説明

トレーニング用/医療用低周波電気的筋肉刺激衣服

本発明に従うトレーニング用/医療用電気的筋肉刺激装置は、人間(PE)によって着られる衣服の形態で実現され;該装置は少なくとも一つの電気的筋肉刺激信号発生装置(EMS−LF−1、EMS−LF−2)を備え、該発生装置は、低パルス周波数で電気的筋肉刺激信号を発生するよう適合しており;当該装置又は各装置(EMS−LF−1、EMS−LF−2)は、人間(PE)による通常使用の間、前記衣服の中に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の利用分野は、様々な期間の宇宙飛行の間宇宙飛行士によって利用される、又は、筋肉不足及び/又は作業能力低下といった症状の患者のリハビリテーションに用いられる、トレーニング用/医療用装置である。
【背景技術】
【0002】
無重力状態への軽減及び適応についての人類の課題を解決する宇宙飛行士のための衣服の異なる構成は、先行技術から周知である:例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3が挙げられる。
【0003】
しかし、これらの構成の何れも、完全に満足のいくものではない。
【0004】
宇宙飛行で用いられる代償のための衣服は、例えば、非特許文献1の 498頁から565頁に記載されたE.Vizleb “Functions of vascular system”から周知である。
【0005】
しかし、それらは、無重力状態に由来する宇宙飛行士の身体においての代償不全への早い適応と、代償不全からの長期の防護を十分にもたらさない。
【0006】
人間の身体への無重力状態の否定的な影響の予防方法は、身体の低部に対する陰圧の適用と、電気的刺激のインパルスによって与えられる下肢の牽引を含む方法が、現在用いられている。
【0007】
この方法の欠点は、刺激が、張力を痛みの入り口よりも低く保つという唯一の条件を伴う治療として実行されるという事実である。従って、この解決法が示唆するのは、筋肉刺激適用の微調整である。
【0008】
出願人によって、下肢と背筋とに別々の電気的刺激をもたらすことが有利であることが発見された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ロシア国特許第2254272号明細書
【特許文献2】米国特許4051848号明細書
【特許文献3】ロシア国出願第2007146197号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】“Human physiology”, 1996, V.2, Ch.20,
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主要目的は、人間の身体の筋肉に効果的に電気的筋肉刺激をもたらすように設計されたトレーニング用/医療用装置を開発することである。
【0012】
この目的は、添付の請求項で記述される技術的特徴を有する装置によって到達される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の背景となる第一の考案は、人間によって着られる衣服の形態の装置を実現することである。
【0014】
本発明の背景となる第二の考案は、低周波、典型的には1Hzから150Hzの間の周波数を用いることである。
【0015】
本発明の背景となる第三の考案は、筋肉への別個の刺激をもたらすことであり、とりわけ、背筋及び下肢の筋肉、及び/又は右側の筋肉及び左側の筋肉、及び/又は単一の筋肉又は筋肉群に別個の刺激をもたらすことである。
【0016】
本発明の背景となる第四の考案は、二つの電気的筋肉刺激手段、すなわち電気的筋肉刺激信号発生装置を用いることである。
【0017】
本発明の背景となる第五の考案は、衣服に、当該又は各発生装置を人間の身体に固定する一体システムを備えることである。
【0018】
本発明の背景となる第六の考案は、衣服に、人間の身体に電気的筋肉刺激信号を適用するための一体電気接点を備えることである。
【0019】
有利なことに、これらの全ての考案は、本発明に従う装置に実装される;他の考案及び技術的特徴は排除されない。
【0020】
本発明に従う衣服を着用する人間は、電気的筋肉刺激治療を受けることになる。;各治療は、人間の身体に対して一定時間の間、電気的筋肉刺激信号を周期的に適用することにある。;当該信号は、治療の間変化してもよい(例えば、最初は信号が、右下肢の筋肉に適用され、それから左下肢の筋肉に適応されるであろう)。;一つ以上の治療が、例えば一時間又は一日又は一週間又は一ヶ月の間に存在してもよい。;一般に、人間のための治療は、医師によって決定される。
【0021】
本発明は、その技術的特徴及び長所と共に、以下に詳述する記述からより良く理解することが可能であるが、該記述は、付随する図面と共に考察すべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の態様のブロック図である。
【図2】図2は、図1の態様の電気的筋肉刺激装置をパーソナル・コンピュータと接続する可能性を示す図である。
【図3】図3は、正面図(左図)及び背面図(右図)において、身体への可能な電気的接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記述は限定的に考察すべきものではないが、とりわけそれが、(例え有利であっても)本発明の特定の態様のみに言及したものだからである。
【0024】
本発明に従う衣服の形態のトレーニング用/医療用低周波電気的筋肉刺激装置は、少なくとも一つの、しかし好ましくは二つの電気的筋肉刺激信号発生装置を備える−以下では、それらの各々は、「電気的筋肉刺激装置」又は「EMS−LF」とも言及される。;複数の電気的筋肉刺激装置は、平行に、すなわち同時に作動することができる。そして、衣服の固定システムの把持要素に設置され、その結果、人間の身体の右側及び左側に(典型的に及び有利に、一つは右側に一つは左側に)設置することができる。;電気的筋肉刺激装置は衣服のケーブルに直接接続され、該ケーブルは衣服の電極に導かれるが、その結果、電気的筋肉刺激信号は、電気的筋肉刺激装置からスタートし、ケーブルを通って、最後には複数の電極に到達するが、該電極は複数の筋肉又は筋肉群に設置され、それらと接触する。;発生した複数の電気的筋肉刺激信号は同期する。;典型的には、二つの電気的筋肉刺激装置は、スイッチが入れられた後、そのような同期のために接続される。;典型的には、主要な電気的筋肉刺激装置は、体の右側に設置される。;電気的筋肉刺激信号の少なくとも振幅を調節する可能性がある。;付け加えて、及び、有利なことに、当該電気的筋肉刺激装置のいずれか又は双方からPC(パーソナル・コンピュータ)へと、例えばRS−232インターフェースのようなシリアル通信インターフェースを通って、様々な情報が伝達され格納される可能性がある。;伝達される情報は、ユーザ、例えば、宇宙飛行士又は患者、又はより典型的には、医師によって選択されてもよく、例えば、人間の治療の電気的筋肉刺激信号のパラメータ値(例えば振幅)、及び/又は、人間の治療の日時、及び/又は、治療される人間の個人情報に対応してもよい。
【0025】
本発明に従う衣服には、有利なことに電源バッテリーから自立した電源が備わり、該電源バッテリーは、電気的筋肉刺激装置の内部に設置されてもよい。;このようにして、治療は、いかなる場所でいかなる時にも実行されてもよい。付け加えて、及び、更に有利なことに、これらのバッテリーに充電するためのインテリジェント・チャージャが備わる。
【0026】
最大治療/動作継続期間は6時間と規定されているので、当該衣服は、それに従って構造的に設計されている。;例えば、電気的筋肉刺激装置は、6時間の動作の後自動的にスイッチが切れるようになっており、電気的筋肉刺激装置のバッテリーは、6時間(又はそれ以上)持続するように選ばれており、電気的筋肉刺激装置内データの記憶容量は、治療/動作期間である6時間(又はそれ以上)に対応する情報を格納することができるように選ばれている(その後、全ての情報はPCに伝送され、その結果自由になった記憶容量が更なる格納のために利用されてもよい)。
【0027】
本発明に従う衣服は、背筋と下肢の筋肉、右側の筋肉と左側の筋肉との間で、別個の刺激を実施することができる。;有利なことに、当該衣服は、単一の筋肉又は筋肉群の別個の刺激のために備わる。;このようにして、治療はいかなる単一の人間でも、その必要性に合わせてカスタマイズされてもよい。本発明に従う衣服には、有利なことに、電気的筋肉刺激電極を湿らせるための加湿装置が備わる。;このようにして、電極と身体との間の電気接触は常に良好であるが、それは、たとえ二つの連続する治療の間、長い時間が経過してもよいし、及び/又は、たとえ治療下の人間が(例えば診療所のような)治療環境内ではなく、家やオフィスのいかなる場所にいてもよい。
【0028】
本発明のとても重要な特徴は、電気的筋肉刺激システムが衣服の形態を取っていることであり、その結果、患者によって運ばれることが可能ということである。;治療は、他のいかなる制限も避けながら最高の治療方針に従って、診療所の外で及び昼夜のいかなる時間に繰り返してもよい。;この点に対して、身体への固定システム、織物の形態の複数の電極、長時間持続するバッテリー、複数の電極のための加湿装置はとても重要な役割を担う。
【0029】
本発明のもう一つの重要な特徴は、治療の開始である。;これは自動的であって、すなわち、刺激装置の内部回路によって、及び/又は、外部検出器によって始動する、又は、ユーザ又はその二つ以上の組み合わせによって始動する。明らかなことだが、治療、すなわち治療期間中の信号の発生は、刺激装置に完全に制御されている。
【0030】
以下では、衣服とその構成、すなわち、低周波電気的筋肉刺激装置又はEMS−LFを含む構成の特定の例の詳細な説明がなされる。;図1、図2、図3への言及が明確になされる。
【0031】
図1のブロック図が示すのは、衣服の二つの電気的筋肉刺激信号発生装置EMS−LF−1及びEMS−LF−2である。;それらのいずれかは、図2においてEMS−LFとラベル付けされている。装置EMS−LF−1及びEMS−LF−2は、衣服の固定システムFIXの把持要素HEに設置されており、その結果、それらは人間PEの身体の右側及び左側に設置することができる。装置EMS−LF−1及びEMS−LF−2は、当該衣服のケーブルに直接接続されており、該ケーブルは当該衣服の電極EPSにつながっている。;電極は二つ一組で備わるが、それは、人間の身体、具体的には筋肉を通るように、それらの間に電流を流すためである。図3においては、EP−01からEP−11とラベル付けされた11組の電極が備わる。:電極EP−01は左脚の上部前面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−02は左脚の下部前面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−03は右脚上部前面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−04は右脚下部前面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−05は右脚上部(右大腿部)背面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−06は右脚下部(右ふくらはぎ部)背面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−07は左脚上部(左大腿部)背面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−08は左脚下部(左ふくらはぎ部)背面の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−09は右肩甲骨の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−10は左肩甲骨の筋肉を刺激する働きをし、電極EP−11は腰の筋肉を刺激する働きをする。これらの図表の例においては、装置EMS−LF−1が一方の下肢における電極EP−01、EP−02、EP−07、EP−08を駆動し、装置EMS−LF−2が他方の下肢の電極EP−03、EP−04、EP−05、EP−06に加えて、背中の電極EP−09、EP−10、EP−11を駆動する。
【0032】
図2が示すのは、図1の装置EMS−LF−1及びEMS−LF−2のいずれかがパーソナル・コンピュータPCに接続する可能性であり、それは、概してEMS−LFとラベル付けされた装置からパーソナル・コンピュータPCにデータを送信するためである。;送信の前に、これらのデータは装置EMS−LFのフラッシュメモリーに格納される。;送信の後、これらのデータはコンピュータPCのハードディスクに格納される。この例において、当該送信は、例えばRS−232ケーブルのようなシリアル通信手段、及び、装置EMS−LF及びコンピュータPCにおける適切なインターフェースを通して実行される。
【0033】
EMS−LFを起動する時間は、1分間以下である。
【0034】
EMS−LF最大連続運転(すなわち、刺激信号を示す)時間は、6時間以上である。
【0035】
EMS−LFは、電気的安全のための、(ロシア国)国家基準P.50267.0-92(IEC601-1)及び(ロシア国)国家基準P50267.10-93(IEC601-2-10)の条件を満たし、以下に属する:
−電気ショックからの保護に関しては、IIクラスの内部電源を備える製品/部品;
−保護レベルに関しては、BFタイプの製品/部品。
【0036】
EMS−LF要素の全体の寸法及び質量の最大値は、以下の通りである:
−(衣服を伴わない)ケースの全体の寸法:最大で410×300×70mm;
−ケースの中の衣服の全体の寸法:最大で400×320×95mm;
−(衣服を伴わない)ケースの中のEMS−LFの質量:3.8±0.1kg;
−ケースの中の電極を備える衣服の質量:2.3±0.1kg。
【0037】
電気的筋肉刺激信号は、衣服の中のケーブルを通って、筋肉又は筋肉群に設置されそれらと接触する電極まで来る。
【0038】
二つのEMS−LFを互いに接続し、スイッチを入れた後双方のEMS−LFの結合した運転の同期をもたらす衣服の中のケーブルも存在する。
【0039】
EMS−LFは、衣服の中の固定システムの把持要素に設置されており、(衣服の電極に通じる)衣服のケーブルに直接接続されるが、衣服/EMS−LFのコネクター上のマーキングにぴったりと一致するよう接続されている。各EMS−LFは以下の特徴を備える6チャンネルの電気的筋肉刺激を有する。:
−動作モード:周期的;
−最大刺激期間:6時間;
−刺激:1±0.1秒(パルスがバーストする期間)
−中断:2±0.1秒(パルスがバーストする時間間隔の期間)
−信号の種類:双極対称の長方形のパルス;
−パルスの作用時間:1±0.05ms
−パルスの周波数:25±1ヘルツ;
−バーストの間の電流の周波数:1−10KHz;
−500オームの負荷抵抗での電気的筋肉刺激信号の振幅:45V以下;
−電気的筋肉刺激信号の振幅設定の誤差:±10%以下(信号を制御する装置の誤差は考慮しない)。
【0040】
(これとは異なる)他の衣服の刺激装置は、異なる特性又はより広く調節可能な特性を有していてもよい。;例えば、刺激の可能で有利な値は0.5秒から2秒であり、中断の可能で有利な値は0.5秒から5秒であり、パルスの作用時間の可能で有利な値は0.2msから2.0msであり、パルスの周波数の可能で有利な値は10Hzから50Hzである。
【0041】
各チャンネルごとに電気的筋肉刺激信号の振幅を調整する可能性が、EMS−LF内にもたらされる。;一つのチャンネルを調整する間、他の電気的筋肉刺激のチャンネルはスイッチが切られる。
【0042】
当該EMS−LFは、1回当たり6時間の治療/動作の期間の情報の格納をもたらす。
【0043】
当該EMS−LFには、128×64ピクセルの解像度を有するグラフィカルな液晶ディスプレイ(LCD)が搭載される。;該LCDに表示される情報は、以下を含む。:
−EMS−LFの進行中の資料に関する情報:電気的筋肉刺激信号の振幅(その値の図式的でデジタルの表示を有する)及び刺激時間(時間、分、秒);
−治療の開始時刻及び終了時刻に関する情報。
【0044】
ディスプレイ上の全てのキャプションは、二つの言語、すなわちロシア語(製造者の言語)及び英語(ユーザの言語)でなされる。
【0045】
当該EMS−LFの電源は、自立した電源からのものである。:蓄電池(SB)はニッケル水素充電池であって、公称電圧は10.8Vであり、容量は1.7アンペアアワーである。
【0046】
当該EMS−LFの構成は、いかなる開口部からも内部に侵入する可能性、及び、内部要素に偶然触れる可能性を排除する。
【0047】
当該EMS−LFの全体の大きさは、212×111×45mm以下である。
【0048】
SBを有する当該EMS−LFの質量は、1.25±0.1kgである。
【0049】
EMS−LFは、プリント基板(すなわちサブユニット又はサブシステム)を有し、それらは:
−スイッチング装置;
−制御手段;
−パワーアンプ;
−整流子である。
【0050】
スイッチング装置は、制御手段への入力信号の形成を対象としており、該入力信号は、制御手段への入力信号が、EMS−LFの動作、電気的筋肉刺激のチャンネルの番号の選択、電気的筋肉刺激信号の振幅の増減に関する情報を運ぶ。
【0051】
制御手段は、すべてのEMS−LFの動作の制御を対象としており、以下のステップをもたらす。:
−電気的筋肉刺激信号を形成する;
−パワーアンプにおいて、電気的筋肉刺激信号の振幅を調整する;
−LCD上に表示される情報を形成する;
−以下の情報の記録とフラッシュメモリーへの格納:日付及び電気的筋肉刺激の開始及び終了時間、全てのチャンネルにとっての電気的筋肉刺激信号の最初に選択された振幅の値、いずれかのチャンネルにおける電気的筋肉刺激信号の振幅を変更した時刻及びその新たな値;
−フラッシュメモリーに格納された情報の、標準的RS−232インターフェースによるPCへの移送;
−整流子の動作の制御。
【0052】
パワーアンプは前記制御手段によって制御され、電気的筋肉刺激信号の形成、その振幅の調整、及び、電気的筋肉刺激チャンネル回路の出力のガルバ式デカップリングをもたらす。
【0053】
当該パワーアンプは、信号増幅に対する二つのチャンネルからなり、二つの絶縁変圧器を有する。
【0054】
当該EMS−LFは、二つのSBに対する同時の充電を意図した充電器(CH)を含む。
【0055】
CHでの電圧は、28Vの電圧を有する外部電源からもたらされる。
【0056】
CHは「インテリジェント」であり、充電の間、人間の制御を必要としない。:SBの過充電から保護するために充電が自動的に停止することが保証される。CHの動作の間、全ての機能のLED表示がもたらされる。
【0057】
当該トレーニング用−医療用低周波電気的筋肉刺激衣服は、追加的に、電気的筋肉刺激電極を湿らせるための加湿装置を備えることができる。
【0058】
当該EMS−LFは、ユーザ(例えば宇宙飛行士又は患者又は意思)によって選択され得る種々の治療プログラムを含む。;以下のプログラムがこの例の中にもたらされる。:
−プログラム1:右下肢の刺激、
−プログラム2:左下肢の刺激、
−プログラム3:右下肢及び左下肢の同時の刺激、
−プログラム4:背中の刺激。
【0059】
プログラム3のために、二つのEMS−LFが用いられる。
【0060】
明らかなことであるが、より複雑なプログラムが医師又は技術者によってもたらされたり、プログラムされたりしてもよい。
[データ伝達モード]
以下の情報は、電気的筋肉刺激の間、EMS−LFのフラッシュメモリーに記録される。:
−電気的筋肉刺激の日付;
−全てのチャンネルに対する電気的筋肉刺激信号の最初に選択された振幅の値;
−電気的筋肉刺激の開始時刻及び終了時刻;
−いずれかのチャンネルにおける電気的筋肉刺激信号の振幅の変更時及びその新たな値。
【0061】
当該EMS−LFは、(1回6時間の治療/動作の期間の)この情報の格納をもたらす。
【0062】
情報をPCに移送するため、当該EMS−LFはスイッチが入れられ、適切なガイドに含まれるインストール指示に従って、ソフトウェア(STIMUL−01)がPCにインストールされる。
【0063】
当該ソフトウェアSTIMUL−01は当該ガイドの指示に従って起動し、次に双方のEMS−LFが当該ガイドの指示に従ってPCに接続される。
【0064】
この時、当該EMS−LFのフラッシュメモリーに格納された情報は、PCに送られ、更なる利用のためにそのハードディスクに格納される。;その後、EMS−LFのフラッシュメモリーは空にされる。
【0065】
当該EMS−LFは、電気的筋肉刺激信号の形成を対象としているが、情報の記録、実行されている電気的筋肉刺激治療に関する情報のフラッシュメモリーへの格納、及びPCへの伝達も対象とする。
【0066】
意図された目的に対するEMS−LFの使用は以下の通りである。:
EMS−LFは、以下の使用モードを有する;
−電気的筋肉刺激モード;
−SB充電モード;
−EMS−LFから情報を読み出し、インターフェースRS−232を経由してPCに送るモード;
−SBのトレーニング(充電−放電)モード。
【符号の説明】
【0067】
EMS−LF 装置
EMS−LF−1 装置
EMS−LF−2 装置
EP−01 電極
EP−02 電極
EP−03 電極
EP−04 電極
EP−05 電極
EP−06 電極
EP−07 電極
EP−08 電極
EP−09 電極
EP−10 電極
EP−11 電極
EPS 電極
FIX 固定システム
HE 把持要素
PC パーソナル・コンピュータ
PE 人間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間によって着られる衣服の形態で実現されるトレーニング用/医療用電気的筋肉刺激装置において、少なくとも一つの電気的筋肉刺激信号発生装置を備え、該発生装置は、低パルス周波数で電気的筋肉刺激信号を発生するよう適合しており、当該装置又は各装置は、前記人間によって通常使用される間、前記衣服に設置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
二つの電気的筋肉刺激信号発生装置を備え、該装置はともに、前記人間によって通常使用される間、前記衣服に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の衣服。
【請求項3】
前記二つの装置は同時に作動するよう適合しており、お互いに同期するために電気的に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の衣服。
【請求項4】
前記装置又は各装置を前記人間の身体に固定する一体システムを更に備え、該システムは特に前記人間の身体の右側及び/又は左側に備わることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項5】
一体ケーブルを更に備え、該一体ケーブルは電気的筋肉刺激信号を、前記装置又は各装置から、前記人間の身体に前記信号を使用するよう適合された電極に伝達することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項6】
一体電極を更に備え、該一体電極は生成される電気的筋肉刺激信号を前記人間の身体に適用することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項7】
前記電極を加湿するための加湿装置を更に備えることを特徴とする、請求項5又は6に記載の衣服。
【請求項8】
前記装置又は各装置が、電源バッテリーを備えることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項9】
前記装置又は各装置のバッテリーに充電するためのバッテリー充電器を備え、特に該バッテリー充電器はインテリジェント・バッテリー充電器であることを特徴とする、請求項8に記載の衣服。
【請求項10】
前記装置又は各装置が、施された治療に関連する情報を格納する手段、及び、前記格納された情報をコンピュータに伝達する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項11】
格納されるべき、及び/又は、伝達されるべき前記情報がユーザによって選択されることを特徴とする、請求項10に記載の衣服。
【請求項12】
前記装置又は各装置が、周期的に生成される電気的筋肉刺激信号の以下のパラメータ、
刺激期間;
中断期間;
パルスの作用時間;
パルスの周波数;
バースト期間中の電流の周波数;
信号の振幅;
を制御することを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項13】
一つ以上の前記パラメータ、特に前記信号の振幅が、ユーザによって調整可能であることを特徴とする、請求項12に記載の衣服。
【請求項14】
前記装置又は各装置が、電気的筋肉刺激信号のための独立した複数のチャンネルを有することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項15】
前記チャンネルの各々が、個別に調節されることを特徴とする、請求項14に記載の衣服。
【請求項16】
前記装置又は各装置が、低周波電気的筋肉刺激の最大限の持続時間が6時間であるように適合されていることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項17】
別個の刺激、特に、背中と下肢部の筋肉、及び/又は、右側と左側の筋肉、及び/又は、単一の筋肉と筋肉群の刺激に適合されていることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項18】
前記装置又は各装置が、予め格納された治療プログラムを有することを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項19】
治療の開始が、前記装置又は各装置によって、その内部回路によって、及び/又は、外部検出器によって引き起こされることを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項20】
治療の開始が、ユーザによって引き起こされることを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の衣服。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515529(P2013−515529A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545356(P2012−545356)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070788
【国際公開番号】WO2011/080263
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(512106425)ステイト サイエンティフィック センター オブ ザ ロシアン フェデレーション インスティテュート オブ バイオメディカル プロブレムズ オブ ザ ロシアン アカデミー オブ サイエンスズ (2)
【出願人】(512075268)
【出願人】(511275027)シブ ラボラトリーズ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】