説明

トレー

【課題】複数種類の容器に対応することができ、容器を収容部の中心位置に精度よく配置するとともに、収容部にしっかりと保持することが可能なトレーを提供する。
【解決手段】トレー20の収容部21は、平面視正方形の底壁21aとこの底壁21aの周囲を取り囲むように立設された側壁21bとにより枡状に形成されている。収容部21を構成する4辺の側壁21bの上端部には、平板22とねじりコイルバネ23とからなる付勢手段が設けられている。平板22は、先端部22aを収容部21の中心に向けた状態で、かつ、側壁21bと直角となるように、基端を側壁21bの上端部にねじりコイルバネ23を介して取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の容器を収容可能なトレーに関する。
【背景技術】
【0002】
入院患者などに用いられる輸液療法において、投与される薬液は、その成分が患者一人一人に対して異なるので、それぞれ、医師の処方箋に基づき、薬剤師の手によって複数の薬液から必要な量だけ調合されている。
【0003】
ところで、薬液の種類は膨大なものである。そして、これらの薬液が貯留されている容器の大きさや形状も、薬液を調合する薬剤師の誤認等を事前に防ぐ意味も兼ねて、様々なものが製造されており、多種多様なものが存在する。また、薬液を投与される患者の疾患も多種にわたり、それぞれが必要とする薬液の量も成人と乳幼児等では大きく異なる。
【0004】
このような膨大な種類の薬液が貯留された薬液容器から、薬剤師が医師の処方箋に基づいて一つ一つ薬液を調合する現在の薬液調合方法は、調合量のミスや薬液の取り違えなど、患者に甚大な被害を与える危険性を持っている。そこで、薬液調合をできるだけ自動化する試みがなされている(例えば、特許文献1に記載。)。
【0005】
上部に開口を有するガラス製やプラスチック製の瓶型の容器に薬液が貯留されている場合、容器の上部開口から薬液を吸引したり吐出したりするインジェクタが用いられる。容器を収容する収容部を複数備えたトレーに、薬液が貯留された容器やこれらの薬液を調合する容器を並べて配置し、インジェクタを自動制御で位置決めするとともに、設定された量の薬液を吸引させたり吐出させたりすることによって、薬液を自動で調合することが可能な調合装置を構築することができる。
【0006】
一方、容器を収容する収容部を複数備えたトレーとしては、例えば、特許文献2に記載のものがある。特許文献2に記載のマイクロチューブラックは、直方体に形成された箱体の上面に、同じ大きさの保持孔が縦横に複数形成されており、保持孔に円筒状のマイクロチューブを差し込むだけで、マイクロチューブを縦横に精度よく並べて配置することができる。従って、このようなトレーに容器を配置しておけば、後はインジェクタを自動制御で位置決めするだけで、薬液の自動調合を行うことができる。
【0007】
【特許文献1】特開平9−225008号公報
【特許文献2】特開2001−246267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載のマイクロチューブラックは、保持孔にマイクロチューブを差し込む構成であるので、同じ形状の容器しか収容することができない。上述したように、薬液が貯留された容器の大きさや形状は多種多様であるので、薬液の調合装置などに用いられるトレーは、このような複数種類の容器を並べて配置することができるように形成されていなければならない。また、インジェクタの位置をその都度微調整することなく、自動制御であらかじめ決められた距離だけ移動させれば、インジェクタの先端が必ず容器の上部開口に位置する状態となるように、容器は常にトレーの収容部の中心位置に精度よく配置されている方が望ましい。
【0009】
また、自動化された薬液の調合装置であっても、薬液容器が陳列された薬液棚から調合に必要とする複数種類の薬液容器を選び、トレーのそれぞれ所定の位置に並べる作業は人の手に頼らざるを得ない。複数種類の容器に対応できるように、トレーの収容部が大きく形成されていると、容器は収容部に遊びがある状態で配置されるので、しっかりと固定されず、作業中に作業者の手や肘が誤ってトレーに当たり、トレーに収容された容器が倒れて中の薬液がこぼれてしまうこともある。
【0010】
そこで、本発明は上記の点に鑑みて、複数種類の容器に対応することができ、容器を収容部の中心位置に精度よく配置するとともに、収容部にしっかりと保持することが可能なトレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のトレーは、自動制御で位置決めされるインジェクタによって、上部に開口を有する容器から液体を吸引または吐出して該液体を調合する調合装置に用いられ、容器を収容する収容部を複数備えるトレーであって、収容部は、底壁と側壁とにより形成され、側壁には、容器の外周面を等しい付勢力で狭持する複数の付勢手段が設けられたことを特徴とする。
【0012】
トレーの収容部の側壁には、付勢手段が複数設けられており、容器をトレーの収容部に載置すると、それぞれの付勢手段が容器の外周面に当接する。それぞれの付勢手段は容器の外周面を等しい力で付勢して容器を狭持するので、これにより、容器は収容部の中心位置に精度よく配置されるとともに、収容部にしっかりと保持された状態となる。また、容器を収容部に押しこんでいくと、容器の底面は、その大きさに応じた収容面積を確保するように、付勢手段の付勢力に対抗しながら収容部の底壁に当接する。このようにして、大きさや形状の異なる複数種類の容器であっても、容器は収容部に収容され、また、容器の外周面は複数の付勢手段から同じ付勢力で狭持される。従って、収容された容器を収容部の中心位置に精度よく配置することができる。
【0013】
ここで、収容部の底壁は、中心が最下端となるようにテーパ状に形成されたものであることが望ましい。
収容部底壁において、その中心部分が最下端となるように円錐形や角錐形などのテーパ状に形成されたことにより、底壁は、中心に向かって均等な角度で傾斜しているので、容器を収容部に載置して押しこんでいくと、容器は、底面の面積と底壁の水平断面の面積とが略同じとなったところで底壁に突き当たる。収容部の底壁は、最下端となる中心に向かって均等な角度で傾斜しているので、容器の底面は、収容部の底壁に水平な状態で保持され、また収容部の中心と容器の中心とが一致した状態となる。よって、容器は、外周面だけでなく底面においても、しっかりと収容部に保持されることとなる。
【0014】
なお、付勢手段は、平板とねじりコイルバネとにより構成され、平板は、ねじりコイルバネを介して側壁に取り付けられたものである方が望ましい。
【0015】
平板の基端は、ねじりコイルバネを介して側壁に取り付けられている。そして、先端は収容部の中心部付近で自由端となっている。収容部の底壁に当接するまで容器を押しこんでいくと、容器は、ねじりコイルバネを弾性変形させながら、外周面に当接している平板の先端を押し下げる。すると、ねじりコイルバネには反発力が発生するので、この反発力により、容器の外周面は付勢される。同様に、複数設けられた付勢手段の平板のそれぞれが、この反発力により同じ力で複数の方向から容器の外周面を付勢して狭持する。これにより、容器は収容部の中心位置に精度よく配置されるとともに、収容部にしっかりと保持されることとなる。また、容器の大きさに応じて、ねじりコイルバネが弾性変形しながら平板が押し下げられることにより、容器を収容部に載置するための収容面積が確保されるので、形状や大きさの異なる複数種類の容器であっても、容器は収容部に収容され、また、収容された容器の外周面は複数の付勢手段から同じ付勢力で狭持され、収容される容器は収容部の中心位置に精度良く配置される。容器を収容部から取り出すと、ねじりコイルバネの反発力により、平板の先端はもとの位置に戻るので、繰り返してトレーを使用しても、その都度、容器を精度よく配置し、そして、しっかりと保持することができる。
【0016】
また、付勢手段は板バネであってもよい。
この板バネは、基端が側壁に取り付けられており、先端が自由端となっている。収容部の底壁に当接するまで容器を押しこんでいくと、容器は、板バネ全体が湾曲するように弾性変形させながら外周面に当接している板バネの先端を押し下げる。すると、板バネには、弾性変形したことによる反発力が発生するので、この反発力により容器の外周面は付勢される。複数設けられた板バネのそれぞれが、この反発力により複数の方向から容器の外周面を付勢して狭持する。また、容器の大きさに応じて、板バネが弾性変形の度合いを変化させることにより、容器を収容部に載置する収容面積が確保されるので、形状や大きさの異なる複数種類の容器であっても、容器は収容部に収容され、また、収容された容器の外周は複数の付勢手段から同じ付勢力で狭持され、収容される容器は収容部の中心位置に精度良く配置される。なお、板バネは、弾性変形する板材であれば金属製や樹脂製等のどのような材料で形成してもよい。
【0017】
また、収容部は、容器に設けられた液体情報を読み取る読取手段を備えた方が望ましい。
液体を調合する際にできるだけ人的ミスをなくすことは重要である。本発明のトレーは、収容部に読取手段を備えることにより、収容部が、容器に設けられた液体情報を読み取る。これにより、どのような液体の容器が収容部に配置されたかということをトレーが認識することができる。よって、指定された収容部に指定された液体の容器が収容されていない場合は、トレーに既知の警告手段等を備えることにより、警告音を発したり警告ランプを点灯させたりして、誤って配置された容器を指定された正しい収容部に配置しなおすように誘導することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のトレーによれば、以下の効果を奏す。
(1)収容部の側壁に、等しい付勢力で容器の外周面を狭持する複数の付勢手段が設けられたことにより、大きさや形状の異なる複数種類の容器であっても、収容部の中心位置に精度よく配置することができるので、インジェクタの位置決めが容易となり、これにより、インジェクタの先端に固定されている針が、容器の開口へと入らずに開口の縁に当たって折れることを防ぐことができる。また、上記構成により、容器は、トレーの収容部にしっかりと保持されるので、作業者が容器をトレーに並べて配置する際に、作業者の手や肘が誤ってトレーに当たり、トレーに収容された容器が倒れて中の液体がこぼれてしまったりすることを防ぐことができる。
(2)収容部の底壁が、その中心が最下端となるようにテーパ状に形成されたことにより、容器は、外周面だけでなく底面においても、しっかりと収容部に保持されることから、収容部内での容器の転倒を防止することができる。
(3)トレーの収容部が、容器に設けられた液体情報を読み取る読取手段を備えたことにより、指定された正しい収容部に指定された液体の容器を配置することができ、作業者の誤認等による人的ミスをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を用いて本実施の形態における調合装置の一例として、薬液調合装置に用いられるトレーについて説明する。図1は、本実施の形態におけるトレーの平面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は、本実施の形態におけるトレーに容器を載置した様子を示す断面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態におけるトレー20は、自動制御で位置決めされるインジェクタを備えた薬液調合装置に用いられ、薬液容器や調合容器を収容するための収容部21を縦横に列状に複数備えたものである。
【0021】
図1および図2に示すように、トレー20の収容部21は、平面視正方形の底壁21aとこの底壁21aの周囲を取り囲むように立設された側壁21bとにより枡状に形成されたものである。薬液容器は、上部に開口を有する円筒状に形成された容器であっても、その詳細な外形や大きさは同じではなく、複数種類の容器が存在する。本実施の形態では、特に極微量の薬液を調合する薬液調合装置に用いられるトレー20であり、収容部21は、調合に用いる微量の薬液が貯留される、数十ml入りの薬液容器が収容可能な程度に形成されている。また、底壁21aは、その中心が最下端となるように四角錐形のテーパ状に形成されている。
【0022】
収容部21は、下側に向かって四角錐形のテーパ状に形成されたくぼみを有する矩形状の板材上に、くぼみをそれぞれ取り囲むように、長尺状の薄板を縦横に配置して接着することによって形成される。つまり、薄板によってそれぞれ仕切られた一つの区画が収容部21となる。
【0023】
各収容部21を構成する4辺の側壁21bの上端部には、ねじりコイルバネ23を介して平板22の基端部が取り付けられ、この平板22とねじりコイルバネ23とが付勢手段として機能する。平板22は、側壁21bと同じ長さの斜辺を有する直角三角形状の薄板であり、先端部22aが円筒状の容器の外周面に沿いやすくなるように、円弧状に切り欠かれている。平板22は、先端部22aを収容部21の中心に向けた状態で、かつ、側壁21bと略直角となるように、ねじりコイルバネ23を介して取り付けられている。
【0024】
各収容部21には、薬液容器に設けられた薬液情報を読み取る読取手段としての無線ICタグリーダ24が備えられている。薬液容器には、無線ICタグ(図示せず)が設けられており、この無線ICタグを、無線ICタグリーダ24で読み取ることにより、各薬液の容器に貯留された薬液情報が得られるようになっている。また、トレー20には、指定された薬液の容器が指定された収容部21に収容されていない場合に警告音を発生する警告音発生装置が備えられている。
【0025】
次に、以上のように構成された本実施の形態におけるトレー20に、薬液容器や調合容器が配置される様子を図3に基づいて説明する。
容器Aをトレー20の収容部21に載置する場合、まず容器Aの底面が平板22の先端部22aに当接する。この状態でさらに容器Aを押しこんでいくと、容器Aは、基端部にあるねじりコイルバネ23を圧縮しながら、外周面に当接している平板22の先端部22aを押し下げる。すると、ねじりコイルバネ23には圧縮に対する反発力が発生するので、この反発力により、平板22の先端部22aは容器Aの外周面を付勢し始める。同様にして、他の平板22もそれぞれの方向から容器Aの外周面を付勢し始める。
【0026】
さらに、容器Aを押しこんでいくと、容器Aの底面と、テーパ状に形成された底壁21aの水平断面とが略同じ大きさとなる位置で、容器Aの底面は底壁21aに当接する。底壁21aは、その中心が最下端となるように均等な角度で傾斜するテーパ状に形成されていることから、容器Aの底面は、水平に保たれた状態で四角錐形に形成された底壁21aに当接する。これにより、容器Aの底面の中心は収容部21の中心と一致した状態となる。また、平板22の先端部22aは、容器Aにより、ねじりコイルバネ23をさらに圧縮させながら、先端部22aに形成された切り欠きの曲面が容器Aの外周面と一致する位置まで押し下げられる。これにより、平板22は、容器Aの外周面をねじりコイルバネ23の反発力でさらに強く付勢する。同様に、他の平板22も、それぞれの方向から容器Aの外周面を強く付勢するので、容器Aは完全に拘束される。このとき、容器Aは同じ反発力で4方向から付勢されているので、容器Aの中心は収容部21の中心位置と完全に一致した状態となっている。このように、容器Aは底面と外周面との2箇所によって、収容部21の中心に容器Aの中心が位置するようにしっかりと狭持される。
【0027】
収容部21に、容器Aよりも大きい容器Bが載置される場合、容器Bは、ねじりコイルバネ23を圧縮させながら、平板22の先端部22aを、容器Aの場合よりもさらに押し下げていく。また、容器Bよりもさらに大きい容器Cの場合には、容器Cは、ねじりコイルバネ23をさらに圧縮させながら、平板22の先端部22aを、切り欠きの曲面が容器Cの外周面と一致する位置までさらに押し下げる。このようにして、異なる大きさの容器であっても、容器が平板を押し下げていくことにより、その容器を収容する収容面積が確保される。この場合においても、容器の外周面はねじりコイルバネ23の反発力により、複数の平板22から同じ力で付勢されているので、容器は収容部21の中心位置に精度よく配置される。
また、容器が円筒状でなく角柱状であっても、容器の底面は、四角錐形に形成された底壁21aに均等な高さで当接し、また、付勢手段の平板22が容器の外周面のそれぞれを同じ力で付勢して狭持する。
【0028】
このように、本実施の形態におけるトレー20の収容部21は、底壁21aが四角錐形に形成されており、また、平板22とねじりコイルバネ23とにより構成された付勢手段を備えたことにより、容器が収容部21の大きさよりも小さいものでありさえすれば、容器の大きさや形状に関わらず、複数種類の容器を収容部21の中心位置に精度よく配置するとともに、収容部21にしっかりと保持することが可能となる。
【0029】
上記のように、薬液容器が収容部21の中心位置に精度よく配置されることにより、この薬液容器の上部開口から薬液を吸引したり吐出したりするインジェクタを自動制御で位置決めする際に、トレー20の中心位置をあらかじめ制御装置に入力するだけで、インジェクタを指定された薬液容器の上部開口に移動させることができる。これにより、トレーの収容部に収容された薬液容器の上部開口とインジェクタの針との位置を一致させるためにインジェクタの移動量をその都度微調整したりすることなく、インジェクタを確実に指定された薬液容器の上部開口に移動させることができる。よって、インジェクタの先端に固定されている針が、薬液容器の開口へと入らずに開口の縁に当たって折れることも防ぐことができる。
【0030】
なお、容器が収容部21に載置される際に、トレー20の収容部21に設けられた無線ICタグリーダ24によって、容器に付された無線ICタグが読み取られる。トレー20の各収容部21には、あらかじめ、どのような薬液が貯留された薬液容器が収容されるかが定められており、収容された薬液容器が指定された薬液容器でない場合、トレー20に設けられた警告音発生手段により警告音が出される。このようにすることで、患者の処方箋に基づき、薬液容器が陳列された薬液棚から調合に必要とする複数種類の薬液容器を作業者が選び、トレー20の収容部21にそれぞれ並べる作業を行う際に、作業者のミスによって間違った薬液容器が配置され、そのまま間違った薬液が調合されることを未然に防ぐことができる。
【0031】
なお、本実施の形態におけるトレー20の収容部21は平面視正方形に形成されていたが、これに限らず、平面視円形としたり多角形としたりしてもよい。この場合、側壁に設けられる付勢手段の平板22は、底壁の形状に合わせて形成すればよい。特に、収容部21の底壁が円形である場合は、側壁21bに設ける複数の付勢手段を等間隔に配置することで、容器を中心位置に精度よく配置することができる。また、収容部21の底壁が矩形に形成されている場合は、対面となる一対の側壁に付勢手段を設けるか、全ての側壁にそれぞれ付勢手段を設ける構成とするとよい。
【0032】
また、板材上に接着される複数の薄板の間隔を広くしたり狭くしたりすることで、形成される収容部21の大きさを段階的に数種類形成してもよい。これにより、より多くの種類の容器に対応できるトレーとすることもできる。
【0033】
また、トレー20の収容部21に設けられる読取装置は、薬液容器に付された薬液情報を読み取ることができればどのようなものであってもよく、例えば、薬液容器に二次元バーコードが設けられていれば、読取手段をバーコードリーダにするなど、従来公知のものを用いてもよい。
【0034】
なお、本実施の形態におけるトレー20は、他の実施の形態として、付勢手段を板バネにより構成することも可能である。
板バネの基端を側壁21bの上端部に連設するとともに、先端を収容部21の中心に向けて配置した自由端とすることにより、容器を収容部21の底壁21aに当接するまで押しこんでいくと、容器の外周面に当接した板バネのそれぞれは、その容器の大きさによって、その弾性変形の度合いを変えながら収容面積を確保するとともに容器の外周面を同じ力で付勢して狭持することができる。このようにして、容器の大きさが異なっていても、収容される容器は収容部の中心位置に精度良く配置される。
【0035】
また、板バネの基端を側壁21bの上端部に連設することによって、容器は、上部開口により近い位置の外周面を付勢されるのでバランスよく支持され、容器を載置する際に、容器が収容部21内で転倒することを避けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のトレーは、形状や大きさが異なる複数種類の容器であっても、容器を収容部の中心位置に精度よく配置するとともに、収容部にしっかりと保持することができるので、自動制御で位置決めされるインジェクタを備えた液体の調合装置に用いられるトレーとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施の形態におけるトレーの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本実施の形態におけるトレーに容器を載置した様子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
20 トレー
21 収容部
21a 底壁
21b 側壁
22 平板
22a 先端部
23 ねじりコイルバネ
24 無線ICタグリーダ
A,B,C 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動制御で位置決めされるインジェクタによって、上部に開口を有する容器から液体を吸引または吐出して該液体を調合する調合装置に用いられ、前記容器を収容する収容部を複数備えるトレーであって、
前記収容部は、底壁と側壁とにより形成され、
前記側壁には、前記容器の外周面を等しい付勢力で狭持する複数の付勢手段が設けられたことを特徴とするトレー。
【請求項2】
前記底壁は、中心が最下端となるようにテーパ状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のトレー。
【請求項3】
前記付勢手段は、平板とねじりコイルバネとにより構成され、
前記平板は、前記ねじりコイルバネを介して前記側壁に取り付けられたことを特徴とする請求項1または2記載のトレー。
【請求項4】
前記付勢手段は、板バネであることを特徴とする請求項1または2記載のトレー。
【請求項5】
前記収容部は、前記容器に設けられた液体情報を読み取る読取手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載のトレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−340998(P2006−340998A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171303(P2005−171303)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(398054340)株式会社日本コンピュータ・アソシエーツ (3)
【Fターム(参考)】