説明

ナノ粒子およびその製造方法

活性物質の均一かつ定義可能な輸送を確実にする生物分解可能なナノ粒子を利用可能とし、そして同時にこれらのナノ粒子の製造のための好適な方法を提供するために、ナノ粒子は本質的に水性のゼラチンゲルからなり、ここで、上記ナノ粒子の平均直径が350nm以下、上記ナノ粒子の多分散性指数が0.15以下であり、ここで、上記製造方法のための出発物質としてゼラチンが使用され、分子量65kDa未満のゼラチンの全ゼラチンに対する比率が40重量%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、ナノ粒子、薬物の製造のためのナノ粒子の使用およびナノ粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤のための担体システムとしてのナノ粒子は、70年代から知られている。それらは、体の所望の領域への活性物質の標的輸送を促進し、ここで、その放出は標的部位のみで起こる(所謂ドラッグデリバリーシステム)。同時に、未だ放出されていない活性物質は、体の代謝の影響に対して有効に保護される。その結果、活性物質の分子がそれらの実際の標的部位に圧倒的かつ選択的に到達し、かつ生物体全体に対する負荷がより少ないため、副作用が最小化されることができる。
【0003】
ポリアクリレート、ポリアミド、ポリスチレンおよびシアノアクリレートなどの多数の合成出発物質がナノ粒子の製造についての文献中に記載される。しかし、これらの巨大分子の決定的な不利益は、それらの生物分解性が低いかまたはないことである。
【0004】
なかでも、フィブロネクチン、多様なポリサッカライド、アルブミン、コラーゲンおよびゼラチンが、体内で分解可能な自然の担体材料として知られている。
【0005】
知られたナノ粒子においては一部、均一な放出および輸送行動の目的に関して不利益である、広いサイズ分布におけるさらなる困難性がある。かかるナノ粒子のサイズ分布は、複雑な遠心分離および他の分離方法によってある程度狭められることができるが、満足のいく結果に導くものではない。
【発明の開示】
【0006】
本出願の基礎をなす目的は、したがって、活性物質の均一かつ定義可能な輸送を確実にする生物分解性のナノ粒子を作製することである。同時に、これらのナノ粒子の好適な製造方法を特定することが目的である。
【0007】
この目的は、冒頭に示されたタイプのナノ粒子の場合には、それらが水性ゼラチンゲルから本質的になることで達成され、ここで、該ナノ粒子の平均直径は、350nm以下であり、かつ該ナノ粒子の多分散性指数は0.15以下である。
【0008】
ゼラチンは、ナノ粒子のための出発物質として多くの利点を有する。それは、定義された組成および純度において利用可能であり、かつ比較的低い抗原としての能力を有する。さらに、ゼラチンは非経口的使用、なかでも血漿増補液として推奨される。
【0009】
さらに、ゼラチンのアミノ酸側鎖は、ナノ粒子の表面を化学的に修飾する、ゼラチンを架橋させるかまたは活性物質の分子を該粒子に共有結合させるという単純な可能性を提供する。
【0010】
「水性ゼラチンゲル」という用語は、本出願の意味の範囲内において、ナノ粒子中に含まれるゼラチンが水和形態、すなわちハイドロコロイドとして存在することを意味する。ナノ粒子がその製造および使用の間、常に水性溶液に取り囲まれているため、ナノ粒子のサイズおよび多分散性に関するすべての仕様はこの水和形態に関する。これらのパラメータの測定は、光子相関分光法(PCS)の標準的方法によって実施され、そして以下においてより詳細に記載される。
【0011】
「本質的に成る」という言い回しは、本発明の意味の範囲内においては、ナノ粒子が95重量%以上、好ましくは97重量%以上、より好ましくは98重量%以上、そして最も好ましくは99重量%以上の水性ゼラチンゲルから成ると理解されるべきである。
【0012】
多分散性指数は、ナノ粒子のサイズ分布について尺度であり、ここで、1(最大の分散)と0(すべての粒子が同じサイズ)の間の値が理論的に可能である。0.15以下である本発明のナノ粒子の低い多分散性指数は、活性物質の制御可能な輸送、並びに特に体細胞によるナノ粒子の吸収の間の所望の標的部位における放出を確実にする。
【0013】
0.1以下の多分散性指数を有するナノ粒子が特に好ましい。
【0014】
ナノ粒子のサイズは、それらの有用性の決定因子であり、適用分野によって変動しうる。多くの場合、200nm以下の平均直径のナノ粒子が好ましい。
【0015】
本発明のさらなる実施態様は、150nm以下、好ましくは80〜150nmの平均直径のナノ粒子に関する。これらは、所謂EPR効果(促進された透過性および保持)を引き出すことによって使用されてよい。特定のサイズ範囲のナノ粒子に関して、この効果は、健康な細胞よりもより大きな吸収率を有する腫瘍細胞の選択的な治療を促進する。
【0016】
ナノ粒子のサイズ分布についてのさらなるパラメータは、平均値より最大でも20nm大きいかまたは小さいことが好ましい直径の変動範囲である。この範囲も同様にPCS手段により測定されることができる。
【0017】
本発明のナノ粒子の性質は、その中に含まれるゼラチンの分子量分布にも影響される。この関係において、ナノ粒子中に含まれる全ゼラチンに対する低分子量ゼラチンの比率、特に65kDa未満の分子量のゼラチンの比率は、重要である。この比率は、好ましくは40重量%未満である。30重量%未満、好ましくは20重量%以下、の比率が特に有利である。
【0018】
技術水準において、(PCT国際特許出願公開第WO01/47501A1号中に記載されたようなコアセルベーション法により製造されたナノ粒子などの)さらなるポリマー構造を含むナノ粒子は、ゼラチンと関連して最も頻繁に記載される。純粋なゼラチンからここまで製造されたナノ粒子は、不安定であるかまたは活性物質の選択的な輸送のための粒子径およびサイズ分布に関する上記の有利なパラメータを有さない。
【0019】
更に好ましい実施態様においては、ナノ粒子中に含まれるゼラチンは架橋されている。ナノ粒子の安定性は、架橋形成によって顕著に増加し、そしてさらに、ナノ粒子の分解挙動は、選択された架橋の程度の結果として選択的に調節されることができる。別々の適用分野は通常、ナノ粒子の定義された分解時間を要求するため、これは有利である。
【0020】
特に、65kDa未満の分子量のゼラチンの比率が20重量%未満である場合の架橋については顕著である。
【0021】
架橋していないナノ粒子は、体外の、特に室温などのゼラチンの融点未満で実施可能な診断的適用に適している。
【0022】
これとは対照的に、上記の架橋ナノ粒子は特に治療的適用に好適である。
【0023】
ゼラチンは、ホルムアルデヒド、ジアルデヒド、イソシアネート、ジイソシアネート、カルボジイミドまたはアルキルジハライドなどによって化学的に架橋されることができる。
【0024】
或いは、トランスグルタミナーゼまたはラッカーゼなどによる酵素的架橋も行われることができる。
【0025】
さらなる実施態様においては、本発明のナノ粒子は、好ましくは、15重量%以下の水分含量となるまで乾燥される。
【0026】
本発明のさらなる実施態様は、その表面に医薬が結合されるナノ粒子に関する。
【0027】
好ましい実施態様においては、ナノ粒子の表面は、その結果として荷電した側鎖または新たな化学的官能基を有する側鎖が生じる、ゼラチンの遊離アミノ基またはカルボキシル基の反応によって、活性物質の結合の前に化学的に修飾される。
【0028】
ナノ粒子または化学的に修飾されたナノ粒子への医薬の結合は、共有結合またはイオン結合による吸着力によってもたらされることができる。例えば、DNAまたはRNA断片は、対応する化学的修飾の結果、表面が陽性に荷電したナノ粒子にイオン結合されることができる。
【0029】
さらなる実施態様においては、活性物質のナノ粒子への結合はスペーサーを介しておこる。
【0030】
上記のナノ粒子は、それらが薬物の製造のために架橋される限りにおいて本発明にしたがって使用されることができる。
【0031】
細胞内ドラッグデリバリーシステムのためのナノ粒子の使用は、特に核酸またはペプチドのための担体媒体として特に有益である。
【0032】
本発明によるナノ粒子による薬物治療は、遺伝子治療において好ましく使用されることができる。
【0033】
さらに、本発明は、冒頭で述べたタイプのナノ粒子の製造方法にも関する。
【0034】
方法に関する本発明の基礎をなす目的は、全ゼラチンに対する分子量65kDa未満のゼラチンの比率が40重量%以下である、ゼラチンが製造方法の出発物質として使用される発明によって達成される。
【0035】
かかるゼラチンを使用する結果、多分散性が低くかつ粒子直径の変動範囲の小さいナノ粒子、特に多分散性指数が0.15以下の本発明のナノ粒子、が単純なやり方で製造されることができる。
【0036】
本発明による方法の場合、かかるゼラチンからまず水性溶液が生成され、この溶液のpH値が次に7.0未満に調節される。この溶液に好適な沈殿剤を添加することにより、溶解されたゼラチンの脱溶媒和がナノ粒子の形態で起こり、これは次に単純な遠心分離によって溶液から分離される。密度勾配遠心法などによるナノ粒子の分画は必要でない、なぜなら、本発明による製造方法の結果としてそれらの多分散性は既に適切に低い範囲にあるからである。
【0037】
水性ゼラチン溶液への補助剤、特に塩または洗剤などの界面活性剤の添加は、本発明の方法の枠組み内では必要でない。したがって、本発明のナノ粒子は、特定の添加剤を本質的に含まないことが好ましい。したがって、本発明による方法は、水性ゼラチンゲルのみから本質的に成るナノ粒子の製造を進にする。
【0038】
上記の分子量分布を有するゼラチンを使用した結果、安定なナノ粒子の生成が確実となる。この方法の場合、低分子量の比率のより高いゼラチンは、多くの場合、より大きな凝集または不安的な粒子の生成をもたらす。
【0039】
分子量65kDa未満のゼラチンの比率は、30重量%以下が好ましく、20重量%以下であることが最も好ましい。
【0040】
上記方法の好ましい実施態様においては、ゼラチンの調節されたpH値は、3.0以下であり、1.5〜3.0であることが好ましい。この範囲内では、pH値を介する影響は、部分的に平均粒子サイズに及び、ここで、より低いpH値はより小さなナノ粒子に導く傾向にある。
【0041】
さらなる、好ましい実施態様においては、アセトン、エタノールなどのアルコールが沈殿剤として使用されるかまたはこれらの沈殿剤の混合物若しくはこれらの沈殿剤と水との混合物が使用され、ここで、アセトンが沈殿剤として好ましい。
【0042】
かかる揮発性の沈殿剤を使用した結果、ナノ粒子中に取り込まれ及び/又はナノ粒子中に残存する沈殿剤の比率をかなりの程度回避し、そしてナノ粒子が水性ゼラチンゲルのみから本質的に成ることが可能である。
【0043】
架橋されたナノ粒子の製造のためには、沈殿剤が添加された後でかつ遠心分離の前に架橋剤が添加される。この実施態様においては、架橋の間の粒子の凝集を妨げるためには、分子量65kDa未満のゼラチンの比率が20重量%以下であることが好ましい。この方法により、変動が±20nm以下の範囲であり、かつ多分散性指数が0.1以下である、非常に均一なナノ粒子が製造されることができる。
【0044】
分子量分布の測定
ゼラチンから製造されたナノ粒子の性質は、上記のように、このゼラチンの分子量分布を介する影響を受けることができる。分子量分布は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって確認されることができる。
【0045】
測定は、以下の成分を有するHPLCシステムを用いて実施される:
HPLCポンプ: Pharmacia 2249
UV検出器: LKW2151
分離カラム: プレカラムを備えたTFK 400 SWXL(Tosoh Biosep GmbH社)
フロー剤: 1重量%のSDS、100mmol/l Na2SO4、10mmol/l
NaH2PO4/NaOH pH5.3
【0046】
ゼラチンを30分間膨潤させ、次に約60℃で溶解させることによって、1重量%のゼラチン水溶液を生成する。0.2μlの使い捨てフィルターを通して濾過した後、30μlのゼラチン溶液を600μlのフロー剤及び30μlの0.01重量%の安息香酸溶液と混合する。この混合物20μlを用いて、流速0.5ml/分及び214nmでのUV検出でGPCを実施する。
【0047】
溶出体積と分子量の間の分配は、知られた分子量分布を有する標準的なゼラチンによるシステムのキャリブレーションによって行われる。それぞれの分子量範囲にあるゼラチンの比率は、クロマトグラムの定義された領域への再分割及びUV検出器シグナルの積分の結果として計算されることができる。
【0048】
図1においては、2つの異なるゼラチンのゲル透過クロマトグラムが例として図示される。
【0049】
図1Aは、ブルーム値(Bloom-Wert)175の市販の豚皮ゼラチン(ゼラチンタイプA)のGPCを示す。45重量%を超える、分子量65kDa未満のゼラチンの高い比率により、このゼラチンは本発明のナノ粒子の製造方法には適さず、かつ、多分散性の高すぎる粒子又は粒子の凝集に導く。
【0050】
図1Bは、ブルーム値310及び約15重量%の分子量65kDa未満のゼラチンの比率を有する豚皮ゼラチンのGPCを示す。このゼラチンは、本発明による製造方法に非常によく適している。
【0051】
平均粒子直径及び多分散性指数の測定
光子相関分光法は、ナノ粒子の平均粒子直径、多分散性指数及び平均値よりも上及び下の粒子直径の変動範囲の測定を可能とする。
【0052】
測定は、BI-200ゴニオメーターバージョン2(Brookhaven Instruments Corp., Holtsville NY, USA)によって実施した。この目的のために、脱ミネラル水中の10〜50μg/mlの濃度のナノ粒子懸濁液を使用した。
【実施例】
【0053】
実施例1
この実施例は、ゼラチンからなる架橋されたナノ粒子の製造を記載し、(分子量65kDa未満のゼラチンの比率が約15重量%である)該ナノ粒子のGPCを図1Bに図示する。
【0054】
上記ゼラチン300mgを50℃の水に溶解する。塩酸でpH値を2.5に調節した後、45mlのアセトンを滴下して加え、ゼラチンの脱溶媒和を実施する。10分間攪拌後、40μlの8%水性グルタルアルデヒド溶液を加え、そして続いてさらに30分攪拌する。このようにして架橋されたナノ粒子を、10,000gでの10分間の遠心分離により溶液から分離し、そしてアセトン/水(30/70)中に再分散させて3回すすぐ。最後の再分散に続いて、アセトンを50℃で蒸発させる。
【0055】
この単純な方法は、さらなる分離ステップなしに、約0.08の多分散性指数における約160nmの平均直径が上記のPCS法によって確認された、本発明のナノ粒子に導く。サイズクラスによるナノ粒子の分布を図3に図示する。
【0056】
架橋されないナノ粒子に対する比較試験は、出発物質中の比率にかなり対応する、生成されたナノ粒子中の低分子量ゼラチンの比率をもたらした。
【0057】
実施例2
架橋されたナノ粒子を実施例1のとおりに製造し、ここで、その分子量65kDa未満のゼラチンの比率が約19重量%である、ブルーム値270の豚皮ゼラチンを出発物質として使用する。
【0058】
本発明のナノ粒子について確認した約0.08の多分散性指数における約173nmの平均直径を、上記のPCS法によってただちに得た。サイズ分布は、実施例1により製造したナノ粒子に匹敵した。
【図面の簡単な説明】
【0059】
以下において、本発明は図面を参照しながら実施例に基づいてより詳細に説明される。これらは、詳しくは:
【図1A】(図1Aは)2つのゼラチンのうちの1つのゼラチンの分子量分布を示す、ゼラチンのゲル透過クロマトグラム。
【図1B】(図1Bは)2つのゼラチンのうちの1つのゼラチンの分子量分布を示す、ゼラチンのゲル透過クロマトグラム。
【図2】本発明によるナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明によって製造されたナノ粒子のサイズ分布。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性ゼラチンゲルから本質的になるナノ粒子であって、ここで、該ナノ粒子の平均直径が350nm以下であり、かつ該ナノ粒子の多分散性指数が0.15以下である、前記ナノ粒子。
【請求項2】
前記ナノ粒子の多分散性指数が0.1以下である、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項3】
前記ナノ粒子の平均直径が200nm以下である、請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項4】
前記ナノ粒子の平均直径が150nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項5】
前記ナノ粒子の直径の変動範囲が、前記平均直径よりも20nm以下小さい又は大きい範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項6】
前記ナノ粒子中に含まれる全ゼラチンに対する、65kDa未満の分子量のゼラチンの比率が40重量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項7】
前記ナノ粒子中に含まれる全ゼラチンに対する、65kDa未満の分子量のゼラチンの比率が30重量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項8】
前記ナノ粒子中に含まれる全ゼラチンに対する、65kDa未満の分子量のゼラチンの比率が20重量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項9】
前記ナノ粒子中に含まれるゼラチンが架橋されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項10】
前記ゼラチンが、ホルムアルデヒド、ジアルデヒド、イソシアネート、ジイソシアネート、カルボジイミド又はアルキルジハライドによって架橋される、請求項9に記載のナノ粒子。
【請求項11】
前記ゼラチンが酵素によって架橋される、請求項9に記載のナノ粒子。
【請求項12】
前記ゼラチンがトランスグルタミナーゼ又はラッカーゼによって架橋される、請求項11に記載のナノ粒子。
【請求項13】
前記ナノ粒子の水分含量が、15重量%以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項14】
医薬が前記ナノ粒子の表面に結合される、請求項1〜13のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項15】
前記医薬の結合が、前記ナノ粒子の表面の化学的修飾によりもたらされる、請求項14に記載のナノ粒子。
【請求項16】
前記医薬が吸着により結合される、請求項14又は15に記載のナノ粒子。
【請求項17】
前記医薬が、共有結合される、請求項14又は15に記載のナノ粒子。
【請求項18】
前記医薬が、イオン結合される、請求項14又は15に記載のナノ粒子。
【請求項19】
前記医薬がスペーサーを介して結合される、請求項14〜18のいずれか1項に記載のナノ粒子。
【請求項20】
薬物の製造のための生物分解可能な担体媒体としての、請求項1〜19のいずれか1項に記載のナノ粒子の使用。
【請求項21】
前記ナノ粒子が、細胞内ドラッグデリバリーシステムの一部、特に核酸又はペプチドのための担体媒体である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記薬物が遺伝子治療のための薬物である、請求項20又は21に記載の使用。
【請求項23】
水性ゼラチンゲルから本質的に成るナノ粒子の製造方法であって、以下のステップ:
(a)全ゼラチンに対する、分子量65kDa未満のゼラチンの比率が、40重量%以下である、水性ゼラチン溶液の製造;
(b)前記ゼラチン溶液のpH値の7.0未満の値への調節;
(c)沈殿剤を添加した結果としての前記ゼラチンの沈殿;及び
(d)遠心分離の結果としての前記ナノ粒子の分離。
を含む、前記方法。
【請求項24】
前記ステップ(a)において、全ゼラチンに対する分子量65kDa未満のゼラチンの比率が30重量%以下である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ステップ(a)において、全ゼラチンに対する分子量65kDa未満のゼラチンの比率が20重量%以下である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ステップ(b)において、前記pH値が3.0以下の値に調節される、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記ステップ(b)において、前記pH値が1.5〜3.0の範囲の値に調節される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ステップ(c)において、前記沈殿剤がアセトン、アルコール、又は該2つの混合物であり、水性溶液中で適用可能である、請求項23〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
以下のステップ:
(c’)前記ゼラチン溶液に架橋剤を添加する、
が前記ステップ(c)及び(d)の間に起こる、請求項23〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記架橋剤が、ホルムアルデヒド、ジアルデヒド、イソシアネート、ジイソシアネート、カルボジイミド及びアルキルハライドから選ばれる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記架橋剤が酵素である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記架橋剤がラッカーゼ又はトランスグルタミナーゼである、請求項31に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−510688(P2008−510688A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526390(P2007−526390)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008954
【国際公開番号】WO2006/021367
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(502084056)ゲリタ アクチェンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】