説明

ネイルブレス、ネイルブレス装着具、及び、装着セット

【課題】
矯正する爪へのネイルブレスの装着をより簡単にする、ネイルブレス、ネイルブレス装着具、ならびに、これらのセットをもたらすことである。
【解決手段】
弾塑性材料で作られた板バネ様ストリップ(5)とストリップ(5)上に少なくとも部分的に設けられた磁性材料を含有するカバー(13)とを備えて構成されるネイルブレス。長手方向と垂直に広がり且つ装着面を形成する端面(17)を有するベースボディ(15)と、前記装着面(17)にネイルブレス(2)を取り外し可能に保持するための、当該装着面(17)上に備えられた磁気性の保持要素(28)とを備えて構成される、ネイルブレス装着具。ならびに、これらネイルブレス(2)とネイルブレス装着具(3)とを備えたセット(1)によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許文献1の内容が参照することで包含される。本発明は、爪の矯正を実施するためのネイルブレスに関連している。また、本発明は前記ネイルブレスをつま先又は手指の爪に装着するためのネイルブレス装着具、及び、前記ネイルブレスとネイルブレス装着具を備えた、爪の矯正を実施するためのセットに関連している。
【背景技術】
【0002】
ネイルブレスは基本的に特許文献2から公知である。板バネ様ストリップの形態をした特許文献2に記載のネイルブレスは、曲がりすぎた爪を横から持ち上げるために用いられる。ネイルブレスは、弾塑性材料で作られたストリップ(細長片)であり、矯正すべき爪に瞬間接着剤で糊づけされる。
【0003】
ネイルブレス装着具は特許文献3に記載されており、当該ネイルブレスの所定の位置合わせと固定のために用いられる。この特別な器具は細長いベースボディを有しており、長手方向と概ね垂直に端面が広がり、当該端面上には、装着すべきネイルブレスが保持要素によって取り外し可能に保持されている。この場合の保持要素は、ゴムリングの形をしたゴム弾性スリーブとして構成され、ネイルブレスを固定するためにネイルブレス装着具の保持装着部上に圧締め可能である。この圧締めした保持状態において、保持装着部の他に前記保持要素も、装着面上に置かれたネイルブレスをその一方の長手方向端部で取り囲む。このネイルブレス装着具は実際に成功が証明された。しかしながら、ネイルブレスの装着は、その補助器具を用いてすら特定の器用さを要求し、特に前記保持要素をネイルブレス装着具上に圧締めすることと、したがってその上に取り外し可能なネイルブレスを固定することを要求する。
【0004】
爪を矯正するための方法と装置が特許文献4に記載されており、磁気要素をつま先の巻き爪の側方領域に糊づけする。反対の(対になる)磁石が靴内側のつま先位置に配置されて、磁気要素同士の磁気引力を作用させ、つま先の巻き爪上に力の作用を実行する。特許文献4にしたがう爪の矯正は著しく労力を要する。磁気要素のつま先爪への装着は多くの熟練を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE 10 2011 087 144.6
【特許文献2】EP 0 282 645 B1
【特許文献3】DE 10 2008 010 442 B3
【特許文献4】US 2009/0048551 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、最初に記載した種類のネイルブレス装着具と、最初に記載した種類のネイルブレスの両方をもたらすことであり、それによって矯正すべき爪へのネイルブレスの装着がより簡単になる。本発明は、当該ネイルブレスと当該ネイルブレス装着具とを用いることによって、爪の矯正を実行するためのセットをもたらすという課題にも基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これら課題は、本発明にしたがい請求項1、9及び14に開示された特徴構成によって解決される。本発明の核はネイルブレスがカバーを備えていることであって、当該カバーは、少なくともストリップ上の範囲内に設けられており、磁気材料を含有している一方で、ネイルブレス装着具は、特に永久磁石の形態をした磁気性保持要素を備えていることである。ストリップのカバー用に設けられた磁性材料は、特に磁気材料又は磁気作用材料であってもよい。
【0008】
本発明にしたがうと、ネイルブレス装着具の磁気性保持要素と相互作用をする、磁気材料で作られたカバーをネイルブレスが備えている場合には、前記ネイルブレス装着具へのネイルブレスの固定が特に容易にできることが認められた。また、さらなる固定要素を省略することができる。
【0009】
有利な態様例にしたがうと、前記カバーは、ネイルブレスの板バネ様ストリップの上に取り外し可能に設けられる。このことは、治療する爪へのネイルブレスの装着後に、前記カバーが、ネイルブレスの板バネ様ストリップから再度取り除かれうることを意味する。ネイルブレスは透明であることが好ましく、比較的近くで観察することによってのみ爪の上に見える。磁気材料を備えたカバーが色でネイルブレスから区別されれば、美的感覚から、ネイルブレスの装着後に当該ネイルブレスから当該カバーを再度取り外すのに役立つ。
【0010】
請求項3に記載の構成にしたがうと、前記カバーは、板バネ様ストリップの中央横断軸(主軸)と隣り合って延びる。この配置により、ネイルブレスはネイルブレス装着具によって中央に把持することができるので、当該ネイルブレスはネイルブレス装着具の装着面と中心を揃えて接触するようになりえる。
【0011】
請求項4にしたがうと、カバーはワニスとして構成されて、磁気材料をそれと混合する。特にそのとき(磁気性)金属ワニスが存在する。前記ワニスは、ネイルワニスでもあると好ましい。磁気材料とワニスを混合することにより、ネイルブレスの板バネ様ストリップへのカバーの装着を実質的に容易にする。ネイルワニスは、ニトロセルロースと、溶剤と、任意に色素染料で実際に構成される。この種類のネイルワニスは、高い接着強度と、高い耐久性を備えている。それは、ネイルブレスの板バネ様ストリップに容易に装着可能である。その上、実際にどこででも得られるので、入手可能性が高い。
【0012】
請求項5に記載のさらに好ましい構成から、前記カバーは粘着性ストリップとして構成され、強磁性材料を含んでおり、板バネ様ストリップに糊づけされる。カバーのこの構成により、ネイルブレスへカバーを装着するための追加の手段は省略できる。粘着性ストリップは、例えばネイルブレスへ手で糊づけされる。ここで粘着性ストリップは、ネイルブレスが爪に装着された後に、再度ネイルブレスから当該粘着性ストリップを容易に取り外せるように選択してもよい。
【0013】
さらに好ましい構成にしたがうと、磁気材料は、強磁性材料を含んでおり、特に、鉄、ニッケル、及び、コバルトの群からの少なくとも一つの元素を含んでいるので、磁気性保持要素を用いることによって、ネイルブレス装着具でネイルブレスを容易に把持できることを確実にする。高い磁気性保持力は、鉄、ニッケル、及び/又は、コバルトによって通常条件下で成し遂げることができる。
【0014】
請求項7に記載の更に有利な態様では、前記磁気材料が粒状であり、平均粒子サイズが特に5μmから100μmの範囲内であることをもたらす。磁気材料の粒状の構成により、次にネイルブレス上にカバーとして装着可能である、あらゆる物質と実際に容易に混合可能である。しかしながら、前記粒状材料をネイルブレスに直接取り付けることも基本的に可能である。
【0015】
請求項8に記載の構成によると、板バネ様ストリップが、多層のグラスファイバー補強した熱硬化性樹脂(=Duroplast:デュロプラスト)で構成され、特に三つのグラスファイバー層を備えている。この種類の構成は特に有利である、というのも、瞬間接着剤によってプラスチック材料と人の爪の間に、非常に迅速に効果が得られることと、著しく耐久性のある結合を作り出すことができるからである。三つのガラスファイバー層を備えることにより、ネイルブレスの剛性が単層構成と比較して増す。このことは、板バネ様ストリップの復元力が増し、ネイルブレスの効果がさらに改良されるという利点をもたらす。
【0016】
請求項10にしたがうと、ネイルブレス装着具の保持要素が、装着面において、ネイルブレス装着具の装着面の中央横断軸(中央横軸)と隣り合って実質的に配置されるので、ネイルブレスを装着面上において中央に揃えて装着することを可能にさせる。特に、磁気材料を備えるネイルブレスのカバーが、ネイルブレスの中央横断軸と隣り合って延び、且つ、磁気を帯びて構成された保持要素が、ネイルブレス装着具の装着面の中央横断軸と隣り合って延びる場合には、当該装着面とネイルブレスが共通の中央横断軸と隣り合って接触するようにもたらすことが可能となるので、装着面へのネイルブレスの安定な支持が可能とされる。
【0017】
請求項11にしたがうと、ネイルブレス装着具の保持要素は、装着面の窪み内に配置される。この構成により、装着面への保持要素の確実な固定が成し遂げられる。
【0018】
請求項12に記載の装置は、保持要素が装着面を超えて突き出ないこと、これによって、実質的に平らな装着面が設けられることを可能にする。
【0019】
請求項13に記載の構成は、ネイルブレスのカバーが、装着面の第一残存窪み(残りの窪み)に入ることができるという可能性を与える。これは、装着面の前記保持窪みとネイルブレスのカバーとの間に追加のインターロックを作り出す。そのうえ、特定のカバー厚みを備えたカバーですら、装着面上においてネイルブレスを同一平面に載せることを可能にさせ、当該ネイルブレスは前記第一装着面上にしっかりと保持される。
【0020】
本発明主体の実施形態を添付の図面を参照しながら以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ネイルブレスとネイルブレス装着具を用いて爪矯正を実施するためセットの実施形態の透視図である。
【図2】図1に記載のネイルブレス実施形態の底面図である。
【図3】図2に記載のネイルブレスの側面図である。
【図4】図1に記載のネイルブレス第二実施形態の図である。
【図5】図4に記載のネイルブレスの側面図である。
【図6】図1に記載のネイルブレス装着具実施形態の正面図である。
【図7】図6に記載のネイルブレス装着具の側面図である。
【図8】図6に記載のネイルブレス装着具の平面図である。
【図9】図7中の断面線IX-IXに沿った、ネイルブレス装着具の断面図である。
【図10】装着面上にネイルブレスを保持している、図7中の断面線IX-IXに沿った、ネイルブレス装着具の断面図である。
【図11】図6から図9に記載のネイルブレス装着具を用いることにより、つま先の爪へのネイルブレスの装着順序を表す図である。
【図12】図6から図9に記載のネイルブレス装着具を用いることにより、つま先の爪へのネイルブレスの装着順序を表す図である。
【図13】図6から図9に記載のネイルブレス装着具を用いることにより、つま先の爪へのネイルブレスの装着順序を表す図である。
【図14】図4及び図5に記載のネイルブレスを備えたネイルブレス装着具第二実施形態を有するセットの第二実施形態の図である。
【図15】ネイルブレス装着具第三実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図15において、互いに等しい部品には同一の参照番号を与えている。以下により詳細に説明する実施形態の詳細は、自身で、又は、本発明の主題の部分でもありうる。
【0023】
図1は、爪の矯正を実施するためのセット1の実施形態を表し、ストリップ形状で且つ板バネ様のネイルブレス2と、当該ネイルブレス2をつま先又は手指の爪4に装着するため(図11から図13参照)のネイルブレス装着具3とを備えている。前記ネイルブレス2は、治療すべきつま先又は手指の爪4上に糊づけするために用いられ、一方でネイルブレス装着具3は、当該ネイルブレス2を爪4に装着するために用いられる。
【0024】
第一実施態様のネイルブレス2は、図2及び図3にしたがい、弾塑性材料で作られた板バネ様ストリップ5であって、当該ストリップ5の長手範囲を横断して進む、中央横断軸6を備えた板バネ様ストリップ5と、上側部7、下側部8、二つの長手方向縁9、10、ならびに、中央縦軸6から間隔を置いて配置された二つの縁領域11、12とを備えている。板バネ様ストリップは、中央横断軸6を通り抜ける中央面について実質的に対称であって、ブレス長dとブレス幅dとを有している。
【0025】
ネイルブレス2は、つま先又は指の矯正すべき爪4に応じて様々な寸法を有することができる。これは、特に用途に応じて変化するブレス長dに当てはまる。したがって、例えば、30mm、24mm、22mm、20mm、18mm、16mm、及び、14mmのブレス長dを備えたネイルブレス2が存在する。これら異なるブレス長dは、例えばセット1内において、多くの、しかし、様々な長さのネイルブレス2も部分的に備えることができる。しかしながら、基本的に他のブレス長dも可能である。
【0026】
強磁性材料14を含有する取り外し可能なカバー13が、板バネ様ストリップ5の上側部7上に、少なくとも部分的に設けられうる。前記強磁性材料14は、好ましくは、鉄、ニッケル、又は、コバルトである。前記元素は、室温において特に良好な強磁性を有している。
【0027】
前記カバー13は、前記板バネ様ストリップ5の上側部7に薄層の状態で取り付けられ、且つ、中央縦軸6に隣接するストリップ5の中央領域内を延在している。カバー13は、上側部7が、目に見えて分かるほどの隆起が無い概ね平らな面を形成するように、前記板バネ様ストリップ5の上側部7に薄層の状態で取り付けられるのが好ましい。前記カバー13は、ブレス長dと比較して、より短い長軸範囲dを有している。好ましい実施態様において、カバー13の横軸範囲dは、前記ブレス幅dに対応し、少なくとも前記横軸範囲dは、ブレス幅dの少なくとも3/4を覆うことが好ましい。しかし、ブレス幅dとそれが等しくてもよい。
【0028】
好ましい実施形態において、カバー13は、強磁性材料14を混合したワニスで構成する。その良好な接着特性から、鉄、ニッケル、及び/又は、コバルトを含有する粒子を混合したネイルワニスが特に適している。ワニスとして構成されたカバー13は、この場合、ネイルブレス2の板バネ様ストリップ5へ取り外し可能に取り付けられており、且つ、前記板バネ様ストリップ5とは異なる色デザインを有する。前記異なる色デザインは、強磁性材料14を含有するカバー13を明確に識別するために用いられ、それによってユーザーが容易に識別可能であって、ネイルブレス装着具3をネイルブレス2のどこに配置すべきなのかが分かる。
【0029】
ネイルブレス2の板バネ様ストリップ5は、本来弾塑性材料で作られており、特に、三つのガラス繊維層で構成された、多層ガラス繊維強化熱硬化性樹脂で作られることが好ましい。この種類の塑性材料は、三層のガラス繊維強化によって、薄いストリップとして構成された場合であっても、長期間に渡るその本来の弾性は少しも維持しない。したがって、取り付けられたネイルブレス2によって爪4上に実施された、三層ガラス繊維によって達成された高い復元効果は、ネイルブレス2の固定直後から既に、再び低下することは無い。
【0030】
前記ネイルブレス2は、ネイルブレス装着具3を用いて爪4へ取り付けられる。
【0031】
ネイルブレス装着具3は、ポリエチレン(PE)で作られた、立方体様の基本形状を備え、その最大幾何学寸法(=長さ)が中央縦軸16に沿って延びる一つの細長いベースボディ15と、装着面として構成された二つの端面17、18と、前記中央縦軸16に対し概ね平行に進行する二つの長手方向側面部19、20とを備えている。
【0032】
前記中央縦軸16に夫々概ね垂直に伸びているその二つの端面17、18に隣接して、ベースボディ15は夫々装着区域21、22を有している。装着面として構成された前記端面17、18とは別の前記装着区域21、22は、夫々実施形態においてベースボディ15の長手方向側面部19、20に部分円の形状をした少なくとも一つの湾曲した窪み23も備えている。好ましい実施態様では、各装着区域21、22は明らかに二つの部分円形窪み23を有する。この場合、前記窪み23が長手方向脇19、20上の前記装着区域21、22内に設けられ、中央縦軸16について互いに向かい合っている。
【0033】
代わりに、前記端面17に隣接して延びる一つの装着区域21だけをベースボディ15に設けることも基本的に考えられる。前記端面18に隣接するベースボディ15の領域は、この場合、長手方向側面19、20上に窪みの無い状態で構成される。
【0034】
装着面17、18の範囲とは別の、前記装着区域21、22は、実質的には等しく構成され、特に、中央縦軸16に対して実質的に垂直に進行するベースボディの中央横軸27について対称となるようにも構成される。装着区域21、22の実質的に所与の構造同一性により、例えば、装着区域21を備えたネイルブレス装着具3の一つだけの各詳細を図11〜13に表す。
【0035】
中央横軸27に対して実質的に平行に伸びる、装着面17、18の装着面長さd、dは互いに異なっている。前記装着面長さd、dは、夫々各端面(=装着面17及び18)の領域においてベースボディ15の幅と同じである。本実施形態において、前記装着面長さdは20mmであり、したがって、18mm程を有する装着面dよりも大きい。他のd/d長さ組み合わせも基本的に可能である。装着面17、18の装着面幅dは、好ましい第一実施態様では夫々3mmである。他の装着面幅も基本的に可能である。
【0036】
装着面17、18は、それらの範囲について、装着するネイルブレス2の各範囲d、dに合わせられる。装着面長さd、dは、各ブレス長dと等しいことが好ましく、且つ、装着面幅dは装着するネイルブレス2の各ブレス幅dと等しいことが好ましい。
【0037】
装着するネイルブレス2を取り外し可能に保持するために、保持要素28、29が装着面17、18上に夫々備えられる。前記保持要素28、29は、ここでは永久磁石として磁性を帯びて構成されることが好ましい。特に、鉄、ニッケル、コバルト、ネオジミウム、及び/又は、フェライトが、永久磁石として構成された保持要素28、29用材料に適している。これら材料の一つ以上を有する化合物又は合金も可能である。
【0038】
代わりに、装着面17又は18の一つだけに、一つの保持要素28又は29を備えることも基本的にはありえる。この構成は、ベースボディ15上に一つだけ装着区域21又は22を設けた場合に選択される。
【0039】
各保持要素28、29は、装着面17、18上の中央縦軸16に隣接して実質的に伸びる。前記保持要素28、29の長手方向長さdは、ここでは装着面長さd、dよりも実質的に小さい。図8から推論されうるように、当該好ましい実施態様において、保持要素28、29の幅dは装着面幅dよりも小さい。
【0040】
図6〜図10にしたがう、ネイルブレス装着具3の好ましい実施態様において、保持要素28、29は、装着面17、18の窪み30、31内に夫々配置される。前記窪み30、31は、ベースボディ15内を中央縦軸16に沿って装着面17、18から離れて、中央横軸27の方向へ伸びる。それらは、中央縦軸16について概ね中央に配置される。前記窪み30、31は断面で見ると長方形であって、保持要素28、29の寸法に合わせられている。窪み30、31の長さと幅は保持要素28、29の寸法d、dと実質的に等しい。当該好ましい実施態様では、窪み30、31の深さdは、保持要素28、29の高さhと少なくとも等しい。保持要素28、29は、インターロック嵌合によってか、又は代わりに、接着剤結合で前記窪み30、31内に固定される。
【0041】
図9及び図10から推論されうるように、好ましい実施態様において保持要素28、29は窪み30、31内に完全に挿入される。図9及び10に示した挿入位置において、保持要素28、29が装着面17、18と同一平面で終わり(終端し)、且つ、装着面17、18から外側に突出しないように、当該保持要素28、29は窪み30、31内に配置される。このために、窪み30、31は、保持要素28、29の高さhと等しい深さtを有することが好ましい。したがって、装着面17、18はネイルブレス2と接触されうる一つの水平面を形成する。
【0042】
ネイルブレス2をつま先の爪4に取り付けるためのネイルブレス装着具3の使用及び特徴と利点を、特に図11、図12及び図13に記載の図を参照しながら以下により詳細に記載する。
【0043】
特にその側方外側縁の領域内において大きく曲がりすぎ、したがって醜いだけでなく痛みも生じているつま先の爪4が、ネイルブレス2によって矯正される。
【0044】
図11、図12及び図13は、ネイルブレス装着具3を用いて当該爪4上へのネイルブレス2の装着手順を表している。治療するつま先32と隣り合うつま先33とを夫々前面図で表している。
【0045】
図11、図12及び図13に示した実際の装着処理の前に、ネイルブレス装着具3が既に使用されている。治療する爪4に必要なブレス長dを決定するためにもそれを有利に用いることができる。装着面長さd、dが使用可能なブレス長dのうち一つと等しくなるように、前記ネイルブレス装着具3は治療する爪4を測るために用いることができる。治療する爪4の幅と最も一致している装着面長さd又はdを用いることにより、この場合最も適したネイルブレス2が選択される。夫々異なるブレス長dを備えた多数の使用可能なネイルブレス2から、例えば側方のネイル壁から約1mmの間隔を有する一つが選択される。
【0046】
このようにして選択したネイルブレス2は、このブレス長dに属するネイルブレス装着具3の装着面17又は18上に磁気引力によって固定される。第一装着区域21が、図11、図12及び図13で用いられている。カバー13が強磁性材料14を含有しているので、ネイルブレス装着具3の永久磁石として構成された保持要素28によって、ネイルブレス2は特に簡単に把持可能である。選択したネイルブレス2を受けるために、ネイルブレス装着具3は、その装着面17をネイルブレス2のカバー13に近づける必要がある。当該ネイルブレス2は、図示していないが、例えばさらに様々な寸法を有する多数のネイルブレス2が存在しているネイルブレス保存装置内に保存する。
【0047】
カバー13がネイルブレス2の中央横軸6に隣接して備えられ、且つ、磁性保持要素28がネイルブレス装着具3の中央縦軸16に隣接して備えられているので、当該中央縦軸16と中央横軸6とは、図10〜図13中に示した支持位置に一つの共通面をかける。ネイルブレス2は、この特に好ましい位置において装着面17上に直に接触して存在する。
【0048】
ネイルブレス装着具3の第一装着面17上のネイルブレス2支持位置では、カバー13が窪み30に載っており、当該カバー13は当該窪み30に位置する保持要素28と接触していることが好ましい。カバー13を備えていないネイルブレス2の上側7の領域は、前記支持位置で第一装着面17上に直に接触して載っている。
【0049】
ネイルブレス装着具3上にネイルブレス2を固定するための更なる手段は必要でない。ネイルブレス2は、磁性保持要素28と強磁性材料14を備えているカバー13との間の磁性相互作用によって専ら実現される。
【0050】
図10及び図11に示した支持位置から進行し、ネイルブレス2は、ネイルブレス装着具3から離れた下側8を瞬間接着剤でコートされる。代わりに、接着剤が治療する爪4に着けることも可能である。
【0051】
保持されたネイルブレス2を備えたネイルブレス装着具3は、次に図11に示すように、治療する爪4の側方の外側縁上に設置されて、板バネ様ストリップ5の縁領域11が最初に前記爪4と接触するようになる。解剖学的事実にしたがい、前記ネイルブレス装着具3は、場合によって隣り合うつま先33の方向へ大きく傾ける必要がある。ここで隣り合うつま先33による衝突が生じること無くこのような大きい傾斜を可能にするために、この状況において隣り合うつま先33に面するネイルブレス装着具3の長手方向側面19上に窪み21が設けられる。前記窪み23は、隣り合うつま先33のために空きスペースをもたらす(図11参照)。
【0052】
ネイルブレス2の縁領域11は、当該ネイルブレス2が爪4上のその場所で固定されるように瞬間接着剤が硬化するまで、当該爪4の側方の外側縁上でネイルブレス装着具3によって押圧される。ネイルブレス装着具3の第一軸回転運動が爪4の中央に対して、言い換えると矢印34の方向に生じる(図11参照)。この中央位置にそれが一旦到達すると、今度はネイルブレス2が爪4上のこの位置においてネイルブレス装着具3によって、接着剤強度効果がさらにここにもたらされるまで押圧される(図12参照)。
【0053】
永久磁石として構成された保持要素28は、カバー13と保持要素28との間の磁気引力が、爪4とネイルブレス2の板バネ様ストリップ5の下側8との間の接着強度よりも小さくなるように選択されるのが好ましい。
【0054】
ネイルブレス装着具3の矢印34方向への軸回転運動は、未だ捕捉されていない爪4の側方の外側縁まで続く。ネイルブレス2の縁領域12はそこで、爪4上のこの位置のネイルブレス装着具3によって、ここに接着剤効果がさらにもたらされるまで押圧される。このようにして装着処理が実質的に完了すると、ネイルブレス2はネイルブレス装着具3の装着面17から再度完全に取り外される。
【0055】
ネイルブレス2とネイルブレス装着具3とを備えたセット1は、爪4へのネイルブレス2の装着を著しく容易にする。ネイルブレス装着具3とネイルブレス2との間の磁性相互作用により、ネイルブレス2とネイルブレス装着具3への労力を要する手作業によって取り付けなければならないネイルブレス装着具にネイルブレス2を保持する保持要素が不要となる。ネイルブレス2は磁気相互作用でネイルブレス装着具3によって把持されるので、治療をする手足治療医は、自身でネイルブレス2を把持する必要さえ無い。
【0056】
図14は、図4、図5に記載のネイルブレス36の第二実施態様とネイルブレス装着具37の第二実施態様とを備えたセット35の第二態様を表している。これらと同一の、図1〜図13を参照しながら先に既に記載した構成要素は同一の参照番号を備えており、再度詳細には議論しない。
【0057】
ネイルブレス36は、カバー38の構成だけがネイルブレス4と異なっている。強磁性材料14を含有するカバー38は接着ストリップとして構成され、高さh10を有している。図4、図5及び図14に記載のカバー38は、例えば鉄、ニッケル、又は、コバルトのような強磁性材料で作られた実質的に長方形のベースボディ39を備えることが好ましい。ネイルブレス36の第二実施態様におけるカバー(コーティング)38は、板バネ様ストリップ5に糊づけされる。
【0058】
図14に記載のネイルブレス装着具37では、窪み30、31内の保持要素28、29の配置が、ネイルブレス装着具3とは異なっている。図14中に示した保持要素28、29の使用位置において、残りの窪み40、41が夫々装着面17、18上に設けられる。保持要素28、29の高さhが窪み30、31の深さtよりも小さくなるように、前記残りの窪み40、41が作られる。
【0059】
ネイルブレス装着具37を用いてネイルブレス36を取り付ける場合には、当該残りの窪み40、41は、カバー38との相互作用のために用いられる。
【0060】
ネイルブレス装着具37の第一装着面17上におけるネイルブレス36の支持位置において、カバー38は残りの窪み40、41のうち一つと係合するので、カバー38を備えていないネイルブレス36の上側17は、装着面17、18のうち一つと直に接触して載る。カバー38の寸法d、dは、前記残りの窪み40、41の寸法よりも小さくなるように選択される。この構成により、支持位置のカバー38はその全高さd10でもって、残りの窪み30、31のうち一つに入る。当該窪み30、31のうち一つとカバー38とのインターロックにより、ネイルブレス36はネイルブレス装着具37上にさらに固定されて、装着面17、18上を滑らないようにされる。
【0061】
図15はネイルブレス装着具42の第三態様を表す。図1〜図14を参照しながら先に既に記載したものと同一の構成要素は同一の参照番号を備えており、再度詳細に議論しない。
【0062】
図15に記載のネイルブレス装着具42は概ね鉛筆の形態を有しており、長手方向に延び、その第一端面44は丸く、且つ、内側に広がる窪み45を備え、その中に保持要素46が挿入される、細長いベースボディ43を備えて構成される。前記保持要素46は、取り付けるネイルブレス2を取り外し可能に保持するために用いられ、磁力を帯びた、好ましくは永久磁石として構成される。保持要素28、29にしたがい、永久磁石として構成された保持要素46用の材料として、鉄、ニッケル、コバルト、又は、フェライトが適している。窪み45が保持要素46の高さよりも大きい深さを有することが好ましく、その結果、保持要素46が挿入されると、残りの窪み48が装着面44上に存在し、同様に構成されたネイルブレス36のカバー38と相互作用できる。
【0063】
ネイルブレス装着具42の第二端面47は小さなヘラの形状をしており、接着剤をネイルブレス2又は爪4へ塗布するのに最適である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)弾塑性材料で作られた板バネ様ストリップ(5)と、
b)前記ストリップ(5)上に少なくとも部分的に設けられたカバー(13;38)とを備えて構成される、爪の矯正を実施するためのネイルブレス(2;36)において、
c)前記カバー(13;38)が磁性材料(14)を含有するので、ネイルブレス装着具(3;37;42)の装着面(17,18;44)に磁気引力によってネイルブレス(2;36)が取り外し可能に保持できる、ネイルブレス。
【請求項2】
カバー(13;38)が取り外し可能であることを特徴とする、請求項1に記載のネイルブレス(2;36)。
【請求項3】
カバー(13;38)が、板バネ様ストリップ(5)の中央横軸(6)に隣接して伸びることを特徴とする、請求項1又は2に記載のネイルブレス(2;36)。
【請求項4】
カバー(13)が、磁性材料(14)を混合したワニスとして構成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のネイルブレス(2)。
【請求項5】
カバー(38)が、磁性材料(14)を含み且つ板バネ様ストリップ(5)に糊づけされる粘着性ストリップとして構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のネイルブレス(36)。
【請求項6】
磁性材料(14)が強磁性材料であり、特に、鉄、ニッケル、及び、コバルトの群の少なくとも一元素を含んでいることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のネイルブレス(2;36)。
【請求項7】
磁性材料(14)が粒状であり、特に、5μmから100μmの範囲の平均粒子サイズを有していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のネイルブレス(2;36)。
【請求項8】
板バネ様ストリップ(5)が多層ガラス繊維強化熱硬化性樹脂で構成され、特に三つのガラス繊維層を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のネイルブレス(2;36)。
【請求項9】
つま先又は手指の爪(4)にネイルブレス(2;36)を取り付けるための、ネイルブレス装着具(3;37;42)であって、
a)長手方向に伸びる細長いベースボディ(15;43)であって、当該長手方向に対して垂直に広がり且つ装着面を形成する端面(17;44)を有するベースボディと、
b)前記装着面(17;44)上に取り付けるネイルブレス(2;36)を取り外し可能に保持するための保持要素(28;46)とを備えて構成される、ネイルブレス装着具において、
c)前記保持要素(28;46)は、前記装着面(17;44)上に配置され、且つ、磁気を帯びている、ネイルブレス装着具。
【請求項10】
保持要素(28)が、装着面(17)上の装着面(17)の中央横軸(27)に実質的に隣接して配置されることを特徴とする、請求項9に記載のネイルブレス装着具(3;37)。
【請求項11】
保持要素(28;46)が、装着面(17;44)の窪み(30;45)内に配置されることを特徴とする、請求項9又は10に記載のネイルブレス装着具(3;37;42)。
【請求項12】
保持要素(28;46)が窪み(30;45)内に完全に挿入され、せいぜい装着面(17;44)と同一平面で終端することを特徴とする、請求項11に記載のネイルブレス装着具(3;37;42)。
【請求項13】
窪み(30;45)が、保持要素(28;46)の高さ(h)よりも大きな深さ(t)を有するので、前記保持要素(28;46)が挿入されると、残りの窪み(40;48)が装着面(17;44)に存在することを特徴とする、請求項11又は12に記載のネイルブレス装着具(3;37;42)。
【請求項14】
a)請求項1〜8のいずれか一項に記載の少なくとも一つのネイルブレス(2;36)と、
b)請求項9〜13のいずれか一項に記載のネイルブレス装着具(3;37;42)とを備えた、爪の矯正を実施するためのセット(1;35)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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