説明

トリップメータリセット装置

【課題】トリップメータのリセット忘れを回避し、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することを課題とする。
【解決手段】自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知し、所定の状況になったことが検知されたことを条件として、自車両に備えられたトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を自車両に備えられた所定の表示部に表示し、表示された選択画面の選択を受け付け、トリップメータをリセットするとの選択が受け付けられたことを条件として、トリップメータをリセットする。また、トリップメータの値を取得して保持し、リセットを取り消すとの選択が受け付けられたことを条件として、保持された値を所定の表示部および/またはトリップメータに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トリップメータリセット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に備えられたトリップメータは、燃費や目的地までの走行距離を運転者に把握させること等を目的として、燃料供給時や自宅から走行を開始する時等に、運転者によってリセットされるものである。もっとも、一般的に、トリップメータのリセットは、運転者によって任意に行われるものであることから、運転者がリセットをし忘れる「リセット忘れ」が発生するおそれがある。このため、トリップメータの「リセット忘れ」を防止することを目的として、トリップメータのリセットを所定のタイミングで強制的に行う手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている手法では、トリップメータをリセットするリセット装置が、オイルケースや燃料タンクに設けられたスイッチにトリップメータを連動させることで、トリップメータを所定のタイミングで強制的にリセットする。また、例えば、特許文献2に開示されている手法では、リセット装置が、燃料タンクの蓋が開いたことと燃料タンクが満杯の状態になったこととを検知すると、トリップメータを強制的にリセットする。
【0004】
【特許文献1】特開平8−201104号公報
【特許文献2】特開平9−138138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の技術では、以下に説明するように、トリップメータのリセット忘れを回避することはできても、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避できないという課題があった。すなわち、特許文献1や特許文献2に開示されている手法は、トリップメータのリセットを所定のタイミングで強制的に行う手法であることから、確かにトリップメータのリセット忘れを回避することはできるが、利用者の所望しないタイミングであってもリセットが強制的に行われてしまうことになる。
【0006】
そこで、この発明は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能であり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能なトリップメータリセット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るトリップメータリセット装置は、自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知する検知手段と、前記検知手段によって前記状況になったことが検知されたことを条件として、前記自車両に備えられたトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を当該自車両に備えられた所定の表示部に表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された前記選択画面の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって前記トリップメータをリセットするとの選択が受け付けられたことを条件として、当該トリップメータをリセットするリセット手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知し、所定の状況になったことが検知されたことを条件として、自車両に備えられたトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を自車両に備えられた所定の表示部に表示し、表示された選択画面の選択を受け付け、トリップメータをリセットするとの選択が受け付けられたことを条件として、トリップメータをリセットするので、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、トリップメータの値を取得して保持し、トリップメータがリセットされたことを条件として、リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面を所定の表示部に表示し、取消選択画面の選択を所定の表示部において受け付け、リセットを取り消すとの選択が受け付けられたことを条件として、保持された値を所定の表示部および/またはトリップメータに表示するので、上記の効果に加えて、トリップメータのリセットを取り消すことが可能になる。
【0010】
また、請求項3の発明によれば、自車両に備えられた複数のトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面をトリップメータごとに表示し、トリップメータごとに表示された選択画面の選択をトリップメータごとに受け付け、複数のトリップメータの内、選択が受け付けられた所定のトリップメータをリセットするので、上記の効果に加えて、自車両に複数のトリップメータが備えられている場合にも、個々のトリップメータについて、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0011】
また、請求項4の発明によれば、複数のトリップメータの内の所定のトリップメータをリセットするとの選択が受け付けられた場合に、所定のトリップメータを識別する識別情報を保持し、保持された識別情報から識別される所定のトリップメータに関する選択画面を表示し、表示された所定のトリップメータに関する選択画面の選択を受け付けるので、上記の効果に加えて、基準となるトリップメータを識別し、基準となるトリップメータについて、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0012】
また、請求項5の発明によれば、選択画面を表示させるか否かを選択させる表示選択画面を所定の表示部に表示し、表示選択画面の選択を所定の表示部において受け付け、選択画面を表示させるとの選択が受け付けられた場合には、選択画面を表示し、選択画面を表示させないとの選択が受け付けられた場合には、選択画面を表示しないので、上記の効果に加えて、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面の表示の要否が、カスタマイズ可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るトリップメータリセット装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、実施例で用いる主要な用語、実施例1に係るトリップメータリセット装置の概要および特徴、実施例1に係るトリップメータリセット装置の構成および処理の手順を順に説明し、最後に実施例1の効果を説明する。
【実施例1】
【0014】
[用語の説明]
最初に、以下の実施例で用いる主要な用語を説明する。「トリップメータ」とは、車両に備えられたメータの一種である。一般的に、「トリップメータ」は、運転席のインパネ(インスツルメントパネル:Instrumental Panel)の内部に備えられ、「356.1km」等の値を液晶画面等に表示するものである。また、一般的に、「トリップメータ」は、「トリップメータ」の値をリセットするリセットボタンをインパネの内部に備えており、リセットボタンが運転者等によって押下されると、「トリップメータ」は、「トリップメータ」の値をリセットして「0.0km」等の値を表示する。
【0015】
かかる「トリップメータ」は、燃費や目的地までの走行距離を運転者に把握させること等を目的として、燃料供給時や自宅から走行を開始する時等に「リセット」されるものである。具体的に例を挙げて説明すると、例えば、燃料供給時に「リセット」されてから走行した車両の「トリップメータ」の値が、次の燃料供給時に「356.1km」である場合には、燃料供給の値「40L」等で除算することによって、「8.9km/1L」という燃費が運転者に把握されることになる。また、例えば、自宅から走行を開始する時に「リセット」されてから走行した車両の「トリップメータ」の値が、目的地到着時に「100.5km」である場合には、目的地までの走行距離が「100.5km」であったことが運転者に把握されることになる。
【0016】
このように、「トリップメータ」は、利用者の所望するタイミングで「リセット」されることで利用者に有益な情報を提供するものである。しかしながら、インパネの内部に備えられたリセットボタンが運転者等によって押下されることで「トリップメータ」が「リセット」される手法では、リセット忘れを回避することができず、また、装置が所定のタイミングで強制的に「トリップメータ」を「リセット」する手法では、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避できない。このため、本発明に係る「トリップメータリセット装置」が、どのような方法でどのようなタイミングで「トリップメータ」を「リセット」するかが重要になる。
【0017】
[実施例1に係るトリップメータリセット装置の概要および特徴]
次に、図1を用いて、実施例1に係るトリップメータリセット装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係るトリップメータリセット装置の概要および特徴を説明するための図である。
【0018】
実施例1に係るトリップメータリセット装置は、トリップメータをリセットすることを概要とし、トリップメータのリセット忘れを回避し、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することを主たる特徴とする。
【0019】
この主たる特徴について簡単に説明すると、図1に示すように、実施例1に係るトリップメータリセット装置は、まず、自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知する。例えば、トリップメータリセット装置は、図1の(1)に示すように、燃料給油時に燃料残量の増加を検知して、自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知する。また、例えば、トリップメータリセット装置は、自車両に別途備えられるナビゲーション装置等において取得されるGPS(全地球測位システム:Global Positioning System)情報によって自宅から走行を開始することを検知して、自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知する。なお、所定の状況として、上記の他に、ACC電源が「ON」の状態であることを併せて検知する場合や、トリップメータの値が「0」でないことを併せて検知する場合等、その他の条件を含めた所定の状況を検知する場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0020】
次に、トリップメータリセット装置は、所定の状況になったことが検知されたことを条件として、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を、自車両に備えられた所定の表示部に表示する。例えば、トリップメータリセット装置は、図1の(2)に示すように、「トリップメータをリセットしますか」と問い合わせる文章や、『する』のアイコンおよび『しない』のアイコン等で構成された選択画面を、自車両に備えられたディスプレイに表示する。
【0021】
そして、トリップメータリセット装置は、選択画面の選択を受け付ける。例えば、トリップメータリセット装置は、図1の(3)に示すように、『する』のアイコンが利用者によってクリックされることによって、選択をディスプレイにおいて受け付ける。なお、実施例1においては、トリップメータリセット装置が、選択画面の選択をタッチパネルディスプレイで受け付ける手法を説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、リモコンや他のボタン等から受け付ける手法にも、本発明を同様に適用することができる。
【0022】
続いて、トリップメータリセット装置は、トリップメータをリセットするとの選択が受け付けられたことを条件として、トリップメータをリセットする。例えば、トリップメータリセット装置は、図1の(4)に示すように、トリップメータの値が「356.1km」である場合に、トリップメータの値を「0.0km」にリセットする。
【0023】
このようなことから、実施例1に係るトリップメータリセット装置は、上記した主たる特徴の通り、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0024】
[実施例1に係るトリップメータリセット装置の構成]
続いて、図2〜図5を用いて、実施例1に係るトリップメータリセット装置の構成を説明する。図2は、実施例1に係るトリップメータリセット装置の構成を示すブロック図であり、図3〜図5は、表示部を説明するための図である。
【0025】
図2に示すように、実施例1に係るトリップメータリセット装置10は、車両1のCAN(コントロールエリアネットワーク:Control Area Network)2に接続する。ここで、CAN2とは、車両1に敷設されたネットワークのことである。CAN2は、図2に示すように、トリップメータリセット装置10の他に、艤装系制御部20や車両系制御部40、図示しないその他の制御部等にも接続され、制御部間や装置間の情報の伝達を行う。なお、図2では、一つのバスから構成されたCAN2を例示するが、本発明はこれに限られるものではなく、用途別の複数のバスから構成されたCAN2にも、本発明を同様に適用することができる。
【0026】
また、実施例1において、トリップメータリセット装置10は、図2に示すように、ナビゲーション装置50と接続している。また、艤装系制御部20は、図2に示すように、トリップメータ表示部30と接続している。以下では、まず、本発明に係るトリップメータリセット装置10以外の艤装系制御部20、トリップメータ表示部30、車両系制御部40、およびナビゲーション装置50から説明する。
【0027】
艤装系制御部20は、CAN2に接続し、車両1に備えられた電子機器等の制御を行う制御部群であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、メータ制御部20aを備える。メータ制御部20aは、車両1に備えられたメータを制御する部である。実施例1において、メータ制御部20aは、特に本発明に密接に関連するものとしては、トリップメータ表示部30を制御する。具体的には、メータ制御部20aは、車両系制御部40等から車両1の走行距離に関する情報を取得し、取得した情報をトリップメータ表示部30に送信し、トリップメータ表示部30に表示させるなどする。トリップメータ表示部30は、車両1に備えられたメータの一種である。具体的には、トリップメータ表示部30は、車両1の運転席のインパネの内部に備えられ、メータ制御部20aから送信された走行距離に関する情報を液晶画面等に表示するなどする。
【0028】
車両系制御部40は、CAN2に接続し、車両1の動作制御を行う制御部群である。具体的には、車両系制御部40は、エンジンの動作を制御するエンジン制御部、ブレーキの動作を制御するブレーキ制御部等を備え、車両1の走行距離に関する情報を取得し、取得した情報を艤装系制御部20のメータ制御部20aに送信するなどする。
【0029】
ナビゲーション装置50は、GPS受信機(図示略)が取得した車両1の位置情報や、VICS(Vehicle Information and Communication System)受信機(図示略)が取得した道路交通情報等を利用して、走行経路の設定および誘導を行う車載装置である。実施例1において、ナビゲーション装置50は、後述する状況検知部13aに接続し、車両1の位置情報を送信するなどするが、本発明はこれに限られるものではなく、後述する状況検知部13aが車両1の位置情報を用いずに状況検知を行う場合等には、ナビゲーション装置50は、本発明において必須なものではない。
【0030】
次に、本発明に係るトリップメータリセット装置10について説明する。実施例1に係るトリップメータリセット装置10は、図2に示すように、表示部11と、記憶部12と、制御部13とから主に構成される。
【0031】
表示部11は、車両1に備えられたディスプレイ等である。具体的には、表示部11は、車両1の運転席と助手席との間などに設置され、制御部13から送信された情報や、制御部13を介してナビゲーション装置50から送信された情報等を表示する。なお、表示部11は、特許請求の範囲に記載の「表示部」に対応する。
【0032】
例えば、表示部11は、図3に示すような情報を表示する。図3は、後述する選択画面表示部13bによって送信された選択画面を、表示部11がディスプレイに表示した一例を示すものである。図3に示すように、表示部11は、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面として、「トリップメータをリセットしますか」と問い合わせる文章や、『する』のアイコンおよび『しない』のアイコン等で構成された選択画面を表示する。なお、図3においては、問い合わせの文章やアイコン等の他に、『走行距離』や『前回リセット日時』を表示している。これは、例えば、トリップメータリセット装置10が、車両系制御部40や艤装系制御部20のメータ制御部20aから走行距離に関する情報を取得し、取得した走行距離に関する情報を記憶部12に記憶し、記憶した情報を表示部11が選択画面の一部として表示した場合等を想定したものであるが、本発明において必須なものではない。
【0033】
また、例えば、表示部11は、図4に示すような情報を表示する。図4は、後述する選択受付部13cによって選択を受け付けられた後の画面を、表示部11がディスプレイに表示した一例を示したものである。図4に示すように、表示部11は、トリップメータのリセットが終了したことを示す画面として、「トリップメータをリセットしました」と報告する文章等で構成された画面を表示する。なお、実施例1においては、トリップメータリセット装置10が、トリップメータのリセットが終了したことを示す画面として図4の例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、計算された燃費の情報を表示したり、記憶部12に記憶された情報を図示したり、あるいは、終了したことを示す画面の替わりに選択画面の割り込み状態を解除するなど、いずれでもよい。
【0034】
また、例えば、表示部11は、図5に示すような情報を表示する。図5は、後述する表示選択画面表示部13eによって送信された表示選択画面を、表示部11がディスプレイに表示した一例を示すものである。図5に示すように、表示部11は、選択画面を表示するか否かを選択させる表示選択画面として、「トリップメータのリセット要否の表示」と問い合わせる文章や、『する』のアイコンおよび『しない』のアイコン等で構成された表示選択画面を表示する。
【0035】
記憶部12は、制御部13による各種処理に用いるデータを記憶する部である。具体的には、記憶部12は、制御部13において実行されるプログラム等を記憶するなどする。
【0036】
制御部13は、トリップメータリセット装置10を制御して各種処理を実行する部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、状況検知部13aと、選択画面表示部13bと、選択受付部13cと、リセット部13dと、表示選択画面表示部13eと、表示選択受付部13fとを備える。なお、状況検知部13aは、特許請求の範囲に記載の「検知手段」に対応し、選択画面表示部13bは、特許請求の範囲に記載の「表示手段」に対応し、選択受付部13cは、特許請求の範囲に記載の「受付手段」に対応し、リセット部13dは、特許請求の範囲に記載の「リセット手段」に対応し、表示選択画面表示部13eは、特許請求の範囲に記載の「表示選択画面表示手段」に対応し、表示選択受付部13dは、特許請求の範囲に記載の「表示選択受付手段」に対応する。
【0037】
状況検知部13aは、車両1の現在の状態が所定の状況になったことを検知する部である。具体的には、状況検知部13aは、予め定められた「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」を検知すると、検知したことを示す情報を選択画面表示部13bに送信するなどする。
【0038】
例えば、状況検知部13aは、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」として「燃料残量の増加」が予め定められている場合には、CAN2に接続された他の制御部等から送信された情報によって「燃料残量の増加」を検知する。また、例えば、状況検知部13aは、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」として「自宅から走行を開始すること」が予め定められている場合には、ナビゲーション装置50から送信された情報によって「自宅から走行を開始すること」を検知する。なお、実施例1においては、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」として、「燃料残量の増加」や「自宅から走行を開始すること」の場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」として予め定められ、状況検知部13aによって検知可能な場合であればいずれでもよい。また、所定の状況として、上記の他に、ACC電源が「ON」の状態であることを併せて検知する場合や、トリップメータの値が「0」でないことを併せて検知する場合等、その他の条件を含めた所定の状況を検知する場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0039】
選択画面表示部13bは、状況検知部13aによって「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」を検知されたことを条件として、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を表示部11に表示する部である。具体的には、選択画面表示部13bは、状況検知部13aから「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」を検知したことを示す情報を受信すると、選択画面を表示部11に表示する。
【0040】
例えば、選択画面表示部13bは、図3に示すような情報を表示部11に表示する。図3は、表示部11がディスプレイに表示した選択画面の一例を示すものである。図3に示すように、選択画面表示部13bは、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面として、「トリップメータをリセットしますか」と問い合わせる文章や、『する』のアイコンおよび『しない』のアイコン等で構成された選択画面を、表示部11に表示する。なお、実施例1においては、選択画面表示部13bが図3に示すような情報を表示部11に表示する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面であれば、いずれでもよい。
【0041】
選択受付部13cは、選択画面表示部13bによって表示された選択画面の選択を受け付ける部である。具体的には、選択受付部13cは、選択画面の選択を表示部11において受け付け、「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられた場合には、「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられたことを示す情報を、リセット部13dに送信するなどする。例えば、選択受付部13cは、図3に示すような選択画面において、『する』のアイコンが利用者によってタッチされることなどによって、選択を受け付ける。なお、実施例1においては、選択受付部13cが、選択画面の選択をタッチパネルディスプレイで受け付ける手法を説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、リモコンや他のボタン等から受け付ける手法にも、本発明を同様に適用することができる。
【0042】
リセット部13dは、選択受付部13cによって「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられたことを条件として、トリップメータをリセットする部である。具体的には、リセット部13dは、選択受付部13cから「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられたことを示す情報を受信すると、トリップメータをリセットする。例えば、リセット部13dは、艤装系制御部20のメータ制御部20aに、トリップメータをリセットする信号を送信するなどする。なお、実施例1においては、リセット部13dが、艤装系制御部20のメータ制御部20aを介してトリップメータをリセットする手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、直接トリップメータ表示部30に信号を送信する手法など、トリップメータをリセットする手法であれば、いずれでもよい。
【0043】
表示選択画面表示部13eは、選択画面表示部13bによって表示される選択画面を表示させるか否かを選択させる表示選択画面を表示部11に表示する部である。具体的には、表示選択画面表示部13eは、トリップメータリセット装置10の初期設定時などに、表示選択画面を表示部11に表示する。
【0044】
例えば、表示選択画面表示部13eは、図5に示すような情報を表示する。図5は、表示部11がディスプレイに表示した表示選択画面の一例を示すものである。図5に示すように、表示選択画面表示部13eは、選択画面を表示するか否かを選択させる表示選択画面として、「トリップメータのリセット要否の表示」と問い合わせる文章や、『する』のアイコンおよび『しない』のアイコン等で構成された表示選択画面を、表示部11に表示する。なお、実施例1においては、表示選択画面表示部13eが図5に示すような情報を表示部11に表示する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、選択画面を表示するか否かを選択させる表示選択画面であれば、いずれでもよい。
【0045】
表示選択受付部13fは、表示選択画面表示部13eによって表示された表示選択画面の選択を表示部11において受け付ける部である。具体的には、表示選択受付部13fは、表示選択画面の選択を表示部11において受け付け、「選択画面を表示させる」との選択が受け付けられた場合には、「選択画面を表示させる」との選択が受け付けられたことを示す情報を、選択画面表示部13bに送信するなどする。例えば、表示選択受付部13fは、図5に示すような表示選択画面において、『する』のアイコンが利用者によってタッチされることなどによって、選択を受け付ける。
【0046】
この結果、実施例1における選択画面表示部13bは、表示選択受付部13fによって「選択画面を表示させる」との選択が受け付けられた場合には、選択画面を表示部11に表示し、「選択画面を表示させない」との選択が受け付けられた場合には、選択画面を表示部11に表示しないことになる。
【0047】
[実施例1に係るトリップメータリセット装置の処理の手順]
次に、図6を用いて、実施例1に係るトリップメータリセット装置の処理の手順を説明する。図6は、実施例1に係るトリップメータリセット装置の処理の手順を示すフローチャートである。なお、実施例1においては、表示選択画面表示部13eによって表示選択画面がすでに表示部11に表示され、表示選択受付部13fによって「選択画面を表示させる」との選択がすでに受け付けられた場合を想定する。
【0048】
まず、トリップメータリセット装置10は、状況検知部13aにおいて、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」を検知したか否かを判定する(ステップS601)。検知していない場合には(ステップS601否定)、トリップメータリセット装置10は、状況検知部13aにおいて、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」を検知したか否かを判定する処理に戻る。
【0049】
一方、検知した場合には(ステップS601肯定)、トリップメータリセット装置10は、選択画面表示部13bにおいて、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を表示部11に表示する(ステップS602)。
【0050】
続いて、トリップメータリセット装置10は、選択受付部13cにおいて、選択画面表示部13bによって表示された選択画面の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS603)。受け付けていない場合には(ステップS603否定)、トリップメータリセット装置10は、選択受付部13cにおいて、選択画面表示部13bによって表示された選択画面の選択を受け付けたか否かを判定する処理に戻る。
【0051】
一方、受け付けた場合には(ステップS603肯定)、次に、トリップメータリセット装置10は、リセット部13dにおいて、選択受付部13cによって「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられたか否かを判定する(ステップS604)。「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられていない場合には(ステップS604否定)、トリップメータリセット装置10は、処理を終了する。
【0052】
一方、「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられた場合には(ステップS604肯定)、トリップメータリセット装置10は、リセット部13dにおいて、トリップメータをリセットする(ステップS605)。
【0053】
こうして、実施例1に係るトリップメータリセット装置10は、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0054】
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1によれば、自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知し、所定の状況になったことが検知されたことを条件として、自車両に備えられたトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を自車両に備えられた所定の表示部に表示し、表示された選択画面の選択を受け付け、トリップメータをリセットするとの選択が受け付けられたことを条件として、トリップメータをリセットするので、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0055】
また、実施例1によれば、選択画面を表示させるか否かを選択させる表示選択画面を所定の表示部に表示し、表示選択画面の選択を受け付け、選択画面を表示させるとの選択が受け付けられた場合には、選択画面を表示し、選択画面を表示させないとの選択が受け付けられた場合には、選択画面を表示しないので、上記の効果に加えて、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面の表示の要否が、カスタマイズ可能になる。
【実施例2】
【0056】
ところで、これまで実施例1として、「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられたことを条件としてトリップメータをリセットするトリップメータリセット装置10について説明したが、実施例2では、実施例1に係るトリップメータリセット装置10の機能に加えて、リセットを取り消す機能を備えたトリップメータリセット装置10について説明する。
【0057】
[実施例2に係るトリップメータリセット装置の構成]
まず、図7〜図9を用いて、実施例2に係るトリップメータリセット装置の構成を説明する。図7は、実施例2に係るトリップメータリセット装置の構成を示すブロック図であり、図8および図9は、表示部を説明するための図である。
【0058】
図7に示すように、実施例2に係るトリップメータリセット装置10は、実施例1に係るトリップメータリセット装置10が備える各部に加え(図2を参照)、記憶部12に、値保持部12aをさらに備え、制御部13に、リセット取消表示部13gと、リセット取消受付部13hと、値表示部13iとをさらに備える。なお、値保持部12aは、特許請求の範囲に記載の「値保持手段」に対応し、リセット取消表示部13gは、特許請求の範囲に記載の「取消表示手段」に対応し、リセット取消受付部13hは、特許請求の範囲に記載の「取消受付手段」に対応し、値表示部13iは、特許請求の範囲に記載の「値表示手段」に対応する。
【0059】
値保持部12aは、トリップメータの値を取得して保持する。具体的には、値保持部12aは、トリップメータの値を、艤装系制御部20のメータ制御部20aから取得したり、トリップメータ表示部30から直接取得するなどして保持し、保持したトリップメータの値は、後述する値表示部13iによる処理に利用されるなどする。例えば、値保持部12aは、選択画面表示部13bによって図3に示すような情報が表示部11に表示された場合には、トリップメータの値として、「356.1km」を保持するなどする。
【0060】
リセット取消表示部13gは、リセット部13dによってトリップメータがリセットされたことを条件として、リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面を表示部11に表示する部である。具体的には、リセット取消表示部13gは、リセット部13dからトリップメータがリセットされたことを示す情報を受信すると、取消選択画面を表示部11に表示する。
【0061】
例えば、リセット取消表示部13gは、図8に示すような情報を表示部11に表示する。図8は、表示部11がディスプレイに表示した取消選択画面の一例を示すものである。図8に示すように、リセット取消表示部13gは、リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面として、『リセットの取消』のアイコン等で構成された取消選択画面を、表示部11に表示する。なお、実施例2においては、リセット取消表示部13gが図8に示すような情報を表示部11に表示する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面であれば、具体的な画面の構成はいずれでもよい。
【0062】
リセット取消受付部13hは、リセット取消表示部13gによって表示された取消選択画面の選択を受け付ける部である。具体的には、リセット取消受付部13hは、取消選択画面の選択を表示部11において受け付け、「リセットを取り消す」との選択が受け付けられた場合には、「リセットを取り消す」との選択が受け付けられたことを示す情報を、値表示部13iに送信するなどする。例えば、リセット取消受付部13hは、図8に示すような取消選択画面において、『リセットの取消』のアイコンが利用者によってタッチされることなどによって、選択を受け付ける。なお、実施例2においては、リセット取消受付部13hが、取消選択画面の選択をタッチパネルディスプレイで受け付ける手法を説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、リモコンや他のボタン等から受け付ける手法にも、本発明を同様に適用することができる。
【0063】
値表示部13iは、リセット取消受付部13hによって「リセットを取り消す」との選択が受け付けられたことを条件として、値保持部12aによって保持された値を表示部11やトリップメータに表示する。具体的には、値表示部13iは、リセット取消受付部13hから「リセットを取り消す」との選択が受け付けられたことを示す情報を受信すると、値保持部12aによって保持された値を表示部11やトリップメータに送信するなどして表示する。
【0064】
例えば、値表示部13iは、値保持部12aによって保持された値を、図9に示すような画面で表示部11に表示する。なお、図9においては、「356.1km」の他に、『前回リセット日時』を表示している。これは、例えば、値保持部12aが、車両系制御部40や艤装系制御部20のメータ制御部20aから走行距離に関する情報を取得して保持する際に、リセット日時に関する情報も対応づけて保持した場合等を想定したものであるが、本発明において必須なものではない。
【0065】
[実施例2に係るトリップメータリセット装置の処理の手順]
次に、図10を用いて、実施例2に係るトリップメータリセット装置の処理の手順を説明する。図10は、実施例2に係るトリップメータリセット装置の処理の手順を示すフローチャートである。なお、実施例2においても、実施例1と同様、表示選択画面表示部13eによって表示選択画面がすでに表示部11に表示され、表示選択受付部13fによって「選択画面を表示させる」との選択がすでに受け付けられた場合を想定する。
【0066】
まず、トリップメータリセット装置10は、実施例1と同様、「自車両の現在の状態が所定の状況になったこと」を検知したか否かを判定し、トリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を表示部11に表示し、選択画面の選択を受け付けたか否かを判定し、「トリップメータをリセットする」との選択が受け付けられた場合には、トリップメータをリセットする(ステップS1001〜ステップS1005)。
【0067】
続いて、トリップメータリセット装置10は、実施例1と異なり、リセット取消表示部13gにおいて、リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面を表示部11に表示する(ステップS1006)。
【0068】
次に、トリップメータリセット装置10は、リセット取消受付部13hにおいて、リセット取消表示部13gによって表示された取消選択画面の選択を表示部11において受け付けたか否かを判定する(ステップS1007)。「リセットを取り消す」との選択が受け付けられていない場合には(ステップS1007否定)、トリップメータリセット装置10は、続いて、終了ボタンが選択されたか否かを判定し(ステップS1009)、終了ボタンが選択されている場合には(ステップS1009肯定)、処理を終了する。終了ボタンが選択されていない場合には(ステップS1009否定)、トリップメータリセット装置10は、リセット取消受付部13hにおいて、リセット取消表示部13gによって表示された取消選択画面の選択を表示部11において受け付けたか否かを判定する処理に戻る。
【0069】
一方、「リセットを取り消す」との選択が受け付けられた場合には(ステップS1007肯定)、トリップメータリセット装置10は、値表示部13iにおいて、値保持部12aによって保持された値を表示部11やトリップメータに表示する(ステップS1008)。
【0070】
こうして、実施例2に係るトリップメータリセット装置10は、実施例1の効果に加えて、トリップメータのリセットを取り消すことが可能になる。
【0071】
[実施例2の効果]
上記してきたように、実施例2によれば、トリップメータの値を取得して保持し、トリップメータがリセットされたことを条件として、リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面を所定の表示部に表示し、取消選択画面の選択を所定の表示部において受け付け、リセットを取り消すとの選択が受け付けられたことを条件として、保持された値を所定の表示部および/またはトリップメータに表示するので、実施例1の効果に加えて、トリップメータのリセットを取り消すことが可能になる。
【0072】
なお、例えば、現在、車両が複数のトリップメータを備え、複数のトリップメータを一つの液晶表示内で循環させることによって表示させる仕組みのトリップメータが多く利用されているが、このような仕組みのトリップメータでは、リセットする予定であったトリップメータが液晶表示内に表示されていないにも関わらず、運転者による誤った操作でリセットがなされ、結果として、異なるトリップメータをリセットしてしまうおそれがある。実施例2に係るトリップメータリセット装置によれば、このような場合にも、トリップメータのリセットを取り消し、トリップメータの値を復旧することが可能になる。
【実施例3】
【0073】
ところで、これまで実施例1および実施例2として、車両1にトリップメータ一つが備えられている事例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、車両1に複数のトリップメータが備えられている事例にも、本発明を同様に適用することができる。以下では、実施例3として、車両1に複数のトリップメータが備えられている事例について説明する。
【0074】
[実施例3に係るトリップメータリセット装置の構成]
まず、図11を用いて、実施例3に係るトリップメータリセット装置の構成を説明する。図11は、表示部を説明するための図である。
【0075】
実施例3に係るトリップメータリセット装置10は、実施例1に係るトリップメータリセット装置10とほぼ同様の各部を備えるが(図2を参照)、記憶部12に識別情報保持部12bをさらに備え、選択画面表示部13b、選択受付部13c、およびリセット部13dが、実施例1における選択画面表示部13b、選択受付部13c、およびリセット部13dに加えて、異なる機能を有する。
【0076】
識別情報保持部12bは、選択受付部13cによって複数のトリップメータの内の所定のトリップメータをリセットするとの選択が受け付けられた場合に、所定のトリップメータを識別する情報を保持する部である。具体的には、識別情報保持部12bは、選択受付部13cから「トリップメータAをリセットする」との選択が受け付けられたことを示す情報を受信すると、トリップメータAを識別する情報を保持し、保持した情報は、選択画面表示部13bによる処理などに利用される。
【0077】
選択画面表示部13bは、実施例1と同様の機能に加え、車両1に備えられた複数のトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面をトリップメータごとに表示部11に表示する部である。また、選択画面表示部13bは、識別情報保持部12bによって識別情報が保持されている場合には、識別情報保持部12bによって保持された識別情報から識別される所定のトリップメータに関する選択画面を表示する。
【0078】
例えば、選択画面表示部13bは、図11に示すような情報を表示部11に表示する。図11は、表示部11がディスプレイに表示した選択画面の一例を示すものである。図11に示すように、選択画面表示部13bは、複数のトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面として、「トリップメータAをリセットしますか」、「トリップメータBをリセットしますか」とトリップメータごとに問い合わせる文章や、トリップメータごとに『する』のアイコンおよび『しない』のアイコン等で構成された選択画面を、表示部11に表示する。なお、実施例3においては、選択画面表示部13bが図11に示すような情報を表示部11に表示する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、複数のトリップメータをリセットするか否かの選択画面をトリップメータごとに表示するのであれば、いずれでもよい。
【0079】
また、例えば、選択画面表示部13bは、識別情報保持部12bによって識別情報(トリップメータA)が保持されている場合には、識別情報から識別される所定のトリップメータ(トリップメータA)に関する選択画面を表示する。すなわち、図11の上半分に表示した選択画面のみを表示するなどする。
【0080】
選択受付部13cは、実施例1と同様の機能に加え、選択画面表示部13bによってトリップメータごとに表示された選択画面の選択をトリップメータごとに受け付ける部である。また、選択受付部13cは、識別情報保持部12bによって識別情報が保持されている場合には、識別情報保持部12bによって保持された識別情報から識別される所定のトリップメータに関して、選択画面表示部13bによって表示された選択画面の選択を所定の表示部において受け付ける部である。
【0081】
具体的には、選択受付部13cは、選択画面の選択をトリップメータごとに受け付け、「トリップメータAをリセットする」との選択が受け付けられた場合には、「トリップメータAをリセットする」との選択が受け付けられたことを示す情報を、リセット部13dに送信するなどする。例えば、選択受付部13cは、図11に示すような選択画面において、トリップメータAに対応する『する』のアイコンが利用者にタッチされることなどによって、選択を受け付ける。
【0082】
また、例えば、選択受付部13cは、識別情報保持部12bによって識別情報(トリップメータA)が保持されている場合には、所定のトリップメータ(トリップメータA)に関する選択のみを、表示部11において受け付ける。
【0083】
リセット部13dは、実施例1と同様の機能に加え、複数のトリップメータの内、選択受付部13cによって選択が受け付けられた所定のトリップメータをリセットする部である。具体的には、リセット部13dは、選択受付部13cから「トリップメータAをリセットする」との選択が受け付けられたことを示す情報を受信すると、トリップメータAをリセットする。
【0084】
[実施例3の効果]
上記してきたように、実施例3の発明によれば、自車両に備えられた複数のトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面をトリップメータごとに表示し、トリップメータごとに表示された選択画面の選択をトリップメータごとに受け付け、複数のトリップメータの内、選択が受け付けられた所定のトリップメータをリセットするので、実施例1の効果に加えて、自車両に複数のトリップメータが備えられている場合にも、個々のトリップメータについて、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【0085】
また、実施例3の発明によれば、複数のトリップメータの内の所定のトリップメータをリセットするとの選択が受け付けられた場合に、所定のトリップメータを識別する識別情報を保持し、保持された識別情報から識別される所定のトリップメータに関する選択画面を表示し、表示された所定のトリップメータに関する選択画面の選択を受け付けるので、実施例1の効果に加えて、基準となるトリップメータを識別し、基準となるトリップメータについて、トリップメータのリセット忘れを回避することが可能になり、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することが可能になる。
【実施例4】
【0086】
さて、これまで実施例1〜3に係るトリップメータリセット装置について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例4に係るトリップメータリセット装置として、異なる実施例を説明する。
【0087】
[システム構成等]
上記の実施例1〜3では、トリップメータリセット装置が、表示選択画面を所定の表示部に表示し、選択画面を表示させるか否かの選択を受け付ける手法(選択画面の表示の要否がカスタマイズ可能な手法)について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、トリップメータリセット装置が、表示選択画面を表示せず、選択画面を表示させるか否かの選択を受け付けない手法にも、本発明を同様に適用することができる。この場合には、トリップメータリセット装置において、常に選択画面を表示する運用がなされることが望ましい。
【0088】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示(例えば、図2など)の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0090】
なお、本実施例で説明したトリップメータリセット方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明に係るトリップメータリセット装置は、トリップメータをリセットすることに有用であり、特に、トリップメータのリセット忘れを回避し、かつ、利用者の所望しないタイミングでリセットしてしまうことを回避することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例1に係るトリップメータリセット装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1に係るトリップメータリセット装置の構成を示すブロック図である。
【図3】表示部を説明するための図である。
【図4】表示部を説明するための図である。
【図5】表示部を説明するための図である。
【図6】実施例1に係るトリップメータリセット装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施例2に係るトリップメータリセット装置の構成を示すブロック図である。
【図8】表示部を説明するための図である。
【図9】表示部を説明するための図である。
【図10】実施例2に係るトリップメータリセット装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】表示部を説明するための図である。
【符号の説明】
【0093】
1 車両
2 CAN
10 トリップメータリセット装置
11 表示部
12 記憶部
12a 値保持部
13 制御部
13a 状況検知部
13b 選択画面表示部
13c 選択受付部
13d リセット部
13e 表示選択画面表示部
13f 表示選択受付部
13g リセット取消表示部
13h リセット取消受付部
13i 値表示部
20 艤装系制御部
20a メータ制御部
30 トリップメータ表示部
40 車両系制御部
50 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在の状態が所定の状況になったことを検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記状況になったことが検知されたことを条件として、前記自車両に備えられたトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面を当該自車両に備えられた所定の表示部に表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された前記選択画面の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記トリップメータをリセットするとの選択が受け付けられたことを条件として、当該トリップメータをリセットするリセット手段と、
を備えたことを特徴とするトリップメータリセット装置。
【請求項2】
前記トリップメータの値を取得して保持する値保持手段と、
前記リセット手段によって前記トリップメータがリセットされたことを条件として、当該リセットを取り消すか否かを選択させる取消選択画面を前記所定の表示部に表示する取消表示手段と、
前記取消表示手段によって表示された前記取消選択画面の選択を前記所定の表示部において受け付ける取消受付手段と、
前記取消受付手段によって前記リセットを取り消すとの選択が受け付けられたことを条件として、前記値保持手段によって保持された値を前記所定の表示部および/または前記トリップメータに表示する値表示手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のトリップメータリセット装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記自車両に備えられた複数のトリップメータをリセットするか否かを選択させる選択画面をトリップメータごとに表示し、
前記受付手段は、前記表示手段によってトリップメータごとに表示された前記選択画面の選択をトリップメータごとに受け付け、
前記リセット手段は、前記複数のトリップメータの内、前記受付手段によって前記選択が受け付けられた所定のトリップメータをリセットすることを特徴とする請求項1または2に記載のトリップメータリセット装置。
【請求項4】
前記受付手段によって前記複数のトリップメータの内の所定のトリップメータをリセットするとの選択が受け付けられた場合に、当該所定のトリップメータを識別する識別情報を保持する識別情報保持手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記識別情報保持手段によって保持された前記識別情報から識別される前記所定のトリップメータに関する選択画面を表示し、
前記受付手段は、前記表示手段によって表示された前記所定のトリップメータに関する選択画面の選択を受け付けることを特徴とする請求項3に記載のトリップメータリセット装置。
【請求項5】
前記表示手段によって表示される前記選択画面を表示させるか否かを選択させる表示選択画面を前記所定の表示部に表示する表示選択画面表示手段と、
前記表示選択画面表示手段によって表示された前記表示選択画面の選択を前記所定の表示部において受け付ける表示選択受付手段とをさらに備え、
前記表示手段は、前記表示選択受付手段によって前記選択画面を表示させるとの選択が受け付けられた場合には、当該選択画面を表示し、前記表示選択受付手段によって前記選択画面を表示させないとの選択が受け付けられた場合には、当該選択画面を表示しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のトリップメータリセット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−139222(P2008−139222A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327578(P2006−327578)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】