説明

トレーニング装置

【課題】 運動効率が向上するトレーニング装置を提供する。
【解決手段】(1)を参照して、ペダル14a及びペダル14bの各々の上方から所定値の人力Fを加える。すると、ペダル14a及びペダル14bの各々の回動に対する負荷制御機構による負荷が完全に除去されると共に、ペダル14a及び14bの各々に人力を加える両脚はいわゆる静的運動を行っている状態となる。次に(2)を参照して、ペダル14aの上方から第1人力F(=F+F)を加える。すると、(3)に示すように、ペダル14bに人力Fが加わったままペダリング運動が開始される。すなわち、右脚はペダル14a及び14bを移動させる第1人力Fを押圧力としてペダル14aに、左脚はペダル14a及び14bの移動に抗する第2人力Fを押圧力としてペダル14bにそれぞれ加えており、両脚では確実に静的運動が行われつつ動的運動が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はトレーニング装置に関し、特に筋力を向上させるためのトレーニング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来のトレーニング装置の一つであるペダリング装置の左側面図である。
【0003】
図を参照して、ペダリング装置80は、座部81と、ハンドル82と、回動自在の軸体83を中心に接続されている一対のペダル84a及び84bと、軸体83の回動に抵抗を加える抵抗器85とからなる。ペダリング装置80でのトレーニングは、使用者が座部81に腰掛け、手でハンドル82を把持し、右脚をペダル84aに、左脚をペダル84bにそれぞれ載置した後に、ペダル84a及びペダル84bの各々を、抵抗器85による負荷に抗して互いに踏み込むペダリング運動により行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図15は、図14で示した従来のペダリング装置による運動の状態を示した模式図である。
【0005】
図を参照して、軸体83の中心からペダル84aの中心までの水平距離をlとする。ペダリング運動を行うには、前方側のペダル84aに下方向きの力を加える必要がある。そして、ペダル84aに対しては、抵抗器85の回転負荷モーメントMに抗してペダル84aを動かすための人力Fが、
M≦l×F
となるように加えられる。尚、ペダリング運動を継続するには、ペダル84aが前方側にある限り人力Fを加え続けなければならない。よって、前方側のペダル84aを踏み込む右脚には、図で示すハッチングの範囲において常に回転負荷モーメントMが掛かっていると言える。
【0006】
一方、後方側のペダル84bはペダル84aの移動に伴い自動的に移動するので、ペダル84bに対しては特に力を加える必要がない。よって、図で示すハッチングの無い範囲において、後方側のペダル84bに載置されている左脚には回転負荷モーメントMが掛からない状態での運動となる。
【0007】
尚、左脚が前方に来た時には、左脚の移動に伴い後方に移動した右脚には回転負荷モーメントMが掛からない。
【0008】
すなわち、従来のペダリング装置による運動は、両脚の交互に負荷が掛かる運動となる。そのため、ペダリング運動に費やす時間の全体のうち、約半分の時間において負荷が掛からない状態となる、運動効率の低いものであった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、運動効率が向上するトレーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、トレーニング装置であって、一方に使用者の第1人力を加えると移動し、その移動によって他方が移動する一対の人力支持手段と、人力支持手段の移動に対して負荷を加える負荷手段と、人力支持手段に取付けられ、他方の移動に抗して加えられた使用者の第2人力が第1人力未満であって所定値以上である旨を検知する検知手段と、検知手段の検知出力に応答して負荷手段による負荷を除去する負荷制御手段とを備えたものである。
【0011】
このように構成すると、第2人力が所定値未満の時には人力支持手段に負荷が加わる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1人力及び第2人力は、いずれも押圧力であるものである。
【0013】
このように構成すると、第2人力を加える人体部分は後退しながら押圧力を加える運動となる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、人力支持手段は、ペダリング装置の一対のペダルを含み、検知手段は、ペダルの各々に取付けられ、負荷制御手段は、検知手段の各々からの検知出力が揃ったときに負荷手段の負荷を除去するものである。
【0015】
このように構成すると、押圧側のペダルと反対側のペダルに対しても一定の押圧力を加えた時、負荷手段の負荷が除去される。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1人力及び第2人力は、いずれも引張力であるものである。
【0017】
このように構成すると、第2人力を加える人体部分は前進しながら引張力を加える運動となる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、検知手段において、所定値は調整自在に構成されるものである。
【0019】
このように構成すると、使用者に応じて必要な第2人力の大きさを設定できる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、検知手段は、更に第2人力が所定値未満の大きさである旨も検知し、負荷制御手段は、更に検知された所定値未満の大きさの検知出力に応答して負荷手段の負荷を軽減し、その軽減度合いは所定値に近づくにつれて大きく設定されるものである。
【0021】
このように構成すると、第2人力が所定値未満になったとき、負荷手段の負荷は徐々に増加する。
【0022】
請求項7記載の発明は、トレーニング装置であって、一方に第1人力を加えると移動し、その移動によって他方が移動する一対の人力支持手段と、人力支持手段の移動に負荷を加える負荷手段と、人力支持手段の各々に係合する係合部と、係合部を支持する支持部と、他方の移動に抗して加えられた第2人力の2倍の力によって生じる係合部から支持部への加重を検知する検知手段と、検知手段の検知出力に応答して負荷手段による負荷を除去する負荷制御手段とを備えたものである。
【0023】
このように構成すると、支持部への荷重が第2人力の2倍未満の時には人力支持手段に負荷が加わる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、人力支持手段は、プーリー装置に用いられる両端にグリップが取付けられたベルトを含み、係合部はベルトが巻きつくように係合するプーリーを含むものである。
【0025】
このように構成すると、ベルトの一方端部のグリップと他方端部のグリップとに一定の引張力を加えた時、負荷手段の負荷が除去される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第2人力が所定値未満の時には人力支持手段に負荷が加わるので、第2人力の大きさに応じて運動状態が体感できるので運動効率が向上する。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第2人力を加える人体部分は後退しながら押圧力を加える運動となるので、特異な押圧運動となり、より効果的な運動となる。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、押圧側のペダルと反対側のペダルに対しても一定の押圧力を加えた時、負荷手段の負荷が除去されるので、両脚のいずれも常に負荷が掛かった状態を体感できることにより、より確実にトレーニング効率が高まる。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第2人力を加える人体部分は前進しながら引張力を加える運動となるので、特異な引張運動となり、より効果的な運動となる。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、使用者に応じて必要な第2人力の大きさを設定できるので、より効果的なトレーニングが可能となる。
【0031】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第2人力が所定値未満になったとき、負荷手段の負荷は徐々に増加するので、人力支持手段の移動に対する負荷が急激に増加しないため、運動の安全性が向上する。
【0032】
請求項7記載の発明は、支持部への荷重が第2人力の2倍未満の時には人力支持手段に負荷が加わるので、第1人力及び第2人力の大きさに応じて運動状態が体感できるので運動効率が向上する。
【0033】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、ベルトの一方端部のグリップと他方端部のグリップとに一定の引張力を加えた時、負荷手段の負荷が除去されるので、両腕等のいずれも常に負荷が掛かった状態を体感できることにより、より確実にトレーニング効率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるトレーニング装置としてのペダリング装置の左側面図であって、従来のペダリング装置の図14に対応した図である。
【図2】図1で示した検知器及び負荷機構の構造を示した模式図である。
【図3】図2で示した検知器及び負荷機構の動きを示した模式図である。
【図4】負荷除去状態時の図2で示した検知器及び負荷機構の状態を示した模式図である。
【図5】図1で示した前方側のペダルに所定値の人力を加えた場合の動きを示した模式図である。
【図6】図1で示した両側のペダルに人力を加えた場合の動きを示した模式図である。
【図7】負荷制御機構を単一とする場合の、図2で示す負荷制御機構と図1で示す検知器の各々との接続状態及びワイヤの動きを示した模式図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態によるトレーニング装置としてのペダリング装置の負荷機構の構造を示した概略模式図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態によるトレーニング装置としてのプーリー装置の使用状態を示した右側面図である。
【図10】図9で示したプーリー装置の負荷機構の構造を示した概略模式図である。
【図11】図9で示したプーリー装置に人力を加えた場合のプーリー装置の動きを示した模式図である。
【図12】この発明の第4の実施の形態によるトレーニング装置としての押圧回動装置の使用状態を示した左側面図である。
【図13】図12で示した押圧回動装置に人力を加えた場合の押圧回動装置の動きを示した模式図である。
【図14】従来のトレーニング装置の一つであるペダリング装置の左側面図である。
【図15】図14で示した従来のペダリング装置による運動の状態を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるトレーニング装置としてのペダリング装置の左側面図であって、従来のペダリング装置の図14に対応した図である。
【0036】
図を参照して、ペダリング装置80におけるペダル84a及び84bの各々が、検知器1a及び1bを着脱自在に取付けたペダル14a及び14bに、ハンドル82が報知器9を取付けたものにそれぞれ置き換わり、検知器1a及び1bと連動する負荷機構20を備えたものになっている。負荷機構20は、軸体13に連動するギア15にチェーン16及びギア17を介して接続し、ペダル14a及び14bの各々の回動に対して各々に負荷を加える。尚、負荷機構20の負荷とは別に従来装置の抵抗器85と同様にペダリング運動に加わる負荷を発生する装置(図示せず)が組み込まれている。報知器9は検知器1a及び1bの各々から発信される後述する信号を受信し、検知器1a及び1bの信号が揃ったときにLEDの発光により信号が揃ったことを報知する。このように構成したことによる効果は後述する。尚、他のペダリング装置10の構成要素は従来のペダリング装置80によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0037】
図2は、図1で示した検知器及び負荷機構の構造を示した模式図である。
【0038】
まず、図2の右側を参照して、検知器1aは、側面くの字形状の踏込板2と、チューブ6に包まれ、一方端部が踏込板2に、他方端部が後述する負荷制御機構23の主ロッド24に接続されたワイヤ5と、ペダル14aの上面に取り付けられた突起体8とからなる。踏込板2は、ペダル14aの上面及び前方面を覆うように配置され、ペダル14aの前方側に設けられた踏込板支持軸3を介して回動自在にペダル14aに取り付けられている。ワイヤ5を包むチューブ6は、ワイヤ5の一方端部側の端部がペダル14aの下面に、ワイヤ5の他方端部側の端部が負荷制御機構23の周辺に、それぞれ固定されている。突起体8は、後述する所定値の力以上で踏込板2がペダル14a側に踏込まれた場合に踏込板2と接するように配置され、突起体8と踏込板2とが接触すると、図示しない発信回路を介して図1において示した報知機9に信号が発せられる。このように構成したことによる効果は後述する。
【0039】
次に、図2の左側を参照して、負荷機構20は、駆動軸22を中心に回動自在の制動輪21と、検知器1aに連動する負荷制御機構23とからなる。尚、図1に示す検知器1bに対しても図示しない同様の負荷機構が接続されている。制動輪21は図1で示したチェーン16が接続されるギア17を有する。尚、制動輪21はラチェット構造によりギア17の駆動軸22と共に前方へ回転するが、駆動軸22の後方への回転は制動輪21に対して自在に構成されている。このように構成すると、チェーン16を介して制動輪21と接続されている図1に示すペダル14a及び14bは、前方への回動については制動輪21と連動するようになるが後方への回動については制動輪21と連動しないため、ペダル14a及び14bの反転が可能となり、これらの位置決めが容易となる。
【0040】
負荷制御機構23の各々は、主支持軸25を中心に回動自在であって一方端部26が鉤形状の主ロッド24と、主ロッド24の一方端部26と係合するとともに副支持軸29を中心に回動自在の副ロッド28と、副ロッド28に設けられ制動輪21に当接することによって制動輪21の回動に負荷をかけるシュー30とからなる。主ロッド24の他方端部27には、ワイヤ5の他方端部と引バネで構成される主バネ41の一方端部とが接続され、負荷制御機構23は主バネ41により制動輪21の側に付勢されている。主バネ41の他方端部は強度調整機構40に接続され、主バネ41の一方端部と他方端部との距離は一定範囲内において自在に設定できるようになっている。
【0041】
尚、強度調整機構40は、ベース部42と、ベース部42に形成され主バネ41の他方端部が接続する主バネ接続部43と、ベース部42に取り付けられたボルト44と、ベース部42をスライド自在に載置する強度設定盤45とからなる。強度設定盤45には複数の穴46が形成され、所望の主バネ41の引張力に対応する位置の穴46に挿入したボルト44を介してベース部42が固定される。このように構成すると、主バネ41による主ロッド24の引張力を調整することができるので、後述する第2人力の大きさを使用者に応じて設定できるため、より効果的なトレーニングが可能となる。
【0042】
図3は、図2で示した検知器及び負荷機構の動きを示した模式図であり、図4は、負荷除去状態時の図2で示した検知器及び負荷機構の状態を示した模式図である。
【0043】
まず、図3を参照して、踏込板2を主バネ41による引張力の値(所定値)未満の力でペダル14aの側に踏込む(押圧する)。この時、踏込板2が踏込板支持軸3を中心に回動し、踏込板2に接続されたワイヤ5がペダル14aの前方側に引っ張られる。すると、ワイヤ5の他方端部が接続する主ロッド24の他方端部も主バネ41の引張力に抗してワイヤ5に引かれ、主支持軸25を中心に反時計回りに回動し、主ロッド24と副ロッド28とが離れる。ここで、主ロッド24の下方と副ロッド28の下方との間には押バネによる副バネ31が設けられており、この副バネ31により副ロッド28は引き続き制動輪21の方に向かって付勢される。よって、シュー30の一部が制動輪21に当接した状態になり、負荷制御機構23による負荷は減少してはいるが完全には除去されていない状態となる。このように構成すると、後述する第2人力が所定値未満の時には制動輪21の回転抵抗を介して人力支持手段であるペダル14a及び14bの各々に負荷が加わるため、第2人力の大きさに応じて運動状態が体感できるので運動効率が向上する。
【0044】
次に、図4を参照して、踏込板2を所定値以上の力でペダル14a側に踏込むと、ワイヤ5を介して更に主ロッド24が反時計回りに回動し、主ロッド24の一方端部26と副ロッド28とが係合して負荷制御機構23全体が制動輪21から離れる方向に引かれる。すると、シュー30が制動輪21に当接しなくなり、負荷制御機構23による制動輪21の回転に加わる負荷が完全に除去される。
【0045】
このように構成すると、図1に示す検知器1a及び1bは所定値未満の踏込みの力も検知し、負荷機構20はその力が所定値に近づくにつれて負荷の軽減を大きくするものになる。逆に言えば、踏込みの力が所定値未満になったとき、負荷機構20は負荷が徐々に増加するものになるため、ペダル14a及び14bの回動に対する負荷が急激に増加せずにペダリング速度が徐々に下がり、運動の安全性が向上する。
【0046】
尚、所定値で踏込板2を踏込んだ場合、踏込板2の下面と突起体8とが接触するので、図1において示した報知機9に信号が発信される。そして、検知器1a及び1bの信号が揃うと、報知器9が発光し、検知器1a及び1bの各々に所定値以上の押圧力が加えられた旨が視認できる。この時、ペダリング運動は本来の負荷のみになるので、負荷機構20の負荷の軽減が併せて体感できる。
【0047】
図5は、図1で示した前方側のペダルに所定値の人力を加えた場合の動きを示した模式図であり、図6は、図1で示した両側のペダルに人力を加えた場合の動きを示した模式図である。
【0048】
尚、図5及び図6においては、説明の便宜上、一方のペダルにのみ所定値の人力を加えた状態では、他方のペダルに連動する負荷制御機構による負荷のためにペダルは回動しないものとする。
【0049】
まず、図5の(1)を参照して、ペダル14aに上方から所定値の人力F(=後述する人力Fから後述する人力Fを引いたもの)を加え、ペダル14bに対しては従来と同様に人力を加えないものとする。すると、図4の(2)に示すように踏込板2がペダル14aの側に完全に踏込まれ、ペダル14aと連動する負荷制御機構による負荷が除去されるが、ペダル14bに連動する負荷制御機構による負荷があるためこの状態ではペダル14a及び14bは回動できない。
【0050】
次に、図6の(1)を参照して、ペダル14bにも上方から所定値の人力Fを加える。すると、ペダル14bと連動する負荷制御機構による負荷も除去され、ペダル14a及びペダル14bの各々の回動に対する負荷制御機構による負荷は完全に除去される。尚、ペダル14a及びペダル14bの各々には、それぞれペダル14a及び14bを下方から上方に押し上げようとする、それぞれの回動に抗する反対側の力(破線で示す)が加わることから、ペダル14a及び14bは、各々の上方と下方との両側から人力Fを加えられている状態に等しい。又、ペダル14a及び14bの各々に人力を加える両脚には、人力Fに相当する負荷がそれぞれ掛かっており、両脚はいわゆる静的運動を行っている状態となる。
【0051】
更に、図6の(2)を参照して、ペダル14aの上方から人力Fに人力Fを加えた人力Fを加える。すると、図6の(3)に示すように、ペダル14bに人力Fが加わったままペダリング運動が開始される。すなわち、右脚はペダル14a及び14bを移動させる第1人力F(=F+F)を押圧力としてペダル14aに、左脚はペダル14a及び14bの移動に抗する第2人力Fを押圧力としてペダル14bにそれぞれ加えており、両脚では静的運動を行いつつ動的運動を行っていると言える。尚、このような運動はペダル14a及び14bの前後が反対になっても同様の人力をそれぞれに加えることで維持される。
【0052】
このように構成すると、第2人力を加える人体部分の運動は後退しながら押圧力を加える運動となるので、特異な押圧運動となり、より効果的な運動となる。又、押圧側のペダルと反対側のペダルに対しても一定の押圧力を加えたとき、負荷手段である負荷機構の負荷が除去されるので、両脚のいずれにも常に負荷が掛かった状態を体感できることにより、より確実にトレーニング効率が高まる。
【0053】
尚、図2で示す負荷機構20は、検知器1aに連動する負荷制御機構23と検知器1bに連動する負荷制御機構とを各々備えるものであったが、検知器1a及び検知器1bの検知出力が揃った時に負荷を除去する単一の負荷制御機構を備えるものであってもよい。
【0054】
図7は、負荷制御機構を単一とする場合の、図2で示す負荷制御機構と図1で示す検知器の各々との接続状態及びワイヤの動きを示した模式図である。
【0055】
尚、図7においては、説明の便宜上、一方のペダルにのみ所定値の人力を加えた状態では、負荷制御機構による負荷の除去は不十分なものとなり、ペダルは回動しないものとする。
【0056】
まず、図7の(1)を参照して、略T字型の中継板32に、図1に示す検知器1aに一方端部が接続されたワイヤ5aの他方端部と、図1に示す検知器1bに一方端部が接続されたワイヤ5bの他方端部と、単一とした場合の負荷制御機構23に一方端部が接続されたワイヤ35の他方端部とが、それぞれ接続されている。
【0057】
次に、図7の(2)を参照して、一方の検知器1bのみから検知出力があった場合、すなわちワイヤ5bのみが引かれた場合、中継板32が傾く。すると、中継板32におけるワイヤ35の他方端部の接続部分が距離Lだけ移動し、ワイヤ35は結局移動距離L分引かれることになる。
【0058】
最後に、図7の(3)を参照して、検知器1bに加え検知器1aからも検知出力があった場合、すなわち検知出力が揃った場合、ワイヤ5bに加えてワイヤ5aが引かれる。すると、中継板32全体が引かれて、中継板32においてワイヤ35の他方端部が接続された部分が更に引かれ、ワイヤ35としては移動距離L分引かれることになる。この時、移動距離L分のワイヤ35の引っ張りで負荷機構による負荷が完全に除去されるように構成すればよい。
【0059】
図8は、この発明の第2の実施の形態によるトレーニング装置としてのペダリング装置の負荷機構の構造を示した概略模式図である。
【0060】
図を参照して、負荷機構50は、軸体13を介してペダル14a及び14bの回動運動に連動して回動する制動輪51と、電磁ブレーキ(渦電流式ディスクブレーキ)53a及び53bと、制動輪51の外面に形成されたフライホイール54a及び54bよりなる。尚、フライホイール54a及び54bには、回動を制御するため電磁ブレーキ53a及び53bの各々の磁力線によって発生する渦電流による負荷が掛けられるように構成されている。
【0061】
ペダル14aには押圧力が掛かった旨を検知し、その押圧力の値を電気的信号により制御部55に送信する荷重センサ52aが内蔵されている。制御部55は、荷重センサ52aが検知した押圧力が所定値調節部56により設定された所定値を超えた場合に電磁ブレーキ53aに信号を送信し、制御部55からの信号を受信した電磁ブレーキ53aは、磁力線の発生を抑えて渦電流を消去する。その結果、フライホイール54aへの回転負荷が除去される。所定値未満となったときフライホイール54aの回転負荷を徐々に高めるように制御部55は制御する。ペダル14b、ペダル14bに内蔵される荷重センサ52b及び電磁ブレーキ53bの各々は、ペダル14a、荷重センサ52a及び電磁ブレーキ53bの各々と同様の構成よりなる。尚、他の構成要素は従来のペダリング装置80によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0062】
このように構成すると、第1の実施の形態において示した第2人力を加える人体部分の運動は後退しながら押圧力を加える運動となるので、特異な押圧運動となり、より効果的な運動となる。又、押圧側のペダルと反対側のペダルに対しても一定の押圧力を加えたとき、負荷手段である負荷機構の負荷が除去されるので、両脚のいずれにも常に負荷が掛かった状態を体感できることにより、より確実にトレーニング効率が高まる。
【0063】
図9は、この発明の第3の実施の形態によるトレーニング装置としてのプーリー装置の使用状態を示した右側面図であり、図10は、図9で示したプーリー装置の負荷機構の構造を示した概略模式図である。
【0064】
これらの図を参照して、プーリー装置60は、支柱61と、支柱61の上方に接続された側面視略コの字形状の枠体62と、枠体62の上下面に配置された軸受64a及び64b(支持部)に支持された状態で枠体62を貫通する軸体63(係合部)を介して、枠体62の上下内側に回動自在に取付けられている側面視鼓形状のプーリー65とからなる。プーリー65の括れ部分66には、両端にプルグリップ67a及び67bを備えたベルト68が巻きつくように係合しており、プルグリップ67a及び67bの各々を引っ張ることによりベルト68のプーリー65に対する摩擦力でプーリー65は回動する。尚、プーリー65とベルト68とは人力支持手段を構成する。
【0065】
負荷機構70(負荷手段)は、枠体62の内部に配置されており、電磁ブレーキ73と、軸体63の外面に形成されたフライホイール74よりなる。尚、フライホイール74には、回動を制御するために電磁ブレーキ73の磁力線によって発生する渦電流による負荷が掛けられるように構成されている。
【0066】
軸受64a及び64bの各々の前方側には、軸受64a及び64bに前方への移動力が掛かった旨を検知し、その移動力の値を電気的信号により制御部75に送信する荷重センサ72a及び72b(検知手段)が配置されている。制御部75は、荷重センサ72a及び72bに掛かった移動力が所定値調節部76により設定された所定値を超えた場合に電磁ブレーキ73に信号を送信し、制御部75からの信号を受信した電磁ブレーキ73は、磁力線の発生を抑えて渦電流を消去する。その結果、フライホイール74への回転負荷が除去される。所定値未満となったときフライホイール74の回転負荷を徐々に高めるように制御部75は制御する。尚、ここでの各々の所定値の合計は後述する人力Fの2倍の値に設定されている。
【0067】
図11は、図9で示したプーリー装置に人力を加えた場合のプーリー装置の動きを示した模式図である。
【0068】
まず、図11の(1)を参照して、ベルト68に何ら引張力が掛かっていない状態では軸受64a及び64bにも移動力が掛からないので、電磁ブレーキの回転負荷は除去されず、プーリー65は回動しない。
【0069】
次に、図11の(2)を参照して、図9に示すプルグリップ67a及び67bをそれぞれ手で握ってベルト68を手前に引っ張り、ベルト68の両端部の各々に引張力としての人力Fを加えると、軸受64a及び64bには人力Fの2倍の移動力が加わり、荷重センサ72a及び72bは上下にあるので各々は人力Fの力を検知する。すると、上述したように電磁ブレーキ73の渦電流を弱めるための各所定値の合計は人力Fの2倍の値に設定されているから、図10に示す負荷機構70による負荷が除去される。尚、ベルト68を引っ張る人体の両腕の各々には、それぞれプーリー65を引っ張る人力Fに相当する負荷がそれぞれ掛かっており、両腕はいわゆる静的運動を行っている状態となる。
【0070】
最後に、図11の(3)に示すように、ベルト68の一方端部に人力Fに人力Fを加えた人力Fを加える。すると、ベルト68の他方端部に人力Fが加わったままプーリー65の回転運動が開始される。すなわち、右腕はベルト68の一方端部を移動させる第1人力F(=F+F)を引張力としてベルト68の一方端部に、左腕はベルト68の一方端部及び他方端部の移動に抗する第2人力Fを引張力としてベルト68の他方端部にそれぞれ加えており、両腕では静的運動を行いつつ動的運動を行っていると言える。尚、このような運動はベルト68の一方端部及び他方端部による往復運動が逆になっても維持される。
【0071】
このように構成すると、第2人力を加える人体部分の運動は前進しながら引張力を加える運動となるので、特異な引張運動となり、より効果的な運動となる。又、プルグリップ67a及び67bを用いて一定の引張力を加えたとき、負荷手段である負荷機構70の負荷が除去されるので、両腕等のいずれも常に負荷が掛かった状態を体感できることにより、より確実にトレーニング効率が高まる。更に、支持部である軸受64a及び64bへの各々の荷重の合計が第2人力の2倍未満の時には人力支持手段であるベルト68に負荷が加わるから、第1人力及び第2人力の大きさに応じて運動状態が体感できるので運動効率が向上する。
【0072】
図12は、この発明の第4の実施の形態によるトレーニング装置としての押圧回動装置の使用状態を示した左側面図であり、図13は、図12で示した押圧回動装置に人力を加えた場合の押圧回動装置の動きを示した模式図である。
【0073】
まず、図12を参照して、押圧回動装置100は、基台に一方端部が接続され基台に対して回動自在な軸体103と、軸体103の他方端部に一方端部が接続され、他方端部がアーム105a及び105bの二股に分かれている二股アーム104と、一方のアーム105aに接続されるプッシュグリップ106a及び他方のアーム105bに接続されるプッシュグリップ106bとを備える。軸体103の内部には、軸体103の回動に対し負荷を掛ける図示しない負荷機構が備わっており、負荷機構の負荷は、後述する荷重センサ102a及び102bからの信号が揃った時に除去される。プッシュグリップ106aとアーム105aとの間には、プッシュグリップ106aからアーム105aへ所定の荷重があったことを検知する荷重センサ102aが設けられ、荷重センサ102aは、所定の荷重があった場合に信号を二股アーム104に取付けられたLEDよりなる報知器109及び負荷機構に対して発信する。プッシュグリップ106bとアーム105bとの間にも、荷重センサ102aと同様の荷重センサ102bが設けられている。報知器109は、荷重センサ102a及び102bの各々から発信される信号を受け、荷重センサ102a及び102bの信号が揃ったときに発光により信号が揃ったことを報知する。荷重センサ102a及び102bが信号を発するための荷重の所定値は、二股アーム104に設けられた所定値調節部107a及び107bの各々で設定される。尚、ここでの所定値は、それぞれ後述する人力Fの値に設定されている。
【0074】
押圧回動装置100によるトレーニングの際には、プッシュグリップ106aを一方の手で、プッシュグリップ106bを他方の手でそれぞれ握り、この状態から一方の手と他方の手とを図の矢印で示すようにアーム105a又は105bの方向に力を入れ、押圧回動運動を行う。
【0075】
ここで、図13を参照して、一方の手によりプッシュグリップ106aをアーム105aに押し付けようとする第2人力Fをプッシュグリップ106aに加えると共に、他方の手によりプッシュグリップ106bの移動に抗する第2人力Fをプッシュグリップ106bに加える。すると、プッシュグリップ106aからアーム105aへの荷重が検知され、荷重センサ102aから信号が発信される。又、プッシュグリップ106bからアーム105bへの荷重の検知により荷重センサ102bからも信号が発信される。その結果、荷重センサ102a及び102bからの信号が揃ったことを受けて負荷機構の負荷が除去される。又、報知器109が発光するため、荷重センサ102a及び102bに所定値以上の押圧力が加えられた旨が視認できる。所定値未満となったとき軸体103の回転負荷を徐々に高めるように負荷機構は制御する。
【0076】
この状態を維持したまま、プッシュグリップ106aに更に人力Fを加える。すなわち、第1人力F(=F+F)でプッシュグリップ106aを押圧する。すると、軸体103が回動し、プッシュグリップ106bに第2人力Fが加わったまま押圧回動運動が開始される。
【0077】
このように構成すると、所定の第2人力をプッシュグリップ106bに加えた状態での運動が可能となり、プッシュグリップ106a及び106bの双方に人力を加えた状態の運動が連続するため、運動効率が向上する。又、第2人力を加える腕の運動は、後退しながら押圧力を加える特異な押圧運動となり、より効果的な運動となる。このような運動はプッシュグリップ106bが第1人力Fを掛けられる側になることにより、運動の方向が反対方向になっても維持される。尚、プッシュグリップ106a及び106bの各々に加わる人力の所定値は、所定値調節部107a及び107bによりばらばらに設定できるから、それぞれの腕の力に合わせた所定値の設定が可能であり、より効果的な運動となる。
【0078】
尚、押圧回動装置100は、プッシュグリップ106a及び106bの各々を掴んで引き合うことにより、引張運動を行う引張回動装置として用いることも可能である。このようにすると、第2人力を加える腕の運動は、前進しながら引張力を加える特異な引張運動となり、より効果的な運動となる。
【0079】
尚、上記の各実施の形態では、トレーニング装置の具体例として、ペダリング装置、プーリー装置、押圧回動装置を挙げていたが、これら以外のトレーニング装置や、既存の椅子等に検知器及び負荷機構を組み込んで同様の動きをするようにしたものであっても良い。
【0080】
又、上記の各実施の形態では、制御部が所定値未満の荷重を検知した旨の信号を受けて、荷重が所定値に近づくにつれて負荷が徐々に除去されていく特定構造の負荷機構を備えたものであったが、これに代えて他の構造の負荷機構であっても良いし、あるいは、第2人力が所定値未満となると直ちに人力支持手段の移動を停止する完全なロック機構を採用してもよい。
【0081】
更に、上記の第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第4の実施の形態では、検知器は左右の人力支持手段(第1の実施の形態及び第2の実施の形態においてはペダル、第4の実施の形態においてはプッシュグリップ)の各々に取付けられていたが、少なくとも片方に取付けられていれば、取付けられている人力支持手段の側の体の部位には常に第2人力が要求されるので運動効率が高まる。
【0082】
更に、上記の第1の実施の形態では、ペダリング装置は、ペダルの各々に検知器が取付けられるものであったが、各々のペダルに加えられる第2人力の2倍以上の力によって生じる軸体への加重を検知する検知器が軸体周りに設けられるものであっても良い。
【0083】
更に、上記の各実施の形態では、いずれの装置も、第1人力及び第2人力は同一人により加えられ、一人で動かすものであったが、各人力が異なる者によって加えられるようにして、複数人により動かす装置であっても効率的な運動となり、同様の効果を奏する。
【0084】
更に、上記の第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第4の実施の形態では、報知器は光により報知するものであったが、音や振動等、別の方法により報知するものであっても、あるいは取付位置が異なるものであっても良く、更には無くても良い。
【符号の説明】
【0085】
1a、1b…検知器
10…ペダリング装置
14a、14b…ペダル
21…制動輪
20…負荷機構
23…負荷制御機構
30…シュー
50…負荷機構
52a、52b…荷重センサ
53a、53b…電磁ブレーキ
54a、54b…フライホイール
55…制御部
60…プーリー装置
63…軸体
64a、64b…軸受
65…プーリー
67a、67b…プルグリップ
68…ベルト
70…負荷機構
72a、72b…荷重センサ
73…電磁ブレーキ
74…フライホイール
75…制御部
100…押圧回動装置
102a、102b…荷重センサ
106a、106b…プッシュグリップ
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニング装置であって、
一方に使用者の第1人力を加えると移動し、その移動によって他方が移動する一対の人力支持手段と、
前記人力支持手段の移動に対して負荷を加える負荷手段と、
前記人力支持手段に取付けられ、前記他方の移動に抗して加えられた前記使用者の第2人力が前記第1人力未満であって所定値以上である旨を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知出力に応答して前記負荷手段による負荷を除去する負荷制御手段とを備えた、トレーニング装置。
【請求項2】
前記第1人力及び前記第2人力は、いずれも押圧力である、請求項1記載のトレーニング装置。
【請求項3】
前記人力支持手段は、ペダリング装置の一対のペダルを含み、
前記検知手段は、前記ペダルの各々に取付けられ、
前記負荷制御手段は、前記検知手段の各々からの検知出力が揃ったときに前記負荷手段の負荷を除去する、請求項2記載のトレーニング装置。
【請求項4】
前記第1人力及び前記第2人力は、いずれも引張力である、請求項1記載のトレーニング装置。
【請求項5】
前記検知手段において、前記所定値は調整自在に構成される、請求項1から請求項4のいずれかに記載のトレーニング装置。
【請求項6】
前記検知手段は、更に前記第2人力が所定値未満の大きさである旨も検知し、
前記負荷制御手段は、更に前記検知された所定値未満の大きさの検知出力に応答して前記負荷手段の負荷を軽減し、その軽減度合いは前記所定値に近づくにつれて大きく設定される、請求項1から請求項5のいずれかに記載のトレーニング装置。
【請求項7】
トレーニング装置であって、
一方に第1人力を加えると移動し、その移動によって他方が移動する一対の人力支持手段と、
前記人力支持手段の移動に負荷を加える負荷手段と、
前記人力支持手段の各々に係合する係合部と、
前記係合部を支持する支持部と、
前記他方の移動に抗して加えられた第2人力の2倍の力によって生じる前記係合部から前記支持部への加重を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知出力に応答して前記負荷手段による負荷を除去する負荷制御手段とを備えた、トレーニング装置。
【請求項8】
前記人力支持手段は、プーリー装置に用いられる両端にグリップが取付けられたベルトを含み、
前記係合部は前記ベルトが巻きつくように係合するプーリーを含む、請求項7記載のトレーニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−106813(P2013−106813A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254528(P2011−254528)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【特許番号】特許第5006988号(P5006988)
【特許公報発行日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(503284453)