説明

トルク計

各種の荷重の影響を受けずに、トルクだけを検出することにより、精度のよいトルク測定を可能とする。動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形する弾性部材(10)と、弾性部材(10)の変形に基づいて、トルクを検出するトルク検出手段(20)とを備え、弾性部材(10)は、回転駆動機の本体部側に固定される第1固定部(入力部)(11)と、回転駆動機の固定部側に固定される第2固定部(出力部)(12)と、第1固定部(11)と第2固定部(12)との間に配置される変形部(13)とを備え、変形部(13)は、8個の孔部(14)が形成されており、各孔部(1
4)の間の繋ぎ部分は、1つおきに、弾性部材(10)に加えられるトルクを受けるトルクメンバー(15)と、トルクメンバー(15)とは分離して設けられ、弾性部材(10)の荷重を支える荷重メンバー(16)になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電動機や減速機等の回転駆動機の出力軸に生じる駆動トルクなどを測定するトルク計に関するものである。
【背景技術】
この種のトルク計は、回転軸又は静止軸等の軸を中心とするモーメントを測定するものである。
通常、トルクの検出は、トルクによって発生する軸の捩り力、又は、トルクによって変形する軸の捩り角度を検出する方法がとられている。捩り力を検出する手段は、受けた力に比例した電荷を発生する圧電素子を使ったものが知られており、トルクを力として検出することができる。また、磁歪素子は、力を受けると磁気的特性が変化する素材を用いた素子であり、トルクを力として検出するものである。一方、捩れ角度を検出する手段は、歪みゲージ方式、回転パスル位相差方式がよく知られており、軸の微小な捩れ角を微小変位として検出することができる。
特許文献1は、回転駆動機に設けたフランジと回転駆動構造物との間に装着され、中心部に回転駆動機の出力軸が通る中心貫通穴を有する板状弾性体を備え、中心貫通穴の周囲に設けられフランジとの締結手段を有するフランジ固定部と、フランジ固定部の外側に設けられ回転駆動構造物の固定ベースとの締結手段を有するベース固定部とが結合されたトルク伝達部位に削孔された複数の円形穴を有し、その円形穴の内面には、ひずみゲージが接着され、トルク伝達部位に働くトルクによるひずみが測定され、出力軸に生じる駆動トルクが検出されるトルク計を開示している。
しかし、特許文献1のようなトルク計は、回転軸、静止軸には、上記モーメント以外に、スラスト荷重(軸方向荷重)、ラジアル荷重(半径方向荷重)、曲げ荷重、遠心荷重などの荷重が同時に加わることが多い。
従って、トルク以外の力の影響を避けるためには、上記捩り力又は捩り角度がこれらの荷重によって影響を受けないように工夫する必要がある。
トルク以外の力の影響を受けないようにするために、特許文献2は、トルク検出に複数のセンサーを差動センサー構造で取り付け、トルクに対しては、各センサーを加算して出力が大きくなるようにし、トルク以外の変化に対しては、各センサーを差し引きして出力が小さくなるようにすることを提案している。
しかし、特許文献2は、作動構造によってトルク以外の影響を小さくすることができるが、その影響を十分小さくするためには、センサー間のアンバランス、構造のアンバランスなどによる影響を除去しなければならず、製造が困難になるという問題があった。
【特許文献1】特開2003−83824号公報
【特許文献2】特開昭53−106181号公報
【発明の開示】
本発明の目的は、上述した各種の荷重の影響を受けずに、トルクだけを検出することにより、理想的にはトルク以外の影響はゼロにして、精度のよいトルク測定ができるトルク計を提供することである。
前記課題を解決するために、第1の発明は、動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形する弾性部材と、前記弾性部材の変形に基づいて、トルクを検出するトルク検出手段と、を含むトルク計において、前記弾性部材に加えられるトルクを受けるトルクメンバーと、前記トルクメンバーとは分離して設けられ、前記弾性部材の荷重を支える荷重メンバーと、を備えることを特徴とするトルク計である。
第2の発明は、第1の発明のトルク計において、前記弾性部材は、入力部と、出力部と、前記入力部と前記出力部との間に配置される変形部とを備え、前記トルクメンバー及び前記荷重メンバーは、前記変形部に形成されていること、を特徴とするトルク計である。
第3の発明は、第1又は第2の発明のトルク計において、前記弾性部材は、フランジ型の部材であり、前記トルクメンバー及び荷重メンバーは、前記弾性部材に形成された薄肉部であり、前記トルクメンバーは、トルク方向と平行に、薄肉部の面方向が配置され、前記荷重メンバーは、トルク方向に平行に、薄肉部の厚み方向が配置されること、を特徴とするトルク計である。
第4の発明は、第1又は第2の発明のトルク計において、前記弾性部材は、トーションバー型の部材であり、前記トルクメンバーは、小径軸部であり、前記荷重メンバーは、前記小径軸部の放射方向に形成され、捩じりモーメントの方向に面方向が配置された薄肉部であること、を特徴とするトルク計である。
第5の発明は、第1又は第2の発明のトルク計において、前記弾性部材は、円筒型の部材であり、前記トルクメンバーは、円弧方向に配置された薄肉部であり、前記荷重メンバーは、放射方向に配置された薄肉部であること、を特徴とするトルク計である。
第6の発明は、第1から第5までのいずれか1つの発明のトルク計において、前記トルク検出手段は、前記トルクメンバー及び/又は前記荷重メンバーに取り付けること、を特徴とするトルク計である。
第7の発明は、第1から第6までのいずれか1つの発明のトルク計において、前記トルク検出手段は、2種類以上の手段を用いること、を特徴とするトルク計である。
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)トルクメンバーと荷重メンバーに分けたので、トルク以外の荷重は、主に荷重メンバーで支えることができ、トルクへの影響が小さくなる。したがって、同じトルク感度のトルク検出手段に対して、耐荷重を大きくすることができる。
(2)トルク検出手段は、トルクメンバーに取り付けることも、トルクメンバー以外の部分に取り付けることができるので、取付場所の自由度が増し、作りやすい構造とすることができる。また、トルク検出手段は、トルクメンバー以外の部分に取り付ければ、調節時にトルクメンバー間のばらつきを小さくするための追加加工がし易くなり、アンバランスを小さくすることができる。さらに、トルク検出手段は、トルクメンバーと荷重メンバーの両方に取り付けることにより、後者の信号をトルクの補正信号とすることができ、精度を向上させることができる。
(3)トルク検出手段は、2種類以上用いることができ、複数種類のトルク検出手段を使うことにより、目的に応じて切り替えて使ったり、複数種類のトルク検出手段の信号を演算混合して、温度などの補正をより正確に行ったりできるようになる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明によるトルク計の実施例1を示す図である。
図2は、実施例1によるトルク計のトルクメンバーと荷重メンバーの負荷を受ける方向を示す図である。
図3は、実施例1によるトルク計のトルクメンバーの変形方向を示す図である。
図4は、実施例1によるトルク計の荷重メンバーの変形方向を示す図である。
図5は、実施例1によるトルク計のトルクメンバーと荷重メンバーをモデル化して、トルクと荷重のかかり方を説明する図である。
図6は、本発明によるトルク計の実施例2を示す図である。
図7は、本発明によるトルク計の実施例3を示す図である。
図8は、本発明によるトルク計の実施例4を示す図である。
図9は、本発明によるトルク計の実施例5を示す図である。
図10は、本発明によるトルク計の実施例6を示す図である。
図11は、本発明によるトルク計の実施例7を示す図である。
図12は、本発明によるトルク計の実施例8を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明は、各種の荷重の影響を受けずに、トルクだけを精度よく検出するという目的を、トルクメンバーと荷重メンバーを分離することによって実現する。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
【実施例1】
図1は、本発明によるトルク計の実施例1を示す図である。
実施例1のトルク計1は、動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形する弾性部材10と、弾性部材10の変形に基づいて、トルクを検出するトルク検出手段20とを備えている。
弾性部材10は、回転駆動機(不図示)の本体部とその回転駆動機の固定部との間に配置される。この弾性部材10は、アルミニウム等の金属製であって、所定の肉厚を有し、その上下面が互いに平行なフランジ型の部材である。
この弾性部材10は、回転駆動機の本体部側に固定される第1固定部(入力部)11と、回転駆動機の固定部側に固定される第2固定部(出力部)12と、第1固定部11と第2固定部12との間に配置される変形部13とを備えている。
変形部13は、複数(ここでは8個)の孔部14が形成されており、各孔部14の間の繋ぎ部分は、1つおきに、トルクメンバー15と荷重メンバー16になっている。
トルクメンバー15は、弾性部材10に加えられるトルクを受ける部分であり、図1(B)に示すように、弾性部材10のトルク方向と平行に、面方向が配置される薄肉部である。
荷重メンバー16は、トルクメンバー15とは分離して設けられ、弾性部材10の荷重を支える部分であり、弾性部材10のトルク方向に平行に、厚み方向が配置される薄肉部である。
トルク検出手段20は、実施例1では、トルクメンバー15上に歪みゲージを貼りつけてあり、従来の差動センサー構造でトルクを検出している。
なお、トルク検出手段20、例えば、歪みゲージなどは、トルクメンバー15に取り付けるが、それと別の部分に取り付けてもよいし、一部のトルクメンバー15のみに貼り付けてもよい。
図2は、実施例1によるトルク計のトルクメンバーと荷重メンバーの負荷を受ける方向を示す図、図3は、実施例1によるトルク計のトルクメンバーの変形方向を示す図、図4は、実施例1によるトルク計の荷重メンバーの変形方向を示す図である。
トルクメンバー15は、図2(A)に示すように、トルクTとラジアル荷重Raが面方向にかかり、スラスト荷重SとモーメントMが厚さ方向にかかるので、トルクTによる変形が、図3(A)のようになり、スラスト荷重SとモーメントMによる変形が、図3(B)のようになり、ラジアル荷重Raによる変形が、図3(C)のようになる。
荷重メンバー16は、図2(B)に示すように、トルクTが厚さ方向にかかり、ラジアル荷重Ra、スラスト荷重S、モーメントMが面方向にかかるので、トルクTによる変形が、図4(A)のようになり、スラスト荷重SとモーメントMによる変形が、図4(B)のようになり、ラジアル荷重Raによる変形が、図4(C)のようになる。
図5は、実施例1によるトルク計のトルクメンバーと荷重メンバーをモデル化して、トルクと荷重のかかり方を説明する図である。
トルクメンバー15、荷重メンバー16を同じ断面積で同じタテ、ヨコ比の直方体としたとき(例えば、タテ、ヨコ比は1:5とする)、トルクメンバー15と荷重メンバー16の差は、それぞれの力を受ける方向の違いと考えられる。但し、ラジアル方向については、トルクメンバー15も荷重メンバー16も同等であるので、ここでは考えない。
この直方体(図5(A))を、両端固定の梁と考えたときに、荷重(R)に対するたわみδは、次式(1)で表される。
δ=(L/12E)・(1/I)・R …(1)
次に、トルクメンバー15と荷重メンバー16の荷重分担比を求める。
トルクメンバー15と荷重メンバー16が同時に存在した場合に、負荷がかかったときのたわみは、同じであり、そのときの分担される負荷をR1、R2とすると、次式(2)が成り立つ。
(L/12E)・(1/I1)・R1
=(L/12E)・(1/I2)・R2 …(2)
E、Lが同じであるとすれば、次式(3)で表される。
(I2/I1)=(R2/R1) …(3)
ここで、図5(D)に示すように、タテ、ヨコ比1対5の直方体で考えているので、断面2次モーメントは、I=(1/12)bhで表されるので、
I1=(1/12)h・(5h)=(1/12)・125h …(4)
I2=(1/12)5h・(h)=(1/12)・5h …(5)
(R2/R1)=(I2/I1)=(1/25) …(6)
上記の例では、トルクメンバー15は、トルクに対応する負荷を、荷重メンバー16の25倍分担することになる。したがって、内部応力が発生し、ゆがみを感度よく測定することができる。
一方、スラスト荷重、モーメントに関しては、トルクとは逆になり、トルクメンバー15が荷重メンバー16の1/25(断面2次モーメントの比)の負荷を分担することになる。
以上のように、実施例1のトルク計1は、トルクメンバー15と荷重メンバー16の断面形状を、荷重方向に適切に合わせることで、受ける力を意識的に選択できるので、トルクメンバー15を適切に決めた上で、要求されるその他の荷重負荷能力に合せて荷重メンバーを適切に配置することができる。
したがって、トルク以外の荷重は、主に荷重メンバー16で支えることができ、トルクへの影響が小さくなる。したがって、同じトルク感度のトルク検出手段20に対して、耐荷重を大きくすることができる。
つまり、トルク計1は、作動センサー構造に加えて、トルクを受ける部材であるトルクメンバー15と、それ以外の例えば、荷重を受ける部材である荷重メンバー16を構造的に分離して、荷重はトルクとは別に支えるようにしたので、これらのトルクへの影響を一層小さくすることができる。
また、トルクメンバー15と荷重メンバー16を分離することにより、荷重の影響を小さくすることができ、捩り量は変えずに(トルクに対する感度は変えずに)、荷重剛性のみ強くすることができる。
【実施例2】
図6は、本発明によるトルク計の実施例2を示す図である。
なお、以下に示す各実施例では、前述した実施例1と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
実施例2のトルク計1Bでは、変形部13Bは、8本の溝部14Bが形成されており、各溝部14Bの間の繋ぎ部分は、1つおきに、トルクメンバー15と荷重メンバー16になっている。
実施例2によれば、万が一、トルクメンバー15、荷重メンバー16が破損しても、溝構造部14Bがガイドとなり、危険、損害を小さくする効果が期待できる。また、実施例1の孔部14と実施例2の溝部14Bの構造に変えることによって、加工方法も変更でき、それらを適宜選択することができる。
【実施例3】
図7は、本発明によるトルク計の実施例3を示す図である。
実施例3のトルク計1Cでは、変形部13Cは、4本の溝部14Cが形成されており、各溝部14Cの間の繋ぎ部分は、1つのトルクメンバー15Cを挟んで、2つの荷重メンバー16C,16Cが配置されている。
このように、トルクメンバーと荷重メンバーの数は、異なっていてもよい。つまり、実施例3によれば、トルク以外の加重の大きさに合わせて、荷重メンバーの数を選択することができる。
【実施例4】
図8は、本発明によるトルク計の実施例4を示す図である。
実施例4のトルク計1Dでは、変形部13Dは、8本の溝部14Dが形成されており、各溝部14Dの間の繋ぎ部分は、1つおきに、トルクメンバー15Dと荷重メンバー16Dになっている。
この実施例4では、さらに、トルクメンバー15Dと荷重メンバー16Dとに、別の種類のトルク検出手段21、22が設けられている。
例えば、トルク検出手段21は歪ゲージ、トルク検出手段22は応答性のよい静電容量式センサーを用いるなど、用途に合わせて、いずれかのセンサーの信号を用いることができる。つまり、応答性は必要であるが、安定性(ノイズ、温特)はそれほど必要ない場合、逆に、応答性はそれほど必要なく、安定性は必要である場合などのように、使用用途によって、トルク検出手段を適宜選択することができる。
実施例4では、トルク検出手段21、22は、トルクメンバー15Dと荷重メンバー16Dの両方に取り付けることにより、後者の信号をトルクの補正信号とすることができ、精度を向上させることができる。
【実施例5】
図9は、本発明によるトルク計の実施例5を示す図である。
実施例5のトルク計3は、動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形するフランジ型の弾性部材30を備えている。
弾性部材30は、アルミニウム等の金属製であって、所定の肉厚を有し、その上下面が互いに平行な車輪状の部材である。
この弾性部材30は、回転駆動機の本体部側に固定される第1固定部(入力軸)31と、回転駆動機の固定部側に固定される第2固定部(出力軸)32と、第1固定部31と第2固定部32との間に配置される変形部33とを備えている。
実施例5では、変形部33は、1つおきに、トルクメンバー35と荷重メンバー36とが交互にスポーク状に配置されている。
トルクメンバー35は、図9(B)に示すように、弾性部材30のトルク方向と平行に、面方向が配置される薄肉部である。荷重メンバー36は、図9(C)に示すように、トルク方向に平行に、厚み方向が配置される薄肉部である。トルク検出手段40は、トルクメンバー35上に貼りつけられた歪みゲージである。
【実施例6】
図10は、本発明によるトルク計の実施例6を示す図である。
実施例6のトルク計3Bでは、フランジ型の弾性部材30Bの変形部33Bは、トルクメンバー35Bと荷重メンバー36Bで第1固定部31と第2固定部32とを連結している点で、実施例5と類似している。
しかし、トルクメンバー35Bは、図10(B)に示すように、第1固定部31の接線方向に、3本配置された薄肉部分である。荷重メンバー36Bは、第1固定部31の放射方向に、3本配置された薄肉部分である。トルク検出手段40は、トルクメンバー35B上に貼りつけられた歪みゲージである。
【実施例7】
図11は、本発明によるトルク計の実施例7を示す図である。
実施例7のトルク計5は、動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形するトーションバー型の弾性部材50を備えている。
弾性部材50は、アルミニウム等の金属製であって、所定の直径の軸部材である。この弾性部材50は、図11(A)に示すように、第1固定部(入力軸)51と、第2固定部(出力軸)52と、第1固定部51と第2固定部52との間に配置される変形部53とを備えている。
実施例7では、変形部53は、図11(B)に示すように、4個の切削部54が形成されている。トルクメンバー55は、小径の軸部分である。荷重メンバー56は、トルクメンバー55の放射方向に配置され、トルク方向に平行に、厚み方向が配置された薄肉部である。
トルク検出手段60は、弾性部材50の入力側と出力側に設けられたエンコーダ盤61、62を非接触のセンサー63、64で検出するようにしたものである。
【実施例8】
図12は、本発明によるトルク計の実施例8を示す図である。
実施例8のトルク計7は、動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形する円筒型の弾性部材70を備えている。
この弾性部材70は、図12(A)に示すように、円盤状の第1固定部(入力軸)71と、円盤状の第2固定部(出力軸)72と、第1固定部71と第2固定部72との間に配置される変形部73とを備えている。
実施例8の変形部73では、図12(B)に示すように、トルクメンバー75は、円筒の一部である4つの薄肉部分である。また、荷重メンバー76は、放射方向に配置された薄肉部分である。
トルク検出手段80は、トルクメンバー75上に貼りつけられた歪みゲージである。
実施例5から実施例8は、その構造の相違によって製作、加工方法も変わるので、性能、費用等を考慮して適宜選択できる。例えば、実施例7は、構造上、軸外径を小さくできるために、慣性モーメントを小さくできるので、慣性モーメントの影響を小さくしたい場合に有用である。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)トルクメンバーと荷重メンバーは、同数でも、数が異なっていてもよい。
(2)トルクメンバーと荷重メンバーは、連結されていてもよいが、連結されていなくてもよい。また、トルクメンバーと荷重メンバーは、対になっていなくてもよい。
(3)トルク検出手段は、複数で持っていてもよいし、複数種類持っていてもよい。
また、荷重センサーを持ち、それを補正信号として使用するようにしてもよい。





【図6】

【図7】

【図8】






【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達経路中に配置され、測定すべきトルクを受けて変形する弾性部材と、
前記弾性部材の変形に基づいて、トルクを検出するトルク検出手段と、
を含むトルク計において、
前記弾性部材に加えられるトルクを受けるトルクメンバーと、
前記トルクメンバーとは分離して設けられ、前記弾性部材の荷重を支える荷重メンバーと、
を備えることを特徴とするトルク計。
【請求項2】
請求の範囲1に記載のトルク計において、
前記弾性部材は、入力部と、出力部と、前記入力部と前記出力部との間に配置される変形部とを備え、
前記トルクメンバー及び前記荷重メンバーは、前記変形部に形成されていること、
を特徴とするトルク計。
【請求項3】
請求の範囲1又は請求の範囲2に記載のトルク計において、
前記弾性部材は、フランジ型の部材であり、
前記トルクメンバー及び荷重メンバーは、前記弾性部材に形成された薄肉部であり、
前記トルクメンバーは、トルク方向と平行に、薄肉部の面方向が配置され、
前記荷重メンバーは、トルク方向に平行に、薄肉部の厚み方向が配置されること、
を特徴とするトルク計である。
【請求項4】
請求の範囲1又は請求の範囲2に記載のトルク計において、
前記弾性部材は、トーションバー型の部材であり、
前記トルクメンバーは、小径軸部であり、
前記荷重メンバーは、前記小径軸部の放射方向に形成され、捩じりモーメントの方向に面方向が配置された薄肉部であること、
を特徴とするトルク計。
【請求項5】
請求の範囲1又は請求の範囲2に記載のトルク計において、
前記弾性部材は、円筒型の部材であり、
前記トルクメンバーは、円弧方向に配置された薄肉部であり、
前記荷重メンバーは、放射方向に配置された薄肉部であること、
を特徴とするトルク計。
【請求項6】
請求の範囲1から請求の範囲5までのいずれか1項に記載のトルク計において、
前記トルク検出手段は、前記トルクメンバー及び/又は前記荷重メンバーに取り付けること、
を特徴とするトルク計。
【請求項7】
請求の範囲1から請求の範囲6までのいずれか1項に記載のトルク計において、
前記トルク検出手段は、2種類以上の手段を用いること、
を特徴とするトルク計。

【国際公開番号】WO2005/075950
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【発行日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517590(P2005−517590)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001113
【国際出願日】平成16年2月4日(2004.2.4)
【出願人】(000145806)株式会社小野測器 (230)