説明

ドアクローザ

【課題】異物感や圧迫感を与えないスマートな外観を備えたドアクローザを提供する。
【解決手段】枠体Fに取付けられる本体1、扉体Dに取付けられる係合ピン2、本体1に取付けられた揺動ダンパ3の垂直軸3Aに取付けられた揺動アーム4,5、揺動アーム5の垂直支軸5Bにより基端部の開側部分が支持されて垂直支軸5Bまわりに閉方向Aへ揺動可能とされ、基端部の閉側部分にブレーキパッド7が取付けられ、扉体Dの所定開き角度C内で係合ピン2が係合して扉体Dが閉止可能なように係合溝6Dが形成された係合片6、ブレーキパッド7の内周面と摺動するブレーキ体8、所定開き角度Cで係合ピン2が係合溝6Dに係合する状態を保持するように付勢し、係合ピン2が係合溝6Dに係合して係合片6及び揺動アーム4,5が閉方向Aへ揺動するのに伴い、揺動アーム4,5を閉方向Aへ付勢する弾性付勢手段10を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開き戸扉体を静かにかつ確実に自動閉止するために使用されるドアクローザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
開き戸の扉体が所定開き角度よりも開いた状態では開閉方向へ自由に操作することができ、前記扉体が前記所定開き角度内にある状態では制動力が付与されるとともに閉方向へ付勢されるため、前記扉体を静かに自動閉止することができるドアクローザとして、ラックが刻設されたピストンをスプリングにより弾撥して内装するとともに前記ラックと噛み合うピニオンを軸支し、作動油を充填したシリンダを扉体に固定し、アームの先端部に軸支されたローラが係脱するガイド溝を有するブラケットを上枠に固定し、前記アームの基端部を前記ピニオンの軸に取り付け、前記扉体を開くと前記ピストンが前記スプリングを圧縮しつつ前記アームを回転可能に設定してなるもの(例えば、特許文献1参照。)、粘性流体が充填された回転式粘性ダンパ(緩衝機構)が取り付けられた軸棒まわりに回転可能にアームを支持する装置本体を扉体に取り付け、該扉体を閉じて所定開き角度に達した時に前記アームのガイド溝に係合するピンを上枠に取り付け、前記係合前は前記アームを所定角度位置に保持するとともに前記係合後は前記アームを前記扉体の閉方向に付勢するスプリングを前記装置本体に内装してなるもの(例えば、特許文献2参照。)等がある。
【0003】
【特許文献1】実開昭56−65074号公報(第1−3図)
【特許文献2】特開2007−120140号公報(図1−2、図4−6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような制動力を付与して扉体を静かに閉じるために油圧ダンパを用いるとともに付勢力を付与して扉体を自動閉止するためにスプリングを用いるドアクローザでは、ピストンにラックを刻設するとともにシリンダ内に軸、ピニオン及びスプリング等を内装する特殊な構造であるため、コストが増大するとともに保守性が低下する。
その上、上記のような特殊構造のピストン及びシリンダにより油圧ダンパを構成していること並びに扉体を勢いよく閉めても静かに閉止することができるように前記油圧ダンパの容量を大きくする必要があることから、扉体に取り付けるドアクローザ本体(シリンダ)の外形が大きくなる。
よって、比較的長いアームが露出していることも含め、扉体の上部に取り付けられた比較的大きな構造体が視認されることから、異物感や圧迫感がありスマートさに欠け見栄えが悪いため、特に一般住宅での使用には適さないものである。
【0005】
また、特許文献2のような制動力を付与して扉体を静かに閉じるために回転式粘性ダンパを用いるとともに付勢力を付与して扉体を自動閉止するためにスプリングを用いるドアクローザでは、回転式粘性ダンパを使用する構成であるため、ドアクローザ本体(装置本体)の全長を比較的短く構成することができる。
しかし、扉体を勢いよく閉めても静かに閉止することができるように回転式粘性ダンパの容量を大きくする必要があることから、回転式粘性ダンパの外径が大きくなるため、ドアクローザ本体の外形(特にアームを支持する軸棒まわりの外形)が大きくなる。
よって、扉体の上部に取り付けられた比較的大きな構造体が水平方向に突出し、これが視認されることから、異物感や圧迫感がありスマートさに欠け見栄えが悪いため、特に一般住宅での使用には適さないものである。
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、簡素な構成により組立性及び保守性が高く、コストを低減することができ、異物感や圧迫感を与えないスマートな外観を備え、一般家庭における使用にも適したドアクローザを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るドアクローザは、前記課題解決のために、開き戸の枠体に対して扉体が所定開き角度よりも開いた状態では該扉体を開閉方向へ自由に操作することができ、前記扉体が前記所定開き角度内にある状態では制動力が付与されるとともに閉方向へ付勢されるため、前記扉体が静かに自動閉止されるドアクローザであって、前記枠体及び扉体の上部の一方に取り付けられる本体と、それらの他方に取り付けられる駆動部材と、前記本体に取り付けられ、垂直軸が突出した揺動ダンパと、該揺動ダンパの垂直軸に取り付けられ、該垂直軸を中心としてその径方向に延び、前記垂直軸と一体となって揺動する揺動アームと、該揺動アーム先端部の垂直支軸により基端部の開側部分が支持されて前記径方向に延び、前記揺動アームに対して前記垂直支軸まわりに閉方向へ揺動可能とされ、基端部の閉側部分に、前記揺動ダンパの垂直軸を中心とした半径に略等しい曲率半径の内周面を有するブレーキパッドが取り付けられるとともに、前記所定開き角度内で前記駆動部材に係合して前記扉体が閉止可能な係合部材と、前記ブレーキパッドの内周面と摺動する円弧状外周面を有する、前記本体に取り付けられたブレーキ体と、前記所定開き角度で前記駆動部材が前記係合部材に係合するように前記係合部材を前記駆動部材側へ突出させた静止状態を保持するように付勢するとともに、前記駆動部材が前記係合部材に係合することによる前記係合部材及び揺動アームの閉方向への揺動に伴い、前記揺動アームを閉方向へ付勢する弾性付勢手段とを備えたものである。
【0008】
ここで、前記ブレーキ体が前記円弧状外周面及び該外周面と平行な内周面を有するブレーキプレートであり、該ブレーキプレートの閉側部分を前記径方向へ移動可能とし、前記閉側部分の外周面に前記ブレーキパッドが押圧された際に、前記ブレーキプレートが押圧されるとともに該ブレーキプレートの内周面と摺動する外周面を有するブレーキパッドを前記揺動アームに取り付けてなると好ましい。
【0009】
また、前記揺動ダンパが、前記揺動アームの閉方向への揺動の際には制動力が大きく、前記揺動アームの開方向への揺動の際には制動力が小さくなるように、内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンに弁を設けてなるものであると好ましい。
【0010】
さらに、前記揺動ダンパの内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンの移動経路の途中に前記オイルの逃げ道を設け、前記扉体が閉まり切る直前の所定範囲における前記揺動ダンパの制動力が他の範囲における制動力よりも小さくなるように構成してなると好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るドアクローザによれば、開き戸の枠体に対して扉体が所定開き角度よりも開いた状態では該扉体を開閉方向へ自由に操作することができ、前記扉体が前記所定開き角度内にある状態では制動力が付与されるとともに閉方向へ付勢されるため、前記扉体が静かに自動閉止されるドアクローザであって、前記枠体及び扉体の上部の一方に取り付けられる本体と、それらの他方に取り付けられる駆動部材と、前記本体に取り付けられ、垂直軸が突出した揺動ダンパと、該揺動ダンパの垂直軸に取り付けられ、該垂直軸を中心としてその径方向に延び、前記垂直軸と一体となって揺動する揺動アームと、該揺動アーム先端部の垂直支軸により基端部の開側部分が支持されて前記径方向に延び、前記揺動アームに対して前記垂直支軸まわりに閉方向へ揺動可能とされ、基端部の閉側部分に、前記揺動ダンパの垂直軸を中心とした半径に略等しい曲率半径の内周面を有するブレーキパッドが取り付けられるとともに、前記所定開き角度内で前記駆動部材に係合して前記扉体が閉止可能な係合部材と、前記ブレーキパッドの内周面と摺動する円弧状外周面を有する、前記本体に取り付けられたブレーキ体と、前記所定開き角度で前記駆動部材が前記係合部材に係合するように前記係合部材を前記駆動部材側へ突出させた静止状態を保持するように付勢するとともに、前記駆動部材が前記係合部材に係合することによる前記係合部材及び揺動アームの閉方向への揺動に伴い、前記揺動アームを閉方向へ付勢する弾性付勢手段とを備えたので、特殊構造のピストン及びシリンダにより油圧ダンパを構成し、ラック及びピニオンを介してアームに制動力を付与する構成の従来のドアクローザと比較して、揺動ダンパの垂直軸に揺動アームを直結して該揺動アームに制動力を付与する簡素な構成であるため、組立性及び保守性が高くなるとともに、コストを低減することができる。
【0012】
その上、発生トルクが比較的大きい揺動ダンパを使用していること、揺動ダンパとともにブレーキパッド及びブレーキ体とを揺動ダンパまわりに組み込んだコンパクトなブレーキを併用していること、並びに、開き戸を勢いよく閉じた際に、係合部材とともに垂直支軸まわりに揺動するブレーキパッドがブレーキ体に強く押し付けられて大きな制動力が働くことから、揺動ダンパの容量を小さくすることができるため、回転式粘性ダンパにより制動力を付与する構成の従来のドアクローザと比較して、ダンパまわりの外形を大幅に小さくすることができる。
よって、異物感や圧迫感を与えないスマートな外観にすることができるため、一般家庭においても使用が敬遠されることがない。
特に、本体を枠体側に取り付ける際のスペース上の制約が少ないことから、本体を枠体側に取り付けることができ、その際には扉体側には駆動部材が取り付けられ、扉体の開閉に伴って移動し、より圧迫感を与えやすい扉体の上部に本体がないため、さらに一般家庭における使用に適している。
その上さらに、揺動アーム先端部の垂直支軸により基端部の開側部分が支持された係合部材の基端部の閉側部分にブレーキパッドが取り付けられていることから、扉体が閉方向へ移動する際にはブレーキパッドがブレーキ体に押し付けられてブレーキが効き、扉体が開方向へ移動する際にはブレーキパッドがブレーキ体に押し付けられずにブレーキが効かないため、ブレーキパッド及びブレーキ体とからなるブレーキが扉体を開く際の操作性を阻害することがない。
【0013】
また、前記ブレーキ体が前記円弧状外周面及び該外周面と平行な内周面を有するブレーキプレートであり、該ブレーキプレートの閉側部分を前記径方向へ移動可能とし、前記閉側部分の外周面に前記ブレーキパッドが押圧された際に、前記ブレーキプレートが押圧されるとともに該ブレーキプレートの内周面と摺動する外周面を有するブレーキパッドを前記揺動アームに取り付けてなると、円弧状に曲げられた板状の、閉側部分が径方向へ移動可能なブレーキプレート並びにその外周面及び内周面と摺動するブレーキパッドによりブレーキが構成され、ブレーキプレートの外周面側及び内周面側のブレーキパッドがブレーキプレートの両面を挟むように摺動してブレーキが効くことから、よりコンパクトな構成により、安定した大きな制動力を作用させるブレーキを構成することができる。
よって、前記効果に加え、さらに揺動ダンパの容量を小さくすることができるとともに、ブレーキの制動力が長期にわたって安定したものとなることから、ドアクローザをよりスマートな外観として一般家庭における使用により適した構成とすることができるとともに、長期にわたってドアクローザの信頼性を向上することができる。
【0014】
さらに、前記揺動ダンパが、前記揺動アームの閉方向への揺動の際には制動力が大きく、前記揺動アームの開方向への揺動の際には制動力が小さくなるように、内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンに弁を設けてなるものであると、前記効果に加え、扉体を開く際に作用する揺動ダンパの制動力が小さいため、揺動ダンパが扉体を開く際の操作性を阻害することがない。
【0015】
さらにまた、前記揺動ダンパの内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンの移動経路の途中に前記オイルの逃げ道を設け、前記扉体が閉まり切る直前の所定範囲における前記揺動ダンパの制動力が他の範囲における制動力よりも小さくなるように構成してなると、例えば扉体が室内側に開く構成で室内が負圧になっている場合のように室内外の気圧差によって扉体を開けようとする力が付加されても、あるいは、錠がかかるための抵抗力が付加されても、扉体が閉まり切る直前の範囲で揺動ダンパの制動力が小さくなっているため、扉体を確実に閉め切ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、本明細書においては、開き戸HDの扉体Dを閉じる際に移動する方向を閉方向A(例えば図1参照。)、扉体Dを開く際に移動する方向を開方向B(図1参照。)といい、扉体Dの開閉に伴って移動する部材内における閉方向A側の部分を閉側部分、開方向B側の部分を開側部分という。
【0017】
図1〜図3は、本発明の実施の形態に係るドアクローザを開き戸HDに取り付けた状態を示す概略図であり、図1は斜視図、図2及び図3は部分断面平面図である。図2は扉体Dを開いた状態から所定開き角度Cまで閉じた状態を、図3はドアクローザにより扉体Dが閉じられた状態を示している。
また、図4はドアクローザの分解斜視図、図5は扉体Dが所定開き角度C内にある状態における要部を拡大して示す部分断面平面図、図6及び図7は扉体Dを閉じる際におけるドアクローザの動作説明図であり、図6(a)は扉体Dが所定開き角度Cよりも開いた状態を、図6(b)は扉体Dが所定開き角度Cである状態を、図7(a)は扉体Dが所定開き角度C内にある状態を、図7(b)は扉体Dが閉じられた状態を示している。
さらに、図8は係合ピン2に係合していない係合片6が閉方向へ揺動してしまった状態における復帰動作を示す説明図であり、図8(a)は部分断面平面図、図8(b)は係合片6と係合ピン2を下方から見た斜視図である。
【0018】
図1〜図3に示すように、開き戸HDは開口部まわりの枠体Fと、この開口部を開閉するように、ヒンジHにより閉方向A及び開方向Bへ揺動可能に支持された扉体Dとからなる。
また、ドアクローザは、枠体Fに対して扉体Dが所定開き角度C(図2参照。)よりも開いた状態では扉体Dを開閉方向へ自由に操作することができ、扉体Dが所定開き角度C内にある状態では、枠体Fの上部に取り付けられた、下ケース16及び上ケース17からなる本体1から、扉体Dの方向へ突出する係合部材である係合片6の係合溝6Dに、扉体Dの上部に取り付けられた駆動部材である係合ピン2が係合した状態となり、後述する揺動ダンパ3並びにブレーキパッド7,9及びブレーキプレート8により制動力が付与されるとともに、後述する弾性付勢手段10により閉方向へ付勢されるため、図3に示す扉体Dを閉じた状態まで、扉体Dを静かに自動閉止することができるものである。
【0019】
図4に示すように、下ケース16の長手方向の中間部分にある揺動ダンパ収容部16Eには、例えば内部に収容したベーンが回転することにより充填したオイルを圧縮することにより垂直軸3Aに連結されて揺動する負荷に制動力を付与するように構成された、発生トルクが比較的大きい揺動ダンパ3が、取付ねじ25,25を取付孔3B,3Bに挿通して下ケース16に埋め込んだ雌ねじに螺合することにより取り付けられる。
また、揺動ダンパ3から上方へ突出する垂直軸3Aには、該垂直軸3Aを中心としてその径方向に延び、垂直軸3Aと一体となって揺動する第1揺動アーム4及び第2揺動アーム5が、軸孔4A,5Aを垂直軸3Aに外嵌させて、第1揺動アーム4の上側に第2揺動アームを添わせた状態で取り付けられる。
【0020】
第2揺動アーム5の先端部に取り付けられた下方に突出する垂直支軸5Bが係合片6の基端部開側部分に形成された嵌合孔6Aに嵌合するため、垂直支軸5Bにより基端部の開側部分が軸支された、揺動ダンパ3の垂直軸3Aを中心とする径方向に延びる係合片6は、垂直支軸5Bまわりに閉方向へ揺動することができる。
また、係合片6の基端部の閉側部分には、揺動ダンパ3の垂直軸3Aを中心とした半径に略等しい曲率半径の内周面7Bを有する、例えばゴム製の外側ブレーキパッド7が、取付溝6C,6C(図8(b)参照。)に取付片7C,7Cを嵌入することにより、外周面7Aを係合片6の内周面6B(図8(b)参照。)に添わせた状態で取り付けられる。
さらに、係合片6の下面には、前記所定開き角度C内で係合ピン2が係合して扉体Dが閉止可能なように、その先端側から基端側に延びる平面視略円弧状の係合溝6Dが形成される。
【0021】
下ケース16の揺動ダンパ収容部16Eまわりに立起した側壁には、外側ブレーキパッド7の内周面7Bと摺動する円弧状外周面8Aを有するブレーキ体であるブレーキプレート8が、その開側端部の取付孔8Cに取付ネジ26を挿通して螺合することにより、取り付けられる。
ブレーキプレート8は、例えばステンレス鋼板製であり、円弧状外周面8A及び該外周面8Aと平行な内周面8Bを有し、ブレーキプレート8と下ケース16との取付箇所をブレーキプレート8の開側端部のみとしているとともに、ブレーキプレート8の閉側部分には、揺動ダンパ3の垂直軸3Aを中心とする径方向へ移動可能な遊びが設けられている。
また、揺動ダンパ3の垂直軸3Aを中心とした半径に略等しい曲率半径の外周面9Aを有する、例えばゴム製の内側ブレーキパッド9が、取付片9C,9Cにより、内周面9Bを第1揺動アーム4の外周面4Bに添わせた状態で、第1揺動アーム4に取り付けられ、ブレーキプレート8の閉側部分の外周面8Aに外側ブレーキパッド7が押圧された際には、ブレーキプレート8の閉側部分が内側(垂直軸3A側)へ移動して内側ブレーキパッド9に押圧されるとともに、ブレーキプレート8の内周面8Bと内側ブレーキパッド9の外周面9Aとが摺動する。
【0022】
下ケース16の弾性付勢手段収容部16Fには、圧縮コイルばね11、ばねケース12及び押圧部材13により構成される弾性付勢手段10が収容される。
図2〜図4に示すように、ばねケース12の係合凹部12Bには押圧部材13の係合凸部13Cが係合して下ケース16の長手方向にスライドすることができ、これらの間には、図2及び図3に示す下ケース16に装着された状態で圧縮される圧縮コイルばね11が収容されているため、弾性付勢手段10は、圧縮コイルばね11の弾性変形に基づく復元力により、第1揺動アーム4に対して付勢力を作用させる。
図2に示す所定開き角度Cで係合ピン2が係合溝6Dに係合するように、係合片6を係合ピン2側(扉体D側)へ突出させた状態では、押圧部材13の傾斜面13Aが第1揺動アーム4の静止時当接面4Cに当接しており、これらの傾斜面13A及び静止時当接面4Cが当接している位置における傾斜面13Aに垂直な方向が略垂直軸3Aに向かう方向となっており、揺動アーム4,5を垂直軸3Aまわりに回転させるために必要なトルクが作用しないため、弾性付勢手段10の付勢力により、図2に示す係合片6を係合ピン2側へ突出させた静止状態が保持される。
【0023】
これに対して、図2に示す静止状態から扉体Dが閉方向Aへ移動して係合ピン2が係合溝6Dに係合しながら移動し、係合片6及び揺動アーム4,5が閉方向Aへ揺動した図5に示す状態では、第1揺動アーム4の静止時当接面4Cの開側端部に位置する被押圧凸部4Dが押圧部材13の押圧面13Bにより押され、図5において垂直軸3Aまわりの反時計方向のトルクが第1揺動アーム4に作用する。
したがって、このような弾性付勢手段10による付勢力により係合片6の係合溝6Dに係合ピン2が係合しながら矢印Eに示すように移動するため、係合ピン2が取り付けられた扉体Dは、閉方向Aへ移動して図3に示す状態まで自動閉止される。
【0024】
図2〜図4に示すように、弾性付勢手段10のばねケース12の傾斜面12Aには調整ブロック14の傾斜面14Aが当接しており、調整ブロック14の螺孔14Bにねじ部15Bを螺合させ、頭部15Aを下ケース16の室外側に位置する調整ねじ支持溝16Dに係合させた状態の調整ねじ15を、その頭部15Aを回転させることにより、調整ブロック14が室内外方向へ移動するため、この調整ブロック14の傾斜面14Aに傾斜面12Aが当接するばねケース12は、本体1の長手方向(室内外方向と直交する水平方向)へ移動する。
よって、室外側へ露出した頭部15Aを操作して調整ねじ15を回転させることにより、弾性付勢手段10による付勢力の調整を行うことができる。
【0025】
また、図4に示すように、下ケース16に揺動ダンパ3、第1揺動アーム4及び内側ブレーキパッド9、ブレーキプレート8、第2揺動アーム5、係合片6及び外側ブレーキパッド7、調整ブロック14及び調整ねじ15、並びに、弾性付勢手段10を組み付けた後、下ケース16の係合凹部16A,…及び係合凹部18,…に、上ケース17の係合凸部17A,…及び係合凸部19,…を係合させ、調整ねじ15の頭部15Aを調整ねじ支持溝17Dに係合させた状態とし、通孔17B,…に図示しない取付ねじを挿通して螺孔16B,…に螺合することにより、揺動ダンパ3等の部品を収容した状態の本体1が一体化され、このような本体1は、長孔20A,20B,…を利用して、図1に示すように枠体Fの上部に容易に取り付けることができる。
以上のようなドアクローザの本体側の構成によれば、揺動ダンパ3の垂直軸3Aに揺動アーム4,5を直結して該揺動アーム4,5に制動力を付与する簡素な構成であるため、特殊構造のピストン及びシリンダにより油圧ダンパを構成し、ラック及びピニオンを介してアームに制動力を付与する構成の従来のドアクローザと比較して、組立性及び保守性が高くなるとともに、コストを低減することができる。
【0026】
さらに、図4に示すように、基体21の係合ピン支持孔21Aには、下端部の周囲にフランジ部2Aが形成された係合ピン2が下側から挿入されて上方へ突出し、支持板24の受け孔24Aに支持ピン23の下端が嵌入されるため、支持ピン23は支持板24から立設され、支持ピン23により支持された圧縮コイルばね22により係合ピン2を上方へ弾性付勢した状態で、基体21の通孔21Cに図示しない取付ねじを上側から挿通して支持板24の螺孔24Bに螺合することにより基体21に支持板24が固定され、基体21は、取付孔21B,21Bを利用して図1に示すように扉体Dの上部側面に取り付けられる。
ここで、前述のように枠体Fに取り付けられた本体1には、扉体Dに向かって開口する平面視略V字状の開口部16C,17Cが形成されているため、図3に示す扉体Dの閉止状態で、基体21と本体1(下ケース16及び上ケース17)とが干渉しない。
【0027】
次に、図6及び図7を参照してドアクローザの動作について説明する。
図6(a)に示す扉体Dが所定開き角度C(図6(b)参照。)よりも開いた状態では、駆動部材である係合ピン2と係合部材である係合片6とが離間しているため、前述のとおり扉体Dを開閉方向へ自由に操作することができる。
この状態から、扉体Dを閉方向Aへ移動させて図6(b)に示す所定開き角度Cになると、係合ピン2が係合片6の先端部に位置して係合溝6Dに臨んだ状態となる。
さらに扉体Dが閉方向Aに移動すると、前述のとおり係合片6を係合ピン2側へ突出させた静止状態が解除され、図7(a)に示すように、弾性付勢手段10による付勢力により係合片6の係合溝6Dに係合ピン2が係合しながら矢印Eに示すように移動するため、係合ピン2が取り付けられた扉体Dは、閉方向Aへ移動して図7(b)に示す状態まで自動閉止される。
【0028】
また、このように扉体Dが自動閉止される際には、揺動アーム4,5の閉方向への移動に対して揺動ダンパ3により制動力が付与される。
その上、第2揺動アーム5先端部の垂直支軸5Bにより基端部の開側部分が支持された係合片6の基端部の閉側部分に外側ブレーキパッド7が取り付けられていることから、係合ピン2が係合溝6Dに係合しながら扉体Dが閉方向Aへ移動する際には、揺動アーム4,5に対して係合片6が垂直支軸5Bまわりに閉方向へ揺動し、したがって外側ブレーキパッド7がブレーキプレート8の外周面8Aに押し付けられ、ブレーキプレート8の内周面8Bが内側ブレーキパッド9の外周面9Aに押し付けられる(図5も参照。)。
よって、ブレーキプレート8の外周面8A側及び内周面8B側のブレーキパッド7,9がブレーキプレート8の両面を挟むように摺動してブレーキが効き、よりコンパクトな構成により、安定した大きな制動力を作用させるブレーキが構成される。
【0029】
このような安定した制動力を作用させるコンパクトなブレーキを使用することにより、長期にわたってドアクローザの信頼性を向上することができるとともに、このようなブレーキを揺動ダンパ3と併用していることから、揺動ダンパ3のみにより制動力を付与する構成と比較して揺動ダンパ3の容量を大幅に小さくすることができるため、揺動ダンパ3まわりの外形を大幅に小さくすることができる。
よって、異物感や圧迫感を与えないスマートな外観にすることができるため、一般家庭においても使用が敬遠されることがない。
【0030】
図7(b)のような扉体Dの閉止状態から扉体Dを開く際には、当止片5C(図3及び図4参照。)に係合片6の開側端が当接した状態で係合片6及び揺動アーム4,5が開方向Bへ移動することから、外側ブレーキパッド7がブレーキプレート8に押し付けられることがなく、ブレーキが効かない状態であるため、該ブレーキが扉体Dを開く際の操作性を阻害することがない。
また、揺動ダンパ3を、詳細は後述するが、揺動アーム4,5の閉方向Aへの揺動の際には制動力が大きく、揺動アーム4,5の開方向Bへの揺動の際には制動力が小さくなるように、内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンに弁を設けてなるものとすれば、扉体Dを開く際に作用する揺動ダンパ3の制動力が小さいため、前記ブレーキと同様に揺動ダンパ3が扉体Dを開く際の操作性を阻害することがなく、弾性付勢手段10の圧縮コイルばね11を縮める力だけで扉体Dを開くことができる。
そして、扉体Dを開くことにより、図7(a)から図6(b)のように、係合溝6Dに係合する係合ピン2により駆動されて係合片6及び揺動アーム4,5が垂直軸3Aまわりに時計方向へ揺動し、図6(b)の位置では、第1揺動アーム4の静止時当接面4Cが押圧部材13の傾斜面13Aに当接しており、前述のとおり弾性付勢手段10の付勢力により係合片6を係合ピン2側へ突出させた静止状態が保持され、さらに扉体Dを開くと、図6(a)のように係合ピン2が係合片6の係合溝6Dから離間した状態になる。
【0031】
次に、図8を参照して、係合ピン2に係合していない係合片6が閉方向Aへ揺動してしまった状態における復帰動作について説明する。
図8(a)に示すように、扉体Dを閉じない状態において不意に係合片6及び揺動アーム4,5が閉方向へ揺動してしまった場合には、図8(b)に示すように係合片6の開側部分の下面に傾斜面6Eが形成されているとともに、前述のとおり係合ピン2が圧縮コイルばね22(図4参照。)により弾性支持されているため、図8(a)の状態から扉体Dを閉じることにより、係合ピン2が傾斜面6Eに沿って移動して、図3及び図7(b)に示す係合溝6Dに係合した状態に復帰させることができ、この状態から扉体Dを開けば、前述のとおり図6(b)のような弾性付勢手段10の付勢力により係合片6を係合ピン2側へ突出させた静止状態へ復帰させることができる。
【0032】
図9は、揺動ダンパ3の一例を示す概略図であり、図9(a)は扉体Dの所定開き角度Cに近い角度で閉方向Aへ揺動している状態を、図9(b)は扉体Dの閉止状態に近い角度で閉方向Aへ揺動している状態を、図9(c)は扉体Dの開方向Bへ揺動している状態を示す、いずれも横断平面図であり、図9(d)はベーン及び弁を取り出して示す斜視図である。
【0033】
まず、図9に示す揺動ダンパ3の構成について説明する。
揺動ダンパ3のハウジング31には、その内周壁面31Aから内方へ突出し、内周壁面32C,32C同士が対向する固定仕切体であるストッパ32,32が形成されており、図示しない軸受により支持された回転体である基体33の外周面33Bがストッパ32,32の内周壁面32C,32Cに摺接する。
また、基体33から径方向へ延びるベーン34,34は、揺動ダンパ3単体では、それぞれが一方のストッパ32の側壁面32Aに当接する位置から他方のストッパ32の側壁面32Bに当接する位置までの範囲で揺動することができる。
さらに、ストッパ32,32とベーン34,34とにより区画されるオイル収容室S1,S1,S2,S2には、例えばシリコンオイルであるオイルが充填され、図示しない蓋により密封される。
なお、オイル収容室S1及びS2間を隔てる固定仕切体であるストッパ32,32には、図示しない例えば上面に形成された周方向の細溝又は側壁面32A,32Bを繋ぐ微小孔等の比較的小さい流路が形成されている。
【0034】
ベーン34の外周面34Aとハウジング31の内周壁面31Aとの間には隙間があり、ベーン34の平行な2枚の羽根板の間が弁38を収容する弁収容部35であり、この弁収容部35は径方向に開口するため弁38は外周面34Aから出没し、弁38が径方向へ突出した状態でハウジング31の内周壁面31Aに当接する。
また、ベーン34の平行な2枚の羽根板の中で、閉方向Aへの揺動の際にストッパ32の側壁面32Aに近づく側の羽根板には、その上下には切欠き36,36が形成される。
さらに、切欠き36に近い側の基体33の外周面(例えば下端部外周面)には、ストッパ32の内周壁面32Cの周方向長さよりも長い周溝37が形成される。
このような構成の揺動ダンパ3において、基体33の軸孔33Aには垂直軸3Aが内嵌されるため、基体33及びベーン34,34は、垂直軸3Aと一体となって揺動する。
【0035】
次に、図9に示す揺動ダンパ3の動作について説明する。
図9(a)に示す扉体Dの所定開き角度Cに近い角度で閉方向Aへ揺動している状態は、前述の図5及び図7(a)の状態に対応するものであり、この状態ではオイル収容室S1内のオイルが圧縮される方向にベーン34が移動しており、ベーン34の羽根板の段部36,36から弁収容部35内に進入したオイルが弁38を径方向へ押す方向へ圧力pが作用するため、弁38が径方向へ突出してハウジング31の内周壁面31Aに当接した状態が保持されながら、ベーン34はストッパ32の側壁面32Aに近づく方向へ移動する。
したがって、ベーン34がストッパ32の側壁面32Aに近づく方向へ移動する際に、オイル収容室S1,S1内のオイルが圧縮され、前記比較的小さい流路からオイル収容室S2,S2内へ移動し、その際の抵抗が大きいため、垂直軸3Aに連結されて揺動する負荷には大きな制動力が付与される。
【0036】
図9(b)に示す扉体Dの閉止状態に近い角度で閉方向Aへ揺動している状態では、周溝37がストッパ32の内周壁面32Cを跨いでストッパ32を挟むオイル収容室S1及びS2を連通させることから、周溝37がオイルの逃げ道となるため、矢印G1に示すようにオイル収容室S1からオイル収容室S2へオイルが移動する。
したがって、扉体Dが閉まり切る直前の範囲で揺動ダンパ3の制動力が小さく(抵抗が軽く)なるため、このような揺動ダンパ3を使用することにより、例えば扉体Dが室内側に開く構成で室内が負圧になっている場合のように室内外の気圧差によって扉体Dを開けようとする力が付加されても、あるいは、錠がかかるための抵抗力が付加されても、扉体Dを確実に閉め切ることができる。
【0037】
図9(c)に示す扉体Dの開方向Bへ揺動している状態では、オイル収容室S2内のオイルが圧縮される方向にベーン34が移動するが、前述の弁38を径方向へ押す方向の圧力p(図9(a)参照。)が作用しないとともに、弁38の傾斜面38Aがオイル収容室S2側のオイルに押されて弁38が弁収容部35内に後退し、ベーン34及び弁38とハウジング31の内周壁面31Aとの間に隙間ができ、ベーン34を挟むオイル収容室S1及びS2が連通することから、矢印G2に示すようにオイル収容室S2からオイル収容室S1へオイルが移動する。
したがって、扉体Dが開方向Bへ揺動する際には、揺動ダンパ3の制動力が小さく(抵抗が軽く)なるため、このような揺動ダンパ3を使用することにより、扉体Dを開く際の操作性を阻害することがない。
【0038】
以上の説明においては、第1揺動アーム4と第2揺動アーム5とが別体である場合を示したが、これらを一体とした揺動アームとしてもよい。
また、以上の説明においては、ブレーキ体がブレーキプレート8である場合を示したが、ブレーキ体を、板状のものではなく、外側ブレーキパッド7の円弧状内周面7Bと摺動する円弧状外周面を有するソリッド状のものとして、内側ブレーキパッド9をなくした構成としてもよい。
ただし、ブレーキ体をブレーキプレート8として、ブレーキプレート8の外周面8A側及び内周面8B側のブレーキパッド7,9がブレーキプレート8の両面を挟むように摺動させる構成とすれば、前述のように、よりコンパクトな構成により、安定した大きな制動力を作用させることができる。
【0039】
さらに、以上の説明においては、駆動部材が係合ピン2であり、係合部材が係合溝6Dが形成された係合片6である場合を示したが、駆動部材及び係合部材の構成は、係合ピン2及び係合片6を用いる構成に限定されるものではなく、駆動部材側に係合溝を設けて係合部材側に設けた係合ピン又はローラ等を係合させるようにしてもよい。
さらにまた、以上の説明においては、枠体Fの上部に本体1を取り付けて扉体Dの上部に係合ピン2を取り付ける構成について説明したが、これらの取り付けを逆にして、扉体Dに本体を、枠体Fに係合ピンを取り付けてもよい。
ただし、本発明のドアクローザによれば、揺動ダンパ3まわりの外形を大幅に小さくすることができるため、特に、本体1を枠体F側に取り付ける際のスペース上の制約が少ないことから、本体1を枠体F側に取り付けることができ、その際には扉体D側には係合ピン2が取り付けられ、扉体Dの開閉に伴って移動し、より圧迫感を与えやすい扉体Dの上部に本体1がないため、さらに一般家庭における使用に適した構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態に係るドアクローザを開き戸に取り付けた状を示す斜視図である。
【図2】同じく部分断面平面図であり、扉体を開いた状態から所定開き角度まで閉じた状態を示している。
【図3】同じく部分断面平面図であり、ドアクローザにより扉体が閉じられた状態を示している。
【図4】ドアクローザの分解斜視図である。
【図5】ドアクローザの要部を拡大して示す部分断面平面図であり、扉体が所定開き角度内にある状態を示している。
【図6】扉体を閉じる際におけるドアクローザの動作説明図であり、(a)は扉体が所定開き角度よりも開いた状態を、(b)は扉体が所定開き角度である状態を示している。
【図7】同じく動作説明図であり、(a)は扉体が所定開き角度内にある状態を、(b)は扉体が閉じられた状態を示している。
【図8】係合ピンに係合していない係合片が閉方向へ揺動してしまった状態における復帰動作を示す説明図であり、(a)は部分断面平面図、(b)は係合片と係合ピンを下方から見た斜視図である。
【図9】揺動ダンパの構造及び動作を示す図であり、(a)は扉体の所定開き角度に近い角度で閉方向へ揺動している状態を示す横断平面図、(b)は扉体の閉止状態に近い角度で閉方向へ揺動している状態を示す横断平面図、(c)は扉体の開方向へ揺動している状態を示す横断平面図、(d)はベーン及び弁を取り出して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
A 閉方向
B 開方向
C 所定開き角度
D 扉体
F 枠体
H ヒンジ
HD 開き戸
1 本体
2 係合ピン(駆動部材)
3 揺動ダンパ
3A 垂直軸
4 第1揺動アーム
4A 軸孔
4C 静止時当接面
4D 被押圧凸部
5 第2揺動アーム
5A 軸孔
5B 垂直支軸
6 係合片(係合部材)
6A 嵌合孔
6D 係合溝
7 外側ブレーキパッド
7B 内周面
8 円弧状ブレーキプレート(ブレーキ体)
8A 外周面
8B 内周面
9 内側ブレーキパッド
9A 外周面
10 弾性付勢手段
11 圧縮コイルばね
12 ばねケース
12A 傾斜面
12B 係合凹部
13 押圧部材
13A 傾斜面
13B 押圧面
13C 係合凸部
16 下ケース
17 上ケース
21 基体
21A 係合ピン支持孔
22 圧縮コイルばね
23 支持ピン
24 支持板
31 ハウジング
32 ストッパ
33 基体
34 ベーン
37 周溝(オイルの逃げ道)
38 弁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開き戸の枠体に対して扉体が所定開き角度よりも開いた状態では該扉体を開閉方向へ自由に操作することができ、前記扉体が前記所定開き角度内にある状態では制動力が付与されるとともに閉方向へ付勢されるため、前記扉体が静かに自動閉止されるドアクローザであって、
前記枠体及び扉体の上部の一方に取り付けられる本体と、それらの他方に取り付けられる駆動部材と、
前記本体に取り付けられ、垂直軸が突出した揺動ダンパと、
該揺動ダンパの垂直軸に取り付けられ、該垂直軸を中心としてその径方向に延び、前記垂直軸と一体となって揺動する揺動アームと、
該揺動アーム先端部の垂直支軸により基端部の開側部分が支持されて前記径方向に延び、前記揺動アームに対して前記垂直支軸まわりに閉方向へ揺動可能とされ、基端部の閉側部分に、前記揺動ダンパの垂直軸を中心とした半径に略等しい曲率半径の内周面を有するブレーキパッドが取り付けられるとともに、前記所定開き角度内で前記駆動部材に係合して前記扉体が閉止可能な係合部材と、
前記ブレーキパッドの内周面と摺動する円弧状外周面を有する、前記本体に取り付けられたブレーキ体と、
前記所定開き角度で前記駆動部材が前記係合部材に係合するように前記係合部材を前記駆動部材側へ突出させた静止状態を保持するように付勢するとともに、前記駆動部材が前記係合部材に係合することによる前記係合部材及び揺動アームの閉方向への揺動に伴い、前記揺動アームを閉方向へ付勢する弾性付勢手段と、
を備えたことを特徴とするドアクローザ。
【請求項2】
前記ブレーキ体が前記円弧状外周面及び該外周面と平行な内周面を有するブレーキプレートであり、該ブレーキプレートの閉側部分を前記径方向へ移動可能とし、前記閉側部分の外周面に前記ブレーキパッドが押圧された際に、前記ブレーキプレートが押圧されるとともに該ブレーキプレートの内周面と摺動する外周面を有するブレーキパッドを前記揺動アームに取り付けてなる請求項1記載のドアクローザ。
【請求項3】
前記揺動ダンパが、前記揺動アームの閉方向への揺動の際には制動力が大きく、前記揺動アームの開方向への揺動の際には制動力が小さくなるように、内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンに弁を設けてなるものである請求項1記載のドアクローザ。
【請求項4】
前記揺動ダンパの内部に充填したオイルを圧縮するように回転するベーンの移動経路の途中に前記オイルの逃げ道を設け、前記扉体が閉まり切る直前の所定範囲における前記揺動ダンパの制動力が他の範囲における制動力よりも小さくなるように構成してなる請求項1記載のドアクローザ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−263964(P2009−263964A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113882(P2008−113882)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000211695)中西金属工業株式会社 (222)