説明

ドリル

【課題】位置により先端角が異なる切刃を有したドリルにおいて、切刃の耐摩耗性を向上する。
【解決手段】本発明のドリル21は、切刃6の先端角が中心位置から最大径位置(D−D)に向けて中心位置先端角A°(但し、0°<A°<180°)から最大径位置先端角0°まで連続した変化により減少し、切刃6の逃げ角が中心位置から最大径位置に向けて連続した変化により減少する形状に形成されている。本発明のドリル21の切刃6は、最大径位置において逃げ角(ε)を有することによりリーミング用の切刃をも構成している。切刃6の刃先及び逃げ面に角が無いため耐摩耗性が良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置により先端角が異なる切刃を有したドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
位置により先端角が異なる切刃を有したドリルとしては、特許文献1、2に記載されるダブルアングルドリルがある。
このダブルアングルドリルは、先端部が金属用ドリルの先端形状を有する一次切刃とこの一次切刃に連続し一次切刃より小さい先端角を有するフラット状の二次切刃とから構成されている。
同文献によれば、このダブルアングルドリルは、繊維強化樹脂の複合材と金属との同時穿孔に適したものとされる。
このダブルアングルドリルによれば、先ず一次切刃により比較的小径の一次孔が穿たれ、次いで二次切刃が一次孔の外周を切削して目標径の二次孔が穿孔される。穿孔時において、複合材の一次孔の周囲に過渡的なデラミネーション(層間剥離)が発生するが、このデラミネーションは二次切刃による切削の際に除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−306812号公報
【特許文献2】実開平6−75612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2にも記載されるように、ダブルアングルドリルは、元来、耐摩耗性が優れないという欠点がある。特許文献2記載の発明にあっては、切刃を適当な膜厚のダイヤモンド被膜で被覆することにより耐摩耗性を改善する。
しかし、ダブルアングルドリルでは、一次切刃と二次切刃の境界及び二次切刃の最外周において角が生じており、この角は応力が集中しやすく欠損(チッピング)が生じやすいため、耐摩耗性を低下させる形状的原因となっている。
【0005】
また、ダブルアングルドリルでは、金属材と繊維強化樹脂複合材とが合わされた構成材の穿孔において依然として次のような問題があった。
ダブルアングルドリルで上記構成材を金属材側から穿孔する場合に、金属材部穿孔後の繊維強化樹脂複合材部の穿孔において、一次切刃が繊維強化樹脂複合材部の繊維を切断しきれずに押し広げ貫通し二次切刃で切断が行われている。このとき、押し広げられた部位では、層間剥離や繊維ほつれが構成材内部に広がる。構成材内部に広がった層間剥離や繊維ほつれは、二次切刃でも切断及び切削されず除去されずに残ることがある。
逆に、ダブルアングルドリルで上記構成材を繊維強化樹脂複合材側から穿孔する場合に、繊維強化樹脂複合材部穿孔後の金属材部の穿孔においても、すくい角のついた二次切刃で繊維強化樹脂複合材をすくい上げて切断するために、穿孔部入口にバリや繊維のほつれが発生することがある。
【0006】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、位置により先端角が異なる切刃を有したドリルにおいて、切刃の耐摩耗性を向上することを課題とする。これにより長期に亘る高精度の穿孔を可能とする。
【0007】
また、金属材及び繊維強化樹脂複合材を穿孔する場合においても、繊維強化樹脂複合材に層間剥離や繊維ほつれが発生することを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、切刃の先端角が中心位置から最大径位置に向けて中心位置先端角A°(但し、0°<A°<180°)から最大径位置先端角0°まで連続した変化により減少し、切刃の逃げ角が中心位置から最大径位置に向けて連続した変化により減少し、最大径位置において逃げ角(ε)を有する形状に形成されたドリルである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記切刃の先端が放物線の一部からなる放物線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリルである。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記切刃の先端が一つの円弧による円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリルである。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記中心位置における逃げ角をδとして、δ>(180−A)/2の関係が成立する中心位置先端角A及び中心位置逃げ角δを有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のドリルである。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記切刃はすくい角を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のドリルである。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記切刃のすくい角がゼロであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のドリルである。
【0014】
請求項7記載の発明は、2条のねじれ溝を有し、前記ねじれ溝の間に形成されたランド部の前記ねじれ溝に沿った両縁にマージンを有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のドリルである。
【0015】
請求項8記載の発明は、前記切刃の中心軸に沿った長さが、前記最大径に対して1.6倍以上にされてなることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載のドリルである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、切刃の先端角が中心位置から最大径位置まで連続した変化により減少するので、刃先に欠損しやすい角が生じず、切刃の耐摩耗性が向上する。
また、本発明によれば、切刃の逃げ角が連続した変化により減少するので、逃げ面に摩耗しやすい角が生じず、切刃の耐摩耗性が向上する。
また本発明によれば、切刃先端が曲線(直線を一部に含む場合を含む)を構成するから、直線により切刃先端が構成された従来の切刃に対し、同じ大きさののみ刃部で比較して、刃長が長くなる。刃長が長くなることによって、一定の切削量に対し切刃先端の単位長さあたりの切削量は減少し、従って摩耗量も減少するから、切刃の耐摩耗性が向上する。
本発明によれば、以上のように切刃の耐摩耗性が向上することによって、長期に亘る高精度の穿孔を可能とする。
【0017】
また、本発明によれば、最大径位置において逃げ角(ε)を有することにより、リーミング用の切刃部が形成され、切刃によるリーマ仕上げが可能となる。このようなリーミング用の切刃部は、それより先端側のドリリング用の切刃部に連続する。ドリリング用の切刃部からリーミング用の切刃部に掛けて切刃は一体で、切刃の先端角及び逃げ角は連続して変化しており、刃先に欠損しやすい角が生じず、逃げ面に摩耗しやすい角が生じず、このようなリーミング用の切刃部を設けても切刃の耐摩耗性を劣化させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態のドリルを示す側面図である。
【図2】図1に示したドリルの先端部の拡大図である。
【図3】図2に示す矢印Fの方向から見たドリルの側面図である。
【図4】(a1)は図2に示すB−B線における断面図である。(a2)はC−C線における断面図である。(a3)はD−D線における断面図である。(a4)はE−E線における断面図である。(b1)は(a1)に示すB1部の詳細図である。(b2)は(a2)に示すC1部の詳細図である。(b3)は(a3)に示すD1部の詳細図である。(b4)は(a4)に示すE1部の詳細図である。
【図5】本発明の第1実施形態のドリルによる穿孔の様子を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態のドリルにより穿孔された孔を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態のドリルを示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のドリルの一例を示す先端部側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態のドリルを示す側面図である。
【図10】図9に示すG−G線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0020】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態につき、図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態のドリルを示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態のドリル21は、のみ刃部1とシャンク部2とを有する。のみ刃部1とシャンク部2の間にはねじれ溝3が形成されている。
【0021】
図1に示したドリル21の先端部の拡大図を図2に示す。
のみ刃部1には、一対の切刃6,6が中心軸9について対称に設けられている。切刃6,6はそれぞれすくい面7及び逃げ面8を有する。
のみ刃部1はクロスシニングされており、シニングにより欠落した部分にすくい面7が形成されている。また、シニングにより欠落した部分は、ねじれ溝3に連続する。2条のねじれ溝3,3は、一定のねじれ角をもってねじれている。ねじれ溝3,3の間に形成されたランド部4のねじれ溝3,3に沿った両縁にマージン5,5が形成されている。このマージン5は、被加工穴の内面に当りドリルを支持するとともにバニシング加工を施す部分である。
【0022】
図2に示すように、のみ刃部1は最大径φD1、長さL1を有する。中心位置における切刃6の先端角をA°とする(但し、0°<A°<180°)。中心位置先端角Aは90°<A°<150°の範囲とすることが適当である。最大径φD1を有する位置(D−D位置)において切刃6の先端角は0°となる。
【0023】
切刃6の先端角は、中心位置先端角A°から最大径位置先端角0°まで連続した変化により減少する形状に形成されている。これにより切刃6の先端は角(不連続点)のない滑らかな曲線を形成する。また、切刃6の先端が形成する曲線を変曲点の無い外側に膨らむ曲線とする。例えば、切刃6の先端は中心位置先端角A°から最大径位置先端角0°までの曲線を放物線の一部として形成する。切刃6の先端の一部に直線を含んでも良いが、直線と曲線(直線を含まない)との移り変わりにおいても切刃6の先端角は連続して変化することにより角を設けない。
【0024】
図3は、図2に示す矢印Fの方向から見たドリル21の側面図である。なお、ドリル21は軸9を中心とした対称な立体形状を有する。したがって、ドリル21のいずれの角度から見た側面も180度反対側の側面と同一形状である。
【0025】
図4(a1)は図2に示すB−B線における断面図である。図4(a2)は図2に示すC−C線における断面図である。図4(a3)は図2に示すD−D線における断面図である。図4(a4)は図2に示すE−E線における断面図である。図4(b1)は同図(a1)に示すB1部の詳細図である。図4(b2)は同図(a2)に示すC1部の詳細図である。図4(b3)は同図(a3)に示すD1部の詳細図である。図4(b4)は同図(a4)に示すE1部の詳細図である。
【0026】
図3に示すように、中心位置における逃げ角をδ°とする。δ>(180−A)/2の関係が成立する中心位置先端角A及び中心位置逃げ角δとすることが好ましい。図3は、δ=45°の場合を示す。
図4(b1)(b2)(b3)に示すように、先端から中心軸9に沿って後方へ移行するに従って切刃6の逃げ角は中心位置逃げ角δから連続した変化により次第に減少し、D−D線における逃げ角εまで減少する。図3および図4は、δ=45°の場合、逃げ角30°の位置をB−B線で、逃げ角20°の位置をC−C線で示し、ε=5°の場合を示している。このように、ドリル21は、切刃6の逃げ角が中心位置から最大径位置(D−D線)に向けて連続した変化により減少する形状に形成されている。条件としてはε<δである。ε<15°の範囲とすることが適当である。
【0027】
また、図4(a4)に示すように、ねじれ溝3,3の間に形成されたランド部4のねじれ溝3,3に沿った両縁にマージン5,5が形成されている。マージン5は外周に沿って計4条形成されている。ランド部4には、マージン5,5の間に窪んだ逃げ部4aが形成されている。例えば、マージン5の幅は0.1〜1.5mmとされ、逃げ部4aの幅は2.5mmとされ、逃げ部4の深さは0.3〜1.2mmとされる。
また、図4(a1)〜(a3)及び(b1)〜(b3)に示すように、切刃6にすくい角を設けていない。即ち、すくい角はゼロであって、すくい面7は被削面に対し垂直である。
【0028】
以上の構成のドリル21は、切刃6にすくい角を設けていないためCFRP等の繊維強化樹脂複合材の加工に適している。これは、繊維強化樹脂複合材は、せん断加工よりも削って加工する方が精度良く、繊維のほころび等が無いきれいな加工面が得られることによる。すなわち、すくい角を設けて切り込むよりも、すくい角を設けずに細かく削るようにして切削した方がデラミネーション(層間剥離)が発生しにくく、精度良くきれいに加工できるからである。
【0029】
このドリル21を繊維強化樹脂複合材の加工に適用する場合は、のみ刃部1の細長比(L1/φD1)を1.6以上とすることが好ましい。例えば、(L1/φD1)=1.6とする。これにより、上述したダブルアングルドリルの二次切刃に相当するような比較的小さい先端角を有する切刃の刃長を十分とることができる。そして、ドリル先端側の比較的大きい先端角を有する切刃により穿孔された複合材の孔の周囲に過渡的なデラミネーションが発生しても、このデラミネーションはこれに続く比較的小さい先端角を有する切刃による切削の際に除去される。
【0030】
さらに、本実施形態のドリル21によれば、図4(a3)(b3)に示す切刃6は、先端角0°で、かつ、逃げ角εを有するリーミング用の切刃を構成する。穿孔に続き、この切刃によるリーマ仕上げが可能となる。さらに、切刃によるリーマ仕上げ加工に続き、マージン5によるバニシング仕上げ加工が施され、被加工穴は精密に仕上げられる。このような穿孔から仕上げ加工までをドリル21により行うことができる。
【0031】
また、本実施形態のドリル21は、ねじり溝に沿った4条のマージン5を有している。
この4つのマージンによりどの断面でもドリル21は4点で支持され、ねじりが入ることにより4支点の位置が軸方向位置により移動する。そのため、被加工穴やブッシュガイドの内面に安定性よく保持され、曲がりの少ない穴加工が可能である。
【0032】
本実施形態のドリル21によれば、切刃6の先端角及び逃げ角は連続して変化しており、刃先に欠損しやすい角が生じず、逃げ面に摩耗しやすい角が生じず、耐摩耗性が良好であり、以上の高精度の穿孔を長期に亘り可能とする。
【0033】
次に、ドリル21の中心位置先端角Aを120°とし、のみ刃部1の細長比(L1/φD1)を1.6としたドリル21aにより、図5に示す構成材30を穿孔する場合につき説明する。図5に示すように構成材30は金属材31と繊維強化樹脂複合材32とが合わされてなる。
【0034】
図5(a)〜(c)は、ドリル21aにより構成材30を金属材31側から穿孔する場合を示す。ドリル21aの切刃の先端は滑らかな曲線に形成されているので、金属材31から繊維強化樹脂複合材32まで円滑に切削が進行する。図5(b)に示すように、ドリル先端側の比較的大きい先端角を有する切刃により繊維強化樹脂複合材32が切削される。穿孔された繊維強化樹脂複合材32の孔の周囲に過渡的なデラミネーションが発生しても、このデラミネーションはこれに続く比較的小さい先端角を有する切刃による切削の際に除去される(図5(b)→(c))。さらに、図5(c)に示すように、先端角0°で逃げ角εの切刃が被削面に対し平行に当り切削するのでバリ等の発生が生じない。
【0035】
図5(d)〜(f)は、ドリル21aにより構成材30を繊維強化樹脂複合材32側から穿孔する場合を示す。ドリル21aの切刃の先端は滑らかな曲線に形成されているので、繊維強化樹脂複合材32から金属材31まで円滑に切削が進行する。図5(d)に示すように、ドリル先端側の比較的大きい先端角を有する切刃により繊維強化樹脂複合材32が切削される。穿孔された繊維強化樹脂複合材32の孔の周囲に過渡的なデラミネーションが発生しても、このデラミネーションはこれに続く比較的小さい先端角を有する切刃による切削の際に除去される。さらに、先端角0°で逃げ角εの切刃が繊維強化樹脂複合材32及び金属材31の被削面に対し平行に当り切削するのでバリ等の発生が生じない。
【0036】
以上のドリル21aにより構成材30を金属材31側から穿孔する場合、及びドリル21aにより構成材30を繊維強化樹脂複合材32側から穿孔する場合のいずれにおいても、図6に示すように、繊維強化樹脂複合材32及び金属材31においてバリ等の発生が生じていない綺麗で精度の良い孔33を加工することができる。
【0037】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態につき説明する。図7は本発明の第2実施形態のドリルを示す断面図である。断面の位置関係は図2と同様である。本実施形態のドリル22は、すくい角の付いた切刃を持った金属加工に適したドリルである。
図7(a1)〜(a3)及び(b1)〜(b3)に示すように、切刃6aにすくい角を設けている。すなわち、切刃6aのすくい面7aは、被削面に垂直な線10より逃げ面8側に傾斜している。その他の形状は、第1実施形態のドリル21と同様である。各部の寸法は用途に合わせて設計される。
【0038】
このドリル22を金属加工に適用する場合は、例えば図8に示すようにのみ刃部1の細長比(L1/φD1)を複合材用のものに比較して小さくする。この場合、ドリル22の切刃6の先端を、図8に示すような曲率半径Rの一つの円弧による円弧状に形成することができる。一つの円弧による円弧状に形成すれば、ドリルの製作は比較的容易となる。
【0039】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態につき説明する。図9は本発明の第3実施形態のドリルを示す側面図である。図10は、図9に示すG−G線における断面図である。本実施形態のドリル23は、上記第1実施形態のドリル21におけるねじれ溝3をV溝11に代えたものである。
【0040】
図9に示すようにドリル23は、のみ刃部1bとシャンク部2とを有する。のみ刃部1bには、一対の切刃6b,6bが中心軸9について対称に設けられている。切刃6b,6bはそれぞれすくい面7b及び逃げ面8bを有する。図9、図10に示すように、のみ刃部1bとシャンク部2の間には2本のV溝11,11が形成されている。V溝11は、のみ刃部1bのシニングによる欠落部分を含め中心軸9に沿ってストレートに形成されている。
【0041】
図10に示すように、V溝11,11の間に形成されたランド部12のV溝11,11に沿った両縁にマージン13,13が形成されている。このマージン13は、被加工穴の内面に当りドリルを支持するとともにバニシング加工を施す部分である。この4つのマージンによりどの断面でもドリル23は4点で支持される。ねじりによる支持性は無いが、被加工穴やブッシュガイドの内面に安定性よく保持され、曲がりの少ない穴加工が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 のみ刃部
2 シャンク部
3 ねじれ溝
4 ランド部
5 マージン
6 切刃
7 すくい面
8 逃げ面
11 V溝
12 ランド部
13 マージン
φD1 最大径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切刃の先端角が中心位置から最大径位置に向けて中心位置先端角A°(但し、0°<A°<180°)から最大径位置先端角0°まで連続した変化により減少し、切刃の逃げ角が中心位置から最大径位置に向けて連続した変化により減少し、最大径位置において逃げ角を有する形状に形成されたドリル。
【請求項2】
前記切刃の先端が放物線の一部からなる放物線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
【請求項3】
前記切刃の先端が一つの円弧による円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
【請求項4】
前記中心位置における逃げ角をδとして、δ>(180−A)/2 の関係が成立する中心位置先端角A及び中心位置逃げ角δを有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のドリル。
【請求項5】
前記切刃はすくい角を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のドリル。
【請求項6】
前記切刃のすくい角がゼロであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のドリル。
【請求項7】
2条のねじれ溝を有し、前記ねじれ溝の間に形成されたランド部の前記ねじれ溝に沿った両縁にマージンを有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のドリル。
【請求項8】
前記切刃の中心軸に沿った長さが、前記最大径に対して1.6倍以上にされてなることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載のドリル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−135873(P2012−135873A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−55464(P2012−55464)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2006−213319(P2006−213319)の分割
【原出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】