説明

トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

【課題】良好な環境性能(転がり抵抗特性、石油資源枯渇への対応、CO排出量への配慮)と耐久性能(耐クラック性、耐摩耗性、機械強度など)とを高次元で両立できるとともに、優れたグリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能)も得られるトレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】エポキシ化天然ゴム、及び、上記エポキシ化天然ゴムよりも極性の低い(ガラス転移温度が低い)第一ゴムを含むゴム成分と、シリカとを含有し、上記ゴム成分100質量%中、上記エポキシ化天然ゴムの含有量が35質量%以上であり、上記シリカの分散率が90%以上であるトレッド用ゴム組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、石油資源の枯渇、転がり抵抗の低減、環境への配慮等の観点から、天然ゴム等を主成分とするトレッド用ゴム組成物が提案されている。しかし、ゴム成分の主成分として天然ゴムを用いると、ウェットグリップ特性の点で従来のスチレンブタジエンゴム(SBR)等を用いたトレッドに劣るという問題がある。この問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、エポキシ化天然ゴム(ENR)を含有するトレッド用ゴム組成物が開示されている。
【0003】
このように、ENRの使用によって良好なウェットグリップ性能は得られるものの、従来のSBR系のトレッドに比較して、特に高性能(高扁平)タイヤ、乗用車でも高荷重車両用のタイヤに用いた場合、耐クラック性や耐摩耗性の点で更なる改善が求められている。ここでの耐クラック性としては、特にオゾンや繰り返し変形により生じるトレッド溝底での溝方向に沿ったクラックの抑制が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−19210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、良好な環境性能(転がり抵抗特性、石油資源枯渇への対応、CO排出量への配慮)と耐久性能(耐クラック性、耐摩耗性、機械強度など)とを高次元で両立できるとともに、優れたグリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能)も得られるトレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エポキシ化天然ゴム、及び、上記エポキシ化天然ゴムよりも極性の低い(ガラス転移温度が低い)第一ゴムを含むゴム成分と、シリカとを含有し、上記ゴム成分100質量%中、上記エポキシ化天然ゴムの含有量が35質量%以上であり、上記シリカの分散率が90%以上であるトレッド用ゴム組成物に関する。
【0007】
上記第一ゴムは、ブタジエンゴム及び/又は天然ゴムであることが好ましい。
【0008】
上記ブタジエンゴムのシス含量は、80質量%以上であることが好ましい。
【0009】
上記ゴム成分100質量%中、上記天然ゴムの含有量は、0.1〜35質量%であることが好ましい。
【0010】
上記シリカの窒素吸着比表面積は、40〜600m/gであり、上記ゴム成分100質量部に対する上記シリカの配合量は、30〜150質量部であることが好ましい。
【0011】
上記ゴム組成物は、上記シリカの一部を混練し、混練物を得る第一混練工程と、上記シリカの残部を上記混練物とともに混練する第二混練工程により得られることが好ましい。
【0012】
あるいは、上記第一混練工程は、上記ゴム成分の一部及び上記シリカの一部を混練し、混練物を得る工程であり、上記第二混練工程は、上記ゴム成分の残部及び上記シリカの残部を上記混練物とともに混練する工程であることが好ましい。
【0013】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エポキシ化天然ゴム、及び、上記エポキシ化天然ゴムよりも極性の低い第一ゴムを含むゴム成分と、シリカとを含有し、上記ゴム成分100質量%中、上記エポキシ化天然ゴムの含有量が35質量%以上であり、上記シリカの分散率が90%以上であるゴム組成物であるので、該ゴム組成物をトレッドに使用することにより、良好な環境性能(転がり抵抗特性、石油資源枯渇への対応、CO排出量への配慮)と耐久性能(耐クラック性、耐摩耗性、機械強度など)とを高次元で両立できるとともに、優れたグリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能)も得られ、これらすべての性能がバランス良く発揮される空気入りタイヤを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のトレッド用ゴム組成物は、エポキシ化天然ゴム(ENR)、及び、前記エポキシ化天然ゴムよりも極性の低い(ガラス転移温度が低い)第一ゴムを含むゴム成分と、シリカとを含有する。また、上記ゴム成分100質量%中のエポキシ化天然ゴムの含有量は35質量%以上である。更に、上記シリカの分散率は90%以上である。
【0016】
特定量のENRに第一ゴムを配合するとともに、シリカの分散率が特定の水準であることにより、転がり抵抗特性を向上できる。また、ENRにより優れたグリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能)が得られるだけでなく、耐クラック性(特に、トレッド溝底での溝方向に沿ったクラックの抑制)、耐摩耗性、機械強度も改善できる。
【0017】
従って、該ゴム組成物をトレッドに使用したタイヤは、優れた転がり抵抗(低tanδ)及び耐久性能(耐クラック性、耐摩耗性、機械強度など)を両立でき、環境への配慮(石油資源枯渇への対応、CO排出量への配慮)を充分に行うことができる。また、グリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能)も優れる。
【0018】
本発明ではENRが使用される。これにより、石油資源の枯渇、転がり抵抗の低減、環境への配慮等を行いながらも、良好なウェットグリップ特性を得ることができる。ENRとしては、市販のENR(ENR25、ENR50(MRB社(マレーシア)製)など)を用いてもよいし、天然ゴム(NR)をエポキシ化して用いてもよい。NRをエポキシ化する方法としては特に限定されるものではなく、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を用いて行なうことができる(特公平4−26617号公報、特開平2−110182号公報、英国特許出願公開第2113692号明細書等)。過酸法としては、例えば、NRに過酢酸や過蟻酸などの有機過酸を反応させる方法などが挙げられる。なお、エポキシ化を施すNRとしては、RSS♯3、TSR20などのゴム工業において一般的なものおよびそれらのラテックスを使用することができる。また、ENRは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、エポキシ化率が異なるENRを組み合わせて用いてもよい。
【0019】
ENRのエポキシ化率は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは15モル%以上、最も好ましくは20モル%以上である。ENRのエポキシ化率が5モル%未満では、ウェットグリップ性能を充分に改善することが困難となるおそれがある。また、ENRのエポキシ化率は、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下である。ENRのエポキシ化率が60モル%を超えると、ポリマーがゲル化したり、耐オゾン性や耐リバージョン性が悪化するおそれがある。
なお、エポキシ化率とは、エポキシ化前の天然ゴム成分中の炭素間二重結合の全数のうちエポキシ化された数の割合を意味し、例えば、滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析等により求められる。
【0020】
ゴム成分100質量%中のENRの含有量は、35質量%以上、好ましくは45質量%以上、より好ましくは55質量%以上である。35質量%未満であると、ウェットグリップ性能を充分に改善することが困難となるおそれがある。また、該ENRの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。95質量%を超えると、第一ゴムの量が相対的に少なくなり、耐クラック性や耐摩耗性を充分に改善することが困難となるおそれがある。
【0021】
本発明のゴム組成物は、ENRより極性が低いゴム(第一ゴム)を含有する。これにより、耐オゾン性、耐クラック性、耐摩耗性、及び機械強度が改善される。
なお、極性の高いゴムは、ガラス転移温度(Tg)も高い。したがって、ENR及び第一ゴムの極性の高低は、それぞれのガラス転移温度(Tg)を比較することにより、判断することができる。本発明におけるTgは、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した値である。
【0022】
ENRと第一ゴムとのTgの差は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることが更に好ましい。10℃未満の場合、耐クラック性、耐摩耗性等を充分に改善することが困難となるおそれがある。また、ENRと第一ゴムとのTgの差は、150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。150℃を超える場合、極性が違い過ぎて、ENRと第一ゴムとが混ざりにくくなる傾向がある。
【0023】
第一ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)(エポキシ化されていない天然ゴム)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)等を用いることができる。なかでも、BR、NR、IRを用いることが好ましく、BRおよびNRを併用することがさらに好ましい。BRを用いることにより、良好な耐摩耗性と耐クラック性を高次元で実現することができる。また、転がり抵抗特性を更に良好とすることができる。耐摩耗性と耐クラック性に関しては、特に、高性能(高扁平)タイヤ、乗用車でも高荷重車両用のタイヤで使用される場合に、より良好な性能を発揮する。また、NRを用いることにより、シリカの分散率を改善し、耐摩耗性、転がり抵抗特性を向上することができる。更に、BRおよびNRを併用することにより、NRがBRの混練加工性を改善し、それによってシリカの分散率等も改善することができる。
なお、本明細書において、天然ゴム(NR)と記載する場合には、ENRを含まないこととする。
【0024】
NRとしては、特に限定されず、上述したエポキシ化を施すNRと同様のものを使用することができる。
【0025】
環境への負荷の低減という点で、ブタジエンゴムは、バイオマス由来の材料から合成されたものを使用することが好ましい。このようなブタジエンゴムは、例えば、バイオエタノールに触媒を作用させて、ブタジエンを得、それを原料として合成する等の方法により得ることができる。バイオマス由来の材料から合成されたブタジエンゴムをブレンドしても良いが、特にゴム組成物中のBRとして、バイオマス由来のブタジエンゴムを100質量%含むことが好ましい。なお、バイオマス材料とは、「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」を意味する。また、バイオマス由来かどうかは、C14の量を同定させる方法(ASTM−D6866)により、確認できる。
【0026】
シリカの分散性をより向上できるという観点から、BRとしては、末端が変性したBR(変性BR)を用いても良い。
変性BRに導入されている官能基としては、アミノ基、水酸基、エポキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、カルボキシル基、ラクタム基等があげられるが、シリカとの相互作用が強く、シリカの分散性をより改善できるという点から、アミノ基、エポキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基が好ましく、この中で二者以上を併用することがより好ましい。なお、変性BRに導入されている官能基は、1種類でもよく、2種類以上であってもよいが、2種類以上であることが好ましい。また、本明細書において、BRと記載した場合には、変性BRを含むこととする。
【0027】
BRのシス含量は80質量%以上が好ましい。これにより、耐摩耗性をより良好とすることができる。シス含量は、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法や核磁気共鳴(NMR)分析法等によって測定できる。
【0028】
また、BRは、25℃における5%トルエン溶液粘度が40cps以上のものが好ましい。これにより、耐摩耗性向上効果を高めることができる。トルエン溶液粘度は、200cps以下が好ましい。200cpsを超えると、粘度が高くなりすぎ、加工性が低下したり、他のゴム成分と混ざりにくくなる傾向にある。トルエン溶液粘度の下限は80cpsがより好ましく、110cpsが更に好ましく、上限は150cpsがより好ましい。
【0029】
耐摩耗性を改善できる点から、BRの分子量分布(Mw/Mn)は3.0以下のものを使用してもよい。また、加工性の改善と耐摩耗性の改善を両立できる点から、Mw/Mnが3.0〜3.4のBRを使用してもよい。
【0030】
ゴム成分100質量%中の第一ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。5質量%未満であると、耐クラック性や耐摩耗性を充分に改善することが困難となるおそれがある。第一ゴムの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、ENRの含有量が相対的に少なくなり、ウェットグリップ性能を充分に改善することが困難となるおそれがある。
【0031】
本発明のゴム組成物がNRを含む場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上である。0.1質量%未満であると、BR等の他の第一ゴムの混練加工性を充分に改善することが困難となるおそれがある。また、NRの含有量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは7質量%以下である。35質量%を超えると、BR等の他の第一ゴムやENRの含有量が相対的に少なくなるため、ウェットグリップ性能を維持しながら、耐クラック性や耐摩耗性を充分に改善することが困難となるおそれがある。
【0032】
本発明のゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、耐クラック性や耐摩耗性を効果的に改善することが困難となるおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、ENRの含有量が相対的に少なくなり、ウェットグリップ性能を充分に改善することが困難となるおそれがある。
【0033】
ゴム成分としては、ENR、第一ゴムの他に、スチレンブタジエンゴム(特に、スチレン含有量の高いもの)、アクリロニトリルブタジエンゴム、塩素化天然ゴム、高極性の改質天然ゴム等を配合してもよい。
【0034】
本発明のゴム組成物は、充填剤として、シリカを含有する。これにより、ゴム組成物の補強、転がり抵抗の低減、ウェットグリップ性能の向上を行うことができる。
【0035】
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは50m/g以上、更に好ましくは80m/g以上、最も好ましくは100m/g以上である。40m/g未満であると、補強性が不充分となり、耐摩耗性や力学強度(引張強度、破断伸び、破壊エネルギー)が悪化する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは600m/g以下、より好ましくは450m/g以下、更に好ましくは200m/g以下、最も好ましくは180m/g以下である。600m/gを超えると、シリカの分散率が低下するため、ゴム組成物の発熱性が増大し、転がり抵抗特性が悪化する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
【0037】
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは45質量部以上である。30質量部未満であると、補強効果が充分得られない傾向がある。該シリカの配合量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、転がり抵抗の低減効果が充分得られない傾向がある。
【0038】
本発明のゴム組成物中のシリカの分散率は、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上である。これにより、良好な耐摩耗性と機械的強度が得られる。
【0039】
シリカの分散率は、次の手順により測定することができる。まず、加硫ゴム組成物を、窒素雰囲気下、ガラス転移点以下の温度でミクロトームを用いて切断し、新鮮な平滑面を得た。次に、この平滑面上のシリカの凝集物と推定される異物が測定面積に占める割合を加硫ゴム組成物中のシリカの含有率で補正し、シリカの分散率を算出した。なお、異物の面積は、光学顕微鏡と画像解析装置を用い、円相当径が4μm以上のものについて、その円相当面積を合計することにより測定した。シリカの分散率の算出式を以下に示す。この場合、シリカの分散率が100%に近いほど、シリカの分散状態が良いことを示す。なお、加硫ゴム組成物を特に冷却することなしに、鋭利な刃物等で切断することにより、新鮮な平滑面が得られる場合には、そのような方法によっても良い。
シリカの分散率(%)=〔1−(A×B)/(C×D)〕×100
(上記式において、Aは円相当径が4μm以上のシリカの凝集物が占める面積を、Bは測定面積を、Cは配合されたシリカの体積を、Dは加硫ゴム組成物の体積を示す。)
【0040】
本発明のゴム組成物には、シリカとともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどのスルフィド系が挙げられる。また、メルカプト系、ビニル系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系なども挙げられる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを用いることが好ましい。
【0041】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましく、7質量部以上が最も好ましい。1質量部未満では、シリカ100質量部に対して、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、シランカップリング剤を更に添加することによる破壊強度の増加や転がり抵抗低減などの効果が得られず、コストが不必要に増大する傾向がある。
【0042】
本発明のゴム組成物には、アルカリ性脂肪酸金属塩を配合してもよい。アルカリ性脂肪酸金属塩は、ENR合成の際に使用される酸を中和するため、ENRの混練りや加硫時の熱による劣化を防ぐことができる。また、リバージョンも防ぐことができる。
【0043】
アルカリ性脂肪酸金属塩における金属としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムなどが挙げられるが、なかでも、ENRの耐熱性の向上効果が大きくなる点と、ENRとの相溶性が高いという点から、カルシウム、バリウムが好ましい。アルカリ性脂肪酸金属塩の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム等のステアリン酸金属塩や、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸バリウム等のオレイン酸金属塩などが挙げられる。なかでも、ENRの耐熱性の向上効果が大きく、ENRとの相溶性が高く、コストが比較的安価であるという点で、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウムが好ましい。
【0044】
アルカリ性脂肪酸金属塩の含有量は、ENR100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、耐熱性や耐リバージョン性を充分に改善することが困難となるおそれがある。該アルカリ性脂肪酸金属塩の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。10質量部を超えると、破壊強度や耐摩耗性が悪化する傾向がある。
【0045】
本発明のゴム組成物には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸などの脂肪酸を配合してもよく、なかでも、低コストであることからステアリン酸が好ましい。
【0046】
上記ゴム組成物には、前記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の充填剤、オイル又は可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、酸化亜鉛、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤等を含有してもよい。
【0047】
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。なお、シリカの分散率を90%以上にする方法として、具体的には、以下の製造方法が挙げられる。
【0048】
(方法I)
シリカの分散率を容易に向上できる(90%以上にできる)という点から、ゴム成分及びシリカを混練する工程は、ゴム成分の一部及びシリカの一部を混練し、混練物を得る第一混練工程と、ゴム成分の残部及びシリカの残部を該混練物とともに混練する第二混練工程とを含むことが好ましい。また、シリカの分散率をより容易に向上し、破壊エネルギー及び耐摩耗性を改善できるという点から、ENRは、第一混練工程では混練されず、第二混練工程でのみ混練されることが好ましい。更に、BR、NR等の第一ゴムは、第一混練工程で混練されることが好ましい。
【0049】
「第一混練工程で混練されるシリカの質量/第二混練工程で混練されるシリカの質量」は、「第一混練工程で混練されるゴム成分の質量/第二混練工程で混練されるゴム成分の質量」に0.5〜1.5をかけた値であることが好ましく、0.8〜1.2をかけた値であることがより好ましい。このように、各工程におけるシリカの添加量を調整することで、より良好なシリカの分散性を得ることができる。
【0050】
(方法II)
方法IIでは、ゴム成分の全部およびシリカの一部を第一混練工程で混練し、更にシリカの残部を第二混練工程で混練する。このように、シリカを二段階に分けて混練することにより、シリカの分散率を容易に向上できる(90%以上にできる)。
【0051】
「第一混練工程で混練されるシリカの質量/第二混練工程で混練されるシリカの質量」は、できるだけ大きい値であることが好ましく、具体的には、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、最も好ましくは6以上である。また、第一混練工程で混練されるシリカの質量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは75質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。
【0052】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
【0053】
本発明のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤの用途は特に限定されないが、特に高性能タイヤ(高偏平タイヤ)、乗用車の高荷重車両用のタイヤとして好適に使用できる。
【実施例】
【0054】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0055】
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
BR1:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:97質量%、ML1+4(100℃):40、25℃における5%トルエン溶液粘度:48cps、Mw/Mn:3.3、Tg:−90℃)
BR2:宇部興産(株)製のBR360L(シス含量:98質量%、ML1+4(100℃):51、25℃における5%トルエン溶液粘度:124cps、Mw/Mn:2.4、Tg:−90℃)
BR3:宇部興産(株)製のBR A試作品(シス含量:98質量%、ML1+4(100℃):47、25℃における5%トルエン溶液粘度:122cps、Mw/Mn:3.3、Tg:−90℃)
エポキシ化天然ゴム1(ENR−25):MRB社(マレーシア)製(エポキシ化率:25モル%、Tg:−47℃)
エポキシ化天然ゴム2(ENR−37.5):MRB社(マレーシア)製 試作品(エポキシ化率:37.5モル%、Tg:−35℃)
NR:RSS#3(Tg:−70℃)
シリカ:デグッサ(株)製のウルトラシルVN2(NSA:125m/g)
シランカップリング剤:テグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
植物油:日清製油(株)製の大豆白絞油(S)(ヨウ素価:131、炭素数18以上の脂肪酸成分84.9%)
アルカリ性脂肪酸金属塩:日油(株)製のステアリン酸カルシウム
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
【0056】
実施例1〜8
1.7Lバンバリーミキサーを用いて、表1の工程1に示す配合量の薬品を投入して、排出温度が約150℃となるように5分間混練りした。次に、工程1により得られた混練物に対して、工程2に示す配合量の薬品を投入して、排出温度が約150℃となるよう5分間混練りし、混練物を得た。次に、工程2により得られた混練物を冷却してから、工程3に示す配合量の硫黄および加硫促進剤を加え、2軸オープンロールを用いて、約80℃の条件下で3分混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。その後、150℃で30分間プレス加硫することにより、実施例1〜8の加硫ゴムシートを作製した。
【0057】
比較例1〜5
工程2を行わないこと以外は、実施例1〜8と同様にして、比較例1〜5の加硫ゴムシートを作製した。
【0058】
また、工程3で得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形して、他のタイヤ部材とはりあわせ、150℃で30分間加硫することにより、実施例1〜8および比較例1〜5の試験用タイヤを作製した。
【0059】
得られた加硫ゴムシート、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
【0060】
(1)ウェットグリップ性能
アンチロックブレーキシステム(ABS)評価試験により得られた制動性能をもとにして、グリップ性能を評価した。すなわち、1800cc級のABSが装備された乗用車に、前記試験用タイヤを装着して、アスファルト路面(ウェット路面状態、スキッドナンバー約50)を実車走行させ、時速100km/hの時点でブレーキをかけ、乗用車が停止するまでの減速度を算出した。ここで、減速度とは、乗用車が停止するまでの距離である。そして、比較例1のウェットグリップ性能指数を100とし、下記計算式により、各配合の減速度をウェットグリップ性能指数として示した。なお、ウェットグリップ性能指数が大きいほど制動性能が良好であり、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(比較例1の減速度)/(各配合の減速度)×100
【0061】
(2)ドライグリップ性能
前記試験用タイヤを乗用車に装着してドライアスファルト路面のテストコースを走行し、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をドライバーの官能評価により評価した。結果は、比較例1を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好であり、ドライグリップ性能、操縦安定性に優れていることを示す。
【0062】
(3)転がり抵抗試験
2mm×130mm×130mmの加硫ゴムシートから測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各試験用ゴム組成物のtanδを測定し、比較例1の転がり抵抗指数を100として、下記計算式により、転がり抵抗特性を指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が低く、優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ/各配合のtanδ)×100
【0063】
(4)耐摩耗性試験(摩耗試験)
製造した試験用タイヤを車に装着し、市街地を8000km走行後の溝深さの減少量を測定し、溝深さが1mm減少するときの走行距離を算出した。更に、比較例1の耐摩耗性指数を100とし、下記計算式により、各配合の溝深さの減少量を指数表示した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合で1mm溝深さが減るときの走行距離)/(比較例1のタイヤの溝が1mm減るときの走行距離)×100
【0064】
(5)破壊エネルギー指数
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従って、各加硫ゴムシートの引張強度と破断伸びを測定した。更に、引張強度×破断伸び/2により破壊エネルギーを計算し、下記式にて、破壊エネルギー指数を計算した。破壊エネルギー指数が大きいほど、機械強度に優れることを示す。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
【0065】
(6)シリカ分散率
2mm×130mm×130mmの各加硫ゴムシートから測定用試験片を切り出し、以下の方法で測定した。まず、測定用試験片を、窒素雰囲気下、ガラス転移点以下の温度でミクロトームを用いて切断し、新鮮な平滑面を得た。次に、この平滑面上のシリカの凝集物と推定される異物が測定面積に占める割合を測定用試験片中のシリカの含有率で補正し、シリカの分散率を算出した。なお、異物の面積は、光学顕微鏡と画像解析装置を用い、円相当径が4μm以上のものについて、その円相当面積を合計することにより測定した。シリカの分散率の算出式を以下に示す。この場合、シリカの分散率が100%に近いほど、シリカの分散状態が良いことを示す。シリカの分散率(%)=〔1−(A×B)/(C×D)〕×100
(上記式において、Aは円相当径が4μm以上のシリカの凝集物が占める面積を、Bは測定面積を、Cは配合されたシリカの体積を、Dは測定用試験片の体積を示す。)
【0066】
(7)耐オゾン性試験
JIS K 6259「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に基づき、各加硫ゴムシートの動的オゾン劣化試験を行い、往復運動の周波数0.5±0.025Hz、オゾン濃度50±5pphm、試験温度40℃、引張歪20±2%の条件下で、48時間試験した後の亀裂の状態を観察することで、耐オゾン性を評価した。評価方法は、JISに記載の方式にしたがい、亀裂の数と大きさを表した。なお、アルファベット(A、B及びC)は、Aが亀裂の数が少なく、Cが亀裂の数が多いことを示し、数字は、大きいほど、亀裂の大きさが大きいことを示す。耐オゾン性がよい程、タイヤとしての耐クラック性が良好となる。
【0067】
【表1】

【0068】
比較例1〜3、比較例5では耐オゾン性が悪かったのに対し、実施例ではいずれも改善されていた。特に、エポキシ化天然ゴム1(ENR−25)を用いた実施例1〜3、5〜7では、耐オゾン性の改善効果が大きかった。
【0069】
また、実施例では、NRをブレンドし、更に混練方法を改善することにより、シリカの分散率を改善し、それによって破壊エネルギー指数を改善した。そのため耐摩耗性指数も良好となった。
【0070】
エポキシ化天然ゴム1(ENR−25)を用いた実施例1〜3、5〜7では、BR比率が同程度の比較例に比べて、転がり抵抗指数も良好となった。また、耐摩耗性も良好であった。
【0071】
他方、エポキシ化天然ゴム2(ENR−37.5)を用いた実施例4、8では、各比較例と比較して、対しウェットグリップ性能を大きく改善でき、耐摩耗性さえも大きく改善できた。
【0072】
特に、工程1で、ゴム成分のうち、BRとNRのみとシリカを混練した(工程1(第一混練工程)でENRを混練しなかった)実施例1〜4では、シリカの分散率や破壊エネルギーがより改善し、それによって耐摩耗性が更に良好であった。
【0073】
転がり抵抗特性は、実施例1〜3、5〜7では非常に良好であった。また、実施例4、8についても、比較例1と比較して遜色のないレベルであった。
【0074】
比較例1〜3はBRをブレンドしていないため、耐オゾン性が悪く、また、耐摩耗性も実施例に比較して悪かった。比較例4、5はBRをブレンドしているものの、シリカの分散率が低いため、耐摩耗性や破壊エネルギーが実施例に比較して低かった。比較例5では、エポキシ化天然ゴム2(ENR−37.5)を用いたため、ウェットグリップ性能は良かったが、混練方法に改善がないため、シリカの分散率が低かった。これにより、破壊エネルギー、耐摩耗性、転がり抵抗特性も悪化した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ化天然ゴム、及び、前記エポキシ化天然ゴムよりも極性の低い第一ゴムを含むゴム成分と、シリカとを含有し、
前記ゴム成分100質量%中、前記エポキシ化天然ゴムの含有量が35質量%以上であり、
前記シリカの分散率が90%以上であるトレッド用ゴム組成物。
【請求項2】
前記第一ゴムがブタジエンゴム及び/又は天然ゴムである請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項3】
前記ブタジエンゴムのシス含量が80質量%以上である請求項2記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項4】
前記ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムの含有量が0.1〜35質量%である請求項2記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項5】
前記シリカの窒素吸着比表面積が40〜600m/gであり、
前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの配合量が30〜150質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項6】
前記シリカの一部を混練し、混練物を得る第一混練工程と、前記シリカの残部を前記混練物とともに混練する第二混練工程により得られる請求項1〜5のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項7】
前記第一混練工程が、前記ゴム成分の一部及び前記シリカの一部を混練し、混練物を得る工程であり、
前記第二混練工程が、前記ゴム成分の残部及び前記シリカの残部を前記混練物とともに混練する工程である請求項6記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2011−38011(P2011−38011A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187445(P2009−187445)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】