ドアの開閉装置
【課題】ハンドル操作により、容易にかつ短時間にドアを開くことができること。
【解決手段】ドアに取付けられる錠前と、ドアの壁面に取付けられる取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び錠前の施・解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片を後退動させた状態でドアを開くドアの開閉装置であって、前記取付け座の動力伝達機構は歯車列で構成され、前記ハンドルの操作力は、駆動歯車部材に設けられた連結棒を介して錠前の施・解錠機構を構成する伝動歯車に伝わることを特徴とするドアの開閉装置。
【解決手段】ドアに取付けられる錠前と、ドアの壁面に取付けられる取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び錠前の施・解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片を後退動させた状態でドアを開くドアの開閉装置であって、前記取付け座の動力伝達機構は歯車列で構成され、前記ハンドルの操作力は、駆動歯車部材に設けられた連結棒を介して錠前の施・解錠機構を構成する伝動歯車に伝わることを特徴とするドアの開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルを操作すると、建具の水平方向に回転する開閉扉、水平方向にスライドする引戸などのドアに取付けられた錠前の施錠片(ラッチを除く)が解錠状態となり、そのままの状態でドアを開くことができるドアの開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドアの開閉装置の一例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のドアの開閉装置は、ドアに取付けられた施・解錠機構を有する錠前と、ドアの壁面に取付けられた取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び前記錠前の解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片(ラッチを除く)を後退動させた状態でドアを開くことができる。
【0003】
しかして、前記取付け座に内装された動力伝達機構は、例えばハンドル回転軸と共に回転する大きい円盤と、複数本のリンクを介して回転し、かつ、錠前の開閉カムに連結された錠カム軸を回転させる小円盤とから構成されている(特許文献1の図5、段落0022)。また、特許文献1には、前記動力伝達機構は、ハンドル回転軸と共に回転する大きい歯車と、該大きい歯車に直接噛合する小さい歯車で構成しても良い旨が記載されている(図6、0026)。
【0004】
このように、ハンドル取付け座に動力伝達機構を内装し、例えば平面視L字形状のレバーハンドルを操作した状態で前記動力伝達機構及び錠前の錠箱(又はブラケット)に内装された解錠機構で施錠片(閂)を解錠することは公知事項であるが、現在、引戸錠等の錠前の施・解錠機構に対応して、かつ、バリアフリーの観点(簡単な操作でドアを容易に開くことができること)から、ハンドル取付け座に納める動力伝達機構や該動力伝達機構に連動する錠前側の解錠機構をもっと合理的な構成に改良することが望まれている。
【特許文献1】特許公開2001−200667
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ハンドル操作により、容易にかつ短時間にドアを開くことができること。具板的には、デッドボルト又はカマを有する引戸錠等の鎌錠の施・解錠機構に対応して、かつ、バリアフリーの観点(簡単な操作でドアを容易に開くことができること)から、ハンドル取付け座に納める動力伝達機構や該動力伝達機構に連動する鎌錠側の解錠機構をもっと合理的な構成に改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドアの開閉装置は、ドアに取付けられる錠前と、ドアの壁面に取付けられる取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び錠前の施・解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片を後退動させた状態でドアを開くドアの開閉装置であって、前記取付け座の動力伝達機構は歯車列で構成され、前記ハンドルの操作力は、駆動歯車部材に設けられた連結棒を介して錠前の施・解錠機構を構成する伝動歯車部材に伝わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
次に列挙するような効果を得ることができる。
(1)請求項1に記載の発明は、取付け座の内部に設けた動力伝達機構を歯車列にし、該歯車列の動力を、連結棒を介して錠前側の施・解錠機構の伝動歯車に伝え、しかも、デッドボルト又はカマを解錠方向へ動かすための操作力を「摘み方式のサムターン」ではなく、「握り方式のレバーハンドル」にしたので、簡単な操作により、錠前を解錠状態にしながら、ドアを容易に開くことができる。また、動力伝達機構の歯車列の中に遊び歯車が存在するので、普通一般のハンドル操作と同様に、単にレバーハンドルの握り部分を操作するだけで良い(例えば握り部分を所定量引き上げる)。さらに、ハンドル回転軸の位置に重ならないよう歯車列及び連結棒を介して施・解錠機構の伝動歯車にレバーハンドルの操作力を伝えるので、レバーハンドルとは別個に既製のサムターンユニットを錠箱に取付けることもできる(サムターンとレバーハンドルの併用)。つまり、容易にかつ短時間にドアを開くことができる。
(2)請求項2ないし請求項4に記載の発明は、引戸に取付けられかつ自動施錠機構を備えた鎌錠に適用することから、レバーハンドルの握り部分を操作するだけで、鎌錠の解錠ないし引戸を開く操作を一連的に行うことができる。また、レバーハンドルの操作性が良い。
(3)カマ作動障害部材は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することから、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する可能性を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図1乃至図12に示す本発明を実施するための最良の形態により説明する。
【0009】
(1)発明の主たる環境部材
図1は、ドア(本実施例では引戸)Yの内壁(室内)から見た説明図である。説明の便宜上、図1を正面図として取り扱う。図2は、レバーハンドル(以下、「ハンドル」という。)51の初期位置(ハンドルの下方を指向する握り部分の一部を省略)における取付け座52内の動力伝達機構53を左側面側から見た説明図である。
したがって、54は引戸Yの内壁であり、前記取付け座52は、上下部にそれぞれ形成された貫通孔55及び該貫通孔55にそれぞれ挿通される複数本の固着具(図示しない)を介して内壁54に固定される。
【0010】
それ故に、取付け座52は、引戸Yの戸先に内装された錠前50の錠箱3に対して、引戸Yの内壁54を介して添設されることになり、図2で示すハンドル51は、L字形状の内側ハンドルに相当する。
【0011】
周知のように普通一般の内側ハンドル51は、ハンドル回転軸56を有する軸部51aと、該軸部51aに直交方向に連設する握り部分51bとから成る。本実施例のハンドル51及びハンドル回転軸56は、例えば取付け座52の上方に位置する既製のサムターンユニット57とは全く別個・独立の部材である。
【0012】
付言すると、ハンドル51の握り部分51bを斜めの状態になるように引き上げると、該ハンドル51の操作力は、取付け座52に内装された動力伝達機構53及び錠前50の施・解錠機構(特に解錠機構)をそれぞれ介して錠前の施錠片(本実施例ではカマ)40を後退動させる。
【0013】
したがって、本発明のドアの開閉装置は、ドアYに取付けられる錠前50と、ドアの壁面54に取付けられる取付け座52と、該取付け座にハンドル回転軸56が挿入されるハンドル51との組み合わせから成り、前記ハンドル51を操作すると、前記取付け座52に内装された動力伝達機構53及び錠前50の解錠機構をそれぞれ介して錠前50の施錠片40を後退動させた状態でドアを開く。
【0014】
(2)取付け座の動力伝達機構
図2乃至図4を参照にして、取付け座の動力伝達機構53を説明する。なお、本実施例の取付け座52は、長座であるが、該長座の細部的事項の説明は割愛する。
【0015】
まず、61はハンドル回転軸56の挿入内端部用の断面正方形の角軸孔62を有する伝動歯車部材である。この伝動歯車部材61は、ハンドル回転軸56が前記角軸孔62に嵌合することから、ハンドル51を操作すると、ハンドル回転軸56と共に回転する。
【0016】
図3を基準にすると、伝動歯車部材61は、取付け座52の中心部寄りの位置に所定の範囲内で回転できるように組み込まれている。すなわち、63は円形状伝動歯車部材61の外周下位に所定量切欠された切欠部分で、該切欠部分63内には、取付け座52の下方貫通孔55を形成する受け突起が位置している。受け突起は、伝動歯車部材61に対してストッパーの役割を果たす。
【0017】
また、64は切欠部分63とは反対側の部位(外周上位)に形成された伝動ギヤー部で、該伝動ギヤー部はハンドル回転軸56の回り方向に所要量形成されている。
65はハンドル回転軸56の挿入端部に巻装されたハンドル用の復帰バネで、該復帰バネの交差状両端部は、前述した受け突起側に食み出ている。
【0018】
66は伝動歯車部材61の伝動ギヤー部64に噛合する遊び歯車である。歯車列を形成する遊び歯車66の歯車比は、ハンドル51の操作力を増やすように適宜に設定されている。遊び歯車66は、操作力を増殖するのみならず、取付け座52の上部に組み込まれた駆動歯車部材67の間に介在し、駆動歯車部材67の回転方向を伝動歯車部材61と同方向にさせる機能を果たしている。
【0019】
取付け座側の駆動歯車部材61は、中心部(軸受け部)67aから半径外方向に扇形状に広がる連結部分67bを有し、この連結部分67bの両端部には、取付け孔68がそれぞれ形成されている。本実施例では、前記取付け孔68に一つに、例えばピン状の連結棒69の外端部が差込み固定される。
【0020】
しかして、前記連結棒69の内端部は、後述する錠前50の施・解錠機構を構成する伝動歯車部材34の一つに直接または間接的(本実施例では手前側の歯車に連動する裏側の係合回転板の一つ)に連結されており、ハンドル51の操作力は、駆動歯車部材67に設けられた連結棒69を介して前記伝動歯車部材34に伝えられる。なお、取付け座の動力伝達機構53の作用については割愛する。
【0021】
(3)本発明の適用対象の錠前
本発明は、図5乃至図11に示すような錠前(例えば引戸用鎌錠)50に適用するのが最適である。
【0022】
まず、図5を参照にして、錠前50に用いられる錠箱の構造を簡単に説明する。まず、3は錠箱、4フロント板、5はカマ用開口、6はトリガー部材用開口である。
次に、番号が飛ぶが、錠箱3には幾つかの軸等が設けられている。19は第1固定軸、22は第2固定軸、27はバネ受けピン、36は伝動歯車部材用の一芯軸、47はカマ軸である。
【0023】
次に、錠箱3には幾つかの切欠部分があり、下から順番に説明すると、45はトリガー部材用の水平案内部分、46はカマ作動障害部材の障害子を案内する垂直案内部分、48はラック部材用の水平案内部分、71は本発明の動力連結手段としての連結棒69を案内する弧状案内部分、そして、49は操作部材(キー、サムターンなど)の操作力で作動する駆動手段(シリンダー、ダルマ等)を取付けるための嵌合孔である。
【0024】
(4)錠前の新規構成
図6は、戸枠体Xに対して、引戸Yを矢印A方向に閉める際に、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた状態(ここでは「第1段階」という。)を示す。この第1段階では、指状のトリガー共働片(係止片)18がONの状態である。ここで「ONの状態」とは、トリガー共働片18の係合端部18aがカマ40の先端部40bの外周に形成した被係合部(切欠溝)41に係合しており、キー、サムターン等の図示しない外部操作手段の操作力により、カマ40を少なくとも完全施錠方向へ動かすことができない状態をいう。それ故に、閉戸時に於いて、不用意にカマ40が施錠方向に回転してストライク1の外面に衝突する事態を回避できる。
【0025】
まず、Xは建具の戸枠体、Yは引戸、Zは鎌錠の自動施錠機構である。鎌錠の自動施錠機構Zは、引戸Yを閉める時に、戸枠体Xにトリガー部材7の先端面12が当たること前提として、トリガー部材7が後退動し始めると、トリガー部材7に交差状に係合するトリガー共働片18が倒れるように回転してカマ40から離れ、次いで、引戸Yの閉める量に対応してトリガー部材7がさらに錠箱3内に後退動すると、ラック32の移動を阻止しているカマ作動障害部材21が、トリガー部材7を構成する押圧片10の後端部に押されて係止を解消する方向へ回転する。
【0026】
本実施例では、カマ作動障害部材21は「二物品」で構成され、第1係合片24の先端部に設けられたブロック状の障害子25の位置が変位(例えば下降)する。その結果、前記ラック32が付勢バネ33のバネ力でフロント板4側へ移動し始め、他の伝動歯車部材34,35が作動する点に特徴がある。
【0027】
そこで、図6を参照にして、主な構成部材を説明する。1は受け金具のストライク、2はストライク1のカマ用係入孔、3は引戸の戸先側に固定された錠箱、4はフロント板、5はフロント板に形成されたカマ用開口、6はトリガー部材用開口、7は引戸Yの閉戸時に戸枠体X側に押されて後退変位するトリガー部材、31は該トリガー部材7の後退力によって作動する動力伝達手段、40は該動力伝達手段31の歯車35と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマである。錠箱3、動力伝達手段31及びカマ40の具体的構成については後述する。
【0028】
(5)トリガー部材7
トリガー部材7は、図7で示すように、トリガー本体8と、該トリガー本体8の後端部に可動軸9を介して軸支されたカマ作動障害部材用押圧片10と、前記可動軸9に巻装された押圧片用バネ11とから成る。
【0029】
トリガー部材7のトリガー本体8は、フロント板4の開口6から突出する先端部8aと、該先端部8aに連設する中間部8bと、該中間部8bに連設する後端部(支持部)8cに区分することができる。
【0030】
しかして、前記先端部8aの山形状先端面12は、第1段階ではストライク1の前面に当たる。また、前記中間部8bには、トリガー共働片用の開口13が形成されている。さらに、前記後端部8cには、可動軸9用の軸孔14や切欠状支持部分15が形成されている。その他錠箱3に形成された水平案内部45に係合する突起(省略)が中間部8bの左右の側壁に形成されている。
【0031】
一方、前記カマ作動障害部材用押圧片10は、トリガー本体8の後端部8cの切欠状支持部分15に支持されるように可動軸9を介して該トリガー本体8に一体的に装着されている。この押圧片10の先端部側10aは、切欠状支持部分15に支持される部分であり、一方、後端部側10bは、自動施錠時、カマ作動障害部材21の第1係合片24の後端部を押圧する反面、解錠時、前記第1係合片24により押される部分でもある。16は押圧片10に形成された軸孔である。
【0032】
押圧片用バネ11は、一端部がトリガー本体8の後端部の切欠内面に、他端部が押圧片10の凹所状内面にそれぞれ圧接し、該バネ11で付勢されている押圧片10は、常態では水平状態になっている。したがって、自動施錠時、トリガー部材7は後退動しても、押圧片10は回転することなく、トリガー本体8と共にそのまま水平移動する。
【0033】
(6)トリガー共働片18
図6で示すように、トリガー共働片18は、その基端部(実施例では下端部)が錠箱3に第1固定軸19を介して軸支され、一方、係合端部(実施例では上端部)18aはカマ40の先端部の被係合部41に係脱する。このトリガー共働片18は、本実施例では、トリガー部材7に対して交差状態に係合していると共に、第1固定軸19に設けられたトリガー共働片用バネ20で係合方向に常時付勢されている。
【0034】
付言すると、トリガー共働片18は、閉戸する際、トリガー7の先端面12が戸枠体側(実施例ではストライク2)に当たる瞬間の第1段階では、カマ40の被係合部41に係合しており、トリガー7の後退動により、トリガー共働片18が傾倒方向へ作動した第2段階では、その係合端部18aはカマ40の被係合部41から離れる。
【0035】
(7)カマ作動障害部材
カマ作動障害部材21は、第2固定軸22を介して錠箱3に軸支されている。本実施例のカマ作動障害部材21は、トリガー部材7と動力伝達手段31を構成するラック部材32との間に配設され、前記第2固定軸22に巻装されたカマ作動障害部材用バネ23により、前記ラック部材32に係合する方向に常時付勢されている。
【0036】
このカマ作動障害部材21は、カマ40に対するトリガー共働片18の係止状態が解消した後の第3段階では、トリガー部材7を介して、動力伝達手段31の作動を許容する方向へ回転する。付言すると、カマ40を自動施錠する場合、カマ作動障害部材21は、ラック部材32の前面から、その障害子25が下降して離れる。
【0037】
しかして、本実施例のカマ作動障害部材21は、施錠時にはトリガー部材7の押圧片10に押される反面、解錠時には前記押圧片10を押す第1係合片24と、この第1係合片24の一端部に設けられ、ラック部材32が所定の位置(カマ解錠位置)へと移動した時に該ラック部材32に係合する障害子25とから成る。
【0038】
上面弧状の障害子25は、連結可動ピン26を介して第1係合片24の先端部に連結されている。そして、前記連結可動ピン26は、錠箱3に形成された垂直案内部分に係合している。
【0039】
図8を参照にして、カマ作動障害部材21の具体的構成を説明する。24は人差し指形状の第1係合片で、この第1係合片24は、中央部の軸孔24aに挿入されかつ錠箱3に横設軸架された第2固定軸22を介して軸支されている。
【0040】
しかして、第1係合片24の先端部には連結可動ピン26用の連結孔24bが形成され、一方、その後端部にはバネ23の一端部を受けるピン状の突起24cが設けられている。そして、前記バネ23の他端部は、錠箱3に後壁付近に設けたバネ受けピン27に支持されている。このバネ23の強さは、押圧片用バネの強さを考慮して適宜に設定されている。
【0041】
また、本実施例の障害子25は、例えば下向きコ字形状に形成され、第1係合片24に先端部に跨ぐように乗っかっている。そして、左右の対向側壁25aには連結可動ピン26用の案内長孔28が一対形成され、該案内長孔28を介して第1係合片24に先端部に多少可動できるように連結されている。さらに、前記左右の対向側壁25aの外面には、錠箱3に形成した垂直案内部分46と係合する単数又は複数個(本実施例)の係合突起29が設けられている。
【0042】
(8)動力伝達手段31
図6を参照にして、錠箱3に組み込まれた動力伝達手段31を構成する各部材を簡単に説明する。32は水平方向へ往復動するラック部材で、該ラック部材32は、カマ自動施錠用の付勢バネ33を備えている。付勢バネ33は、本実施例では、ラック部材32に組み込まれている。
【0043】
34はカマ40を施・解錠方向へと回転させるための第1伝動歯車で、該第1伝動歯車部材34は、ラック部材32とカマ40に係合する第2伝動歯車35との間に介在している。第1伝動歯車部材34の具体的構成については新規事項なので、ここでは特に図示しないが、例えば一芯軸36を介して複数個併設されている。
【0044】
しかして、第1伝動歯車部材34は、例えば連結棒69に直接回される回転板と、該回転板と周方向に余裕(例えば45度)をもって係合可能であり、かつ、該回転板に追動する従動回転板と、該従動回転板によって回転し、かつ、ラッチと係合するピニオン(図面上、一番手前側に見える回転板)とから構成されている。第1伝動歯車部材34の具体的構成は、単に新規情報を公開することになるので、本明細書では割愛する。
【0045】
なお、連結棒69に直接回される回転板には、半径方向に延びる連結部37が設けられ、該連結部37の取付け孔38に連結棒69の内端部が適宜に差し込まれている。それ故に、錠箱内のスペースを有効的に活用することができる。
【0046】
(9)カマ40
カマ40は、幅広の基端部40aがカマ軸47を介して軸支されている。また、カマ40は不番の連係手段(ガイド長孔、伝動歯車35の係合ピン)を介して回転自在となっている。その他必要に応じて不番のバネを設けている。カマ40の先端部40bの外面には、前述したように被係合部(切欠溝)41が形成されている。
【0047】
(10)錠前の自動施錠機構
まず、図6、図9乃至図11を参照にして、錠前の自動施錠機構の作用について説明する。
【0048】
図6は「第1段階」である。この第1段階は、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた瞬間である。第1段階では、トリガー共働片18がONの状態である。したがって、カマ40の先端部40bは錠箱3内に位置している。また、ラック部材32は付勢バネ33に付勢されているものの、カマ作動障害片21の障害子25により、その移動が阻止されている。
【0049】
次に、図9は「第2段階」である。この第2段階では、トリガー共働片18が「OFF」の状態となる。トリガー部材7が矢印B方向へ水平移動すると、トリガー共働片18は第1固定軸19を支点に回転するから傾倒状態となり、その係合端部18aがカマ40の被係合部41から離れる。この第2段階の後、或いは第2段階と同時に、トリガー部材7の押圧片10はカマ作動障害部材21の第1係合片24の下端部を押圧し始める。この時、押圧片10の先端部10aの下面はトリガー本体8の切欠状支持部分15に支持されているから、反時計方向へ回転することができない。
【0050】
したがって、押圧片10はトリガー本体8と共にそのまま後退動する。そうすると、作動障害部材21の第1係合片24は、第2固定軸22を支点に反時計方向へと回転することから、障害子25は錠箱3の垂直案内部分46に案内されて下降する。しかし、この第2段階では、まだラック部材32は作動障害部材21の障害子25に阻止されている。
【0051】
図10は、「第2段階から第3段階に入った状態」である。カマ40に対するトリガー共働片18の係止状態が解消した後の第3段階では、カマ作動障害部材21は、前記トリガー部材7を介して、動力伝達手段31の作動を許容する方向へ回転する。
【0052】
すなわち、第1係合片24が反時計方向へ回転し続けると、矢印方向へ位置移動変位中の障害子25の上部弧状面25bがラック部材32の下面32aに潜る込むことが可能な状態となる。
【0053】
そこで、本実施例の第3段階では、前記障害子25がラック部材32の下面32aに入り込み、その結果、ラック部材32が付勢バネ33のバネ力により矢印方向へ移動し始める。
【0054】
図11は、ラック部材32が前進した結果、カマ40が複数個の伝動歯車部材34、35を介して施錠方向へ回転し、自動施錠の状態になったことを示す。
【0055】
(11)錠前のハンドル操作による解錠機構
図12は、ハンドル51の握り部分を操作することにより、その操作力に起因して錠前の各構成部材が解錠方向へ作動して解錠状態になった説明図である。ハンドル51を引き上げると、連結棒69は錠箱3の弧状案内部分71に案内されて位置変位する。本実施例では、握り部分を引き上げると、連結棒69の位置は上方方向へ変位する。
【0056】
ハンドル51の操作により、図11の施錠状態から図12の解錠状態にする場合、カマ作動障害部材21の第1係合片24の後端部は、トリガー部材7の押圧片10を押し付ける必要があることから、押圧片10はバネ11のバネ力に抗して時計方向へと自動的に回転している。したがって、押圧片用のバネ11のバネ力は、障害片用のバネ23のそれよりも「弱く」設定する必要がある。
【0057】
したがって、ハンドル操作による解錠の際には、位置が錠箱内に後退変位しているトリガー部材7の押圧片10がラック部材32の後退動に基づき、初期位置へと復帰するカマ作動障害部材21に押されて回転する
なお、本実施例では、サムターン側の操作によっても錠前50を解錠状態にすることができる。
【実施例】
【0058】
本発明の前記連結棒69は、第2伝動歯車35側に設けることもできる。要は、サムターンユニット57に直接設けなければ良い。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1乃至図12は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
【図1】本発明の環境状態を示す概略説明図(室内側から見ている)。
【図2】ハンドルの初期位置における取付け座内の動力伝達機構を左側面側から見た説明図。
【図3】取付け座内の構成を示す概略説明図(初期位置の状態)。
【図4】取付け座内の構成を示す概略説明図(ハンドルを操作した状態)。
【図5】錠箱の主要部分の概略説明図。
【図6】本発明の適用対象の錠前の一例を示す概略断面説明図(第1段階)。
【図7】トリガー部材の分解斜視図。
【図8】カマ作動障害部材の分解斜視図。
【図9】第2段階の概略説明図。
【図10】図9に於いて、第3段階に突入した概略説明図。
【図11】自動施錠状態の概略説明図。
【図12】ハンドル操作により、解錠状態になった場合の概略説明図。
【符号の説明】
【0061】
X…戸枠体、Y…ドア(引戸)、3…錠箱、7…トリガー部材、8…トリガー本体、9…可動軸、10…押圧片、11…押圧片用バネ、12…トリガー部材の先端面、18…トリガー共働片、18a…トリガー共働片の係合端部、19…第1固定軸、20…トリガー共働片用バネ、21…カマ作動障害部材、23…障害片用バネ、24…第1係合片、25…障害子、31…動力伝達手段、32…ラック部材、33…カマ自動施錠用の付勢バネ、34…錠箱側の伝動歯車部材、37…連結部分、40…施錠片(カマ)、41…被係合部、50…錠前、51…ハンドル、52…取付け座、53…取付け座内の動力伝達機構、54…内壁、55…貫通孔、56…ハンドル回転軸、57…サムターンユニット、61…伝動歯車部材、62…角軸孔、63…切欠部分、64…伝動ギヤー部、65…復帰バネ、66…遊び歯車、67…駆動歯車部材、69…連結棒、71…弧状案内部分。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルを操作すると、建具の水平方向に回転する開閉扉、水平方向にスライドする引戸などのドアに取付けられた錠前の施錠片(ラッチを除く)が解錠状態となり、そのままの状態でドアを開くことができるドアの開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドアの開閉装置の一例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のドアの開閉装置は、ドアに取付けられた施・解錠機構を有する錠前と、ドアの壁面に取付けられた取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び前記錠前の解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片(ラッチを除く)を後退動させた状態でドアを開くことができる。
【0003】
しかして、前記取付け座に内装された動力伝達機構は、例えばハンドル回転軸と共に回転する大きい円盤と、複数本のリンクを介して回転し、かつ、錠前の開閉カムに連結された錠カム軸を回転させる小円盤とから構成されている(特許文献1の図5、段落0022)。また、特許文献1には、前記動力伝達機構は、ハンドル回転軸と共に回転する大きい歯車と、該大きい歯車に直接噛合する小さい歯車で構成しても良い旨が記載されている(図6、0026)。
【0004】
このように、ハンドル取付け座に動力伝達機構を内装し、例えば平面視L字形状のレバーハンドルを操作した状態で前記動力伝達機構及び錠前の錠箱(又はブラケット)に内装された解錠機構で施錠片(閂)を解錠することは公知事項であるが、現在、引戸錠等の錠前の施・解錠機構に対応して、かつ、バリアフリーの観点(簡単な操作でドアを容易に開くことができること)から、ハンドル取付け座に納める動力伝達機構や該動力伝達機構に連動する錠前側の解錠機構をもっと合理的な構成に改良することが望まれている。
【特許文献1】特許公開2001−200667
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ハンドル操作により、容易にかつ短時間にドアを開くことができること。具板的には、デッドボルト又はカマを有する引戸錠等の鎌錠の施・解錠機構に対応して、かつ、バリアフリーの観点(簡単な操作でドアを容易に開くことができること)から、ハンドル取付け座に納める動力伝達機構や該動力伝達機構に連動する鎌錠側の解錠機構をもっと合理的な構成に改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドアの開閉装置は、ドアに取付けられる錠前と、ドアの壁面に取付けられる取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び錠前の施・解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片を後退動させた状態でドアを開くドアの開閉装置であって、前記取付け座の動力伝達機構は歯車列で構成され、前記ハンドルの操作力は、駆動歯車部材に設けられた連結棒を介して錠前の施・解錠機構を構成する伝動歯車部材に伝わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
次に列挙するような効果を得ることができる。
(1)請求項1に記載の発明は、取付け座の内部に設けた動力伝達機構を歯車列にし、該歯車列の動力を、連結棒を介して錠前側の施・解錠機構の伝動歯車に伝え、しかも、デッドボルト又はカマを解錠方向へ動かすための操作力を「摘み方式のサムターン」ではなく、「握り方式のレバーハンドル」にしたので、簡単な操作により、錠前を解錠状態にしながら、ドアを容易に開くことができる。また、動力伝達機構の歯車列の中に遊び歯車が存在するので、普通一般のハンドル操作と同様に、単にレバーハンドルの握り部分を操作するだけで良い(例えば握り部分を所定量引き上げる)。さらに、ハンドル回転軸の位置に重ならないよう歯車列及び連結棒を介して施・解錠機構の伝動歯車にレバーハンドルの操作力を伝えるので、レバーハンドルとは別個に既製のサムターンユニットを錠箱に取付けることもできる(サムターンとレバーハンドルの併用)。つまり、容易にかつ短時間にドアを開くことができる。
(2)請求項2ないし請求項4に記載の発明は、引戸に取付けられかつ自動施錠機構を備えた鎌錠に適用することから、レバーハンドルの握り部分を操作するだけで、鎌錠の解錠ないし引戸を開く操作を一連的に行うことができる。また、レバーハンドルの操作性が良い。
(3)カマ作動障害部材は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することから、カマが不用意に施錠方向に回転してストライクに衝突する可能性を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図1乃至図12に示す本発明を実施するための最良の形態により説明する。
【0009】
(1)発明の主たる環境部材
図1は、ドア(本実施例では引戸)Yの内壁(室内)から見た説明図である。説明の便宜上、図1を正面図として取り扱う。図2は、レバーハンドル(以下、「ハンドル」という。)51の初期位置(ハンドルの下方を指向する握り部分の一部を省略)における取付け座52内の動力伝達機構53を左側面側から見た説明図である。
したがって、54は引戸Yの内壁であり、前記取付け座52は、上下部にそれぞれ形成された貫通孔55及び該貫通孔55にそれぞれ挿通される複数本の固着具(図示しない)を介して内壁54に固定される。
【0010】
それ故に、取付け座52は、引戸Yの戸先に内装された錠前50の錠箱3に対して、引戸Yの内壁54を介して添設されることになり、図2で示すハンドル51は、L字形状の内側ハンドルに相当する。
【0011】
周知のように普通一般の内側ハンドル51は、ハンドル回転軸56を有する軸部51aと、該軸部51aに直交方向に連設する握り部分51bとから成る。本実施例のハンドル51及びハンドル回転軸56は、例えば取付け座52の上方に位置する既製のサムターンユニット57とは全く別個・独立の部材である。
【0012】
付言すると、ハンドル51の握り部分51bを斜めの状態になるように引き上げると、該ハンドル51の操作力は、取付け座52に内装された動力伝達機構53及び錠前50の施・解錠機構(特に解錠機構)をそれぞれ介して錠前の施錠片(本実施例ではカマ)40を後退動させる。
【0013】
したがって、本発明のドアの開閉装置は、ドアYに取付けられる錠前50と、ドアの壁面54に取付けられる取付け座52と、該取付け座にハンドル回転軸56が挿入されるハンドル51との組み合わせから成り、前記ハンドル51を操作すると、前記取付け座52に内装された動力伝達機構53及び錠前50の解錠機構をそれぞれ介して錠前50の施錠片40を後退動させた状態でドアを開く。
【0014】
(2)取付け座の動力伝達機構
図2乃至図4を参照にして、取付け座の動力伝達機構53を説明する。なお、本実施例の取付け座52は、長座であるが、該長座の細部的事項の説明は割愛する。
【0015】
まず、61はハンドル回転軸56の挿入内端部用の断面正方形の角軸孔62を有する伝動歯車部材である。この伝動歯車部材61は、ハンドル回転軸56が前記角軸孔62に嵌合することから、ハンドル51を操作すると、ハンドル回転軸56と共に回転する。
【0016】
図3を基準にすると、伝動歯車部材61は、取付け座52の中心部寄りの位置に所定の範囲内で回転できるように組み込まれている。すなわち、63は円形状伝動歯車部材61の外周下位に所定量切欠された切欠部分で、該切欠部分63内には、取付け座52の下方貫通孔55を形成する受け突起が位置している。受け突起は、伝動歯車部材61に対してストッパーの役割を果たす。
【0017】
また、64は切欠部分63とは反対側の部位(外周上位)に形成された伝動ギヤー部で、該伝動ギヤー部はハンドル回転軸56の回り方向に所要量形成されている。
65はハンドル回転軸56の挿入端部に巻装されたハンドル用の復帰バネで、該復帰バネの交差状両端部は、前述した受け突起側に食み出ている。
【0018】
66は伝動歯車部材61の伝動ギヤー部64に噛合する遊び歯車である。歯車列を形成する遊び歯車66の歯車比は、ハンドル51の操作力を増やすように適宜に設定されている。遊び歯車66は、操作力を増殖するのみならず、取付け座52の上部に組み込まれた駆動歯車部材67の間に介在し、駆動歯車部材67の回転方向を伝動歯車部材61と同方向にさせる機能を果たしている。
【0019】
取付け座側の駆動歯車部材61は、中心部(軸受け部)67aから半径外方向に扇形状に広がる連結部分67bを有し、この連結部分67bの両端部には、取付け孔68がそれぞれ形成されている。本実施例では、前記取付け孔68に一つに、例えばピン状の連結棒69の外端部が差込み固定される。
【0020】
しかして、前記連結棒69の内端部は、後述する錠前50の施・解錠機構を構成する伝動歯車部材34の一つに直接または間接的(本実施例では手前側の歯車に連動する裏側の係合回転板の一つ)に連結されており、ハンドル51の操作力は、駆動歯車部材67に設けられた連結棒69を介して前記伝動歯車部材34に伝えられる。なお、取付け座の動力伝達機構53の作用については割愛する。
【0021】
(3)本発明の適用対象の錠前
本発明は、図5乃至図11に示すような錠前(例えば引戸用鎌錠)50に適用するのが最適である。
【0022】
まず、図5を参照にして、錠前50に用いられる錠箱の構造を簡単に説明する。まず、3は錠箱、4フロント板、5はカマ用開口、6はトリガー部材用開口である。
次に、番号が飛ぶが、錠箱3には幾つかの軸等が設けられている。19は第1固定軸、22は第2固定軸、27はバネ受けピン、36は伝動歯車部材用の一芯軸、47はカマ軸である。
【0023】
次に、錠箱3には幾つかの切欠部分があり、下から順番に説明すると、45はトリガー部材用の水平案内部分、46はカマ作動障害部材の障害子を案内する垂直案内部分、48はラック部材用の水平案内部分、71は本発明の動力連結手段としての連結棒69を案内する弧状案内部分、そして、49は操作部材(キー、サムターンなど)の操作力で作動する駆動手段(シリンダー、ダルマ等)を取付けるための嵌合孔である。
【0024】
(4)錠前の新規構成
図6は、戸枠体Xに対して、引戸Yを矢印A方向に閉める際に、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた状態(ここでは「第1段階」という。)を示す。この第1段階では、指状のトリガー共働片(係止片)18がONの状態である。ここで「ONの状態」とは、トリガー共働片18の係合端部18aがカマ40の先端部40bの外周に形成した被係合部(切欠溝)41に係合しており、キー、サムターン等の図示しない外部操作手段の操作力により、カマ40を少なくとも完全施錠方向へ動かすことができない状態をいう。それ故に、閉戸時に於いて、不用意にカマ40が施錠方向に回転してストライク1の外面に衝突する事態を回避できる。
【0025】
まず、Xは建具の戸枠体、Yは引戸、Zは鎌錠の自動施錠機構である。鎌錠の自動施錠機構Zは、引戸Yを閉める時に、戸枠体Xにトリガー部材7の先端面12が当たること前提として、トリガー部材7が後退動し始めると、トリガー部材7に交差状に係合するトリガー共働片18が倒れるように回転してカマ40から離れ、次いで、引戸Yの閉める量に対応してトリガー部材7がさらに錠箱3内に後退動すると、ラック32の移動を阻止しているカマ作動障害部材21が、トリガー部材7を構成する押圧片10の後端部に押されて係止を解消する方向へ回転する。
【0026】
本実施例では、カマ作動障害部材21は「二物品」で構成され、第1係合片24の先端部に設けられたブロック状の障害子25の位置が変位(例えば下降)する。その結果、前記ラック32が付勢バネ33のバネ力でフロント板4側へ移動し始め、他の伝動歯車部材34,35が作動する点に特徴がある。
【0027】
そこで、図6を参照にして、主な構成部材を説明する。1は受け金具のストライク、2はストライク1のカマ用係入孔、3は引戸の戸先側に固定された錠箱、4はフロント板、5はフロント板に形成されたカマ用開口、6はトリガー部材用開口、7は引戸Yの閉戸時に戸枠体X側に押されて後退変位するトリガー部材、31は該トリガー部材7の後退力によって作動する動力伝達手段、40は該動力伝達手段31の歯車35と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマである。錠箱3、動力伝達手段31及びカマ40の具体的構成については後述する。
【0028】
(5)トリガー部材7
トリガー部材7は、図7で示すように、トリガー本体8と、該トリガー本体8の後端部に可動軸9を介して軸支されたカマ作動障害部材用押圧片10と、前記可動軸9に巻装された押圧片用バネ11とから成る。
【0029】
トリガー部材7のトリガー本体8は、フロント板4の開口6から突出する先端部8aと、該先端部8aに連設する中間部8bと、該中間部8bに連設する後端部(支持部)8cに区分することができる。
【0030】
しかして、前記先端部8aの山形状先端面12は、第1段階ではストライク1の前面に当たる。また、前記中間部8bには、トリガー共働片用の開口13が形成されている。さらに、前記後端部8cには、可動軸9用の軸孔14や切欠状支持部分15が形成されている。その他錠箱3に形成された水平案内部45に係合する突起(省略)が中間部8bの左右の側壁に形成されている。
【0031】
一方、前記カマ作動障害部材用押圧片10は、トリガー本体8の後端部8cの切欠状支持部分15に支持されるように可動軸9を介して該トリガー本体8に一体的に装着されている。この押圧片10の先端部側10aは、切欠状支持部分15に支持される部分であり、一方、後端部側10bは、自動施錠時、カマ作動障害部材21の第1係合片24の後端部を押圧する反面、解錠時、前記第1係合片24により押される部分でもある。16は押圧片10に形成された軸孔である。
【0032】
押圧片用バネ11は、一端部がトリガー本体8の後端部の切欠内面に、他端部が押圧片10の凹所状内面にそれぞれ圧接し、該バネ11で付勢されている押圧片10は、常態では水平状態になっている。したがって、自動施錠時、トリガー部材7は後退動しても、押圧片10は回転することなく、トリガー本体8と共にそのまま水平移動する。
【0033】
(6)トリガー共働片18
図6で示すように、トリガー共働片18は、その基端部(実施例では下端部)が錠箱3に第1固定軸19を介して軸支され、一方、係合端部(実施例では上端部)18aはカマ40の先端部の被係合部41に係脱する。このトリガー共働片18は、本実施例では、トリガー部材7に対して交差状態に係合していると共に、第1固定軸19に設けられたトリガー共働片用バネ20で係合方向に常時付勢されている。
【0034】
付言すると、トリガー共働片18は、閉戸する際、トリガー7の先端面12が戸枠体側(実施例ではストライク2)に当たる瞬間の第1段階では、カマ40の被係合部41に係合しており、トリガー7の後退動により、トリガー共働片18が傾倒方向へ作動した第2段階では、その係合端部18aはカマ40の被係合部41から離れる。
【0035】
(7)カマ作動障害部材
カマ作動障害部材21は、第2固定軸22を介して錠箱3に軸支されている。本実施例のカマ作動障害部材21は、トリガー部材7と動力伝達手段31を構成するラック部材32との間に配設され、前記第2固定軸22に巻装されたカマ作動障害部材用バネ23により、前記ラック部材32に係合する方向に常時付勢されている。
【0036】
このカマ作動障害部材21は、カマ40に対するトリガー共働片18の係止状態が解消した後の第3段階では、トリガー部材7を介して、動力伝達手段31の作動を許容する方向へ回転する。付言すると、カマ40を自動施錠する場合、カマ作動障害部材21は、ラック部材32の前面から、その障害子25が下降して離れる。
【0037】
しかして、本実施例のカマ作動障害部材21は、施錠時にはトリガー部材7の押圧片10に押される反面、解錠時には前記押圧片10を押す第1係合片24と、この第1係合片24の一端部に設けられ、ラック部材32が所定の位置(カマ解錠位置)へと移動した時に該ラック部材32に係合する障害子25とから成る。
【0038】
上面弧状の障害子25は、連結可動ピン26を介して第1係合片24の先端部に連結されている。そして、前記連結可動ピン26は、錠箱3に形成された垂直案内部分に係合している。
【0039】
図8を参照にして、カマ作動障害部材21の具体的構成を説明する。24は人差し指形状の第1係合片で、この第1係合片24は、中央部の軸孔24aに挿入されかつ錠箱3に横設軸架された第2固定軸22を介して軸支されている。
【0040】
しかして、第1係合片24の先端部には連結可動ピン26用の連結孔24bが形成され、一方、その後端部にはバネ23の一端部を受けるピン状の突起24cが設けられている。そして、前記バネ23の他端部は、錠箱3に後壁付近に設けたバネ受けピン27に支持されている。このバネ23の強さは、押圧片用バネの強さを考慮して適宜に設定されている。
【0041】
また、本実施例の障害子25は、例えば下向きコ字形状に形成され、第1係合片24に先端部に跨ぐように乗っかっている。そして、左右の対向側壁25aには連結可動ピン26用の案内長孔28が一対形成され、該案内長孔28を介して第1係合片24に先端部に多少可動できるように連結されている。さらに、前記左右の対向側壁25aの外面には、錠箱3に形成した垂直案内部分46と係合する単数又は複数個(本実施例)の係合突起29が設けられている。
【0042】
(8)動力伝達手段31
図6を参照にして、錠箱3に組み込まれた動力伝達手段31を構成する各部材を簡単に説明する。32は水平方向へ往復動するラック部材で、該ラック部材32は、カマ自動施錠用の付勢バネ33を備えている。付勢バネ33は、本実施例では、ラック部材32に組み込まれている。
【0043】
34はカマ40を施・解錠方向へと回転させるための第1伝動歯車で、該第1伝動歯車部材34は、ラック部材32とカマ40に係合する第2伝動歯車35との間に介在している。第1伝動歯車部材34の具体的構成については新規事項なので、ここでは特に図示しないが、例えば一芯軸36を介して複数個併設されている。
【0044】
しかして、第1伝動歯車部材34は、例えば連結棒69に直接回される回転板と、該回転板と周方向に余裕(例えば45度)をもって係合可能であり、かつ、該回転板に追動する従動回転板と、該従動回転板によって回転し、かつ、ラッチと係合するピニオン(図面上、一番手前側に見える回転板)とから構成されている。第1伝動歯車部材34の具体的構成は、単に新規情報を公開することになるので、本明細書では割愛する。
【0045】
なお、連結棒69に直接回される回転板には、半径方向に延びる連結部37が設けられ、該連結部37の取付け孔38に連結棒69の内端部が適宜に差し込まれている。それ故に、錠箱内のスペースを有効的に活用することができる。
【0046】
(9)カマ40
カマ40は、幅広の基端部40aがカマ軸47を介して軸支されている。また、カマ40は不番の連係手段(ガイド長孔、伝動歯車35の係合ピン)を介して回転自在となっている。その他必要に応じて不番のバネを設けている。カマ40の先端部40bの外面には、前述したように被係合部(切欠溝)41が形成されている。
【0047】
(10)錠前の自動施錠機構
まず、図6、図9乃至図11を参照にして、錠前の自動施錠機構の作用について説明する。
【0048】
図6は「第1段階」である。この第1段階は、引戸Y側のトリガー部材7の先端面12が、戸枠体Xのストライク1に当たり始めた瞬間である。第1段階では、トリガー共働片18がONの状態である。したがって、カマ40の先端部40bは錠箱3内に位置している。また、ラック部材32は付勢バネ33に付勢されているものの、カマ作動障害片21の障害子25により、その移動が阻止されている。
【0049】
次に、図9は「第2段階」である。この第2段階では、トリガー共働片18が「OFF」の状態となる。トリガー部材7が矢印B方向へ水平移動すると、トリガー共働片18は第1固定軸19を支点に回転するから傾倒状態となり、その係合端部18aがカマ40の被係合部41から離れる。この第2段階の後、或いは第2段階と同時に、トリガー部材7の押圧片10はカマ作動障害部材21の第1係合片24の下端部を押圧し始める。この時、押圧片10の先端部10aの下面はトリガー本体8の切欠状支持部分15に支持されているから、反時計方向へ回転することができない。
【0050】
したがって、押圧片10はトリガー本体8と共にそのまま後退動する。そうすると、作動障害部材21の第1係合片24は、第2固定軸22を支点に反時計方向へと回転することから、障害子25は錠箱3の垂直案内部分46に案内されて下降する。しかし、この第2段階では、まだラック部材32は作動障害部材21の障害子25に阻止されている。
【0051】
図10は、「第2段階から第3段階に入った状態」である。カマ40に対するトリガー共働片18の係止状態が解消した後の第3段階では、カマ作動障害部材21は、前記トリガー部材7を介して、動力伝達手段31の作動を許容する方向へ回転する。
【0052】
すなわち、第1係合片24が反時計方向へ回転し続けると、矢印方向へ位置移動変位中の障害子25の上部弧状面25bがラック部材32の下面32aに潜る込むことが可能な状態となる。
【0053】
そこで、本実施例の第3段階では、前記障害子25がラック部材32の下面32aに入り込み、その結果、ラック部材32が付勢バネ33のバネ力により矢印方向へ移動し始める。
【0054】
図11は、ラック部材32が前進した結果、カマ40が複数個の伝動歯車部材34、35を介して施錠方向へ回転し、自動施錠の状態になったことを示す。
【0055】
(11)錠前のハンドル操作による解錠機構
図12は、ハンドル51の握り部分を操作することにより、その操作力に起因して錠前の各構成部材が解錠方向へ作動して解錠状態になった説明図である。ハンドル51を引き上げると、連結棒69は錠箱3の弧状案内部分71に案内されて位置変位する。本実施例では、握り部分を引き上げると、連結棒69の位置は上方方向へ変位する。
【0056】
ハンドル51の操作により、図11の施錠状態から図12の解錠状態にする場合、カマ作動障害部材21の第1係合片24の後端部は、トリガー部材7の押圧片10を押し付ける必要があることから、押圧片10はバネ11のバネ力に抗して時計方向へと自動的に回転している。したがって、押圧片用のバネ11のバネ力は、障害片用のバネ23のそれよりも「弱く」設定する必要がある。
【0057】
したがって、ハンドル操作による解錠の際には、位置が錠箱内に後退変位しているトリガー部材7の押圧片10がラック部材32の後退動に基づき、初期位置へと復帰するカマ作動障害部材21に押されて回転する
なお、本実施例では、サムターン側の操作によっても錠前50を解錠状態にすることができる。
【実施例】
【0058】
本発明の前記連結棒69は、第2伝動歯車35側に設けることもできる。要は、サムターンユニット57に直接設けなければ良い。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1乃至図12は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
【図1】本発明の環境状態を示す概略説明図(室内側から見ている)。
【図2】ハンドルの初期位置における取付け座内の動力伝達機構を左側面側から見た説明図。
【図3】取付け座内の構成を示す概略説明図(初期位置の状態)。
【図4】取付け座内の構成を示す概略説明図(ハンドルを操作した状態)。
【図5】錠箱の主要部分の概略説明図。
【図6】本発明の適用対象の錠前の一例を示す概略断面説明図(第1段階)。
【図7】トリガー部材の分解斜視図。
【図8】カマ作動障害部材の分解斜視図。
【図9】第2段階の概略説明図。
【図10】図9に於いて、第3段階に突入した概略説明図。
【図11】自動施錠状態の概略説明図。
【図12】ハンドル操作により、解錠状態になった場合の概略説明図。
【符号の説明】
【0061】
X…戸枠体、Y…ドア(引戸)、3…錠箱、7…トリガー部材、8…トリガー本体、9…可動軸、10…押圧片、11…押圧片用バネ、12…トリガー部材の先端面、18…トリガー共働片、18a…トリガー共働片の係合端部、19…第1固定軸、20…トリガー共働片用バネ、21…カマ作動障害部材、23…障害片用バネ、24…第1係合片、25…障害子、31…動力伝達手段、32…ラック部材、33…カマ自動施錠用の付勢バネ、34…錠箱側の伝動歯車部材、37…連結部分、40…施錠片(カマ)、41…被係合部、50…錠前、51…ハンドル、52…取付け座、53…取付け座内の動力伝達機構、54…内壁、55…貫通孔、56…ハンドル回転軸、57…サムターンユニット、61…伝動歯車部材、62…角軸孔、63…切欠部分、64…伝動ギヤー部、65…復帰バネ、66…遊び歯車、67…駆動歯車部材、69…連結棒、71…弧状案内部分。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアに取付けられる錠前と、ドアの壁面に取付けられる取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び錠前の施・解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片を後退動させた状態でドアを開くドアの開閉装置であって、前記取付け座の動力伝達機構は歯車列で構成され、前記ハンドルの操作力は、駆動歯車部材に設けられた連結棒を介して錠前の施・解錠機構を構成する伝動歯車部材に伝わることを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、錠前は鎌錠であり、ハンドル操作による解錠の際には、位置が錠箱内に後退変位しているトリガー部材7の押圧片がラック部材の後退動に基づき、初期位置に復帰するカマ作動障害部材に押されて回転することを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、錠前の施・解錠機構は、錠前の伝動歯車に噛合するラック部材と、該ラック部材が所定の位置まで後退動すると、障害片用のバネのバネ力により回転して該ラック部材の移動を阻止するカマ作動障害部材を備えていることを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、ハンドルの握り部分は、常態では下方に向いていると共に、ドアは引戸であることを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、錠前は、次の構成から成る自動施錠機構を備えていること、(A)引戸の閉戸時に後退変位するトリガー部材7と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段31と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマ40とを備える鎌錠の自動施錠機構であって、(B)前記トリガー部材と動力伝達手段との間にカマ作動障害部材21を配設し、(C)該カマ作動障害部材は、錠箱に軸支され、かつ、前記トリガー部材の後端部の可動軸に軸支された押圧片10と係脱する第1係合片24と、この第1係合片24の一端部に設けられ、かつ、前記動力伝達手段と係脱する障害子25とから成り、(D)該カマ作動障害部材21は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項1】
ドアに取付けられる錠前と、ドアの壁面に取付けられる取付け座と、該取付け座にハンドル回転軸が挿入されるハンドルとの組み合わせから成り、前記ハンドルを操作すると、前記取付け座に内装された動力伝達機構及び錠前の施・解錠機構をそれぞれ介して錠前の施錠片を後退動させた状態でドアを開くドアの開閉装置であって、前記取付け座の動力伝達機構は歯車列で構成され、前記ハンドルの操作力は、駆動歯車部材に設けられた連結棒を介して錠前の施・解錠機構を構成する伝動歯車部材に伝わることを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、錠前は鎌錠であり、ハンドル操作による解錠の際には、位置が錠箱内に後退変位しているトリガー部材7の押圧片がラック部材の後退動に基づき、初期位置に復帰するカマ作動障害部材に押されて回転することを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、錠前の施・解錠機構は、錠前の伝動歯車に噛合するラック部材と、該ラック部材が所定の位置まで後退動すると、障害片用のバネのバネ力により回転して該ラック部材の移動を阻止するカマ作動障害部材を備えていることを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、ハンドルの握り部分は、常態では下方に向いていると共に、ドアは引戸であることを特徴とするドアの開閉装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、錠前は、次の構成から成る自動施錠機構を備えていること、(A)引戸の閉戸時に後退変位するトリガー部材7と、該トリガー部材の後退力によって作動する動力伝達手段31と、該動力伝達手段と連係され、かつ、施錠方向に自動的に回転するカマ40とを備える鎌錠の自動施錠機構であって、(B)前記トリガー部材と動力伝達手段との間にカマ作動障害部材21を配設し、(C)該カマ作動障害部材は、錠箱に軸支され、かつ、前記トリガー部材の後端部の可動軸に軸支された押圧片10と係脱する第1係合片24と、この第1係合片24の一端部に設けられ、かつ、前記動力伝達手段と係脱する障害子25とから成り、(D)該カマ作動障害部材21は、前記押圧片が所定位置まで後退動することを条件として、動力伝達手段の作動を許容する方向へ回転することを特徴とするドアの開閉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−205056(P2007−205056A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25977(P2006−25977)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
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