噴出するノズルBの嵌合位置までの、ノズルBの回動角度を規制する回動角度記載手段を設けた請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のトリガー式噴霧器。
【請求項6】
スピン流路,直進流路の上流に一定圧以上で開弁する蓄圧弁を設けた請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のトリガー式噴霧器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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