説明

ナンキンムシ検出、監視及び防除技術

検出装置の1つの非限定的なバリエーションは、それぞれが1つ又はそれ以上の対象昆虫種の生化学反応を示す少なくとも1つの生化学物質を検出して対応するセンサ信号を供給するように構成される1つ又はそれ以上のセンサと、1つ又はそれ以上のセンサのそれぞれのセンサ信号に応答して1つ又はそれ以上の昆虫種が存在するかどうかを決定するとともに対応する出力信号を生成するコントローラと、出力信号に応答して1つ又はそれ以上の昆虫種の存在を表示するインジケータとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2006年10月23日に出願された米国仮特許出願第60/853,573号及び2006年10月25日に出願された米国仮特許出願第60/854,378号の優先権を主張しており、これらの米国仮特許出願のそれぞれは参照することによりその全体が本願に組み入れられる。
【0002】
本発明は、害虫防除に関し、特に、排他的ではないが、例えばナンキンムシを含む昆虫の検出、監視、及び、防除に関する。
【背景技術】
【0003】
最近のデータは、人間の住居のナンキンムシの侵入(トコジラミ種)が増加していることを示唆している。少なくとも92種類が世界中で特定されており、そのうちの少なくとも16種類が北アメリカ大陸に存在する。一般に、ナンキンムシは、その宿主が人間及び様々な家畜を含む寄生害虫である。現在、ナンキンムシ群を防ぐために持続型の残留殺虫剤がもはや使用されないため、ナンキンムシ侵入が少なくとも一部で更に問題になってきていると考えられている。また、海外旅行の増大及び殺虫剤耐性によって、ナンキンムシの侵入が拡大し、また、殺虫剤を用いた防除が非常に難しくなってきた。規模の点から見て、そのような侵入は、新聞での悪評又は酷評によってもたらされる企業評判リスクとなるため、ホテル経営者、観光船、列車、デイケア施設などにとって特に関心事である。他の問題のある領域としては、どちらかと言えば、介護施設、バラック、寮、病院、及び、様々な他の形態の高密集住居が挙げられる。それにもかかわらず、単一の家庭でも悪影響が及ぶ可能性がある。
【0004】
これらの住居の多くにおいて、持続型殺虫剤を噴射及び/又は散布によって広範囲に適用することは望ましくない。結果として、ナンキンムシ検出、監視、及び、防除に対する新たなアプローチが求められている。本出願は、ナンキンムシに対して適用できるだけでなく、他の種類の昆虫の検出、監視、及び、防除にも用途を見出すことができる、これらのラインに沿った貢献を与える。
【発明の概要】
【0005】
本出願の1つの実施形態は、昆虫の侵入を検出し、監視し、及び/又は、防除するための独特の技術を含む。他の実施形態は、ナンキンムシを検出し、監視し、及び/又は、防除するための独特の方法、システム、デバイス、及び、装置を含む。
【0006】
更なる実施形態は、それぞれが少なくともニトロフォリンを検出して対応するセンサ信号を供給するように構成される1つ又はそれ以上のセンサを含む検出装置と、1つ又はそれ以上のセンサのそれぞれのセンサ信号に応答してニトロフォリンがナンキンムシの存在を示すかどうかを決定し且つ対応する出力信号を生成するコントローラと、出力信号に応答してナンキンムシの存在を表示するインジケータとを含む。
【0007】
更に他の実施形態は、昆虫防除又は検出デバイスを作動させて、部屋内にナンキンムシが存在するかどうかを決定することを含み、これは、部屋からの物質を分析してニトロフォリンを検出すること、及び、物質の分析によってニトロフォリンが検出される場合にナンキンムシが存在することをオペレータに知らせることを含む。
【0008】
部屋内のナンキンムシの存在を決定するための更なる実施形態は、部屋から物質のサンプルを取得し、サンプルを分析して、物質中にニトロフォリンが存在するかどうかを決定し、ニトロフォリンの存在の決定に応じて、ナンキンムシの存在の表示を与えることを含む。
【0009】
したがって、本発明の1つの目的は、昆虫の侵入を防除するための独特の技術を提供することである。
【0010】
他の目的は、ナンキンムシを防除し或いは検出して監視するための独特の方法、システム、デバイス又は装置を提供することである。
【0011】
本出願の更なる実施形態、形態、特徴、態様、利点、利益は、明細書本文及び添付図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ナンキンムシの侵入を検出して対処するのに適したシステムの概略図である。
【図2】図1のシステムの第1のタイプのデバイスの概略部分断面図である。
【図3】殺虫剤を用いてナンキンムシを排除する図1のシステムの第2のタイプのデバイスの概略部分断面図である。この第2のタイプのデバイスは、図2のデバイスに加えて或いは代えて使用できる。
【図4】図1のシステムを使用するための1つの手続きを示すフローチャートである。
【図5】ナンキンムシの侵入に対処するのに適した第2のタイプのシステムの概略図である。
【図6】ナンキンムシを排除するための殺虫剤を含む図5のシステムの第1のタイプのデバイスの概略部分断面図である。
【図7】図5のシステムの第2のタイプのデバイスの概略部分断面図である。この第2のタイプのデバイスは、図6のデバイスに加えて或いは代えて使用できる。
【図8】図5のシステムを使用するための1つの手続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の原理の理解を促すため、ここで、図面に示される実施形態を参照するとともに、特定の言語を使用して実施形態を説明する。それにもかかわらず、これより、本発明の範囲を限定しようとするものでないことは言うまでもない。通常、本発明が関連する技術分野における当業者が想起するように、説明される実施形態における任意の変更及び更なる改良、並びに、本明細書中で説明される本発明の原理の更なる適用が考慮される。
【0014】
ここで、図1を参照すると、部屋15内での昆虫、例えばナンキンムシの侵入に対処するのに適したシステム10の概略図が示されている。システム10は少なくとも1つのデバイス20を含んでおり、デバイス20は、図示のように、ベッド40の脚部41に取り付けられるとともに、昆虫群、例えばナンキンムシ群を検出すること、監視すること、防除すること、のうちの1つ又はそれ以上に適している。システム10で使用されるデバイス20の総数は、侵入問題及び/又は効果的な除去が望まれる期間に関連して変動してもよい。ベッド40は、ボックススプリング45上に配置されるマットレス44のための支持体を形成するためにフレーム42及びヘッドボード43を介して互いに接続される脚部41b〜41dを更に含む。言うまでもなく、別の実施形態において、ベッドシステム40は、図1に示されるものに加えて或いは代えて1つ又はそれ以上の構成要素を備えていてもよい。例えば、他の実施形態において、ベッドシステム40は、ボックススプリング45又はヘッドボード43を欠いていてもよく、あるいは、フットボードを含んでいてもよい。更なる他の実施形態において、ベッドシステム40は、部屋15の床16の上に直接にセットされるボックススプリング45上にマットレス44を含むだけであってもよい。デバイス20は、釘、ネジ、ボルト、画鋲、クランプ、ストラップ、接着剤、テープ、フック、及び、ループコネクタ(VELCROなど)を含むがこれらに限定されない任意のタイプの留め具、及び/又は、当業者が想起するような異なる留め具類によってベッド脚部41aに取り付けられてもよい。図示しない別の実施形態では、デバイス20がベッドシステム40の構造体上の他の場所に配置されてもよい。例えば、デバイス20は、脚部41a〜41d、フレーム42、ヘッドボード43、マットレス44の一部、又は、ボックススプリング45上のうちのいずれかに配置されてもよい。他の別の実施形態において、デバイス20は、壁17又は18或いは部屋15の他の場所のうちのいずれかに配置されてもよい。
【0015】
言うまでもなく、図1に示されるように、システム10は部屋15内で使用されるべきであり、その場合、部屋15は、可能性のある例を幾つか挙げると、寮、ホステル、シェルター、ホテル、モーテル、朝食付きの宿、テント、キャビン、介護施設、病院、及び/又は、家に属する。更なる実施形態において、システム10は、ナンキンムシ摂食期間中、例えば夜間に血粉、特に人間の血粉がナンキンムシの存在し得る任意の場所で使用されてもよい。例えば、システム10は、乗り物(例えば、船又は大型バス)の寝室又はキャビン内、あるいは、保育園及び学校の寝室内に配置されてもよい。システム10は、各場所の特定の属性にしたがって個別に構成されてもよい。
【0016】
更に、指定された領域内でのデバイス20の配置は、異なる場所に伴って変動してもよいだけでなく、近くにナンキンムシがいそうな或いはナンキンムシの隠れ場所がありそうな見込みが高いことを示す物的証拠にしたがって変動することもできる。例えば、デバイス20は、ナンキンムシ排泄物又は糞便、脱皮した外骨格殻、卵、又は、血斑のうちの1つ又はそれ以上に近接して配置されてもよい。1つの実施形態において、デバイス20は、例えばマットレス44の近傍のように、人間の血粉群の想定し得る場所に近接して配置されてもよい。図示しない他の実施形態において、デバイス20は、割れ目、隙間、又は、裂け目の形態を成す1つ又はそれ以上のナンキンムシ隠れ場所又はその近傍に配置されてもよい。例えば、デバイス20は、部屋15内の壁17,18のいずれかの乾式壁体又は石膏の剥げた壁紙又は割れ目の近傍に配置されてもよい。また、壁17及び/又は18に装着された1つ又はそれ以上の装飾成形物を部屋15が含む実施形態の場合には、デバイス20がその装飾成形物に近接して配置されてもよい。1つの変形例において、デバイス20は、装飾成形物又はベッドルームで典型的に見出される他の一般的な装飾形体を擬態するように形成されて構成される。他の実施形態において、デバイス20は、例えば強固に留められ或いは丸めて片付けられるカーペットの縁の近傍のように、床16の表面上のフローリングに隣接して配置されてもよい。他の変形例において、デバイス20は、当業者であれば分かるように、供給エアダクト又は戻しエアダクトのうちの1つ又はそれ以上と連通してもよい1つ又はそれ以上のエアダクト排気口21又はその近傍に配置されてもよい。他の形態において、デバイス20は、排気口21を介して連通する供給エアダクト又は戻しエアダクト内に配置されてもよい。また、デバイス20がナンキンムシ防除にとって効果的な任意の位置に配置されてもよいと考えられる。
【0017】
図2の概略部分断面図にデバイス20が更に詳しく示されている。デバイス20は、相互接続センサ38と、コントローラ48と、インジケータ52と、電源56とを一般に含む検出装置37を収容する内部チャンバ35を囲繞する外壁34とトップカバー36とによって形成されるハウジング部材32を含んでいる。図示しない別の実施形態では、検出装置37が図2に示されるものに加えて或いは代えて1つ又はそれ以上の構成要素を含んでいてもよいと考えられる。更に、様々な実施形態では、検出装置37の構成要素が図2に示される形態とは別の1つ又はそれ以上の形態で設けられてもよいことは言うまでもない。
【0018】
センサ38は、デバイス20が配置される領域の環境に対して検出部42が外部から晒され得るように、開口40で外壁34を貫通して延びている。センサ38は、一般に、1つ又はそれ以上の生化学物質144をそれがナンキンムシ生化学反応を示すかどうかを決定するために分析するように構成されている。センサ38を用いて行なわれる生化学検出メカニズムの幾つかの詳細な例については、図1〜3に概ね関連して更に以下で説明する。検出部42は少なくとも一部がチャンバ35の外部にあるように示されているが、別の実施形態では、検出部42がチャンバ35内に完全に配置されてもよいことは言うまでもない。これらの実施形態において、デバイス20は、生化学物質を運ぶための1つ又はそれ以上の構成要素を含んでいてもよい。例えば、そのような物質144が空気中で運ばれる場合には、少なくとも生化学物質144の一部を開口40を通じて内部チャンバ35へ送り込んでセンサ38の検出部42と関与させるために、ファン又は吸引デバイスのような空気処理システムを含めることができる。他の形態において、デバイス20は、開口40に加えて、1つ又はそれ以上の開口を含んでいてもよい。この場合、それぞれの更なる開口は、媒体輸送生化学物質144を案内して内部に配置される検出部42と接触させるように構成される。例えば、デバイス20がエアダクト排気口21又はその近傍或いはエアダクトそれら自体の内部に配置される場合、開口は、デバイス20の周囲で移動する気流を導いて検出部42と接触させるように構成されてもよい。
【0019】
生化学物質144に反応して、センサ38は、信号経路46に沿ってコントローラ48へと伝えられる対応するセンサ信号を生成する。コントローラ48は、動作論理にしたがって動作して、ナンキンムシの存在及び/又は他の対象の昆虫タイプを表わす生化学反応の存在を信号が示すかどうかを決定する。コントローラ48は、単一のユニットとして構成され或いは2つ又はそれ以上のユニット間で分配されてもよい1つ又はそれ以上の構成要素から成っている。そのような構成要素は、当業者によって想起されるように、半導体要素、電磁要素、光学要素、及び/又は、異なる要素の類であってもよい。コントローラ48は、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は、これらのタイプの両方の混合の組み合わせを含んでいてもよい。1つの形態において、コントローラ48は、アルゴリズムを実行し且つプログラム命令によって規定されるその動作論理(ソフトウェア又はファームウェアなど)にしたがってデータを処理するプログラム可能な類のものである。これに代えて或いはこれに加えて、コントローラ48における動作論理は、少なくとも一部がハードワイヤード論理又は他のハードウェアによって規定される。
【0020】
コントローラ48がセンサ信号を受けて処理した後、コントローラ出力信号が信号経路45に沿ってインジケータ52へ出力される。インジケータ52は、一般に、ナンキンムシ生化学反応を示す生化学物質144の存在又は不存在を知らせるための出力を人間のオペレータに対して与えるように構成される。図2に示されるように、インジケータ52は、視覚マーカ54の形態を成す出力を含む。視覚マーカ54は、光の1つ又はそれ以上の形態が可能であるが、とりわけ例えば発光ダイオード(LED)、蛍光、白熱光、及び/又は、ネオンタイプを成していてもよい。それぞれの形態において、生化学物質144の存在は、例えば、別個のyes/noインジケータ、色変化、フラッシングシーケンス、又は、インジケータ状態の他の変化によって示されてもよい。別の形態において、インジケータ52は、比色ストリップ又は聴覚/音響信号の形態で生化学物質144の存在を示す出力を供給してもよい。1つの形態において、インジケータ52の出力が聴覚形態である場合、生化学物質144の存在は、幾つかの想定し得る例を挙げると、単一又は一連のビープ音、チャイム、リング、ホーン、及び、クリックうちの1つ又はそれ以上によって知らされてもよい。1つの実施では、より大きなナンキンムシ存在の検出に応じて、ナンキンムシの存在数を伴う表示を変える、例えばより強烈なカラー表示、音、及び/又は、より頻繁な聴覚表示を与えることにより、定量的な評価が与えられる。
【0021】
図2に示されるように、検出装置37は、必要に応じてコントローラ48、センサ38、及び/又は、インジケータ52へ電力を送るように構成された電源56を含んでいる。コントローラ48への電源経路58だけが図示されている。言うまでもなく、特定のタイプのセンサ38及び/又はインジケータ52が任意の必要とされる電力を必要に応じて経路46及び/又は58から引き出してもよく、また、更に他の実施形態では、そのような構成要素が、受動要素であり、任意のタイプの持続的な電源を必要としない。
【0022】
図示のように、電源56は、内部チャンバ35内に位置されており、例えば1つ又はそれ以上の電気化学セル又はそのようなセルのバッテリの形態を成して設けられてもよい。別の実施形態において、電力は、電気ソケット、例えば図1に示される壁レセプタクル19から外的に調達される。この場合、電源56が少なくとも部分的にデバイス20の外部にあるのが分かる。検出装置37がDC電源又はAC電源と共に用いるために変更されてもよく、また、構成要素の変更が電源の1つ又はそれ以上の形態の利用可能性に依存してもよいことは言うまでもない。他の形態では、検出装置37に対して電力を供給するため、再生可能外部電源、例えばデバイス20のトップカバー36上に配置される太陽電池が使用されてもよい。更に、他の実施形態では、センサ38、コントローラ48、及び、インジケータ52のうちの1つ又はそれ以上がそれぞれそれ自体の電源を含むことが考えられる。センサ38、コントローラ48、インジケータ52を含む検出装置37の構成要素が選択的に相互接続されてもよい。例えば、1つの構成では、適切な形態で構成される対応する信号を用いる有線技術又は無線技術を使用して、検出装置37の構成要素が相互に接続されてもよい。幾つかの実施が性質的に受け身であり、それにより、電源が必要とされなくてもよく、また、これに代えて或いはこれに加えて、コントローラが利用されなくてもよいことは言うまでもない。本出願の他のところで更に説明するように、1つ又はそれ以上のナンキンムシ固有の生化学品に対して感度が良い比色ストリップは、電源及びコントローラを欠くセンサ/インジケータデバイスの1つの非限定的な例を与える。
【0023】
ナンキンムシが検出されると、オペレータは、駆除プロセス、例えばナンキンムシに対して有毒な1つ又はそれ以上のタイプの殺虫剤の塗布を行なうかどかを決定することができる。以下、そのようなタイプの殺虫剤について図3を参照して更に説明する。図3は、システム10で用いるのに適し且つ昆虫群、例えばナンキンムシ群を検出すること、監視すること、防除すること、のうちの1つ又はそれ以上のために構成されたデバイス70の概略部分断面図を示している。デバイス70は、ハウジング部材74と対向してオペレータハンドル72を含んでいる。オペレータハンドル72は、一般に、人間のオペレータの手で握ることができるように構成されており、オペレータ把持能力を高めるためにローレット切り73を含んでもよい。図示しない別の形態において、オペレータハンドル72は、ローレット切り73に加えて或いは代えて1つ又はそれ以上の把持促進形体を含んでいてもよい。例えば、1つの形態では、オペレータハンドル72に対してゴムコーティングが施されてもよく、一方、他の形態では、オペレータハンドル72が1つ又はそれ以上の人間工学に基づくハンドグリップを含んでいてもよい。他の実施形態では、把持促進形体がハンドル72に何ら無くてもよい。
【0024】
ハウジング部材74は、検出装置81及び駆除装置109を収容して保護するように構成される内部チャンバ78を共に形成する外壁76及びトップカバー80を含む。検出装置81は、互いに接続されるセンサ82、コントローラ94、インジケータ100、及び、電源104を含む。図示しない別の実施形態では、検出装置81が図3に示されるものに加えて或いは代えて構成要素を含んでいてもよいと考えられる。更に、様々な実施形態では、検出装置81の構成要素が図3に示される形態とは別の1つ又はそれ以上の形態で設けられてもよいことは言うまでもない。
【0025】
センサ82は、デバイス70が使用されるべき領域の環境に対して検出部86が外部から晒され得るように、開口84で外壁76を貫通して延びている。センサ38と同様に、センサ82は、一般に、ナンキンムシの存在を示す1つ又はそれ以上の生化学物質144を分析するように構成される。センサ82を用いて行なわれる生化学検出メカニズムの幾つかの詳細な例については、図1〜3に概ね関連して更に以下で説明する。検出部86は、内部チャンバ78を越えて延びるように示されているが(少なくとも一部がチャンバの外部にある)、別の実施形態では、検出部86がチャンバ78内に完全に配置されてもよいことは言うまでもない。これらの実施形態では、前述したように、デバイス70が生化学物質144を運ぶための1つ又はそれ以上の構造を含み、それにより、生化学物質の全て或いは一部が内部に配置された検出部86と接触されてもよい。また、デバイス70は、開口84に加えて、1つ又はそれ以上の開口を含んでいてもよい。この場合、それぞれの更なる開口は、媒体輸送生化学物質144を案内して内部に配置される検出部86と接触させるように構成される。
【0026】
ナンキンムシ生化学反応を示す生化学物質144を検出すると、センサ86は、対応するセンサ信号を信号経路92を介してコントローラ94へ送る。コントローラ94は、コントローラ48に関連して説明したような任意の数の態様で構成することができる。コントローラ94がセンサ信号90を受けて処理した後、コントローラ出力信号が信号経路96に沿ってインジケータ100へ送られる。インジケータ100は、ナンキンムシ生化学反応を示す生化学物質144の存在をオペレータに知らせる出力信号を人間のオペレータに対して与えるように構成される。インジケータ100は、ナンキンムシ生化学反応類似性及び1匹又はそれ以上のナンキンムシの存在の確率を人間のオペレータに知らせるための視覚マーカ102を含む。視覚マーカ102は、一般に、視覚マーカ54に関して前述した態様と類似する態様で構成されて作用する。また、前述したように、インジケータ100は、視覚マーカ102に加えた或いは代えた1つ又はそれ以上の形態でナンキンムシを示す生化学物質144の存在を人間のオペレータに知らせるための出力を与えてもよい。例えば、聴覚信号又は比色ストリップが利用されてもよい。インジケータ100によって与えられる任意の出力信号が、インジケータ52によって与えられてもよい出力信号に関して前述した任意の1つ又はそれ以上の特徴を含んでもよいことは言うまでもない。
【0027】
コントローラ94、検出装置81、及び、駆除装置109のそれぞれに対して電力を供給する電源104が内部チャンバ78に含められる。装置81及び/又は109に対するそのような電力の供給は、コントローラ94を介して及び/又は図示しない別個の電力伝送経路によってなされてもよい。更なる他の実施形態では、装置81,109の構成要素の一部又は全てが性質的に受け身であり、それにより、持続的な電源を必要としない。電源104がDCバッテリの形態を成してもよく、あるいは、別の形態では、電源104が内部チャンバ78内に位置されなくてもよい。1つのそのような選択肢において、電源104は、AC源、例えば図1の壁レセプタクル19であってもよい。装置37に関して前述したように、装置81,109の構成要素が個別に給電されてもよく、また、1つ又はそれ以上の有線又は無線経路を介して装置81,109を相互に接続できると考えられる。
【0028】
検出装置81がナンキンムシの1つ又はそれ以上の生化学物質144を知らせると、人間のオペレータは、デバイス70を使用して、駆除装置109によって駆除を開始してもよい。駆除装置109はプッシュボタン110を含む。プッシュボタン110の押し下げに応じて、防除モジュール112は、解放信号を信号経路116によって駆除モジュール118へと送る。仮想線で示されるように、駆除モジュール118は、アプリケータチップ122と連通する内部リザーバ120を含む。アプリケータチップ122に隣接する閉位置へと閉塞部材123が付勢される。リザーバ120の内容物は、ナンキンムシに有毒な殺虫剤124を含む。信号経路116からの解放信号に応じて、部材123が開放し、流体の形態、例えばエアロゾル、ガス、液体、又は、粉末で殺虫剤124を解放する。押し下げられたボタン110をオペレータが解放すると、解放信号が状態を変え、それに応じて、部材123がその閉状態へと戻り、殺虫剤124の解放が止まる。
【0029】
図示しない別の実施形態において、駆除モジュール118は、コントローラ94に対して直接に接続されてもよく、また、人間のオペレータによる行為を何ら伴うことなく殺虫剤124を自動的に解放するために生化学物質144の存在に対して直接に反応してもよい。1つのそのような形態において、殺虫剤124は、生化学物質144が検出される領域に限定して制御解放される。他の実施形態では、駆除システム109が性質的に機械的であり、それにより、オペレータ解放ボタン110が押し下げられると、殺虫剤124の解放を可能にするために部材123が開放される。この形態において、駆除システム109は、検出装置81又は電源104に対する接続を何ら含まなくてもよい。殺虫剤124は、その非限定的な例が本明細書中で以下に与えられるが、当業者であれば分かるようにナンキンムシ群を駆除するのに有効な1つ又はそれ以上の形態を成してもよい。殺虫剤は、ナンキンムシによって摂取されるようになっている形態及び/又はナンキンムシの体との外的接触によって駆除できる十分な露出を行なうようになっている形態で供給することができる。更なる他の形態において、殺虫剤は、ナンキンムシの1つ又はそれ以上の呼吸孔を通じて吸入され得る蒸気形態で供給されてもよい。
【0030】
ここで、一般に図1〜3を参照すると、デバイス20,70は、特定のポリマー、木材、金属、又は、これらの任意の混合物を含む任意の数の適した材料を備えてもよい。また、更なる実施形態では、デバイス20のうちの1つ又はそれ以上がデバイス70のうちの1つ又はそれ以上と共に使用されてもよい。言うまでもなく、デバイス20,70のそれぞれは、図2及び図3のそれぞれに示されるような形態に限定されない。例えば、デバイス20が手持ち操作できるように構成されてもよく、一方、デバイス70が半永久配置のために構成されてもよい。更なる別の形態において、デバイス20,70は、例えば部屋15を走査するように構成された車輪付きデバイス又はロボットデバイスであってもよい。
【0031】
インジケータ52,100は、生化学物質144の肯定的又は否定的な表示に加えて、情報を与えてもよい。1つの形態では、センサ38,82によって使用される検体の相対濃度測定値又は定量的測定値がインジケータ52,100によって与えられてもよい。そのような情報が与えられる場合、センサ38,82は、関連情報が表示されるオペレータ観察スクリーンを含んでいてもよい。これらの形態において、コントローラ48,94は、予めプログラムされた制御モデルをインジケータ52,100に対して供給してもよく、この制御モデルに基づいて、人間のオペレータは、1匹又はそれ以上のナンキンムシが存在するかどうか或いは更なる検出が必要かどうかを決定するために検出された生化学物質144のレベルを比較してもよい。また、言うまでもなく、インジケータ52,100によって与えられる出力は、センサ38,86によって分析される生化学物質144の特性に関連して変化してもよい。例えば、生化学物質144の異なる濃度レベルに応じて、インジケータ52,100は、生化学物質144の濃度レベルに対応する輝度のレベルを含む視覚マーカ54,102を与えてもよい。これに加えて或いはこれに代えて、生化学物質144の濃度レベルに対応する音量レベル及び/又は出力シーケンスを含む聴覚/音響信号が与えられてもよい。
【0032】
更なる実施形態において、情報は、有線又は無線通信経路により、デバイス20,70から、更なるデータ収集及び分析のための遠隔場所へと中継される。この遠隔場所は、ホテル、介護施設、観光船、列車、寮、バラック、病院などの指定された部屋内のコンピュータネットワークによりデバイス20及び/又は70に結合されるコンピュータであってもよく、及び/又は、害虫防除サービスプロバイダビジネス場所などのような構造体に対して離れていてもよい。
【0033】
前述したように、センサ38,82は、一般に、少なくとも1つの生化学物質144をそれがナンキンムシ生化学反応を示すかどうかを決定するために分析するように構成される。空気処理機構に加え、生化学分析のためのサンプルを集めるために、蒸留水などの湿潤剤を用いて或いは用いずに、モップ、雑巾、ティッシュペーパ、又は、小さなペーパータオルなどによってセンサ38,82への検体の輸送を達成することもできる。これに代えて或いはこれに加えて、湿潤剤を用いて或いは用いずに、塵埃/微粒子収集器が利用される。更なるアプローチでは、液体が、空気に対して及び/又は1つ又はそれ以上の表面に対してエアロゾルの形態で加えられるとともに、センサ分析のために収集される。これらの任意の輸送機構を手動で及び/又は自動で実行することができる。1つの特定の変形では、ナンキンムシを示す1つ又はそれ以上の生化学物質と反応するようになっている薬剤を液体又はエアロゾルの形態で含むデバイスを用いてサンプルが収集される。センサ38,82は、対象昆虫タイプ、例えばナンキンムシを示す生化学物質144又は一群のそのような物質144を検出するために、任意の化学反応、抗原/抗体反応、ガルバニック、電気化学、蛍光、分光、及び/又は、クロマトグラフィ技術などを含むことができる。これらの実施の特定の具体的な例を以下の実施例で更に説明する。
【0034】
生化学物質144は、ナンキンムシ生化学反応にはっきりと関連付けられる任意の化合物又は化合物の組み合わせであってもよいと考えられる。1つの形態において、生化学物質144は、ナンキンムシ唾液、外骨格、失われた触覚、及び、他の身体部分、フェロモン、ホルモン、カイロモン、蛋白質、糞便を含む分泌液、他の老廃物又は副生成物、及び/又は、精液、及び、卵、卵残留物のうちの1つ又はそれ以上又は任意の組み合わせであってもよい。挙げられた1つ又はそれ以上のそれぞれの生化学物質144及びナンキンムシ生化学反応を示す他の生化学物質を検出するために、様々な実施形態で装置37,81が変更されてもよいと考えられる。
【0035】
分析される特定の生化学物質144が変わってもよい。分析されることが求められる生化学物質がナンキンムシ外骨格である1つの形態では、アセチルグルコサミン(N−アセチル−D−グルコース−2−アミン)を備えるキチンがセンサ38,82によって検出されてもよい。他の形態では、ナンキンムシ唾液がセンサ38,82によって分析される場合、抗凝血剤又は麻酔剤が検出されようとする物質であってもよい。唾液分析の1つの特定の実施では、1つ又はそれ以上の蛋白質、例えばニトロフォリン、アピラーゼ、又は、蛋白質を形成するペプチドが対象の生化学物質144であってもよい。センサ38,82がナンキンムシ糞便を分析する場合には、哺乳類の赤血球、白血球、血小板、グルコース、鉄、及び、血漿、すなわち、アルブミン、血栓形成因子、免疫グロブリン、ホルモン、蛋白質、及び/又は、電解質を含むがこれらに限定されない血漿のうちの任意の1つ又はそれ以上が生化学物質144として検出されてもよい。物質をそれがナンキンムシ精液であるかどうかを決定するために分析する際、センサ38,82は、アラニン及びグルタミン酸及び/又はナンキンムシ種に固有のDNA又はRNAの複合存在に関して検出してもよい。他の形態において、センサ38,82は、ナンキンムシのホルモン、カイロモン、及び/又は、フェロモンの存在を任意の物質状態(固体、液体、又は、気体)で検出してもよい。1つのそのような実施において、センサ38,82は、トランス−オクト−2−エン−1−オル又はトランス−ヘクス−2−エン−1−オルのうちの1つ又はそれ以上に関して検出するように構成されてもよい。言うまでもなく、センサ38,82は、ナンキンムシ生化学反応を示す生化学物質144の検出に関する更に信頼できる結果を得るために化合物の任意の数の組み合わせを検出するように構成されていてもよい。
【0036】
センサ38,82は、生化学物質144がナンキンムシ生化学反応を示すかどうかを決定するための生化学物質144の化学的分析を容易にするように構成される1つ又はそれ以上の特徴を含んでいてもよい。1つの形態において、センサ38,82は、生化学物質144に対するエアゾールスプレー及び/又は液体としての薬剤の塗布を含む。そのような薬剤は、センサ38,82を用いた検出を容易にする対象の生化学物質144(単数又は複数)との所望の化学反応を引き起こすように選択される。1つの形態において、薬剤は、ナンキンムシに固有の1つ又はそれ以上の生化学物質間で吸熱反応又は発熱反応を引き起こす。この形態において、センサ38,82は、反応に起因し得る温度の差を記録するように構成される温度計を含む。選択された大きさの温度変化の検出時、装置37,81は、生化学物質144の存在の肯定的な表示を与える。このアプローチの変形において、装置37,81は、生化学物質144の増大したレベルに対応する少なくとも温度が、人間のオペレータが検索し続けるかどうかを決定できる閾値を下回って存在することを示す。他の形態において、エアロゾルは、生化学物質144との電気化学反応を与えるように構成されてもよい。このとき、センサ38,82は、生化学物質144がナンキンムシを示すかどうかを装置37,81が決定できるように、電気化学反応と適切に関連付けられる電流/電圧又は他の電気特性を測定するように構成される計器を含んでいてもよい。更に他の形態において、反応は、センサ38及び/又は82を用いて検出できる対象の生化学物質(単数又は複数)を示すpHレベル及び/又は対象の生化学物質を示す酸素濃度をもたらす。
【0037】
センサ38,82は、1つ又はそれ以上の想定し得る生化学物質144を検出するように構成される分子インプリントポリマーを更に含んでいてもよい。分子インプリントポリマーは、例えば先に挙げられたナンキンムシを示す化合物のうちの1つのような対象の分子のために特に変更された複数の受け入れ部位を含む。各受け入れ部位は、一般に、対象の分子に固有の形状、サイズ、及び、機能性を含む。1つの非限定的な形態において、分子インプリント分子は、これを通過する気流からトランス−オクト−2−エン−1−オル又はトランス−ヘクス−2−エン−1−オルのうちの1つ又はそれ以上を抽出する受け入れ部位を含んでもよい。トランス−オクト−2−エン−1−オル又はトランス−ヘクス−2−エン−1−オルのうちの1つ又はそれ以上が十分な量だけ抽出されてセンサ38,82の分子インプリントポリマー部分に結合されると、ナンキンムシの存在を示す対応する信号がコントローラ48,94及び/又はインジケータ50,92へ送られてもよい。
【0038】
アセチルグルコサミン(N−アセチル−D−グルコース−2−アミン)を備えるキチンを含むナンキンムシ外骨格の存在をデバイス20,70が検出する1つの形態では、センサ38,82がリゾチームの形態で酵素を与える。当業者であれば分かるように、リゾチームは、N−アセチル−D−グルコース−2−アミン結合を加水分解して、キチン構造を破壊する。センサ38,82は、加水分解反応の結果としての1つ又はそれ以上の分子の濃度を検出するように1つ又はそれ以上の形態で構成されてもよく、また、装置37,81は、反応に起因する濃度変化又はその欠如に基づいて、検査されたサンプルがナンキンムシ生化学反応を示す生化学物質144でありそうかどうかを決定して知らせてもよい。
【0039】
センサ38,82は、別の実施形態では、雑巾検査の1つ又はそれ以上の形態を利用してもよい。この形態では、分析にとって望ましい表面を拭き取るために1つ又はそれ以上の雑巾が使用され、その後、前記雑巾がセンサ38,82の検査分析器に配置されてもよい。1つの形態では、ナンキンムシ唾液中の対象の抗体の検出を行なうために、酵素免疫測定法(ELISA)が行なわれてもよい。検査は、ナンキンムシ唾液中に存在するニトロフォリン抗原に固有のIgE抗体を利用してもよい。当業者であれば分かるように、酵素に結合されてニトロフォリン−IgE抗体複合体と反応する他の抗体が与えられてもよい。第2の抗体は、ニトロフォリン−IgE抗体複合体の存在を示す発色信号又は蛍光信号を与えてもよい。その結果、装置37,81がナンキンムシ生化学反応を示す生化学物質144の存在を知らせることができるように、対応する信号がコントローラ48,94へ送られてもよい。
【0040】
言うまでもなく、センサ38,82は、ナンキンムシを示す生化学物質144の存在を決定するために1つ又はそれ以上の生化学反応又は分析技術を利用してもよい。これらの生化学反応及び分析技術としては、幾つか例を挙げると、電気化学反応;抗原−抗体反応;吸熱反応;発熱反応;検査分析;SDS−Page;グルコース反応モニタ;Kastle−Meyer分析を挙げることができるが、これらに限定されない。これに加えて或いはこれに代えて、例えば質量分析法及び液体クロマトグラフィを含む分光分析及び/又はクロマトグラフィに基づく検出を利用できる。更に、ナンキンムシ生化学反応に固有の更なる生化学物質144が対象の物質になると、それに応じて装置37,81が適切な検出技術を行なうように変更されてもよいと考えられる。また、各装置20,70は、検出の表面積を拡大し或いは対象の生化学物質の数を増大させるために、センサ38,82の他に、1つ又はそれ以上のセンサを含んでいてもよい。更に、対象の生化学物質144が変わると、センサ信号を適切に処理するためにコントローラ48,94も変わってもよいことは言うまでもない。例えば、変形形態において、コントローラ48,94は、ナンキンムシ生化学反応を示す様々な対象生化学物質144の決定が評価されるべき1つ又はそれ以上の制御レベルをもってプログラムされてもよい。
【0041】
生化学物質144を検出する1つの態様において、デバイス20,70は、特に、例えば1つ又はそれ以上のペプチド又はそのペプチド断片を検出することによって蛋白質ニトロフォリンを識別するように構成される。この形態において、センサ38,82は、ナンキンムシの侵入がニトロフォリンに対する想定し得る露出を促す可能性が高い部屋内の表面と接触されてもよい。これに加えて或いはこれに代えて、前記表面上の任意の物質の典型的なサンプルがユーザによって得られた後にセンサ38,82に晒されてもよい。この後者の態様では、サンプルがセンサ38,82に晒される前に更に取り扱われ或いは処理されてもよいことは言うまでもない。これには、例えば、センサ38,82による分析を容易にするために、必要に応じてサンプルが1つ又はそれ以上の溶媒又は他のキャリア薬剤と混合されることが挙げられる。センサ38,82は、ニトロフォリンの存在を決定するために、液体クロマトグラフィ及び質量分析法及び抗原−抗体反応のうちの1つ又はそれ以上を含む前述した分析方法のうちの任意の1つ又はそれ以上を利用してもよい。ニトロフォリンの存在が肯定的に示される場合、デバイス20,70はそのようなことをユーザに対して自動的に知らせてもよい。他の形態において、センサ38,82は、ニトロフォリンの濃度を決定するとともに、その濃度を、ニトロフォリンの存在をユーザに知らせる前に、デバイス20,70に予めプログラムされたナンキンムシの存在を示す濃度レベルと比較する。ニトロフォリンの必要量の肯定的な識別時、ユーザは、殺虫剤を部屋に選択的に塗布してもよく、あるいは、適切な措置を講じてもよい。
【0042】
生化学検出技術に代わる或いは加える手段として、他のナンキンムシ検出機構を利用できる。例えば、ナンキンムシの重さ及び/又はナンキンムシによって及ぼされる機械的な力に反応するセンサが利用されてもよい。他の事例では、電磁放射線を使用して、ナンキンムシの存在を示すものとして検出され且つ識別され得る態様で放射線を戻し、遮断し、及び/又は、分散させることによりナンキンムシを検出する。このアプローチの特定の実施では、デバイス20及び/又は70内のナンキンムシが1つの経路に沿って方向付けられ、それにより、ナンキンムシがそのような経路に沿って移動するときに、前記経路を横切って方向付けられる光ビームが切断/遮断される。結果として、光ビームに応答する光検出器からの出力信号が状態を変え、それにより、ナンキンムシの存在が示される。同様に、ナンキンムシの存在を検出するために音響エネルギー、例えば超音波が使用されてもよい。これに加えて或いはこれに代えて、ナンキンムシの存在を検出するために、足根骨認識又はスペクトル分析(紫外線技術及び赤外線技術を含むが、これらに限定されない)が使用されてもよい。
【0043】
他の実施形態では、デバイス20,70の様々な特徴を組み合わせることができ或いは省くことができる。1つの構成において、デバイス20又は70は、検出面がセンサ32,82によって規定されるプローブの形態で設けられる。例えば、検出面には、生化学反応を示す昆虫、又は、ナンキンムシ検出に供じられるサンプルを保持する液体に晒される検出物質が含浸されてもよい。昆虫内のそのような生化学反応の存在(肯定的な結果)に応じて、検出面は、昆虫の存在の見込みを示すために色を変える。したがって、この表面は、この構成においてはインジケータとしての機能も果たし、それにより、別個のインジケータが不要になる。1つの形態において、このプローブは、人間の妊娠試験と似ていてもよい。更なる他の構成において、コントローラ機能、センサ機能、及び/又は、インジケータ機能は、それらが単なる論理的な意味で別個の特徴として表わされるように互いに不可欠であってもよいことは言うまでもない。更に他の構成では、コントローラがデバイス20又は70に存在しなくてもよい。この場合、センサ38,82が信号をインジケータ又は遠隔データ収集/分析サイトへ直接に供給する。
【0044】
図4には、システム10を使用するための1つの手続き200が示されている。段階210において、手続き200は、図2に示されるように望ましい場所に対してデバイス20,70を取り付けることにより或いは図3に示されるように手持ち式のデバイスを使用することによって開始される。場合によって生化学物質144の1つ又はそれ以上の対象形態を含んでもよい1つ又はそれ以上の物質のサンプルが、デバイス20,70によって分析されるために段階220において得られる。段階230において、センサ38,82は、サンプルをそれがナンキンムシを示す生化学物質であるかどうかを決定するために分析する。センサ38,82は分析結果をコントローラ48,94へ送り、コントローラ48,94は出力信号をインジケータ52,100へ送る。段階240では、生化学物質144が存在するかどうかを決定するために、インジケータ52,100がチェックされる。生化学物質144が存在する場合、人間のオペレータは、段階245において、デバイス70の駆除システム109あるいは当業者であれば分かるような別の駆除方法を使用して駆除してもよい。インジケータ52,100が段階240において生化学物質144が存在しないことを示した後、及び/又は、段階245における駆除後である段階250では、人間のオペレータが手続き200を継続するかどうかを決定しなければならない。例えば領域内の他の場所でチェックが成される場合のように手続き200が継続される場合には、矢印255によって示されるように、手続き200が戻って再開する。手続き200が継続されない場合には、段階260において手続きが終了する。手続き200は、ナンキンムシ群全体が除去され及び/又は検出されるまで、又は、ナンキンムシの存在の表示を何ら伴うことなく十分な期間が経過したことを人間のオペレータが確信するまで連続的に繰り返されてもよい。
【0045】
別の手続きでは、デバイス20及び/又は70を用いた検出に供じられる場所へとナンキンムシを誘い出すために誘引物質が使用されてもよい。そのような誘引物質は、デバイス20又は70内に含ませることができ、及び/又は、外部から/別々に利用することができる。これらの誘引物質は、ナンキンムシによる摂取のために殺虫剤と組み合わされる餌中に含ませることができる。誘引物質としては、幾つか例を挙げると、1つ又はそれ以上の自然に発生する或いは人工のナンキンムシ誘引化合物(1つの形態では、ナンキンムシの生存に不可欠な1つ又はそれ以上の生物学的な或いは物理的な要件を真似るように構成されてもよく、一方、他の形態では、生存に対する相関関係を伴うことなくナンキンムシを引き寄せることで知られていてもよい)を挙げることができる。誘引物質の特性及び/又は誘引物質と餌及び/又は殺虫剤との組み合わせに関する更なる詳細については、誘引物質源346及び餌362に関連する以下の明細書本文中で与えられる。誘引物質が使用される場合、誘引物質は、センサ32,82を用いたナンキンムシの存在についての許容できない閾値を超える誤った肯定的表示の数を増大させないように選択されなければならない。そのような状況は、特に、ナンキンムシ生化学反応を真似る誘引物質を用いると生じる場合がある。
【0046】
ここで、図5を参照すると、部屋15内でのナンキンムシの侵入に対処するのに適した第2のタイプのシステム310の概略図が示されている。システム310は少なくとも1つのデバイス320を含んでおり、デバイス320は、図示のように、部屋15の電気壁レセプタクル19と係合されるとともに、ナンキンムシ群を検出すること、監視すること、防除すること、のうちの1つ又はそれ以上に適していてもよい。システム310で使用されるデバイス320の総数は、侵入問題及び/又は効果的な除去が望まれる期間に関連して変動してもよい。壁レセプタクル19及びデバイス320がベッドシステム40の下側に位置されているが、1つ又はそれ以上の形態では、デバイス320が部屋15の全体にわたって選択的に配置されてもよいことは言うまでもない。例えば、1つの形態において、デバイス320は、壁レセプタクル19に対して選択的に配置される壁レセプタクルと係合されてもよい。他の形態において、デバイス320は、例えばベッドシステム40上におけるデバイスの配置を容易にするために電源コードを利用してもよい。また、言うまでもなく、適切な電源に応じて、デバイス320は、デバイス20に関連して前述したように、一般に部屋15内の様々な場所に配置されてもよい。
【0047】
デバイス320が図6の概略部分断面図に更に詳しく示されている。この図においては、幾つかの代表的なナンキンムシBBがデバイス320内及びデバイス320の周囲に示されている。デバイス320は、一般に、内部チャンバ323,328aを形成する外壁322及び外側カバー325を含むハウジング部材321を含んでいる。言うまでもなく、チャンバ323は、一般に、開口326を通じてチャンバ323内に入る場合がある1匹又はそれ以上のナンキンムシBBのためのナンキンムシ隠れ場所を与えるように構成される。図示のように、隔壁328がチャンバ323からチャンバ328aを分離し、この場合、チャンバ328aは、ナンキンムシBBがアクセスできる開口326及びナンキンムシBBがアクセスできない開口327を通じて1つ又はそれ以上のナンキンムシ誘引物質がチャンバ328aから解放されるためのチャンネルを設けるように構成される。開口327は、方向矢印Aによって示されるように、デバイス320が位置される領域の外部環境へと向けられる。開口327は、一般に、誘引物質をチャンバ328aから解放できるように構成されているが、オペレーティングシステム338の構成要素に支障を来たさないようにナンキンムシがチャンバ328a内に入ることを妨げる。隔壁328は1つ又はそれ以上の透過性の部分又は開口328bを形成しており、この開口を通じて、誘引物質又は熱がチャンバ328aからチャンバ323内へと分散されて開口326から出て、それにより、ナンキンムシBBをチャンバ323内へと引き寄せてもよい。しかしながら、開口328bは、ナンキンムシBBがチャンバ323からチャンバ328内へと通過するのを防止するように構成される。更に、チャンバ323が開口326の他に1つ又はそれ以上の開口を含んでいてもよく、また、光がチャンバ323内に入るのを妨げる1つ又はそれ以上の遮光デバイスを開口326及び任意の更なる開口が含んでいてもよいことは言うまでもない。
【0048】
ハウジング部材321は、一般に硬質であり、略L字形状の外形を有している。この外形の短い方の脚部は、端壁329を含む片持ち梁324として構成されており、端壁329を貫通して電気プラグ330が延びている。プラグ330は第1の突出部331と第2の突出部332とを含んでおり、各突出部は、電気壁レセプタクル19の対応するソケットと係合するように構成される。プラグ330は、典型的に、レセプタクル19内で突出部331,332に対して押し付くように付勢されるリーフスプリングによって典型的に助けられる摩擦嵌合接続を用いてレセプタクル19に結合される。これに関して、それぞれの各突出部331,332の端子端部331a,332aは、端壁329がレセプタクル19の外側部分と接触するまでレセプタクル19のソケット内に挿入することができる。十分に挿入されると、上端部331b,332bが壁レセプタクル19のソケットの対応する面と係合し、それにより、デバイス320のための支持がなされる。この構成では、方向矢印Bによって示されるようにデバイス320の重量がハウジング部材321を下方へと押し下げるため、上端部331b,332bが壁レセプタクル19のソケットの対応する構造体と十分に接触したままとなり、それにより、デバイス320がその図示された垂直位置から移動することが防止される。したがって、デバイス320は、床よりも上側で吊るすことができるようにレセプタクル19に対して片持ち接続されるように構成される。さもなければ、図示のように、デバイス320は、プラグ330/レセプタクル19係合を除いて支持構造を必要とすることなく、独立して立っている。言うまでもなく、他の実施形態では、L形状ハウジング321の長い方の脚部は、片持ち接続に対して、レセプタクル19に関節結合するようになっていてもよく、及び/又は、ハウジング321が異なって形成されてもよい。
【0049】
デバイス320は、ナンキンムシ群を防除するように構成されるオペレーティングシステム338を更に含んでいる。システム338は、チャンバ323及びチャンバ328aの両方に配置される様々な構成要素を含む。図示の形態において、システム338は、コントローラ340と、ファンモジュール342と、熱源344と、誘引物質源346と、センサ348と、駆除モジュール350とを含む。プラグ330は、システム338に対して電力を供給するために、例えば半田付け、リベット、機械的な端子などのような任意の標準的な態様によってコントローラ340に対して接続されてもよい。典型的に、AC(交流)源からの電力は、電子デバイスに給電するためにDC(直流)電力へと変換され、また、そのような電力変換回路は、必要に応じてデバイス320内に含められるが、明確にするために図示されていない。更なる他の実施形態において、システム338の構成要素の一部又は全ては、性質的が受け身であり、そのため、持続的な電源を必要としない。
【0050】
コントローラ340は、単一のユニットとして構成され或いは2つ又はそれ以上のユニット間で分配されてもよい1つ又はそれ以上の構成要素から成っている。そのような構成要素は、当業者によって想起されるように、半導体要素、電磁要素、光学要素、及び/又は、異なる要素の類であってもよい。コントローラ340は、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は、これらのタイプの両方の混合の組み合わせを含んでいてもよい。1つの形態において、コントローラ340は、プログラム命令によって規定されるその動作論理(ソフトウェア又はファームウェアなど)にしたがってアルゴリズムを実行し且つデータを処理するプログラム可能な類のものである。これに代えて或いはこれに加えて、コントローラ340における動作論理は、少なくとも一部がハードワイヤード論理又は他のハードウェアによって規定される。コントローラ340は、コントローラ出力信号を、信号経路341,343,345に沿って、それぞれの対応するファンモジュール342、熱源344、及び、誘引物質源346へと送る。
【0051】
ファンモジュール342は、信号経路341を介して送られるコントローラ出力信号に応じて動作してもよく、また、当業者であれば分かるように、気流を形成するように構成されるファンブレードアセンブリ及び1つ又はそれ以上のモータを含んでいてもよい。ファンモジュール342は、任意の標準的な形態を成していてもよく、また、前述した構成要素に加えて或いは代えて1つ又はそれ以上の構成要素を含んでいてもよいことは言うまでもない。ファンモジュール342によって形成される気流は、一般に、チャンバ328a内で移動して、いずれも一般に図5〜7を参照して更に詳しく説明する熱源344及び誘引物質源346を通り過ぎ、開口327,328b,326を通じてデバイス320から出る。1つの形態において、気流は、一般に図5〜7を参照して更に詳しく説明するように、熱源344からの熱又は誘引物質源346からの誘引物質のうちの1つ又はそれ以上を、デバイス320が配置される外部環境へと運び、それにより、1つ又はそれ以上の昆虫、例えばナンキンムシをデバイス320へと引き付けてもよい。また、異なる実施形態では、熱及び/又は誘引物質の更に強い或いは更に弱い拡散を形成するために、ファンモジュール342によって形成される気流の力が変えられてもよいと考えられる。1つの形態において、気流の力は、熱の温度及び/又は誘引物質の誘引効力に依存してもよい。例えば他の形態においては、気流の力は、そこから1匹又はそれ以上の昆虫を引き付けたいと人間のオペレータが望む領域によって決まってもよい。
【0052】
センサ348は、チャンバ323内に位置されており、一般にチャンバ323内の1匹又はそれ以上のナンキンムシBBの存在を検出するように構成される。言うまでもなく、別の形態において、センサ348は、デバイス320に引き付けられる1匹又はそれ以上のナンキンムシBBを検出するために、デバイス320の外側のチャンバ323の外部に配置されていてもよい。センサ348としては、可能な幾つかの例を挙げると、動作検出器、熱検出器、光検出器、重量検出器、及び、生化学検出器のうちの任意の1つ又はそれ以上を挙げることができる。図示しない実施形態では、センサ348が磁気センサを使用する閉回路検出装置を含んでいてもよいと考えられる。この形態において、開口326は、ナンキンムシの重量に応じて開放されるときにナンキンムシの存在を検出するために磁気センサを位置ずれさせて回路を開く付勢可能なドアを含んでいてもよい。他の形態において、センサ348は、足根骨確認又はスペクトル確認によってナンキンムシを検出するように構成されてもよい。これに加えて或いはこれに代えて、センサ348は、前述したようにナンキンムシを示す1つ又はそれ以上の生化学物質を検出するために生化学検出器を含んでいてもよい。検出機構に代わるもの或いは加えるものとして、デバイス20,70に関して前述したように、電磁放射線を使用して、ナンキンムシの存在を示すものとして検出され且つ識別され得る態様で放射線を戻し、遮断し、及び/又は、分散させることによりナンキンムシを検出する。
【0053】
ナンキンムシの存在の検出に応答して、センサ348は、信号経路347に沿ってコントローラ340へと伝えられる対応するセンサ信号を生成する。コントローラ340は、センサ信号を処理した後、信号経路349に沿って駆除モジュール350へと送られる更なるコントローラ出力解放信号を生成してもよい。仮想線で示されるように、駆除モジュール350は、アプリケータチップ354と連通する内部リザーバ352を含む。アプリケータチップ354に隣接する閉位置へと閉塞部材358が付勢される。リザーバ352の内容物は、ナンキンムシに有毒な殺虫剤356を含む。信号経路349からの解放信号に応じて、閉塞部材358が開放して、流体の形態、例えばエアロゾル、ガス、液体、又は、粉末で殺虫剤356がチャンバ323内へと解放され、それにより、前記チャンバ内に存在する1匹又はそれ以上のナンキンムシBBが駆除される。閉塞部材358は、コントローラ340が解放信号を信号経路349に沿って駆除モジュール350へと送るのを止めるまで、殺虫剤356をチャンバ323内へと解放するために開放したままであってもよい。他の形態において、駆除モジュール350は、センサ348に対して直接に接続され、1匹又はそれ以上のナンキンムシを検出するセンサ348に応じて動作してもよい。この形態において、駆除モジュール350及びセンサ348は、ハードワイヤード電気接続又は無線電気接続のうちの1つ又はそれ以上によって、あるいは、機械的な接続によって接続されてもよい。駆除モジュール350を伴って或いは伴うことなくナンキンムシに有毒な殺虫剤がチャンバ323内に存在していてもよい。1つの形態において、殺虫剤は、摂取用に構成された餌の形態を成す誘引物質と組み合わせて存在する。また、チャンバ323は、1つ又はそれ以上の更なる誘引物質源(図示せず)を含んでいてもよい。言うまでもなく、殺虫剤356は、以下の本明細書中で開示される種類のもののうちの1つ又はそれ以上を含んでいてもよく、一般に、ナンキンムシの外皮に対する露出接触によって、呼吸孔を通じた吸引によって、及び/又は、摂取によってナンキンムシに対して致死効果を与えるように構成される。
【0054】
図示しない実施形態において、システム338は、1匹又はそれ以上のナンキンムシの存在の肯定的又は否定的な表示を人間のオペレータに対して知らせるように構成されるインジケータを更に含んでいてもよい。インジケータは、コントローラ340と結合されてもよく、また、センサ信号に応答して生成されるコントローラ出力信号に応じて動作してもよい。1つの形態において、インジケータは、想定し得る中で特に、光、発光ダイオード(LED)、蛍光、白熱光、及び/又は、ネオンの形態を成す1つ又はそれ以上の視覚マーカを含む。それぞれの形態において、ナンキンムシの存在は、例えば、別個のyes/noインジケータ、色変化、フラッシングシーケンス、又は、インジケータ状態の他の変化によって示されてもよい。別の形態において、インジケータは、比色ストリップ又は聴覚/音響信号の形態で1つ又はそれ以上のナンキンムシの存在を示す出力を供給してもよい。インジケータを用いる実施形態において、そのようなインジケータは、センサ348からの肯定的又は否定的な表示、例えば濃度測定値又は定量的測定値以外の情報を与えるように構成されてもよい。
【0055】
言うまでもなく、デバイス320は、図6に示されるようなシステム338の構成要素のうちの1つ又はそれ以上を含まなくてもよい。例えば、図7は、ナンキンムシ群を検出すること、監視すること、及び、防除することのうちの1つ又はそれ以上に適するデバイス360として別の実施形態を示している。この場合、同様の参照符号は前述した同様の特徴を示している。デバイス360は、ファンモジュール又はコントローラを伴うことなくチャンバ328a内に誘引物質源346を含んでいる。この形態において、プラグ330は、図示のように、任意のAD/DC変換器又は適した動作を実施するのに望ましい他の構成要素を含んでもよい電気回路361によって誘引物質源346に対して接続される。以下で更に詳しく説明される誘引物質源346は、電力がプラグ330から供給されて誘引物質源を通じて流れるときに誘引物質源から解放可能な1つ又はそれ以上の誘引物質を含んでいてもよい。
【0056】
デバイス360において、チャンバ328aは、誘引物質を誘引物質源346から開口328bを介してチャンバ423へと通過させることができるようにするため、デバイス360のチャンバ423と連通している。チャンバ423は、開口326で開放しており、デバイス320のチャンバ323と同様にナンキンムシ隠れ場所を与えるように配置される。この場合、開口328bは、チャンバ423からチャンバ328a内へのナンキンムシの通過を防止するように寸法付けられ及び/又は形成されている。チャンバ423は、傾斜面423aのそれぞれに配置される1つ又はそれ以上の捕捉形体部423bを含んでいる。この場合、各面432aは、ナンキンムシBBが開口326でチャンバ423から出るのを妨げるように構成される。1つの形態において、面423aは、研磨されたガラス又は金属、あるいは、面423aを横切るナンキンムシの動きを妨げるようになっている他の静止摩擦低減物質のうちの1つ又はそれ以上を備えていてもよい。他の形態において、面423aは、接着材料又はワセリンの形態を成す捕捉形体部423bを含んでいてもよい。この場合、各捕捉形体部は、ナンキンムシの動きを制限するように構成される。更なる他の形態において、面423aは、チャンバ423から開口326の方向へのナンキンムシの動きを妨げる1つ又はそれ以上の機械的なバリアを有して構成されてもよい。これに加えて或いはこれに代えて、捕捉形体部423bは、ナンキンムシがチャンバ423から逃れるための十分な静止摩擦を防止する滑り減摩剤を含んでいてもよい。捕捉形体部423bは面423a上に示されているが、チャンバ423の1つ又はそれ以上の領域が1つ又はそれ以上の形態の捕捉形体部423bを含んでいてもよいことは言うまでもない。言うまでもなく、チャンバ423内に捕捉されるナンキンムシは、最終的な駆除、人間のオペレータによる除去、又は、飢えによる死まで、チャンバ内にとどまってもよい。また、デバイス360は、捕捉形体部423bに加えて或いは代えて、チャンバ423全体にわたって分散される1つ又はそれ以上の殺虫剤を含んでいてもよい。
【0057】
図7に示されるように、チャンバ423は、誘引物質源346によって供給される1つ又はそれ以上の形態の誘引物質と1つ又はそれ以上の形態の殺虫剤356とを含んでもよい餌362を更に備える。餌362は、血粉源を真似てもよく、また、一般に、1匹又はそれ以上のナンキンムシをチャンバ423内に入ってチャンバから食べるように促すべく構成される。ナンキンムシが餌362を食べると、有毒な量の殺虫剤356が摂取され、それにより、ナンキンムシが駆除される。他の実施形態において、殺虫剤356は、摂取ではなく露出によってナンキンムシに有毒な形態で供給されてもよく、また、餌362の上又は餌362の周囲に配置されてもよい。この形態は、摂取可能な形態の殺虫剤に加えて或いは代えて使用されてもよい。1つの非限定的なアプローチは、1つのナンキンムシから隣のナンキンムシへの殺虫剤356の通過及び/又はナンキンムシ卵への移動を容易にして死をもたらす。
【0058】
一般に図5〜7を参照すると、デバイス320,360は、特定のポリマー、木材、金属、又は、これらの任意の混合物を含む任意の数の適した材料を備えてもよい。チャンバ323,423の内面は、デバイス320,360の残りと同じ或いは異なる材料を備えていてもよい。例えば、1つの実施形態において、チャンバ323,423は、ナンキンムシを集め及び/又は1つ又はそれ以上のナンキンムシ卵をその上に堆積させるのに適した表面を含む。この実施形態において、表面は、織物、紙、又は、木材によって形成されるテクスチャード加工の表面であってもよい。可能な幾つかの例を挙げると、マットレス44、ボックススプリング45、脚部41a〜41d、フレーム42、ヘッドボード43、壁紙、カーペット、石膏、及び、ベッドシートのうちの任意の1つ又はそれ以上に似た表面がチャンバ323,423内に含められてもよい。
【0059】
図示の実施形態において、デバイス320,360のプラグ330は、一般に、壁レセプタクル19が110〜120ボルトAC電力を与えるときに部屋15の壁レセプタクル19と係合するように構成される。当業者であれば分かるように、突出部331は、レセプタクル19と係合するための一方向キーを与えるために突出部332よりも僅かに大きい。極性制御が重要ではない別の形態では、突出部331,332が同じサイズであってもよい。他の実施形態では、プラグ330が突出部331,332に加えて第3の接地突出部を含んでいてもよい。別の実施形態では、デバイス320,360が、調整可能なプラグ330と、他のタイプの電力に適合でき且つレセプタクル電源が機能しないときにバックアップ電力を供給するためにレセプタクル19を通じて充電される内部電源、例えばバッテリを含むことができる対応する回路とを含んでもよいと考えられる。
【0060】
様々な形態において、熱源344は、例えば、可能な幾つかの例を挙げると、コイル抵抗ヒータ、金属酸化物抵抗ヒータ、又は、PTC(正の温度係数)ヒータを用いることを含む任意の標準的な態様で熱を生成するために、プラグ330からの電力を使用してもよい。ある場合において、熱源344は、血粉源及び/又は適したナンキンムシ隠れ場所の存在と釣り合った量の熱を生成する。他の形態において、熱は、後述するように、誘引物質源346からの1つ又はそれ以上の誘引物質を解放するのに相応しい量であってもよい。1つのそのような形態において、熱源344は、例えば70から120度の華氏温度範囲のようなナンキンムシによって最も好まれる雰囲気までチャンバ323の温度を増大させるように構成することができる。他の例において、熱源344は、血粉源の体温に似た状態にして1匹又はそれ以上のナンキンムシの誘引を高めるようにチャンバ323の温度を増大させるべく構成される。血粉源が人間である1つの形態では、熱源344によって温度が約98.6度の華氏温度まで上昇される。チャンバ323の温度を変更することに加え或いは代えて、1匹又はそれ以上のナンキンムシをデバイス320へと引き付けるために、ファンモジュール342が任意の温度の熱をチャンバ328aから穴327を通じて押し出してもよいことは言うまでもない。
【0061】
これに代えて或いはこれに加えて、チャンバ323内に存在するナンキンムシを駆除できる十分な温度レベルを与えるために、熱源344からの熱を制御することができる。この駆除形態において、熱源344は、十分な露出継続時間がナンキンムシを殺すレベルまでチャンバ323の温度を上げるために使用されてもよい。1つの駆除形態において、温度は、おおよそ99から125度の華氏温度範囲まで上げられてもよい。言うまでもなく、幾つかの実施形態では、熱源344が更に高い温度を与えてもよく、その場合には、更に短い露出継続時間で十分駆除できる。また、熱源344は、熱源344が加熱する時間及び/又は温度を指示するように構成される1つ又はそれ以上の制御装置と結合されてもよい。
【0062】
誘引物質源346は、一般に、1つ又はそれ以上のナンキンムシをデバイス320,360のチャンバ323,423に入るように仕向けるように構成される1つ又はそれ以上の誘引物質を含む。1つ又はそれ以上の誘引物質は、可能な幾つかの例を挙げると、ゲル、ガス、エアロゾル、粉末、液体、又は、微粒子の形態であってもよい。前述したように、誘引物質源346と同じ或いは類似する1つ又はそれ以上の誘引物質が1つ又はそれ以上のデバイス20,70上で或いはその近傍で使用されてもよい。誘引物質源346は、選択される誘引物質(単数又は複数)と誘引物質(単数又は複数)が使用される形態とに依存する1つ又はそれ以上の保持・解放構造を含んでいてもよい。例えば、1つの形態において、誘引物質源346は、誘引物質を微粒子形態又は粉末形態で保持する多孔質マトリクス分配部材を含んでいてもよい。この実施形態において、誘引物質は、ファンモジュール342によって生成され且つチャンバ328aから運ばれる或いはチャンバ323内へ送られる気流によって誘引物質源346から解放されてもよい。他の形態では、誘引物質源346が誘引物質を保持するゲルマトリックスを含んでいてもよい。誘引物質は、例えば、熱源344からの熱又はプラグ330によって供給される電流に晒されることによってゲルマトリックスから解放されてもよい。他の形態において、誘引物質源346は、経路345に沿うコントローラ出力信号の受信時に誘引物質を解放できる保持リザーバを含んでいてもよい。また、他の考えられる実施形態において、誘引物質は、例えば時間遅延化学反応に関連して誘引物質源346から徐放されてもよい。1つのそのような形態において、化学反応は、信号経路345によって送られるコントローラ出力信号に依存していてもよい。これらの形態のいずれにおいても、誘引物質は、それ自体の化学的特性及び物理的特性に基づいて誘引物質源346から発散してもよく、あるいは、ファンモジュール342によって形成される気流によってチャンバ328aから移動され及び/又はチャンバ323内へ移動されてもよい。
【0063】
誘引物質源346は、ナンキンムシの生存に不可欠な1つ又はそれ以上の生物学的な或いは物理的な要件を真似るように構成された自然に発生する或いは人工のナンキンムシ誘引化合物であってもよい1つ又はそれ以上の誘引物質を含む。1つの形態において、誘引物質は、鳥類或いは哺乳類のフェロモン、ホルモン、汗、表皮油、血液、コリン、及び、他の体臭、例えば口臭に関連付けられる体臭などのうちの1つ又はそれ以上の任意の組み合わせを含んでもよい。誘引物質源346における組成体の任意の組み合わせと関連付けられるナンキンムシ誘引は、熱源344による熱の生成によって更に促進されてもよい。また、ファンの助けを伴って或いは伴うことなく、熱を使用して誘引物質を解放することができる。更に、誘引物質源346は、制御された雰囲気中に配置されてもよく、又は、そこから、蒸発、昇華、拡散、又は、当業者が想起できるような他の機構によって1つ又はそれ以上のガスを放出してもよい。
【0064】
1つの実施形態において、誘引物質源346は、ナンキンムシを引き付けるために、制御されたレベルの二酸化炭素(CO)をデバイス320,360内及び/又はデバイス320,360の周囲に供給する。例えば、COレベルは、ナンキンムシのための血粉源によって発散されるCOの濃度を擬態するように調整することができる。したがって、このレベルは、家畜及びペット、コウモリ、ネズミ、又は、人間を含むがこれらに限定されない哺乳類のレベルを真似てもよい。1つの好ましい形態では、デバイス320,360内又はその周囲の雰囲気の約0.01から1.0パーセントのCOレベルなど、人間の血粉源を示すCOレベルが与えられる。他の好ましい形態において、誘引物質源346は、誘引物質源346又はデバイス320,360のいずれかの表面の1平方メートル当たり0.003〜0.042mLのCOを分配してもよい。デバイス320,360は、COの内部リザーバと、COの分配率を制御するための1つ又はそれ以上の解放機構とを含んでもよい。別の実施形態では、COレベル変化に加えて或いは代えて、デバイス320,360内又はその周囲の雰囲気の湿度レベルが変更されてもよい。
【0065】
誘引物質源346が汗擬態化合物を含む実施形態では、様々なレベルの塩化ナトリウム(NaCl)及び尿素((NHCO)が含められてもよい。塩化ナトリウム又は尿素のうちの1つ又はそれ以上の存在を伴って或いは伴うことなく、1つ又はそれ以上の臭気物質、例えば2−メチルフェノール又は4−メチルフェノールが誘引物質源346に含められてもよい。1つの形態において、表皮油は、人間の脂腺によって生成される皮脂を真似てもよく、また、ワックスモノエステル、トリグリセリド、遊離脂肪酸、及び、スクアレンのうちの1つ又はそれ以上の混合物を含んでもよい。言うまでもなく、それぞれの量は、その誘引機能を助けるために、表皮油の1つ又はそれ以上の化学的特性、例えば原子の空間的配置、pHレベル、又は、電気化学を制御するために変動してもよい。また、誘引物質源346は、幾つか例を挙げると、グルコース、乳酸、又は、胆汁酸塩、例えばコリンなどのを含む人間の身体と関連付けられる更なる化合物を含んでもよいと考えられる。更に、タウロコール酸ナトリウム及びグリココール酸ナトリウム又はこれらの混合物のうちの1つ又はそれ以上が、誘引物質源346内に含められる誘引物質の様々な形態及び実施形態に対して加えられてもよい。
【0066】
他の形態において、誘引物質源346は、ナンキンムシと関連付けられる1つ又はそれ以上の誘引物質を含んでいてもよい。非限定的な例として、フェロモンは、集合又は凝集フェロモン、性的フェロモン、又は、攻撃的擬態フェロモンのうちの1つ又はそれ以上の形態で含められてもよい。1つの例において、フェロモンは、ナンキンムシの1つ又はそれ以上の香り生成腺中に含まれるフェロモンに類似する。他の例では、ナンキンムシ排泄物又は他のナンキンムシ分泌物の1つ又はそれ以上の抽出物が使用されてもよい。更に他の例では、水とメタノール溶媒との混合物を使用して得られる排泄物の抽出物が誘引物質として存在する。
【0067】
言うまでもなく、餌362は、人工又は天然の鳥類又は哺乳類の血を含むがこれらに限定されない血粉源の任意の全体又は一部を含んでもよい。餌362は、デバイス360と関連して図示され且つデバイス320,360の両方に関連して説明されているが、他のデバイス20,70のいずれかと共に実施されてもよい。1つの実施において、哺乳類の血は、人間の血の形態を成していてもよく、また、赤血球、白血球、血小板、及び、血漿のうちの1つ又はそれ以上を含んでいてもよく、血漿としては、アルブミン、血栓形成因子、免疫グロブリン、ホルモン、蛋白質、及び/又は、電解質が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施形態では、誘引特性又は摂取特性を変更するために前記要素の混合物が変わってもよいことは言うまでもない。餌362は、チャンバ323,423内又はその周囲に配置されてもよく、あるいは、それぞれの対応するデバイス320,360の外面又はその周囲に配置されてもよいと考えられる。1つの形態において、餌は、前述したように誘引物質源346によって解放される1つ又はそれ以上の形態の誘引物質と混ぜ合わされてもよい。他の形態では、図7に関して前述したように餌の消費が致死量の殺虫剤356をナンキンムシに対して与えるように、餌362が殺虫剤356と混合されてもよい。
【0068】
餌362が利用される1つの図示しない形態において、餌は、人間を擬態するように形成される1つ又はそれ以上の形体を含んでいてもよい。例えば、皮膚を真似る外層が、1つの実施形態では人間の血液であってもよい1つ又はそれ以上の血粉形態を含む内部リザーバを囲繞してもよい。外層は、先に挙げられた誘引物質のうちの1つ又はそれ以上を含んでもよく、また、更なる形体、例えば毛穴、毛嚢、及び/又は、毛幹を更に含んでもよい。1つの特定の実施形態では、外層が人間の血粉から成る腕及び肩を示す。餌362は、COを更に放出してもよく、及び/又は、前述したようにCO制御された環境内に配置されてもよい。また、熱源344からの熱は、人間の表皮を示す外層の温度を形成するように含められてもよい。1又はそれ以上の形態の殺虫剤は、ナンキンムシが外層を穿孔して血粉を餌にしようとするときに致死量の殺虫剤がナンキンムシに対して供給されるように、血粉誘引物質と混合されて構成されてもよい。餌362は、ナンキンムシによって形成される穿孔によるリザーバからの血液損失を制限することができる1つ又はそれ以上の特徴を更に含んでいてもよい。
【0069】
また、有線技術又は無線技術を使用してデバイス320,360の構成要素を接続できることは言うまでもない。更なる実施形態においては、情報が、有線又は無線通信信号経路によって、デバイス320,360から、更なるデータ収集及び分析のための遠隔場所へと中継される。この遠隔場所は、ホテル、介護施設、観光船、列車、寮、バラック、病院などの指定された部屋内のコンピュータネットワークによりデバイス320及び/又は360に結合されるコンピュータであってもよく、及び/又は、害虫防除サービスプロバイダビジネス場所などのような構造体に対して離れていてもよい。更なる他の構成において、システム338の1つ又はそれ以上の構成要素は、それらが単なる論理的な意味で別個の特徴形体として表わされるように互いに不可欠であってもよいことは言うまでもない。デバイス320又は360が空気清浄スプレー又は香料を供給するようになっていてもよく及び/又は昆虫防除動作に加えて空気清浄を行なうようになっていてもよいことは言うまでもない。
【0070】
図8は、システム310を使用するための1つの手続き500をフローチャートの形態で示している。段階510において、手続き500が始まる。段階510の後は、システム310が設置される段階520である。このような設置は、例えば、デバイス320,360又はその1つ又はそれ以上のバリエーションを部屋15の壁レセプタクル19と係合させることを含む。設置後、システム310は、開示された1つ又はそれ以上の実施形態にしたがって1つ又はそれ以上のナンキンムシを誘引し始める。段階540では、ナンキンムシが存在する或いはナンキンムシ侵入を示す兆候が存在するかどうかを見るためにシステム310の検査が行なわれる。センサ348又は人間のオペレータによる視覚検査のうちの1つ又はそれ以上によって検査を容易化できると考えられる。段階550では、1つ又はそれ以上のナンキンムシの存在の決定が行なわれる。1つ又はそれ以上のナンキンムシが存在することが決定される場合には、段階555においてナンキンムシが駆除されてもよい。1つの形態では、コントローラ340からの出力信号に応じて駆除モジュール350がナンキンムシを駆除する。駆除モジュール350が存在しない他の形態では、人間のオペレータがナンキンムシを駆除するかどうかを決定してもよい。ナンキンムシ又はナンキンムシを示す兆候が存在せず且つナンキンムシが存在しないことを人間のオペレータに確信させるに足る十分な期間が経過した場合、オペレータは、ステップ570へ移行して手続き500を終了してもよい。しかしながら、ナンキンムシの兆候が存在し或いはナンキンムシの存在の欠如について人間のオペレータに確信させるに足る十分な期間が経過しなかった場合には、矢印565によって示されるように、手続き500が更に繰り返して開始されてもよい。手続き500は、ナンキンムシ群全体が除去され及び/又はナンキンムシが存在しないことを知らせるようにナンキンムシ存在の表示を何ら伴うことなく十分な期間が経過したことを人間のオペレータが確信するまで連続的に繰り返されてもよい。
【0071】
前述したように、1つ又はそれ以上の実施形態が1つ又はそれ以上のナンキンムシを駆除するのに有効な殺虫剤124,356を含んでもよいと考えられる。1つの形態において、殺虫剤124,356は、1,2ジクロロプロパン、1,3ジクロロプロペン、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナスリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレスリン、アロサミジン、アリキシカルブ、アルファサイパーメスリン、アルファエクジソン、アミジチオン、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、亜ヒ酸酸化物、アチダチオン、アザディラクチン、アザメチホス、アジンホスエチル、アジンホスメチル、アゾベンゼン、アゾシクロチン、アゾソエイト(azothoate)、バリウムヘキサフルオロシリケート、バースリン(barthrin)、ベンクロチアズ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベノミル、ベノキサホス、ベンサルタップ、ベンゾキシメート、安息香酸ベンジル、ベータシフルスリン、ベータサイパーメスリン、ビフェナゼート、ビフェンスリン、ビナパクリル、バイオアレスリン、バイオエタノメスリン、バイオパーメスリン、ビストリフルロン、ボラックス、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモDDT、ブロモシクレン、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブロモプロピレート、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブタカルブオキシム、ブトネート、ブトキシカルブオキシム、カデュサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロール、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボサルファン、カータップ、チノメチオナット、クロラントラニリプロール、クロルベンシド、クロルビシクレン、クロルダン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンサルファイド、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジレート、クロロホルム、クロロメブホルム、クロロメチウロン、クロロピクリン、クロロプロピレート、クロルフォキシム、クロルプラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シスメスリン、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロサンテル、クロチアニジン、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クーマホス、クーミトエート(coumithoate)、クロタミトン、クロトキシホス、クルエンタレン(cruentaren)A&B、クルホメート、氷晶石、シアノフェンホス、シアノホス、シアンソエート(cyanthoate)、シクレスリン(cyclethrin)、シクロプロスリン、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルスリン、シハロスリン、シヘキサチン、サイパーメスリン、シフェノスリン、シロマジン、シチオエート(cythioate)、d−リモネン、ダゾメット、DBCP、DCIP、DDT、デカルボフラン、デルタメスリン、デメフィオン、デメフィオンO、デメフィオンS、デメトン、デメトンメチル、デメトンO、デメトンOメチル、デメトンS、デメトンSメチル、デメトンSメチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ジアミダホス、ジアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロフルアニド、ジクロボス、ジコフォル、ジクレシル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジエルドリン、ジエノクロル、ジフロビダジン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルスリン、ジメフォックス、ジメタン、ジメトエート、ジメスリン、ジエチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノブトン、ジノカップ、ジノカップ4、ジノカップ6、ジノクトン、ジノペントン、ジノプロップ、ジノサム、ジノスルホン、ジノテフラン、ジノテルボン、ジオフェノラン、ジオクサベンゾホス、ジオクサカルブ、ジオクサチオン、ジフェニルスルホン、ジサルフィラム、ジサルフォトン、ジチクロホス(dithicrofos)、DNOC、ドフェナピン、ドラメクチン、エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エンペンスリン、エンドサルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタフォス(etaphos)、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトエートメチル、エトプロフォス、エチルDDD、蟻酸塩エチル、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エトフェンプロックス、エトクサゾール、エトリムホス、EXD、ファムフール、フェナミフォス、フェナザフロール、フェナザクイン、フェンブタチンオキシド、フェンクロルフォス、フェネタカルブ(fenethacarb)、フェンフルスリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチカルブ、フェノクサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリスリン、フェンプロパスリン、フェンピロキシメート、フェンソン、フェンサルフォチオン、フェンチオン、フェンチオンエチル、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリピリム、フルアズロン、フルベンジアミド、フルベンジミン、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシスリネート、フルエネチル、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメスリン、フルオルベンシド(fluorbenside)、フルバリネート、フォノホス、フォルメタネート、フォルモチオン、フォルムパラネート(formparanate)、フォスメチラン、フォスピレート、フォスチアゼート、フォスチエタン、フォスチエタン、フラチオカルブ、フレスリン、フルフラル、ガンマシハロスリン、ガンマHCH、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロール、ヘプタノフォス、ヘテロフォス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒクインカルブ(hyquincarb)、イミシアホス、イミダクロプリド、イミプロスリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサミドホス、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボフォス、イソドリン、イソフェンフォス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソキサチオン、イベルメクチンジャスモリンI、ジャスモリンII、ジョドフェンフォス(jodfenphos)、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、ラムダシハロスリン、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトフォス、リンデン、リリムホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルフォン、メナゾン、メフォスフォラン、塩化第1水銀、メスルフェン、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタム、メタクリホス、メタミドフォス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトフォス、メトミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、臭化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルスリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンフォス、ミキサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパフォクス、殺虫剤、MNAF、モノクロトフォス、モルフォチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニコマイシン、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、オシキジサルフォトン、パラジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオンメチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメスリン、フェンカプトン、フェノスリン、フェントエート、フォレート、フォサロン、フォスフォラン、フォスメット、フォスニクロル、フォスファミドン、フォスフィン、フォスフォカルブ、フォキシム、フォキシムメチル、ピリメタフォス、ピリミカルブ、ピリミフォスエチル、ピリミフォスメチル、ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp’DDT、プラレスリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドフォス、プロクロノール、プロフェノホス、プロフルスリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパフォス、プロパルガイト、プロペタムフォス、プロポクスール、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンビュート、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾフォス、ピレスメスリン、ピレスリンI、ピレスリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、カシア、キナルフォス、キナルフォス、キナルフォスメチル、キノチオン、quantifies、ラフォキサニド、レスメスリン、ロテノン、リアニア、サバジラ、シュラダン、セラメクチン、シラフルオフェン、ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロ・ケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソフアミド(sophamide)、スピネトラム(XDE−175)、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、サルコフロン、サルフィラム(sulfiram)サルフルルアミド(sulfluramid)、スルフォテップ、硫黄、フッ化スルフリル、サルプロホス、τフルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルスリン、テメフォス、TEPP、テラレスリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロルビンフォス、テトラジフォン、テトラメスリン、テトラアクチン、テトラサル、シータサイパーメスリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノクス、チオメトン、チノナジン、チオキノックス、チオサルタップ、スリンギエンシン、トルフエンピラド、トラロメスリン、トランスフルスリン、トランスペルメスリン、トリアラテン、トリアザメート、トリアゾフォス、トリクロルフォン、トリクロルメタフォス3、トリクロロナット、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バミドチオン、バニリプロール、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ゼータサイパーメスリン、及び、ゾラプロホスのうちの1つ又はそれ以上を含んでいてもよい。
【0072】
また、本出願の様々な実施形態を除草剤及び殺菌剤と共に使用することもできると考えられる。これは、両方とも経済的で且つ相乗効果があるからである。これに加えて或いはこれに代えて、本出願の1つ又はそれ以上の実施形態は、経済性及び相乗効果のため、抗菌薬、殺菌剤、枯れ葉剤、安全物質(safeners)、共力剤、アルジサイド、誘引物質、乾燥剤、フェロモン、忌避薬、動物のディップ、鳥殺傷剤(avicides)、消毒剤、情報物質、及び、軟体動物駆除剤(これらのカテゴリーは必ずしも相互に排他的ではない)と共に使用することができる。更に多くの情報のため、この出願の出願日の日付によりhttp://www.alanwood.net/pesticides/index.htmlで検索される「Compendium of Pesticide Common Names」を閲覧されたい。また、英国作物生産協議会(British Crop Production Council)に著作権(2006年)があるCDS Tomlinによって編集された「The Pesticide Manual」第14版を閲覧されたい。
【0073】
本出願の様々な実施形態は、相乗作用的な混合物を形成するために他の化合物と共に使用することができる。この場合、混合物中の化合物の作用形態は、同じ、類似、あるいは、異なる。作用形態の例としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ナトリウム・チャンネル変調剤、キチン生合成阻害剤、GABAゲートクロライド・チャネル拮抗剤、GABA・グルタミン酸ゲートクロライド・チャネル作用剤、アセチルコリンレセプタ作用剤、METI阻害剤、Mg誘導ATPase阻害剤、ニコチン性アセチルコリンレセプタ、中腸膜撹乱物質、及び、酸化的リン酸化撹乱物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
また、以下の化合物、すなわち、ピペロニルブトキシド、ピプロタル、プロピルイソメ、セサメックス、セサモリン、及び、スルホキシドは、共力剤として知られており、本出願の1つ又はそれ以上の実施形態と共に使用できる。
【0075】
本出願の多くの異なる実施形態が想起される。1つの例において、デバイスは、1つ又はそれ以上のナンキンムシ種に代えて或いは加えて1つ又はそれ以上の昆虫種を示す1つ又はそれ以上の生化学物質を検出するように構成される。これに加えて或いはこれに代えて、殺虫剤及び他の駆除技術がナンキンムシ以外の誘引昆虫を排除するようになっていてもよい。そのような別の昆虫種としては、シラミ、Rhodnius、及び/又は、蚊などの他の有害な昆虫を挙げることができる。
【0076】
他の例において、1つの実施形態は、ナンキンムシが部屋内に存在するかどうかを決定するためにデバイスを作動させることを含み、これは、部屋からの物質を分析して、屋内空間内のナンキンムシに選択された生化学反応を示す生化学物質を検出するとともに、物質の分析によって生化学物質が検出される場合に、ナンキンムシが存在することを人間のオペレータに知らせることを含んでいる。デバイスの動作としては、エアゾールを加えること、雑巾検査を行なうこと、空気サンプルを取得すること、のうちの1つ又はそれ以上を挙げることができる。
【0077】
他の例は、デバイスによって受けられる物質を分析して1つ又はそれ以上の対応するセンサ信号を生成するように構成される1つ又はそれ以上のセンサを含む検出装置と、検出装置に動作可能に結合され、1つ又はそれ以上の対応するセンサ信号に基づいて物質中にニトロフォリンが含まれているかどうかを決定し且つ物質中のニトロフォリンの存在に応じてナンキンムシの存在を表わす出力信号を生成するための動作論理を伴って構成されるコントローラと、ナンキンムシの存在にしたがって動作するために出力信号に応答する出力デバイスとを備える装置を含んでいる。装置は、出力信号に応答してナンキンムシを駆除するための手段を更に含んでいてもよい。ナンキンムシに関する1つの形態において、駆除手段は少なくとも1つの殺虫剤を含む。
【0078】
更なる実施形態は、ナンキンムシの存在を評価するために部屋を選択し、部屋から物質を受け、物質中のニトロフォリンの存在を検出し、ニトロフォリンの存在に応じて、ナンキンムシの存在を示すデバイスを作動させることを含む。
【0079】
更に他の実施形態は、部屋内のナンキンムシの存在を決定するための方法であって、部屋から物質のサンプルを取得し、サンプルを分析して、物質中にニトロフォリンが存在するかどうかを決定し、ニトロフォリンの存在の決定に応じてナンキンムシの存在の表示を与えることを含む方法に関するものである。
【0080】
更なる実施形態は、昆虫隠れチャンバを形成するハウジングを含む差し込み式のデバイスと、昆虫を引き付けるようにチャンバに対して配置される電動デバイスと、電動デバイスに対して電気的に結合されるプラグ部材とを備える。プラグは、電気壁ソケット内に係合されるときに床の高さよりも上側で差し込み式デバイスを支持するために電気ソケットと係合して片持ち梁を形成するように構成される。
【0081】
本出願の他の実施形態は、昆虫隠れ場所用のチャンバを有する昆虫トラップを設け、トラップでそのような昆虫のための血粉源の1つ又はそれ以上の表示を与えることによって1つ又はそれ以上の昆虫種をチャンバに対して引き付け、トラップ内の昆虫を検出すること及びトラップ内の昆虫に有害な殺虫剤を供給することのうちの少なくとも1つを行なう、ことを含む。1つの形態において、昆虫はナンキンムシを含む。
【0082】
更なる実施形態は、1つ又はそれ以上の昆虫種をかくまうように構成されるチャンバと、昆虫をチャンバに対して引き付けるようにチャンバに対して配置される昆虫誘引物質とを含むデバイスを備える。誘引物質は、昆虫のための血粉源に対応する1つ又はそれ以上の表示を与える。昆虫誘引物質は、昆虫をチャンバに対して引き付けてチャンバ内の昆虫に有毒な殺虫剤に昆虫を晒すべくチャンバに対して配置される。1つの形態において、デバイスが対象とする1つ又はそれ以上の昆虫種はナンキンムシを含む。
【0083】
更なる他の実施形態は、昆虫をかくまうように構成されるチャンバと、昆虫をチャンバに対して引き付けるようにチャンバに対して配置される昆虫誘引物質とを含むデバイスを備える。昆虫誘引物質は、昆虫血粉源を示すとともに、(a)昆虫血粉源に対応する熱出力、(b)昆虫血粉源に対応する1つ又はそれ以上の汗構成物質、及び、(c)昆虫血粉源に対応する二酸化炭素濃度のうちの1つ又はそれ以上を含む。1つの形態において、昆虫誘引物質はナンキンムシを標的にする。
【0084】
更なる例は、昆虫隠れ場所用のチャンバを有する昆虫トラップを設け、トラップで血粉源の1つ又はそれ以上の表示を与えることによって昆虫をチャンバに対して引き付け、トラップ内の昆虫を検出すること及びトラップ内の昆虫に有害な殺虫剤を供給することのうちの少なくとも1つを行なう、ことを含む。1つの更に特別な非限定的形態は、トラップのプラグ部材を電気コンセントに係合させることによって及び/又は対象のナンキンムシをトラップと係合させることによって床の高さよりも上側でトラップを片持ち支持することを含む。
【0085】
他の例において、ナンキンムシトラップは、ナンキンムシ隠れ場所用のチャンバを形成するとともに、トラップで血粉源の1つ又はそれ以上の表示を与えることによって昆虫をチャンバに対して引き付けるための手段と、トラップ内のナンキンムシを検出するための手段及びトラップ内のナンキンムシに有害な殺虫剤を供給するための手段のうちの少なくとも一方とを含む。1つの更に特別な非限定的構成は、トラップのプラグ部材を電気コンセントに係合させることによって床の高さよりも上側でナンキンムシトラップを片持ち支持するための手段を更に含む。
【0086】
本出願の更なる実施形態の更に他の例は、ナンキンムシをかくまうように構成されるチャンバと、ナンキンムシをチャンバに対して引き付けるようにチャンバに対して配置されるナンキンムシ誘引物質とを有するデバイスを備える。ナンキンムシ誘引物質は、ナンキンムシ血粉源に対応する1つ又はそれ以上の表示をナンキンムシに対して与える。ナンキンムシ誘引物質は、チャンバ内のナンキンムシに有害な殺虫剤にナンキンムシを晒すために、ナンキンムシをチャンバに対して引き付けるようにチャンバに対して配置される。
【0087】
更に他の例において、デバイスは、ナンキンムシをかくまうように構成されたチャンバを形成するとともに、ナンキンムシをチャンバに対して引き付けるようにチャンバに対して配置されるナンキンムシ誘引物質を含む。ナンキンムシ誘引物質は、ナンキンムシ血粉源を示すとともに、(a)ナンキンムシ血粉源に対応する熱出力、(b)ナンキンムシ血粉源に対応する1つ又はそれ以上の汗構成物質、及び、(c)ナンキンムシ血粉源に対応する二酸化炭素濃度のうちの1つ又はそれ以上を含む。1つの形態において、デバイスは、チャンバ内のナンキンムシを駆除するための殺虫剤を更に含む。
【0088】
更なる例は、昆虫隠れチャンバを形成するハウジングを含む差し込み式のデバイスと、昆虫を引き付けるようにチャンバに対して配置される電動デバイスと、電動デバイスに対して電気的に結合されるプラグ部材とを備える。プラグは、電気壁ソケット内に係合されるときに床の高さよりも上側で差し込み式デバイスを支持するために電気ソケットと係合して片持ち梁を形成するように構成される。デバイスは、チャンバ内の昆虫を捕捉し或いは駆除するように更に構成されてもよい。
【0089】
本明細書中で述べられた任意の理論、動作機構、裏付け、又は、所見は、本発明の理解を更に促すように意図されており、本発明をそのような理論、動作機構、裏付け、又は、所見に依存する任意の態様で構成しようとするものではない。先の説明における用語、好ましい(preferably)、好ましくは、又は、好ましい(preferred)は、そのように記載された特徴がより望ましい場合があることを示しているが、それにもかかわらず、その特徴が必要でない場合があり、また、前記特徴を欠く実施形態が以下の請求項によって規定される本発明の範囲内に入るものと考えられ得ることは言うまでもない。請求項を読みとるのに際し、“1つの(a、an)”“少なくとも1つの”“少なくとも一部”などの用語が使用される場合には、請求項中で特に反対のことが述べられていなければ、請求項を1つの項目だけに限定しようとする意図はない。また、“少なくとも一部”及び/又は“一部”という言葉が使用される場合、その項目は、特に反対のことが述べられていなければ、一部の項目及び/又は全部の項目を含む場合がある。図面及び前述の明細書本文において本発明を詳しく図示して説明してきたが、これは、例示と見なされるべきであり、文字通りに限定的に見なされるべきではなく、言うまでもなく、選択された実施形態だけが図示されて説明されており、本明細書中で規定され或いは以下の請求項によって規定される本発明の思想の範囲内に入る全ての変更、改良、及び、等価物が保護されることが望まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナンキンムシの存在を監視するための装置であって、
デバイスによって受けられる物質を分析して1つ又はそれ以上の対応するセンサ信号を生成するように構成される1つ又はそれ以上のセンサを含む検出装置と、
検出装置に動作可能に結合され、1つ又はそれ以上の対応するセンサ信号に基づいて物質中にニトロフォリンが含まれているかどうかを決定し且つ物質中のニトロフォリンの存在に応じてナンキンムシの存在を表わす出力信号を生成するための動作論理を伴って構成されるコントローラと、
ナンキンムシの存在にしたがって動作するために出力信号に応答する出力デバイスと、
を備える装置。
【請求項2】
前記出力デバイスは、比色出力又は蛍光出力のうちの1つ又はそれ以上を伴うインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出力デバイスは、出力信号に応じてオペレータに対して視覚出力を与えるための手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記出力デバイスは、出力信号に応じてオペレータに対して聴覚出力を与えるための手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記出力デバイスは、出力信号に応じてナンキンムシを駆除するための手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
駆除するための前記手段が少なくとも1つの殺虫剤を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記検出装置、コントローラ、及び、出力デバイスがハウジング内に収容される請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、デバイスに対して電力を供給するためにプラグ部材を伴うプラグ差し込み式の形態を成し、前記プラグ部材は、電気壁ソケット内に係合されるときに床の高さよりも上側でデバイスを支持するために電気ソケットと係合して片持ち梁を形成するように構成される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ナンキンムシの存在を評価するために部屋を選択することと、
部屋から物質を受けることと、
物質中のニトロフォリンの存在を検出することと、
ニトロフォリンの存在に応じて、ナンキンムシの存在を示すデバイスを作動させることと、
を含む方法。
【請求項10】
前記デバイスがインジケータである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記デバイスを作動させることは、ナンキンムシを駆除するためにデバイスから殺虫剤を供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記デバイスがインジケータを含み、前記デバイスを作動させることは、比色出力及び蛍光出力のうちの少なくとも1つを与えることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記デバイスは、作動されるときに聴覚出力を与える、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記検出が検出装置を用いて行なわれ、前記検出装置及び前記デバイスは、前記検出装置及び前記デバイスに対して電力を供給するためにプラグ部材を伴うプラグ差し込み形態のハウジング内に含められ、前記プラグ部材は、電気壁ソケット内に係合されるときに床の高さよりも上側でデバイスを支持するために電気ソケットと係合して片持ち梁を形成するように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記デバイスが手持ち式の携帯型のものである、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記物質を受けることは、部屋内の表面から物質を得ることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
部屋内のナンキンムシの存在を決定するための方法であって、
部屋から物質のサンプルを取得することと、
サンプルを分析して、物質中にニトロフォリンが存在するかどうかを決定することと、
ニトロフォリンの存在の決定に応じて、ナンキンムシの存在の表示を与えることと、
を含む方法。
【請求項18】
ナンキンムシの存在の表示を与えることに応じてナンキンムシを駆除することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ナンキンムシの駆除は、少なくとも1つの殺虫剤を加えることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
サンプルを取得し、分析し、表示を与え、及び、駆除することが単一のデバイスによって行なわれる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記デバイスは、電気壁ソケット内に係合されるときに床の高さよりも上側で前記デバイスを支持するために電気ソケットと係合して片持ち梁を形成するように構成されるプラグ部材を伴うプラグ差し込み式の形態を成す、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
遠隔場所からナンキンムシの存在を監視するためにサンプルを取得し、分析し、遠隔場所へと表示を与えることを実行するデバイスをネットワーク化することを更に含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2010−507390(P2010−507390A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534606(P2009−534606)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/022386
【国際公開番号】WO2008/051501
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】