説明

ナノパターンライター

【課題】ナノパターンを形成する従来の技法は、光リソグラフィ、プラズマエッチング、電子ビームリソグラフィ等などの複雑なプロセスを伴うが、十分に微細なナノ構造パターンを達成することができない。
【解決手段】
第1の層に1つ又は複数の溝を形成し、前記第1の層上に物質を堆積して前記第1の層上に膜を形成し、前記第1の層上の前記膜を研磨することによって前記第1の層の前記1つ又は複数の溝を埋めるパターン状の膜を形成し、前記パターン状の膜の上に第2の層を配置することによって前記第1の層と前記第2の層の間に前記パターン状の膜を介在させた層状構造を形成し、前記第1の層及び前記第2の層の一部を除去することによって前記パターン状の膜の一部を露出させることを備える、ナノパターンライターを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年のナノテクノロジの発展は、ナノ構造のナノパターンにより実現可能な優れた特性によってナノ構造の応用分野を広げてきた。プレートに形成したナノパターン(例えば、大きさ、形状)が、このプレートの特性(例えば、防汚性、反射防止性、反射性、付着性、非付着性、生体適合性など)を決定し得る。そのようなナノパターンは、例えば、ナノパターン導電線を内部に有するナノスケール装置の実装を容易にすることもできる。ナノパターンを形成する従来の技法は、光リソグラフィ、プラズマエッチング、電子ビームリソグラフィ等などの複雑なプロセスを伴うが、十分に微細なナノ構造パターンを達成することができない。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【図1】ナノパターンライティング装置の例示的な一実施形態の概略図である。
【図2】ナノパターンライターの第1の層の例示的な一実施形態の斜視図である。
【図3】図2に示す第1の層の断面図である。
【図4】膜を第1の層と第2の層の間に介在させた層状構造を形成するように第2の層が上に配置された図2に示す第1の層の斜視図である。
【図5】4つの断片に切断した図4に示す層状構造の斜視図である。
【図6】図5に示す4つの断片のうちの1つの斜視図である。
【図7】第1の層及び第2の層の上部を除去した図6に示す層状構造の一断片の斜視図である。
【図8】三層構造の例示的な一実施形態の斜視図である。
【図9】三層の上部を除去することによって2列のナノニードルを有するナノパターンライターを製造した、図8に示す三層構造の断片の斜視図である。
【図10A】図7に示すナノパターンライターを用いてプレートにナノパターンを形成するプロセスを例示する斜視図である。
【図10B】図7に示すナノパターンライターを用いてプレートにナノパターンを形成するプロセスを例示する斜視図である。
【図11】ナノパターンライターを製造する方法の例示的な一実施形態の流れ図である。
【図12】図11に示す方法のオペレーションを制御するためのコンピュータ/コントローラの例示的な一実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
<概要>
ナノパターンライターについての装置、方法、技法を提供する。一実施形態では、ナノパターンライターを製造する方法は、第1の層に1つ又は複数の溝を形成し、この第1の層上に物質を堆積して第1の層上に膜を形成し、第1の層上の膜を研磨することによって第1の層の1つ又は複数の溝を埋めるパターン状の膜を形成し、このパターン状の膜の上に第2の層を配置することによって第1の層と第2の層の間にパターン状の膜を介在させた層状構造を形成し、第1の層及び第2の層の一部を除去することによってパターン状の膜の一部を露出させることを含む。
【0004】
前述の概要は、例示に過ぎず、決して限定をするものではない。上記の例示の態様、実施形態及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになろう。
【0005】
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面の参照がなされる。添付図面では、文脈上別段の定めがない限り、典型的には、同様の符号は、同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面及び特許請求の範囲に記載した例示的な実施形態は、限定するものではない。本明細書に提示した対象の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更がなされてもよい。本明細書に全体的に記載するように、図に示した本開示の各態様は、幅広い種類の構成にアレンジ、置換、組み合わせ、分離及び設計されてもよく、それらの全ては、本明細書において明確に検討されていることは容易に理解されよう。
【0006】
図1は、ナノパターンライティング装置100の例示的な一実施形態の概略図を示す。図示の通り、ナノパターンライティング装置100は、ナノパターンライター120と、ダイ140と、機械加工部160と、プロセッサ180とを備えることができる。機械加工部160は、パターン付けされるプレート(図示せず)を移動及び位置決めするように構成され得る。機械加工部160は、ナノパターンライター120を移動及び位置決めするように構成することもできる。利用する処理手法(例えば、エッチング、スクラッチングなど)に応じて、機械加工部160は、プレート、ナノパターンライター120、又はプレート及びナノパターンライター120を移動又は位置決めすることができる。例えば、機械加工部160は、ダイ140の表面上へプレート(例えば、半導体基板)を位置決めするように構成されるロボットアーム(図示せず)を含んでもよい。このロボットアームは、ダイ140に載っているプレートの表面上へナノパターンライター120を押圧及び/又はその表面上で移動することによってナノパターンを形成する(例えば、プレートの表面を引っかく)ことができる。代替として、機械加工部160は、ナノパターンライター120及びプレートをどの方向(例えば、垂直方向)にも動かさずに、パターン付けされるプレートの表面にナノパターンライター120を押圧するように操作することによって、プレートの表面にナノパターン(例えば、点の列)を形成することができる。機械加工部160は、例えば、プレートが延びる方向に対して垂直方向又は水平方向にナノパターンライター120を移動させることによって、ナノパターンライター120を用いてプレートの表面にナノパターン(例えば、線の列)を形成するようにさらに構成されてもよい。機械加工部160は、限定するものではないが、ロボットアーム、モータ、コンベヤベルト、又はそれらの組み合わせなどの1つ又は複数の移動装置を含んでもよい。
【0007】
プロセッサ180は、ナノパターンライティング装置100の動作全体を制御するように構成することができる。例えば、プロセッサ180は、使用者(例えば、オペレータ)から入力を受け取って、機械加工部160を動作させ、使用者による目視のためにナノパターンライティング装置100の動作状態を表示するように構成されてもよい。プロセッサ180は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラなどを含み得る。プロセッサ180が実行するためのオペレーティングシステム、少なくとも1つのアプリケーションプログラム、又は他のプログラムモジュールなどのソフトウェアアプリケーションを記憶するために、少なくとも1つのシステムメモリが、プロセッサ180に組み込まれ、又はプロセッサ180に結合されてもよい。
【0008】
ダイ140は、パターン付けされるプレートを載せるために設けられ得る。ダイ140は、ナノパターンライター120をダイ140上のプレートの表面と接触させるときに、プレートを保持するように構成することができる。ダイ140は、プレートを取り付けて、取り付けたプレート上でのナノパターンライター120を用いたナノパターン形成プロセスの実施を容易にするようにさらに構成されてもよい。ダイ140は、ナノパターンライター120をプレートの表面と接触させるときにプレートを固定するように、プレートの大きさに少なくともある程度基づいて設計され得る。このプレートは、例えば、機械加工部160を用いて、ダイ140上で位置決めできる。プレートが、ダイ140上で位置決めされると、ナノパターンライター120は、所定量の圧力をプレートに加えることができる。所定の圧力の量は、例えば、ナノパターンライター120の重量に比例してもよい。ナノパターンライター120は、ナノパターンライティング装置100の単一動作コンポーネントとしてダイ140と一体化していてもよい。
【0009】
図2〜図7は、ナノパターンライター製造時のナノパターンライター120などのナノパターンライターの段階例を示す。このナノパターンライターは、パターン付けされるプレートの表面を引っかくためのナノニードルの列を有し得る。いくつかの実施形態では、ナノパターンライターは、櫛状のナノパターンスクラッチャであり得る。図2は、ナノパターンライター(例えば、図1のナノパターンライター120)の第1の層210の例示的な一実施形態の斜視図を示す。図示の通り、第1の層210は、互いにほぼ平行である1つ又は複数の溝230を備える。第1の層210は、約15nm(ナノメートル)〜約30nm、約20nm〜約50nm、約30nm〜約70nm、又は約50nm〜約100nmの所定の深さ「D」を有することができる。第1の層210は、第1の層210の長さに沿って延びる1つ又は複数の溝230を備えることができる。一実施形態では、半導体加工、MEMS加工、又はナノテクノロジの分野における当業者に一般的によく知られている様々なエッチング技法のいずれかを用いて、第1の層210又は一部の第1の層210を部分的に除去して1つ又は複数の溝230を形成することができる。例えば、異方性湿式化学エッチング技法を用いて、次の通りの反応式で与えられるメカニズムによってリン酸過酸化水素水溶液中でGaAs製の第1の層210をエッチングしてもよい:GaAs+H3PO4+4H22→GaPO4+H3AsO4+4H2O。
【0010】
一実施形態では、第1の層210は、所定のパターン(例えば、複数の平行な線パターン)を有するように配列した1つ又は複数の溝230を有することができる。よく知られている様々なフォトリソグラフィ技法(又は他の同等な方法)のいずれかを用いて1つ又は複数の溝230のパターンを定めることができる。一実施形態では、フォトレジスト層(図示せず)が、第1の層210に形成され得る。次いで、フォトレジスト層を前述のフォトリソグラフィ技法のいずれか1つを用いて処理することによって第1の層210上のフォトレジスト層の一部を選択的に除去することができる。次いで、第1の層210の露出部分を(例えば、異方性湿式化学エッチングを用いて)エッチングすることによって1つ又は複数の溝230を形成することができる。フォトレジスト層は、例えば、酸素を含有するプラズマを用いて除去することができる。このようにして、1つ又は複数の溝230が、図2に示すように、第1の層210に形成され得る。一実施形態では、第1の層210に形成した1つ又は複数の溝230は、隣接した溝の間に所定の中心間距離「s」を有するほぼ均一な様式で配置され得る。この中心間距離「s」は、形成される所望のナノパターンに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、中心間距離「s」は、約10nm〜約20nm、約20nm〜約50nm、約30nm〜約100nm、又は約100nm〜約1000nmであり得る。ナノパターンライター120の所定の中心間距離「s」が広くなるにつれて、ナノパターンライター120によって形成されるナノパターンの線の間隔は大きくなってもよい。図2は、2つの隣接した溝の間にほぼ均一な中心間距離を有して直線的に延びる1つ又は複数の溝230を示すが、設計仕様に応じて、1つ又は複数の溝230は、異なるパターンを有するいろいろな方向に、及び/又はいろいろな中心間距離「s」で配置されてもよい(例えば、あるペアの2つの隣接した溝は、別のペアの2つの隣接した溝よりも互いにより近く間隔をおいて配置されてもよい)ことを理解されたい。
【0011】
1つ又は複数の溝230は、ナノパターンライティング装置100に用いられるナノパターンライター120の設計要件/仕様に基づいて変わり得る断面形状を有することができる。例えば、1つ又は複数の溝230は、ほぼ三角形の断面を有することができる。図2に示すように、1つ又は複数の溝230の断面は、ナノパターンライター120を用いて製造されるナノパターンの寸法/スケールに基づいて定めることができる所定の幅「w」及び所定の深さ「d」を有する底が尖った三角形の形状であってもよい。例えば、溝230の幅「w」及び深さ「d」は、ナノパターンライター120を用いて形成されるナノパターンの線の幅に基づいて決定される値を有し得る。ナノパターンライター120における溝230の幅「w」及び深さ「d」が大きくなるにつれて、ナノパターンライター120によって形成されるナノパターンの線の幅も大きくなり得る。いくつかの実施形態では、幅「w」は、約5nm〜約10nm、約10nm〜約15nm、約10nm〜約20nm、約10nm〜約50nm、約15nm〜約100nm、又は約100nm〜約1000nmであり得る。他の実施形態では、幅「w」は、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約50nm、又は約100nmであり得る。いくつかの実施形態では、深さ「d」は、約5nm〜約20nm、約10nm〜約30nm、約20nm〜約50nm、約15nm〜約100nm、又は約100nm〜約1000nmであり得る。他の実施形態では、深さ「d」は、約5nm、約10nm、約20nm、約50nm、又は約100nmであり得る。
【0012】
図3は、硬質物質製の膜が溝230を埋めている図2の第1の層210の断面図を示す。一実施形態では、硬質物質が、ナノニードル310の列を形成するようにパターン化した溝230を埋める。ナノニードル310は、ナノパターンライター120を用いてパターン付けされるプレートの表面を引っかくのに十分な所定の硬度を有する任意の種類の硬質物質で作製され、この硬質物質を含むことができる。例えば、ナノニードル310は、モース硬度に関して約7以上の硬度を有する様々な材料のいずれかで作製することができる。ナノニードル310は、石英、タングステン、炭化タングステン、炭化タンタル、又はダイヤモンドを含む硬質材料で作製することができるが、これらに限定するものではない。別の実施形態では、ナノニードル310は、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−7Al−4Mo、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−6Al−5Zr−0.5Mo−0.2Si、Ti−5.5Al−3.5Sn−3Zr−0.3Mo−1Nb−0.3Si、Ti−8Al−1Mo−1V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−15Mo−5Zr、Ti−13V−11Cr−3Al等などのチタン合金で作製され得る。
【0013】
1つ又は複数の溝230を埋めるために、硬質物質が、第1の層210の表面に堆積されてもよい。硬質物質の膜は、スパッタ堆積、プラズマ溶射、熱溶射、真空蒸着などを含むよく知られている様々な塗布技法のいずれかを用いて第1の層210の表面に堆積されてもよいが、それらに限定されない。一実施形態では、堆積した膜をよく知られている様々な研磨技法のいずれかを用いて研磨して、1つ又は複数の溝230を埋めるパターン状の膜を形成することができる。研磨技法には、化学機械研磨(CMP)、蒸気研磨(vapor polishing)、火炎研磨(flame polishing)などが含まれ得るが、これらに限定されない。研磨プロセス中に、膜が、第1の層210の表面に形成される。次いで、この膜を擦って、1つ又は複数の溝230の間(例えば、溝230同士の間の第1の層210の平面上)に形成される膜の一部を除去する。いくつかの実施形態におけるこの擦りプロセス(rubbing process)は、1つ又は複数の溝230内に配置した膜の一部を残す。1つ又は複数の溝230を埋める膜の一部は、1つ又は複数の溝230の深さ「d」とほぼ同じ又はそれ未満の高さを有し得る。このようにして、第1の層210の1つ又は複数の溝230を膜が埋める。硬質物質の膜は、第1の層210の長さに沿って延びるナノニードルの列310を形成することができる。他の実施形態では、ナノニードル310は、ほぼ均一な高さをやはり有し得る。
【0014】
図4は、第2の層410が上に位置する第1の層210の斜視図である。図示の通り、第2の層410を、膜で埋められた1つ又は複数の溝230を有する第1の層210の上面に配置することによって層状構造400を形成することができる。層状構造400は、ナノニードルの列310を備えた第1の層210及び第2の層410を含む。いくつかの実施形態では、ナノニードル310は、第1の層210と第2の層410の間に介在した膜によって形成される。第2の層410は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)などを含むよく知られている様々な堆積技法のいずれかを用いて第1の層210上に堆積することができるが、それらに限定されない。堆積プロセス中、層状構造400は、第1の層210と、第2の層410と、の間の良好な付着を確かなものとするために加熱されつつ押圧されてもよい。一実施形態では、第1の層210及び第2の層410は、ケイ素(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、GaAs/AlAs/SiGaAs、AlGaN/GaN/Siなどを含む様々な半導体材料で作製することができるが、これらに限定されない。代替として、第1の層210及び第2の層410は、非半導体材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、可撓性、寸法、コスト、耐久性等などの材料のある特定の特徴又は特性に基づいて選択することができる。第2の層410は、第1の層210の材料と同じ又は異なる材料で作製されてもよい。
【0015】
図5は、複数の断片に切断されている図4の層状構造400の斜視図を示す。図示の通り、第1の層210及び第2の層410で構成される層状構造400は、4つの断片510、520、530、540に分割され得る。図5は、単に説明の便宜のために4つの断片に切断した層状構造400を示しており、当業者は、層状構造400が、様々な個数の断片に切断されてもよいことを理解するであろう。かみそりの刃又は他の適切な切断器具を用いて層状構造400を断片510、520、530、540に分けることができる。図5に示すように、層状構造400は、「l」軸に沿って垂直に切断されてもよく、この「l」軸は、「n」軸によって示すように層状構造400の基部にほぼ垂直である(すなわち、「l」軸と「n」軸とによって形成される切断角αは、約90度である)。あるいは、層状構造400は、「l」軸と「n」軸とによって形成される切断角が鋭角を形成するように「l」軸に沿って切断されてもよい。すなわち、ナノニードル310が並べられる「l」軸と「n」軸の間の切断角αは、90度未満であってもよい。
【0016】
図6は、直立位置に配置した層状構造400の4つの断片のうちの1つ(例えば、断片510)の斜視図を示す。断片510は、第1の層210と、第2の層410と、の間にナノニードル310の列を有する。機械加工部(例えば、ロボットアーム)を使用して、直立位置に配置されるように断片510を(約90度)回転させることができる。図7は、第1の層及び第2の層の上部を除去した層状構造400の断片510の斜視図を示す。第1の層210の上部及び第2の層410の上部を除去してその中のナノニードル310を露出させる。第1の層210及び第2の層410の残りの部分(第1の層210及び第2の層240の残りの底部)が、本体部710を形成し、この本体部にナノニードル310が、固着され、又は取り付けられている。断片510の第1の層210及び第2の層410の上部を、よく知られている様々なエッチング技法のいずれかを用いて選択的に除去することによってナノニードル310の一部を露出することができる。例えば、異方性湿式化学エッチング技法を使用して断片510の第1の層210及び第2の層410の上部をエッチング及び除去することができる。このエッチングプロセス中、第1の層210及び第2の層410の上部又は一部を除去する間、断片510の底部をホルダ(図示せず)に取り付けて断片510をそこに固定していてもよい。このように、層状構造400の断片510を加工して、本体部710と本体部710に取り付けたナノニードルの列310とを有するナノパターンライター(例えば、図1のナノパターンライター120)を製造することができる。図7は、1段のナノニードル310を有するナノパターンライターを製造する例を示すが、2段以上のナノニードル310を有するナノパターンライターを製造することも可能であることを理解されたい。例えば、ナノニードル310を並べて2段のナノニードル(すなわち、断片510からなるある段、及び断片520からなる他の段)を有する一体化構造を形成できるように、層状構造400の一断片(例えば、図5の断片510)を、層状構造400の別の断片(例えば、図5の断片520)に固定してもよい。2段のナノニードルを有する一体化構造の上部を除去して断片510及び断片520中のナノニードルの列を露出させることによって、2段以上のナノニードルを有するナノパターンライターを製造することができる。
【0017】
図8は、第3の層810を第2の層410上に配置した三層構造800の例示的な一実施形態の斜視図を示す。第2の層410の長さに沿って延びる1つ又は複数のさらなる溝830が、第2の層410に形成され得る。さらなる溝830は、図2を参照して上述した溝230と同様の方法で形成することができる。第2の層410に形成される1つ又は複数のさらなる溝830のスケール/寸法/形状(例えば、各溝の幅及び深さ、各溝の断面形状、2つの隣接した溝の間の中心間距離など)は、第1の層210に形成される溝230のものとほぼ同じとすることができる。図示の通り、第2の層410の1つ又は複数のさらなる溝830は、第1の層210の溝230とほぼ平行に延び得る。いくつかの実施形態では、第2の層410の1つ又は複数のさらなる溝830は、第1の層210の1つ又は複数の溝230のパターンとほぼ同じパターンを有することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のさらなる溝830は、1つ又は複数の溝230の線状パターンと互い違いになっている線状パターンを有することもできる。例えば、1つ又は複数のさらなる溝830は、例えば、1つ又は複数の溝230が形成されている位置から右側に所定の距離又は寸法(例えば、2つの隣接した溝の間の中心間距離の半分)だけ水平方向にずらされた位置に形成することができる。図8は、2つの隣接したさらなる溝の間にほぼ均一な中心間距離を有して直線的に延びる1つ又は複数のさらなる溝830を示すが、設計仕様に応じて、1つ又は複数のさらなる溝830は、異なるパターンを有するいろいろな方向に、及び/又は2つの隣接したさらなる溝の間の中心間距離で配置されてもよいことを理解されたい。さらに、1つ又は複数のさらなる溝830のパターンは、図8に示すものから変更できる(例えば、あるペアの2つの隣接したさらなる溝は、別のペアの2つの隣接したさらなる溝よりも互いにより近く間隔をおいて配置されてもよい)。
【0018】
図3を参照して上述した1つ又は複数の溝230を埋める膜を形成するのと同様の方法で、膜を1つ又は複数のさらなる溝830内に堆積させて、第2の層410の1つ又は複数のさらなる溝830にさらなるナノニードルの列850を形成することができる。ナノニードル850は、所定の硬度を有する任意の種類の硬質材料で作製することができる。例えば、ナノニードル850は、ナノニードル310の硬度と同じ硬度(例えば、同じ物質)を有する物質で作製することができる。この硬質物質を第2の層410に堆積させて第2の層410の表面に膜を形成する。この硬質物質の膜をよく知られている様々な研磨技法のいずれかを用いて研磨することによって溝830内にパターン状の膜形成することができる。このようにして、膜が溝830を埋めることによって、第2の層410の長さに沿って延びるさらなるナノニードルの列850を形成することができる。
【0019】
図9は、三層の上部を除去することによって2列のナノニードルを有するナノパターンライターを製造した、図8に示す三層構造800の断片900の斜視図を示す。2列のナノニードルは、ナノニードルの列310及びさらなるナノニードルの列850によって形成することができる。第1の層210及び第2の層410を有する層状構造400を複数の断片に切断する(図5)のと同様の方法で、第1の層210、第2の層410、及び第3の層810を備える三層構造800は、よく知られている様々な切断技法のいずれかを用いて(例えば、かみそりの刃を用いて)断片900を含む複数の断片に切断又は分割することができる。断片900は、直立位置になるように90度だけ回転され得る。第1の層210、第2の層410、及び第3の層810の上部を、よく知られている様々なエッチング技法のいずれかを用いて選択的に除去することによってナノニードル310及びナノニードル850の上部を露出することができる。このようにして、2段のナノニードル(すなわち、ナノニードル310からなるある段、及びナノニードル850からなる他の段)を有するナノパターンライターを、三層構造800の断片900を用いて製造することができる。2段のナノニードルを有するナノパターンライターが、図9に示されているが、他の異なるパターンのナノニードル(例えば、3段のナノニードル)が、異なる設計仕様に応じて形成されてもよいことを理解されたい。
【0020】
図10A及び図10Bは、ナノパターンライター(例えば、図7のナノパターンライター)を用いてプレートにナノパターンを形成するプロセスを例示する斜視図を示す。図示の通り、本体部710と、本体部710に取り付けたナノニードルの列310と、を有するナノパターンライター120は、方向「m」に移動され得る。ナノパターンライター120は、ナノニードルの列310が、プレートの表面1010を引っかくことを可能にするいずれかの種類の機械加工部(例えば、ロボットアーム)を用いて移動することができる。ナノパターンライター120を移動することによって、プレート1010の表面内にナノパターン1070、及びナノパターン1090を形成する(それぞれ、図10A及び図10B)。プレート1010は、ガラス、半導体基板、フォトレジストなどを含み得るが、それらに限定されない。一実施形態では、ナノパターンライター120は、ナノパターンライター120が延びる方向「h」にほぼ垂直な方向「m」にプレート1010の表面上で移動させられ得る。この移動によって、プレート1010(図10A)の長さに沿って並ぶ複数の線を有するナノパターン1070を形成する。ナノニードル310の2つの隣接したニードルは、約5nm〜約30nm、約10nm〜約50nm、約15nm〜約70nm、又は約20nm〜約100nmの中心間距離を有することができる。ナノニードルの中心間距離により、ナノパターン1070における線の間隔を決定することができる。ナノパターンライター120の中心間距離が広くなるにつれて、ナノパターンライター120によって形成されるナノパターン1070における線の間隔は大きくなり得る。
【0021】
代替として、ナノパターンライター120は、ナノパターンライター120が延びる方向「h」に対して鋭角(例えば、約45度)を形成する方向「m」にプレート1010の表面上で移動させられることによって、プレート1010上で斜めに並ぶ複数の線を有するナノパターン1090を形成することができる(図10B)。本実施形態では、ナノパターンライター120を、ナノパターンライター120が延びる方向「h」に対して鋭角に(例えば、プレート1010の表面上で右上方向に向かって)移動させることによって、ナノパターン1070の線間隔よりも微細な線間隔を有するナノパターン1090を生成又は形成する。図10A及び図10Bは、ナノニードルの列310を有するナノパターンライター120を所定の方向に移動させることによってプレート1010にナノパターンを形成する方法を例示するが、様々なナノパターンのいずれかを、ナノパターンライターにおいて異なる配置(例えば、長方形パターン)のナノニードルを用い、及び/又はそのようなナノパターンライターを種々の方向に(例えば、ジグザグ経路で)移動させることによって形成することができることを理解されたい。長方形状に構成された複数段のナノニードルを有するナノパターンライターを、プレート1010の表面に向けて押圧することによって、ナノパターンライターの複数段のナノニードルの位置に対応する複数の点を有するナノパターンを形成することができる。
【0022】
図11は、ナノパターンライター(例えば、図7のナノパターンライター)を製造する方法の例示的な一実施形態の流れ図である。ブロック1110では、第1の層210が、ナノパターンライターのナノニードルの列を含むための1つ又は複数の溝を形成するために用意される。ブロック1120では、1つ又は複数の溝230が、第1の層210に形成される。よく知られている様々なエッチング技法のいずれかを用いて、第1の層210を加工して、第1の層210の長さに沿って延びる1つ又は複数の溝230を画定することができる。上記の通り、第1の層210に形成される1つ又は複数の溝230は、隣接した溝の間に所定の中心間距離「s」を有するほぼ均一な様式で配置され得る(図2)。中心間距離「s」は、ナノパターンライター120を用いて形成されるナノパターンにおける隣接した線の間の間隔を決定することができる。1つ又は複数の溝230の断面形状は、ナノパターンライティング装置100に用いられるナノパターンライターの設計要件/仕様に基づいて変わり得る。
【0023】
ブロック1130では、硬質物質を第1の層210上に堆積させて第1の層210の表面に膜を形成する。この膜は、第1の層210上へ堆積され、1つ又は複数の溝230を埋めてナノニードル310を形成する。ナノニードル310は、パターン付けされるプレートの表面を引っかくのに十分な所定の硬度以上の硬度を有する様々な材料のいずれかで作製することができる。ブロック1140では、この膜をよく知られている様々な研磨技法のいずれかを用いて研磨することによって、第1の層210における1つ又は複数の溝230を埋めるパターン状の膜を形成する。研磨プロセス中に、溝230の間の第1の層210の平面に形成される膜の一部を除去し、それによって溝230内に配置した膜の一部を残す。このようにして、第1の層210の溝230を膜が埋めることによってナノニードル310を形成することができる。ブロック1150では、第2の層410を、第1の層210の上面に配置又は堆積させて層状構造400を形成することができる。堆積中、層状構造400は、第1の層210と、第2の層410と、の間の良好な付着を確かなものとするために加熱されつつ押圧され得る。
【0024】
ブロック1160では、層状構造400は、複数の断片(例えば、図5の断片510、520、530、540)に分割され得る。層状構造400は、溝230が延びる方向にほぼ垂直な方向(すなわち、ここでは図5中の切断角αは約90度である)に切断され得る。代替として、層状構造400は、溝230が延びる方向に対して鋭い切断角(すなわち、ここでは切断角aは、90度未満である)で斜めに切断されてもよい。ブロック1170では、断片510に含まれる第1の層210及び第2の層410の一部が、よく知られている様々なエッチング技法のいずれかを用いて選択的に除去することができる。第1の層210及び第2の層410の一部をエッチングすることによって、第1の層210と第2の層410の間に配置されるナノニードル310の一部を露出する。このようにして、第1の断片510を加工してナノニードル310を有するナノパターンライター120を製造することができる。
【0025】
本明細書に開示した本プロセス及び方法ならびに他のプロセス及び方法については、それらプロセス及び方法において実行される機能は、異なる順序で実行されてもよいことを当業者は理解されよう。さらに、概説したステップ及び動作は、例として与えられたものに過ぎず、これらステップ及び動作の一部は任意であり、開示した実施形態の本質から逸れることなく、より少ないステップ及び動作に組み合わされてもよく、又は追加のステップ及び動作に拡張されてもよい。
【0026】
図12は、図11に示すプロセスの実施を制御できるコンピュータ又はコントローラの例示的な一実施形態の構成図を示す。図示の通り、コンピュータ/コントローラ1200が、プロセス構成部(「fab」)1210に結合している。プロセス構成部1210は、ウェハを移動させるためのロボット機構1212を用いて基板又はプレートを処理する様々なプロセスチャンバ1211のいずれかを含む。この処理は、堆積される材料の深さ/幅に基づいて変わる。次いで、プロセス構成部1210内の特定の材料を堆積及び/又はエッチングすることで知られている化学蒸着、物理蒸着、電気化学堆積、及び反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、パターンをエッチング及びインプリントすることができる。コンピュータ/コントローラ1200は、中央処理装置(CPU)1202と、メモリ1208と、サポート回路1206と、入出力(I/O)回路1204とを備える。CPU1202は、メモリ1208に格納されているソフトウェアを実行するようにプログラムされると、プロセス構成部1210のハードウェア及び/又はコンポーネントを制御するように構成される専用コンピュータになる汎用コンピュータであり得る。メモリ1208には、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リムーバブル記憶装置、ハードディスクドライブ、又は他の任意のデジタルメモリ装置が含まれ得る。I/O回路1204は、情報を表示又は出力するのに適したよく知られている表示装置を含み得るとともに、キーボード、マウス、トラックボール又は他の入力装置が、(プロセス構成部1210内に含まれるロボット1212によって実行される関連したアクションを含めて)プロセス構成部1210によって実行されるプロセス(すなわち、制御)を決定するためのコンピュータ/コントローラ1200の適切なプログラミングを可能にし得る。サポート回路1206は、当技術分野でよく知られており、キャッシュ、クロック、電源等などの回路を含む。メモリ1208は、CPU1202によって実行されると、コンピュータ/コントローラ1200によるプロセス構成部1210の種々のコンポーネントのデジタル制御を可能にする制御ソフトウェアを格納する。別の実施形態では、コンピュータ/コントローラ1200は、アナログであり得る。例えば、特定用途向け集積回路が、プロセス構成部1210内で起こるプロセスなどのプロセスを制御することができる。
【0027】
本開示は、本出願に記載した特定の実施形態の用語に限定されるものではなく、種々の態様を例示するものと意図される。当業者に明らかであるような多くの修正形態及び変更形態が、本開示の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得る。本開示の範囲内の機能的に均等な方法及び装置が、本明細書に列挙されたものに加えて、前述の記載から当業者に明らかであろう。そのような修正形態及び変更形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきであり、均等の全範囲とともに、それらに対してそうした特許請求の範囲は権利付与される。本開示は、特定の方法、反応物、化合物、組成物又は生体系に限定されるものではなく、当然ながら変更可能であることを理解されたい。本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定するものではないことも理解されたい。
【0028】
本明細書中の実質的にあらゆる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しては、当業者は、文脈及び/又は用途に合うように、複数形から単数形へ及び/又は単数形から複数形へ変換することができる。種々の単数/複数の置換が、理解しやすいように本明細書に明示的に記載され得る。
【0029】
一般に、本明細書中、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)で使用する用語は、一般に、「オープン(open)」な用語として意図される(例えば、用語「含む、備える(including)」は、「を含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも〜を有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む、備える(includes)」は、「を含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが当業者によって理解されよう。さらに、クレームの記載の導入が特定の個数を意図する場合、そうした意図は、当該クレームにおいて明示的に記載され、そのような記載がない場合、そうした意図も存在しないことが当業者によって理解されよう。例えば、理解を助けるものとして、後述の添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は複数の(one or more)」の使用を含んでクレームの記載を導入する場合がある。しかし、そうした句の使用は、同一のクレームが、導入句「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」又は「an」によるクレームの記載を導入が、そのようなクレームの記載の導入を含む任意の特定のクレームを、そのような記載事項をただ1つ含む実施形態に限定することを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、定冠詞を使用してクレームの記載を導入する場合にも当てはまる。加えて、クレームの記載の導入においてある特定の数が明示的に記載されている場合でも、そうした記載は、少なくとも記載した数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語を用いずに「2つの記載事項」をただ記載するときは、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B及びCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が使用されている場合には、一般に、そのような構成は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCとを全て、などを有するシステムを含むが、これらに限定されるものではない)。「A、B及びCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が使用されている場合には、一般に、そのような構成は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCとを全て、などを有するシステムを含むが、これらに限定されるものではない)。さらに、2つ以上の択一的用語を表す実質的にあらゆる離接語及び/又は離接句は、詳細な説明、特許請求の範囲、図面のどこにあっても、これら用語の一方(one of the terms)、これら用語のどちらか(either of the terms)、又は両方の用語(both terms)を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A」又は「B」という句は、「A」又は「B」、あるいは「AかつB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0030】
当業者に理解されるように、記述を行う観点など、いずれか及び全ての目的のため、本明細書に開示した全ての範囲は、任意の及び全部の可能性がある部分的範囲及びその部分的範囲の組み合わせも包含する。任意の挙げた範囲は、同一の範囲が、少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分などに分解されることを十分に説明し、それらを十分に可能にするものとして容易に認識できよう。限定されない例として、本明細書に開示した各範囲は、3分の1の下側、3分の1の中央、及び3分の1の上側などに容易に分解することができる。また、当業者に理解されるように、「まで」、「少なくとも」等などの全ての文言は、記載した数を含むと共に、上記の部分的範囲に続いて分解できる範囲を指している。
【0031】
前述より、本開示の種々の実施形態を例示の目的で本明細書に記載してきたが、種々の修正形態が本開示の範囲及び精神から逸脱することなくなされてもよいことが理解されよう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は、限定するものではなく、その実際の範囲及び精神は、添付の特許請求の範囲によって示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層に1つ又は複数の溝を形成することと、
前記第1の層上に物質を堆積して前記第1の層に膜を形成することと、
前記第1の層上の前記膜を研磨することによって前記第1の層の前記1つ又は複数の溝を埋めるパターン状の膜を形成することと、
前記パターン状の膜の上に第2の層を配置することによって前記第1の層と前記第2の層の間に前記パターン状の膜を介在させた層状構造を形成することと、
前記第1の層及び前記第2の層の一部を除去することによって前記パターン状の膜の一部を露出させることと、
を備える、ナノパターンライターを製造する方法。
【請求項2】
前記層状構造を第1の断片及び第2の断片に切断することと、
前記第1の断片の一部を除去することによって前記第1の断片中の前記パターン状の膜の一部を露出させることと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の断片を前記第2の断片に取り付けることによって、前記第1の断片中の前記パターン状の膜及び前記第2の断片中の前記パターン状の膜を、互いにほぼ平行にさせることと、
前記第1の断片及び前記第2の断片の一部を除去することによって前記パターン状の膜の一部をあらわにすることと、
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物質が、モース硬度に関して7以上の硬度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記膜が、石英、タングステン、炭化タングステン、炭化タンタル、ダイヤモンド、又はチタン合金の少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の溝が、深さ約5nm〜約30nm、及び幅約10nm〜約50nmを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の溝が、ほぼ三角形の断面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記層状構造を切断することが、前記1つ又は複数の溝が延びる方向にほぼ垂直な方向に前記層状構造を切断することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の溝のうち2つの隣接した溝の間の中心間距離が、約5nm〜約30nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の層の前記1つ又は複数の溝がそれぞれ、ほぼ線状パターンを有するようにほぼ平行に延びる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の層に1つ又は複数のさらなる溝を形成することと、
前記第2の層上にさらなる膜を堆積することと、
前記第2の層上の前記さらなる膜を研磨することによって前記さらなる膜をパターン化して前記第2の層にさらなるパターン状の膜を形成することと、
前記さらなるパターン状の膜上に第3の層を配置することによって前記第2の層と前記第3の層の間に前記さらなるパターン状の膜を介在させた層状構造を形成することと、
前記第3の層の一部を除去することによって前記さらなるパターン状の膜の一部を露出させることと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の層の前記1つ又は複数のさらなる溝が、ほぼ線状パターンを有するようにほぼ平行に延びる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の層の前記1つ又は複数のさらなる溝が、前記第1の層の前記1つ又は複数の溝のパターンとほぼ同じパターンを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
プレート上にナノニードルの列を有するナノパターンライターを位置決めすることと、
前記プレート上で前記ナノパターンライターを移動させることによって前記ナノニードルの列に前記プレートの表面をひっかかせることと、
を備える、ナノパターンを形成する方法。
【請求項15】
前記ナノパターンライターを移動させることが、前記プレートが延びる方向に前記ナノパターンライターを移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ナノパターンライターを移動させることが、前記プレートが延びる前記方向から所定の角度を有する方向に前記ナノパターンライターを移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ナノニードルの列の2つの隣接したニードルの間の中心間距離が、約5nm〜約30nmである、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
溝を備える第1の層と、
前記溝に位置するナノニードルの列と、
前記第1の層及び前記ナノニードルの列を覆う第2の層と、
を備えるナノパターンライター。
【請求項19】
前記ナノニードルの列が、モース硬度に関して7以上の硬度を有する、請求項18に記載のナノパターンライター。
【請求項20】
前記ナノニードルの列が、石英、タングステン、炭化タングステン、炭化タンタル、ダイヤモンド、又はチタン合金の少なくとも1つを備える、請求項18に記載のナノパターンライター。
【請求項21】
前記ナノニードルの列が、1段のナノニードルを有するほぼ線状パターンを有する、請求項18に記載のナノパターンライター。
【請求項22】
前記ナノニードルの列が、2段以上のナノニードルを有するほぼ長方形パターンを有する、請求項18に記載のナノパターンライター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−518273(P2012−518273A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550076(P2011−550076)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005757
【国際公開番号】WO2011/025287
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510056353)コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション (15)
【Fターム(参考)】