説明

ドライブアセンブリ、ピストンロッド、薬物送達デバイス、及びばねの使用

薬物送達デバイス用の再設定可能なドライブアセンブリが供される。再設定可能なドライブアセンブリは、ハウジング(ハウジング10A、10B、10C)、近位始動位置と遠位端位置の間をハウジングに対して回転可能であり、そして軸方向に変位可能であるピストンロッド(20)、用量を投与するとき、ピストンロッドを端位置に向かって遠位に変位させるための駆動部材(30)、及び停止部材(50)を含み得る。駆動部材は、ロック解除可能な第一のインターロックを形成するために、ピストンロッドと相互作用するように操作可能であり、ここで、第一のインターロックは、駆動部材に対してピストンロッドの近位の動きを阻止するように操作可能である。停止部材は、ロック解除可能な第二のインターロックを形成するために、ピストンロッドと相互作用するように操作可能であり、ここで、第二のインターロックは、ハウジングに対してピストンロッド(20)の近位の動きを阻止するように操作可能である。ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、インターロックは、ピストンロッドの端位置から始動位置への近位の動きが阻止されるように、ロックされる。ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるべく、ピストンロッドは、第一のインターロック及び停止部材をロック解除するために、駆動部材に対して回転可能であり、そしてピストンロッドは、第二のインターロックをロック解除するために互いに対して回転可能である。ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、第一のインターロック及び第二のインターロックは、始動位置へのピストンロッドの近位の動きが許容されるように、ロックを解除される。更に、薬物送達デバイス及びばねの使用が供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ピストンロッド、ドライブアセンブリ、薬物送達デバイス、及びばねの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、薬物送達デバイスにおいて使用するための駆動機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP 1 923 083 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、新規なピストンロッド、ドライブアセンブリ、薬物送達デバイス及び/又はばねの使用を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドが供される。ピストンロッドは可撓性であり得るか又はそうでないこともあり得る。それは単純な棒、親ねじ、ラックピニオンシステム、ウォームギアシステム、等であり得る。ピストンロッドは、円形の断面又は非円形の断面を有し得る。それは当業者に公知の如何なる適切な材料でも作られ得て、そして単体の構造又は多数部分の構造のものであり得る。ピストンロッドは、近位端、遠位端及び近位端と遠位端の間に伸びている主縦軸を有し得る。
【発明の効果】
【0006】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドは、軸方向にスペースが開けられたリブ及び/又は窪みの一つ又はそれ以上の列を有する。リブ又は窪みは、好ましくは、ラチェットポケットの一つ又はそれ以上の列を形成する。ラチェットポケットの一つ又は複数の列は、軸方向に又は実質的に軸方向に伸び得る。軸方向に又は実質的に軸方向に伸びるラチェットポケットの列は、以後、ラチェットポケットの軸列として表される。
【0007】
少なくとも一つの態様によれば、それぞれのラチェットポケットはピストンロッドの縦軸に向かって半径方向に先細になる。便宜上、この場合、ラチェットポケットは、半径方向に変位できる歯止めエレメントと相互作用するように構成される。
【0008】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドは、近位側壁及び遠位側壁を有する少なくとも一つの第一のラチェットポケットを含む。近位側壁及び遠位側壁は、好ましくは、第一のラチェットポケットが縦軸に対して第一の角度方向に先細になるように、軸方向に第一のラチェットポケットの境界を定め得る。
【0009】
第一のラチェットポケットは、特に、縦軸の回りに回転できる歯止めエレメントと相互作用するように構成される。好ましくは、縦軸と歯止めエレメントの間の距離は、この実施態様において、固定されるか又は本質的に固定される。
【0010】
好ましくは、ピストンロッドは、第一のラチェットポケットの一つ又はそれ以上の列を含む。それぞれの列は軸方向に向けられ得て、特に、軸方向に又は少なくとも実質的に軸方向に伸びる。少なくとも一つの態様によれば、少なくとも一列の軸方向に連続した第一のラチェットポケットは、互いから離れて軸方向に間隔をおいて配置される。
【0011】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドは第一の突起を含む。第一の突起は軸方向に又は少なくとも実質的に軸方向に伸び得る。第一の突起は、第一のラチェットポケットと共に、そして特に、第一のラチェットポケットの列又は列の一つと共にチャンネルを画成し得る。一つ又は複数の第一のラチェットポケットは、チャンネルのバルジ(bulge)を形成し得る。チャンネルは、好ましくは、歯止めエレメントが、列の一つの第一のラチェットポケットから軸列の後続の第一のラチェットポケットへと、チャンネルを通して動き得るように構成される。チャンネルは、ピストンロッドに沿って軸方向に又は少なくとも実質的に軸方向に伸び得る。第一の突起は、複数の、好ましくは、全てのそれぞれの列の第一のラチェットポケットに沿って伸び得る。
【0012】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドは、少なくとも一つの第二のラチェットポケットを含む。第二のラチェットポケットは、好ましくは、第一のラチェットポケットから角度的にオフセットされる。第二のラチェットポケットは、軸方向に、そして好ましくは、第二のラチェットポケットが軸に対して第二の角度方向に先細になるように、第二のラチェットポケットの境界を定める近位側壁及び遠位側壁を有する。第二の角度方向は第一の角度方向と反対であり得る。好ましくは、ピストンロッドは、第二のラチェットポケットの一つ又はそれ以上の列を含む。それぞれの列は軸方向に向けられ得る。一つの態様によれば、少なくとも一つの列の軸方向に後続する第二のラチェットポケットは、互いから離れて軸方向に間隔をおいて配置される。
【0013】
少なくとも一つの態様によれば、第二のラチェットポケットは、第一のラチェットポケットから軸方向にオフセットされる。特に、第一のラチェットポケット及び第二のラチェットポケットは、一つの、特に、一つの及び唯一の、第二のラチェットポケットが、それぞれの対の軸方向に後続する第一のラチェットポケットの間で軸方向に配置されるように、軸方向にねじれている。
【0014】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドは隆起を有する。隆起は軸方向に向けられ得る。隆起は、第一のラチェットポケットの列又は列の一つを表す窪みの第一のセットを含み得る。隆起は、第二のラチェットポケットの列又は列の一つを表す窪みの第二のセットを含み得る。
【0015】
少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドは第二の突起を含む。第二の突起は、軸方向に又は少なくとも実質的に軸方向に伸び得る。第二の突起は、第二のラチェットポケットと共に、又は第二のラチェットポケットの列又は列の一つと共にチャンネルを画成し得る。一つ又は複数の第二のラチェットポケットは、チャンネルのバルジを形成する。少なくとも一つの態様によれば、第一の突起及び第二の突起は、ピストンロッド上の一つの連続ウエブによって構成される。
【0016】
一つ又は複数の第一のラチェットポケットと同様、一つ又は複数の第二のラチェットポケットは、更なる歯止めエレメントと相互作用するように構成され得る。更なる歯止めエレメントは、ピストンロッドの縦軸の回りに回転可能であり得る。特に、更なる歯止めエレメントは、第二の突起及び第二のラチェットポケットによって画成されるチャンネルを通して、一つの第二のラチェットポケットから第二のラチェットポケットの列又は列の一つの、後続する第二のラチェットポケットに動くことができる。チャンネルはピストンロッドに沿って軸方向に伸び得る。第二の突起は、複数の、好ましくは、全てのそれぞれの列の第二のラチェットポケットに沿って伸び得る。
【0017】
それぞれの第一のラチェットポケットの近位側壁及び遠位側壁のそれぞれは、例えば、それぞれの第一の端からそれぞれの第二の端へと、第一の角度方向に伸び得る。同様に、それぞれの第二のラチェットポケットの近位側壁及び遠位側壁のそれぞれは、例えば、それぞれの第一の端部からそれぞれの第二の端部へと第二の角度方向に伸び得る。
【0018】
近位側壁の第一の端部と遠位側壁の第一の端部の間の距離は、近位側壁の第二の端部と遠位側壁の第二の端部の間の距離より大きくあり得る。少なくとも一つの態様によれば、近位側壁の第二の端部及び遠位側壁の第二の端部は、それらが、特に、ポケットの共通の端部を形成するように一致し得る。
【0019】
近位側壁及び/又は遠位側壁の第一の端部及び/又は第二の端部は、例えば、縦軸に対して半径方向に伸びる。
【0020】
少なくとも一つの態様によれば、近位側壁の第二の端部は、近位側壁の第一の端部よりもピストンロッドの遠位端のより近くに配置される。遠位側壁の第一の端部及び第二の端部は、例えば、ピストンロッドの近位端から同じ距離で配置され得る。遠位側壁の第一の端部及び第二の端部は、代わりに、近位端から異なる距離で配置され得る。例えば、遠位側壁の第二の端部は、遠位側壁の第一の端部よりも、ピストンロッドの近位端のより近くに配置される。これは、例えば、高い安定性で、歯止めエレメントを第一のラチェットポケット中に高い安定性を有してロックするために有利であり得る。
【0021】
少なくとも一つの態様によれば、第一のラチェットポケットの近位側壁は、ピストンロッド及び第一のラチェットポケット上の平面図において見られる通り、ピストンロッドの縦軸に対して傾斜している。特に、近位側壁の傾斜角は遠位側壁の傾斜角より大きくあり得る。遠位側壁は、例えば、縦軸に対して実質的に直角に伸びる。特に、遠位側壁の第一の端部及び遠位側壁の第二の端部は、近位側壁の第一の端部及び近位側壁の第二の端部よりも短い距離だけ互いから離れて軸方向にスペースが開けられる。
【0022】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリが供される。ドライブアセンブリは、薬物送達デバイス用のドライブアセンブリであり得る。
【0023】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは、再設定可能なドライブアセンブリである。再設定可能なドライブアセンブリは駆動モード及び再設定モードを有し得る。
【0024】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリはハウジングを含む。ハウジングは近位端及び遠位端を有し得る。
【0025】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリはピストンロッド、例えば、上述のタイプのピストンロッドを含む。ピストンロッドはハウジングに対して軸方向に変位できる。例えば、それは近位始動位置と遠位端位置の間をハウジングに対して軸方向に変位できる。少なくとも一つの態様によれば、ピストンロッドもハウジングに対して回転できる。特に、それは第一の角度位置と第二の回転位置の間のハウジングに対して回転できる。好ましくは、ドライブアセンブリは、特に、第一の角度位置と第二の角度位置の間の、ピストンロッドの動きの角度範囲が360度未満、特に好ましくは、90度以下であるように構成される。
【0026】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは駆動部材を含む。駆動部材は、特に、ハウジングに対して及び/又はピストンロッドに対して軸方向に変位可能であり得る。駆動部材はハウジングに対して軸方向に変位できて、そしてハウジングに対して回転的にロックされ得る。少なくとも一つの態様によれば、駆動部材はスリーブを含む。特に、小さな軸寸法を有するスリーブはリングとしても表され得る。例えば、駆動部材は駆動スリーブである。ピストンロッドはスリーブを通して伸び得る。好ましくは、駆動部材は、特に、用量を投与するために、遠位端位置に向かってピストンロッドを遠位に変位するように構成される。少なくとも一つの態様によれば、駆動部材は、ピストンロッドの第一のラチェットポケットの列又は列の一つと相互作用するための歯止めエレメントを含む。好ましくは、駆動部材のそれぞれの歯止めエレメントはピストンロッドの第一のラチェットポケットの列のそれぞれに割当られる。
【0027】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは再設定部材を含む。再設定部材はハウジングに対して回転可能であり得る。少なくとも一つの態様によれば、再設定部材はハウジングと解除可能に回転的にロックされ得て、特に、解除可能に係合され得る。ドライブアセンブリは、再設定部材が、それがハウジングと係合されるとき、ドライブアセンブリを再設定モードに保持するべく操作できるように構成され得る。
【0028】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは、着脱可能な部材を含む。着脱可能な部材はハウジングに取り外し可能に連結されるように構成され得る。着脱可能な部材はカートリッジ及びカートリッジホルダの一つであり得る。カートリッジはピストンを含み得る。ピストンロッドは、例えば、用量、特に、液体薬物の用量をカートリッジから投与するために、ピストンを遠位に変位するように構成され得る。
【0029】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは第一のダイバータエレメントを含む。第一のダイバータエレメントは、例えば、再設定部材、着脱可能な部材又はハウジングによって構成され得る。ドライブアセンブリ、特に再設定部材、着脱可能な部材又はハウジングは第二のダイバータエレメントも有し得る。
【0030】
少なくとも一つの態様によれば、第一のダイバータエレメントは、例えば、着脱可能な部材又は再設定部材の近位端によって構成され得る又は形成され得る第一の傾斜面である。第二のダイバータエレメントは、例えば、着脱可能な部材又は再設定部材の近位端によって構成され得る又は形成され得る、例えば、第二の傾斜面であり得る。第一の傾斜面及び、該当する場合、第二の傾斜面は、それぞれ近位端及び遠位端を有する。特に、第一の傾斜面及び第二の傾斜面の両方が、再設定部材又は着脱可能な部材によって構成されるとき、第一の傾斜面の近位端は、第二の傾斜面の近位端に連結され得る。
【0031】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは回転付勢部材を含む。一つの態様において、回転付勢部材はスリーブを含む。ピストンロッドはスリーブを通して伸び得る。少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材はハウジングに対して回転可能である。回転付勢部材は、弾力的バイアスをピストンロッドに変換するように操作可能であり得る。少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材は、ピストンロッドの第二のラチェットポケットの列又は列の一つと相互作用するための歯止めエレメントを含む。好ましくは、それぞれの歯止めエレメントは、ピストンロッドの第二のラチェットポケットの列のそれぞれに割当られる。
【0032】
ドライブアセンブリは、例えば、弾性部材、例えば、ばねを含み得る。弾力的付勢部材は、好ましくは、回転付勢部材及び/又はピストンロッド上に弾力的バイアスを生み出すように操作できる。特に、ドライブアセンブリは、弾性部材によって生み出される弾力的バイアスを、回転付勢部材を介してピストンロッドに変換するように操作できる。少なくとも一つの態様によれば、弾性部材の一つの端は回転付勢部材にしっかりと連結、特に、固定され得る。少なくとも一つの態様によれば、弾性部材の更なる端は、弾性部材の更なる端は、ハウジングの再設定部材にしっかりと連結、特に、固定され得る。
【0033】
少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材は、第一の部分及び第二の部分を有する。第一の部分は、例えば、ハウジングに対して軸方向にロックされる。第二の部分は、例えば、第一の部分及びハウジングに対して軸方向に変位できる。第二の部分は、第一の部分に回転的に連結され得る。特に、第二の部分は、第一の部分に対して回転的にロックされ得る。ドライブアセンブリは、第一の部分に対して第二の部分の軸方向運動を、ハウジングに対して第一の部分、そして特に、第二の部分の回転運動に変換するように構成され得る。
【0034】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは停止部材を含む。停止部材は、ハウジングに対してピストンロッドの近位の軸方向運動を阻止するために、ピストンロッドと相互作用するように構成され得る。停止部材はハウジングに対して軸方向にロックされ得る。一つの態様によれば、停止部材はハウジングに対して回転的にロックされる。少なくとも一つの態様によれば、停止部材はハウジングに対して回転できる。回転付勢部材は停止部材によって形成され得る。特に、停止部材は、一つ又は複数の歯止めエレメントを介したピストンロッドとの相互作用によって、ピストンロッドの近位軸方向運動を阻止するべくピストンロッドと相互作用するように操作可能であり得る。
【0035】
少なくとも一つの態様によれば、薬物送達デバイスが供される。薬物送達デバイスはドライブアセンブリ、特に、再設定可能なドライブアセンブリを含み得る。
【0036】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは、用量を設定するために、駆動部材がハウジングに対して、そして好ましくは、ピストンロッドに対して、特に、静止位置から用量設定位置に近位で変位できるように構成される。設定された用量を投与するために、駆動部材はハウジングに対して、用量設定位置から静止位置へと遠位で変位でき得る。
【0037】
好ましくは、設定された用量を投与するために、駆動部材は、ピストンロッドをハウジングに対して遠位に変位するために、ピストンロッドと相互作用する。少なくとも一つの態様によれば、用量の投与中に、ピストンロッドは軸方向にのみ変位される。ピストンロッドが軸方向にのみ変位されるとき、それは特に回転されない。一つの実施態様において、ピストンロッドは、用量を投与するとき、回転付勢部材に対して遠位に変位される。
【0038】
少なくとも一つの態様によれば、用量を設定するとき、ピストンロッドはハウジング、そして特に、駆動部材に対して第一の回転方向に回転され、そして第一の回転方向への回転の後、ピストンロッドはハウジング、そして特に、駆動部材に対して第二の回転方向に回転される。第一の回転方向は、特に、ピストンロッドの第一のラチェットポケットが、そこで先細になる第一の角度方向と一致し得る。この場合、第二の回転方向は、ピストンロッドの第二のラチェットポケットがそこで先細になる第二の角度方向と一致し得る。
【0039】
少なくとも一つの態様によれば、駆動部材は、ハウジングに対して駆動部材の近位での動きを、ハウジングに対して、そして特に、駆動部材に対して第一の回転方向へのピストンロッドの回転運動に変換するためにピストンロッドと相互作用する。第一の回転方向へのピストンロッドの回転運動は、第二の角度位置に向かう動きであり得る。特に、ピストンロッドは、特に、回転付勢部材によってピストンロッドに移される弾力的バイアスに抗して、第二の角度位置に向かって第一の回転方向に動かされる。
【0040】
例えば、駆動部材の近位軸方向運動は、ピストンロッドの一つの第一のラチェットポケットと駆動部材のそれぞれの歯止めエレメントの相互作用によってピストンロッドの回転運動に変換される。駆動部材がピストンロッドに対して近位で動き、そしてピストンロッドをハウジング及び駆動部材に対して第一の回転方向に回転するとき、駆動部材の歯止め部材は、ピストンロッドと駆動部材の間の相対的な動きを用いて、第一のラチェットポケットから係合を解除し得る。このように、ピストンロッドの回転運動の回転角度は、第一のラチェットポケットの角度的な広がりによって定められ得る。
【0041】
少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材は、ピストンロッドが第二の回転方向に、特に、弾力的バイアスを用いて回転されるように、ピストンロッドと相互作用し得る。駆動部材及びハウジングに対して第二の回転方向へのピストンロッドの回転は、第一の角度位置に向かう回転であり得る。一つの実施態様にいて、第二の回転方向へのピストンロッドの回転運動の角度範囲は、駆動部材によって制限され得る。特に、駆動部材は、ピストンロッドの第一のラチェットポケットが、駆動部材のそれぞれの歯止めエレメントと完全に係合しているとき、第二の回転方向へのピストンロッドの更なる回転を防ぐ。
【0042】
少なくとも一つの態様によれば、用量を設定するとき、回転付勢部材は、ピストンロッドが第一の回転方向に回転するときの、第一の回転方向へのピストンロッドに、特に、ピストンロッドと回転付勢部材の間の機械的な相互作用によって従動する。特に、回転付勢部材は、弾力的バイアスに抗した第一の回転方向へのピストンロッドに従動する。少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材が第二の回転方向に回転するとき、ピストンロッドは、追加的に又は代わりに、第二の回転方向への回転付勢部材に、特に、ピストンロッドと回転付勢部材の間の機械的な相互作用によって従動する。回転付勢部材は、好ましくは、弾力的バイアスを用いて第二の回転方向に回転し得る。
【0043】
例えば、用量の設定中に、ピストンロッドに対して第二の回転方向への回転付勢部材の回転運動は、ピストンロッドの第二のラチェットポケットと回転付勢部材のそれぞれの歯止めエレメントとの係合を用いて防がれ得る。従って、ピストンロッドが第一の回転方向に回転されるとき、それは第一の回転方向に回転付勢部材をそれと共に運び得て、一方、特に、弾力的バイアスは回転付勢部材を第二の回転方向に回転する傾向にある。
【0044】
少なくとも一つの態様によれば、設定された用量を投与するとき、ピストンロッドは、ピストンロッドの遠位での動きを回転付勢部材の回転運動に、特に、弾力的バイアスに抗して、変換するために、回転付勢部材と相互作用する。ピストンロッドの遠位での動きは、ピストンロッドそして特に、ハウジングに対して第一の回転方向への回転付勢部材の回転運動に変換され得る。
【0045】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは、回転付勢部材がハウジングに対して第一の回転方向に回転されるとき、弾力的バイアスを増大させるために弾性部材を弾力的に変形させるように操作できる。少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリは、弾性部材の二つの反対側の端を互いに対して角度的に変位することによって、弾性部材を弾力的に変形させるように構成される。
【0046】
少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材は、弾性部材を弾力的に変形させるために、特に、弾性部材を軸方向に、例えば、回転付勢部材の第一の部分に対して回転付勢部材の第二の部分を軸方向に変位することを用いて圧縮するように操作できる。
【0047】
少なくとも一つの態様によれば、駆動部材は、第一のインターロックを形成するためピストンロッドと相互作用するように操作できる。第一のインターロックは駆動部材に対してピストンロッドの近位の動きを阻止するように操作可能であり得る。少なくとも一つの態様によれば、駆動部材は、駆動部材が、用量を投与するべくピストンロッドを遠位に変位するために操作できるように、第一のインターロックを用いてピストンロッドと連結できる。特に、第一のインターロックは、特に、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、ピストンロッドが駆動部材の遠位での動きに従動し、そしてピストンロッドが駆動部材の近位の動きに従動しないように構成され得るピストンロッドと駆動部材の間のクラッチを表す。
【0048】
少なくとも一つの態様によれば、停止部材及び/又は回転付勢部材は、第二のインターロックを形成するためにピストンロッドと相互作用するように操作できる。第二のインターロックは、特に、ピストンロッドのハウジングに対して近位の動きを阻止するように操作できる。第二のインターロックは、近位方向への力がピストンロッド上に、例えば、用量の設定中に駆動部材によって作用されるとき、ピストンロッドが近位に動くことを防ぐ。
【0049】
例えば、ハウジングに対してピストンロッドの近位軸方向運動は、ピストンロッドのラチェットポケット、特に、第二のラチェットポケットの列又は少なくとも一つの列を介した、ピストンロッドと停止部材又は回転付勢部材との相互作用によって、第二のインターロックによって阻止される。
【0050】
少なくとも一つの態様によれば、第二のインターロックは、例えば、遠位端位置から始まる近位始動位置へのピストンロッドの近位の動きを防ぐように操作できる。少なくとも一つの態様によれば、ハウジングに対して駆動部材の運動の軸範囲は、遠位端位置から近位始動位置へのハウジングに対してピストンロッドの近位の動きが、特に、駆動部材とハウジングの相互作用の協力で、第一のインターロックによって防がれるように制限される。
【0051】
用語「近位の動きを阻止する」は好ましくは、ピストンロッドが、それぞれ、第一のインターロック又は第二のインターロックのために、ピストンロッドが近位方向にそこから始動して動かされ得ない、複数の軸方向に連続した阻止位置を有する構成を表すものとする。もし、ピストンロッドが二つの後続する阻止位置の間にある軸方向の位置にあるならば、それぞれのインターロックは次の阻止位置へのピストンロッドの近位の動きを可能にし得る。例えば、第一のインターロック及び/又は第二のインターロックはラチェット状に、特に、それぞれ、駆動部材及び回転付勢部材の歯止めエレメント及びラチェットポケットのそれぞれの列を用いて設計され得る。
【0052】
例えば、第一のインターロックを形成するために、ピストンロッドはラチェットポケットの列を有し、そして駆動部材は、駆動部材に対してピストンロッドの近位の動きを阻止するためにラチェットポケットの列と相互作用するように構成される。少なくとも一つの態様によれば、駆動部材は、一つのラチェットポケットと係合するように構成される歯止めエレメントを含む。一つの実施態様において、ラチェットポケットは、ピストンロッドの縦軸に向かって半径方向に先細りされ得る。別の実施態様において、ラチェットポケットの列は第一のラチェットポケットの列であり、ここで第一のラチェットポケットは上述の通り、第一の角度方向に先細になる。
【0053】
一つの態様によれば、第二のインターロックを形成するために、回転付勢部材及び/又は停止部材は、駆動部材がそれと相互作用するラチェットポケットの同じ列と相互作用するように構成される。回転付勢部材及び/又は停止部材も、ラチェットポケットの追加の列と相互作用するように構成され得る。例えば、回転付勢部材及び/又は停止部材は、上述の通り第二の角度方向に先細になる第二のラチェットポケットの列と相互作用するように構成される。少なくとも一つの態様によれば、回転付勢部材及び/又は停止部材は、ラチェットポケットの一つと係合するように構成される歯止めエレメントを含む。
【0054】
少なくとも一つの態様によれば、設定された用量を投与するとき、回転付勢部材は、特に、弾力的バイアスに抗して、ピストンロッドとの相互作用によって第一の回転方向に回転される。回転付勢部材は、ラチェットポケットの一つ、特に、第二のラチェットポケットの一つを係合解除するために第一の回転方向に回転され得る。
【0055】
例えば、ピストンロッドの遠位での軸方向運動は、ピストンロッドの一つの第二のラチェットポケットと回転付勢部材のそれぞれの歯止めエレメントの相互作用によって、回転付勢部材の回転運動に変換される。ピストンロッドが回転付勢部材に対して遠位に動き、そして回転付勢部材をハウジング及びピストンロッドに対して第一の回転方向に回転するとき、回転付勢部材の歯止めエレメントは、ピストンロッドと回転付勢部材の間の相対的な運動を用いて、第二のラチェットポケットから係合解除し得る。このように、回転付勢部材の回転運動の回転角度は、第二のラチェットポケットの角度的な広がりによって定められ得る。
【0056】
第一の回転方向への回転の後、回転付勢部材は、ハウジング及びピストンロッドに対して第二の回転方向に回転され得る。回転付勢部材は、特に、弾力的バイアスを用いて、例えば、弾性部材との相互作用によって、第二の回転方向に回転され得る。特に、回転付勢部材は、ラチェットポケット、特に、第二のラチェットポケットの別の一つと係合するために、第二の回転方向に回転され得る。
【0057】
一つ実施態様において、ハウジングに対して第二の回転方向への回転付勢部材の回転運動の角度範囲は、特に、ピストンロッド及び駆動部材を介した回転付勢部材とハウジングの相互作用によって制限され得る。例えば、ピストンロッドは、ピストンロッドの第二のラチェットポケットが回転付勢部材のそれぞれの歯止めエレメントと完全に係合状態にあるとき、ピストンロッドに対して第二の回転方向への回転付勢部材の更なる回転を防ぐ。用量を投与するとき、ピストンロッドの一つの第一のラチェットポケットは、駆動部材のそれぞれの歯止めエレメントと完全に係合し得て、それは次いで、ハウジングに対して回転的にロックされ得る。
【0058】
少なくとも一つの態様によれば、第一のインターロック及び/又は第二のインターロックはロック解除可能であるロック解除可能な第一のインターロック及び/又は第二のインターロックは、ドライブアセンブリが再設定可能なドライブアセンブリであるとき、特に、都合がよい。
【0059】
少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、第一のインターロックは、特に、駆動部材に対してピストンロッドの近位の動きが阻止されるようにロックされる。例えば、用量を設定するためのピストンロッドに対して駆動部材の近位の動きは、第一のインターロックによって可能とされ得る。追加的に又は代わりに、第二のインターロックは、ドライブアセンブリが駆動モードにある時、特に、ピストンロッドのハウジングに対して近位の動きが阻止されるように、ロックされ得る。好ましくは、第一及び第二のインターロックは、始動位置へのピストンロッドの近位の動きが可能になるように、ドライブアセンブリが再設定モードにあるときにロック解除される。
【0060】
少なくとも一つの態様によれば、再設定可能なドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるために、ピストンロッドは第一のインターロックをロック解除するために、駆動部材に対して回転できる。少なくとも一つの態様によれば、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるために、ピストンロッド及び停止部材は、第二のインターロックをロック解除するために互いに対して回転できる。例えば、ピストンロッド及び停止部材は互いに対して回転でき、そしてピストンロッドは、追加的に又は代わりに、駆動部材に対して回転できる。
【0061】
一つの態様によれば、ドライブアセンブリは、第一のインターロック及び第一のインターロックがピストンロッドの回転によって、第一の角度位置から第二の角度位置へと、特に、ハウジングに対して、停止部材及び/又は駆動部材へとロック解除可能なように構成され得る。この実施態様は、駆動部材及び停止部材がハウジングに対して回転的にロックされるとき、特に、都合がよい。
【0062】
別の態様によれば、ドライブアセンブリは、第二のインターロックが、ハウジング及びピストンロッドに対して第一の回転方向に、停止部材の回転によってロック解除可能なように構成される。少なくとも一つの態様によれば、第二のインターロックがロック解除されるとき、第一のインターロックをロック解除するために、ピストンロッドが、ハウジング及び駆動部材に対して第一の回転方向への停止部材の更なる回転運動に従動するように、停止部材はピストンロッドと相互作用するように操作できる。例えば、ピストンロッドは、ピストンロッドに対して第一の回転方向への停止部材の動きの角度範囲を制限するように操作できる、軸方向に伸びている又は少なくとも実質的に軸方向に伸びている突起、例えば、上記ピストンロッドに関連して述べられた通りの第一の突起及び/又は第二の突起を有する。
【0063】
少なくとも一つの態様によれば、弾性部材は、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、ハウジングに対して第二の方向に停止部材の回転を促進するべく、停止部材上に弾力的バイアスを生み出すために停止部材と相互作用するように構成される。弾性部材は、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるとき、第二のインターロック及び/又は第一のインターロックをロック解除するべく、ハウジングに対して第一の方向への停止部材の回転を促進するために、停止部材上に弾力的バイアスを生み出すべく停止部材と相互作用するように、代わりに又は追加的に構成され得る。
【0064】
少なくとも一つの態様によれば、停止部材は、ハウジングに対して軸方向にロックされる第一の部分、及びハウジングに対して軸方向に変位できる第二の部分を有する。停止部材の第一の部分及び第二の部分は回転的に連結され得て、特に、互いに対して回転的に連結され得る。第二の部分は、第一の軸方向に、特に、遠位方向に弾力的に付勢され得る。第二の部分は、弾性部材を用いて弾力的に付勢され得る。
【0065】
少なくとも一つの態様によれば、再設定部材、着脱可能な部材又はハウジングのどれかは、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、第一の軸方向への第二の部分の軸方向運動を、第二の軸方向への停止部材の回転運動に変換するために、第二の部分と相互作用するように構成される。例えば、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、第一のダイバータエレメントは、第二の部分が第一の軸方向へ動くとき、第二の部分を第二の軸方向にゆがめるべく、第二の部分と相互作用するように操作できる。特に、第二の部分は、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、第一の傾斜面を圧迫し得て、その第一の傾斜面は再設定部材、着脱可能な部材又はハウジングによって構成され得る。
【0066】
少なくとも一つの態様によれば、再設定部材、着脱可能な部材又はハウジングのどちらかは、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるとき、第一の軸方向への、つまり、特に、第二の回転方向と反対の方向への第二の部分の軸方向運動を、第一の回転方向への停止部材の回転運動に変換するために、第二の部分と相互作用する。例えば、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるとき、第二のダイバータエレメントは、第二の部分が第一の軸方向へ動くとき、第二の部分を第一の軸方向にゆがめるべく、第二の部分と相互作用するように操作できる。特に、第二の部分は、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるとき、第二の傾斜面を圧迫し得て、その第二の傾斜面は再設定部材、着脱可能な部材又はハウジングによって構成され得る。
【0067】
少なくとも一つの態様によれば、再設定部材は、ハウジングと解除可能なように係合可能であり、そしてそれがハウジングと係合されるとき、ドライブアセンブリを再設定モードに留めるように操作できる。少なくとも一つの態様によれば、弾性部材は、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ハウジングと係合している再設定部材をロックするために、再設定部材と相互作用するように操作できる。例えば、弾性部材は、特に、軸方向への弾力的バイアスを再設定部材上に生み出すように操作できる。
【0068】
少なくとも一つの態様によれば、着脱可能な部材は、着脱可能な部材をハウジングに連結するとき、再設定部材がハウジングから係合解除されるべく、再設定部材と相互作用するように操作できる。再設定部材とハウジングの係合は、特に、再設定部材上の弾力的バイアスに抗して解除され得る。少なくとも一つの態様によれば、着脱可能な部材をハウジングから連結解除するとき、再設定部材は、特に、再設定部材上の弾力的バイアスを用いてハウジングと係合されるようになる。
【0069】
少なくとも一つの態様によれば、弾性部材は、用量の設定中に、ハウジングに対して第二の回転方向にピストンロッドの回転を駆動するべくエネルギを蓄積するために使用されるばねである。第二の回転方向に回転を駆動するためのエネルギは、用量の設定中に、ピストンロッドを第二の回転方向に付勢するため、ばねとピストンロッドの相互作用によって供され得る。
【0070】
少なくとも一つの態様によれば、ばねは、用量を投与した後、ピストン上のピストンロッドの圧力を減少させるために、近位方向への、軸方向の変位、特に、ピストンロッドの軸方向への変位を駆動するべきエネルギを蓄積するために使用される。例えば、ばねは薬物送達デバイスにおいて使用され、ここで、薬物送達デバイスは、特に、カートリッジ及びピストンを含み、ここで、ピストンはカートリッジ内に留められ、そしてピストンロッドは、用量を投与するためにピストンをカートリッジに対して遠位に変位するように構成される。
【0071】
軸方向の変位を駆動するためのエネルギは、用量を投与した後、ピストンロッドを軸方向に、好ましくは、近位方向に付勢するため、ばねとピストンロッドの相互作用によって、特に、供される。軸方向の変位を駆動するためのエネルギが、ピストンロッドを回転的に付勢するためにばねとピストンロッドの相互作用によって供されること、そしてドライブアセンブリが、回転的バイアスによって駆動されるピストンロッドの回転運動をピストンロッドの軸方向運動に変換するように操作できることも考えられる。
【0072】
少なくとも一つの態様によれば、ばねは、停止部材/回転付勢部材を第二の回転方向に弾力的に付勢するべく、停止部材と及び/又は回転付勢部材と相互作用するために使用される。一つの実施態様において、第二のインターロックがロックされるとき、ばねは、停止部材/回転付勢部材の第二の回転方向への回転を駆動するべくエネルギを蓄積するため使用される。エネルギを供給するために、ばねは、第二のインターロックがロックされるとき、停止部材/回転付勢部材を第二の回転方向に付勢するために、停止部材/回転付勢部材と相互作用するように構成され得る。
【0073】
少なくとも一つの態様によれば、第一のインターロック及び/又は第二のインターロックをロック解除するとき、ばねは、停止部材を第一の回転方向に付勢するべく停止部材との相互作用によって、ハウジング及びピストンロッドに対して第一の回転方向への停止部材の回転を駆動するため、力を停止部材に伝達するために使用される。一つの実施態様において、ばねは、第一の回転方向への停止部材の回転を駆動するべくエネルギを蓄積するために使用される。別の実施態様において、ばねの一端は停止部材に連結され、そして、ばねの別の端は再設定部材に連結される。ばねは、第一のインターロック及び/又は第二のインターロックをロック解除するために、再設定部材が第一の回転方向へ回転されるとき、例えば、停止部材が再設定部材に従動するように、再設定部材から停止部材に力を伝達するように操作可能であり得る。
【0074】
少なくとも一つの態様によれば、ばねは、カートリッジをカートリッジホルダ内に軸方向に及び/又は回転的に固定するために、薬物送達デバイスが駆動モードにあるとき、軸方向にカートリッジを弾力的に付勢するために使用される。
【0075】
少なくとも一つの態様によれば、ばねは、ドライブアセンブリを再設定モードに留めるべくハウジングと係合している再設定部材をロックするために、軸方向に再設定部材を弾力的に付勢するように使用される。
【0076】
少なくとも一つの態様によれば、薬物送達デバイス用のピストンロッドが供される。ピストンロッドは近位端、遠位端、及び近位端と遠位端の間に伸びている主縦軸を有する。ピストンロッドは少なくとも一つの第一のラチェットポケットを含む。第一のラチェットポケットは、第一のラチェットポケットが軸に対して第一の角度方向に先細になるように、近位側壁及び遠位側壁によって軸方向に境界を定められる。
【0077】
少なくとも一つの態様によれば、薬物送達デバイス用のドライブアセンブリが供される。ドライブアセンブリは、近位端及び遠位端を有するハウジングを含む。それは、第一の角度位置と第二の角度位置の間でハウジングに対して軸方向に変位できそして回転できるピストンロッドを含む。それは軸方向に変位できる駆動部材及び回転付勢部材を含み、ここで、回転付勢部材は、弾力的バイアスをピストンロッドに移すように操作できる。
【0078】
ドライブアセンブリは、用量を設定するために、以下のように構成される:
−駆動部材は、ハウジング及びピストンロッドに対して静止位置から用量設定位置へと近位で軸方向に変位可能である;
−用量を設定するとき、ピストンロッドは、ハウジング及びピストンロッドに対して第一の回転方向に回転され、そして第一の回転方向への回転の後、第二の回転方向に回転される;
−駆動部材は、ハウジングに対して駆動部材の近位の軸方向の運動を、ピストンロッドの、弾力的バイアスに抗して第二の角度位置に向かう第一の回転方向への回転運動に変換するためにピストンロッドと相互作用する;及び
−回転付勢部材は、ピストンロッドが、弾力的バイアスを用いて、駆動部材及びハイジングに対して第一の角度位置に向かって、第二の回転方向に回転されるように、ピストンロッドと相互作用する。
【0079】
このようにして、特に信頼できて働く駆動機構が達成できる。
【0080】
少なくとも一つの態様によれば、薬物送達デバイス用の再設定可能なドライブアセンブリが供される。再設定可能なドライブアセンブリは、近位端及び遠位端を有するハウジングを含む。ドライブアセンブリは、ハウジングに対して回転でき、そして近位始動位置と遠位端位置の間をハウジングに対して軸方向に変位できるピストンロッドを含む。ドライブアセンブリは、用量を投与するとき、端位置に向かってピストンロッドを遠位に変位するための駆動部材を含む。ドライブアセンブリは、停止部材を更に含む。
【0081】
再設定可能なドライブアセンブリは以下のように構成される:
−駆動部材が、ロック解除可能な第一のインターロックを形成するべく、ピストンロッドと相互作用するように操作可能であり、ここで、第一のインターロックが、駆動部材に対してピストンロッドの近位の動きを阻止するように操作でき;
−停止部材が、ロック解除可能な第二のインターロックを形成するべく、ピストンロッドと相互作用するように操作可能であり、ここで、第二のインターロックが、ハウジングに対してピストンロッドの近位の動きを阻止するように操作でき;
−ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、第一及び第二のインターロックが、端位置から始動位置へのピストンロッドの近位の動きが第一及び第二のインターロックによって防がれるように、ロックされ;
−ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるべく、ピストンロッドが、第一のインターロック及び停止部材をロック解除するために、駆動部材に対して回転でき、そしてピストンロッドが、第二のインターロックをロック解除するために互いに対して回転でき; 及び
−ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、第一及び第二のインターロックが、始動位置へのピストンロッドの近位の動きが可能であるように、ロックを解除される。
【0082】
このようにして、特に信頼できて働く再設定機構が達成できる。
【0083】
少なくとも一つの態様によれば、ばねは薬物送達デバイスにおいて使用され、ここで、薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端を有するハウジング、カートリッジ、カートリッジ内に留められるピストン、用量を投与するべくピストンをカートリッジに対して遠位に変位するためのピストンロッド、及び用量を設定するとき、ハウジングに対して第一の回転方向にピストンロッドを回転するための駆動部材を含む。ばねは、用量の設定中に、ピストンロッドを第二の回転方向に付勢するべく、ピストンロッドと相互作用することによって、ハウジングに対してピストンロッドの第二の回転方向への回転を駆動するべくエネルギを蓄積するため使用される。ばねは、用量の投与後、ピストンロッドを近位方向に付勢するために、ピストンロッドと相互作用することによって、ピストン上のピストンロッドの圧力を減少させるべく軸方向の変位を駆動するためのエネルギを蓄積するために追加的に使用される。
【0084】
このようにして、特に少ない数の弾性部分を有する薬物送達デバイスが達成できる。
【0085】
少なくとも一つの態様によれば、ばねは再設定可能な薬物送達デバイスにおいて使用され、ここで、薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端を有するハウジング、ピストンロッド、用量を設定するときハウジングに対して第一の回転方向にピストンロッドを回転するための、そして用量を投与するとき、ピストンロッドを近位始動位置から離れて遠位に変位するための駆動部材、及びロック解除可能なインターロックを形成するべく、ピストンロッドと相互作用するための停止部材を含む。ばねは、用量を設定するとき、ピストンロッドを第二の回転方向に付勢するべく、ピストンロッドと相互作用することによって、ハウジングに対してピストンロッドの、第一の回転方向とは反対の第二の回転方向への回転を駆動するべくエネルギを蓄積するため使用される。ばねは、インターロックがロックされるとき、停止部材を第二の回転方向に付勢するために、停止部材と相互作用することによって、停止部材の第二の回転方向への回転を駆動するためのエネルギを蓄積するために追加的に使用される。ばねは、インターロックをロック解除するとき、停止部材を第一の回転方向に付勢するべく、停止部材と相互作用することによって、ハウジング及びピストンロッドに対して第一の回転方向への停止部材の回転を駆動するための力を停止部材に伝達するために更に使用される。
【0086】
このようにして、特に少ない数の弾性部材を有する再設定可能な薬物送達デバイスが達成できる。
【0087】
用語「薬物送達デバイス」は、好ましくは、医薬品の、使用者が選択できる又は事前に定義された用量、つまり固定された用量を投与するように設計される、単一用量若しくは複数用量又は事前に設定された用量若しくは事前に定義された用量の、使い捨て可能な又は再使用可能なデバイスを表すものとする。好ましくは、それは、例えば、インスリン、成長ホルモン、低分子量ヘパリン及びそれらの類似体及び/又は誘導体などの、複数の事前に定義された用量を投与するように操作できる。デバイスは、例えば、コンパクト型又はペン型などの如何なる形のものでもあり得る。用量送達は、機械的な(場合により手動の)若しくは電気的な駆動機構、又は貯蔵エネルギ駆動機構を通して供され得て、ここで、エネルギは、例えば、ばね等によって貯蔵される。駆動機構は、例えば、ドライブアセンブリを含み得る。また、デバイスは、血糖レベルなどの生理学的性質を監視するように設計された構成部材(component)を含有し得る。更に、デバイスは針を含み得て、又は無針であり得る。特に、用語「薬物送達デバイス」は、好ましくは、機械的な及び手動の用量送達機構並びに用量選択機構を有する、複数の事前に定義された用量を供する、使い捨てで針付きのペン型デバイスを表す。デバイスは、好ましくは、患者のような正式な医療訓練を受けていない人々によって使用されるように設計される。好ましくは、薬物送達デバイスは注射器型のものである。
【0088】
用語「ハウジング」は、好ましくは、時々「主ハウジング」、「本体」又は「シェル」として表わされる外部ハウジング、及び/又は、時々「挿入物」又は「内部本体」として表わされる内部ハウジングを表わすものとする。ハウジングは、特定の部材の近位の動きを防ぐための一方向性の軸連結を有し得る。それは、アセンブリ、薬物送達デバイス又はその一つ又は複数の機構の如何なるものの安全で正確でそして快適な取り扱いを可能にするように設計され得る。通常、それは、例えば、ドライブアセンブリ、カートリッジ、ピストン及び/又はピストンロッドを有するドライブアセンブリ及び/又は薬物送達デバイスの如何なる内部部材をも収容し、固定し、保護し、案内し及び/又は係合するよう設計される。それは、内部部材が液体、埃、汚れなどの汚染物に曝されることを制限するように設計され得る。一般に、ハウジングは単体又は多数部材のものであり得る。それはチューブ状の形又は非チューブ状の形を有し得る。通常、外部ハジングは、そこから医薬品の多くの用量が投与され得るカートリッジを収容するために役立つ。少なくとも一つの態様によれば、外部ハジングは、駆動部材上に供される軸停止部材によって隣接されるように適合された複数の最終用量停止エレメントを備えている。
【0089】
用語「駆動部材」は、好ましくは、ハウジングを通して又はその内で操作するように適合される構成部材を表す。それは、それぞれ、ドライブアセンブリ又は薬物送達デバイスを通して又はその内で軸方向運動を変換するように設計され得る。例えば、それは、押しボタンのような作動部材からピストンロッドに軸方向運動を変換する。好ましい実施態様において、駆動部材は、例えば、第一のインターロックを用いて、ピストンロッドと更に解除可能なように係合される。用語「解除可能なように係合される」は、好ましくは、アセンブリ又はデバイスの二つの構成部材が、好ましくは投与中に、一つの方向のみへ力又は動きの変換のために結合されることを意味するものとする。駆動部材は単体又は多数部材の構造のものであり得る。
【0090】
用語「ピストンロッド」は、好ましくは、それぞれ、アセンブリ又はデバイスを通して又はその内で軸方向運動を変換するように設計された、ハウジング本体を通して又はその内で操作するように適合される構成部材を表す。好ましくは、それは、例えば、液体医薬品のような注射できる製品を排出して投与する目的で、駆動部材からピストンに軸方向運動を変換する。
【0091】
アセンブリ、デバイス、又はデバイスの若しくはアセンブリの、例えば、ハウジング及び/又はピストンロッドの構成部材の「遠位端」は、好ましくは、デバイスの投与端の最も近くに配列されることになる、又は最も近くに配列されるその端を表すものとする。アセンブリ、デバイス又はデバイスの若しくはアセンブリの部材の「近位端」は、好ましくは、デバイスの投与端から最も離れて配列されることになる、又は最も離れているその端を表すものとする。
【0092】
本明細書で使用する用語「薬物」又は「医薬品」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0093】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0094】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0095】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0096】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0097】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0098】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0099】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0100】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0101】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0102】
異なる態様に関連して述べられた特長は、互いに組合せられ得て、そしてまた以下に述べられる更なる特長と組合せられ得る。
【0103】
請求項の開示された内容は、参照することによって記述内に明らかに組み込まれている。
【0104】
ピストンロッド、ドライブアセンブリ、薬物送達デバイス、及びばねの使用の有利な実施態様及び展開は、添付図面と関連して、以下に記述された例示的実施態様から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1A】始動構成における、第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの斜視断面図を示す。
【図1B】第一の駆動モード構成、例えば、用量設定構成における第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。
【図1C】第二の駆動モード構成、例えば、用量が投与された構成における第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。
【図2A】完全に投与された構成における第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。
【図2B】第一の再設定モード構成における第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。
【図2C】第二の再設定モード構成における第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。
【図3】第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの斜視断面図を示す。
【図4A】始動構成における、第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図4B】第一の駆動モード構成、例えば、用量の設定中の構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図4C】第二の駆動モード構成、例えば、用量設定構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図5A】第三の駆動モード構成、例えば、設定された用量の投与中の構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図5B】第四の駆動モード構成、例えば、用量が投与された構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図6A】アッセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替え中の構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図6B】再設定モードにおける第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【図7】第二の実施態様の変更例よるドライブアセンブリの断面側面図を示す。
【図8A】図7によるドライブアセンブリの駆動部材、レバー及びピストンロッドの斜視図を示す。
【図8B】図7によるドライブアセンブリの駆動部材、レバー及び押しボタンの斜視図を示す。
【図9A】駆動モードにおける図7のドライブアセンブリの斜視断面図を示す。
【図9B】再設定モードにおける図7のドライブアセンブリの斜視断面図を示す。
【図10A】第二の実施態様によるドライブアセンブリのピストンロッドの側面図を示す。
【図10B】図10Aのピストンロッドの変形例の側面図を示す。
【図11】第一の実施態様による薬物送達デバイスの斜視断面図を示す。
【図12】図11による薬物送達デバイスの押しボタン、レバー及びピボット部分の断面図を示す。
【図13】図11による薬物送達デバイスのピストンロッド、ピボット部分及び用量カウンタの斜視断面図を示す。
【図14A】始動構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図14B】第一の駆動モード構成、例えば、用量設定構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図15A】完全に投与された構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図15B】駆動モードから再設定モードに切り替え中の第一の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図15C】駆動モードから再設定モードに切り替え中の第二の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図15D】再設定モードにおける薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図16A】再設定モードから駆動モードに切り替え中の第一の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【図16B】再設定モードから駆動モードに切り替え中の第二の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【0106】
例示的実施態様及び図において、類似の又は似たように作用する構成部材には同じ参照符号が付与される。
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1Aは、第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの斜視断面図を示す。第一の実施態様において、ドライブアセンブリは再設定可能なドライブアセンブリであり得る。再設定可能なドライブアセンブリは駆動モード及び再設定モードを有し得る。
【0108】
ドライブアセンブリは、ハウジング10A、10Bを有する。例えば、ハウジングは、外部ハウジング10B及びピボット部分10Aを含む。ハウジングが単体構成のものであることも考えられる。ハウジング10A、10Bは近位端100P及び遠位端100Dを有する。ピボット部分10Aは、好ましくは、外部ハウジング10Bに対して固定され、特に、それは外部ハウジング10Bに抗する軸方向運動及び/又は回転運動に対してロックされる。
【0109】
ドライブアセンブリは、ピストンロッド20を更に含む。ピストンロッドはハウジング10A、10Bの近位端100Pから遠位端100Dの方向に走行している縦軸を有する。ピストンロッド20はその近位端で最終用量停止エレメント250を有し得る。最終用量停止エレメント250はピストンロッド20の近位端で外側に指向した肩又はフランジとして形成され得る。
【0110】
ピストンロッドは非円形断面を有し得る。例えば、それは、平らな側面201を有する。本実施態様において、ピストンロッド20は二つの反対側の平らな側面201を有する。二つの二つの平らな側面201は、特に、互いに対して平行、又は少なくとも平行である。二つの平らな側面は、縦軸が二つの平らな側面201の間に伸びるように配置される。
【0111】
ピストンロッドの少なくとも一つの更なる側面202、例えば、本実施態様におけるピストンロッド20の対向する更なる側面202には、ラチェットポケット210の列が備わっている。列は、軸方向に向いている。それぞれのラチェットポケット210は、ラチェットポケット210が、ピストンロッド20の縦軸に向かって半径方向に先細になるように、近位表面2120及び遠位表面2110によって結合される。近位表面2120は遠位端部及び反対の近位端部を有し得る。遠位端部は、近位端部よりも縦軸からより短い距離で配置され得る。ラチェットポケット210の遠位表面2110は、例えば、縦軸に対して直角に、又は実質的に直角に伸びる。ラチェットポケット210は、例えば、それぞれの遠位表面2110によって形成され得るアンダーカットを有し得る。例えば、遠位表面2110は、遠位端部及び反対の近位端部を有し得る。遠位端部は、近位端部よりも縦軸からより短い距離で配置され得る。
【0112】
ラチェットポケット210の列が備わっている更なる一つ又は複数の側面202は、曲面であり得るか、又はその端部領域が、特に、平らな側面201の一つに連結される、少なくとも一つの、それぞれ傾斜した又は曲面の縦端部領域を含み得る。
【0113】
ドライブアセンブリは更に、駆動部材30を有する。駆動部材30は、ハウジング10A、10Bに対して軸方向に変位され得て、ここで駆動部材30の軸方向運動の範囲は、好ましくは、ハウジング10A、10Bとの相互作用によって制限される。駆動部材30はハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされ得る。駆動部材30は駆動スリーブ又は本実施態様においてはキャリア面として設計され得て、ピストンロッド20は駆動部材30を通して伸び得る。
【0114】
駆動部材は、第一のインターロックを形成するために、ピストンロッド20と相互作用するように操作可能であり得る。第一のインターロックは、駆動部材30に対してピストンロッド20の近位の動きを阻止するように操作可能であり得る。例えば、駆動部材30は歯止めエレメント300を含み得る。歯止めエレメント300は、例えば、本実施態様におけるように遠位方向に、又は近位方向に、駆動部材30から突き出ているつまみの形態で設計され得る。歯止めエレメント300はピストンロッド20のラチェットポケット210と相互作用するように構成され得る。歯止めエレメントは、それが縦軸に対して半径方向に変位できるように、都合よく弾性である。
【0115】
ドライブアセンブリは、押しボタン40を含む。押しボタン40は、ハウジング、特に、外部ハウジング10Bとピストンロッドの間、及び/又はハウジング、特に、外部ハウジング10Bと駆動部材30の間に少なくとも部分的に伸び得る。押しボタン40は、特に、駆動部材30を軸方向に変位するために、駆動部材30と相互作用するように構成され得る。押しボタン40は、例えば、ピストンロッド20及び/又は駆動部材30を少なくとも部分的に囲む作動スリーブ含み得る。
【0116】
ドライブアセンブリは、レバー35も含み得る。レバー35の一つの側は、固定されたピボット1010中に留められ得る。固定されたピボットは、特に、ハウジング10A、10Bに対して軸方向に及び回転的に固定される。固定されたピボット1010は、ハウジングのピボット部分10Aによって構成され得る。レバー35の別の、好ましくは、反対の側は行進方向変換軸4010中に留められ得て、その行進方向変換軸4010は押しボタン40によって構成され得る。行進方向変換軸4010、そして特に、押しボタン40は、ハウジング10A、10Bに対して軸方向に変位され得て、そして好ましくは、ハウジング10A、10Bに対して回転的に固定され得る。駆動部材30は、レバー35及び固定ピボット1010及び/又は行進方向変換軸4010を介して、ハウジング10A、10Bとの相互作用によって、ハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされ得る。
【0117】
レバー35は、例えば、それぞれのピボット1010、4010のスロットと係合し得るそれぞれの車軸(axle)を用いて固定ピボット1010及び行進方向変換軸4010と相互作用する。本実施態様において、レバー35は固定ピボット1010のスロット中に留められる一つの車軸を有し、そして更なる車軸は行進方向変換軸4010のスロット中に留められる。二つの車軸は、例えば、レバーアーム及び車軸が一緒に、例えば、矩形を有し得る、閉じられたリング状エレメントを形成するように、二つのレバーアームを用いて互いに連結され得る。ピストンロッド20はレバー35を通って走行し得る。例えば、ピストンロッドはレバー35によって完全に縦方向に囲まれる。
【0118】
レバー35は、駆動部材30と相互作用するためのジャーナル軸受を含む。例えば、ジャーナル軸受はレバー35の中心軸上に配置される。中心軸は、例えば、車軸に平行である。本実施態様において、中心軸はレバーアームを二等分する。ジャーナル軸受は、例えば、駆動部材30のそれぞれの孔内に伸びる。駆動部材はレバー35のジャーナル軸受に対して軸方向にロックされ得る。
【0119】
ドライブアセンブリは停止部材50を更に含む。停止部材50は軸に対してロックされ得て、そして回転運動はハウジング10A、10Bに対してロックされ得る。
【0120】
停止部材50は、第二のインターロックを形成するべく、ピストンロッド20と相互作用するように操作可能であり得る。第二のインターロックは、ハウジング10A、10Bに対してピストンロッド20の近位の動きを阻止するように操作可能であり得る。便宜上、停止部材50はピストンロッド20のラチェットポケット210と相互作用するための(図1Aにおいて明確には示されていない)歯止めエレメントを含む。本実施態様において、停止部材50及び駆動部材30はラチェットポケット210の一つ又は複数の同じ列と相互作用する。
【0121】
停止部材50は、停止部材50をハウジングに連結するための懸架エレメント510を含み得る。懸架エレメント510は、特に、停止部材50の歯止めエレメントを縦軸に対して半径方向に弾力的に付勢するように操作できる。懸架エレメント510は、例えば、S−形状の曲がり部を有する。
【0122】
第一及び第二のインターロックは、ロック解除でき得る。第一及び第二のインターロックは、ドライブアセンブリが駆動モードにあるときにロックされ得て、そしてドライブアセンブリが再設定モードにあるときにロック解除でき得る。第一の(第二の)インターロックがロックされるとき、駆動部材30(停止部材50)の歯止めエレメント300は、ピストンロッド20が駆動部材30(停止部材50)に対して軸方向に動いているとき、ピストンロッドの縦軸に対してそれぞれの歯止めエレメントの半径方向の動きによって、ピストンロッド20の一つのラチェットポケット210から係合解除し得る。ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるとき、駆動部材30(停止部材50)の歯止めエレメント300は、駆動部材30(停止部材50)に対してピストンロッドの回転によって、ピストンロッド20のそれぞれのラチェットポケット210から係合解除され得る。
【0123】
ドライブアセンブリは更に、再設定部材60を含み得る。再設定部材60は、ハウジング10A、10Bに対して軸方向にロックされ得る。再設定部材60は、好ましくは、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるために、ハウジング10A、10Bに対して回転でき得る。ドライブアセンブリはハウジング10A、10Bに対して縦軸の回りの再設定部材60の回転運動を用いて、第一のインターロック及び/又は第二のインターロッをロック解除するように構成され得る。
【0124】
再設定部材60は、例えば、それを通してピストンロッド20が伸び得る開口部を有するリング状の部分を含み得る。開口部の形態は、ピストンロッド20が再設定部材60にスプライン結合されるように選択され得る。特に、ピストンロッド及び開口部は、開口部を通して伸びているとき、ピストンロッドが再設定部材60に対して回転的にロックされ、そして軸方向に変位できるように設計される。例えば、開口部は、再設定部材60に対してピストンロッド20を回転的にロックするべくピストンロッド20のそれぞれの平らな側面201と相互作用するように操作できる少なくとも一つの平らな部分を有する。
【0125】
一つの態様によれば、再設定部材60は、着脱可能な部材70と相互作用するために供される歯エレメント610を有する。歯エレメント610は、例えば、再設定部材60から遠位に突き出し得る。着脱可能な部材70は、例えば、カートリッジ及びカートリッジホルダの一つであり得る。カートリッジホルダはカートリッジを留めるように設計され得る。特に、着脱可能な部材70は歯エレメント610と係合するための窪みを有する。好都合なことに、ドライブアセンブリは、歯エレメント610が窪みと係合するとき、着脱可能な部材70と再設定部材60の間でスプライン連結が形成されるように構成され得る。
【0126】
ドライブアセンブリ、特に、着脱可能な部材70及びハウジング10A、10Bは、着脱可能な部材70をハウジング10A、10Bから取り外すことが、ハウジング10A、10Bに対して着脱可能な部材70を回転することを含むように構成され得る。例えば、着脱可能な部材70及びハウジング10A、10Bは、バヨネット連結又はねじ連結が、着脱可能な部材70とハウジングの間で確立できるように設計され得る。ドライブアセンブリは、再設定部材60の歯エレメント610と着脱可能な部材70のそれぞれの窪みの間の相互作用によって、ハウジング10A、10Bから着脱可能な部材70を取り外すために、再設定部材60がハウジング10A、10Bに対して着脱可能な部材70の回転運動に従動するように構成され得る。着脱可能な部材70は、再設定部材60の歯エレメント610が着脱可能な部材70のそれぞれの窪みと係合しているとき、再設定部材60に対して回転的にロックされ得て、そして軸方向に変位でき得る。ドライブアセンブリは、再設定部材60が、ねじ又はバヨネット連結をロック解除するために、ハウジング10A、10B及び再設定部材60に対して着脱可能な部材70の遠位変位を用いて窪みから係合解除できるように構成され得る。
【0127】
図1Aにおいて、ドライブアセンブリは駆動モードにある。特に、それは始動構成にある。始動構成において、ドライブアセンブリは、用量、特に、最初の用量を設定するための準備がなされ得る。ピストンロッド20は、ドライブアセンブリが始動構成にあるとき、ハウジング10A、10Bに対して近位始動位置にあり得る。近位始動位置において、ピストンロッド20は、ハウジング10A、10Bの近位端100Pに最も近い軸方向の位置に配置され得る。
【0128】
特に、用量、例えば、液体医薬品の用量を設定するために、ドライブアセンブリを操作するとき、押しボタン40はハウジング10A、10Bに対して近位に変位される。押しボタン40を近位方向に変位することを用いて、押しボタン40によって構成されるか又はそれに連結される行進方向変換軸4010は固定ピボット1010に対して近位に変位される。
【0129】
行進方向変換軸4010のスロット中に留められるレバー35の車軸は、レバー35が固定ピボット1010とのその係合の回りで回転されるように、行進方向変換軸4010を用いて近位方向に運ばれる。
【0130】
レバー35の回転は、次いで、レバー35のジャーナル軸受と相互作用している駆動部材を用いて、駆動部材30の軸方向運動に変換される。機械的利点は、駆動部材30が押しボタン40より近位方向に小さな距離だけ変位されるように、レバー35を用いて達成される。特に、駆動部材30に連結されるレバー35の中心軸及び行進方向変換軸4010中に留められるレバー35の車軸は、固定ピボット1010の回りに同じ角度だけ回転される。しかしながら、該車軸が中心軸よりも固定ピボット1010からより大きな距離に配置される故に、押しボタン40の遠位変位は、駆動部材30の遠位変位よりも、例えば、二倍、大きい。
【0131】
駆動部材30がハウジング10A、10Bに対して近位に変位されるとき、駆動部材30の歯止めエレメント300は一つのラチェットポケット210から係合解除し、そしてその後、ピストンロッド20の近位で後続の210と係合する。一つのラチェットポケット210から次のラチェットポケット210へのその動きの最中に、駆動部材30の歯止めエレメント300は前のラチェットポケット210の近位側壁に沿って圧迫しそして変位される。近位側壁が、近位側壁の遠位端よりも、520の縦軸からより大きな距離を有するように傾斜している故に、歯止めエレメント300は、一つのラチェットポケットから近位の連続するラチェットポケット210への駆動部材30の運動中に、半径方向に縦軸から離れて変位される。駆動部材は、半径方向の変位によって歯止めエレメント300上に弾力的バイアスが生じるように設計される。弾力的バイアスを用いて、駆動部材30の歯止めエレメント300と次のラチェットポケット210の係合は促進される。ラチェットポケット210との係合及び/又はそれからの係合解除は、用量を設定する使用者に対して可聴で及び/又は触知可能である。このように、使用者は用量設定操作のための可聴で及び/又は触知可能なフィードバックを供され得る。
【0132】
駆動部材30の近位の動きの最中に、ピストンロッド20の近位の動きは、停止部材50及びピストンロッド20によって形成される第二のインターロックを用いて阻止される。特に、停止部材50の歯止めエレメントは、用量を設定するため、駆動部材30の近位の動きの最中に、ラチェットポケット210の一つと係合状態に留まる。このようにして、用量を設定するために駆動部材30がピストンロッド20に対して近位で変位されるとき、駆動部材30との相互作用故にピストンロッド20上に作用される近位方向への軸負荷は、ピストンロッド20が好ましくは、駆動部材30の近位の動きに従動しないように、第二のインターロックを用いて対抗される。従って、用量の正確さが有利に増大され得る。
【0133】
図1Bは、用量設定のための押しボタン40の近位変位が完了した後の、第一の駆動モード構成、例えば、用量設定構成におけるドライブアセンブリの断面図を示す。
【0134】
用量設定構成において、駆動部材30及び押しボタン40は、図1Aの始動構成と比べて、ピストンロッド20及び―ハウジング10A、10Bに対して近位に変位される。停止部材50との相互作用のせいで、ピストンロッドは始動構成におけるように、ハウジング10A、10Bに対して同じ位置にある。
【0135】
図1Cは、第二の駆動モード構成、例えば、用量が投与された構成におけるドライブアセンブリの断面図を示す。例えば、設定された用量を投与するために、ドライブアセンブリは、図1Bの用量が設定された構成から図1Cの用量が投与された構成にもたらされ得る。
【0136】
設定された用量を投与するために、押しボタン40は、ハウジング10A、10Bに対して遠位に変位され得る。押しボタン40の遠位変位は、固定ピボット1010の回りのレバー35の回転に変換される。用量の投与中に、レバー35は、用量を設定するためのその回転と比べて反対方向に回転する。特に、行進方向変換軸4010のスロット中に留められるレバー35の車軸は、設定された用量の投与中に、ハウジング10A、10Bに対して遠位に変位される。レバー35の回転は次に、ジャーナル軸受を介した駆動部材30とレバー35との相互作用によって駆動部材30遠位での軸方向運動に変換される。
【0137】
駆動部材30の遠位での動きの最中に、第一のインターロックは、駆動部材30がピストンロッド20をそれと共に遠位方向に運ぶように、駆動部材30に対してピストンロッド20の近位の動きを阻止する。特に、駆動部材30の歯止めエレメント300は、設定された用量を投与するために駆動部材30が遠位に変位されるときに、ピストンロッド20の一つのラチェットポケット210と係合状態に留まる。歯止めエレメント300は、好ましくは、ラチェットポケット210の遠位表面と隣接する。ピストンロッド20は、設定された用量をカートリッジから投与するために、カートリッジのピストンを遠位に変位するように操作可能であり得る。
【0138】
第二のインターロックは、ハウジングに対してピストンロッド20の遠位変位を可能にするように構成される。従って、ピストンロッド20が遠位方向に動くとき、停止部材50の歯止めエレメントは一つのラチェットポケット210から係合解除し、そしてピストンロッド20の近位で後続するラチェットポケット210と係合する。ラチェットポケットから係合解除するとき、停止部材50の歯止めエレメント500は半径方向に外側へと、特に、懸架エレメント510の弾力的バイアスに抗して変位され得る。懸架エレメント510によって生み出された弾力的バイアスによって、後続のラチェットポケット210との係合が促進され得る。ラチェットポケット210との係合及び/又はそれからの係合解除は、用量を投与している使用者に対して可聴で及び/又は触知可能である。従って、使用者には、用量投与操作に対して、可聴式のフィードバック及び/又は触知可能なフィードバックが供される。
【0139】
ドライブアセンブリは、複数の用量を投与するように操作可能であり得る。用量は固定された用量、つまり、事前に設定されたそして使用者が変更できない用量であり得る。一回の用量の容積は、例えば、二つの直接、後続するラチェットポケット210の遠位表面2110の間の距離によって定められ得る。
【0140】
ピストンロッドは、例えば、図1A〜1Cに関連して述べられた通りの用量設定操作及び用量投与操作を繰り返すことによって、ドライブアセンブリが完全に投与された構成にあるまで動き得る。
【0141】
図2Aは、完全に投与された構成における第一の例示的実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。完全に投与された構成において、ピストンロッド20が遠位端位置にあるとき、ピストンロッド20、特に、ピストンロッド20の最終用量停止エレメント250は、ピストンロッド20の更なる遠位での動きが防がれるように、ハウジング10A、10Bと相互作用する。特に、ピストンロッド20は遠位方向に引かれることによってドライブアセンブリから取り除くことができない。
【0142】
更なる遠位での動きを防ぐために、ピストンロッド20は、ハウジング10A、10Bと直接、又は駆動部材30、レバー35及び/又は押しボタン40のようなドライブアセンブリの更なる構成部材を介して相互作用できる。本実施態様において、ドライブアセンブリが完全に投与された構成にあるとき、駆動部材30は、ハウジング10A、10Bに対して駆動部材30の遠位での動きが阻止されるように、例えば、レバー35及び押しボタン40を介して、ハウジング10A、10Bと相互作用するように構成される。また、最終用量停止エレメント250は、ドライブアセンブリが完全に投与された構成にあるとき、駆動部材30に対して、そして次にハウジング10A、10Bに対してピストン20の遠位での動きが阻止されるように、駆動部材30の近位端と隣接する。
【0143】
ピストンロッド20の最終用量停止エレメント250は、ピストンロッドに対して駆動部材30の近位の動きを阻止する。遠位端位置から戻って近位始動位置に向かう、ハウジングに対してピストンロッド20の近位の動きは、やはり完全に投与された構成にある第二のインターロックによって、特に、停止部材50の歯止めエレメントと、ピストンロッド20の一つのラチェットポケット210の係合によって防がれる。このようにして、ドライブアセンブリが完全に投与された構成にあるとき、駆動部材30の近位の動きは阻止される。押しボタン40がレバー35を用いて駆動部材30に連結される故に、ハウジング10A、10Bに対して押しボタン40の近位の動きも完全に投与された構成において阻止される。このように、ドライブアセンブリは完全に投与された構成において更なる用量の設定のための操作はできない。
【0144】
図2Aの完全に投与された構成から図1Aの始動構成にドライブアセンブリを再設定するために、ドライブアセンブリは駆動モードから再設定モードに切り替えられ得る。駆動モードから再設定モードに切り替えるために、再設定部材60は、ピストンロッド20及びハウジング10A、10Bの縦軸の回りに―ハウジング10A、10Bに対して回転され得る。
【0145】
例えば、ドライブアセンブリは、特に、着脱可能な部材70とハウジング10A、10Bの間に形成され得るバヨネット連結又はねじ連結を連結解除することによって、着脱可能な部材70をハウジング10A、10Bから取り外すとき、駆動モードから切り替えられる。着脱可能な部材70をハウジング10A、10Bから取り外すことには、好ましくは、ピストンロッド20及びハウジング10A、10Bの縦軸の回りでのハウジング10A、10Bに対して着脱可能な部材70の回転が含まれ得る。着脱可能な部材70の回転運動は、再設定部材60の歯エレメント610と着脱可能な部材70のそれぞれの窪みの間の相互作用によって、再設定部材60の回転運動に移され得る。ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、着脱可能な部材70の窪みは、例えば、ハウジング10A、10Bから着脱可能な部材70を完全に取り外すために着脱可能な部材70の更なる回転が再設定部材60に移されないように、歯エレメント610から係合解除され得る。このように、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、着脱可能な部材70は、ハウジング10A、10Bから着脱可能な部材70を完全に連結解除するために、例えば、ハウジング10A、10Bからねじを緩められ、又は遠位方向に引かれる。
【0146】
図2Bは、第一の再設定モード構成における第一の実施態様によるドライブアセンブリの断面図を示す。第一の再設定モード構成において、着脱可能な部材70はハウジング10A、10Bから連結解除され、そして再設定部材60は、駆動モードにおけるハウジング10A、10Bに対して停止部材50の角度向きと比べて、ハウジング10A、10Bに対して、例えば、90度の角度だけ、回転される。
【0147】
ピストンロッド20が再設定部材60にスプライン結合される故に、ピストンロッド20は再設定部材60の回転に従動する。従って、再設定モードにおいて、ピストンロッド20は、再設定部材60と同じ量だけ、駆動モードにおけるその角度向きと比べて、縦軸の回りにハウジング10A、10Bに対して回転される。
【0148】
しかしながら、駆動部材30及び停止部材50は、ハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされる。このようにして、再設定部材60及びピストンロッド20は、再設定部材60の回転を用いて、駆動部材30及び停止部材50に対して回転的に変位される。
【0149】
駆動部材30及び停止部材50に対してピストンロッド20の回転を用いて、ラチェットポケット210のそれぞれの列又は複数の列は回転されて、駆動部材30及び停止部材50のそれぞれの歯止めエレメントから係合解除される。再設定部材60及びピストンロッド20の回転後、駆動部材30及び停止部材50の歯止めエレメントはそれぞれ、ピストンロッド20のそれぞれの平らな側面201を圧迫する(bear on)。ドライブアセンブリの完全に投与された構成において、ラチェットポケット210、又は少なくとも、駆動部材30及び停止部材50の歯止めエレメントと係合するラチェットポケット210は、それぞれのラチェットポケット210から外への歯止めエレメントの回転を助けるために、縦軸に対して少なくとも一つの角度方向に突破口又は開口部を有し得る。例えば、少なくとも一つのラチェットポケット210は、縦軸に対して少なくとも一つの角度方向に、側面によって結合され得ない。ラチェットポケットから外への歯止めエレメントの回転は、代わりに又は追加的に、ラチェットポケット210を含む、一つ又は複数の側面の曲がった形又は傾いた形によって助けられ得る。
【0150】
駆動部材30及び停止部材50の歯止めエレメントが、それぞれピストンロッド20の一つ又は複数の平らな側面201を圧迫するとき、第一及び第二のインターロックはロック解除される。ハウジングに対してピストンロッド20の近位の動きは、ロック解除された第一の及び第二のインターロックによって、もはや阻止されない。従って、ピストンロッド20はその近位始動位置に押し戻され得る。近位始動位置に押し戻されるとき、ピストンロッドは、有利なことに、軸方向にのみ変位され得る。ピストンロッドの回転は全く必要でない。
【0151】
図2Cは、ピストンロッド20が近位始動位置へと押し戻された後の、第二の再設定モード構成におけるドライブアセンブリの模式的断面図を示す。
【0152】
ドライブアセンブリを再設定モードから駆動モードに切り替えるために、再設定部材60はハウジング10A、10Bに対して回転される。例えば、再設定部材60は、駆動モードから再設定モードへの切り替えに関して反対方向に回転される。回転は、例えば、ハウジング10A、10Bに対して着脱可能な部材70の連結中、歯エレメント610と着脱可能な部材70のそれぞれの窪みの相互作用によって達成できる。着脱可能な部材70は、好ましくは、満杯のカートリッジを有するドライブアセンブリを供するためにハウジング10A、10Bに連結され得る。このようにして、再設定部材60がハウジング10A、10Bに対して回転的に変位されるように、着脱可能な部材70をハウジング10A、10Bに連結するため、縦軸の回りの着脱可能な部材70の回転は再設定部材60に移され得る。
【0153】
ドライブアセンブリを再設定モードから駆動モードに切り替えるため、再設定部材60の回転運動は、次いで、ハウジング10A、10B、駆動部材30及び停止部材50に対して縦軸の回りのピストンロッド20の回転運動に移される。このようにして、駆動部材30及び停止部材50の歯止めエレメントはそれぞれ、第一及び第二のインターロックがロックされ、そしてドライブアセンブリが再設定された、そして再び図1Aの始動構成にあるように、ピストンロッド20のそれぞれのラチェットポケット210と係合されるようなる。
【0154】
図3は、第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの斜視断面図を示す。
【0155】
ドライブアセンブリは、外部ハウジング10B、及び外部ハウジングに固定されたピボット部分10Aを含む。ドライブアセンブリは、軸方向に変位できそして、好ましくは、ハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされる押しボタン40を更に含む。
【0156】
また、ドライブアセンブリは駆動部材30を含む。駆動部材30はハウジング10A、10Bに対して軸方向に変位でき得る。駆動部材30はレバー35を用いて押しボタン40と操作可能に連結されるように構成され得る。レバー35は、例えば、一対のレバーアームを含み得る。それぞれのレバーアームは、特に、固定ピボット1010のスロットと係合するために、レバーアームの端に配置された第一の車軸を有し得て、ここで行進方向変換軸4010は、好ましくは、ハウジング、特に、ハウジングのピボット部分10Aによって構成される。それぞれのレバーアームは、特に、行進方向変換軸4010のスロットと係合するために、第一の車軸と比べてレバーアームの反対側の端に配置された第二の車軸を有し得て、ここで行進方向変換軸4010は、好ましくは、押しボタン40によって構成される。レバー35は、レバーアームの第一の車軸と固定ピボット1010の係合の回りに回転される。
【0157】
駆動部材30は、ジャーナル軸受3010を用いてレバー35に連結され得る。例えば、それぞれのレバーアームは駆動部材30の一つのそれぞれのジャーナル軸受3010と係合するための孔又はスロットを含み得る。特に、レバー35の中心軸は、ジャーナル軸受3010を通して走行する。機械的利点は、固定ピボット1010から異なる距離での行進方向変換軸4010及びジャーナル軸受301の配置を用いて実現される。例えば、駆動部材30は押しボタン40によって走行された軸距離の半分を走行し得て、従って1:2の機械的利点を供する。他の機械的利点も同様に考え得る。
【0158】
第一の例示的実施態様に関連して述べられたものと類似の方法において、特に、用量を設定する又は投与するための押しボタン40の軸方向運動は、固定ピボット1010のスロットに係合している第一の車軸の回りのレバー35の回転運動に変換される。この回転は、次いで、押しボタン40と同じ方向の駆動部材30の軸方向運動に変換される。
【0159】
駆動部材30は、ハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされ得る。例えば、駆動部材30は、ハウジング10A、10Bに対して駆動部材30を回転的にロックするために、そしてハウジング10A、10Bに対して駆動部材30の軸方向運動を可能にするために、軸方向に伸びているハウジング10A、10Bのウエブと係合するように構成されるべく、軸方向に伸びている溝320を有する。従って、駆動部材30はハウジング10A、10Bにスプライン結合され得る。駆動部材の動きの軸方向の範囲は、例えば、レバー35及び/又は押しボタン40を介したハウジング10A、10Bとの相互作用によって制限され得る。
【0160】
ドライブアセンブリは、好ましくは、停止部材50の周囲のバルジと相互作用している外部ハウジング10Bの内部表面上の、例えば、一対の円周の突起130を用いて、例えば、ノッチを形成して、軸方向に固定され、そしてハウジングに対して回転できる停止部材50も含む。
【0161】
ドライブアセンブリは、10A、10Bに対して回転でき得るが軸方向にロックされ得る再設定部材60を含み得る。再設定部材60は歯エレメント610を有し得る。第一の実施態様とは対照的に、歯エレメント610は再設定部材60から遠位に突き出ない。むしろ、歯エレメント610は再設定部材60の内部の、特に、周囲の表面から半径方向に内側に突き出る。
【0162】
着脱可能な部材70は、着脱可能な部材70がハウジング10A、10Bに連結されるとき、それぞれの歯エレメント610と係合するように構成される窪み710を、特に、着脱可能な部材70の内部表面において有し得る。図3において、着脱可能な部材70は、窪み710を見ることが可能なように、ハウジング10A、10Bから分離された位置において説明されている。
【0163】
本実施態様によるドライブアセンブリは、停止部材50及び再設定部材60と相互作用するように操作できるばね80を含む。例えば、ばね80は、それを通してピストンロッドが伸びる開口部を有するコイルばねである。ばね80は、停止部材50と再設定部材60の間に軸方向に位置決めされ得る。ばね80の一端は、停止部材に軸方向にそして回転方向に固定され得て、そしてばねの反端側の端は再設定部材60に軸方向にそして回転方向に固定され得る。
【0164】
ドライブアセンブリはピストンロッド20も含む。ピストンロッド20はハウジング10A、10Bに対して軸方向に変位でき得て、そして第一の角度位置と第二の角度位置の間でハウジング10A、10Bに対して回転でき得る。第一及び第二の角度位置は360度未満、特に、90度以下だけ離れて角度的に間隔をおいて配置され得る。
【0165】
図10Aは、第二の実施態様によるドライブアセンブリのピストンロッド20の側面図を示す。
【0166】
ピストンロッド20は、近位端200P及び遠位端200Dを有する。主縦軸は近位端200Pと遠位端200Dの間に伸びる。ピストンロッドは本体20A、及び本体20Aに対して回転できるベアリング20Bを含み得る。本体20A及びベアリング20Bは、好ましくは、互いに対して軸方向にロックされる。例えば、玉継手(ball-and-socket joint)は、本体20Aとベアリング20Bの間で形成され得る。
【0167】
ピストンロッド20は、第一のラチェットポケット210の軸列を有する。第一のラチェットポケット210のそれぞれは、第一のラチェットポケット210が縦軸に対して第一の角度方向に先細になるように、遠位側壁2110及び近位側壁2120によって軸方向に結合される。ピストンロッド20は、第一のラチェットポケット210を形成する窪みを持つ隆起を有し得る。
【0168】
第一のラチェットポケット210の一つの遠位側壁2110及び近位側壁2120のそれぞれは、第一の端部から第二の端部へと第一の角度方向に伸びる。第一の端部及び第二の端部は半径方向に、特に、縦軸に対して直角に伸び得る。本実施態様において、第一の側壁2110及び第二の側壁2120の第二の端部は一致し、そして第一のラチェットポケット210の一端を画成する。第一の側壁2110及び第一の側壁2120の第二の端部が間隔をおいて配置され、そして更なる側壁によって連結されることも考えられる。更なる側壁は、例えば、軸方向に伸び得る。一つの第一のラチェットポケット210の近位側壁2110の第一の端部は、例えば、軸方向に又は実質的に軸方向に伸びる連結壁2130によって、軸方向に連続する第一のラチェットポケット210の遠位側壁2120の第一の端部に連結され得る。
【0169】
近位側壁2110の第一の端部は、近位側壁2110の第二の端部よりも、ピストンロッド20の遠位端200Dから更に離れて配置される。従って、近位側壁2110は第一のラチェットポケット210及びピストンロッド上への平面図において見られる通り、縦軸に対して傾斜し得る。遠位側壁2120は縦軸に対して本質的に直角に走行し得る。
【0170】
ピストンロッド20、特に、ピストンロッドの本体20Aは、軸方向に伸びている第一の突起230を有し得る。突起230は、第一のラチェットポケット210の軸列と共にチャンネル240を形成する。第一のラチェットポケット210はチャンネル240のバルジを表す。例えば、チャンネル240は、軸列の第一のラチェットポケット210、及び軸方向に連続する第一のラチェットポケット210の間の連結壁によって、第一の角度方向に結合される。チャンネル240は第一の突起230によって、第一の角度方向とは逆の第二の角度方向に結合され得る。
【0171】
本実施態様によるピストンロッド20は、やはり軸方向に連続して配置される第二のラチェットポケット220を追加的に有し、つまり、ピストンロッド20は第二のラチェットポケット220の軸列を有する。第一のラチェットポケット210と同様に、第二のラチェットポケットは、遠位側壁2210及び近位側壁2220によって軸方向に結合される。しかしながら、第二のラチェットポケットは第一の角度方向に先細にならない。むしろ、それぞれの第二のラチェットポケット220は、第二のラチェットポケットが第一の角度方向とは反対の第二の角度方向に先細になるように、遠位側壁2210及び近位側壁2220によって軸方向に境界を定められる。第二のラチェットポケット220は、それもやはり第一のラチェットポケット210の列を含む隆起における窪みによって形成され得る。特に、第二のラチェットポケット220を形成している窪みは、第一のラチェットポケット210を形成する窪みを含む側面と反対側の隆起の側面によって構成され得る。
【0172】
第二のラチェットポケット220の一つの遠位側壁2110及び近位側壁2120のそれぞれは、第一の端部から第二の端部へと第二の角度方向に伸びる。第一の端部及び第二の端部は半径方向に、特に、縦軸に対して直角に伸び得る。本実施態様において、第一の側壁2210及び第二の側壁2220の第二の端部は一致し、そして第二のラチェットポケット220の一端を画成する。第一の側壁2210及び第二の側壁2220の第二の端部が間隔をおいて配置され、そして更なる側壁によって連結されることも考えられる。更なる側壁は、例えば、軸方向に伸び得る。一つの第二のラチェットポケット220の近位側壁2210の第一の端部は、例えば、軸方向に又は実質的に軸方向に伸びる連結壁2230によって、軸方向に連続する第二のラチェットポケット220の遠位側壁2220の第一の端部に連結され得る。
【0173】
一つの第二のラチェットポケット220の近位側壁2210の第一の端部は、近位側壁2210が、第二のラチェットポケット220及びピストンロッド20の平面図において、縦軸に対して傾斜するように、同じ第二のラチェットポケット220の近位側壁2210の第二の端部よりも、ピストンロッド20の遠位端200Dから更に離れて配置される。第二のラチェットポケット220の遠位側壁2220は縦軸に対して本質的に直角であり得る。
【0174】
ピストンロッド20は第二の突起260を有する。突起260は軸方向に伸びる。第二の突起260は第二のラチェットポケット220の軸列と共に第二のチャンネル270を形成し得る。第二のラチェットポケット220は第二のチャンネル270のバルジを形成する。例えば、第二のチャンネル270は、軸列の第二のラチェットポケット220及び軸方向に連続する第二のラチェットポケット220の間の連結壁によって第二角度方向に結合される。チャンネル270は第二の突起260によって第一の角度方向に結合され得る。
【0175】
チャンネル240及び270は、角度方向にチャンネルの一つからチャンネルの別の一つの内への過ぎ越し(passover)が防がれるように、便宜上、相互から、例えば、隆起を用いて分離される。
【0176】
第二のラチェットポケット220は、第一のラチェットポケット210に対して軸方向にオフセットされ得る。特に、一つの、そして特に唯一の第二のラチェットポケット220は、二つの軸方向に連続する第一のラチェットポケット210の間で軸方向に位置決めされ得る。言い換えれば、第一のラチェットポケット210の軸列及び第二のラチェットポケットの軸列は位相外に配置され得る。
【0177】
ピストンロッド20は、好ましくは、更なる第一の突起230と共に更なるチャンネル240を形成する第一のラチェットポケット210の更なる列を有し得る。ピストンロッド20は、追加的に又は代わりに、好ましくは、更なる第二の突起260と共に更なるチャンネル270を形成する第二のラチェットポケット220の更なる列を有し得る。例えば、ピストンロッド20は縦軸に対して二重の回転対称を有する。第一の突起230の一つ及び第二の突起260の一つは、それぞれの場合、例えば、ピストンロッドの側面から突き出ている単一ウエブによって構成され得る。
【0178】
図10Bは、図10Aによるピストンロッドの変更例の側面図を示す。
【0179】
本変更例において、図10Aのピストンロッド20とは対照的に、遠位側壁2110、2210及び近位側壁2120、2220の両方共、縦軸に対して傾斜している。本変更例において、一つの第一のラチェットポケット210又は第二のラチェットポケット220の遠位側壁2110又は2210の第二の端部は、それぞれの遠位側壁2110又は2210の第一の端部よりも、ピストンロッド20の遠位端200Dにより近い。従って、アンダーカットは、第一のラチェットポケット210又は第一のラチェットポケット220のそれぞれにおいて形成される。アンダーカットは、遠位方向、そして好ましくは、第一の角度方向に指向される。この設計は、それぞれの歯止めエレメントを、それぞれのラチェットポケットと係合して、信頼できるように留めるために有利であり得る。
【0180】
図4Aは、第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。説明を簡略化するために、図4Aにおいて、そしてその後の図4B〜6Bにおいても、外部ハウジング10B、押しボタン40及び着脱可能な部材70は省略される。ばね80は、ピストンロッド20上への眺めを改善するために図4A〜6Bにおいて切り開かれている。
【0181】
図4Aにおいて説明された構成において、ドライブアセンブリは始動構成、例えば、用量、特に、第一の用量を設定するための準備ができた構成にある。ドライブアセンブリが始動構成にあるとき、ピストンロッド20は、例えば、ハウジングに対して近位始動位置にあり得る。用量を投与するために、ピストンロッド20は、近位始動位置から離れて、ハウジングに対して遠位方向に前進させられ得る。図4Aにおいて、駆動部材30は、例えば、ハウジング10A、10Bの遠位端100Dに最も近い又は本質的に最も近い位置であり得る静止位置にある。
【0182】
駆動部材30は歯止めエレメント300を有する。歯止めエレメント300は、特に、第一のインターロックを形成するために、第一のラチェットポケットの軸列の一つの第一のラチェットポケット210と係合するように構成される。第一のインターロックは、駆動部材30に対してピストンロッド20の近位の軸方向運動を阻止するように構成される。一つの実施態様において、歯止めエレメント300は第一のラチェットポケット210の逆の形状を有する。始動構成において、駆動部材30の歯止めエレメント300は一つの第一のラチェットポケット210と係合している。
【0183】
駆動部材30は、例えば、それを通してピストンロッド20が伸びる駆動スリーブとして設計され得る。歯止めエレメントは、駆動部材の内部表面からピストンロッドに向かって半径方向に内側に突き出得る。特に、それは第一の突起230の一つ及び第一のラチェットポケット210の軸列の一つによって形成されたチャンネル240内に突き出る。
【0184】
停止部材50も歯止めエレメント500を有する。停止部材50の歯止めエレメント500は、特に、第二のインターロックを形成するために、第二のラチェットポケットの軸列の一つの第二のラチェットポケット220と係合するように構成される。第二のインターロックは、ハウジング10A、10Bに対してピストンロッド20の近位の軸方向運動を阻止するように構成される。一つの実施態様において、停止部材50の歯止めエレメント500は第二のラチェットポケット220の逆の形状を有する。始動構成において、停止部材50の歯止めエレメント500は一つの第二のラチェットポケット220と係合している。
【0185】
駆動部材30は、例えば、それを通してピストンロッド20が伸びるスリーブとして設計され得る。停止部材50の歯止めエレメント500は、ピストンロッド20に向かって駆動部材の内部表面から半径方向に内側に突き出得る。特に、停止部材50の歯止めエレメント500は、第二の突起260の一つ及び第二のラチェットポケット220の軸列の一つによって形成されたチャンネル270内に突き出る。
【0186】
駆動部材30及び停止部材50は、それぞれ、第一のラチェットポケット及び第二のラチェットポケットの第二の軸列と相互作用するための更なる歯止めエレメントをそれぞれ有し得る。
【0187】
図4Bは、第一の駆動モード構成、例えば、用量の設定中の構成における第二の実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【0188】
第一の構成においては、図4Aにおいて説明された始動構成と比べて、駆動部材30は、用量設定位置に向かって、ハウジング10A、10Bに対して近位に変位される。用量を設定すべく駆動部材30を近位で変位するために、押しボタン40は、ハウジングに対して近位方向に動かされ得る。押しボタン40の近位の動きは、上述の通り、レバー35と押しボタン40の相互作用、及びレバー35と駆動部材30の相互作用によって駆動部材30に移される。本実施態様において、駆動部材30は、近位方向に動かされるとき、ハウジング10A、10Bに対してそれが軸方向にのみ変位されるように、ハウジング10A、10Bに対して回転的に固定され得る。
【0189】
駆動部材30は、用量を設定するために、ハウジング10A、10Bに対して駆動部材30の近位の軸方向運動を、第二の角度位置に向かう第一の回転方向へのピストンロッド20の回転運動に変換するために、ピストンロッド20と相互作用する。特に、近位方向への駆動部材30の動きの最中に、歯止めエレメント300は、ピストンロッド20を第一の回転方向に回転するために、始動構成において歯止めエレメント300がそれと係合した第一のラチェットポケット210と相互作用する。例えば、歯止めエレメント300は、ピストンロッド20に対して駆動部材30の近位の動きが、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向へのピストンロッド20の回転運動に変換されるように、該第一のラチェットポケット210の傾斜した近位側壁2120に抗して押し付けられる。
【0190】
このように、駆動部材30の歯止めエレメント300は、それがチャンネル240を通して近位に後続する第一のラチェットポケット210に動き得るように、第一のラチェットポケット210から係合を解除し、ここでチャンネル240は第一のラチェットポケット210の軸列と共にピストンロッド20の軸方向に伸びている第一の突起によって画成される。好ましくは、用量を設定するために、駆動部材30の歯止めエレメント300は、第一のラチェットポケット210の軸列と共に第一の軸突起230によって画成されるチャンネル240を通って、一つの第一のラチェットポケット210から近位で後続する第一のラチェットポケット210へと動く。
【0191】
停止部材50とピストンロッド20の相互作用によって形成された第二のインターロックのせいで、ハウジング10A、10Bに対してピストンロッド20の近位の動きは阻止される。特に、ハウジングに対して520の近位の動きは、停止部材50の歯止めエレメント500と第二のラチェットポケット220の一つのとの係合によって防がれる。従って、ピストンロッドは、例えば、用量を設定するために駆動部材30が近位で変位されるとき、近位方向に駆動部材30に従動しない。従って、用量の設定中に、ピストンロッド20が安定な位置に信頼できるように保持される故に、用量の正確さが増大され得る。
【0192】
しかしながら、ピストンロッド20が駆動部材30との相互作用によって第一の回転方向に回転されるとき、それは停止部材50をそれと共に運ぶ。停止部材50の歯止めエレメント500と第二のラチェットポケット220の係合は、第一の回転方向への、例えば、第一の回転方向とは反対の第二の回転方向に先細になる第二のラチェットポケット220を用いたピストンロッド20の回転によって促進される。
【0193】
再設定部材60は、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、ハウジング10A、10Bに対して回転的に固定される。例えば、再設定部材60は、歯エレメント610と窪み710の相互作用によって着脱可能な部材70に対して回転的にロックされる。着脱可能な部材70は、次いで、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、ハウジング10A、10Bに対して、特に、外部ハウジング10Bに対して回転的にロックされる。着脱可能な部材70とハウジング10A、10Bの間の結合は解放され得て、例えば、それはねじ連結又はバヨネット連結として設計され得る。
【0194】
ばね80の一端が、再設定部材60に固定され、そしてばね80の反対側の端が、停止部材50に固定される故に、ハウジング10A、10Bに対して、そしてまた再設定部材60に対して停止部材50の回転運動によって、ばね80は変形される。特に、停止部材50に固定されるばね80の端は、再設定部材60に固定されるばね80のその端に対して回転的に変位される。ばね80は便宜上、その変形されない形に戻る傾向にある。ばね80は捩じりばねとして作用し得る。代わりに、又は追加として、ばね80は圧縮ばねであり得る。ばね80はコイルばね、好ましくは、ラセンコイルばねであり得る。
【0195】
ばねの変形は、第二の回転方向に停止部材50上に作用している弾力的バイアスを増大させる。停止部材50、特に、停止部材50の歯止めエレメント500とピストンロッドの第二のラチェットポケット220の相互作用によって、弾力的バイアスは、ピストンロッドも第二の回転方向に弾力的に付勢されるように、ピストンロッドに移される。従って、ピストンロッド20は、ばね80によって生み出され、そして停止部材50を用いてピストンロッド20に移される弾力的バイアスに抗して、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向に回転される。停止部材50は、従って、回転付勢部材としても機能する。また、別の回転付勢部材が供され得る。
【0196】
図4Cは、第二の駆動モード構成、例えば、用量設定構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリを示す。
【0197】
用量設定構成において、駆動部材30は、図4Bの構成と比べて、更に遠位方向に変位される。用量設定構成において、駆動部材30は用量設定位置にあり得て、それは、例えば、その内に駆動部材が動かされ得る軸方向の位置であり、そしてドライブアセンブリの近位端に最も近く又は実質的に最も近くであり得る。
【0198】
駆動部材30が用量設定位置に動いたとき、その歯止めエレメント300は、第一のラチェットポケット210と縦方向に重なり、その第一のラチェットポケット210は、駆動部材30の歯止めエレメント300が該第一のラチェットポケット210と係合できるように、始動構成においてそれと歯止めエレメント300が係合した第一のラチェットポケット210に近位で後続している。
【0199】
ドライブアセンブリは、この場合、固定された用量を投与するように構成され得る。例えば、駆動部材が用量設定位置にあるとき、駆動部材30の歯止めエレメント300がそれと縦方向に重なる第一のラチェットポケット210は、始動構成において歯止めエレメント300がそれと係合する第一のラチェットポケット210に直接的に続く第一のラチェットポケット210であり得る。
【0200】
駆動部材の歯止めエレメント300が、用量の設定中にその第一のラチェットポケット210と係合するために、近位で直接、続く第一のラチェットポケット210を通過して、そして更に近位方向に別の第一のラチェットポケット210へと動かされることも考えられる。この場合、ドライブアセンブリは変更可能な用量を投与するように構成され得る。一回の用量の薬物量は、例えば、二つの直接的に後続する第一のラチェットポケット210の遠位側壁2110の間の軸方向の距離によって定められる幾つかの段階で選択でき得る。
【0201】
弾力的バイアスを用いて、停止部材50及びピストンロッド20は、駆動部材30の歯止めエレメント300が近位で後続する第一のラチェットポケット210と係合されるように、ピストンロッド20の第一の角度位置に向かって第二の回転方向に回転される。従って、用量の設定中に、ピストンロッド20は、第一の回転方向への回転の後、弾力的バイアスを用いてハウジング10A、10B及び駆動部材30に対して第二の回転方向に回転される。
【0202】
駆動部材30の歯止めエレメント300が、(次の)第一のラチェットポケット210と係合し得る前に、第二の回転方向へのピストンロッド20及び停止部材50の回転は、二つの第一のラチェットポケット210の間に配置され得る駆動部材30の歯止めエレメント300及び連結壁2130の機械的協力によって防がれる(例えば、図10Aを参照)。駆動部材30の歯止めエレメント300が、(次の)第一のラチェットポケット210と係合し得るとき、弾力的バイアスは減少し、そして、駆動部材30の歯止めエレメント300が、(次の)第一のラチェットポケット210と係合するように、ピストンロッド20の、そして、特に、第二の回転方向への停止部材50の回転を駆動する。
【0203】
駆動部材30の歯止めエレメント300が、第一のラチェットポケット210と係合しているとき、駆動部材30が、ハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされる故に、ハウジング10A、10Bに対して第二の回転方向へのピストンロッド20の更なる回転が阻止される。このようにして、駆動部材30によって、第二の角度方向へのピストンロッド20動きの角度範囲が制限される。
【0204】
図10Bに関連して上で説明されそして述べられたピストンロッド20を有るドライブアセンブリにおいて、用量の設定中に、駆動部材30は、歯止めエレメント300が一つの近位で後続するラチェットポケットの遠位側壁2110を通過するまで、近位で変位される。第二の回転方向へのピストンロッド20の回転によって、駆動部材30の歯止めエレメント300の該第一のラチェットポケット210との部分的な係合がもたらされる。その後、駆動部材30の歯止めエレメント300と駆動部材30の完全な係合が、好ましくは、ピストンロッド20及びハウジング10A、10Bに対して駆動部材30の小さな、遠位での変位によって達成され得る。該遠位での変位は、弾力的バイアスを用いた第二の回転方向へのピストンロッド20の更なる回転によって駆動され得る。
【0205】
設定された用量を投与するために、駆動部材30は、ハウジングに対して、特に、用量設定位置から静止位置に向かって遠位に変位される。駆動部材は、用量の投与中に、特に、軸方向にのみ動かされる。
【0206】
図5Aは、第三の駆動モード構成、例えば、設定された用量の投与中の構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【0207】
設定された用量を投与するために、駆動部材30は、ピストンロッド20をハウジング10A、10Bに対して遠位方向に変位するために、ピストンロッド20と相互作用する。特に、第一のインターロックによって駆動部材30に対してピストンロッド20の近位の動きが阻止され、従ってそれによって、駆動部材30がそれと共にピストンロッド20を遠位方向に運ぶように、ピストンロッド20に対して駆動部材30の遠位での動きが阻止される。例えば、駆動部材30の歯止めエレメント300は、駆動部材30の遠位回転をピストンロッド20に移すために、第一のラチェットポケット210の遠位側壁2110に抗して押し付けられる。
【0208】
用量の投与中に、ピストンロッド20は、好ましくは、遠位方向に軸方向にのみ動かされる。特に、ピストンロッド20は、設定された用量の投与中に―ハウジング10A、10Bに対して回転されない。
【0209】
ピストンロッド20の遠位での動きは、第二のラチェットポケット220の軸列と停止部材50の歯止めエレメント500の相互作用によって、停止部材50の第一の回転方向への回転運動に変換される。特に、設定された用量を投与するとき、停止部材50の歯止めエレメント500は、それが、軸方向に伸びている第二の突起260及び第二のラチェットポケット220によって画成されるチャンネル270を通して、近位で後続する第二のラチェットポケット220に向かって変位できるように、一つの第二のラチェットポケット220を係合解除する。好ましくは、ピストンロッド20の遠位での動き及び停止部材50の回転運動によって、一つの第二のラチェットポケット220からチャンネル270を通って、近位で連続する第二のラチェットポケット220へと、ピストンロッド20に対して停止部材50の歯止めエレメント500の相対的な動きがもたらされる。ハウジング10A、10Bに対して、そして特に、ピストンロッド20に対して、第一の回転方向への停止部材50の回転運動を用いて、ばね80の第一端及び第二端が、停止部材上の弾力的バイアスが増大するように、互いに対して回転的に変位される。
【0210】
図5Bは、第四の駆動モード構成、例えば、用量が投与された構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。
【0211】
第四の駆動モード構成において、停止部材50の歯止めエレメント500は、ピストンロッド20が、第二のラチェットポケット220の遠位側壁2210が停止部材50の歯止めエレメント500を通過した位置に近位で変位された後、弾力的バイアスを用いて、回転されて近位で後続する該第二のラチェットポケット220と係合される。ドライブアセンブリは、駆動部材30及び停止部材50の歯止めエレメント300、500の係合及び/又は係合解除によってそれぞれ、用量設定操作及び用量投与操作のために聞くことができる及び/又は触れることができるフィードバックをそれぞれ生み出すように、設計され得る。
【0212】
停止部材50の歯止めエレメント500が、第二のラチェットポケット220と完全な係合状態にあるとき、第一の回転方向への停止部材50の更なる回転が、ハウジング10A、10Bとの、特に、ピストンロッド20及び駆動部材30を介した相互作用によって防がれ得る。このようにして、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向への停止部材50の動きの角度範囲は制限される。
【0213】
図10Bに関連して述べられた変更例によるピストンロッドを含むドライブアセンブリにおいて、停止部材50の歯止めエレメント500は、最初、特に、歯止めエレメント500がアンダーカットからまだ係合されないように、第二のラチェットポケット220との部分的な係合に持ちこまれ得る。例えば、使用者が用量を投与した後押しボタン40を解放するとき、停止部材の歯止めエレメント500は、第二の回転方向への停止部材50の更なる回転によって、ピストンロッドの第二のラチェットポケット220とその後、完全係合がもたらされる。第二の回転方向への停止部材50の更なる回転は、特に、停止部材50と第二のラチェットポケット220の相互作用によって、ハウジングに対してピストンロッド20の近位の動きに変換され得て、ここでピストンロッドは駆動部材30をそして特に、押しボタン40を近位方向へ運ぶ。このようにして、ドライブアセンブリはカートリッジのピストン上のピストンロッド20の圧力を減少させるように操作可能であり得る。
【0214】
ドライブアセンブリは、複数の用量を投与するように操作可能であり得る。ピストンロッド20は、ドライブアセンブリが完全に投与された構成にあるまで、図4A〜5Bに関連して上述された通り、例えば、用量設定操作及び用量投与操作を繰り返すことによって、近位始動位置から遠位端位置へと動かされ得る。完全に投与された構成において、薬物の最後に利用できる用量は、薬物送達デバイスがドライブアセンブリに加えて含み得るカートリッジから送達され得る。
【0215】
ドライブアセンブリが完全に投与された構成にあるとき、最終用量停止エレメント250は、ハウジングに対してピストンロッド20の更なる遠位での動きを阻止するために及び/又はピストンロッド20に対して駆動部材30の近位の動きを阻止するために、駆動部材30と相互作用し得る。
【0216】
例えば、駆動部材30は、ドライブアセンブリが完全に投与された位置にあり、そして特に、ハウジング10A、10Bに対して静止位置から実質的に更に遠位方向に動くように操作できないとき、静止位置にある。ピストンロッド20の最終用量停止エレメント250は、例えば、ピストンロッド20の更なる遠位での動きを阻止するために、駆動部材30の近位側上で駆動部材30と隣接し得る。代わりに又は追加的に、駆動部材30の歯止めエレメント300は、軸方向に伸びる第一の突起230及び第一のラチェットポケット210によって画成されたチャンネル240の近位端と隣接し得る。このように、ピストンロッド20に対して駆動部材30の近位の動きも同様に阻止され得る。ハウジング10A、10Bに対してピストンロッド20の近位の動きが、ピストンロッド20と停止部材50の相互作用によって形成された第二のインターロックによって阻止される故に、ハウジング10A、10Bに対して駆動部材30の近位の動きは、完全に投与された構成において阻止される。
【0217】
押しボタン40は、レバー35を介して駆動部材30に連結される。このようにして、更なる用量を設定するための押しボタン40の近位の動きも、完全に投与された位置において阻止され得る。
【0218】
従って、もし、例えば、異なるカートリッジから薬物を投与するために、ドライブアセンブリを再使用することが意図されるならば、ドライブアセンブリを再設定することが必要である。ドライブアセンブリを再設定するために、それは駆動モードから再設定モードに切り替えられ得る。駆動モードから再設定モードに切り替える最中に、駆動部材30と第一のラチェットポケット210の軸列の相互作用によって形成された第一のインターロック、及び停止部材50と第二のラチェットポケット220の軸列の相互作用によって形成された第二のインターロックはロック解除される。
【0219】
第二のインターロックをロック解除するために、再設定部材60は、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向に回転される。再設定部材60の回転は、図3及び第一の実施態様に関連して上述されたのと同様に、例えば、着脱可能な部材70の回転によって駆動される。
【0220】
第一の回転方向への再設定部材60の回転運動は、停止部材もハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向に同様に回転されるように、特に、ばね80を用いて停止部材に移される。再設定部材60を第一の回転方向に回転しているとき、ばね80は、停止部材50上に作用している逆バイアスを生み出し得て、ここで逆バイアスは、駆動モードにおいて停止部材50に移された弾力的バイアスとは反対の回転方向に、特に、指向される。逆バイアスを用いて、停止部材50は、第一の回転方向への停止部材50の回転運動を促進するために、第一の回転方向に弾力的に付勢される。
【0221】
停止部材50は、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、特に、ドライブアセンブリが完全に投与したモードにあるとき、第二の回転方向に弾力的に偏らせられ得る。この場合、第二のインターロックをロック解除するために、逆バイアスが再設定部材60の更なる回転変位によって生み出される前に、再設定部材60の回転変位を用いて、第二の回転方向への弾力的バイアスが解放される。
【0222】
第二のインターロックは、特に、一つの第二のラチェットポケット220から停止部材50の歯止めエレメント500を係合解除することによってロック解除可能である好ましくは、停止部材50の歯止めエレメント500は、第二のラチェットポケット220の外に変位されるが、軸方向に伸びている第二の突起260及び第二の第二のラチェットポケット220によって画成されるチャンネル250と係合状態に留まる。
【0223】
図6Aは、ドライブアッセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替え中の構成における第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリの部分側面図を示す。図6Aの構成において、第二のインターロックはロック解除され得て、一方、第一のインターロックはまだロックされている。第一のインターロックは、ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替える最中の、第二のインターロックのロック解除の後、ロック解除可能である
【0224】
第一のインターロックをロック解除するために、再設定部材60は、例えば、更に第一の回転方向に回転される。ばね80によって生み出された逆バイアスを用いて、再設定部材60の回転は、停止部材50がハウジングに対して更に第一の回転方向に回転されるように、停止部材50に移される。
【0225】
第一の回転方向へのその更なる回転運動中に、停止部材50は、それと共にピストンロッド20を第一の回転方向に運ぶためにピストンロッド20と相互作用し得る。例えば、停止部材50の歯止めエレメント500は、ピストンロッド20を第一の回転方向に回転するために、軸方向に伸びている第二の突起260に抗して押し付けられる。
【0226】
駆動部材30が、ハウジング10A、10Bに対して回転的にロックされる故に、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向へのピストンロッド20の回転も、駆動部材30に対して第一の回転方向へのピストンロッド20の回転である。特に、ピストンロッドの第一のラチェットポケットの一つは、第一の回転方向への駆動部材30に対してピストンロッド20の回転によって、駆動部材30の歯止めエレメント300との係合を解除されて回転され得る。
【0227】
駆動部材30は、例えば、その歯止めエレメント300とピストンロッド20の軸方向に伸びている第一の突起230の相互作用によって、第一の回転方向へのピストンロッド20の動きの角度範囲を制限し得る。次いで、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向への停止部材50の動きの角度範囲は、例えば、ピストンロッド20の第二の突起260及び駆動部材30を介したハウジング10A、10Bとの相互作用によって制限され得る。
【0228】
図6Bは、再設定モードにおける第二の例示的実施態様によるドライブアセンブリを示す。再設定モードにおいて、第一及び第二のインターロックはロック解除される。
【0229】
ばね80によって生み出された逆バイアスを用いて、ピストンロッド20及び停止部材50は、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向に偏らせされ得る。逆バイアスは便宜上、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ピストンロッド20及び停止部材50とハウジング10A、10Bの相互作用によって対抗され得る。特に、逆バイアスは、50とピストンロッド20の係合、ピストンロッド20と駆動部材30の係合、駆動部材30とハウジング10A、10Bの係合を用いて対抗され得る。ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ピストンロッド20及び停止部材50が偏らないことも考えられ得る。従って、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ピストンロッド2及び停止部材50は、便宜上、回転しない。従って、駆動部材30の歯止めエレメント300は、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、第一のラチェットポケット210から係合を解除されたままに留まる。また、停止部材50の歯止めエレメント500は、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ピストンロッド20の第二のラチェットポケットから係合を解除されたままに留まる。
【0230】
ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるためのその回転走行の終わりで、再設定部材60は、再設定部材60をハウジング10A、10Bに対してロックするために、ハウジング10A、10B中の戻り止めと係合し得て、一方、ドライブアセンブリは再設定モードにある。このようにして、例えば、着脱可能な部材70がハウジング10A、10Bから連結解除されるとき、逆バイアスは容易に留められ得る。これによって、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、第一及び第二のインターロックが偶然にそれらのロックされた構成を再開するという危険が減少される。
【0231】
ロック解除された第一のインターロック及び第二のインターロックによって、ピストンロッド20が、ハウジング10A、10B、停止部材50及び駆動部材30に対して近位方向に動かされることが可能になる。ピストンロッド20は、例えば、ドライブアセンブリの使用者によってその近位始動位置に押し戻され得る。ピストンロッドも、例えば、着脱可能な部材70がハウジングに再連結されるとき、近位始動位置に向かって動かされ得る。特に、ピストンロッド20は、着脱可能な部材70がハウジング10A、10Bに再連結されるとき、そのカートリッジが、着脱可能な部材70によって構成され得る、薬物を含有するカートリッジの位置との相互作用によって近位始動位置に向かって押され得る。
【0232】
ドライブアセンブリを再設定モードから駆動モードに切り替えるために、再設定部材60は、ハウジング10A、10Bに対して第二の回転方向に回転され得る。回転運動は、例えば、着脱可能な部材70をハウジング10A、10Bに連結するとき、着脱可能な部材70との相互作用によって駆動され得る。
【0233】
ハウジングに対して第二の回転方向への再設定部材60の回転運動を用いて、停止部材50の第二の回転方向への弾力的バイアスが、特に、逆バイアスを除去した後、復元される。弾力的バイアスによって、ハウジング10A、10B及びピストンロッド20に対して、第二の回転方向への停止部材50の回転運動が駆動される。このようにして、第二のインターロックは、停止部材50の歯止めエレメント500とピストンロッドの第二のラチェットポケット220の一つの再係合によってロックされる。
【0234】
第二のインターロックがロックされるとき、停止部材50は、ピストンロッド20が駆動部材30に対して第二の回転方向へ(弾力的に)回転されるように、第二の回転方向への弾力的バイアスをピストンロッド20に移す。このようにして、駆動部材30の歯止めエレメント300は、第二のインターロックがロックされた後、第一のインターロックがロックされるように、第一のラチェットポケット210の一つと係合されるようになる。
【0235】
図7は、第二の例示的実施態様よる再設定可能なドライブアセンブリの変更例の断面側面図を示す。
【0236】
この変更例において、押しボタンはキャップ部分40A及びスリーブ部分40Bを含む複数部材構成のものである。キャップ部分40Aは、それがスリーブ部分40Bの近位開口部を閉じるように位置決めされ得る。キャップ部分40A及びスリーブ部分40Bは、操作中に互いに恒久的にロックされ得る。
【0237】
ピストンロッド21は、図10A及び10Bに関連して第二の例示的実施態様に対して上述されたものと同じように設計され得る。図7において、ピストンロッド20は、図10Aの側面図と比べて、その縦軸の回りに約90度だけ回転される位置において説明されている。ピストンロッド20のベアリング20Bは、ベアリング20Bの領域において、本体20Aが見えるように、図7において切り開かれている。
【0238】
図8は、第二の実施態様の変更例によるドライブアセンブリの駆動部材、レバー及びピストンロッドの斜視図を示す。
【0239】
レバー35は本変更例においてリングの形態で設計され、特に、レバーは単一部材の構成部材であり得る。レバー35は、特に、強く、頑丈でそして硬いものであり得る。レバー35は、それが特に高い機械的安定性を有するように、外部ハウジング10Bの内部次元へと基本的に完全に伸びる。
【0240】
レバー35は、駆動部材30の嵌め合い孔又は窪みと係合するために、特に、反対側上で、ジャーナル軸受3510を含み得る。ジャーナル軸受3510はピンの形態で設計され得る。それぞれのジャーナル軸受3510は、便宜上、駆動部材30の軸アーム310中の孔と係合する。上の第二の実施態様と関連して述べられた通り、駆動部材が、レバー35中の孔のような嵌め合い機構と係合するためのジャーナル軸受3510を含むことも考えられる。
【0241】
図8Bは、第二の実施態様の変更例によるドライブアセンブリの駆動部材30、レバー部分40B及び押しボタン40の斜視図を示す。
【0242】
スリーブ部分40Bは、スロットを含む行進方向変換軸4010を含む。レバー35は、行進方向変換軸4010のスロットと係合するために供されたレバー3520を有する。特に、レバー35は、レバー3520とスロット4010の係合を用いて行進方向変換軸の回りに回転できる。
【0243】
レバー35は、固定ピボット1010と係合するための更なるレバー3520を含む。固定ピボット1010は、本変更例において、外部ハウジング10Bの突起と共にピボット部分10Aによって形成される。
【0244】
本実施態様において、ピボット部分10A及び外部ハウジング10Bに加えて、ハウジングは、連結部分10Cを追加的に含む(図7を参照)。連結部分10Cは、外部ハウジング10B及びピボット部分10Aに対して軸方向にそして回転的に固定され得る。本変更例によるドライブアセンブリは、着脱可能な部材70とハウジング、特に、連結部分10Cの間に解除可能なバヨネット連結を形成するように構成され得る。連結部分10Cはバヨネット連結の雌部分を含み得る。また、解除可能な連結は、例えば、第二の実施態様におけるようなねじ連結であり得る。駆動モードにおいて、着脱可能な部材70は、それがハウジング10A、10B、10Cに対して軸方向にそして回転方向にロックされるように、バヨネット連結を用いてハウジングに連結される。
【0245】
本変更例において、再設定部材は、ハウジング10A、10B、10Cと相互作用するように構成されたドッグツース620のセットを有する。ドッグツース620は、ハウジングの、特に、連結部分10Cの嵌め合い窪み120と係合するように、特に構成される。再設定部材60は、ドッグツース620がハウジング10Bの窪み120と係合でき、そしそれから係合解除できるように、ハウジング10A、10B、10Cに対して軸方向に変位できる。ばね80はドッグツース620と嵌め合い窪み120の係合を促進するために、再設定部材60上に遠位方向に弾力的バイアスを生じ得る。例えば、ばね80は、やはり捩じるように弾力的に変形されるように構成される圧縮ばねであり、つまり、ばねは組み合わされた圧縮ばね及びねじりばねであり得る。
【0246】
図9Aは、駆動モードにおける図7によるドライブアセンブリの斜視断面図を示す。ドライブアセンブリは、第二の実施態様に関連して上述された通り、用量設定操作及び用量投与定操作を実行するように構成される。
【0247】
ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、再設定部材60の軸方向に向けられた歯エレメント610は、着脱可能な部材70のそれぞれの窪み710と係合する。このようにして、再設定部材60は、着脱可能な部材70及びハウジング10A、10B、10Cに回転的に連結され、特にそれらに対して回転的にロックされる。
【0248】
駆動モードにおいて、ばね80上の遠位での弾力的バイアスは、着脱可能な部材70とハウジング10A、10B、10Cの係合によって対抗され得る。着脱可能な部材70は、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、ハウジング10Bの窪みからドッグツース620が係合解除された状態に留めるために再設定部材60と相互作用し得る。従って、歯エレメント610とは逆に、ドッグツース620は、駆動モードにおいて再設定部材60の回転運動を阻止するように操作できない。
【0249】
着脱可能な部材70は、一つの実施態様における薬物送達デバイスのカートリッジ用のカートリッジホルダを表し得る。再設定部材60は、カートリッジホルダ70中のカートリッジを軸方向に及び/又は回転的にロックすべくカートリッジと相互作用するように操作可能であり得る。特に、ドライブアセンブリは、再設定部材60上のばね80によって生み出された遠位の弾力的バイアスがカートリッジに移されるように構成される。着脱可能な部材70及びカートリッジは、例えば、カートリッジが着脱可能な部材70中に位置決めされるとき、カートリッジが歯エレメント610と着脱可能な部材70の窪み710の完全な係合を防ぐように構成され得る。例えば、カートリッジの近位端は、ドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、着脱可能な部材70の近位端と、着脱可能な部材70の窪み710の底の間の軸方向の位置に配置され得る。この場合、再設定部材60の歯エレメント610は、カートリッジを着脱可能な部材70中にロックするために、遠位の弾力的バイアスを用いてカートリッジの近位端と隣接して保持され得る。
【0250】
ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるために、着脱可能な部材70は、例えば、バヨネット連結をロック解除することによって、ハウジング10A、10Bから取り外される。その後、着脱可能な部材70はハウジング10A、10Bから遠位に除かれる。
【0251】
バヨネット連結をロック解除するために、着脱可能な部材70は、ハウジング10A、10Bに対して第一の回転方向に回転される。着脱可能な部材70の窪み710と再設定部材60の歯エレメント610の相互作用によって、着脱可能な部材70は、特に、第二の実施態様の図6A及び6Bに関連して上述された通り、ばね80を介して、停止部材50とピストンロッド210の相互作用によって、第一及び第二のインターロックをロック解除するために、再設定部材60をそれと共に第一の回転方向に運ぶ。バヨネット連結をロック解除するための着脱可能な部材70の回転中に、再設定部材60のドッグツース620は連結部分10Cの嵌め合い窪み120から係合解除された状態に留まる。
【0252】
その後、着脱可能な部材70は、着脱可能な部材70をハウジング10A、10B、10Cから取り除くために遠位に変位される。従って、着脱可能な部材70は、ばね80によって再設定部材60上に作用される遠位での弾力的バイアスをもはや妨害しない。従って、弾力的バイアスによってここで、特に、ドッグツース620を連結部分10Cの嵌め合い窪み120に係合するための再設定部材の遠位での動きが駆動され得る。
【0253】
図9Bは、着脱可能な部材70が取り除かれた後の、再設定モードにおけるドライブアセンブリを示す。
【0254】
再設定モードにおいて、ドッグツース620は、再設定部材がハウジングに対して回転的にロックされるように、ハウジング10Cの窪み120と係合している。有利なことに、このようにして、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、第一及び第二のインターロックは信頼できるようにロック解除された状態に留められる。
【0255】
ドライブアセンブリを再設定モードから駆動モードに切り替えるために、着脱可能な部材70は、着脱可能な部材70とハウジング10A、10B、10Cの間のバヨネット連結が確立されるとき、再設定部材60に抗して近位方向に押し付けられる。着脱可能な部材70の近位の動きは、ドッグツース620が、遠位での弾力的バイアスに抗してハウジング10Cの窪み120から係合解除されるように、再設定部材60に移される。
【0256】
その後、着脱可能な部材70は、バヨネット連結をロックするために、ハウジング10A、10Bに対して第二の回転方向に回転される。再設定部材60の歯エレメント610と着脱可能な部材の窪み710の係合を用いて、着脱可能な部材70の回転運動は、第一及び第二のインターロックを、第二の実施態様と関連して上述されたのと同じようにロックするために、再設定部材60に移される。
【0257】
図11は、第一の実施態様による薬物送達デバイスの斜視断面図を示す。
【0258】
薬物送達デバイスは、近位端100P及び遠位端100Dを有するハウジングを含むドライブアセンブリを有する。ハウジンングは、先の実施態様においてと同様、ピボット部分10A及び外部ハウジング10Bを有する。第二の実施態様の変更例と同様に、それはその遠位端で分離した連結部分10Cを有し、この連結部分10Cは外部ハウジング10Bに対して、そしてピボット部分10Aに対して軸方向に及び回転的にロックされる。また、連結部分10Cはピボット部分10A又は外部ハウジング10B中に統合され得る。ドライブアセンブリも着脱可能な部材70を有する。ドライブアセンブリは、着脱可能な部材70と連結部分10Cの間に解除可能な連結、例えば、ねじ連結を形成するように構成され得る。
【0259】
着脱可能な部材70は、カートリッジ75から薬物を投与するためにカートリッジ75に対して都合よく動き得る、ピストン77を含むカートリッジ75を留めるように操作できるカートリッジホルダであり得る。ドライブアセンブリによって構成されるピストンロッド20は近位始動位置から遠位端位置へと動くことができ得る。ピストンロッド20は、ピストン77を遠位に変位するように構成され得る。ピストンロッドは、例えば、図10Bに関連して上述された通りに設計される。
【0260】
ドライブアセンブリは、遠位端位置、レバー35及び押しボタン40A、40Bに向かってピストンロッドを遠位に変位するための駆動部材30を更に含み得る。駆動部材、レバー35及び押しボタンは、ドライブアセンブリの第二の実施態様の変更例と関連して、例えば、図8A及び8Bと関連して上述された通りに設計され得る。第二の実施態様とは逆に、ジャーナル軸受3510を通るレバー35の中央軸は、2:1の機械的利点を達成するため、固定ピボット1010と行進方向変換軸4010の間のレバーアームを二等分しない。むしろ、ジャーナル軸受は、特に、3:1の機械的利点が達成されるように、例えば、行進方向変換軸4010よりも固定ピボット1010のより近くに位置決めされ得る。
【0261】
薬物送達デバイスは、操作表示アセンブリを有し得る。操作表示アセンブリは、薬物送達デバイスが用量設定構成にあるとき、第一の情報を、そして薬物送達デバイスが用量設定のために準備ができた構成にあるとき、第一の情報とは異なる第二の情報を使用者に表示するために供され得る。第一の情報及び第二の情報はそれぞれ、記号を含み得る。例えば、第一の情報は遠位方向を指し示している矢印を、そして第二の情報は近位方向を指し示している矢印を含む。操作表示は、ハウジング中、特に外部ハウジング10B中で、第一の情報及び第二の情報を表示するための設定窓160を含み得る。押しボタン40の小領域にはそれぞれ、第一の情報及び第二の情報が供えられ、そして代わりに、第一の情報及び第二の情報を表示するための設定窓160を通して見ることができ得る。
【0262】
薬物送達デバイスは、用量表示アセンブリ、好ましくは、用量カウンタアセンブリを含み得る。用量表示アセンブリは表示部材、特に、表示器スリーブ910を含み得る。表示器スリーブ910はハウジングに対して軸方向に変位でき得て、及び/又は近位端100P及び遠位端100Dの間に伸びている縦軸の回りにハウジングに対して回転でき得る。
【0263】
用量表示アセンブリは表示器ロッド920を追加的に含み得る。表示器ロッド920は、好ましくは、表示器スリーブ910に対して軸方向に及び回転的にロックされる。
【0264】
図12は、押しボタン40及びレバー35のスリーブ部分40Bと共に、薬物送達デバイスのピボット部分10Aの断面図を示す。
【0265】
図13は、薬物送達デバイスのピストンロッド20、ピボット部分10A、表示器スリーブ910及び表示器ロッド920の斜視断面図を示す。
【0266】
ピボット部分10Aは、ねじエレメント170を含む。ねじエレメント170は外部ねじを有し得て、外部ねじは、特に、非セルフロッキングねじであり得る。表示器スリーブ910は、好ましくは、表示器スリーブ910とねじエレメント170の間で非セルフロッキングねじ連結が形成されるように、ねじエレメント170にねじで連結され得る。ねじエレメント170との相互作用によって、表示器スリーブ910は外部ハウジング10B内でラセン運動を実行するように操作可能であり得る。
【0267】
表示器ロッド920はピストンロッド20に対して軸方向にロックされ得て、そしてピストンロッド20に対して回転でき得る。例えば、ピストンロッド20はチューブ状に設計され得る。表示器ロッド920はピストンロッド内に部分的に伸び得る。ピストンロッド20は内部表面上に一つ又はそれ以上のリング状突起を有し得る。一つ又は複数のリング状の突起は、好ましくは、内部表面から半径方向に内側に向かって突き出る。表示器ロッド920は一つ又はそれ以上のリング状ノッチを有し得る。一つ又は複数のリング状ノッチは表示器ロッド920の外部表面において半径方向に内側に向かって伸び得る。ピストンロッド20の一つ又は複数のリング状の突起は、一つ又は複数のリング状ノッチと係合するように操作可能であり得る。
【0268】
変更例において、追加の、特に、非セルフロッキング型のねじ連結は、ねじエレメント170と表示器スリーブ910の間のねじ連結に加えて、ピストンロッド20と表示器ロッド920の間に存在し得る。もし、追加のねじ連結がセルフロッキング型でないならば、ねじエレメント170と表示器スリーブ910の間のねじ連結は、セルフロッキング型のものであり得る。もし、ねじエレメント170と表示器スリーブ910の間のねじ連結がセルフロッキングでないならば、追加のねじ連結はセルフロッキング型であり得る。
【0269】
ドライブアセンブリは、例えば、ハウジングに対してピストンロッドの遠位での動きがピストンロッドに対して表示器ロッド920の回転運動、及び表示器ロッド920とピストンロッド20及びねじエレメント170の相互作用を用いた、ハウジング10A、10B、10Cに対して表示器スリーブ910のラセン運動に変換されるように構成され得る。例えば、一つの用量が投与されるとき、表示器スリーブ910はハウジング10A、10B、10C及びピストンロッド20に対して30度だけ回転的に変位される。
【0270】
更に、用量表示アセンブリは外部ハウジング10B中に用量窓150を含み得る。表示器スリーブ910の外部表面の小領域は、用量窓150を通して見ることができ得る。例えば、表示器スリーブ910には数字のような記号が備わっている。用量表示アセンブリは、用量窓150を通して続いて記号を表示するように構成され得る。薬物送達デバイスは、特に、薬物の複数の用量、好ましくは、固定された用量、つまり、事前に設定されそして使用者が変更できない用量をカートリッジ75から投与するように構成され得る。用量表示アセンブリは、便宜上、用量に関連する情報、例えば、カートリッジ75から投与された及び/又はその中に残っている用量の数を表示するように構成される。
【0271】
図14Aは、始動構成、例えば、用量を設定する準備ができた構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【0272】
薬物送達デバイスは、停止部材50A及び停止部材50Bを含む停止部材50を有する。停止部材50A及び 停止部材50Bは互いに対して回転的にロックされる。停止部材50A及び 停止部材50Bは、便宜上、ハウジング10A、10B、10Cに対して回転できる。ハウジング、例えば、連結部分10Cは、第一の方向及び/又は第二の方向へのハウジング10A、10B、10Cに対して停止部材50A、50Bの回転運動の角度範囲を制限するように操作可能であり得る。
【0273】
便宜上、停止部材50A及び停止部材50Bは互いに対して軸方向に変位できる。薬物送達デバイスは、停止部材50A及びハウジング10A、10B、10Cに対して停止部材50Bの軸方向運動を、ハウジング10A、10B、10Cに対して停止部材50の、特に、停止部材50Aの回転運動に変換するように操作可能であり得る。
【0274】
停止部材50Aは、スリーブであり得る。停止部材50Bは、スリーブ、好ましくは、リングであり得る。表現「リング」は、好ましくは、(より)短いスリーブを表す。スリーブ50Aはリング50Bを通して伸び得る。リング50Bは、特に、回転的にロックされ、そして軸方向に変位できるように、停止部材50A及び停止部材50Bを連結するための停止部材50Aの嵌め合って軸方向に伸びている突起によって案内される、少なくとも一つの軸方向に伸びているスロット有し得る。
【0275】
停止部材50Aは、ハウジング10A、10B、10Cに対して軸方向にロックされ得る。停止部材50Aは、ドライブアセンブリの第二の実施態様に関連して上述された通り、第二のラチェットポケット220の列又は列の一つとの相互作用によってロック解除可能な第二のインターロックを形成するための歯止めエレメント500を含み得る。特に、停止部材50A、50Bは、本実施態様において回転付勢部材としても構成される。
【0276】
薬物送達デバイスは、停止部材50A及びハウジング10A、10B、10Cに対して遠位方向に、停止部材の停止部材50Bを弾力的に付勢するために、停止部材の停止部材50A及び停止部材50Bと相互作用するばね80を含む。薬物送達デバイスが駆動モードにあるとき、薬物送達デバイスは停止部材50B上に作用している遠位の弾力的バイアスを、第二の方向への停止部材50Aの回転的バイアスに変換するように操作可能であり得る。
【0277】
代わりに、又は追加的に、薬物送達デバイスが再設定モードにあるとき、薬物送達デバイスは、停止部材50B上に作用している遠位での弾力的バイアスを第一の方向への停止部材50A上に作用している回転的バイアスに変換するように操作可能であり得る。
【0278】
例えば、停止部材50Bにはピン520が備わっている。ピン520は、例えば、停止部材50Bから遠位に突き出る。ピン520は、第一のダイバータエレメントと相互作用、例えば、圧迫し得る。第一のダイバータエレメントは、第一の傾斜面750Aによって構成され得る又は形成され得る。第一の傾斜面750Aは、例えば、着脱可能な部材70によって供され得る。第一の傾斜面750Aは、それが第一の傾斜面750Aに沿って遠位で動くとき、停止部材50Bが第二の回転方向にそらされるように傾斜され得る。
【0279】
図14Aにおいて説明された通りの始動構成において、ピン520はハウジング10A、10B、10Cとの相互作用によって、第二の回転方向への回転運動に対してロックされ得る。例えば、ピン520は、第二の回転方向への更なる回転運動が防がれるように、連結部分10Cの側面と、特に、連結部分10Cの窪み120の側面と隣接し得る。代わりに、又は追加的に、ピン520の第二の回転方向への更なる動きは、停止部材50B、ピストンロッド20、及び駆動部材30を介した停止部材50A、50Bとハウジング10A、10B、10Cの相互作用によって防がれ得る。
【0280】
用量を設定するために、図4A〜4Cと関連して上述された通り、それがピストンロッドの一つの第一のラチェットポケット210を係合解除し、そしてその後、近位で後続するラチェットポケット210と係合するように、駆動部材30は静止位置から用量設定位置に遠位に変位される。第一のラチェットポケット210から係合解除するとき、駆動部材30はピストンロッド20を弾力的バイアスに抗して第一の回転方向に回転する。第一の回転方向に回転するとき、ピストンロッド20は、それと共に停止部材50A、50Bを第一の回転方向に運ぶ。第一の傾斜面750Aは、停止部材50Bが第一の傾斜面750Aに沿って第一の回転方向に動くとき、停止部材の停止部材50Bを近位方向にゆがめる。このようにして、ばね80は圧縮され、そして停止部材50B上に作用する遠位での弾力的バイアスが増大される。
【0281】
図14Bは、ピストンロッド30が第一の回転方向に回転的に変位された後の、用量の設定中の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【0282】
その後、ピストンロッド30は、弾力的バイアスを用いて第二の回転方向に回転させられる。より正確には、駆動部材30が、その歯止めエレメント300が後続する第一のラチェットポケット210と係合できる軸方向の位置にあるとき、ばね80によって生み出された、停止部材50A、50B上で作用している遠位での弾力的バイアスは、歯止めエレメント300とピストンロッド20の相互作用によってもはや妨害されない。従って、遠位での弾力的バイアスによって、第一の傾斜面750Aに沿ったハウジング10A、10B、10Cに対して、停止部材の停止部材50Bの遠位での動きが駆動され得る。第一の傾斜面750Aと相互作用している停止部材50Bのピン520を用いて、停止部材50Bは、停止部材50Bが遠位で動くとき、第二の回転方向にゆがめられる。停止部材50Bは、停止部材及びピストンロッド20の停止部材50Aをそれと共に第二の回転方向に運ぶ。駆動部材30の歯止めエレメント300が後続の第一のラチェットポケット210と完全に係合されるとき、ピン520は、図14Aに関連して説明されそして述べられた通り、始動位置に戻り得る。
【0283】
同様に、設定された用量の投与中に、停止部材50A、50Bは、停止部材50Aの歯止めエレメント500がピストンロッド20の一つの第二のラチェットポケット220を係合解除するように、ハウジング10A、10B、10C及びピストンロッド20に対して、弾力的バイアスに抗して第一の回転方向に回転させられる。停止部材の第一の部分50A及び第二の部分50Bが、第一の回転方向に動くとき、第二の部分50Bのピン520は、それがハウジング10A、10B、10C及び第一の部分50Aに対して近位方向に変位されるように、第一の傾斜面750Aによってゆがめられる。第二の部分50Bの近位の変位を用いて、ばね80は圧縮され、そして遠位での弾力的バイアスが増大される。
【0284】
その後、停止部材50A、50Bは、第一の部分50Aの歯止めエレメント50が、ピストンロッド20の近位で後続の第二のラチェットポケット220と係合するように、第一の傾斜面750Aを用いて第二の回転方向への回転的バイアスに変換される、遠位での弾力的バイアスを用いてハウジング10A、10B、10C及びピストンロッド20に対して第二の回転方向に回転される。ピストンロッド20自身は、図5A及び5Bに関連して上述された通り、用量の投与中に、ハウジング10A、10B、10Cに対して軸方向にのみ変位される。
【0285】
図15Aは、完全に投与された構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【0286】
完全に投与された構成において、薬物送達デバイス20の近位の動き及び/又は遠位での動きは、ドライブアセンブリの第二の実施態様に関連して上述されたように、阻止され得る。始動位置におけると同様に、ハウジング10A、10B、10Cに対して第二の回転方向へのピン520の回転運動は、完全に投与された構成において、ハウジングとの相互作用によって阻止され得る。
【0287】
薬物送達デバイスを駆動モードから再設定モードに切り替えるために、着脱可能な部材70はハウジング10A、10B、10Cから取り外され得る。例えば、着脱可能な部材は連結部分10Cからねじを緩められる。
【0288】
取り外し可能部材70をハウジング10A、10B、10Cから取り外すとき、取り外し可能部材は、第一の傾斜面750A全体が第二の回転方向へピン520に沿って通過するように、連結部分10Cに対して第二の回転方向へ回転される。着脱可能な部材70が第二の回転方向へ回転されるとき、第一の傾斜面750Aの近位端はピン520に近づき得る。その後、第一の傾斜面750Bの近位端は第二の回転方向にピン520を通過して動かされ得る。
【0289】
図15Bは、駆動モードから再設定モードに切り替える最中の第一の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。第一の構成において、第一の傾斜面750Aの近位端はピン520を通過して第二の回転方向へ動かされている。
【0290】
第一の傾斜面750Aの近位端がピン520を通過して動かされたとき、ピン520は第二の傾斜面750Bを圧迫し得る。本実施態様において、第二の傾斜面750Bは着脱可能な部材70によって構成される。しかしながら、それは、ハウジング、例えば、連結部分10Cによっても構成される。第二の傾斜面750Bは、それがばね80によって生み出された遠位での弾力的バイアスを用いて第二の傾斜面750Bに沿って遠位に動かされるとき、第二の部分50Bが第一の回転方向にゆがめられるように、傾斜され得る。
【0291】
図15Cは、駆動モードから再設定モードに切り替え中の第二の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。図15Cによる第二の構成において、停止部材の停止部材50Bは、ばね80によって生み出された遠位での弾力的バイアスを用いた図15Bによる第一の構成と比べて、停止部材50Aに対して遠位に変位されている。
【0292】
遠位での動きの最中に、第二の部分50Bは、ピン520と第二の傾斜面750Bの相互作用によって第一の回転方向にゆがめられる。従って、停止部材は、停止部材50A、50B及びピストンロッド20によって形成される第二のインターロックをロック解除するために、そして好ましくは、ピストンロッド20と駆動部材30によって形成される第一のインターロックをその後ロック解除するために、第一の回転方向に回転される。第一及び第二のインターロックのロック解除は、図6A及び6Bに関連して上述された通り、ピストンロッド20に対して停止部材50A、50Bの、そして駆動部材30に対してピストンロッド20の回転変位によって達成される。第一のインターロック及び第二のインターロックがロック解除されるとき、ドライブアセンブリは再設定モードにある。
【0293】
図15Dは、再設定モードにおける薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【0294】
再設定モードにおいて、停止部材の第二の部分50Bは、停止部材50A、50Bをハウジング10A、10B、10Cに対して回転的にロックするために、ハウジングと相互作用するように操作可能であり得る。例えば、ピン520は、遠位での弾力的バイアスを用いて連結部分10Cの窪み120と係合した状態に保持され、ここで弾力的バイアスは、特に、ばね80によって生み出される。ピン520と窪み120の係合を用いて、ハウジング10A、10B、10Cに対して第一の回転方向への停止部材50A、50Bの更なる回転運動は阻止され得る。第一の回転方向への回転運動を阻止するために、ピン520は、特に、始動構成においてピン520が隣接する側面と反対であり得る窪み120の側面と隣接し得る(図14を参照)。好ましくは、ハウジング10A、10B、10Cに対して第二の回転方向への回転も、ピン520と窪み120の係合を用いて阻止される。例えば、窪み120は、ばね80によって生み出される遠位での弾力的バイアスと共に、ピン520を連結部分10Cに対して第一の回転方向に付勢するように構成される傾斜した底面を有し得る。このようにして、薬物送達デバイスは便宜上、再設定モードに留められ得て、一方、着脱可能な部材70はハウジング10A、10B、10Cから連結解除される。
【0295】
再設定モードにおいて、ピストンロッドは戻され得て、例えば、始動位置に押し戻され得る。その後、薬物送達デバイスは駆動モードに切り替えられて戻され得る。
【0296】
図16Aは、再設定モードから駆動モードに切り替え中の第一の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。薬物送達デバイスを再設定モードから駆動モードに切り替えるために、着脱可能な部材70はハウジング10A、10B、10Cに再連結される。
【0297】
連結を達成するとき、ピン520は第二の傾斜面750Bを圧迫する。着脱可能な部材は、第二の傾斜面750Bの近位端がピン520に近づき、そしてその後、ピン520を通過して第一の回転方向に動くように、第一の回転方向に回転される。第二の傾斜面750Bの近位端がピン520に近づくとき、ピンは、ばね80が圧縮され、そして停止部材の第二の部分50B上の軸弾力的バイアスが増すように近位に変位される。
【0298】
図16Bは、再設定モードから駆動モードに切り替える最中の第二の構成における薬物送達デバイスの部分側面図を示す。
【0299】
第二の構成において、ピン520は、第二の傾斜面750Bの近位端がピン520を通過して第一の回転方向に動いた後、第一の傾斜面750Aを圧迫する。遠位での弾力的バイアスによって、図14A及び14Bに関連して上述された通り、第二の回転方向への停止部材50A、50Bの回転が促進される。このようにして、遠位での弾力的バイアスによって、後で第二のインターロックを、そしてその後で第一のインターロックをロックするため、停止部材の第二の回転方向への回転が駆動される。特に、図14Aにおいて説明された通り、薬物送達デバイスは、着脱可能な部材70がハウジング10A、10B、10Cと完全に係合しているとき、始動構成に戻り得る。
【0300】
薬物送達デバイスは、着脱可能な部材70においてカートリッジ75をロックするための更なるばね85を有し得る(例えば、図15B及び15Cを参照)。更なるばねは、例えば、停止部材50Aの第一の部分の遠位端上に固定され得る。更なるばね85は、特に、複数の弾力的に変形し得る丸い突出部を有する王冠の形態を有し得る。更なるばね85は、例えば、バネワッシャーであり得る。薬物送達デバイスが駆動モードにあるとき、カートリッジ75は、更なるばね85が着脱可能な部材70においてカートリッジ75をロックするために、カートリッジ上に弾力的バイアスを生み出すように丸い突出部を変形させ得る。
【0301】
本発明は例示的実施態様に基づく記述によって該例示的実施態様に制約されるものではない。むしろ、本発明は如何なる新しい特長も、及び特長の如何なる組合せをも包含し、それは、特に、この特長又はこの組合せ自身が、特許請求項中又は例示的実施態様中に明確に特定されていないとしても、特許請求項中の特長の如何なる組合せをも、そして例示的実施態様における特長の如何なる組合せをも含む。
【符号の説明】
【0302】
10A 外部ハウジング
10B ピボット部分
10C 連結部分
20 ピストンロッド
20A 本体
20B ベアリング
30 駆動部材
35 レバー
40 押しボタン
50 停止部材
50A 第一の部分
50B 第二の部分
60 再設定部材
70 着脱可能な部材
75 カートリッジ
77 ピストン
80 ばね
85 更なるばね
100D 遠位端
100P 近位端
120 窪み
130 突起
150 用量窓
160 設定窓
170 ねじエレメント
200D 遠位端
200P 近位端
201 平らな側面
202 側面
210 ラチェットポケット/第一のラチェットポケット
220 第二のラチェットポケット
230 第一の突起
240 第一のチャンネル
260 第二の突起
270 第二のチャンネル
250 最終用量停止エレメント
300 歯止めエレメント
310 アーム
320 溝
500 歯止めエレメント
510 懸架エレメント
520 ピン
610 歯エレメント
620 ドッグツース
750A 第一の傾斜面
750B 第二の傾斜面
710 窪み
750 ピストン
910 表示器スリーブ
920 表示器ロッド
1010 固定ピボット
2110 遠位側壁
2120 近位側壁
2130 連結壁
2210 遠位側壁
2220 近位側壁
2230 連結壁
3010 ジャーナル軸受
3510 ジャーナル軸受
3520 駆動領域
4010 行進方向変換軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−近位端(100P)及び遠位端(100D)を有するハウジング(10A、10B、10C);
−ハウジング(10A、10B、10C)に対して回転可能であり、そして近位始動位置と遠位端位置の間をハウジング(10A、10B、10C)に対して軸方向に変位可能であるピストンロッド(20);
−用量を投与するとき、ピストンロッド(20)を端位置に向かって遠位に変位させるための駆動部材(30);及び
−停止部材(50);
を含んでなる薬物送達デバイス用の再設定可能なドライブアセンブリであって:
ここで、
−駆動部材(30)が、ロック解除可能な第一のインターロックを形成するために、ピストンロッド(20)と相互作用するように操作可能であり、ここで、第一のインターロックが、駆動部材(30)に対してピストンロッド(20)の近位の動きを阻止するように操作可能であり;
−停止部材(50)が、ロック解除可能な第二のインターロックを形成するために、ピストンロッド(20)と相互作用するように操作可能であり、ここで、第二のインターロックが、ハウジング(10A、10B、10C)に対してピストンロッド(20)の近位の動きを阻止するように操作可能であり;
−ドライブアセンブリが、駆動モードにあるとき、ピストンロッド(20)の端位置から始動位置への近位の動きが第一のインターロック及び第二のインターロックによって阻止されるように、第一及び第二のインターロックがロックされ;
−ドライブアセンブリを駆動モードから再設定モードに切り替えるため、ピストンロッド(20)が、第一のインターロック及び停止部材(50)をロック解除するために、駆動部材(30)に対して回転可能であり、そしてピストンロッド(20)が、第二のインターロックをロック解除するために互いに対して回転可能であり;そして
−ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ピストンロッド(20)の始動位置への近位の動きが許容されるように、第一のインターロック及び第二のインターロックがロックを解除される;
ように構成される、上記再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項2】
駆動部材(30)が、ハウジング(10A、10B、10C)に対して軸方向に変位可能であり、そしてハウジング(10A、10B、10C)に対して回転的にロックされる、請求項1に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項3】
停止部材(50)が、ハウジングに対して軸方向にかつ回転的にロックされる、請求項1又は2に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項4】
第一のインターロック及び第二のインターロックが、ハウジング(10A、10B、10C)に対して第一の角度位置から第二の角度位置へのピストンロッド(20)の回転によってロック解除可能であるように構成される、請求項3に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項5】
停止部材(50)がハウジング(10A、10B、10C)に対して回転可能である、請求項1又は2に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項6】
第二のインターロックが、ハウジング(10A、10B、10C)及びピストンロッド(20)に対して第一の回転方向への停止部材(50)の回転によって、ロック解除可能であるように構成される、請求項5に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項7】
第二のインターロックがロック解除されると、停止部材(50)は、ピストンロッド(20)が、第一のインターロックをロック解除するために、ハウジング(10A、10B、10C)及び駆動部材(30)に対して第一の回転方向への停止部材(50)の更なる回転運動に従動するように、ピストンロッド(20)と相互作用するように操作可能である、請求項6に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項8】
ピストンロッド(20)が、実質的に軸方向に伸びている突起(260)を有し、ここで実質的に軸方向に伸びている突起(260)が、ピストンロッド(20)に対して第一の回転方向への停止部材(50)の動きの角度範囲を制限するよう操作可能である、請求項7に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項9】
ばね(80)を更に含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の再設定可能なドライブアセンブリであって、ここで、ばね(80)は、ドライブアセンブリが、駆動モードにあるとき、ハウジング(10A、10B、10C)に対して第一の回転方向とは反対の、第二の回転方向への停止部材(50)の回転を促進するために、停止部材(50)と相互作用して停止部材(50)上に弾力的バイアスを生み出し、そしてここで、ばね(80)は、ドライブアセンブリを再設定モードに切り替えると、第一のインターロック及び第二のインターロックをロック解除するため、ハウジング(10A、10B、10C)に対して第一の回転方向への停止部材(50)の回転を促進するために、停止部材(50)と相互作用して、停止部材(50)上に弾力的バイアスを生み出す、上記再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項10】
−停止部材(50)が、ハウジング(10A、10B、10C)に対して軸方向にロックされる第一の部分(50A)、及びハウジング(10A、10B、10C)に対して軸方向に変位可能であり、そしてばね(80)によって第一の軸方向に弾力的に付勢される第二の部分(50B)を有し、
−ドライブアセンブリが、第一のダイバータエレメント(750A)を有し、そしてドライブアセンブリが駆動モードにあるとき、第二の部分(50B)の第一のダイバータエレメント(750A)との相互作用によって、第一の軸方向への第二の部分(50B)の軸方向運動を、第二の回転方向への停止部材(50)の回転運動に変換するように構成され、そして
−ドライブアセンブリが、第二のダイバータエレメント(750B)を有し、そしてドライブアセンブリを再設定モードに切り替えると、第二の部分(50B)の第二のダイバータエレメント(750B)との相互作用によって、第一の軸方向への第二の部分(50B)の軸方向運動きを、第一の回転方向への停止部材(50)の回転運動に変換するように構成される、
請求項9に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項11】
−ドライブアセンブリが第一の傾斜面(750A)及び第二の傾斜面(750B)を有し、ここでそれぞれの傾斜面が近位端及び遠位端を有し;
−第一及び第二の傾斜面(750A、750B)の近位端が互いに面し;そして
−アセンブリが駆動モードにあるとき、第二の部分(50B)が第一の傾斜面(750A)を圧迫し、そしてドライブアセンブリを再設定モードに切り替えると、第二の部分(50B)が第二の傾斜面(750B)を圧迫する;
請求項10に記載の再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項12】
ハウジング(10A、10B、10C)と解除可能に係合できる再設定部材(60)を更に含む、請求項9に記載の再設定可能なドライブアセンブリであって、ここで、再設定部材(60)は、それがハウジング(10A、10B、10C)と係合されるとき、ドライブアセンブリを再設定モードに保持するように操作可能であり、ここでばね(80)は、ドライブアセンブリが再設定モードにあるとき、ハウジング(10A、10B、10C)と係合している再設定部材(60)をロックするために、再設定部材(60)上の軸方向に弾力的バイアスを生み出すように操作可能である、上記再設定可能なドライブアセンブリ。
【請求項13】
ハウジング(10A、10B、10C)に連結するための着脱可能な部材(70)を更に含む、請求項12に記載の再設定可能なドライブアセンブリを含む薬物送達デバイスであって、ここで、着脱可能な部材(70)は、カートリッジ及びカートリッジホルダの一つであり、ここで、着脱可能な部材(70)が、着脱可能な部材(70)をハウジング(ハウジング10A、10B、10C)に連結するとき、再設定部材(60)上の弾力的バイアスに抗して、再設定部材(60)とハウジング(10A、10B、10C)の係合が、解放されるように、そして着脱可能な部材(70)をハウジング(ハウジング10A、10B、10C)から連結解除するとき、再設定部材(60)上の弾力的バイアスによって、再設定部材(60)が、ハウジング(10A、10B、10C)と係合に持ち込まれるように、再設定部材(60)と相互作用するように操作可能である、上記薬物送達デバイス。
【請求項14】
再設定可能な薬物送達デバイスにおけるばね(80)の使用であって、薬物送達デバイスが:
−近位端(100P)及び遠位端(100D)を有するハウジング(10A、10B、10C);
−ピストンロッド(20);
−用量を設定するとき、ピストンロッド(20)をハウジング(10A、10B、10C)に対して第一の回転方向に回転させるための、そして用量を投与するとき、ピストンロッド(20)を近位始動位置から離れて遠位に変位させるための駆動部材(30);
−ロック解除可能なインターロックを形成するべく、ピストンロッド(20)と相互作用するための停止部材(50);
を含んでなり、
ここで、ばね(80)は:
−用量を設定するとき、ピストンロッド(20)を第二の回転方向に付勢するためピストンロッド(20)と相互作用することによって、ハウジング(10A、10B、10C)に対して、第一の回転方向とは反対の第二の回転方向にピストンロッド(20)の回転を駆動するためのエネルギを蓄積するため;
−インターロックがロックされるとき、停止部材(50)を第二の回転方向に付勢するため停止部材(50)と相互作用することによって、停止部材(50)の回転を第二の回転方向に駆動するためのエネルギを蓄積するため;及び
−インターロックをロック解除するとき、停止部材(50)を第一の回転方向へ付勢するため停止部材(50)と相互作用することによって、ハウジング及びピストンロッドに対して第一の回転方向への停止部材(50)の回転を駆動するべく、停止部材(50)に力を伝達するため;使用される、
上記ばね(80)の使用。
【請求項15】
ばね(80)が、第一の回転方向への停止部材(50)の回転を駆動するためのエネルギを蓄積するために使用される、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
カートリッジ(75)及びピストン(77)を更に含んでなり、ピストン(77)がカートリッジ(75)内に保持される薬物送達デバイスにおける、請求項14又は15に記載の使用であって、
ここで、ピストンロッド(20)は、用量を投与するために、ピストン(77)をカートリッジ(75)に対して遠位に変位させるように構成され、そしてばね(80)は、用量の投与後、ピストンロッド(20)を近位方向に付勢するために、ピストンロッド(20)と相互作用することによって、ピストン(77)にかかるピストンロッド(20)の圧力を減少させるべく軸方向変位を駆動するためのエネルギを蓄積するために更に使用される、上記使用。
【請求項17】
ばね(80)は、薬物送達デバイスが駆動モードにあるとき、カートリッジ(75)をカートリッジホルダ(70)内に軸方向に及び/又は回転的に固定するために、薬物送達デバイスが駆動モードにあるとき、カートリッジ(75)を軸方向に弾力的に付勢するために更に使用される、カートリッジホルダ(70)を更に含んでなる薬物送達デバイスにおける、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
ばね(80)が、ドライブアセンブリを再設定モードに保持するべく、ハウジング(10A、10B、10C)と係合している着脱可能な部材(60)をロックするために、再設定部材(60)を軸方向に弾力的に付勢するべく更に使用される、ハウジング(10A、10B、10C)と解放可能に係合され得る着脱可能な再設定部材(60)を更に含んでなる薬物送達デバイスにおける、請求項14〜17のいずれか一項に記載の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16A】
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【図16B】
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【公表番号】特表2013−506454(P2013−506454A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531384(P2012−531384)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064407
【国際公開番号】WO2011/039216
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】