説明

トリフェニルメタン保護基の除去方法

本発明は、トリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法に関する。本発明によるトリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法は、酸性のイオン交換樹脂を有機溶媒の存在下で使用することにより、腐食性の強い酸を使用する必要がなくて工程が安全であり、既存の無水メタノールのみを使用して反応する場合に比べ、反応時間が著しく短縮されるばかりか、副反応が殆ど発生せず、本発明で使用するイオン交換樹脂は、使用後、ろ過するだけで回収が可能であり、また再利用が可能であるため、大量工程上、優れた利点を有しており、工程改善の側面や経済的な側面で非常に優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の化学式2で表されるイルベサルタン(Irbesartan)、カンデサルタンシレキセチル(Candesartan cilexetil)、バルサルタン(Valsartan)、オルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)、プランルカスト(Pranlukast)、ロサルタン(Losartan)などは、下記の化学式1で表されるトリチル基で保護されたテトラゾールを有する中間体から塩酸、メタンスルホン酸、硫酸、パラ−トルエンスルホニル酸などを使用してトリチル基を除去することにより得られる。しかし、このような反応は、強い腐食性の酸を使用して反応するだけではなく、反応終結後、過量に使用した酸を除去するために、水を使用して除去する工程を経なければならず、部分的に再エステル化や開環のような副反応が生じたりもする。
【0003】
また、特許文献1及び特許文献2には、トリチル基を除去するために、一級アルコールを溶媒として、強いカリウムヒドロキシドを利用して除去するようにしているが、これも同様に、強い塩基を使用するだけではなく、副反応による副反応物を除去することが難しい。
【化1】

【化2】

【0004】
また、特許文献3によると、前記反応は、無水メタノール条件で酸を使用せずに反応するが、これは、反応時間が7時間から24時間の還流条件であって、非常に激しくて反応時間が非常に長く、反応収率も54%〜76%であって、高くないという短所を有している。
【0005】
したがって、本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服することができる新しい製造方法を開発するために、酸性のイオン交換樹脂を酸性条件の媒介体として利用し、トリフェニルメタン保護基を除去する方法を開発した。
【0006】
本明細書全体にかけて多数の特許文献及び論文が参照されて、その引用が表示されている。引用された特許文献及び論文の開示内容は、その全体が本明細書に参照として取り込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/061336号パンフレット
【特許文献2】国際公開第02/094816号パンフレット
【特許文献3】国際公開第05/021535号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、トリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法を提供することにある。
本発明者らは、多様な医薬品として使用される中間体が、トリフェニルメタン保護基で保護されたテトラゾールを含んでいることに着目し、トリフェニルメタン保護基を安全で且つ効率的に除去できる方法を研究し、その結果、酸性のイオン交換樹脂を有機溶媒の存在下で使用する場合、簡便で且つ効果的にトリフェニルメタン保護基を除去することができ、イオン交換樹脂は、使用後、ろ過のみで回収し、再利用が可能であって、大量工程においても非常に優れたトリフェニルメタン保護基の除去方法を開発することにより、本発明を完成した。
【0009】
本発明の他の目的及び利点は、発明の詳細な説明及び請求の範囲により、さらに明確にされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の様態によると、本発明は、(a)トリフェニルメタン保護基を有する化合物に酸性樹脂を接触させて、前記化合物からトリフェニルメタン保護基を除去する工程と、(b)前記トリフェニルメタン保護基が除去された化合物を分離する工程と、を含むトリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法を提供する。
【0011】
本発明者らは、多様な医薬品として使用される中間体が、トリフェニルメタン保護基で保護されたテトラゾールを含んでいることに着目し、トリフェニルメタン保護基を安全で且つ効率的に除去できる方法を研究し、その結果、酸性のイオン交換樹脂を有機溶媒の存在下で使用する場合、簡便で且つ効果的にトリフェニルメタン保護基を除去することができて、イオン交換樹脂は、使用後、ろ過のみで回収し、再利用が可能であって、大量工程上においても非常に優れたトリフェニルメタン保護基の除去方法を開発した。
【0012】
本発明は、「トリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法」と本明細書で表現されているが、これは、「トリフェニルメタン保護基を有する化合物からトリフェニルメタン保護基が除去された化合物の製造方法」とも表現できる。
【0013】
本発明の方法は、最初の工程として、トリフェニルメタン保護基を有する化合物に酸性樹脂を接触させて、前記化合物からトリフェニルメタン保護基を除去する。
【0014】
本明細書において、トリフェニルメタン保護基を有する化合物を言及しながら使用される用語「C〜C10アルキル」は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを含むが、これらに限定されるものではない。本明細書において、用語「アリール」は、全体的に又は部分的に不飽和された置換若しくは非置換のモノサイクリック又はポリサイクリック炭素環を意味し、好ましくは、モノアリール又はビアリールである。モノアリールは、炭素数5〜6を有することが好ましく、ビアリールは、炭素数9〜10を有することが好ましい。モノアリール、例えば、フェニルが置換される場合は、多様な位置で多様な置換体により置換がなされるが、好ましくは、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C〜C置換若しくは非置換の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、C〜C直鎖若しくは分岐鎖アルコキシ、アルキル置換スルファニル、フェノキシ、C〜Cシクロへテロアルキル又は置換若しくは非置換アミノ基により置換可能である。本明細書において、用語「ヘテロアリール」は、ヘテロサイクリック芳香族基であって、ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄原子を含む。用語「ニトロ」は、−NOを意味し、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、ブロム及びヨードを含むことを意味する。
【0015】
本明細書の化学式においてBを言及しながら使用される用語、「炭素環」は、4〜8個の炭素原子からなる非芳香族環状炭化水素ラジカルを意味し、5〜8個の炭素原子を含む環は、構造内に二重結合を含んでもよく、二つの環を形成してもよい。前記炭素環としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。用語「オキソ」は、置換体として二重結合で炭素原子に結合された酸素原子を意味し、用語「チオキソ」は、置換体として二重結合で炭素原子に結合された硫黄原子を意味する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明で使用されるトリフェニルメタン保護基を有する化合物は、テトラゾリル基を含む。好ましくは、本発明で使用されるトリフェニルメタン保護基を有する化合物は、下記化学式3又は4で表される化合物である:
【化3】

【化4】

式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキル、非置換又は置換されたアリール、非置換又は置換されたヘテロアリール又は−NR(R及びRは、それぞれ独立して、水素、−RCOR、−RCOOR、アルコキシ又は直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキルであり、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキル)であり、Bは、4〜8員の炭素環であって、前記員の少なくとも一つは、酸素、窒素又は硫黄原子であり、前記炭素環は、オキソ、チオキソ又はヒドロキシ基により置換可能であって、m及びnは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、「Ph」は、3個のフェニル基を示す。
【0017】
より好ましくは、前記化学式において、R及びRは、水素、非置換又は置換されたアリール、非置換又は置換されたヘテロアリール又は−NR(R及びRは、それぞれ独立して、水素、−RCOR、−RCOORであり、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキル)であり、Bは、4〜8員の炭素環であって、前記員の少なくとも一つは、酸素又は窒素原子であり、前記炭素環は、オキソ又はヒドロキシ基により置換可能であって、m及びnは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。
【0018】
最も好ましくは、本発明で使用されるトリフェニルメタン保護基を有する化合物は、トリフェニルメタン保護基を有するイルベサルタン(Irbesartan)、トリフェニルメタン保護基を有するカンデサルタンシレキセチル(Candesartan cilexetil)、トリフェニルメタン保護基を有するバルサルタン(Valsartan)、トリフェニルメタン保護基を有するオルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)、トリフェニルメタン保護基を有するプランルカスト(Pranlukast)及びトリフェニルメタン保護基を有するロサルタン(Losartan)からなる群から選択される。
【0019】
前記トリフェニルメタン保護基を有する化合物は、酸性樹脂に接触させてトリフェニルメタン保護基を除去する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、前記酸性樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂又は弱酸性陽イオン交換樹脂である。より具体的には、前記陽イオン交換樹脂は、ゲルタイプ又は多孔タイプである。本明細書において、用語「陽イオン交換樹脂」は、当業界で通常的にこの範疇に属すると理解されるイオン交換剤を意味し、例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia Of Chemical Technology, volume 14, pages 737−783(1995)に記載の「イオン交換」に記載されたことを意味する。強酸性陽イオン交換樹脂は、広いpH範囲で実質的に完全にイオン化された形態を維持する樹脂である。この特性は、弱酸性陽イオン交換樹脂とは明確に区別される特性であって、弱酸性陽イオン交換樹脂は、狭いpH範囲でイオン化された形態を維持するという特性がある。
【0021】
本発明に適する強酸性陽イオン交換樹脂は、重合体(例えば、ポリサッカライド)マトリックスにスルホ、スルホアルキル(例えば、スルホメチル、スルホエチル、スルホプロピル等)、ホスホ又はホスホアルキル作用基が結合されているものである。好ましくは、前記強酸性陽イオン交換樹脂は、スルホ又はスルホアルキル作用基を有して、最も好ましくは、スルホ基を有するものである。商業的に購入可能な強酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、S−Sepharose(Pharmacia)、SP−Sepharose(Pharmacia)、S−Sephadex(Pharmacia)、SP−Sephadex(Pharmacia)、SP−Toyopearl 550C(Tosoh)、SP−Toyopearl 550M(Tosoh)、SP−Toyopearl 650C(Tosoh)、SP−Toyopearl 650M(Tosoh)、TRILITE SCR−B(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SCR−04(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SCR−10(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SCR−12(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SMP 08(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SMP 12(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SMP 16(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SMP 20(Mitsubishi Chemical Co.)、TRILITE SMP28(Mitsubishi Chemical Co.)などが挙げられる。
【0022】
本発明に適する弱酸性陽イオン交換樹脂は、メタアクリル系又はアクリル系樹脂であって、末端にカルボキシル基又はカルボキシアルキル基が結合されているものである。最も好ましくは、前記弱酸性陽イオン交換樹脂は、カルボキシル基を有するものである。商業的に購入可能な弱酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、DIAION WK10(Mitsubishi Chemical Co.)、DIAION WK 11(Mitsubishi Chemical Co.)、DIAION WK 60L(Mitsubishi Chemical Co.)などが挙げられる。
【0023】
トリフェニルメタン保護基を有する化合物を陽イオン交換樹脂に接触させる工程は、多様な方法によって行うことができる。例えば、カラムクロマトグラフィー方式又はバッチ方式で行うことができる。カラムクロマトグラフィー方式によると、陽イオン交換樹脂で充填されたカラムにトリフェニルメタン保護基を有する化合物を通過させることにより、接触工程を行うことができる。バッチ方式によると、陽イオン交換樹脂とトリフェニルメタン保護基とを有する化合物を容器又は樹脂塔で混合するようにより、接触工程を行うことができる。本発明の実施容易性及びスケールアップ容易性を改善するために、前記工程(a)は、バッチ方式で行うことが好ましい。バッチ方式に従う場合、陽イオン交換樹脂の使用量としては、トリフェニルメタン保護基を有する化合物、即ち、出発物質に対する重量比率で、1当量〜10当量の範囲で使用することができ、1当量〜5当量の範囲が好ましく、1当量〜2当量範囲が最も好ましい。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によると、工程(a)で使用される樹脂は、酸で前処理されている。このような酸処理により、陽イオン交換樹脂の陰電荷にプロトンが結合するようになる。
【0025】
本発明に適した酸は、当業界に公知のいかなる強酸も可能であって、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩素酸、過塩素酸などが挙げられる。本発明に利用される強酸としては、塩酸が最も好ましい。
【0026】
前記陽イオン交換樹脂は、広いpH範囲にかけてイオン化された形態を維持する特性を有するが、本発明の目的を達成するために、工程(a)は、pH6以下の条件下で行われる。好ましくは、工程(a)は、pH0.5〜6.0、より好ましくは、pH0.5〜5.0、さらに好ましくは、pH0.5〜4.0、最も好ましくは、pH2.5〜4.0で行われる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によると、工程(a)は、溶媒の存在下で行われる。前記溶媒は、好ましくは、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、クロロホルム、1,3−ブチレングリコール、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、メチレンクロライド、トルエン、ジメチルアセトアミド及びこれらの組み合わせからなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒であり、より好ましくは、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、ジエチルエーテル、アセトニトリル、メチレンクロライド、トルエン、ジメチルアセトアミド及びこれらの組み合わせからなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒であって、最も好ましくは、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトニトリル、メチレンクロライド、ジメチルアセトアミド及びこれらの組み合わせからなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒である。
【0028】
前記反応における溶媒の使用量は、出発物質に対する容量比で、10倍〜30倍程度が好ましく、15倍程度が最も好ましい。反応温度は、使用される溶媒によって変わるが、常温から還流温度までが好ましく、40℃程度が最も好ましい。この際、反応時間は、基質によって1時間から12時間まで多様に行うことができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によると、工程(a)以後に、樹脂を回収する工程を更に含む。
【0030】
トリフェニルメタン保護基を有する化合物を容器に混合して、樹脂と接触させてトリフェニルメタン保護基を除去する反応を経た後、反応生成物をろ過して残った樹脂を溶媒(例えば、メタノール)で洗浄し、樹脂を回収することができ、回収した樹脂は、再利用が可能である。
【0031】
前記工程(a)において、トリフェニルメタン保護基を含む化合物からトリフェニルメタン保護基を除去した後、前記トリフェニルメタン保護基が除去された化合物を分離する工程を経る。トリフェニルメタン保護基が除去された化合物の分離は、前記工程(a)の反応混合物の中、固体成分、即ち、トリフェニルメタン保護基が結合されたまま残っている化合物及び樹脂をろ過して、残ったろ過液を減圧蒸留するか、減圧濃縮することにより収得することができる。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によると、工程(b)の結果物に溶媒を加えて沈殿させる工程を更に含む。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によると、前記溶媒は、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、クロロホルム、1,3−ブチレングリコール、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒であり、好ましくは、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、n−ヘキサン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒であって、最も好ましくは、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトン、n−ヘキサン、ジメチルアセトアミド及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒である。前記結果物を溶媒に沈殿させることにより、沈殿物形態としてトリフェニルメタン保護基が除去された化合物を収得することができ、必要な場合、前記沈殿物に溶媒を加え、加温又は攪拌させる工程をさらに含み、さらに純粋に精製することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によるトリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法は、a)酸性のイオン交換樹脂を有機溶媒の存在下で使用することにより、腐食性の強い酸を使用する必要がなくて工程が安全であり、b)既存の無水メタノールのみを使用して反応する場合に比べ、反応時間が著しく短縮されるばかりか、副反応が殆ど発生せず、c)本発明で使用するイオン交換樹脂は、使用後、ろ過するだけで回収が可能であり、また再利用が可能であるため、大量工程上、優れた利点を有しており、工程改善の側面や経済的な側面で非常に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。
【0036】
実施例1:プランルカストの製造
N−(4−オキソ−2−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−4H−クロメン−8−イル)−4−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミド(Pharmacostech)10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−Bゲルタイプ、Mitsubishi Chemical Co.)を10g入れて、5時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体をジメチルアセトアミド(dimethyl acetamide、DMAC)50mlに溶解した後、水溶液200mlを加えて1時間常温で攪拌した。得られた固体をろ過して乾燥した後、室温で5時間空気中に放置して、下記化学式5で表される標準化合物6.32g(収率:95%)を収得した:融点231〜233℃(分解)、H−NMR(DMSO−d,300MHz),δ1.9(m,4H),2,7(m,2H),4.0(t,2H),7.0(s,2H),7.1(s,1H),7.2−7.3(m,5H),7.6(t,1H),7.9(t,1H),8.0(m,2H),8.3(t,1H),10.0(bs,1H)。
【化5】

【0037】
実施例2:プランルカストの製造
N−(4−オキソ−2−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−4H−クロメン−8−イル)−4−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミド10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ、Mitsubishi Chemical Co.)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体をジメチルアセトアミド50mlに溶解した後、水溶液200mlを加えて1時間常温で攪拌した。得られた固体をろ過して乾燥した後、室温で5時間空気中に放置して、上記化学式5で表される標準化合物6.18g(収率:93%)を収得した:融点231〜233℃(分解)、H−NMR(DMSO−d,300MHz),δ1.9(m,4H),2,7(m,2H),4.0(t,2H),7.0(s,2H),7.1(s,1H),7.2−7.3(m,5H),7.6(t,1H),7.9(t,1H),8.0(m,2H),8.3(t,1H),10.0(bs,1H)。
【0038】
実施例3:プランルカストの製造
N−(4−オキソ−2−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−4H−クロメン−8−イル)−4−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミド10gにメタノール100mlとメチレンクロライド(MC)100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ)を10g入れて、12時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体をジメチルアセトアミド50mlに溶解した後、水溶液200mlを加えて1時間常温で攪拌した。得られた固体をろ過して乾燥した後、室温で5時間空気中に放置して、上記化学式5で表される標準化合物6.18g(収率:93%)を収得した:融点231〜233℃(分解)、H−NMR(DMSO−d,300MHz),δ1.9(m,4H),2,7(m,2H),4.0(t,2H),7.0(s,2H),7.1(s,1H),7.2−7.3(m,5H),7.6(t,1H),7.9(t,1H),8.0(m,2H),8.3(t,1H),10.0(bs,1H)。
【0039】
実施例4:イルベサルタン(Irbesartan)の製造
2−ブチル−3−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノン−1−エン(Pharmacostech)10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた半固体状態の物質をイソプロパノールで再結晶し、下記化学式6で表される標準化合物5.80g(収率:92%)を収得した:融点180〜181℃、H−NMR(DMSO−d,300MHz),δ0.77−0.82(t,3H),1.21−1.29(m,2H),1.41−1.51(m,2H),1.65(m,2H),1.81−1.83(m,6H),2.31−2.36(m,2H),4.67(s,2H),7.08(m,4H),7.52−7.70(m,4H)。
【化6】

【0040】
実施例5:イルベサルタン(Irbesartan)の製造
2−ブチル−3−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノン−1−エン10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE CMP−08多孔タイプ、Mitsubishi Chemical Co.)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた半固体状態の物質をイソプロパノールで再結晶し、上記化学式6で表される標準化合物5.90g(収率:93%)を収得した:融点180〜181℃、H−NMR(DMSO−d,300MHz),δ0.77−0.82(t,3H),1.21−1.29(m,2H),1.41−1.51(m,2H),1.65(m,2H),1.81−1.83(m,6H),2.31−2.36(m,2H),4.67(s,2H),7.08(m,4H),7.52−7.70(m,4H)。
【0041】
実施例6:イルベサルタン(Irbesartan)の製造
2−ブチル−3−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノン−1−エン10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE CMP−12多孔タイプ、Mitsubishi Chemical Co.)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた半固体状態の物質をイソプロパノールで再結晶し、上記化学式6で表される標準化合物5.90g(収率:93%)を収得した:融点180〜181℃、H−NMR(DMSO−d,300MHz),δ0.77−0.82(t,3H),1.21−1.29(m,2H),1.41−1.51(m,2H),1.65(m,2H),1.81−1.83(m,6H),2.31−2.36(m,2H),4.67(s,2H),7.08(m,4H),7.52−7.70(m,4H)。
【0042】
実施例7:カンデサルタンシレキセチル(Candesartan cilexetil)の製造
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキシレート(Pharmacostech)10gにメタノール100mlとメチレンクロライド(MC)100mlを加えた後、弱酸レジン(DIAION WK60L、Mitsubishi Chemical Co.)を10g入れて、12時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かした後、n−ヘキサンを加えて、下記化学式7で表される標準化合物6.73g(収率:94%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO−d),δ7.80(d,1H,J=6.02Hz),7.61−7.74(m,2H),7.46−7.57(m,3H),7.24(m,1H),6.92−7.05(m,4H),6.83(q,1H,J=5.31,5.49Hz),5.49(s,2H),4.56−4.66(m,3H),1.82(bs,2H),1.62(bs,2H),1.05−1.46(m,13H)。
【化7】

【0043】
実施例8:カンデサルタンシレキセチル(Candesartan cilexetil)の製造
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキシレート10gにメタノール100mlとメチレンクロライド(MC)100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE CMP−12多孔タイプ)を10g入れて、10時間常温で攪拌した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かした後、n−ヘキサンを加えて、上記化学式7で表される標準化合物6.08g(収率:85%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO−d),δ7.80(d,1H,J=6.02Hz),7.61−7.74(m,2H),7.46−7.57(m,3H),7.24(m,1H),6.92−7.05(m,4H),6.83(q,1H,J=5.31,5.49Hz),5.49(s,2H),4.56−4.66(m,3H),1.82(bs,2H),1.62(bs,2H),1.05−1.46(m,13H)。
【0044】
実施例9:カンデサルタンシレキセチル(Candesartan cilexetil)の製造
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキシレート10gにメタノール100mlとメチレンクロライド(MC)100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ)を10g入れて、5時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かした後、n−ヘキサンを加えて、上記化学式7で表される標準化合物6.22g(収率:87%)を収得した:H− NMR(300MHz,DMSO−d),δ7.80(d,1H,J=6.02Hz),7.61−7.74(m,2H),7.46−7.57(m,3H),7.24(m,1H),6.92−7.05(m,4H),6.83(q,1H,J=5.31,5.49Hz),5.49(s,2H),4.56−4.66(m,3H),1.82(bs,2H),1.62(bs,2H),1.05−1.46(m,13H)。
【0045】
実施例10:ロサルタン(Losartan)の製造
(2−ブチル−4−クロロ−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−イル)メタノール(Pharmacostech)10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ)を10g入れて、5時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた固体状態の物質をメタノール50mlに溶かした後、1.50gのカリウムバイカーボネート(KHCO)を加えて4時間還流した後、メタノールを減圧蒸留した。生成された固体を冷たい少量のアセトンで再結晶し、下記化学式8で表される標準化合物5.94g(収率:87%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO−d),δ7.55(m,1H),7.32−7.39(m,3H),7.13(d,2H,J=8.34),6.93(d,2H,J=8.34),5.23(s,2H),4.34(s,2H),2.51(t,2H,J=7.53),1.48(m,2H),1.26(m,2H),0.83(t,3H,J=7.27)。
【化8】

【0046】
実施例11:ロサルタン(Losartan)の製造
(2−ブチル−4−クロロ−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−イル)メタノール10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE CMP−12多孔タイプ)を10g入れて、5時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を0℃に冷却して、生成された固体をろ過して捨てて、減圧濃縮した。得られた固体状態の物質をメタノール50mlに溶かした後、1.50gのカリウムバイカーボネート(KHCO)を加えて4時間還流した後、メタノールを減圧蒸留した。生成された固体を冷たい少量のアセトンで再結晶し、上記化学式8で表される標準化合物6.02g(収率:89%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO−d),δ7.55(m,1H),7.32−7.39(m,3H),7.13(d,2H,J=8.34),6.93(d,2H,J=8.34),5.23(s,2H),4.34(s,2H),2.51(t,2H,J=7.53),1.48(m,2H),1.26(m,2H),0.83(t,3H,J=7.27)。
【0047】
実施例12:オルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)の製造
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−プロピル−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート(Pharmacostech)10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−Bゲルタイプ)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、下記化学式9で表される標準化合物6.63g(収率:95%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO),δ7.50−7.69(m,4H),7.03(d,2H,J=8.0Hz),6.85(d,2H,J=8.0Hz),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H),2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【化9】

【0048】
実施例13:オルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)の製造
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−プロピル−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート(Pharmacostech)10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、上記化学式9で表される標準化合物6.58g(収率:94%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO),δ7.50−7.69(m,4H),7.03(d,2H,J=8.0Hz),6.85(d,2H,J=8.0Hz),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H),2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【0049】
実施例14:オルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)の製造
N−(4−オキソ−2−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−4H−クロメン−8−イル)−4−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミド10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE CMP−12多孔タイプ)を10g入れて、12時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、上記化学式9で表される標準化合物6.58g(収率:94%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO),δ7.50−7.69(m,4H),7.03(d,2H,J=8.0Hz),6.85(d,2H,J=8.0Hz),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H),2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【0050】
実施例15:バルサルタン(Valsartan)の製造
(S)−3−メチル−2−(N−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)ペンタンアミド)ブタン酸(Pharmacostech)10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−Bゲルタイプ)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、下記化学式10で表される標準化合物5.78g(収率:90%)を収得した:H−NMR(300MHz,CD3OD),δ7.51−7.67(m,4H),7.00−7.25(m,4H),4.56−4.79(m,4H),2.14−2.69(m,3H),1.19−1.69(m,3H),0.78−1.01(m,9H),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H),2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【化10】

【0051】
実施例16:バルサルタン(Valsartan)の製造
(S)−3−メチル−2−(N−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)ペンタンアミド)ブタン酸10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE SCR−10ゲルタイプ)を10g入れて、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、上記化学式10で表される標準化合物5.85g(収率:91%)を収得した:H−NMR(300MHz,CD3OD),δ7.51−7.67(m,4H),7.00−7.25(m,4H),4.56−4.79(m,4H),2.14−2.69(m,3H),1.19−1.69(m,3H),0.78−1.01(m,9H),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H)2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【0052】
実施例17:バルサルタン(Valsartan)の製造
(S)−3−メチル−2−(N−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)ペンタンアミド)ブタン酸10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で前処理されたレジン(TRILITE CMP−12多孔タイプ)を10g入れて、12時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、上記化学式10で表される標準化合物5.65g(収率:88%)を収得した:H−NMR(300MHz,CD3OD),δ7.51−7.67(m,4H),7.00−7.25(m,4H),4.56−4.79(m,4H),2.14−2.69(m,3H),1.19−1.69(m,3H),0.78−1.01(m,9H),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H),2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【0053】
実施例18:再利用レジンを使用したオルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)の製造
前記実施例12で回収した固体ろ過物(レジン)にメタノール50ml及び濃い塩酸10mlを入れて、1時間還流した後、ろ過した。(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−プロピル−1−((2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート10gにメタノール100mlを加えた後、pH2〜3の塩酸で処理した固体(レジン)を入れた後、6時間還流した。反応混合物の中、固体成分をろ過して、これをメタノール100mlで洗浄し、ろ過液を減圧蒸留して得られた固体状態の物質を少量のアセトンに溶かして、n−ヘキサンを加え、上記化学式9で表される標準化合物6.28g(収率:90%)を収得した:H−NMR(300MHz,DMSO),δ7.50−7.69(m,4H),7.03(d,2H,J=8.0Hz),6.85(d,2H,J=8.0Hz),5.41(s,2H),5.22(s,1H),5.05(s,2H),2.50(s,2H),2.07(s,3H)。
【0054】
以上、本発明の特定な部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述は、ただ望ましい実施形態に過ぎず、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トリフェニルメタン保護基を有する化合物に酸性樹脂を接触させて、前記化合物からトリフェニルメタン保護基を除去する工程と、(b)前記トリフェニルメタン保護基が除去された化合物を分離する工程と、を含むトリフェニルメタン保護基を有する化合物のトリフェニルメタン保護基の除去方法。
【請求項2】
トリフェニルメタン保護基を有する化合物が、テトラゾリル基を含む化合物である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
トリフェニルメタン保護基を有する化合物が、下記化学式3又は化学式4で表される化合物である請求項1に記載の方法。
【化1】

【化2】

(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキル、非置換又は置換されたアリール、非置換又は置換されたヘテロアリール又は−NR(R及びRは、それぞれ独立して、水素、−RCOR、−RCOOR、アルコキシ又は直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキルであり、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキル)であり、Bは、4〜8員の炭素環であって、前記員の少なくとも一つは、酸素、窒素又は硫黄原子であり、前記炭素環は、オキソ、チオキソ又はヒドロキシ基により置換可能であって、m及びnは、それぞれ独立して、0〜10の整数である。)
【請求項4】
トリフェニルメタン保護基を有する化合物が、下記化学式3又は化学式4で表される化合物である請求項1に記載の方法。
【化3】

【化4】

(式中、R及びRは、水素、非置換又は置換されたアリール、非置換又は置換されたヘテロアリール又は−NR(R及びRは、それぞれ独立して、水素、−RCOR、−RCOORであり、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は直鎖若しくは分岐鎖のC〜C10アルキル)であり、Bは、4〜8員の炭素環であって、前記員の少なくとも一つは、酸素又は窒素原子であり、前記炭素環は、オキソ又はヒドロキシ基により置換可能であって、m及びnは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。)
【請求項5】
トリフェニルメタン保護基を有する化合物が、トリフェニルメタン保護基を有するイルベサルタン(Irbesartan)、トリフェニルメタン保護基を有するカンデサルタンシレキセチル(Candesartan cilexetil)、トリフェニルメタン保護基を有するバルサルタン(Valsartan)、トリフェニルメタン保護基を有するオルメサルタンメドキソミル(Olmesartan medoxomil)、トリフェニルメタン保護基を有するプランルカスト(Pranlukast)及びトリフェニルメタン保護基を有するロサルタン(Losartan)からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程(a)で使用される樹脂が、強酸性陽イオン交換樹脂又は弱酸性陽イオン交換樹脂である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
陽イオン交換樹脂が、ゲルタイプ又は多孔タイプである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
陽イオン交換樹脂が、作用基として、スルホ基、スルホアルキル基、ホスホ基、ホスホアルキル基、カルボキシル基又はカルボキシアルキル基作用基を含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)で使用される樹脂が、酸で前処理されている請求項1に記載の方法。
【請求項10】
酸が、pHが6以下である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程(a)が、溶媒の存在下で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
溶媒が、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、クロロホルム、1,3−ブチレングリコール、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、メチレンクロライド、トルエン、ジメチルアセトアミド及びこれらの組み合わせからなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)以後に、樹脂を回収する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)の結果物に溶媒を加えて沈殿させる工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記沈殿物に溶媒を加えて、加温又は攪拌させる工程を更に含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
溶媒が、水、C〜Cの無水若しくは含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、クロロホルム、1,3−ブチレングリコール、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒、又は前記溶媒と水の混合溶媒である請求項14又は15に記載の方法。

【公表番号】特表2012−506902(P2012−506902A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534364(P2011−534364)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/KR2008/007364
【国際公開番号】WO2010/067913
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(511108378)ファーマコステック カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】