説明

ネオン管灯器の断芯検出方法

【課題】ネオントランスに接続したネオン管の断芯検出方法を簡単正確に提供する手段。
【解決手段】ネオントランス3の一次側に加えたアナログ電圧データとV1、電流値を得るためのCTコイル4のアナログ電流データA1をそれぞれV2,A2のタイミングデータに変換して電圧と電流の位相差を調べて、位相差の変化を検出する事によって灯器の断芯を判定するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネオン管による灯器の断芯検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネオン管による灯器は安価で長寿命であり電源電圧の変動による光度差も小さい為に保安用灯器として多用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ネオン管による灯器は通常100Vの商用電源をネオントランス(磁気漏れ変圧器)3で約6000Vに昇圧して使用する。従来、ネオン管5の断芯検出は図4に示す様にネオントランス3の一次側に流れる電流をCTコイル4等により検出しネオントランス3の一次側を流れる電流の変化を調べて判定している。だがネオン管5は定電圧効果を持つため電源電圧等の変動に対してネオン電流が変動してネオン管5に加わる電圧を一定に保とうと電流を自己可変する為にネオントランス3の一次側電流を計測して断芯検出の手段とする事は判定の正確さに欠ける。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のように、従来の断芯検出手段の場合はネオントランス3に流れる電流の変化をアナログ値で断芯の判定するため信頼の出来る手段でなかった。
それ故電流の変化に拘わらず正確に判定する為には電流をデジタル処理する事である。
【発明の効果】
【0005】
それにより従来の不安定な断芯検出手段と比べて、安定した完全な断芯検出方法を提供することが出来る
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施例を示す回路図
【図2】ネオン管点灯時のネオントランスに流れる電圧に対する電流の位相関係を示すタイミングチャート図
【図3】ネオン管断芯時のネオントランスに流れる電圧に対する電流の位相関係を示すタイミングチャート図
【図4】従来の断芯判定方法を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0007】
従来のアナログによる電流値の量的変化を断芯検出とする方法に変えて、ネオントランスの一次側に加えた電圧と、電流の位相差を検出する手段を得る為に電圧と電流の波形をデジタル化して利用する。
【実施例】
【0008】
以下、本発明のネオン管による灯器の断芯検出方法の実施例を図1、図2、図3を用いて説明する。
【0009】
図1に於いて、通常100Vの商用電源を電源入力6,7に接続してネオントランス3に電源を接続する。
【0010】
ネオントランス3に加えられた100Vの電圧は約6千Vに昇圧されてネオン管5を点灯する。
【0011】
この状態での電圧と電流の位相関係を調べるために、電源のデータをコンパレーター1によりデジタルデータに変換し、電流のデータをCTコイルで取り出してコンパレーター2でデジタルデータに変換する。
【0012】
上述で得られた電圧と電流のデジタルデータの位相差を位相差判定器で調べる事により断芯判定をする。
【0013】
ネオントランス3の様なコイルに流れる電流は基本的に位相が90度遅れる事は周知の事実であるが、2次側に負荷が接続された時はコイル間の相互作用で一次側のインダクタンスも下がり位相差は小さくなる。
【0014】
図2、図3は本実施例に於いて電源を50ヘルツとした時に得られたデジタルデータを10m秒のパルス幅として説明する。
【0015】
位相差測定は負荷に影響されない電源のデジタルデータV2を基準とし、デジタルデータV2の波形の立ち上がりから約1m秒を断芯判定ラインPとする
【0016】
ネオン管点灯時のタイミングチャート図2に於いて電圧判定ポイントP1と電流判定ポイントP2を比較すると、電流判定ポイントP2のレベルは高レベルであり、この結果をネオン管が正常に点灯しているものと判定する。
【0017】
ネオン管断芯時のタイミングチャート図3に於いて電圧判定ポイントP1と電流判定ポイントP2を比較すると、電流判定ポイントP2のレベルは低レベルであり、この結果をネオン管が断芯しているものと判定する。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、ネオン管の点灯装置に於いてトランスの二次側に接続した灯器の断芯判定手段に関する従来のアナログデータによる判定手段をデジタルデータで処理する事によって電源電圧の変動、灯器の経年劣化による消費電流の減少等により断芯判定簡単、確実に判定する事ができるので断芯判定の誤作動による不必要なメンテナンスを防ぐ事が出来る産業上の大きな利益が有る。
【符号の説明】
【0019】
1 コンパレーター1
2 コンパレーター2
3 ネオントランス
4 CTコイル
5 ネオン管
6 電源入力コモン
7 電源入力
8 位相差判定器
9 断芯判定出力
10 オペアンプ
11 レベル判定器
A1 アナログ電流データ
A2 デジタル電流のタイミングデータ
V1 アナログ電圧データ
V2 デジタル電圧のタイミングデータ
P 断芯判定ライン
P1 電圧判定ポイント
P2 電流判定ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネオン管による灯器の断芯検出手段に於いて、ネオントランスの二次側にネオン管を接続するとコイル間の相互作用で一次側のインダクタンスが変化し位相差が変化することを利用した断芯検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−16448(P2013−16448A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161303(P2011−161303)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(511132904)レイバンテック株式会社 (3)
【Fターム(参考)】