説明

ヌメリ抑制用組成物およびヌメリ抑制方法

【課題】 視覚的にも不快であるバクテリアや真菌類の増殖によるヌメリに対して、効果的かつ簡便に処理することが可能な、ヌメリ抑制用組成物とヌメリ抑制方法を提供することである。
【解決手段】 本発明のヌメリ抑制用組成物は、ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリの発生を抑制するヌメリ抑制用組成物であって、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分を含有することを特徴とする。前記ヌメリ抑制成分が、紅色および/またはピンク色を呈するヌメリの発生を抑制する成分であることを特徴とする。前記ヌメリ抑制用組成物は、カチオン性物質を含有することが好ましい。本発明のヌメリ抑制方法は、ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリが発生する前に、予め対象面に、前記ヌメリ抑制用組成物を供することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヌメリの発生を抑制するヌメリ抑制用組成物およびヌメリ抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市部の再開発などに伴い、近年、臨海部や駅周辺に超高層マンションなどのコンクリート建設物が増加している。建築技術の向上にも伴い、これらの建設物は、窓が設けられていない浴室などに見られるように、室内の密閉性が高くなってきている。
また、最近では有職主婦の増加などに伴い、昼間の時間帯でも家を留守にする場合が多く、居住空間全体の換気が不充分となり易くなってきている。
【0003】
このような居住空間では、空間内の温度や湿度は、以前より高くなりやすい環境となってきている。特に、浴室、キッチン、洗面所、トイレなどは水が滞留しやすい空間であり、ヌメリが発生しやすい場所である。
【0004】
これに対応して、従来、様々な住居用洗浄剤等が提案されている。
その中で、既に発生してしまったヌメリに対応するものとして、これを取り除く除去剤等が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
一方、ヌメリを取り除くのではなく、その発生を抑制する予防機能を有する組成物として、主に排水口や三角コーナのヌメリを防止する用具や錠剤、排水フィルタ用のシートタイプ等が提案されている(例えば、特許文献4〜6参照。)。
また、浴室内の床や壁、便器などに、防汚機能を付与した部材等の提案がされている(例えば、特許文献7参照。)。
【特許文献1】特開2003−55698号公報
【特許文献2】特開平8−268818号公報
【特許文献3】特開平11−43404号公報
【特許文献4】特開平10−152698号公報
【特許文献5】特開2001−65021号公報
【特許文献6】特開2004−97935号公報
【特許文献7】特開2001−112851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、浴室の床の隅、シャンプーなどのボトル底部、排水口、トイレの便器内の喫水線部などは、バクテリアや真菌類の増殖によるヌメリ、特に紅色および/またはピンク色のヌメリが発生しやすい場所である。
この紅色および/またはピンク色を呈したヌメリは、「見た目に気持ちが悪い」「不衛生な
ものである」など不快感を与えるものとして、昨今の清潔志向の高まりからも、その気になり度が高くなっている。
しかしながら、これまでの提案は、従来の一般的に問題としていたバクテリア主体、かつ、着色もわずかで見た目の不快感に繋がらないヌメリに対する除去や蓄積予防等を目的とするものであり、主に真菌類の増殖によるヌメリに対しての効果は充分なものではなく、紅色および/またはピンク色を呈するヌメリに対応するものは未だ存在していないのが実情である。また、その使用方法についても、用具等による物理力を要するなど、簡便なものではなく、忙しい主婦らにとっては負担となるものである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、視覚的にも不快であるバクテリアや真菌類の増殖によるヌメリに対して、効果的かつ簡便に処理することが可能な、ヌメリ抑制用組成物とヌメリ抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、この視覚的にも不快な紅色および/またはピンク色のヌメリが、ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムであることを見出した。前記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を提案する。
本発明のヌメリ抑制用組成物は、ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリの発生を抑制するヌメリ抑制用組成物であって、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分を含有することを特徴とする。
前記ヌメリ抑制成分が、紅色および/またはピンク色を呈するヌメリの発生を抑制する成分であることを特徴とする。
前記ヌメリ抑制用組成物は、カチオン性物質を含有することが好ましい。
本発明のヌメリ抑制方法は、ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリが発生する前に、予め対象面に、前記ヌメリ抑制用組成物を供することを特徴とする。
また、本発明のヌメリ抑制方法は、ヌメリ抑制用組成物を容器に充填し、当該容器からヌメリ抑制用組成物を前記対象面に供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、視覚的にも不快であるバクテリアや真菌類の増殖によるヌメリに対して、効果的かつ簡便に処理することが可能な、ヌメリ抑制用組成物とヌメリ抑制方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ヌメリの発生を抑制する成分を含有するヌメリ抑制用組成物である。
ここで、ヌメリとは、酵母であるロドトルラ、細菌であるメチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種の菌を含む微生物の複合体をいい、多糖類などの微生物代謝物を含む場合がある。また、この微生物の複合体は、色素により着色している。紅色および/またはピンク色を呈する場合、ロドトルラが主菌種である。このロドトルラは、真菌類のなかでも増殖速度が速いため、除去してもすぐに発生しやすいものである。
ここで、ヌメリの発生を抑制するとは、発生したヌメリを除去することを主目的とするのではなく、従来ヌメリが発生しやすい場所などにヌメリが発生するのを予防することを主目的とするものである。
また、紅色および/またはピンク色を呈するヌメリとは、少しでも赤味を帯びた色を呈するヌメリであればよく、紅色、ピンク色、これらの中間色のヌメリを含む概念とする。
例えば、文献によれば、490nm付近に最大吸収をもつ色素などである(文献名:『浴室などの住環境に発生するスライム』防菌防微vol.24,No.11,p.723〜728(1996))。
【0010】
≪ヌメリ抑制用組成物≫
本発明のヌメリ抑制用組成物は、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分を含有するものである。さらには、カチオン性物質を含有することが好ましいものである。
【0011】
<ヌメリ抑制成分>
ヌメリ抑制成分とは、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるものをいう。
ここで、ロドトルラに対する抗菌活性値とは、抗菌成分溶液と菌液を5分間接触させた際の菌数の対数値を、対照溶液での菌数の対数値から差し引いた値を示す。試験方法の詳細については、後述する実施例に示す。
この抗菌活性値が2以上であれば、ヌメリを抑制することができる。さらに好ましい抗菌活性値は、3以上である。
なお、この抗菌活性値は高いほど好ましいため、上限値を規定する技術的意義はない。
【0012】
ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分としては、(株)繊維社発行の『抗菌のすべて』(1997)129〜172頁記載の抗菌成分である無機系抗菌剤、有機系抗菌剤のなかの界面活性剤系、ハロゲン系、フェノール系、アルデヒド系、イソチアゾロン系、エステル系、微生物・放射菌由来系が挙げられる。さらに、前記書籍記載の成分以外に、分子内に窒素を含有するキレート剤等が挙げられる。
以下に、具体例を示す。
【0013】
〔無機系抗菌剤〕
無機系抗菌剤としては、銀系、亜鉛系、チタン系、銅系の抗菌性の金属を含む成分等が挙げられる。なかでも、前記抗菌性の金属の酸化物、硫化物、有機酸塩、金属錯体、水酸化物、塩化物等が挙げられ、また、抗菌性の金属担持体等が挙げられる。
抗菌性の金属担持体としては、前記抗菌性の金属の酸化物、塩化物、硝酸物、N−ステアリル−L−グルタミン酸物または抗菌性の金属そのもの等を、ゼオライト、粘土鉱物、シリカゲル等のケイ酸塩、リン酸塩類(リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム等)、酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム等)などの担体に担持した成分等が挙げられる。
これらのなかでも、ヌメリ抑制効果の点から、前記抗菌性の金属の酸化物、硫化物、有機酸塩、金属錯体、前記抗菌性の金属の酸化物を担体に担持した抗菌剤が好ましく選ばれ、さらに好ましくは、前記抗菌性の金属の酸化物を担体に担持した抗菌剤が選ばれる。
無機系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0014】
〔界面活性剤系抗菌剤〕
界面活性剤系抗菌剤としては、特に限定されないが、カチオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、両性界面活性剤が好ましく用いられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
なかでも、ヌメリ抑制効果と安全性の点から、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、イミダゾリニウム塩、特に好ましくはイミダゾリニウムクロライドが好ましく選ばれる。
【0015】
半極性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルアミンオキシド、(I)式、(II)式等が挙げられる。
【0016】
【化1】

【0017】
〔式中、Rは炭素数8〜26のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシルアミドアルキル基、アルキルフェニル基から選ばれ、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜3の整数、RおよびRは、同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基から選ばれる。なお、アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよい。〕
【0018】
【化2】

【0019】
〔式中、Rは炭素数8〜16の直鎖アルキル基またはアルケニル基であり、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、Xは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基である。なお、アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよい。〕
なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、アルキルアミンオキシドが好ましく選ばれる。
【0020】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノプロピオン酸、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸等が挙げられる。
なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましく選ばれる。
【0021】
界面活性剤の脂肪酸炭素数としては、炭素数6〜22の直鎖、分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸が好ましく、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などが挙げられる。なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、ラウリン酸またはヤシ油脂肪酸が好ましく選ばれる。これらの脂肪酸は、単独または2種以上の混合物を用いてもよい。
界面活性剤系抗菌剤の対イオン(陰イオン)としては、特に限定されないが、なかでもハロゲンイオンなどが好ましく選ばれる。
以上の界面活性剤系抗菌剤として、好ましくは、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルアミンオキシド、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが選ばれ、さらに好ましくは、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルアミンオキシドが選ばれる。
界面活性剤系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0022】
〔ハロゲン系抗菌剤〕
ハロゲン系抗菌剤としては、ポリビニルピロリドンヨード、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパギルフォルマール、3−ヨード−2−プロパギルブチルカーバメート、塩素化イソシアヌール酸、1−[(ジヨードメチル)スルホニル]−4−メチルベンゼン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N−ジメチル−N−’(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’フェニルファミド、1−ブロモ−3−エトキシカルボオキシ−1,2−ジヨード−1−プロペン、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、α−クロロナフタレン等が挙げられる。
なかでも、ヌメリ抑制効果と使用性の点から、塩素化イソシアヌール酸が好ましく選ばれる。
ハロゲン系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0023】
〔フェノール系抗菌剤〕
フェノール系抗菌剤としては、フェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(チモール)、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、メチルフェノール(クレゾール)、パラクロロフェノール、トリブロムフェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、4−クロロ−2−(フェニルメチル)フェノール、モノクロロ−2−フェノール等が挙げられる。
なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(チモール)、メチルフェノール(クレゾール)が好ましく選ばれる。さらに、使用時のにおいの点から、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(チモール)が好ましく選ばれる。
フェノール系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0024】
〔アルデヒド系抗菌剤〕
アルデヒド系抗菌剤としては、ホルムアルデヒド(ホルマリン)、グルタルアルデヒド、α−ブロムシンナムアルデヒド、trans−ケイ皮アルデヒド等が挙げられる。なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、グルタルアルデヒド、trans−ケイ皮アルデヒドが好ましく選ばれる。
アルデヒド系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0025】
〔イソチアゾロン系抗菌剤〕
イソチアゾロン系抗菌剤としては、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(ケーソン)、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾロン−3(プロキセル)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾチアゾロン等が挙げられる。
なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(ケーソン)、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾロン−3(プロキセル)が好ましく選ばれる。
イソチアゾロン系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0026】
〔エステル系抗菌剤〕
エステル系抗菌剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、パラヒドロキシ安息香酸メチルエステル、パラヒドロキシ安息香酸エチルエステル、パラヒドロキシ安息香酸プロピルエステル、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステル等が挙げられる。
なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、パラヒドロキシ安息香酸メチルエステル、パラヒドロキシ安息香酸プロピルエステルが好ましく選ばれる。
エステル系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0027】
〔微生物・放射菌由来系抗菌剤〕
微生物・放射菌由来系抗菌剤としては、アミノ配糖体化合物、ε−ポリリジン等が挙げられる。なかでも、ヌメリ抑制効果と、さらに弱アルカリ性から酸性条件下においてカチオン性を示す点から、ε−ポリリジンが好ましく選ばれる。
微生物・放射菌由来系抗菌剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0028】
〔分子内に窒素を含有するキレート剤〕
分子内に窒素を含有するキレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸およびその塩、ニトリロトリ酢酸およびその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびその塩、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸およびその塩、ジヒドロキシエチルグリシンおよびその塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸およびその塩、トリエチレンテトラアンミンヘキサ酢酸およびその塩からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。塩の場合は、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
なかでも、ヌメリ抑制効果の点から、エチレンジアミンテトラ酢酸、または、その塩、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく選ばれる。
分子内に窒素を含有するキレート剤は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
【0029】
以上の抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分の中でも、ヌメリ抑制効果と対象面への吸着・残存性の点から、好ましくは、銀系、チタン系、銅系の抗菌性の金属の酸化物を担体に担持した抗菌剤、カチオン性界面活性剤、アルキルアミンオキシド、エチレンジアミンテトラ酢酸、グルタルアルデヒド、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾロン−3(プロキセル)、ε−ポリリジンが選ばれ、さらに好ましくは、銀系、チタン系、銅系の抗菌性の金属の酸化物を担体に担持した抗菌剤、カチオン性界面活性剤、アルキルアミンオキシド、エチレンジアミンテトラ酢酸、ε−ポリリジンが選ばれる。
ヌメリ抑制成分は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
また、配合量としては、好ましくは0.001〜2質量%であり、さらに好ましくは0.005〜0.5質量%である。配合量が0.001質量%以上であれば、ヌメリ抑制効果が充分に得られるようになる。2質量%以下であれば、ヌメリ抑制効果は充分であり、経済的にも許容される上限量である。
【0030】
<カチオン性物質>
本発明のヌメリ抑制用組成物は、ヌメリ抑制効果の向上あるいは水場におけるヌメリ抑制効果の持続性の点から、カチオン性物質を含有することが好ましい。
ここで、カチオン性物質としては、カチオン性を示す界面活性剤、カチオン性高分子などが挙げられる。
カチオン性を示す界面活性剤としては、例えば、上述のカチオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、同様のものを用いることができる。
カチオン性高分子としては、特に限定されないが、ポリエチレンイミン、ポリアニリン、塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマ、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマ等のカチオン性基含有ビニル系高分子、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、ポリガラクトサミン、キトサン(ポリグルコサミン)、キチン、ε−ポリリジン、カチオン化キサンタンガム等が挙げられる。そして、質量平均分子量(ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィによる測定値)が約1000〜10000のものが選ばれる。なかでも、ε−ポリリジン(質量平均分子量が約4500)が、ヌメリ抑制効果と、さらに弱アルカリ性から酸性条件下においてカチオン性を示す点から好ましく選ばれる。
【0031】
以上のカチオン性物質の中でも、ヌメリ抑制効果の向上あるいは水場におけるヌメリ抑制効果の持続性の点から、好ましくは、銀系、チタン系、銅系の抗菌性の金属の酸化物を担体に担持した抗菌剤、カチオン性界面活性剤、アルキルアミンオキシド、エチレンジアミンテトラ酢酸、グルタルアルデヒド、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾロン−3(プロキセル)、ε−ポリリジンが選ばれ、さらに好ましくは、銀系、チタン系、銅系の抗菌性の金属の酸化物を担体に担持した抗菌剤、カチオン性界面活性剤、アルキルアミンオキシド、エチレンジアミンテトラ酢酸、ε−ポリリジンが選ばれる。
カチオン性物質は、単独または2種以上のものを用いてもよい。
また、配合量としては、好ましくは0.001〜2質量%であり、さらに好ましくは0.005〜0.5質量%である。配合量が0.001質量%以上であれば、ヌメリ抑制効果が、より向上するようになる。2質量%以下であれば、ヌメリ抑制効果の向上効果は充分であり、経済的にも許容される上限量である。
【0032】
<その他の任意成分>
本発明のヌメリ抑制用組成物には、通常添加される添加剤等を使用することができ、ヌメリ抑制成分とカチオン性物質の他、天然抽出物、香料、公知の溶剤、水溶性高分子、安定化剤、色素などを任意に配合することができる。
以下、これらについて具体例を挙げる。
【0033】
天然抽出物の具体例としては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シュクシャ、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、オケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ハハキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ハマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等が挙げられる。
【0034】
香料の具体例としては、次の香料原料のリストが挙げられる。
様々な文献が挙げられ、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.IandII,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994 )および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等が挙げられる。以上のそれぞれを引用することにより、本明細書の開示の一部とされる。
【0035】
<製造方法>
本発明のヌメリ抑制用組成物の製造方法は、常法に基づいて製造することができる。
例えば、水、エタノールなどを溶剤として、ヌメリ抑制成分を添加し、必要に応じてこの段階で安定化剤等を添加し、撹拌混合して分散や溶解させる。次いで、カチオン性物質、その他の任意成分を添加し、最後にpH調整等を行い調製する。
【0036】
≪ヌメリ抑制方法≫
本発明のヌメリ抑制方法は、ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリが発生する前に、予め対象面に、本発明のヌメリ抑制用組成物を供することを特徴とするものである。
ここで、予め対象面に本発明のヌメリ抑制用組成物を供するとは、ヌメリが発生する前に、対象面に本発明のヌメリ抑制用組成物を塗布することをいう。既に発生してしまったヌメリに対して組成物を塗布し、物理的な力を加えて取り除く既存のタイプとは異なるものである。
【0037】
本発明の組成物を対象面に供する方法としては、特に限定するものではないが、スプレー式の噴射部を有する容器に充填し対象面に噴霧する方法、ポンプ式の噴射部を有する容器に充填し対象面に供する方法、容器本体の開口部から供する方法、箱あるいは袋型などで一部分に剤流出部を持ち対象部分に設置する容器に充填し供する方法、エアゾール式容器に充填し噴霧する方法、蒸散式の容器に充填し噴霧する方法、容器本体部を指で押して組成物を噴霧する方法などが挙げられる。なかでも、特にスプレー式の噴射部を有する容器に充填し対象面に噴霧する方法が、使用性の面から好ましい。
本発明を実施する場所としては、ヌメリが気になる場所であれば特に限定されないが、居住空間内などで、温度や湿度が高くなりやすい空間等が挙げられる。特に、浴室、キッチン、洗面所、トイレなどは水が滞留しやすい空間であり好ましく実施される。
さらに、例えば、浴室の床の隅、シャンプーなどのボトル底部、排水口、トイレの便器内の喫水線部などは、バクテリアや真菌類の増殖によるヌメリ、特に紅色および/またはピンク色のヌメリが発生しやすい場所であり、好ましく実施される。
具体的な一使用形態としては、例えば浴室用として、毎日の掃除後や入浴後に、スプレー式の噴射部を有する容器に本発明のヌメリ抑制用組成物を充填したものを対象面に噴霧する使用方法が挙げられる。これにより、忙しい主婦をはじめ、主婦以外の人にとっても効果的かつ簡便に、ヌメリの発生を抑制することができる。
【実施例】
【0038】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は、特に断りがない限り「質量%」である。
はじめに、各成分におけるロドトルラに対する抗菌活性値を測定した。
次に、選定したヌメリ抑制成分を配合した評価用試料を用いて、紅色および/またはピンク色のヌメリの発生抑制試験をモデル試験と実用試験にて実施した。
【0039】
<使用した原料一覧>
実施例に用いた原料について、製造メーカ、商品名を以下に列挙する。なお、商品名に付記した括弧内はグレードを表す。
原料名(製造メーカ、商品名):
銀ナノコロイドUA(触媒化成(株)、ATOMYBALL−(UA))、銀ナノコロイドS(触媒化成(株)、ATOMYBALL−(S))、銀ナノコロイドL(触媒化成(株)、ATOMYBALL−(L))、亜鉛ナノコロイドM(触媒化成(株)、ATOMYBALL−(TZ−M))、亜鉛ナノコロイドR(触媒化成(株)、ATOMYBALL−(TZ−R))、銀・亜鉛複合粒子(触媒化成(株)、AIS−NAZ320)、銀・フィチン酸錯体(近畿パイプ技研(株)、ルナシルバー)、ε−ポリリジン(チッソ(株)、ポリリジン25%溶液)、イミダゾリウムクロライド(goldschmidt、TEGOTAIN AIM)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(ライオン・アクゾ(株)、アーカードT−800)、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(ライオン・アクゾ(株)、アーカード210−50)、塩化ベンザルコニウム(ライオン・アクゾ(株)、アーカードCB−50)、C12〜14アルキルアミンオキシド(ライオン・アクゾ(株)、アロモックスDM12D−W(C))、酸化チタン(ライオン化学(株)、ライオナイトSF)、酸化亜鉛(東京化成工業(株)、試薬)、硫酸亜鉛(東京化成工業(株)、試薬)、グルコン酸亜鉛(東京化成工業(株)、試薬)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(東京化成工業(株)、試薬)、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(東京化成工業(株)、試薬)、グルタルアルデヒド(東京化成工業(株)、試薬)、trans−ケイ皮アルデヒド(東京化成工業(株)、試薬)、パラヒドロキシ安息香酸メチルエステル(東京化成工業(株)、試薬)、パラヒドロキシ安息香酸プロピルエステル(東京化成工業(株)、試薬)、ジクロロイソシアヌル酸(四国化成工業(株)、ネオクロール60)、エチレンジアミンテトラ酢酸(アクゾノーベル(株)、ディゾルビンZ)、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(ローム・アンド・ハース(株)、ケーソンCG−ICP)、N−ブチル−1,2ベンズイソチアゾロン−3(アビシア(株)、PROXEL XL2(S))
【0040】
<ロドトルラに対する抗菌活性値の測定>
以下に示す方法にて、ヌメリ抑制成分のロドトルラに対する抗菌活性値を測定した。
求めた各種成分におけるロドトルラに対する抗菌活性値を表1、表2に示す。
〔測定方法〕
(1)対照試料の調製
0.05%のポリソルベート(Tween80)を高圧蒸気滅菌したものを用いる。
(2)評価試料の調製
15%濃度のエタノール水溶液にて、表1、表2に示した成分を0.5%に調製する。
(3)試験用菌液の調製
ロドトルラをポテトデキストロース寒天培地に接種し、28℃、2日間、前々培養する。
次いで、この菌をポテトデキストロース寒天培地に接種して、28℃、2日間、前培養した後、滅菌した0.05%のTween80液を用い、10CFU/mLになるように調製する。
(4)不活性化剤の調製
ポリペプトン、レシチン、ポリソルベートの混合物(LP希釈液ダイゴ(商品名)、日本製薬(株)製)30gを精製水1Lに加温溶解し、高圧蒸気滅菌したものを用いる。
(5)試験管の滅菌
180℃、1時間にて乾熱滅菌を行う。
(6)試験方法
1)滅菌した試験管に、試験用菌液を1mL添加する。
2)試験管1)に、評価試料または対照試料を9mL加え、撹拌後、5分間静置する。
3)5分後、撹拌して1mL採取し、不活性化剤が9mL入った滅菌試験管に添加して撹拌する。
4)混釈培養法にて、試験管3)をポテトデキストロース寒天培地に塗布し、28℃、2日間培養後、菌数を求める。
5)対照試料のLog菌数値から評価試料のLog菌数値を差し引き、抗菌活性値を求める。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
<紅色および/またはピンク色のヌメリの発生抑制試験>
紅色および/またはピンク色のヌメリの発生抑制を評価するために、次に、モデル試験と、実際の家庭での実用試験を行った。
〔モデル試験〕
(1)試験片の調製
2cm×2cmの大きさの繊維強化プラスチック(FRP)を高圧蒸気滅菌したものを用いる。
(2)対照試料の調製
0.05%のTween80を高圧蒸気滅菌したものを用いる。
(3)評価試料の調製
15%濃度のエタノール水溶液にて、ヌメリ抑制成分とカチオン性物質をそれぞれ表4〜6に示す所定濃度になるように配合し、表3に示す香料組成物a〜dを各0.1%と、必要に応じて1%安息香酸エタノール溶液または1%NaOH水溶液を加えて、pH5の評価試料を調製する。
(4)試験用菌液の調製
実家庭の浴室から採取したピンク色のヌメリ(ロドトルラを主菌種とするもの)を生理食塩水に分散させ、10CFU/mLになるように調製する。
(5)不活性化剤の調製
LP希釈液ダイゴ(商品名)30gを精製水1Lに加温溶解し、高圧蒸気滅菌したものを用いる。
(6)滅菌水の調製
精製水を高圧蒸気滅菌したものを用いる。
(7)試験方法
1)水平に置いた試験片に、評価試料または対照試料の100μLを滅菌ピペットを用いて全面に塗り広げる。
2)温度25℃、相対湿度40%の環境下で、試験片を80°に立て掛け、乾燥させる。
3)乾燥後、試験片を80°に立て掛けたまま、滅菌ピペットを用いて滅菌水10mLにて試験片の表面を洗い流す。
4)試験片を80°に立て掛けたまま、温度25℃、相対湿度40%の環境下で乾燥させる。
5)乾燥後、試験片を水平状態にしてから試験用菌液を10μL滴下して塗り広げ、60分間静置する。
6)試験片上の菌を不活性化剤で洗い流し、混釈培養法にて、ポテトデキストロース寒天培地に塗布し、28℃、2日間培養後、菌数を求める。
7)対照試料のLog菌数値から評価試料のLog菌数値を差し引き抗菌活性値を求め、次の基準にて評価した。評価結果を表4〜6に示す。
◎:抗菌活性値が2以上
○:抗菌活性値が1以上2未満
×:抗菌活性値が1未満
この基準にて抗菌活性値が1以上であれば、目視でもピンク色のヌメリの発生は認められず、組成物としてヌメリ抑制効果を充分に有していると評価される。
【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
【表5】

【0047】
【表6】

【0048】
〔実用試験〕
(1)ヌメリ抑制用組成物の調製
次のX〜Zのヌメリ抑制用組成物(pH5に調整)をスプレー式の噴射部を有する容器に充填し、実際の家庭での実用試験を行った。
組成物X:銀ナノコロイド 0.01%、ε−ポリリジン 0.02%、エタノール 20%、香料組成物a 0.1%、精製水 バランス
組成物Y:エチレンジアミンテトラテトラ酢酸 0.5%、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド 0.01%、エタノール 20%、香料組成物b 0.1%、精製水 バランス
組成物Z:ε−ポリリジン 0.02%、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 0.01%、エタノール 20%、香料組成物c 0.1%、精製水 バランス
(2)パネラーの選定
紅色および/またはピンク色のヌメリが、現在実際に、家庭の浴室に発生している家庭についてアンケート調査を実施し、パネラーを選定した。
(3)試験方法
以下の方法にて試験を行い、評価結果を表7に示す。
1)パネラー家庭の浴室にて、紅色および/またはピンク色のヌメリが発生している場所を確認する。
2)上記場所を浴室用洗剤を用いて洗浄し、紅色および/またはピンク色のヌメリを除去する。
3)上記場所を2区画に分ける。一方には、噴霧間隔を最短で1日に1回、最長でも2日に1回の割合で、X〜Zのいずれかの組成物を噴霧し、他方には噴霧しない。
4)10日後、両区画を拭き取り、採取した試料溶液を混釈培養法にて、ポテトデキストロース寒天培地に塗布し、28℃、2日間培養後、菌数を求める。
5)噴霧した場所としない場所での菌数対数値の差を求める。
【0049】
【表7】

【0050】
表1、表2より、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上の成分は、無機系、界面活性剤系、ハロゲン系、フェノール系、アルデヒド系、イソチアゾロン系、エステル系、微生物由来系、キレート剤系抗菌成分であった。アルコール、カルボン酸系、植物由来系抗菌成分は、ロドトルラに対する抗菌活性値が2未満であった。
表4〜6より、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上のヌメリ抑制成分を含有する組成物である実施例は、ピンク色のヌメリ抑制効果に優れていた。一方、ヌメリ抑制成分を含有しない比較例ではヌメリ抑制効果が低かった。
表7より、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分を含有する組成物を予め噴霧する抑制方法を用いることにより、実際の家庭での紅色および/またはピンク色のヌメリ発生場所のいずれに対しても、ヌメリ抑制効果に優れていることを確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリの発生を抑制するヌメリ抑制用組成物であって、ロドトルラに対する抗菌活性値が2以上であるヌメリ抑制成分を含有することを特徴とするヌメリ抑制用組成物。
【請求項2】
前記ヌメリ抑制成分が、紅色および/またはピンク色を呈するヌメリの発生を抑制する成分であることを特徴とする請求項1に記載のヌメリ抑制用組成物。
【請求項3】
カチオン性物質を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヌメリ抑制用組成物。
【請求項4】
ロドトルラ、メチロバクテリウム、ミクロバクテリウムから選択される少なくとも1種を含むヌメリが発生する前に、予め対象面に、請求項1〜3のいずれかに記載のヌメリ抑制用組成物を供することを特徴とするヌメリ抑制方法。
【請求項5】
ヌメリ抑制用組成物を容器に充填し、当該容器からヌメリ抑制用組成物を前記対象面に供することを特徴とする請求項4に記載のヌメリ抑制方法。

【公開番号】特開2006−151908(P2006−151908A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347827(P2004−347827)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】