説明

ニアエンド検出装置、ニアエンド検出システム、ニアエンド検出方法、及び、プログラム

【課題】ロール紙などの消耗品が無くなるまでにどの程度の時間的余裕があるのかを容易に把握できるようにする。
【解決手段】検知センサ1は、ロール紙の残量が基準値以下になったことを検出すると、検知信号を出力する。これにより、出力タイミング決定手段2は、上記基準値と、平均使用量記憶部6に格納されているロール紙の平均使用量とに基づいて、ロール紙の残量が0となるまでの時間を予測する。その後、予測時間と余裕期間記憶部7に格納されている余裕期間(ロール紙の残量が0になる時点よりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す期間)との差分を求め、現時点から上記差分に応じた時間が経過した時点を、ニアエンド信号の出力タイミングとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタやコピー機などで使用されるロール紙やインク等の消耗品のニアエンドを検出するニアエンド検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関などに設置されるATM(Automated Teller Machine)や、コンビニエンスストアなどに設置されるPOS(Point Of Sales system)端末にはプリンタが搭載されており、このプリンタを利用して取引内容を印字するようにしている。取引内容を印字するためには、ロール紙やインク等の消耗品が必要であり、それらの内の少なくとも1つが残量0になると、ATMなどを使用できなくなってしまう。
【0003】
そこで、消耗品の残量が予め定められた基準値以下になったことを検知する検知センサを設置し、この検知センサによって消耗品の残量が基準値以下になったことが検知されたとき、消耗品がニアエンド状態になったとして警告を発するということが一般的に行われている。また、検知センサの設置位置を機械的に移動させる機構によって、上記基準値を変更可能にする構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−139202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消耗品の廃棄量を削減するためには、消耗品がほぼ完全に無くなったタイミングで補充することが望まれる。しかし、消耗品の残量が予め設定した基準値以下になったときにニアエンドの通知を行う構成では、消耗品が無くなるまでにどの程度の時間的余裕があるかを直観的に把握するのは困難である。このため、消耗品の補充タイミングが早くなり過ぎて廃棄量が多くなってしまったり、逆に消耗品の補充が間に合わずにエンド休止となってしまうことが起こりがちであった。
【0006】
[発明の目的]
そこで、本発明の目的は、消耗品が無くなるまでにどの程度の時間的余裕があるかを把握するのは困難であるという上述した課題を解決したニアエンド検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる第1のニアエンド検出装置は、
消耗品の残量が基準値以下になったことを検知する検知センサと、
前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値が格納される代表値格納部と、
前記消耗品が無くなるよりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部と、
前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検出されることにより、前記基準値と前記代表値格納部に格納されている代表値と前記余裕期間記憶部に格納されている余裕期間とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態となったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定する出力タイミング決定手段とを備える。
【0008】
本発明にかかるニアエンド検出システムは、
消耗品を消耗する端末装置と、上位装置とを含み、
前記端末装置は、
前記消耗品の残量が基準値以下になったことを検出する検知センサと、
前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値が格納される代表値格納部と、
前記消耗品が無くなるよりもどの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部と、
前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検出されることにより、前記基準値と前記代表値格納部に格納されている代表値と前記余裕期間記憶部に格納されている余裕期間とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定し、該決定した出力タイミングにおいて、前記上位装置に対してニアエンド状態情報を出力する。
【0009】
本発明にかかるニアエンド検出方法は、
検知センサが、消耗品の残量が基準値以下になったことを検出し、
出力タイミング決定手段が、前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検知された場合、代表値格納部に格納されている、前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値と、前記基準値と、余裕期間記憶部に格納されている、前記消耗品が無くなるよりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定する。
【0010】
本発明にかかるプログラムは、
消耗品の残量が基準値以下になったことを検出する検知センサと、前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値が格納された代表値記憶部と、前記消耗品が無くなるよりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部とを備えたコンピュータをニアエンド検出装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検知された場合、前記基準値と前記代表値格納部に格納されている代表値と、前記余裕期間記憶部に格納されている余裕期間とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定する出力タイミング決定手段として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、消耗品が無くなるまでにどの程度の時間的余裕があるかを容易に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】検知センサ1を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の処理例を示すフローチャートである。
【図4】単位時間当たりの平均使用量と、検知センサ1の検知タイミングから実際にニアエンド状態信号を出力するまでのずらし時間との関係を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図6】補正量記憶部9の内容例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の処理例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態の全体構成例を示すブロック図である。
【図9】端末装置82−1の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
[本発明の第1の実施の形態]
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は、レシート用紙をロール状にしたロール紙のニアエンドを検出するニアエンド検出装置に関するものである。図1を参照すると、本実施の形態にかかるニアエンド検出装置は、検知センサ1と、出力タイミング決定手段2と、出力手段3と、紙送り機構4と、平均使用量算出手段5と、平均使用量記憶部6と、余裕期間記憶部7と、時計8とを備えている。
【0015】
検知センサ1は、図2(A)に示すように、ロール紙21を収容したロールホッパ22内に取り付けられており、同図(B)に示すように、ロール紙21の残量が基準値以下になったとき、出力タイミング決定手段2に対して検知信号を出力する。なお、検知センサ1としては、例えば、ロール紙21の残量が基準値よりも多い場合にはオンとなり、基準値以下の場合にはオフとなるスイッチや、ロール紙21の残量が基準値よりも多い場合には、発光素子から出力された光がロール紙21によって遮断され、ロール紙21の残量が基準値以下の場合には、発光素子から出力された光が受光素子に入射するように対向配置された発光素子と受光素子との対を使用することができる。
【0016】
紙送り機構4は、レシートホッパ22内のロール紙21を所定量ずつ紙送りするものであり、所定量紙送りする毎に、紙送り信号を平均使用量算出手段5に対して出力する。
【0017】
平均使用量算出手段5は、紙送り機構4から入力される紙送り信号と、時計7によって表示されている現在日時とに基づいて、レシートプリンタが利用可能な時間帯における、ロール紙21の単位期間当たりの使用量の平均を算出し、算出した最新の平均使用量を平均使用量記憶部6に格納する。
【0018】
余裕期間記憶部7には、ロール紙21が無くなるのより(ロール紙21がエンド状態となるのより)どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される。余裕期間は、ロール紙21を交換するのに要する時間などを考慮してユーザが決定するものであり、図示を省略したキー入力部などを用いてユーザが設定する。
【0019】
出力タイミング決定手段2は、検知センサ1から検知信号が入力されると、平均使用量記憶部6に格納されている平均使用量、検知センサ1における基準値、および、余裕期間記憶部7に格納されている余裕期間に基づいて、ロール紙21の状態がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態信号の出力タイミングを決定し、決定したタイミングで出力手段3にニアエンド状態信号を出力する。
【0020】
出力手段3は、ニアエンド状態信号が入力されることにより、ユーザにロール紙21がニアエンド状態になったことを通知するための手段であり、ブザーや発光素子などによって実現される。
【0021】
尚、出力タイミング決定手段2および平均使用量算出手段5は、コンピュータによって実現可能であり、コンピュータによって実現する場合は、例えば次のようにする。コンピュータを出力タイミング決定手段2および平均使用量算出手段5として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリなどを用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、出力タイミング決定手段2および平均使用量算出手段5を実現する。
【0022】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0023】
紙送り機構4は、印字時にロール紙21を所定量ずつ紙送りし、所定量紙送りする毎に平均使用量算出手段5に対して紙送り信号を出力する。
【0024】
平均使用量算出手段5は、紙送り機構4から入力される紙送り信号と時計7によって表示されている現在日時とに基づいて、レシートプリンタを利用可能な時間帯における、ロール紙21の単位期間当たりの使用量の平均値を算出する。本実施の形態では、レシートプリンタは24時間利用可能であり、単位期間を1時間とするが、これに限られるものではない。
【0025】
平均使用量の算出方法は、どのような方法であっても構わず、例えば、次のような方法を採用することができる。累積値を格納しておく累積値記憶部(図示せず)と、除数を格納しておく除数記憶部(図示せず)とを用意しておく。なお、両記憶部の初期値は、0にしておく。平均使用量算出手段5は、紙送り機構4から紙送り信号が送られてくる毎に、累積値記憶部に格納されている累積値をインクリメント(例えば、+1)する。また、単位時間である1時間が経過する毎に、1回の紙送りで送られるロール紙21の長さと累積値記憶部に格納されている累積値とを乗算し、更に、乗算結果を除数記憶部に格納されている除数に1を加えた値で除算することにより、1時間当たりの使用量の平均値を求める。そして、求めた平均値を平均使用量記憶部6に格納すると共に、除数記憶部に格納されている除数をインクリメント(例えば、+1)する。また、単位期間当たりの取引件数の平均値を算出し、この取引件数の平均値と、取引1件当たりのレシート長とから単位期間当たりのロール紙21の使用量の平均値を算出するようにしても良い。
【0026】
印字時に紙送りが行われる毎に、ロール紙21の残量は次第に少なくなっていき、残量が図2(B)に示すように基準値以下になると、検知センサ1は、出力タイミング決定手段2に対して検知信号を出力する。
【0027】
出力タイミング決定手段2は、検知センサ1から検知信号が入力されると、図3のフローチャートに示すように、先ず、平均使用量記憶部6及び余裕期間記憶部7からそれぞれ平均使用量および余裕期間を入力する(ステップS31)。その後、出力タイミング決定手段2は、入力した平均使用量および余裕期間と、検知センサ1における基準値とに基づいて、ロール紙21がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態信号の出力タイミングを決定する(ステップS32)。
【0028】
ここで、ステップS32の処理について詳しく説明する。出力タイミング決定手段2は、先ず、検知センサ1における基準値を平均使用量で除算することにより、ロール紙21が無くなるまでの時間を予測する。次に、出力タイミング決定手段2は、予測した時間と余裕期間との差分(予測時間−余裕期間)を求める。その後、出力タイミング決定手段2は、時計8が表示している現在日時から上記差分によって示される期間が経過した時点を、ニアエンド状態信号の出力タイミングとする。但し、上記差分が負の場合は、現在日時をニアエンド状態信号の出力タイミングとする。図4は、単位期間当たりの平均使用量と、検知センサ1の検知タイミングから実際にニアエンド状態信号を出力するまでのずらし時間との関係を示した図であり、同図に示すように、単位期間当たりの平均使用量が小さい場合ほど、ずらし時間は長くなる。
【0029】
今、例えば、検知センサ1の基準値(検知センサ1が検知する残りレシート長)が10m、余裕期間が2時間、1時間当たりの平均使用量が4mであるとすると、ロール紙21が無くなるまでの時間が2.5時間(10m÷4m)と予測され、余裕期間との差分が0.5時間(2.5時間−2時間)となるので、出力タイミング決定手段2は、現時点から0.5時間経過した時点を、ニアエンド状態信号の出力タイミングと決定する。一方、1時間当たりの平均使用量が1mであった場合には、ロール紙21がなくなるまでの時間が10時間(10m÷1m)と予測され、余裕期間との差分が8時間(10時間−2時間)なので、出力タイミング決定手段2は、現時点から8時間経過した時点を、ニアエンド状態信号の出力タイミングと決定する。ここで、1日の平均使用量が1mのレシートプリンタにおいて、検知センサ1の検知タイミングでニアエンド状態信号を出力するようにしたとすると、ロール紙21の交換時点において10m−2m=8m程度のレシート用紙が残っていることになり、本実施の形態に比較して多くのレシート用紙が廃棄されてしまうことになる。
【0030】
その後、出力タイミング決定手段2は、ステップS32で決定した出力タイミングになるのを待ち(ステップS33)、出力タイミングになると、出力手段3に対してニアエンド状態信号を出力する(ステップS34)。これにより、ブザーや発光素子などによって構成されている出力手段3は、鳴動、発光するなどして、ユーザにロール紙21がニアエンド状態になったことを通知する。
【0031】
尚、上述した実施の形態では、ロール紙21のニアエンドを検出する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、インク等の他の消耗品のニアエンドの検出にも適用することができる。また、上述した実施の形態では、単位期間当たりの使用量の代表値として平均値を使用するようにしたが、中央値や最頻値を使用するようにしても良い。
【0032】
[第1の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、消耗品が無くなるまでにどの程度の時間的余裕があるかを容易に把握することが可能になる。その理由は、検知センサ1によって消耗品(ロール紙21)の残量が基準値以下になったことが検知された後、出力タイミング決定手段2が、上記基準値と、ロール紙21の単位期間当たりの使用量の平均値と、ロール紙21が無くなるのよりもどの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間とに基づいて、ニアエンド状態信号の出力タイミングを決定するようにしているからである。
【0033】
[本発明の第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。前述した第1の実施の形態では、検知センサ1がロール紙21の残量が基準値以下になったことを検知してから、実際にニアエンド状態信号を出力するまでの時間を、ロール紙21の単位期間当たりの平均使用量に応じて制御するようにしている。しかし、ロール紙21の単位期間当たりの使用量は、曜日、時間帯、或いは、月といった時期的な条件によって変化する場合がある。そこで、本実施の形態では、時期的な条件によってロール紙21の単位期間当たりの使用量が変化する場合であっても、適切なタイミングでニアエンド状態信号を出力できるようにする。
【0034】
図5を参照すると、本実施の形態にかかるニアエンド検出装置は、補正量記憶部9が追加されている点、および、出力タイミング決定手段2の代わりに出力タイミング決定手段2aを備えている点が、第1の実施の形態のニアエンド検出装置と相違している。
【0035】
補正量記憶部9には、図6に示すように、曜日毎の補正量が登録されている。なお、この例では、レシートプリンタの使用量が多い曜日ほど、補正量が大きくなっている。出力タイミング決定手段2aは、補正量記憶部9に登録されている補正量も考慮してニアエンド状態信号の発生タイミングを決定する点が、第1の実施の形態の出力タイミング決定手段2と相違している。
【0036】
尚、本実施の形態の平均使用量算出手段5、出力タイミング決定手段2aも第1の実施の形態と同様にコンピュータによって実現可能である。
【0037】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0038】
検知センサ1は、第1の実施の形態と同様に、ロール紙21の残量が基準値以下になったことを検知すると、出力タイミング決定手段2aに対して検知信号を出力する。これにより、出力タイミング決定手段2aは、図7のフローチャートに示すように、先ず、平均使用量記憶部6、余裕期間記憶部7、および、補正量記憶部9からそれぞれ単位期間当たりの平均使用量、余裕期間、および、該当する曜日(現在の曜日)の補正量を入力する(ステップS71)。
【0039】
その後、出力タイミング決定手段2aは、検知センサ1における基準値、単位期間当たりの平均使用量、余裕期間、および、該当する曜日の補正量に基づいて、ニアエンド状態信号の出力タイミングを決定する(ステップS72)。このステップS72で行う処理の一例を説明すると、次のようになる。先ず、出力タイミング決定手段2aは、平均使用量に該当する曜日の補正量を乗じる。次に、この乗算結果で検知センサ1の基準値を除算することにより、ロール紙21の残量が0となるまでに要する時間を予測する。その後、予測時間と余裕期間との差分を求める。そして、最後に、現時点から上記差分に応じた時間が経過した時点を、ニアエンド状態信号の出力タイミングと決定する。以上がステップS72で行う処理の一例である。
【0040】
その後、出力タイミング決定手段2aは、前述したステップS33、S34と同様の処理を行う。
【0041】
尚、上述した実施の形態では、曜日毎の補正量を使用するようにしたが、時間帯毎、或いは、月毎の補正量を使用するようにしても良い。
【0042】
[第2の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、曜日、時間帯、或いは、月などの時期的な条件によってレシートプリンタの使用量が異なる場合であっても、適切なタイミングでニアエンド状態信号を出力することができる。その理由は、時期毎の補正量を格納した補正量記憶部9を備え、出力タイミング決定手段2aがこの補正量も考慮してニアエンド状態信号の出力タイミングを決定するようにしているからである。
【0043】
[本発明の第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、ホストコンピュータ等によって実現される上位装置で、複数の端末装置の消耗品のニアエンド状態を管理することを特徴とする。
【0044】
図8を参照すると、本実施の形態は、上位装置81と、ATMなどの複数の端末装置82−1〜82−nとから構成され、それらはネットワーク83を介して相互に接続されている。図9は端末装置81−1の構成例を示したブロック図であり、通知手段10が追加されている点が、図5に示したニアエンド検出装置と相違している。なお、他の端末装置も同様の構成を有している。
【0045】
通知手段10は、出力タイミング決定手段2aからニアエンド状態信号が出力されると、自端末装置(例えば、端末装置82−1)を特定するための識別情報と、自端末装置82−1においてロール紙21がニアエンド状態になったことを示すニアエンド情報とを含んだニアエンド通知を上位装置81に対して送信する。上位装置81では、端末装置82−1からニアエンド通知が送られてくると、その内容を表示装置(図示せず)などに表示し、保守員に端末装置82−1のロール紙21がニアエンド状態になったことを知らせる。
【0046】
[第3の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1及び第2の実施の形態で得られる効果に加え、複数の端末装置82−1〜82−nにおけるロール紙のニアエンド状態を上位装置で集中的に管理することが可能になるという効果を得ることができる。その理由は、各端末装置82−1〜82−nが、上位装置に対してニアエンド通知を送るようにしているからである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、対象物のある一定の大きさ、量を1つのセンサで検知し、そのセンサにより一定の大きさ、量を検知後、一定期間の間に対象物の補充等が必要となるシステムで利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1・・・検知センサ
2、2a・・・出力タイミング決定手段
3・・・出力手段
4・・・紙送り機構
5・・・平均使用量算出手段
6・・・平均使用量記憶部
7・・・余裕期間記憶部
8・・・時計
9・・・補正量記憶部
10・・・通知手段
21・・・ロール紙
22・・・レシートホッパ
81・・・上位装置
82−1〜82−n・・・端末装置
83・・・ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品の残量が基準値以下になったことを検知する検知センサと、
前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値が格納される代表値格納部と、
前記消耗品が無くなるよりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部と、
前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検出されることにより、前記基準値と前記代表値格納部に格納されている代表値と前記余裕期間記憶部に格納されている余裕期間とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態となったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定する出力タイミング決定手段とを備えたことを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項2】
請求項1記載のニアエンド検出装置において、
前記出力タイミング決定手段は、前記基準値と前記代表値との比率と、前記余裕期間との差分に基づいて前記ニアエンド状態情報の発生タイミングを決定することを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項3】
請求項2記載のニアエンド検出装置において、
前記出力タイミング決定手段は、差分が大きいときほど、前記ニアエンド状態情報の発生タイミングを遅らせることを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項4】
請求項1記載のニアエンド検出装置において、
時期毎の補正量が格納された補正量格納部を備え、且つ、
前記出力タイミング決定手段が、前記補正量格納部に格納されている補正量の内の、現時点が属している時期の補正量を利用して前記ニアエンド状態情報の出力タイミングを補正することを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のニアエンド検出装置において、
前記単位期間毎に、前記消耗品の前記単位期間当たりの使用量の代表値を算出し、該算出した代表値を前記代表値格納部に格納する代表値算出手段を備えたことを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のニアエンド検出装置において、
前記代表値は、平均値、中央値、或いは、最頻値であることを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のニアエンド検出装置において、
前記消耗品は、プリンタで消耗されるロール紙であることを特徴とするニアエンド検出装置。
【請求項8】
消耗品を消耗する端末装置と、上位装置とを含み、
前記端末装置は、
前記消耗品の残量が基準値以下になったことを検出する検知センサと、
前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値が格納される代表値格納部と、
前記消耗品が無くなるよりもどの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部と、
前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検出されることにより、前記基準値と前記代表値格納部に格納されている代表値と前記余裕期間記憶部に格納されている余裕期間とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定し、該決定した出力タイミングにおいて、前記上位装置に対してニアエンド状態情報を出力することを特徴とするニアエンド検出システム。
【請求項9】
検知センサが、消耗品の残量が基準値以下になったことを検出し、
出力タイミング決定手段が、前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検知された場合、代表値格納部に格納されている、前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値と、前記基準値と、余裕期間記憶部に格納されている、前記消耗品が無くなるよりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定することを特徴とするニアエンド検出方法。
【請求項10】
消耗品の残量が基準値以下になったことを検出する検知センサと、前記消耗品の単位期間当たりの使用量の代表値が格納された代表値記憶部と、前記消耗品が無くなるよりも、どの程度前にニアエンド状態信号を出力するのかを示す余裕期間が設定される余裕期間記憶部とを備えたコンピュータをニアエンド検出装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、前記検知センサによって前記消耗品の残量が前記基準値以下になったことが検知された場合、前記基準値と前記代表値格納部に格納されている代表値と、前記余裕期間記憶部に格納されている余裕期間とに基づいて、前記消耗品がニアエンド状態になったことを示すニアエンド状態情報の出力タイミングを決定する出力タイミング決定手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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