説明

トルクセンサ装置

【課題】 外部ノイズの影響をなくすことができ、かつ、出力を大きくするできること。
【解決手段】 2個の磁気センサ3A,3B間の透磁率の高い材料からなる内側ヨーク4は、2個の磁気センサ3A,3Bに同一の外部ノイズを通過させ、かつ、互いに異なる軸方向に着磁された2極に対応して、2個の磁気センサ3A,3Bの出力で差動検出を行うものであるから、回転軸1の軸方向の外部ノイズが到来しても、2個の磁気センサ3A,3Bがそれを相殺でき、回転軸1とシールド部材との隙間から入った地磁気等の外部ノイズの影響をなくすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサ装置に関し、特に、回転軸に加えられるトルクを非接触で計測する磁気弾性トルク検出装置に関するものである。このトルクセンサ装置は、回転軸として、車両のステアリングシャフト、エンジンクランクシャフト、ドライブシャフト、電動機及び発電機の入力または出力シャフト、工作機械、搬送機械等のシャフトのトルクを検出するものであり、回転負荷の状態を検出するものに適用できるトルクセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のトルクセンサ装置は、測定されるトルクが「0」のとき、本質的に「0」を検出するようキャリブレーションを行い、測定されるトルクに応じてその方向と大きさとを変えるという特許文献1に記載のトルクセンサ装置がある。
【0003】
この特許文献1に記載のトルクセンサ装置は、回転軸に取付けられ、その回転軸に加えられるトルクは磁歪環に伝達され、その磁歪環に加えられたトルクは、磁歪環の円周方向の磁気方向性を偏向させ、円周方向及び軸方向の両成分を有する螺旋状の磁気方向性を発生する。その磁歪環と対向する所定の位置には、磁界ベクトルセンサが設けられており、磁歪環内の磁気の軸方向の成分から発生する磁界に対応するように方向付けられている。この磁界センサの出力は、回転軸に加えられて磁歪環に伝達されたトルクにより発生する磁歪環の磁気方向性の変化に比例するようになっている。
【0004】
この構成によって、特許文献1の発明は、トルクが「0」の状態の検出量の数値「0」が温度と、回転トルク部材の角度位置と、回転速度と、トルク部材及びそのトルク量検出手段の間の径方向又は長さ方向のエアギャップとによって実質的に影響されないトルクセンサ装置の出力が得られる。
【0005】
また、励磁電流もコイルも必要とせず、簡単で、低コストで製造可能であり、極めて信頼性の高いシステムに導入されるトルクセンサ装置とすることができる。そして、周辺の磁界に起因する検出磁界変化を避けるためのシールド構造の必要性を最小化または排除することができる。
【特許文献1】特表平9−511832
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の発明は、特許文献1に示されている磁気センサ2個がヨークの両端に配設され、シールド部材の配設が必須の要件となっており、外部ノイズの影響を外的手段によって解消している。即ち、2個の磁気センサを有していても、それらの磁気センサに入力される外部磁界の影響が無視できないことから、シールド部材を配設している。
【0007】
特許文献1に示されている磁気センサは、何れも、回転軸の周囲に配設されており、車両のステアリングシャフトに沿った方向に地磁気の流れが一致すると、回転軸とシールド部材との隙間から入った地磁気等の外部ノイズは、一方のみの磁気センサに影響を与える可能性が高い。また、仮に、同時に2個の磁気センサに外部ノイズが入っても、その2個の磁気センサの出力からノイズの影響をなくす対応策が講じられていないことから、その外部ノイズの影響をなくすことができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、これらの問題点を解消すべく、外部ノイズの影響をなくすことができ、かつ、検出出力を大きくすることができるトルクセンサ装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1にかかるトルクセンサ装置の磁歪環は、磁性体または非磁性体の何れかからなる回転軸に取付けられたもので、嵌め合い、圧入等の固着による取付方法が適用でき、特に、回転軸に両端を溶接等によって一体に固着され、回転軸の回転歪が磁歪環に伝達される構造であればよい。また、上記磁歪環は、互いに反対の回転方向、即ち、周方向に2極または2極以上に着磁され、互いに逆方向に着磁された区画を有し、回転方向に加えられるトルクによって、磁区の変化が発生するものであればよい。
【0010】
2個の磁気センサは、前記磁歪環の周囲に配設され、互いに異なる周方向に着磁された磁極の磁界を検出するものであれば、ホール素子、ホールIC、半導体MR等の使用が可能であり、通常、2個使用されるが、2個に限定されることなく3個以上の複数使用してもよい。
【0011】
また、2個の磁気センサ間に配設された内側ヨークは、前記磁歪環の周囲の全周乃至一部から磁気抵抗の低い、即ち、透磁率の高い材料で磁路を形成できればよい。環状または半円環状とされるのが好ましいが、小形化する場合には、直方体形状、例えば、板状とすることもできる。
【0012】
そして、2個の磁気センサ外に配設された外側ヨークは、前記内側ヨークと同様、前記磁歪環の周囲の全周乃至一部から磁気抵抗の低い、即ち、透磁率の高い材料で磁路を形成できればよい。好ましくは、環状または半円環状とされるが、小形化する場合には板状とすることもできる。
【0013】
請求項2の内側ヨークは、隣接する2個の磁気センサの磁路を形成するもので、別々のヨークで形成することもできるが、一体に形成することもできる。また、磁気センサと内側ヨークとを一体にすることにより、磁気抵抗を小さくすることができる。いずれにせよ、外部ノイズが2個の磁気センサを通過し易い磁気抵抗とする構造であればよい。
【0014】
請求項3の内側ヨークは、その厚みを厚くすると、磁極境界を跨ぐことになり、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さには、ロスが生じるものの、その断面積を大きくでき、磁気抵抗が低下するから、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができ、現実には、磁歪環の長さと磁気センサの位置によって、その厚みが決定される。
【0015】
請求項4の内側ヨークの断面略T字状の厚みは、厚いほど磁気抵抗が低下できる。しかし、断面略T字状の下端を磁極境界に設定されるものであるから、厚みが厚すぎると磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さのロスが生じてくる。
【0016】
請求項5の外側ヨークは、磁極端面から磁界を導くことになり、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さが最も有効的に使用できるように外側ヨークが配設でき、必要に応じて、その断面積も大きくできる。
【0017】
請求項6の外側ヨークは、断面略L字状の端部を磁極の外側端部に設定でき、他端を磁気センサに対向させ易い構造となる。このときの外側ヨークの厚みは、磁歪環の端部からはみ出しても良いので、任意の厚みに設定することができる。
【0018】
請求項7の外側ヨークは、前記磁歪環の端面の径よりも小径になるように形成されているから、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さが最も有効的に使用でき、かつ、必要に応じて、その断面積も大きくできるので磁気抵抗が低下する。前記磁歪環の端面の径よりも小径な外側ヨークは、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができればよいから、必ずしも、回転軸の径よりも小径にする必要性はない。
【0019】
請求項8の内側ヨーク及び外側ヨークは、磁歪環の外周との間の間隔を最小にできる。ここで、弧状にする範囲は、180度以下とすることができ、また、必要に応じて、180度以下の弧状を複数繋ぎ合わせ、360度の磁路を形成することもできる。そして、弧状に形成した反対側の面は、弧状を含め任意の形状にすることができる。
【0020】
請求項9の内側ヨーク及び外側ヨークの直方体は、大気中よりも磁気抵抗を低くするものであるから、磁歪環からの磁界を導くことができる。この場合には、2個の磁気センサ及び内側ヨーク及び外側ヨークの標準化が可能となる。なお、当該直方体は、その断面積が広いほど磁気抵抗を低くすることができるが、設置条件の磁歪環の着磁幅、間隙により、厚みが制限される。
【0021】
請求項10は、地磁気等の外部ノイズの磁界が、磁気抵抗の低い前記内側ヨークと外側ヨークと2個の磁気センサとの最短の直線距離を通過するから、2個の磁気センサの出力の差で相殺可能とする。ここで、内側ヨーク及び外側ヨークが前記回転軸の軸心に対する垂直平面に設定されておれば、2個の磁気センサの中心を通る直線が一直線状または略平行する位置で、かつ、前記回転軸の軸線に略平行する位置に設けられることを意味する。
【0022】
請求項11の突起は、前記内側ヨーク及び外側ヨークと前記磁気センサとの間の磁気抵抗を低く形成し、磁気センサに磁歪環の磁束の変化を漏れなく与えようとするもので、磁気センサの磁界の検出部分に対応して磁気抵抗が低くなり、磁束が集中するような構造であれば、その突出形状を問うものではない。
【0023】
請求項12の前記内側ヨーク及び前記外側ヨークの前記磁気センサに対向する側の前記突起は、地磁気等の外部ノイズの磁界が、2個の磁気センサを磁気抵抗の小さい直線位置を通過するから、2個の磁気センサの出力の差で相殺可能となる。したがって、内側ヨーク及び外側ヨークが前記回転軸の軸心に対する垂直平面に設定されておれば、2個の磁気センサの中心を通る直線が一直線状または略平行する位置で、かつ、突起の中心を通る直線が、前記回転軸の軸線に略平行する位置に設けられることを意味する。
【発明の効果】
【0024】
請求項1は、回転軸の軸方向の外部ノイズが到来しても、検出回路によって、2個の磁気センサの出力を、その差を取ることによって相殺できるから、回転軸とシールド部材との隙間から入った地磁気等の外部ノイズの影響をなくすことができる。更に、内側ヨーク及び外側ヨークによって磁歪環の磁化変化(磁界変化)を磁気センサにまで導くことができるので、前記磁歪環の磁化変化を的確に検出し、その検出変化量を大きくできる。
【0025】
請求項2は、請求項1に記載の効果に加えて、磁気抵抗を小さくすることができ、外部ノイズが2個の磁気センサを通過し易くなる。
【0026】
請求項3は、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、構造が簡単であり、特に、磁気抵抗が低下するから、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。
【0027】
請求項4は、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さを長くでき、しかも、両磁気センサの間の磁気抵抗を小さくでき、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。
【0028】
請求項5は、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さが最も有効的に使用できるように外側ヨークが配設でき、必要に応じて、その断面積も大きくでき、磁気抵抗が低下するから、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。
【0029】
請求項6は、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、断面略L字状の端部を磁極の外側端部に設定でき、他端を磁気センサに対向させ易い構造であり、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さを長くでき、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。また、外側ヨークの厚みは、磁歪環の端部からはみ出しても良いので、任意の厚みに設定することができ、磁気抵抗を任意に低下させることができる。
【0030】
請求項7は、請求項5または請求項6に記載の効果に加えて、磁歪環に形成した磁極の回転軸の軸方向の長さが最も有効的に使用でき、かつ、必要に応じて、その断面積も大きくでき、磁気抵抗が低下するから、磁歪環に形成した磁極から回転軸の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。また、外部ノイズを効率よく2個の磁気センサに通すものであり、他に漏らすことがないから、外部ノイズの相殺が容易である。
【0031】
請求項8は、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、内側ヨーク及び外側ヨークの磁歪環の対向面が弧状に形成されているから、磁歪環の周囲の径と略同心軸上の曲率にすることができ、内側ヨーク及び外側ヨークは磁歪環の外周との間の間隔を最小とする磁路を形成でき、磁気抵抗を小さくすることができる。また、磁歪環の外周から得られる磁界は弧状の対向面の長さの範囲から得られるから、安定した出力が得られる。そして、円環状ヨークを形成する場合には、組み付け性が良くなり、組み付け性が良くなるから、磁歪環の外周との間の間隔を最小として、磁路を形成することができるから、磁気抵抗を小さくすることができる。
【0032】
請求項9は、請求項1乃至請求項3、請求項5、請求項7及び請求項8の何れか1つに記載の効果に加えて、一体成形できるので、組付性が良くなり、また、磁気センサと内側ヨーク及び外側ヨークは一体にして規格化でき、特性のバラツキがでがたく、磁歪環の外径の影響を受け難くなるから、標準化が可能となる。
【0033】
請求項10にかかるトルクセンサ装置は、請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の効果に加えて、地磁気等の外部ノイズの磁界が2個の磁気センサを同時に通過し易い構造になるので、2個の磁気センサの出力の差で、それを相殺することが可能となる。
【0034】
請求項11は、請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の効果に加えて、前記2個の磁気センサを通る磁気抵抗を小さくし、地磁気等の外部ノイズの磁界が2個の磁気センサを同時に通過する確率を高くし、2個の磁気センサの出力の差で外部ノイズの影響を相殺することが可能となる。
【0035】
請求項12は、請求項11に記載の効果に加えて、前記2個の磁気センサを通る磁気抵抗を小さくし、地磁気等の外部ノイズの磁界が2個の磁気センサを同時に通過する確率を非常に高くし、2個の磁気センサの出力の差でそれを相殺することが可能となり、外部ノイズによる誤差を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0037】
なお、以下の各実施の形態において、共通する実施の形態の同一または相当する構成部分については、同一記号または同一符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0038】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置の全体構成を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置の全体構成を示す平面図、図3は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置の2個の磁気センサからの検出回路図である。図4は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置における実測特性図である。
【0039】
図1及び図2において、磁性体または非磁性体からなる回転軸1は、本実施の形態では、ステアリングシャフトであるが、本発明を実施する場合には、エンジンシャフト、ドライブシャフト、電動機及び発電機の入力または出力シャフト、工作機械、搬送機械等のトルクを伝達するシャフト等を対象とすることができる。回転方向に加えられるトルクによって磁化変化を発生する磁歪環2は、回転軸1に固着されるもので、互いに隣接し、かつ、互いに反対の回転方向、即ち、周方向に均等に2または3または4等のように複数極に着磁されている。この着磁は、普通は、少なくとも互いに反対の回転方向の2磁極が区画されるように着磁される。また、3以上の奇数または偶数極に複数着磁した場合は、その中から、互いに反対の回転方向に2極に着磁された磁化変化が使用される。即ち、磁歪環2は、互いに反対の回転方向、周方向に2極または2極以上互いに逆方向に着磁された区画の着磁部2A,2Bを有するもので、回転方向に加えられるトルクによって、着磁部2A,2Bの磁区の変化が略均等に発生するものであればよい。
【0040】
この磁歪環2は、回転軸1に対して嵌め合い、圧入等の固着による取付け方法が適用でき、特に、回転軸1に対して両端を溶接等によって一体に固着され、加えられるトルクに応じて回転軸1の周方向の応力が伝達されればよい。
【0041】
2個の磁気センサ3A,3Bは、磁歪環2の周囲に配設され、回転軸1の中心軸O−Oの長さ方向を意味する軸方向に離れて配設される。詳しくは、2個の磁気センサ3A,3Bは、互いに異なる軸方向の磁界を検出する着磁された磁極の各着磁部2A,2Bの間に対応して配設されるものである。これらの2個の磁気センサ3A,3Bの出力は、後述する差動回路からなる検出回路30に使用される。ここで、2個の磁気センサ3A,3Bは、同一特性のホール素子、ホールIC、半導体MR等の磁界によって出力が変化するセンサが使用できる。なお、本実施の形態の2個の磁気センサ3A,3Bは、2個の事例で説明するが、例えば、回転軸1の軸周りの対向する位置に更に2個配置することもできる。即ち、回転軸1の軸周りを複数分割し、そこに2個一対とした磁気センサを配設してもよいし、或いは3個以上の磁気センサとして、増幅率で調整することもできる。いずれにせよ、本発明を実施する場合には、本実施の形態の2個の磁気センサ3A,3Bには限定されるものでなく、複数個であればよい。
【0042】
そして、2個の磁気センサ3A,3B間で、磁歪環2の軸方向の略中央に配設された内側ヨーク4は、透磁率の高い材料からなり、磁気抵抗を低くすることにより、磁路を形成するものであり、断面略四角形で環状に形成され、回転軸1に微小間隙を形成して嵌め込まれ、前記回転軸1の周囲に配置される。
【0043】
更に、外側ヨーク5,6は、2個の磁気センサ3A,3Bの最も外側に配設され、一方の磁気センサ3Aまたは磁気センサ3Bと内側ヨーク4との間に磁路を形成する一対の透磁率の高い材料で磁気抵抗を低くすることにより、磁路を形成するものであり環状に形成され、内側ヨーク4と同様に回転軸1に微小間隙を形成して嵌め込まれ、前記回転軸1の周囲の内側ヨーク4の両側に配置される。
【0044】
内側ヨーク4と外側ヨーク5,6との間には、2個の磁気センサ3Aまたは磁気センサ3Bが配設されているから、結果的に、内側ヨーク4と外側ヨーク5,6とが均一幅でなくても、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bが配設されている箇所の磁気抵抗が低くなるから、内側ヨーク4、磁歪環2の着磁部2Aと外側ヨーク5、磁気センサ3Aを磁路とする磁気抵抗の低い磁気回路が形成され、また、内側ヨーク4、磁歪環2の着磁部2Bと外側ヨーク6、磁気センサ3Bを磁気回路とする磁気抵抗の低い磁気回路が形成される。
【0045】
図3において、2個の磁気センサ3Aと磁気センサ3Bとの出力は、差動増幅回路OPに入力し、そこで2個の磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの同一方向の磁界成分、即ち、互いに異なる磁極の磁界を検出する磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの出力を差として検出を行うことにより、外部ノイズを相殺し、入力抵抗とフィードバック抵抗fで決まる倍率の出力となる。なお、2個の磁気センサ3Aと磁気センサ3Bとの出力を差動増幅回路OPに入力し、その差分を検出する検出回路30は、本実施例に限定されるものではなく、具体的には、互いに異なる磁極の磁界を検出する2個の磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの出力を差として検出を行う他の公知の回路が使用できる。
【0046】
本実施の形態1においては、磁気抵抗が低い2個の磁気センサ3A,3Bが透磁率の高い材料からなる内側ヨーク4と外側ヨーク5,6の間に挟まれているから、磁気回路の抵抗が低い磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに同一の外部ノイズを通過させることになり、かつ、互いに異なる軸方向に着磁された磁歪環2の着磁部2Aと磁歪環2の着磁部2Bの2極に対応して、2個の磁気センサ3A,3Bの出力を差動検出するものであるから、回転軸1の軸方向の外部ノイズが到来しても、2個の磁気センサ3A,3Bの出力がそれを互いに打ち消し、回転軸1方向に入った地磁気等の外部ノイズの影響を両磁気センサ3A,3Bの出力の差で相殺することができる。また、内側ヨーク4と外側ヨーク5,6によって磁歪環2の磁化変化を磁気センサ3A,3Bにまで誘導できるので、磁歪環2の磁化変化を的確に検出し、その変化量を大きくすることができる。
【0047】
本実施の形態1は、図4の実測特性図に示すように、内側ヨーク4と外側ヨーク5,6によって磁界が均一化され、回転角度変化に伴うS/N比のばらつきが、図4の特定の角度0度の0%の乱れに対して、最大で±1%程度以下の乱れに抑制され、回転軸1の全周において略均一な特性となった。
【0048】
[実施の形態2]
図5は本発明の実施の形態2のトルクセンサ装置における実施例(a)乃至(d)の2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図である。図6は本発明の実施の形態2のトルクセンサ装置における実施例の2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの突起の正面構造を示す説明図である。
【0049】
図5の実施の形態においては、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bが内側ヨーク4と外側ヨーク5または外側ヨーク6の間で挟むことによって、その間の磁気抵抗を積極的に少なくするものである。なお、当然ながら、磁気抵抗を積極的に少なくするものであるから、説明のために図示した磁気センサ3A、磁気センサ3Bと内側ヨーク4、外側ヨーク5または外側ヨーク6の間の間隙は、接触または接合状態、微小間隔状態となっている。
【0050】
即ち、図5(a)の実施の形態においては、外側ヨーク5に突起5aを形成し、内側ヨーク4に突起4aを形成して、磁気センサ3Aとの間の磁気抵抗を低くしている。同様に、外側ヨーク6に突起6bを形成し、内側ヨーク4に突起4bを形成して、磁気センサ3Bとの間の磁気抵抗を低くしている。図5においては、例えば、外側ヨーク5の突起5aと内側ヨーク4の突起4aと磁気センサ3Aとの間には、間隙が設けられている。しかし、当該間隙はなくすことができる。同様に、外側ヨーク6に突起6bと内側ヨーク4の突起4bと磁気センサ3Bとの間の間隙もなくすことができる。以下省略するが、内側ヨーク4と外側ヨーク5,6との突起4a〜4h,5a〜5d,6a〜6dと磁気センサ3Bとの間の間隙は、一体に接合形成し、磁気抵抗を最小限に設定することができる。
【0051】
図5(a)の突起4a、4b,5a、6aは、端面を面取りした状態の面積を有するものであるが、本発明を実施する場合には、面取りしない端面とすることができる。また、図5(b)の突起4c、4d,5b、6bは、端面を半円柱(蒲鉾)状としたもので、縦線状に磁束密度を高くしたものである。そして、図5(c)の突起4e、4f,5c、6cは、端面を面取りした状態で絞り込んだものである。このように絞込みを行う場合には、磁気センサ3A,3Bの端面の磁束密度を端部の形状によって絞込むことができる。極端に絞込みを行う場合には、図5(d)のように、突起4g、4h,5d、6dの端面を線状に絞込むこともできる。このように絞込みを行う場合には、磁気センサ3A,3Bの端面の磁束密度を線状にシャープにすることができる。
【0052】
更に、突起4g、4h,5d、6dの構造は、図5に示す平面的のみでなく、図6に示すように、立体的に絞込みを行い、絞込み端部aaまたは絞込み端部bbとして形成すると、磁気センサ3A,3Bに入力する磁界の磁束密度をより高くすることができる。通常、磁気センサ3A,3Bに接合、接触のために対向する端面は、磁気センサ3A,3Bの外形に対して90〜60%程度の絞込みがなされる。このように、磁束密度を高くすると相対的にS/N比を上げることができる。
【0053】
因みに、実施の形態1に基づく図4の実測特性図を用いて説明すると、ヨークなしとヨークありとの比較において、本実施の形態においては、回転角度変化に伴うS/N比のばらつきが±1%以下の乱れに抑制され、回転軸1の全周において略均一な特性が得られる。ヨークなしの場合に比較して、1/5以下に低減していることが明確である。
【0054】
[実施の形態3,4]
図7(a)は本発明の実施の形態3のトルクセンサ装置における2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図及び図7(b)は側面配置構造を示す説明図である。図8(a)は本発明の実施の形態4のトルクセンサ装置における2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図及び図8(b)は側面配置構造を示す説明図である。
【0055】
図7において、本実施の形態においては、回転軸1に嵌め込まれるものではなく、回転軸1が組み付けられた状態で、半円環状内側ヨーク4A,4B、半円環状外側ヨーク5A,5B、半円環状外側ヨーク6A,6Bを後付することができる。具体的には、2個の磁気センサ3A及び磁気センサ3B、半円環状内側ヨーク4Aと半円環状外側ヨーク5Aと半円環状外側ヨーク6Aが樹脂等で一体にモールドされ、また、半円環状内側ヨーク4Bと半円環状外側ヨーク5Bと半円環状外側ヨーク6Bが樹脂等で一体にモールドされ、それらを各々回転軸1の周りに固着することによって、回転軸1に組み付けられる。したがって、本実施の形態は、組み付け作業性をよくすることができる。なお、これらのモールドは、更に信頼性を高めるために、シールド部材で覆うこともある。
【0056】
また、図8の実施の形態4においては、実施の形態3の半円環状内側ヨーク4A,4Bと半円環状外側ヨーク5A,5Bと半円環状外側ヨーク6A,6Bから、一方の半円環状内側ヨークと半円環状外側ヨークをなくしたものである。即ち、本実施の形態においても、回転軸1に嵌め込まれるものではなく、回転軸1が組み付けられた状態で、半円環状内側ヨーク40、半円環状外側ヨーク50、半円環状外側ヨーク60を後付することができる。具体的には、2個の磁気センサ3A及び磁気センサ3B、半円環状内側ヨーク40と半円環状外側ヨーク50と半円環状外側ヨーク60が樹脂等で一体にモールドされ、それらを回転軸1の周りに固着することによって、回転軸1に組み付けられる。勿論、これらのモールドは、更に信頼性を高めるために、シールド部材で覆うこともある。したがって、本実施の形態は、組み付け作業性をよくすることができる。
【0057】
ここで、環状にした実施の形態1乃至実施の形態3の内側ヨーク4、外側ヨーク5、外側ヨーク6は、図8の実施の形態4の半円環状内側ヨーク40と半円環状外側ヨーク50と半円環状外側ヨーク60とを比較すると、半円環状内側ヨーク40、半円環状外側ヨーク50、半円環状外側ヨーク60は、磁歪環2の1/2の磁化変化を得ることになり、磁気センサ3A,3Bの磁界の変化を1/2にすることとなる。したがって、磁気センサ3A,3Bの磁界に対する出力変化も少なくなるが、外部ノイズに対する効果は変化することがない。
【0058】
なお、これらの実施の形態3及び実施の形態4についても、図5及び図6に示す実施の形態の形状が使用できることは言うまでもない。
【0059】
[実施の形態5]
図9(a)は本発明の実施の形態5のトルクセンサ装置における2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図及び図9(b)は1個の磁気センサの正面図及び図9(c)はその側面図である。
【0060】
図9においては、例えば、外側ヨーク5とセンサ外側ヨーク8Aaとの間、内側ヨーク4とセンサ内側ヨーク8Abとの間、外側ヨーク6とセンサ外側ヨーク8Bbとの間、内側ヨーク4とセンサ内側ヨーク8Baとの間には間隙が設けられている。本発明を実施する場合には、当該間隙をなくし、磁気抵抗を最小限に設定することができる。
【0061】
本発明を実施する場合には、磁気センサ3A,3B側から磁気抵抗を低くすることもできる。即ち、磁気センサ3A及び磁気センサ3Bと、それを挟む内側ヨーク4と外側ヨーク5または外側ヨーク6の間の間隙は、磁気センサ3A及び磁気センサ3B側にセンサ内側ヨーク、センサ外側ヨークを配設することにより、その間隙を極力少なくすることができる。
【0062】
具体的には、各磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの両側の面に、透磁率の高い材料からなる直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aaとセンサ内側ヨーク8Ab、センサ内側ヨーク8Baとセンサ外側ヨーク8Bbを配設することにより、各磁気センサ3Aと内側ヨーク4及び外側ヨーク5との間の間隙を少なくし、同様に、磁気センサ3Bと内側ヨーク4及び外側ヨーク6との間の間隙を少なくし、磁気抵抗をより小さくすることができる。これによって、外側ヨーク5、センサ外側ヨーク8Aa、磁気センサ3A、センサ内側ヨーク8Ab、内側ヨーク4、センサ内側ヨーク8Ba、磁気センサ3B、センサ外側ヨーク8Bb、外側ヨーク6の磁気回路の磁気抵抗が最小となり、回転軸1の軸方向の外部ノイズは、その磁気回路を通過することになる。したがって、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bを通過する外部ノイズは、略均一となり、それを相殺することができる。
【0063】
なお、磁気センサ3Aの端子91〜93は、電源及び出力端子であり、磁気センサ3Bも同様な構成を有する。
【0064】
この実施の形態5以降においても、外側ヨーク5とセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abと内側ヨーク4、内側ヨーク4とセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbと外側ヨーク6との間の間隙はなくすことができる。
【0065】
この実施の形態5においては、各磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの両側の面に、透磁率の高い材料からなる直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abとセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbを配設したものであるが、直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abとセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbの厚みは、できるだけ厚く形成するのが望ましい。
【0066】
[実施の形態6〜8]
図10(a)は本発明の実施の形態6のトルクセンサ装置における1個の磁気センサの正面図及び図10(b)はその側面図、図11(a)は本発明の実施の形態7のトルクセンサ装置における1個の磁気センサの正面図及び図11(b)はその側面図、図12(a)は本発明の実施の形態8のトルクセンサ装置における1個の磁気センサの正面図及び図12(b)はその側面図である。図13は本発明の実施の形態9のトルクセンサ装置における2個の磁気センサの平面構造を示す平面図である。
【0067】
ところで、上記実施の形態では、外側ヨーク5とセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abと内側ヨーク4、内側ヨーク4とセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbと外側ヨーク6との間の間隙をなくす方向に説明した。しかし、本発明を実施する場合には、両者間を積極的に離すことも可能である。
【0068】
そのような場合には、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに外部ノイズの磁路が形成され易いような磁路を形成する必要がある。図10の実施の形態では、直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abの各辺を、外側に湾曲させてなる曲折部81を形成している。磁気センサ3B側も同様に形成している。これによって、対向する磁気センサ3Aと磁気センサ3Bとの間の磁気抵抗は小さくなる。結果、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに外部ノイズの磁路が形成され易くなる。
【0069】
また、図11の実施の形態では、直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abの中央を、磁気センサ3A側に突出させた凸部82を形成している。磁気センサ3B側も同様に形成している。これによって、対向する磁気センサ3Aと磁気センサ3Bを通過する磁束密度を高くし、かつ、その間の磁気抵抗を小さくすることにより、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに外部ノイズの磁路が形成され易くなる。
【0070】
そして、図12の実施の形態では、直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abの中央を、磁気センサ3A側に突出させた凸部(外から見た凹部)82を形成し、かつ、直方体形状のセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abの中央にも、磁気センサ3A側に突出させた凸部(外から見た凹部)82を形成している。磁気センサ3B側も同様に形成している。これによって、対向する磁気センサ3Aと磁気センサ3Bを通過する磁束密度を高くし、かつ、その間の磁気抵抗を小さくすることにより、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに外部ノイズの磁路が形成され易くしている。
【0071】
更に、発明者等の実験によれば、次のことが確認された。即ち、図9乃至図12の実施の形態の磁気センサ3Aのセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abと磁気センサ3Bのとセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbの構造は、内側ヨーク4、外側ヨーク5、外側ヨーク6を省略しても、外部ノイズの影響を検出回路30によって用途に影響を与えない程度に低減できる。勿論、センサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Abとセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbの構造は、直方体形状に限定されることなく、円柱状等の形状とすることもできる。
【0072】
即ち、上記各実施の形態では、基本的に、2個の磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに、同一の外部ノイズを導くかが問題となるものであり、内側ヨーク4、外側ヨーク5、外側ヨーク6の形態は、抽出すべき信号磁束を高めることにより、2個の磁気センサ3Aと磁気センサ3BのS/N比を高める要件であるから、要求されるS/N比によっては、内側ヨーク4,40、外側ヨーク5,50、外側ヨーク6,60を省略することができる。図4の実測特性図に示すように、ヨークなしとヨークありとの比較において、0〜2.5%程度の回転角度によってS/N比が変化することになる。
【0073】
特に、磁気センサ3Aとセンサ外側ヨーク8Aa、センサ内側ヨーク8Ab、磁気センサ3Bとセンサ内側ヨーク8Ba、センサ外側ヨーク8Bbは、接着させた後、樹脂モールドされるが、その際、磁気シールドケースにそれらを収納すると、ノイズの影響がより低減でき、S/N比を高くできる。
【0074】
勿論、内側ヨーク4,40、外側ヨーク5,50、外側ヨーク6,60を用いた場合でも、磁気シールドケースにそれらを収納すると、ノイズの影響がより低減でき、S/N比を高くできる。
【0075】
図10乃至図13の実施の形態のトルクセンサ装置は、互いに隣接し、かつ、互いに反対の回転方向に複数極、事例では2極に着磁され、回転方向に加えられるトルクによって磁化変化を発生する回転軸1に取付けられた磁歪環2と、磁歪環2の周囲に配設され、回転軸1の軸方向に離れ、互いに異なる軸方向の磁界を検出する着磁された2極に対応した磁歪環2に形成した2個以上の区画の磁極に対応し、回転軸1の軸方向に沿って配設された2個の磁気センサ3A,3Bと、2個の磁気センサ3A,3Bを通る共通する単一方向の磁界に対応する出力を差として検出を行う検出回路30と、2個の磁気センサ3A,3B間で、かつ、磁歪環2の軸方向の略中央に配設された透磁率の高い材料からなるヨーク、即ち、センサ内側ヨーク8Ab、センサ内側ヨーク8Baと、2個の磁気センサ3A,3Bの両外側間に配設され、一方の前記磁気センサ3A,3B及びセンサ内側ヨーク8Ab及びセンサ内側ヨーク8Baとの間に磁路を形成する一対の透磁率の高い材料からなるヨーク、即ち、磁気センサ3A側のセンサ外側ヨーク8Aaと磁気センサ3B側のセンサ外側ヨーク8Bbとを具備する構成とすることができる。
【0076】
上記実施の形態のトルクセンサ装置の2個の磁気センサ3A,3B間に配設されたセンサ内側ヨーク8Ab,8Baは、図13に示すように、2個の磁気センサ3A,3Bの回転軸1の軸方向の両内側に対向配設され、かつ、一体に形成された連結ヨーク80とすることができる。この実施の形態では、2個の磁気センサ3A,3Bを通過する外部ノイズは、略同一にならざるを得ないので、相殺効果が顕著となり、S/N比を高くできる。即ち、外部ノイズが2個の磁気センサ3A,3Bを通過し易い磁気抵抗とする構造を有するものであるから、例えば、内側ヨーク4に2個の磁気センサ3A,3Bを張り合わせてもよいことを意味する。いずれにせよ、外部ノイズが2個の磁気センサ3A,3Bを通過し易い磁気抵抗とする構造であればよい。
【0077】
[実施の形態9]
図14(a)は本発明の実施の形態9のトルクセンサ装置における磁歪環及びヨークの構成を示す正面説明図並びに図14(b)はその右側面図を示す説明図である。
【0078】
図14は、図8の実施の形態4と同様、回転軸1に嵌め込まれるものではなく、回転軸1が組み付けられた状態で、合成樹脂等でモールドされた2個の磁気センサ3A,3B、半円環状内側ヨーク40、半円環状外側ヨーク50、半円環状外側ヨーク60を一体とし、後付することができ、組み付け作業性をよくするものである。
【0079】
本実施の形態9の半円環状外側ヨーク50と半円環状外側ヨーク60の外側には、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの一方の面が接合により配設されている。また、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの他方の両側の面には、連結ヨーク80が接続され、その連結ヨーク80の中央は半円環状内側ヨーク40と接続されている。
【0080】
したがって、半円環状内側ヨーク40、半円環状外側ヨーク50、半円環状外側ヨーク60は、磁歪環2の1/2の磁化変化を得ることになり、磁気センサ3A,3Bの磁界の変化を1/2にすることとなる。故に、この種の実施の形態は、回転軸1の全周において略均一な磁界が得られ、出力を大きくすると共に、高いS/N比が得られる。また、磁気センサ3A,3Bの磁界に対する出力変化も少なくなるが、外部ノイズに対する効果は変化することがない。
【0081】
また、磁気センサ3A,3Bの磁界に対する出力変化も少なくなるが、外部ノイズに対する効果は、変化することがない。殊に、回転軸1の軸方向、即ち、中心軸O−O方向の外部ノイズは、半円環状外側ヨーク50、半円環状外側ヨーク60に入らず、直接、連結ヨーク80に入ったものは、磁気センサ3A,3Bに影響を与えることなく、通過することができる。
【0082】
仮に、磁気センサ3A及び磁気センサ3Bを通過したとしても、両者を差動増幅器OPによって相殺することができる。
【0083】
本実施の形態9の半円環状外側ヨーク50と半円環状外側ヨーク60の外側には、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの一方の面が接合により配設され、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bの他方の面には、連結ヨーク80が接続され、その連結ヨーク80の中央は半円環状内側ヨーク40と接続されている。したがって、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bは、回転軸1の径方向の磁界を導入する位置に配設されているから、回転軸1の径方向の外部ノイズに対応でき、外部ノイズとして回転軸1の軸方向の磁界が予測される場合に効果的な構成となる。
【0084】
逆に、図1乃至図3に示す本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置、図5及び図6に示す本発明の実施の形態2、図7の実施の形態3、図8の実施の形態4、図9の実施の形態5については、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bを回転軸1の中心軸O−Oの長さ方向の磁界を導入する位置に配設したものであるから、回転軸1の軸方向の外部ノイズに対応でき、外部ノイズとして回転軸1の軸方向の磁界が予測される場合に効果的な配置となる。
【0085】
[実施の形態10]
図15は本発明の実施の形態10のトルクセンサ装置の全体構成を示す斜視図、図16は本発明の実施の形態10のトルクセンサ装置の全体構成を示す平面図である。
【0086】
図15及び図16において、2個の磁気センサ3A,3Bの共通する中心軸X−Xは、磁歪環2の周囲に平行または略平行して配設され、回転軸1の中心軸O−Oと同一軸方向に離れて配設される。詳しくは、回転軸1の軸心(中心軸O−O)の軸方向に平行する軸方向にある。なお、2個の磁気センサ3A,3Bの各中心軸は、必ずしも中心軸X−Xに一致することを必要とするものではなく、略一致(略平行)すればよい。2個の磁気センサ3A,3B間で、磁歪環2の軸方向の略中央に配設された内側ヨーク4、外側ヨーク5,6は、内側ヨーク4、外側ヨーク5,6の中心軸O−Oに平行し、内側ヨーク4及び外側ヨーク5,6が磁歪環2の軸方向に対して垂直面に配設され、それらの厚みの中心を通る直線上の位置が、2個の磁気センサ3A,3Bの中心軸X−Xに合致するようになっている。内側ヨーク4、外側ヨーク5,6が弧状でない場合は、内側ヨーク4、外側ヨーク5,6の厚みの中心を中心軸X−Xに合致するようにすればよい。
【0087】
このように、本実施の形態は、2個の磁気センサ3A,3B、内側ヨーク4、外側ヨーク5,6を、磁歪環2の中心軸O−Oに対して垂直面に配設され、かつ、2個の磁気センサ3A,3Bを通る各中心線が略平行で、かつ、回転軸1の軸心に略平行する中心軸X−Xに合致するように配設することにより、2個の磁気センサ3A,3Bを通る磁気抵抗を小さくし、地磁気等の外部ノイズの磁界が2個の磁気センサ3A,3Bを同時に通過する確率を非常に高くし、2個の磁気センサ3A,3Bの出力の差でそれを相殺することが可能となり、外部ノイズによる誤差を少なくすることができる。
【0088】
[実施の形態11]
図17は本発明の実施の形態11のトルクセンサ装置の全体構成を示す斜視図、図18は本発明の実施の形態11のトルクセンサ装置の全体構成を示す要部断面を有する平面図である。
【0089】
図17及び図18において、特徴点は、2個の磁気センサ3A,3Bの共通する中心軸X−Xは、磁歪環2の周囲に平行して配設され、回転軸1の中心軸O−Oの長さ方向に離れて配設される。詳しくは、互いに同心円上にないものの、回転軸1の軸心の軸方向に平行する同一軸方向にある。
【0090】
また、2個の磁気センサ3A,3B間で、磁歪環2の軸方向の略中央に配設された内側ヨーク400は、断面略T字状に形成されており、断面略T字状の下端、即ち、内周平面部402の端部を異なる磁極の着磁部2Aと着磁部2Bとの境界に設定できるから、磁歪環2に形成した磁極の回転軸1の軸方向の長さを長くでき、磁歪環2に形成した着磁部2Aと着磁部2Bとの磁極から回転軸1の軸方向の磁界の変化を2個の磁気センサ3A,3Bで効率よく検出することができる。ここで、断面略T字状の厚みは、厚いほど磁気抵抗が低下できる。しかし、断面略T字状の下端、即ち、内周平面部402の端部は、磁極境界に設定されるものであるから、厚みが厚いと磁歪環2に形成した着磁部2Aと着磁部2Bの回転軸1の軸方向の長さの磁極長のロスが生じてくる。断面略T字状の環状筒部401は、2個の磁気センサ3A,3Bの厚み及びその間の距離等によって決定されるものである。
【0091】
なお、本実施の形態では、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bに挟まれる内側ヨーク400には、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bとの間の磁気抵抗を更に低くなるようにしている。具体的には、内側ヨーク400に突起4aを形成して、磁気センサ3Aとの間の磁気抵抗を低くしている。同様に、内側ヨーク400に突起4bを形成して、磁気センサ3Bとの間の磁気抵抗を低くしている。内側ヨーク400の突起4a,4bと磁気センサ3A,3Bとの間の間隙は、一体に接合形成し、磁気抵抗を最小限に抑制している。
【0092】
そして、外側ヨーク500と外側ヨーク600は、環状平面部502,602を磁極の外側端部に設定し、磁歪環2の外側外周には端部を磁気センサ3A,3Bに対向する環状筒部501,601を形成している。これら環状平面部502,602と環状筒部501,601によって、断面略L字状を形成している。
【0093】
この場合の外側ヨーク500と外側ヨーク600は、磁歪環2に形成した磁極の回転軸1の軸方向の長さを長くでき、磁歪環2に形成した磁極から回転軸1の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。また、外側ヨーク500と外側ヨーク600の厚みは、磁歪環2の端部からはみ出しても良いので、任意の厚みに設定することができ、磁気抵抗を任意に低下させることができる。
【0094】
本実施の形態では、磁気センサ3Aに対向する外側ヨーク500または磁気センサ3Bに対向する外側ヨーク600には、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bとの間の磁気抵抗を低くするように構成している。具体的には、外側ヨーク500に突起5aを形成し、磁気センサ3Aとの間の磁気抵抗を低くし、同様に、外側ヨーク600に突起6bを形成し、磁気センサ3Bとの間の磁気抵抗を低くしている。内側ヨーク400と外側ヨーク500,600との突起4a,4bと突起5a,6aと磁気センサ3A,3Bとの間の間隙は、一体に接合形成し、磁気抵抗を最小限に抑制している。
【0095】
内側ヨーク400、外側ヨーク500,600の軸心(中心軸O−O)に平行し、内側ヨーク400及び外側ヨーク500,600が磁歪環2の軸方向に対して垂直面に配設され、それらの厚みの中心を通る直線上の位置が、2個の磁気センサ3A,3Bの中心軸X−Xに合致するようになっている。内側ヨーク400、外側ヨーク500,600が弧状でない場合には、内側ヨーク400、外側ヨーク500,600の厚みの中心を中心軸X−Xに合致するようにすればよい。
【0096】
更に、内側ヨーク400の突起4a,4bと、外側ヨーク500の突起5a、外側ヨーク600の突起6bが、磁歪環2の軸方向に対して略平行に配設され、それらの突起4a,4b、突起5a、突起6bの断面(磁歪環2の軸方向に対して垂直断面)の中心を通る各中心軸は、その直線上の位置が、2個の磁気センサ3A,3Bの中心軸X−Xに合致(略平行)するようになっている。
【0097】
このように、本実施の形態の2個の磁気センサ3A,3B、内側ヨーク400、外側ヨーク500,600、内側ヨーク400の突起4a,4bと外側ヨーク500の突起5a、外側ヨーク600の突起6bとが、磁歪環2の中心軸O−Oに対して垂直面に配設され、かつ、2個の磁気センサ3A,3Bを通る中心線が回転軸1の軸心に平行する中心軸X−Xに合致するように配設することにより、2個の磁気センサ3A,3Bを通る磁気抵抗を小さくし、地磁気等の外部ノイズの磁界が2個の磁気センサ3A,3Bを同時に通過する確率を非常に高くし、2個の磁気センサ3A,3Bの出力の差でそれを相殺することが可能となり、外部ノイズによる誤差を少なくすることができる。
【0098】
即ち、本発明を実施する場合には、内側ヨーク400の突起4a,4bと外側ヨーク500の突起5a、外側ヨーク600の突起6bは、各2個の磁気センサ3A,3Bの中心を通る直線が略平行で、かつ、回転軸1の中心軸O−Oに略平行配置されていればよい。
【0099】
更に、2個の磁気センサ3A,3Bの中心軸X−Xを通る位置に、内側ヨーク400の突起4a、外側ヨーク500の突起5a、外側ヨーク600の突起6bの軸心が配設され、磁気センサ3A及び磁気センサ3Bと内側ヨーク400及び外側ヨーク500,600との間に磁路を形成する透磁率の高い材料で磁気抵抗を低くした磁路を形成するものである。
【0100】
内側ヨーク400と外側ヨーク500,600との間には、内側ヨーク400の突起4a、外側ヨーク500の突起5a、外側ヨーク600の突起6b及び2個の磁気センサ3Aまたは磁気センサ3Bが配設されているから、結果的に、内側ヨーク400と外側ヨーク500,600とが離れていても、内側ヨーク400の突起4a、外側ヨーク500の突起5a、外側ヨーク600の突起6bによって、磁気センサ3Aと磁気センサ3Bが配設されている箇所の磁気抵抗が低くなるから、突起4a、内側ヨーク400、磁歪環2の着磁部2Aと外側ヨーク500、突起5aを磁路とする磁気抵抗の低い磁気回路が形成さる。同様に、突起4b、内側ヨーク400、磁歪環2の着磁部2Bと外側ヨーク600、突起6aを磁路とする磁気抵抗の低い磁気回路が形成される。
【0101】
特に、本実施の形態の内側ヨーク400及び外側ヨーク500,600の2個の磁気センサ3A,3Bに対向する側の突起4a、突起5a、突起6bが、内側ヨーク400及び外側ヨーク500,600と2個の磁気センサ3A,3Bに対向する側の突起構造を通る直線状の位置とし、回転軸1の中心軸O−Oに平行する位置に設けられているから、2個の磁気センサ3A,3Bを通る磁気抵抗を小さくし、地磁気等の外部ノイズの磁界が2個の磁気センサ3A,3Bを同時に通過する確率を非常に高くし、2個の磁気センサ3A,3Bの出力の差でそれを相殺することが可能となり、外部ノイズによる誤差を少なくすることができる。
【0102】
また、本実施の形態の内側ヨーク400及び外側ヨーク500,600の2個の磁気センサ3A,3Bに対向する側の突起4a、突起5a、突起6bは、2個の磁気センサ3A,3Bの軸方向の両側に対向する対向面積及び磁性材料を略同一とし、2個の磁気センサ3A,3Bの軸方向の磁界の2個の磁気センサ3A,3Bの通過前後の磁気抵抗の変化を少なくし、外部ノイズが2個の磁気センサ3A,3Bを通過し易い磁気抵抗とする構造としたものである。
【0103】
したがって、磁気センサ3A,3Bを通る磁気抵抗が小さくでき、かつ、磁気センサ3A,3Bの磁束の入力側と出力側の条件が略同一にでき、外部ノイズが磁気センサ3A,3Bを通過し易い構造にできるから、地磁気等の外部ノイズの磁界が磁気センサ3A,3Bを同時に通過する確率を高くし、磁気センサ3A,3Bの出力でその外部ノイズによる影響を相殺することが可能となる。
【0104】
また、内側ヨーク400は、断面略T字状に形成されており、内周平面部402の内側端部を異なる磁極の着磁部2Aと着磁部2Bとの境界に設定でき、磁歪環2に形成した着磁部2Aと着磁部2Bとの磁極の長さを最大限活用することができるから、回転軸1の軸方向の磁界の変化を2個の磁気センサ3A,3Bで効率よく検出することができる。
【0105】
そして、外側ヨーク500と外側ヨーク600についても、磁歪環2に形成した着磁部2Aと着磁部2Bとの磁極の長さを最大限活用することができるから、磁歪環2に形成した磁極から回転軸1の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。特に、外側ヨーク500と外側ヨーク600の厚みは、磁歪環2の端部からはみ出しても良いので、任意の厚みに設定することができ、磁気抵抗を任意に低下させることができ、感度を上げることができる。
【0106】
[実施の形態12]
図19は本発明の実施の形態12のトルクセンサ装置の全体構成を示す要部断面を有する平面図である。
【0107】
図19において、本実施の形態の特徴点は、外側ヨーク500と外側ヨーク600が、磁歪環2の端部の外側に環状平面部503,603を回転軸1の外周方向に延ばして形成したものである。これによって環状平面部503,603と環状筒部501,601は、両者により回転軸1の中心軸O−Oをとおる断面が断面略L字状を形成している。
【0108】
この場合の外側ヨーク500と外側ヨーク600は、環状平面部503,603が磁歪環2の端部の外側を覆うことにより、磁歪環2に形成した磁極の回転軸1の軸方向の長さ、即ち、多くの磁束を確保でき、磁歪環2に形成した磁極から回転軸1の軸方向の磁界の変化を効率よく検出することができる。また、外側ヨーク500と外側ヨーク600の厚みは、磁歪環2の端部からはみ出しても良いので、任意の厚みに設定することができ、磁気抵抗を任意に低下させることができる。
【0109】
また、外部ノイズを環状平面部503,603が効率よく2個の磁気センサ3A,3Bに通すものであり、シールド的な作用をなし、かつ、他に漏らすことがないから、外部ノイズの相殺が容易である。
【0110】
以上のように、上記実施例のトルクセンサ装置は、2個の磁気センサ3A,3B間の透磁率の高い材料からなる内側ヨーク4または半円環状内側ヨーク4A,4Bまたは半円環状内側ヨーク40またはセンサ内側ヨーク8Ab,8Baは、2個の磁気センサ3A,3Bに同一の外部ノイズを通過させ、かつ、互いに異なる軸方向に着磁された2極に対応して、2個の磁気センサ3A,3Bの出力で差動検出を行うものであるから、回転軸1の軸方向の外部ノイズが到来しても、2個の磁気センサ3A,3Bの出力の差でそれを相殺できるから、回転軸1とシールド部材との隙間から入った地磁気等の外部ノイズの影響をなくすことができ、S/N比を高くすることができる。また、内側ヨーク4または半円環状内側ヨーク4A,4Bまたは半円環状内側ヨーク40またはセンサ内側ヨーク8Ab,8Baと、外側ヨーク5と外側ヨーク6または半円環状外側ヨーク5A,5Bと半円環状外側ヨーク6A,6Bまたは半円環状外側ヨーク50と半円環状外側ヨーク60またはセンサ外側ヨーク8Aaとセンサ外側ヨーク8Bbとによって磁歪環2の磁化変化を磁気センサ3A,3Bにまで誘導できるので、磁歪環2の磁化変化を的確に検出し、その変化量を大きくすることができる。
【0111】
ここで、対向面積が維持できれば、対向体積まで略同一にしなくても透磁率の良い材料を使用すれば、トルクセンサ装置の構造においては、問題がないことを発明者らが確認した。即ち、上記実施例のトルクセンサ装置は、前述した内側ヨークが、2個の磁気センサ3A,3Bの軸方向の両側に対向する対向面積及び磁性材料を略同一として配設されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】図1は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置の全体構成を示す平面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置の2個の磁気センサからの検出回路図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1のトルクセンサ装置における実測特性図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態2のトルクセンサ装置における実施例(a)乃至(d)の2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態2のトルクセンサ装置における実施例の2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの突起正面構造を示す説明図である。
【図7】図7(a)は本発明の実施の形態3のトルクセンサ装置における2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図及び図7(b)は側面配置構造を示す説明図である。
【図8】図8(a)は本発明の実施の形態4のトルクセンサ装置における2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図及び図8(b)は側面配置構造を示す説明図である。
【図9】図9(a)は本発明の実施の形態5のトルクセンサ装置における2個の磁気センサと内側ヨークと外側ヨークとの平面配置構造を示す説明図及び図9(b)は1個の磁気センサの正面図及び図9(c)はその側面図である。
【図10】図10(a)は本発明の実施の形態6のトルクセンサ装置における1個の磁気センサの正面図及び図10(b)はその側面図である。
【図11】図11(a)は本発明の実施の形態7のトルクセンサ装置における1個の磁気センサの正面図及び図11(b)はその側面図である。
【図12】図12(a)は本発明の実施の形態8のトルクセンサ装置における1個の磁気センサの正面図及び図12(b)はその側面図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態9のトルクセンサ装置における2個の磁気センサの平面構造を示す平面図である。
【図14】図14(a)は本発明の実施の形態9のトルクセンサ装置における磁歪環及びヨークの構成を示す正面説明図並びに図14(b)はその右側面図を示す説明図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態10のトルクセンサ装置の全体構成を示す斜視図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態10のトルクセンサ装置の全体構成を示す平面図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態11のトルクセンサ装置の全体構成を示す斜視図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態11のトルクセンサ装置の全体構成を示す要部断面を有する平面図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態12のトルクセンサ装置の全体構成を示す要部断面を有する平面図である。
【符号の説明】
【0113】
1 回転軸
2 磁歪環
2A,2B 着磁部
3(3A,3B) 磁気センサ
4 内側ヨーク
5,6 外側ヨーク
4a〜4h,5a〜5d,6a〜6d 突起
OP 差動増幅回路
8Aa,8Bb センサ外側ヨーク
8Ab,8Ba センサ内側ヨーク
30 検出回路
40 半円環状内側ヨーク
50,60 半円環状外側ヨーク
80 連結ヨーク
81 曲折部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に固着されると共に、互いに周方向の向きを反対に着磁された隣接区画が、前記回転軸に加えられたトルクに応じて前記回転軸の軸方向(軸の長さ方向)に平行する磁界を発生する磁歪環と、
前記磁歪環に形成した2個の区画の磁極に対応し、前記回転軸の軸方向に沿って配設された前記2個の磁気センサと、
前記2個の磁気センサ間で、かつ、前記磁歪環に形成された磁極境界に配設された内側ヨークと、
前記2個の磁気センサの外側に配設され、前記2個の磁気センサの各々に対応する前記内側ヨークとの間に磁路を形成する一対の外側ヨークと、
前記互いに異なる磁極の磁界を検出する前記磁気センサの出力を差として検出を行う検出回路と
を具備することを特徴とするトルクセンサ装置。
【請求項2】
前記内側ヨークは、前記2個の磁気センサの磁路が共通に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ装置。
【請求項3】
前記内側ヨークは、前記回転軸の中心軸をとおる断面が、略四角形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトルクセンサ装置。
【請求項4】
前記内側ヨークは、前記回転軸の中心軸をとおる断面が、略T字状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトルクセンサ装置。
【請求項5】
前記外側ヨークは、前記回転軸の中心軸をとおる断面が、略四角形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のトルクセンサ装置。
【請求項6】
前記外側ヨークは、前記回転軸の中心軸をとおる断面が、略L字状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のトルクセンサ装置。
【請求項7】
前記外側ヨークは、前記回転軸の中心軸をとおる断面が、前記磁歪環の端面の径よりも小径になるように形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のトルクセンサ装置。
【請求項8】
前記内側ヨーク及び前記外側ヨークは、前記磁歪環の周囲の対向面が、弧状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載のトルクセンサ装置。
【請求項9】
前記内側ヨーク及び前記外側ヨークは、前記回転軸の周囲に取付けた全体が、略直方体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項5、請求項7及び請求項8の何れか1つに記載のトルクセンサ装置。
【請求項10】
前記内側ヨーク及び前記外側ヨークは、前記2個の磁気センサの中心を通る直線が略平行で、かつ、前記回転軸の軸線に略平行配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載のトルクセンサ装置。
【請求項11】
前記内側ヨーク及び前記外側ヨークは、前記磁気センサ側に突出した突起を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載のトルクセンサ装置。
【請求項12】
前記内側ヨーク及び前記外側ヨークの前記磁気センサに対向する側の前記突起は、前記磁気センサの中心並びに前記内側ヨーク及び前記外側ヨークの突起の中心を通る直線に略平行で、かつ、前記回転軸の軸線に略平行する位置に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のトルクセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−10669(P2006−10669A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280983(P2004−280983)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)