説明

ナビゲーション装置

【課題】本発明はナビゲーション装置に関するもので、不用意に本体ケースの取り付けが外れるのを抑制することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、吸盤2を有する取付体3と、この取付体に取り付けた本体ケース1とを備え、前記本体ケース1は表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、および地図データ記憶部を有し、前記取付体3には、前記吸盤2内面の吸引手段5を設け、この吸引手段5は、前記本体ケース1の振動を検出するポンプ容器6により駆動する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば自動車に取り付けられるナビゲーション装置は、取付体と、この取付体に取り付けた本体ケースとを備え、前記本体ケースは表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、および地図データ記憶部とを備え、前記取付体により自動車の車内に、前記本体ケースを取り付けるようにしている。
前記取付体として注目されているのは、吸盤タイプのものであり、吸着力を高めるために、吸盤の内面にゲル層を設けたものがある(たとえば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−285494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例のものでは、吸盤の内面にゲル層を設けているので、その吸着力は高くなるが、自動車の車内環境は極めて厳しく、つまり運転時の大きな振動、また季節ごとの高温、低温が加わるので、たとえ吸盤の内面にゲル層を設けていても、その吸着力が低下し、不用意に本体ケースの取り付けが外れることもある。
そこで、本発明は、不用意に本体ケースの取り付けが外れるのを抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この目的を達成するために本発明は、吸盤を有する取付体と、この取付体に取り付けた本体ケースとを備え、前記本体ケースは表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、および地図データ記憶部を有し、前記取付体には、前記吸盤内面の吸引手段を設け、この吸引手段は、前記本体ケースの振動を検出する検出手段により駆動する構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のように本発明は、吸盤を有する取付体と、この取付体に取り付けた本体ケースとを備え、前記本体ケースは表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、および地図データ記憶部を有し、前記取付体には、前記吸盤内面の吸引手段を設け、この吸引手段は、前記本体ケースの振動を検出する検出手段により駆動する構成としたものであるので、不用意に本体ケースの取り付けが外れるのを抑制することができる。
【0007】
すなわち、本発明においては、前記取付体に、前記吸盤内面の吸引手段を設け、この吸引手段は、前記本体ケースの振動を検出する検出手段により駆動する構成としたものであるので、例えば自動車の運転時に本体ケースに加わる振動を検出手段が検出するたびに、吸引手段が駆動され、その結果として吸盤内面の吸引力が改善されるので、不用意に本体ケースの取り付けが外れるのを抑制することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に関するナビゲーション装置の側面図
【図2】本発明の実施の形態2に関するナビゲーション装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1において、1はナビゲーション装置の本体ケースで、よく知られているように、この本体ケース1の表面側には表示部(図示せず)が設けられ、またこの本体ケース1の内部には、前記表示部に接続された制御部(図示せず)や、この制御部に接続された位置検出部(図示せず)、および地図データ記憶部(図示せず)が収納されている。
【0010】
以上のような、位置検出部、および地図データ記憶部を利用したナビゲーション、つまり目的地検索、ルート案内はよく知られているので、以降は本実施形態の特徴点である本体ケース1の取り付けについて説明する。
この本体ケース1は吸盤2を有する取付体3に取り付けられている。
取付体3は、吸盤2と、この吸盤2に上下動自在に支持された載置部4と、この載置部4の下方に設けた吸引手段5により構成されている。
【0011】
吸引手段5は塑性変形可能(変形可能であるが、初期の形状に戻ろうとする形態を言い、樹脂で形成すれば簡単に得られる)なポンプ容器6により構成されており、このポンプ容器6には二つの開口部7,8が設けられている。
【0012】
そして、開口部7には、ポンプ容器6内と、吸盤2内面(吸着面側)を連結する吸引パイプ9の一端が連結され、またこの吸引パイプ9の他端は吸盤2内面(吸着面側)に連結されている。
【0013】
また、開口部8は、ポンプ容器6外に空気を排出可能な第一の逆止弁(図示せず)を介してポンプ容器6外に開放されている。
さらに、吸引パイプ9の一端側、もしくは他端側には、吸盤2内面(吸着面側)の空気をポンプ容器6内に排出可能な第二の逆止弁(図示せず)を設けている。
【0014】
以上の構成において、取り付けは、先ず、図1のごとく、例えば自動車のフロントパネル10上に、吸盤2で取付体3を吸着取り付けする。この時、フロントパネル10上には、ポンプ容器6も置かれた状態となっているので、次にポンプ容器6に載置部4を載せ、その後この載置部4上に本体ケース1を取り付ける。
【0015】
この状態では、本体ケース1の振動は載置部4を介してポンプ容器6に加わるようになっているので、本実施形態では、ポンプ容器6を本体ケース1の振動を検出する検出部としている。
【0016】
以上の構成において、自動車を運転すると、振動が本体ケース1に加わり、その結果として載置部4を介してポンプ容器6を圧縮する力が働く。
【0017】
ポンプ容器6が圧縮されると、このポンプ容器6内の空気は、開口部8、ポンプ容器6外に空気を排出可能な第一の逆止弁(図示せず)を介してポンプ容器6外に放出される。
【0018】
このポンプ容器6は塑性変形可能な構成としているので、圧縮前の形状に戻ろうとするときに、開口部7、吸引パイプ9、吸盤2内面(吸着面側)の空気をポンプ容器6内に排出可能な第二の逆止弁(図示せず)を介して、吸盤2内面(吸着面側)の空気を、このポンプ容器6内に吸引することになる。
【0019】
この結果、吸盤2内面(吸着面側)の吸引力が改善されるので、不用意に本体ケースの取
り付けが外れるのを抑制することができる。
【0020】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2を示し、この例の吸引手段11は、吸盤2外に設けた吸引ポンプ12により構成している。
【0021】
吸引ポンプ12は円筒13と、この円筒13内を上下動する弁14により構成され、円筒13の下端開口部15は吸盤2の吸気口16を介して、この吸盤2内面(吸着面側)に連結されている。
また、円筒13の弁14下方の側面には、排気パイプ17が連結されている。
【0022】
さらに、下端開口部15の円筒13内面側には、吸盤2内の空気を、この吸盤2外に排出可能な第一の逆止弁(図示せず)を設けており、また、排気パイプ17には、吸引ポンプ12の円筒13内の空気を、排気パイプ17を介して円筒13外に排出可能な第二の逆止弁(図示せず)を設けている。
【0023】
一方、本体ケース1の振動を検出する検出手段18は、支点19の両側に力点20と作用点21を有するレバー22により構成しており、前記レバー22の力点20は本体ケース1の下部に、載置部4を介して当接させており、またこのレバー22の作用点21は吸引ポンプ12の弁14に操作桿23を介して連結している。
なお、この実施の形態2においては、載置部4の下方は、フロントパネル10上に浮いた状態となっている。
【0024】
この状態で、自動車を運転すると、振動が本体ケース1に加わり、その結果として載置部4を介してレバー22の力点20が下方に押し下げられ、この結果レバー22の作用点21が上昇し、これに伴って弁14も操作桿23を介して上昇する。
【0025】
円筒13内において弁14が上昇すると、この円筒13内の弁14下方は不圧となり、この結果として吸盤2内面(吸着面側)の空気は、下端開口部15、吸盤2内の空気を、この吸盤2外に排出可能な第一の逆止弁(図示せず)を介して円筒13内へと吸引されることになる。
この結果、吸盤2内面(吸着面側)の吸引力が改善されるので、不用意に本体ケース1の取り付けが外れるのを抑制することができる。
【0026】
また、自動車の運転による振動で、載置部4を介してレバー22の力点20が上方に持ち上げられるときには、レバー22の作用点21が下降し、これに伴って弁14も操作桿23を介して下降する。
【0027】
円筒13内において弁14が下降すると、この円筒13内の弁14下方の圧力は高くなり、排気パイプ17、円筒13内の空気を、排気パイプ17を介して円筒13外に排出可能な第二の逆止弁(図示せず)を介して、円筒13外に排出される。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように本発明は、吸盤を有する取付体と、この取付体に取り付けた本体ケースとを備え、前記本体ケースは表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、および地図データ記憶部を有し、前記取付体には、前記吸盤内面の吸引手段を設け、この吸引手段は、前記本体ケースの振動を検出する検出手段により駆動する構成としたものであるので、不用意に本体ケースの取り付けが外れるのを抑制することができる。
【0029】
すなわち、本発明においては、前記取付体に、前記吸盤内面の吸引手段を設け、この吸引手段は、前記本体ケースの振動を検出する検出手段により駆動する構成としたものであるので、例えば自動車の運転時に本体ケースに加わる振動を検出手段が検出するたびに、吸引手段が駆動され、その結果として吸盤内面の吸引力が改善されるので、不用意に本体ケースの取り付けが外れるのを抑制することができるのである。
したがって、カーナビゲーション装置などとしても活用が期待される。
【符号の説明】
【0030】
1 本体ケース
2 吸盤
3 取付体
4 載置部
5 吸引手段
6 ポンプ容器
7 開口部
9 吸引パイプ
10 フロントパネル
11 吸引手段
12 吸引ポンプ
13 円筒
14 弁
15 下端開口部
16 吸気口
17 排気パイプ
18 検出手段
19 支点
20 力点
21 作用点
22 レバー
23 操作桿



【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸盤を有する取付体と、この取付体に取り付けた本体ケースとを備え、前記本体ケースは表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、および地図データ記憶部を有し、前記取付体には、前記吸盤内面の吸引手段を設け、この吸引手段は、前記本体ケースの振動を検出する検出手段により駆動する構成としたナビゲーション装置。
【請求項2】
吸引手段は、本体ケースを受けるポンプ容器と、このポンプ容器と吸盤内面を連結した吸引パイプとにより構成した請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
ポンプ容器には、このポンプ容器外に空気を排出可能な第一の逆止弁を設け、吸引パイプにはポンプ容器内に空気を排出可能な第二の逆止弁を設けた請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
吸引手段は、吸盤外に設けた吸引ポンプにより構成し、検出手段は支点の両側に力点と作用点を有するレバーにより構成し、前記レバーの力点を本体ケースに当接させるとともに、このレバーの作用点を吸引ポンプに連結した請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
吸引ポンプには、吸盤内の空気をこの吸盤外に排出可能な第一の逆止弁と、この吸引ポンプ内の空気を、吸引ポンプ外に排出可能な第二の逆止弁を設けた請求項4に記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−208678(P2011−208678A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74718(P2010−74718)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】