説明

ドア警報装置およびこれを用いた監視システム

【課題】ドアが閉じる場合の事故の発生を抑止できるドア警報装置を提供する。
【解決手段】ドア1の回転軸に取り付けられて回転角度に応じた電圧を発生して角度信号として出力するポテンショメータ12と、警報を出力する警報装置15、26と、ポテンショメータからの角度信号に基づきドアが開いている角度を算出し、該算出した角度からドアが閉じるまでの時間を算出し、該算出した時間が所定の判定時間より小さければ警報装置を駆動して警報を出力させる制御装置24を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア警報装置およびこれを用いた監視システムに関し、特にドアの閉鎖を安全に行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
平成17年12月に建築基準法施行令が改正され、防火設備に関し、「閉鎖または作動をするに際して、当該特定防火設備または防火設備の周囲の人の安全を確保することができるものであること」という条件が加えられた。具体的には、開き戸タイプのドアでは、以下の条件を満足することが要請されている。
【0003】
(1)閉鎖力150N以下であること
(2)閉鎖時の運動エネルギーを10ジュール(10J)以下に抑えること
ところで、ドアの調整が不十分であることに起因してドアの閉まる速度が速いと、指などがドアに挟まれる事故が発生する可能性がある。このような事故を回避する技術として、特許文献1は、住宅用および自動車用の開き戸タイプのドアが開かれることによる事故を未然に防止して安全性を高めることができるドア警報装置を開示している。
【0004】
このドア警報装置は、集合住宅や自動車等に設けられる開き戸タイプのドアに、ドアの引き開き側に人または物が近接して存在しあるいは近接しそうであることを識別する第1センサと、ドアを開けようとする人がそのノブを握ったことを識別する第2センサと、第1センサまたは第2センサの出力信号を受けて選択的に表示灯駆動信号またはスピーカ駆動信号あるいはドアロック制御信号を形成するコントローラと、表示灯駆動信号を受けて選択的に点灯される第1表示灯および第2表示灯と、スピーカ駆動信号を受けて選択的に所定のメッセージを出力するスピーカと、ドアロック制御信号を受けて一時的にドアをロック状態とするドアオートロック機構とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−198588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の技術では、例えば気温や気圧が時々刻々と変化する環境やドアの取り付けに使用されている金具などの経年変化により、ドアが閉じる速度は、変化するので、コンフォーマンス(適合状況)を確認できない。
【0007】
その結果、ドアが閉じる速度が速くなると、事故が発生する可能性が高くなるという問題がある。そこで、速度センサをドアに取り付け、ドアが閉じる速度が一定値以上である場合に警報を発生することが考えられる。
【0008】
しかしながら、ドアが閉じる速度は、ドアクローザによって可変されるので、速度センサでは所望の値を得るのが難しい。
【0009】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その課題は、ドアが閉じる場合の事故の発生を抑止できるドア警報装置およびこれを用いた監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るドア警報装置は、ドアの回転軸に取り付けられてドアの回転角度に応じた電圧を発生して角度信号として出力するポテンショメータと、警報を出力する警報装置と、ポテンショメータからの角度信号に基づきドアが開いている角度を算出し、該算出した角度からドアが閉じるまでの時間を算出し、該算出した時間が所定の判定時間より小さければ警報装置を駆動して警報を出力させる制御装置を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る監視システムは、ドア警報装置から送られてくる信号を監視するセンタを備えた監視システムであって、ドア警報装置は、ドアの回転軸に取り付けられてドアの回転角度に応じた電圧を発生して角度信号として出力するポテンショメータと、警報を出力する警報装置と、ポテンショメータからの角度信号に基づきドアが開いている角度を算出し、該算出した角度からドアが閉じるまでの時間を算出し、該算出した時間が所定の判定時間より小さければ警報装置を駆動して警報を出力させるとともに、センタに警報を送信する制御装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るドア警報装置によれば、ドアが閉じる速度が速く、所定の判定時間より短い時間で閉じる場合は警報を出力するように構成したので、ドアが閉じる際の事故の発生を抑止できる。
【0013】
また、本発明に係る監視システムによれば、複数のドア警報装置の各々は、警報を出力した際は、その警報をセンタに送信するように構成したので、センタでは、各ドア警報装置からの警報を受信して一括管理し、必要に応じて保守員が警報送信元に赴いてドアが閉じる速度が遅くなるようにドアクローザを調整することができる。その結果、ドアが閉じる際の事故の発生を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1に係るドア警報装置が取り付けられた状態を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例1に係るドア警報装置が取り付けられた状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係るドア警報装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例1に係るドア警報装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】ドアの回転速度とドアが90°から閉まるまでの時間との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係るドア警報装置が取り付けられた他の状態を説明するための図である。
【図7】本発明の実施例1に係るドア警報装置を使用して監視システムを構成した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、枠とドアとがピポットヒンジで接続されている場合に、本発明の実施例1に係るドア警報装置を取り付けた状態を示しており、図1(a)は正面図、図1(b)は上面図である。図2は、本発明の実施例1に係るドア警報装置が取り付けられた状態の斜視図である。
【0017】
ドア1は、上枠2に取り付けられた枠側ヒンジ3と、ドア1に取り付けられたドア側ヒンジ4とにより、縦枠6に回動自在に支持されている。
【0018】
ドア警報装置の本体11は、本体固定金具5を用いて縦枠6に取り付けられている。ドア警報装置を構成するポテンショメータ12は、図1(a)に拡大して示すような回転軸付ヒンジカバー7から突出し且つドア1の開閉に伴って回転する回転軸8に取り付けられている。
【0019】
また、ドア警報装置の本体11には、時間設定ツマミ13、リセットボタン14、警報ランプ15および電池交換指示ランプ16が設けられている。時間設定ツマミ13は、ドア1が開いた状態から閉まるまでの時間が短くて危険であると判定する際の判定基準となる時間(以下、「判定時間」という)を設定するために使用される。リセットボタン14は、ドア警報装置から発生された警報を停止するとともに、該ドア警報装置を初期化するために使用される。
【0020】
警報ランプ15は、ドア1が開いた状態から閉まるまでの時間が判定時間より短い場合に、その旨をユーザに視覚的に知らせるために使用される。電池交換指示ランプ16は、ドア警報装置の電源として使用されている電池21(後述する)の電圧が低下した場合に、電池を交換すべき旨を視覚的に知らせるために使用される。
【0021】
図3は、本発明の実施例1に係るドア警報装置の電気的な構成を示すブロック図である。このドア警報装置は、電池21、電源スイッチ22、DC−DCコンバータ23、CPU(Central Processing Unit)24、ポテンショメータ12、時間設定ボリューム25、リセットボタン14、警報ランプ15、電池交換指示ランプ16、ブザー26、警報切り替えスイッチ27および時間設定ボリューム切り替えスイッチ28を備えている。
【0022】
電池21は、3Vの直流電圧を発生し、電源スイッチ22を介してDC−DCコンバータ23に送る。DC−DCコンバータ23は、電池21から電源スイッチ22を介して供給される3Vの直流電圧を、例えば3.3Vの直流電圧に昇圧し、ドア警報装置の各部に供給する。また、DC−DCコンバータ23は、電池21の電圧低下を検出し、電池21の電圧が例えば1.25V以下に低下したことを検出した場合に、電圧低下信号を生成してCPU24に送る。
【0023】
CPU24は、本発明の制御装置に対応し、このドア警報装置の全体を制御するための処理を実行する。このCPU24で実行される処理の詳細は後述する。
【0024】
ポテンショメータ12は、ロータリタイプの抵抗式角度センサとして機能し、回転角度に応じた電圧を出力する。ポテンショメータ12としては、例えばアルプス電気社製の「RDC501015A」(10kΩ、動作寿命1,000,000回)を用いることができる。このポテンショメータ12から出力される電圧は、角度信号としてCPU24に送られる。
【0025】
時間設定ボリューム25は、時間設定ツマミ13の回転に応じて抵抗値が可変する可変抵抗器から構成されており、時間設定ツマミ13の操作に応じた電圧を出力する。この時間設定ボリューム25から出力される電圧は、時間信号としてCPU24に送られる。CPU25は、この時間信号に基づいて判定時間を生成する。判定時間は、0.1〜12.7秒の間で、0.1秒単位で定義される。
【0026】
リセットボタン14は、上述したように、ドア警報装置から発生された警報を停止するとともに、該ドア警報装置を初期化するために使用される。このリセットボタン14が押されたことにより発生されるリセット信号は、CPU24に送られる。
【0027】
警報ランプ15は、本発明の警報装置に対応し、例えば赤色LED(Light Emitting Diode)から構成されている。この警報ランプ15は、CPU24からの駆動信号に応じて発光し、ドア1が開いた状態から閉まるまでの時間が判定時間より短い、つまり手が挟まれる危険などが存在することをユーザに視覚的に知らせるために使用される。
【0028】
電池交換指示ランプ16は、例えば黄色LEDから構成されており、CPU24から送られてくる電圧低下信号に応じて点滅し、電池21の電圧が低下したので交換すべき旨をユーザに視覚的に知らせるために使用される。
【0029】
ブザー26は、本発明の警報装置に対応し、CPU24から警報切り替えスイッチ27を介して送られてくるブザー駆動信号に応じて鳴動する。このブザー26は、ドア1が開いた状態から閉まるまでの時間が判定時間より短い、つまり手が挟まれる危険などが存在することをユーザに聴覚的に知らせるために使用される。
【0030】
警報切り替えスイッチ27は、ユーザが任意にオンまたはオフを設定できるスイッチであり、この警報切り替えスイッチ27がオンにされると、警報として、警報ランプ15が点灯されると同時にブザー26が鳴動し、オフにされると、警報ランプ15の点灯のみが行われる。
【0031】
時間設定ボリューム切り替えスイッチ28は、例えば半導体スイッチから構成されており、CPU24からの指示に応じて開閉し、時間設定ボリューム25への給電の可否を制御する。この時間設定ボリューム切り替えスイッチ28は、判定時間を取得する時以外は、CPU24からの指示によってオフにされる。これにより、判定時間の取得時以外は、時間設定ボリューム25に電流は流れないので、電池21の消耗を抑えることができる。
【0032】
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係るドア警報装置の動作を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
まず、キャリブレーションモードとなる(ステップS10)。すなわち、アラーム(警報)の電源はドア1が閉じた状態で投入し、ドア1が閉じた状態(角度θが0°)のポテンショメータ12の出力電圧をCPU24内の図示しないA/Dコンバータで読み込み、アナログ電圧値をディジタル電圧値に変換する。変換されたディジタル電圧値は、角度が0°のときの角度信号として、後述するドア1の開閉角度を計算する際の基準値とされる。
【0034】
次いで、電源が投入されると、設定時間の読み込みが行われる(ステップS11)。すなわち、CPU24は、時間設定ボリューム切り替えスイッチ28をオンにする。これにより、時間設定ボリューム25に電圧が印加され、時間設定ボリューム25で発生された電圧信号が時間信号としてCPU24に送られる。CPU24は、時間設定ボリューム25から受け取った時間信号をA/D変換して内部に保存する。
【0035】
その後、CPU24は、時間設定ボリューム切り替えスイッチ28をオフにする。これにより、時間設定ツマミ13で設定された時間が、判定時間としてCPU24の内部に保存される。例えば、ドア1を90°開いた状態から閉じる場合に危険であると判断される最短時間が、判定時間としてCPU24の内部に保存される。
【0036】
ドア1が90°開いた状態から閉まるまでの時間とドア1の閉まる回転速度とに基づいて判定時間を設定する。判定時間は、0.1〜12.7秒の範囲で設定でき、ドア1の幅、重量によって設定値が異なる。ドア1の運動エネルギーの式は、以下の式で表される。
【0037】
E=(1/2)・m・(2π・r・deg)2
よりE=10[J]となる回転速度deg[°/s]は、
deg=(180/πr)・√(20/m)
となる。
【0038】
この回転速度でドア1が90°から閉まるまでの時間は図5に示すようになる。この時間を時間設定ボリューム25で設定する。ドア1が90°から閉まり始めれば、時間設定ボリューム25で設定した時間が判定時間となる。
【0039】
しかし、ドア1が89°以下または91°以上で閉まり始めた場合、90°に対する角度の大小の割合に応じて判定時間を変化させる。
【0040】
(1)ドア1が89°以下から閉じた時には、その角度に応じて判定時間を短くする。
【0041】
(2)ドア1が90°以上から閉じた時には、その角度に応じて判定時間を長くする。
【0042】
また、CPU24は、ドア1の回転角度が0°の時のポテンショメータ12から出力される角度信号を受け取り、角度初期値として自己の内部に保存する。この角度初期値は、以下において、ドア1の回転角度を求める際に使用される。
【0043】
次いで、ドア動作監視処理が行われる(ステップS12)。すなわち、CPU24は、ポテンショメータ12から角度信号を受け取り、受け取った角度信号によって示される角度と前回の角度とを比較する。前回の角度より今回の角度が大きいならば、ドア1は開ける方向に動き、今回の角度より前回の角度が大きいならばドア1は閉まる方向に動いていると判断する。例えば、20m秒毎に判断を行う。
【0044】
次いで、ドア1が閉まり始めたかどうかが調べられる(ステップS13)。すなわち、CPU24は、前回までのドア動作監視処理(ステップS12)において算出したドア1の前回の角度が今回の角度よりも大きい状態が2回続いた場合にはドア1は閉まり始めたと判断する。ステップS13において、ドアが閉まり始めていないことが判断されると、ステップS12に戻って上述した処理が繰り返される。
【0045】
一方、ステップS13において、ドアが閉まり始めたことが判断されると、時間の計測が開始される(ステップS14)。すなわち、CPU24は、自己の内部に保持しているタイマによる計時を開始する。
【0046】
次いで、ドア動作監視処理が行われる(ステップS15)。すなわち、CPU24は、ポテンショメータ12から回転角度に応じた角度信号を受け取り、受け取った角度信号に基づき現在のドア1の回転角度を算出する。
【0047】
この場合、現在のポテンショメータ12の角度信号およびステップS10で計測した角度が0度のときの角度信号を用いて以下の式により、ドア1が閉まり始めた角度を数m秒で計算する。
【0048】
角度={(現在の電圧−0°の電圧)/1023}×320°
次いで、求められたドア1の閉まり始めた角度と時間設定ボリューム25の設定値とにより判定時間を決定する。すなわち、ドア1が閉まり始めた角度に応じて判定時間を変える。判定時間は以下の式で表される。
【0049】
判定時間=(閉まり始めた角度/90°)×(ボリウムで設定した時間)
次いで、ドアが閉まったかどうかが調べられる(ステップS16)。すなわち、CPU24は、ステップS15で算出したドア1の回転角度が0°になったかどうかを調べる。ステップS16において、ポテンショメータ12の出力電圧がドア1が閉まったときの出力電圧以下になったときに、ドア1が閉まったと判断し、時間の計測が停止される(ステップS17)。すなわち、CPU24は、ステップS14において開始された計時を停止する。
【0050】
次いで、タイマで計測した時間が判定時間より長いかどうかが調べられる(ステップS18)。すなわち、CPU24は、タイマで計測した時間が、ステップS11で読み込んだ設定時間によって示される判定時間より長いかどうかを調べる。ステップS18において、判定時間より長いことが判断されると、ドア1が閉まる速度は速くない、つまり危険がないことが認識され、ステップS12の処理に戻って上述した処理が繰り返される。
【0051】
一方、ステップS18において、判定時間より長くないことが判断されると、ドアが閉じる速度は速い、つまり危険であることが認識され、警報が出力される(ステップS19)。すなわち、CPU24は、警報ランプ15に駆動信号を送る。これにより、警報ランプ15が点灯する。また、CPU24は、ブザー26に駆動信号を送る。これにより、ブザー26が鳴動する。
【0052】
なお、警報切り替えスイッチ27がオフにされている場合は、ブザー26は鳴動せず、警報ランプ15の点灯のみが行われる。
【0053】
次いで、リセットボタンが押されたかどうかが調べられる(ステップS20)。すなわち、CPU24は、リセットボタン14からリセット信号が送られてきたかどうかを調べる。ステップS20において、リセットボタンが押されていないことが判断されると、ステップS20を繰り返し実行しながら待機する。ステップS20の繰り返し実行による待機状態において、リセットボタンが押されたことが判断されると、ステップS12に戻って上述した処理が繰り返される。
【0054】
以上説明したように、本発明の実施例1に係るドア警報装置によれば、ドア1が閉じる速度が速く、所定の判定時間より短い時間で閉じる場合は警報を出力するように構成したので、ドア1が閉じる際の事故の発生を抑止できる。
【0055】
なお、上述した実施例1に係るドア警報装置では、時間の計測を、ドア1が閉まった場合に、換言すれば、ドア1の回転角度が0°になった場合に停止するように構成したが、例えば、ドア1の回転角度が10°近傍になった場合に停止するように構成することもできる。この構成によれば、ドア1が閉まる直前に警報を発生できるので、より効果的に事故の発生を抑止できる。
【0056】
なお、上述した実施例1では、枠とドアとがピポットヒンジで接続されている場合にドア警報装置を適用した例を示したが、他のヒンジを用いる場合にも適用できる。
【0057】
図6は、本発明の実施例1に係るドア警報装置が、丁番で枠に支持されたドアに取り付けた状態を示しており、図6(a)は正面図、図6(b)は上面図である。ドア1は、縦枠6に取り付けられた枠側ヒンジ3とドア1に取り付けられたドア側ヒンジ4とにより枠に回動自在に支持されている。
【0058】
ドア警報装置の本体11は本体固定金具5を用いて縦枠6に取り付けられている。ドア警報装置のポテンショメータ12は、図6(a)に拡大して示すような回転軸付丁番7から突出するように設けられた回転軸9に取り付けられ、ドア1の回転に伴って回転するようになっている。ドア警報装置自体の構成は、上述した実施例1に係るドア警報装置の構成と同じである。
【0059】
上記のように構成されるドア警報装置を用いて、遠隔からドアの閉じる速度を監視する監視システムを構成できる。
【0060】
図7は、複数のドア警報装置を遠隔に設置されたセンタから監視する監視システムの構成を示す図である。複数のドア警報装置30a〜30nの各々は、ドア1が異常な開閉をした場合には警報を出力し、同一フロア内のビル制御盤33と無線または有線で繋ぎ、警報をビル制御盤33を介して防災センタ35に無線または有線により送信する。
【0061】
防災センタ35では、各ドア警報装置30a〜30nからの警報を受信して一括管理し、必要に応じて保守員が警報送信元に赴いてドア1が閉じる速度が遅くなるようにドアクローザを調整する。これにより、ドアが閉じる際の事故の発生を抑止できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、閉まる速度が速くて指が挟まれるなどの危険性があるドアに利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 ドア
2 上枠
3 枠側ヒンジ
4 ドア側ヒンジ
5 本体固定金具
6 縦枠
7 回転軸付ヒンジカバー
7’ 回転軸付丁番
8 回転軸
11 本体
12 ポテンショメータ
13 時間設定ツマミ
14 リセットボタン
15 本体固定金具
16 電池交換指示ランプ
21 電池
22 電源スイッチ
23 DC−DCコンバータ
24 CPU
25 時間設定ボリューム
26 ブザー
27 警報切り替えスイッチ
28 時間設定ボリューム切り替えスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの回転軸に取り付けられて前記ドアの回転角度に応じた電圧を発生して角度信号として出力するポテンショメータと、
警報を出力する警報装置と、
前記ポテンショメータからの角度信号に基づきドアが開いている角度を算出し、該算出した角度からドアが閉じるまでの時間を算出し、該算出した時間が所定の判定時間より小さければ前記警報装置を駆動して警報を出力させる制御装置とを備えたことを特徴とするドア警報装置。
【請求項2】
前記時間を設定する時間設定ボリュームを備え、
前記制御装置は、前記時間設定ボリュームで設定された時間を前記判定時間として使用することを特徴とする請求項1記載のドア警報装置。
【請求項3】
前記時間設定ボリュームへの給電の可否を制御する時間設定ボリューム切り替えスイッチを備えたことを特徴とする請求項2記載のドア警報装置。
【請求項4】
前記警報装置は、警報ランプまたはブザーの少なくとも1つから構成されていることを特徴とする請求項1記載のドア警報装置。
【請求項5】
前記制御装置が前記警報装置を駆動して警報を出力させた後に、該制御装置を初期化するリセットスイッチを備えたことを特徴とする請求項1記載のドア警報装置。
【請求項6】
ドア警報装置から送られてくる信号を監視するセンタを備えた監視システムであって、
前記ドア警報装置は、
ドアの回転軸に取り付けられて前記ドアの回転角度に応じた電圧を発生して角度信号として出力するポテンショメータと、
警報を出力する警報装置と、
前記ポテンショメータからの角度信号に基づきドアが開いている角度を算出し、該算出した角度からドアが閉じるまでの時間を算出し、該算出した時間が所定の判定時間より小さければ前記警報装置を駆動して警報を出力させるとともに、前記センタに警報を送信する制御装置とを備えたことを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−137801(P2012−137801A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101808(P2009−101808)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(392036876)鐵矢工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】