説明

ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するための方法およびシステム

【課題】本発明の実施の形態は、ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するための方法およびシステムを開示する。
【解決手段】ネットワークは、直行周波数分割多重(OFDM)を使用する。本方法は、送信機においてダイバーシティ化信号を生成する。ダイバーシティ化信号は、データ要素を表すダイバーシティ化要素を含み、各データ要素が複数のダイバーシティ化要素によって表されるようにされる。その数は、ダイバーシティの度合いに等しい。ダイバーシティ化信号を直交行列に基づいて変更して、拡散信号を作成する。直交行列の列は、ベクトルによって形成され、該ベクトルは、互いに直交または準直交である。ネットワークにおいて拡散信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には無線通信ネットワークに関し、より詳細には、無線ネットワークにおいて搬送波間干渉を低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
直交周波数分割多重(OFDM)を使用する通信ネットワークにおいて、帯域幅は、複数の副搬送波に分割される。同様に、直交周波数分割多元接続(OFDMA)を用いたネットワークを使用して、複数の送受信機が同じ送信帯域幅を共有することができる。OFDMAも帯域幅を複数の副搬送波に分割し、副搬送波の重複しないサブセットを使用してデータを同時に送受信する。
【0003】
OFDMネットワークおよびOFDMAネットワークは、高いスペクトル効率および複雑度の低い実装を提供し、IEEE802.11、IEEE802.16、および3GPP−LTEのような多数の無線標準規格に従って設計されるネットワークにおいて使用される。OFDMネットワークおよびOFDMAネットワークにおいて、通信に利用可能な帯域幅は、N個の並列なチャネルまたは副搬送波からなるセットである。本明細書に定義される場合、搬送波または副搬送波は、アナログ信号またはデジタル信号を搬送する周波数である。単一のOFDMシンボルは、複数の副搬送波を含み、各副搬送波がデータを搬送する。該データは、直交振幅変調または位相偏移変調のようなデジタル変調方式に基づき、変調アルファベットとして表される。
【0004】
理想的な状態では、副搬送波は、受信信号内の周波数領域において互いに直交を保つ、すなわち、1つの副搬送波のエネルギーは、別の副搬送波に関する受信信号内に存在しない。
【0005】
しかしながら、周波数直交性は、多くの場合に、ドップラ周波数偏移および送信機と受信機との間の搬送波周波数オフセット(CFO)によって損なわれる。そのような場合、1つの副搬送波からの信号は、搬送波間干渉(ICI)として他の副搬送波の信号と干渉する。
【0006】
図1(A)は、副搬送波、すなわち、SC−1101、SC102、およびSC+1103のエネルギー分布を、CFOが存在しないときの副搬送波離間に正規化された、周波数の関数として示している。周波数fにおける副搬送波SCのエネルギーは、最大104に達する。副搬送波SC−1およびSC+1の信号のエネルギー105は、周波数fにおいてゼロである。これは、周波数が直交であるためである。
【0007】
図1(B)は、CFO120を受ける副搬送波のエネルギー分布を示している。周波数fにおける副搬送波SC−1およびSC+1のエネルギーは、非ゼロである。すなわち、副搬送波SC−1およびSC+1からのエネルギーが、副搬送波SCに対する干渉となる。
【0008】
ICIは、副搬送波からの受信エネルギーと、全ての他の副搬送波からの総エネルギーとの比、すなわち搬送波対干渉比(CIR)によって定量化することができる。CIRは、CFOが増加するにつれ減少する。ICIは、ビット誤り率(BER)を増加させる可能性があり、重大なケースではネットワークを動作不可能にする。
【0009】
ICI低減
ICIの効果は、周波数領域等化(FDE)、送信信号窓関数(transmit signal windowing)、およびICI自己相殺のような多数の従来の方法を使用して低減することができる。
【0010】
FDEに基づく方法は、CFOを推定する。次に、推定されたCFOを使用して、行列が構築される。この行列を時間領域内の受信信号に適用することによって、ICIが低減される。しかしながら、CFO補償は、CFOの適切な推定を必要とし、これによって雑音および受信機の複雑度が増大する。行列の計算複雑度は、高い。
【0011】
送信信号窓関数は、周波数領域内の受信信号のオーバーサンプリングを実施する。オーバーサンプリングされた信号は、時間領域において、ハニング窓のようなローパスフィルタによってフィルタリングされる。
【0012】
自己相殺方式は、各送信データシンボルを、α2k=−α2k+1となるように、反対の極性を用いて、隣接する副搬送波対にマッピングする。ここで、α2kは、2k番目の副搬送波上のデータである。2k番目および(2k+1)番目の副搬送波からの、m番目(m≠2k、2k+1)の副搬送波に対する干渉は、部分的に互いに相殺される。
【0013】
OFDM/OFDMA送信機および受信機
図2は、固有の(built-in)周波数ダイバーシティを用いて、無線チャネルh299を介して信号230を通信する従来のOFDM送信機200および従来のOFDM受信機を示している。受信信号251は、雑音n(t)298を含む。
【0014】
送信機200において、入力データ(シンボル)205は、シリアル−パラレル(S/P)モジュール225によって複数のブロックA201に分割される。各ブロックAは、長さMのベクトルであり、ベクトルの各要素aは、入力データおよび変調フォーマットによって求められる値を有する複素数である。
【0015】
インタリーブ化ダイバーシティモジュール(interleaved diversity module)221は、ブロックA201に基づいて、要素bm,kを含むインタリーブされ、ダイバーシティ化されたブロックB202を生成することによって、周波数ダイバーシティを加える。たとえば、ダイバーシティモジュールは、ブロックAをK回反復してインタリーブされダイバーシティ化されたブロックBを作成する。マッピングモジュール222は、トーンマッピング、パイロットおよびガード帯域ヌルトーン挿入を実施して、N点周波数領域シンボルS203を作成する。シンボルSを、N点逆離散フーリエ変換(IDFT)223を使用して時間領域OFDMシンボルs204にコンバートする。OFDMシンボルsを、パラレル−シリアルモジュールによってシリアルに順序付けする(224)。サイクリックプレフィックス(CP)を付加してベースバンド信号s’(t)206を作成する。ベースバンド信号を無線周波数(RF)信号sRF(t)230にアップコンバートし(207)、チャネル299を介して送信する。
【0016】
受信信号rRF(t)251を、離散ベースバンド信号rBB(t)256にダウンコンバートおよび離散化する。シリアル−パラレルモジュール271は、信号rBB(t)からサイクリックプレフィックスを除去し、信号r(t)252を生成する。そして、信号r(t)252を、DFTブロック272によって、周波数領域シンボルR253にコンバートする。マッピング解除モジュール273が、非データトーンを除去し、データシンボルY254を副搬送波結合モジュール274に渡す。モジュール274は、データZ255を出力する。ここで、Z内の各要素、すなわち、Zは、複数の副搬送波から結合された信号に基づいて作成される。出力Z255は、連続出力ストリーム256に組み合わされる。
【0017】
送信機および受信機は、周波数ダイバーシティに起因して改善された性能を提供する。しかしながら、送信機および受信機は、搬送波周波数オフセット(CFO)に関する性能を改善しない。
【0018】
したがって、CFOの下でのOFDM/OFDMAネットワーク性能を改善することが所望されている。
【発明の概要】
【0019】
本発明の実施の形態は、直交周波数分割多重(OFDM)ネットワークにおいて送信される信号における搬送波間干渉(ICI)を、直交行列に基づいて信号を変更し、拡散信号を作成することによって低減することができるという認識に基づく。直交行列の列は、ベクトルによって形成され、行列内の列ベクトルのうちの幾つかまたはすべては、互いに直交または準直交である。拡散信号は、受信機において同じ直交行列に基づいて拡散解除する(de-spread)ことができる。
【0020】
一実施の形態は、ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するための方法を開示する。ネットワークは、直行周波数分割多重(OFDM)を使用する。本方法は、本方法のステップを実施するためのプロセッサを備える。本方法は、送信機において、M個のデータ要素がK回反復されたものからなるダイバーシティ化信号Bを生成するステップと、低減されたICIでネットワークにおいて送信するのに適した拡散信号Dを作成するために、送信機において、B・Cに従って、ダイバーシティ化信号Bと直交行列Cとを乗算するステップ(ここで、直交行列は、M×K行列であり、直交行列内のM個の列は、K個のベクトル{q,q,..q}に対応し、該K個のベクトルは、直交である)と、ネットワークにおいて拡散信号Dを送信するステップとを含む。
【0021】
本発明の別の実施の形態は、ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するための方法を開示する。ネットワークは、直行周波数分割多重(OFDM)を使用する。本方法は、送信機においてダイバーシティ化信号を生成する。ダイバーシティ化信号は、データ要素を表すダイバーシティ化要素を含み、各データ要素が複数のダイバーシティ化要素によって表されるようにされる。その数は、ダイバーシティ化の係数に等しい。ダイバーシティ化信号を直交行列に基づいて変更して、拡散信号を作成する。直交行列の列は、ベクトルによって形成され、該ベクトルは、互いに直交または準直交である。ネットワークにおいて拡散信号を送信する。
【0022】
さらに、別の実施の形態は、ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するためのシステムを開示する。該ネットワークは、直交周波数分割多重(OFDM)を使用し、該システムは、本方法のステップを実施するためのプロセッサを備え、該システムは、M個のデータ要素がK回反復されたものからなるダイバーシティ化信号Bを生成するために構成されるインタリーブ化ダイバーシティモジュールと、低減されたICIでネットワークにおいて送信するのに適した拡散信号Dを作成するために、送信機において、B・Cに従って、ダイバーシティ化信号Bと直交行列Cとを乗算するために構成される直交拡散モジュール(ここで、直交行列は、M×K行列であり、直交行列内のM個の列は、K個のベクトル{q,q,..q}に対応し、該K個のベクトルは、直交である)と、ネットワークにおいて拡散信号Dを送信するために構成される送信モジュールとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】搬送波周波数オフセット(CFO)が存在しない場合の、周波数の関数としての副搬送波エネルギー分布のグラフと、搬送波周波数オフセット(CFO)が存在する場合の、周波数の関数としての副搬送波エネルギー分布のグラフである。
【図2】インタリーブされた副搬送波ダイバーシティの割当てを使用する従来のOFDM送信機および受信機のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による、搬送波間干渉(ICI)を低減しながら信号を送信するための方法のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による拡散動作の概略図である。
【図5】周波数冗長性を用いた副搬送波マッピングのブロック図である。
【図6】本発明の実施形態による、ICIを低減しながら信号を受信するための方法のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による、信号を送信するための方法のブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態による、信号を受信するための方法のブロック図である。
【図9】副搬送波拡散モジュールを有するOFDM送信機、および副搬送波拡散解除モジュールを有するOFDM受信機の一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図3は、本発明の実施の形態による、送信信号において搬送波間干渉(ICI)を低減するための直交拡散モジュール300を示している。このモジュールは、ICI低減のための方法のステップを実施するための送信機内のプロセッサとすることができる。
【0025】
モジュール300は、インタリーブ化ダイバーシティモジュール221からダイバーシティ化信号B202を入力として取得し、出力として、マッピングおよびグルーピングモジュール222のための拡散信号D301を作成する。
【0026】
図4に示すように、ダイバーシティ化信号202は、行列
B=P×A=[A,...A410
によって表される。ここで、Pは、K個の要素P=[1,1,...,1]からなる列ベクトルであり、Tは、転置演算子である。
【0027】
行列Bは、ダイバーシティ化要素bm,k415を有するM×Kの行列である。行列Bのm番目の列は、長さKのベクトルである。
=[b1m,b2m,...bkm]=[a,a,...a
【0028】
直交拡散モジュール300は、ダイバーシティ化信号202と直交行列C321とを乗算して、拡散信号301を作成する。拡散信号は要素dm,k420を有する行列であり、すなわち、
[a≠b]について、D=B・C、すなわちdm,k=cm,k・bm,k
である。ここで、・は、内積演算子である。
【0029】
直交拡散行列Cは、M×Kの行列である。直交拡散行列Cの各列ベクトルCは、ベクトルの集合Q430から選択される。
∈Q={q,q,..q
【0030】
集合Q内のベクトルは、実質的に直交である。本明細書に定義される場合、集合Q内のベクトルは、それらのベクトルが互いに直交または準直交である場合に実質的に直交である。集合Q内のベクトルは、
・q=L、且つq・qm’=0
の場合に直交である。ここで、m≠m’である。
【0031】
集合Q内のベクトルは、
・q=L、且つq・qm’<<L
の場合に準直交である。ここで、Lは、定数であり、qおよびqm’は、集合Q内の任意の2つのベクトルである。
【0032】
モジュール222は、拡散信号を、N副搬送波OFDMシンボルS203内の副搬送波にマッピングする。すなわち、S=Fmap(D)である。ここで、Fmapは、マッピング関数である。n番目の副搬送波のOFDMシンボルは、S(n)=dm,k420である。
【0033】
図5は、K個の副搬送波からDへのマッピングを示している。Dは、行列形式D内の拡散信号のm番目の列ベクトルであり、1つのデータ要素を表す。K個の副搬送波は、1つの副搬送波グループG1003に割り当てられる。このため、拡散信号の要素は、同じデータ要素から導出される要素が同じ副搬送波グループにマッピングされるように、副搬送波グループ1003にマッピングされる。
【0034】
一実施の形態において、副搬送波グループG内の副搬送波は、均一に離間される。すなわち、S(m+k(M−1))=S(m+kM)=dm,k=am,kである。ここで、m+k(M−1)は、副搬送波グループG内のM番目の副搬送波のインデックスであり、m+kMは、該グループ内の(M+1)番目の副搬送波のインデックスであり、kは、これらの2つの副搬送波間に位置決めされる副搬送波の数である。
【0035】
離間は、たとえば、異なるデータ要素を表す拡散信号の要素を1つの副搬送波ブロック1001内に順序付けすることによって達成することができる。
【0036】
図6は、直交拡散解除モジュール600を示している。該直交拡散解除モジュール600は、拡散モジュール300によって実施される動作を逆に行う。モジュール600は、マッピング解除モジュール273からマッピング解除された信号Y254を受信し、直交拡散行列C321を使用して結合モジュール274のための拡散解除された信号V601を作成する。すなわち、V=Y・Cである。拡散解除された信号V内の各要素は、以下のように表すことができる。
m,k=ym,k・cm,k
ここで、演算子は、複素共役である。
【0037】
実施例
図7は、直交拡散モジュール300を用いて変更された送信機200を使用して、搬送波間干渉(ICI)を低減しながら、信号205を送信するための方法およびシステムのブロック図を示している。信号205は、直交周波数分割多重(OFDM)ネットワークを介して送信するのに適したデータを搬送する。シリアル−パラレルモジュール225は、信号を長さMの入力信号のセットA201に分割する。各要素aは、信号のデータ要素であり、通常、信号および変調形式に基づいて確定された値を有する複素数である。
【0038】
ダイバーシティモジュール221は、入力信号の要素を、利用可能な副搬送波にマッピングするために複製することによって、信号に周波数ダイバーシティを加える。たとえば、ダイバーシティモジュールは、入力信号をK回複製して、ダイバーシティ化信号B202を生成する。すなわち、ダイバーシティ化信号内の各要素aは、K回反復される。ここで、Kは、ダイバーシティの度合いである。単純にするために、1つのダイバーシティ化信号202のみが示されているが、実際には、ダイバーシティモジュールは、信号をダイバーシティ化信号のセットに分解することが容易に理解される。ダイバーシティ化信号は、データ要素を表すダイバーシティ化要素を含み、各データ要素が複数のダイバーシティ化要素によって表されるようにされる。その数は、ダイバーシティ化の係数に等しい。
【0039】
1つの実施の形態では、図4に示すように、ダイバーシティ化信号202は、信号行列410として表される。信号行列の列は、1つのデータ要素を表すダイバーシティ化要素によって形成され、各列が異なるデータ要素を表すようにされる。
【0040】
ダイバーシティ化信号202の値を、直交拡散モジュール300によって直交行列321に基づいて変更し、拡散信号301を作成する。直交拡散モジュール300は、ダイバーシティ化信号を直交行列Cと乗算し、拡散信号301を作成する。拡散信号は、要素dm,k420を有する行列D430として、行列形式で書くことができる。
【0041】
次に、直交拡散信号を、N副搬送波OFDMAシンボルS703内の複数の副搬送波にマッピングする(222)。すなわち、S=Fmap(D)である。ここで、Fmapは、マッピング関数である。n番目の副搬送波のOFDMシンボルは、S(n)=dm,kである。マッピングは、パイロットトーンおよびガードトーンも挿入する。次に、周波数領域におけるOFDMシンボルS(n)を、逆離散フーリエ変換(IDFT)を使用して、時間領域シーケンスs704におけるOFDMAシンボルに変換する(223)。すなわち、s=DFT−1(S(n))である。次に、時間領域におけるOFDMシンボルを、サイクリックプレフィックスまたはゼロパッディングが付加されたシーケンス信号s(t)706にコンバートする(224)。シーケンス信号を、無線周波数(RF)信号730にアップコンバートし(207)、チャネル299を介して送信する。
【0042】
図8は、信号730を受信するための方法およびシステムのブロック図を示している。サイクリックプレフィックスを除去した(271)後、信号r(t)815を、周波数領域シンボルR=DFT(r)825に変換する(272)。幾つかの実施の形態では、周波数領域等化630を実施して、シンボルR’=EQ(R)835を作成する。
【0043】
マッピング解除モジュール273は、マッピング動作を逆に行い、マッピング解除された信号Y845を作成する。すなわち、Y=Fmap−1(R’)である。ここで、Fmap−1は、マッピング解除動作である。次に、方法600は、同じ直交拡散行列C321を用いて、マッピング解除信号Yを拡散解除し、拡散解除された信号V601を作成する。
【0044】
次に、拡散解除された信号Vの要素を結合して(274)出力シンボルZ=[z ..z]255を生成する。結合演算は、下式である
【0045】
【数1】

【0046】
ここで、gm,kは、結合方式を定義する値を有する結合係数である。たとえば、等重み結合(equal weight combining:EWC)を使用する場合、gm,k=g=1/Kであり、最大比結合(MRC)の場合、gm,k=|hm,kである。次に、結合出力シンボルZを、後続の機能ブロックによって処理する(870)。
【0047】
図9は、副搬送波拡散モジュール300および拡散解除モジュール600を有するOFDM送信機および受信機の一例のブロック図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するための方法であって、該ネットワークは直行周波数分割多重(OFDM)を使用し、該方法は、該方法のステップを実施するためのプロセッサを備え、該方法は、
送信機において、M個のデータ要素がK回反復されたものからなるダイバーシティ化信号Bを生成するステップと、
低減されたICIで前記ネットワークにおいて送信するのに適した拡散信号Dを作成するために、前記送信機において、B・Cに従って、ダイバーシティ化信号Bと直交行列Cとを乗算するステップ(ここで、前記直交行列は、M×K行列であり、該直交行列内のM個の列は、K個のベクトル{q,q,..q}に対応し、該K個のベクトルは実質的に直交である)と、
前記ネットワークにおいて前記拡散信号Dを送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記K個のベクトルは、互いに直交である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記K個のベクトルは、互いに準直交である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
mapをマッピング関数とし、S=Fmap(D)とすることで、前記拡散信号DをN副搬送波OFDMシンボルS内の複数の副搬送波にマッピングするステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マッピングするステップは、
1つのデータ要素から派生する複数の要素を1つの副搬送波グループにマッピングすることをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マッピングするステップは、
異なる複数のデータ要素から派生する複数の要素を1つの副搬送波ブロックにマッピングすることをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
受信機において前記直交行列Cに基づいて前記拡散信号を拡散解除することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マッピング解除された信号Yを作成するために、受信機において前記拡散信号をマッピング解除するステップと、
演算子を複素共役として、V=Y・Cに従って拡散解除された信号Vを作成するために、前記受信機において前記直交行列Cに基づいて前記拡散信号を拡散解除するステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するための方法であって、該ネットワークは直交周波数分割多重(OFDM)を使用し、該方法は、該方法のステップを実施するためのプロセッサを備え、該方法は、
データ要素を表すダイバーシティ化要素を含み、各該データ要素は複数のダイバーシティ化要素によって表されるようにされ、その数はダイバーシティの度合いに等しいダイバーシティ化信号を、送信機において生成するステップと、
拡散信号を作成するために、前記ダイバーシティ化信号を直交行列に基づいて変更するステップ(ここで、該直交行列の列は、ベクトルによって形成され、該ベクトルは、互いに直交または準直交である)と、
前記ネットワークにおいて前記拡散信号を送信するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記変更するステップは、
列が1つのデータ要素を表す複数の前記ダイバーシティ化要素によって形成されることで、それぞれの列が異なるデータ要素を表す信号行列として、前記ダイバーシティ化信号を表わすステップと、
それぞれの要素が前記直交拡散信号を表す拡散行列を作成するために、前記信号行列と前記直交行列とを乗算するステップと
をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
同じデータ要素から導出される要素が同じ副搬送波グループに属するように、前記拡散信号の要素を副搬送波グループにマッピングするステップをさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記副搬送波グループ内の副搬送波の数は、同じデータ要素から導出される前記要素の数に等しい請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ネットワークにおいて搬送波間干渉(ICI)を低減するためのシステムであって、該ネットワークは直交周波数分割多重(OFDM)を使用し、該システムは、本方法のステップを実施するためのプロセッサを備え、該システムは、
M個のデータ要素がK回反復されたものからなるダイバーシティ化信号Bを生成するために構成されるインタリーブ化ダイバーシティモジュールと、
低減されたICIで前記ネットワークにおいて送信するのに適した拡散信号Dを作成するために、送信機において、B・Cに従って、ダイバーシティ化信号Bと直交行列Cとを乗算するために構成される直交拡散モジュール(ここで、前記直交行列は、M×K行列であり、該直交行列内のM個の列は、K個のベクトル{q,q,..q}に対応し、該K個のベクトルは直交である)と、
前記ネットワークにおいて前記拡散信号Dを送信するために構成される送信モジュールと
を備えるシステム。
【請求項14】
mapをマッピング関数とし、S=Fmap(D)とすることで、前記拡散信号DをN副搬送波OFDMシンボルS内の複数の副搬送波にマッピングするために構成されるマッピングモジュールをさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記マッピングモジュールは、1つのデータ要素から派生する複数の要素を1つの副搬送波グループにマッピングするように構成される請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記マッピングモジュールは、異なる複数のデータ要素から派生する複数の要素を1つの副搬送波ブロックにマッピングするように構成される請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記直交行列に基づいて前記拡散信号を拡散解除するように構成される拡散解除モジュールをさらに備える請求項13に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−78085(P2011−78085A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−180011(P2010−180011)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(597067574)ミツビシ・エレクトリック・リサーチ・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド (484)
【住所又は居所原語表記】201 BROADWAY, CAMBRIDGE, MASSACHUSETTS 02139, U.S.A.
【Fターム(参考)】