説明

ネットワークの帯域管理

【課題】ネットワークのネットワーク帯域使用に基づいて、送信に関するネットワークデバイスの送信速度を調整する方法であって、制限された帯域内で、順応性のある帯域制御方法を提供する。
【解決手段】第1帯域の割り当てを用いて、現在の送信速度でデータストリームを送信するステップと、ネットワーク上のマスタデバイスから送信速度回復要求を受信するステップと、現在の送信速度が元の送信速度より小さい場合、ネットワーク上のマスタデバイスから追加帯域の割り当てを受信するステップと、帯域の割り当ての合計は、追加帯域の割り当てと第1帯域の割り当てを含んでおり、帯域の割り当ての合計を用いて、増速された送信速度でデータストリームを送信するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、2005年4月28日に出願された出願番号60/675,592号「FLEXIBLE AND FAIR BANDWIDTH MANAGEMENT FOR HOME NETWORK」の米国仮特許出願に対する優先権を主張する非仮出願である。
【0002】
また、この特許出願は、2005年6月24日に出願された出願番号60/693,650号「FLEXIBLE AND FAIR BANDWIDTH MANAGEMENT FOR HOME NETWORK」の米国仮特許出願に対する優先権を主張する非仮出願でもある。
【0003】
本発明は、ネットワークの帯域管理に関し、より詳細には、電力線ホームネットワークに関する。
【背景技術】
【0004】
電力線通信(PLC:PowerLine Communication)は、ホームネットワークの成長しうるバックボーンとして拡大することが期待されている。例えば、ホームプラグ(HomePlug)1.0(www.homeplug.org)等の、第1世代のPLC製品は、既に広く使用されている。現在は、オーディオ/ビデオストリーミングに関する第2世代のPLC製品が開発中であり、第2世代のPLC製品によって複数のMPEG2−HDストリームを運ぶことが可能となる。第2世代のPLCネットワークは、第1世代のPLCより大きな帯域容量(bandwidth capacity)を有するが、利用可能な帯域は、全てのアプリケーションにとってまだ十分に大きな容量ではない。例えば、電力線が隣人と共有された場合は、帯域は制限される。したがって、電力線ネットワーク上での帯域の共有は、重要な問題である。共有されたネットワークでは、隣人が高いビットレートのストリームを送信し始めると、ネットワークの帯域の大半が使用され、ネットワークの速度が著しく低下し、追加の送信に対する利用可能な帯域は残らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本特許出願で記載されるいくつかの実施形態は、制限された帯域の課題を解決するために、順応性のある帯域制御を用いる。一実施形態では、電力線ネットワークが混み合うと、第2のデータストリームのための利用可能な帯域を増加するために、存在するデータストリームの符号化速度(encoding rate)が減じられ、いくつかの割り当てられた帯域(例えばタイムスロット)が開放される。いくつかの実施形態に従えば、存在するデータストリームはこのプロセスの間に一時中断しない。ネットワークトラフィックが減少すると、帯域(例えばタイムスロット)は存在するデータストリームに再度割り当てられる。いくつかの実施形態に従えば、このことによって、データストリームを一時中断せずに、符号化速度が元の速度まで増加される。また、ストリームにさらなるタイムスロットを割り当てることによって、安定でエラーの少ない送信のためにさらにロバストな(robust)変調方式が用いられることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、ネットワークのネットワーク帯域使用に基づいて、送信に関するネットワークデバイスの送信速度を調整する方法であって、第1帯域の割り当てを用いて、現在の送信速度でデータストリームを送信するステップと、前記ネットワーク上のマスタデバイスから送信速度回復要求を受信するステップと、前記現在の送信速度が元の送信速度より小さい場合、前記ネットワーク上のマスタデバイスから追加帯域の割り当てを受信するステップと、帯域の割り当ての合計は、前記追加帯域の割り当てと前記第1帯域の割り当てを含んでおり、前記帯域の割り当ての合計を用いて、増速された送信速度で前記データストリームを送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
別の一実施形態は、ネットワーク上のネットワークデバイスに関する送信の送信速度を調整する方法であって、前記ネットワークデバイスで、前記ネットワーク上のマスタデバイスから追加帯域の割り当てを受信するステップと、前記追加帯域の割り当てと第1帯域の割り当てを含む、前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ての合計内で、送信される送信からデータを割り当てるステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
次の一実施形態は、ネットワーク上のマスタデバイスが、前記ネットワーク上の前記マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスに帯域を割り当てる方法であって、ネットワークデバイスから帯域に関する要求を受信するステップと、前記マスタデバイスが、前記帯域を要求する前記ネットワークデバイスに前記帯域を割り当てることが可能な、前記マスタデバイスに割り当てられた十分な使用される帯域を有するかを、前記マスタデバイスが決定するステップと、前記マスタデバイスに割り当てられた前記使用される帯域が、前記ネットワークデバイスによって要求された前記帯域を割り当てるために十分でない場合、前記ネットワーク上で前記マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスに減少帯域要求を送信するステップと、前記ネットワーク上の少なくとも1つの前記ネットワークデバイスから、少なくとも1つの帯域割り当てを受信するステップと、 前記ネットワーク上の前記デバイスから前記マスタデバイスへの前記帯域割り当てから、前記ネットワークデバイスに帯域を割り当てるステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
さらに別の一実施形態は、ネットワーク上の第1マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスに帯域を割り当てるための、前記ネットワーク上の前記第1マスタデバイスに関する方法であって、前記第1マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスから帯域に関する要求を受信するステップと、前記第1マスタデバイスが、前記ネットワークデバイスに前記要求された帯域を割り当てるために十分な帯域割り当てを有さない場合、前記ネットワーク上の第2マスタデバイスからの追加帯域を要求するステップと、前記ネットワーク上の前記第2マスタデバイスから追加帯域を受信するステップと、前記帯域に関する要求の受信元の前記ネットワークデバイスに前記追加帯域を割り当てるステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また別の一実施形態は、公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワークであって、それぞれのマスタデバイスに前記共有ネットワーク上で有効な帯域の合計量の一部が割り当てられている、複数のマスタデバイスと、それぞれの送信機は、前記複数のマスタデバイスのうち1つから、データストリームの送信に関する帯域を割り当てられており、それぞれの送信機は、前記送信機に関連付けられた前記マスタデバイスから帯域を割り当てられている、前記複数のマスタデバイスのそれぞれに関連付けられた、少なくとも1つの送信デバイスと、を備え、それぞれの前記複数のマスタデバイスは、前記有効な帯域の合計量の前記使用の制御を他のマスタデバイスと調整する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態にかかるホームネットワークを示したシステム図である。
【図2】一実施形態にかかるネットワークアクセスタイミングを示したタイミングチャートである。
【図3】割り当てられたタイムスロット内のデータストリームの送信を示したタイミングチャートである。
【図4】一実施形態例にかかるサーバを示したブロック図である。
【図5】一実施形態例にかかるクライアント108を示したブロック図である。
【図6】一実施形態例にかかる電力線通信インターフェイスを示したブロック図である。
【図7】一実施形態にかかるデータストリームの複数のタイムスロットへの分割を示したタイミング図である。
【図8】一実施形態にかかるタイムスロットの割り当てを示したタイミング図である。
【図9】一実施形態にかかる受信機と送信機を示した説明図である。
【図10】一実施形態にかかるタイムスロットの割り当てを示したタイミング図である。
【図11】一実施形態にかかる、電力線ネットワーク上でマスタデバイスによって処理される帯域割り当てに関するアルゴリズムが示されたフロー図である。
【図12】一実施形態にかかる、電力線ネットワーク上でマスタデバイスによって処理されるロバストな送信および帯域の回復に関するアルゴリズムを示したフロー図である。
【図13】一実施形態にかかる、マスタデバイスがローカルネットワーク上の他のマスタデバイスから帯域減少要求を受信したときにそれぞれのマスタデバイスによって実行されるアルゴリズムを示したフロー図である。
【図14】一実施形態にかかる、送信器がローカルネットワーク上のマスタデバイスから帯域減少要求を受信したときに、それぞれの送信機によって実行されるアルゴリズムを示したフロー図である。
【図15】一実施形態にかかる、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからの符号化速度回復要求を処理するために、電力線ネットワーク上の送信機によって行われるアルゴリズムを示したフロー図である。
【図16】一実施形態にかかる、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからのロバストな送信要求を処理するために、電力線ネットワーク上の送信機によって行われるアルゴリズムを示したフロー図である。
【図17】一実施形態にかかる、ノイズの多い環境でのタイムスロットの割り当てを示したタイミング図である。
【図18】一実施形態にかかる、ノイズの多い環境でのタイムスロットの割り当てを示したタイミング図である。
【図19】一実施形態にかかる、帯域の再割り当て処理のための電力線ネットワーク上のマスタデバイスに関するアルゴリズムを示したフロー図である。
【図20】一実施形態にかかる、新しいタイムスロットの割り当て処理を行うための、送信機に関するアルゴリズムが示されたフロー図である。
【図21】一実施形態にかかる、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからのタイムスロット解放要求を処理するための送信機に関するアルゴリズムが示されたフロー図である。
【図22】一実施形態にかかる、帯域の再割り当て処理を行うための電力線ネットワーク上のマスタデバイスに関するアルゴリズムの別の一実施形態を示したフロー図である。
【図23】一実施形態にかかる、マスタデバイスからの速度調整要求を処理するための、電力線ネットワーク上の送信機に関するアルゴリズムの一実施形態を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述された本発明の特徴および利点と、別の観点における本発明の特徴および利点は、以下の図面に関して説明され、後述される詳細な説明によって開示される。
【0013】
いくつかの図面において同一の参照符号は、同一の構成要素を示している。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、図中の構成要素は簡易化と明確化の目的で示されているのであって、必ずしも大きさ(scale)を示す必要はないことが理解できるだろう。例えば、図中の寸法(dimension)、サイズ(sizing)、および/またはいくつかの要素の相対的配置は、本発明の様々な実施形態の理解を助けるために、他の要素と比較して誇張されてもよい。また、商業的に実現可能な実施形態に有用または必須の、共通(common)であるが暗黙的な(well−understood)構成要素は、本発明の様々な実施形態が見づらくなることを避けるために、示されていない場合もある。本特許出願内で用いられる用語および表現は、一般にそれらの用語に与えられる通常の意味を有し、対応するそれぞれの研究および学術分野における通常の知識を有する者によって用いられる他の特別な意味を有する表現は、本特許出願内で別途説明される。
【0014】
後述の記載は、限定的な意味を有するのではなく、本発明の原理の概要を説明する目的で記載されている。本発明の技術的視野は、特許請求の範囲の参照によって決定される。本実施形態は、背景技術で記載された課題に対する解決方法を提供し、また、後述される詳細の説明によって追加的に示される課題に対する解決方法も提供する。
【0015】
図1には、一実施形態にかかるホームネットワークを示したシステム図が示されている。図1には、電力線ネットワーク100、第1ホーム102、第1マスタ104、第1サーバ106、第1クライアント108、第2ホーム110、第2マスタ112、および第2サーバ114が示されている。
【0016】
第1マスタ104、第1サーバ106、第1クライアント108は、全て電力線ネットワーク100に接続され、第1ローカルネットワークを形成している。第2マスタ112および第2サーバ114も電力線ネットワーク100に接続され、第2ローカルネットワークを形成している。それぞれのローカルネットワークは、多数あるいは少数のデバイスを有する。しかし、本実施形態の特徴の説明を単純化するために、電力線ネットワーク100にはほとんどデバイスが接続されずに示されている。さらに、電力線ネットワーク100は、2より多いか、または少ない数のマスタデバイスを有してもよい。それぞれのマスタデバイス(例えば第1マスタ104と第2マスタ112)は、個々のローカルネットワークを制御する。しかし、電力線ネットワーク100の資源(例えば帯域)は、マスタデバイス間で共有される。
【0017】
前述されたように、電力線ネットワーク100は、第1ホーム102と第2ホーム110の間で共有される。いくつかの実施形態に従えば、図示されていないが、異なる数のホーム(例えば第1ホーム〜第6ホーム)が、電力線ネットワーク上に共存してもよい。さらに、本稿に記載されているいくつかの実施形態はホームについて述べられているが、他の構成(例えばアパートまたは職場)も電力線ネットワーク100を共有することができる。本実施形態では、電力線ネットワーク100に接続されたそれぞれのホームは、少なくとも1つのマスタ(例えば第1マスタ104と第2マスタ112)を有する。マスタデバイスは専用のマスタであってもよいし、あるいは、マスタデバイスによって処理される機能は、デバイス間で移動され(transfer)てもよい。(例えば、文書全体が参考文献として挙げられている、Iwamuraらによる、2005年9月20日に出願された出願番号11/231,488号「POWER−SAVE CONTROL FOR NETWORK MASTER DEVICE」の米国特許出願を参照。)第1マスタ104と第2マスタ112は、それぞれが、ローカルネットワークを確立し、割り当てられた帯域またはローカルネットワークを管理し、共同で電力線ネットワーク100の帯域全体を管理する。
【0018】
実施中に(In operation)、電力線ネットワーク100上の第1サーバ106がクライアント108にデータストリームを送信する前に、サーバ106は、マスタ104にデータストリームの送信のための帯域(例えば1以上のタイムスロット)を割り当てるように要求する。すなわち、サーバ106は帯域要求(bandwidth request)をマスタ104に送信する。帯域の割り当ては、利用される通信基準(communication standard)に依存して変化する。本稿で記載されるように、一実施形態に従えば、電力線ネットワークはTDMA(Time Division Multiplexing Access)を用いる。第1マスタ104が帯域(例えば、TDMAシステムのタイムスロット)を割り当てた後、サーバ106はクライアント108へのデータストリームの送信を開始する。
【0019】
上述されたように、それぞれのローカルネットワークはマスタ(例えば第1マスタ104と第2マスタ112)を備える。マスタデバイスは互いに通信し、本稿で後述されるように、それらのローカルネットワーク内でのデータストリームの送信のための帯域(例えばタイムスロット)を決定する。Iwamuraらによる、2005年9月20日に出願された出願番号11/231,488号「POWER−SAVE CONTROL FOR NETWORK MASTER DEVICE」の米国特許出願で記載されているように、マスタは、必ずしも独立したデバイスである必要は無く、マスタによって処理される様々な機能(例えばビーコン)を実行できるあらゆるデバイスでありうる。マスタデバイスとして作動するデバイスは、ローカルネットワーク内で変更されてもよい。すなわち、マスタは、例えばいくつかの実施形態ではサーバまたはクライアントであり、マスタ機能は電力線ネットワーク100に接続された異なるデバイス間で移動され(transfer)てもよい。マスタデバイスは、マスタデバイスが備えられたローカルネットワーク上で処理される個々の送信を知っている必要があり、送信のためのビーコンを送る役割を担う。
【0020】
いくつかの実施形態では、電力線ネットワークは、データの送信にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)およびTDMA(Time Division Multiplexing Access)を利用する。OFDMは、例えば、1〜30MHzの範囲の1000のサブキャリアを用いる。最も適切な変調方式は、信号対雑音電力比(SNR:Signal−to―Noise Ratio)に基づいて、それぞれのサブキャリアに適用される。SNRが悪ければ、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keyig)等のロバストな変調方式が用いられる。SNRが良ければ、QAM(Quadrature Amplitue Modulation)が用いられてもよい。変調テーブル(すなわち、トーンマップ)は、データストリームの送信を最適化するために、送信機(例えばサーバ106)と受信機(例えばクライアント)との間で頻繁に交換される。
【0021】
図2には、一実施形態にかかるネットワークアクセスタイミングを示したタイミングチャートが示されている。図2には、第1ビーコンサイクル200、第2ビーコンサイクル201、無競合(contention―free)エリア202、搬送波感知多重アクセス(CSMA:Carrier Sense Multiple Access)エリア204、第1ビーコン206、第2ビーコン208、および第3ビーコン210が示されている。
【0022】
電力線ネットワーク100内のマスタデバイスは、他の全てのデバイスに周期的にビーコン(例えば、第1ビーコン206、第2ビーコン208、および第3ビーコン210)を送信する。第1ビーコンサイクル200は、無競合(contention―free)エリア202と、搬送波感知多重アクセス(CSMA:Carrier Sense Multiple Access)エリア204とに分割される。それぞれのビーコンサイクルは、無競合エリアとCSMAエリアの両方を有する。CSMAエリア204は、競合エリアである。すなわち、デバイスは、CSMAエリア内では先着順でデータを送信する。したがって、あるビーコンサイクルに対してタイムスロットが獲得されたとしても、次のビーコンサイクルに対してそのタイムスロットが有効である保証はない。本稿のいくつかの実施形態に従えば、無競合エリア202は、例えば、ジッタセンシティブなオーディオ/ビデオ(A/V)ストリーミングに用いられる。
【0023】
図3には、割り当てられたタイムスロット内のデータストリームの送信を示したタイミングチャートである。図3には、第1ビーコンサイクル200、第2ビーコンサイクル201、無競合エリア202、CSMAエリア204、第1ビーコン206、第2ビーコン208、第3ビーコン210、第1ビーコンサイクル200内の第1タイムスロット300、第1ビーコンサイクル200内の第2タイムスロット302、および第2ビーコンサイクル201内の第3タイムスロット304が示されている。
【0024】
送信機(例えば図1に示された第1サーバ106)は、第1マスタ104に帯域要求を送信し、タイムスロット割り当て(例えば第1タイムスロット300)を受信し、第1ビーコンサイクル200内の第1タイムスロット300と、第2ビーコンサイクル201内の第3タイムスロット304を用いてデータストリームの送信を開始する。図示されているように、マスタによって新しいタイムスロットが割り当てられない限り、データストリームにはビーコンサイクルごとに同じタイムスロットが予約される(このことは後述される)。好適な実施形態では、データストリームの送信には、無競合エリア202が用いられる。
CSMAエリア204は、非同期伝送(例えば、ファイル転送、コマンド等)に用いられる。データは、第1ビーコンサイクル200内の第2タイムスロット302を用いて送信される。
【0025】
次に、図4を参照すると、一実施形態例にかかるサーバ106を示したブロック図が示されている。図4には、ビデオ入力400、オーディオ入力402、第1アナログ/デジタル(A/D)コンバータ404、第2A/Dコンバータ406、第1エンコーダ408、信号スイッチ410、電力線通信インターフェイス412、電力線ネットワーク414、ケーブル入力416、チューナー/フロントエンド417、第3A/Dコンバータ418、第4A/Dコンバータ420、第2エンコーダ422、内部バス424、メモリ426、制御部428、ユーザインターフェイス430が示されている。
【0026】
ケーブル入力416からのアナログ信号は、フロントエンドチューナー417によってチューニングされ復調される。フロントエンドチューナー417は、オーディオ/ビデオ信号を出力し、出力されたオーディオ/ビデオ信号は、第3A/Dコンバータ418および第4A/Dコンバータ420に入力される。第3A/Dコンバータ418および第4A/Dコンバータ420からの出力は、次に、第2エンコーダ422(例えばMPEGエンコーダ)でエンコードされる。第2エンコーダ422からの出力ストリームは、信号スイッチ410に送信される。
【0027】
同様に、ビデオ入力400およびオーディオ入力402は、第1A/Dコンバータ404および第2A/Dコンバータ406でアナログ−デジタル変換される。第1A/Dコンバータ404および第2A/Dコンバータ406からの出力は、第1エンコーダ408(例えばMPEGエンコーダ)でエンコードされる。第1MPEGエンコーダ408からの出力も、信号スイッチ410に送信される。信号スイッチ410は、選択された信号(例えばA/V入力、またはケーブル入力)を電力線通信インターフェイス(PLC I/F)412に送信する。また、信号スイッチ410は、2つのストリームを同時に送信するために、両方の入力信号を時間多重化(time−multiplex)してもよい。PLC I/F412からの出力信号は、電力線ネットワーク414上でクライアントに送信される。
【0028】
制御部428(図4にはCPU428と示されている)は、内部バス424を用いてサーバの全ての構成要素を制御する。内部バス424は、例えば、PCIバスである。制御部428はサーバのメモリ426に格納された制御ソフトウェアプログラムを実行する。ユーザインターフェイス430は、例えば、表示部および入力手段(例えば、ボタン、タッチスクリーン等)を備える。ユーザインターフェイス430は、ユーザによるコマンド入力を制御部428に送信する。さらに、ユーザインターフェイス430は、制御部428からデータを受信し、ユーザインターフェイス430の表示部に情報を表示する。
【0029】
次に、図5を参照すると、一実施形態例にかかるクライアント108を示したブロック図が示されている。図5には、電力線ネットワーク500、電力線通信インターフェイス(PLC I/F)502、逆多重化部(de−multiplexer)504、オーディオデコーダ506、オーディオデジタル/アナログ(D/A)コンバータ508、増幅部510、スピーカ512、ビデオデコーダ514、ミキサー516、グラフィックエンジン518、ビデオD/Aコンバータ520、表示ドライバ522、表示部524、内部バス526、メモリ528、制御部530、ユーザインターフェイス532が示されている。
【0030】
PLC I/F502は、サーバ(例えば図4に示されたサーバ)から電力線ネットワーク500上で送信された信号を受信する。PLC I/F502からの出力信号は、逆多重化部504に送信され、逆多重化部504でオーディオデータとビデオデータに分割される。ビデオデータは、ビデオデコーダ514に送信される。ミキサー516では、ビデオデコーダ514からのデコードされたビデオ信号が、グラフィックエンジン518で生成されたグラフィックデータと結合される(mix)。ミキサー516からの出力は、ビデオD/Aコンバータ520に送信される。ビデオD/Aコンバータ520からのアナログ出力は、表示ドライバ522に送信され、その後、表示部524に表示される。
【0031】
同様に、逆多重化部504からのオーディオデータは、オーディオデコーダ506でデコードされ、オーディオD/Aコンバータ508でアナログ信号に変換される。オーディオD/Aコンバータ508からのアナログ出力は、増幅部510によって増幅され、スピーカ512に送信される。
【0032】
制御部530(図4ではCPU530と図示)は、電力線ネットワーク500上でサーバの制御部428(図4に図示)と非同期データ(例えばコマンド、データ等)を交換する。制御部530は、内部バス526を通してクライアントデバイスの全ての構成要素を制御する。さらに、制御部530は、クライアントのメモリ528に格納された制御ソフトウェアプログラムを実行する。ユーザインターフェイス532は、例えば、入力部および赤外線遠隔信号受信部を備える。ユーザインターフェイス532は、ユーザからのコマンドを制御部530に送信する。
【0033】
図6には、一実施形態例にかかる電力線通信インターフェイス412または502を示したブロック図が示されている。図6には、電力線ネットワーク600、アナログフロントエンド(AFE)回路602、高速フーリエ変換(FFT)回路604、復調部606、パラレルシリアル(P−S)コンバータ608、逆インターリーバ(de−interleaver)610、前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)デコーダ612、バスインターフェイス614、内部バス616、ストリームインターフェイス618、メモリ620、FECエンコーダ622、インターリーバ624、シリアルパラレル(S−P)コンバータ626、変調部628、および逆高速フーリエ変換(IFFT)回路630が示されている。
【0034】
電力線ネットワーク上で送信されるデータ(例えばデータストリーム)は、バスインターフェイス614によって内部バス616から受信され、一時的にメモリ620に格納される。メモリは、例えばバッファメモリである。内部バス616は、例えば図4に示されたサーバの内部バス424である。その後、データはメモリ620から読み込まれ、読み込まれたデータには、FECエンコーダ622で誤り訂正符号が追加される。その後、データは、FECエンコーダ622からインターリーバ624に出力され、S−Pコンバータ626に出力される。その後、S−Pコンバータ626からのパラレル信号は、変調部628によって変調され、IFFT回路630に送信される。変調方式は、例えばデータ送信先の受信機と交換されるトーンマップに基づいて、それぞれのサブキャリアに対して選択される。IFFT回路630では、それぞれの入力信号に搬送波が割り当てられ、全ての信号が逆高速フーリエ変換される。IFFT回路630からの出力は、AFE回路602に送信され、電力線ネットワーク600上で受信機に送信される。
【0035】
データが受信されたときは、データは逆方向で処理される。まず、AFE602は、電力線600上で送信デバイス(例えば図1に示されているサーバ106)からデータ(例えばデータストリーム)を受信する。この例では、PLCインターフェイスは図5に示されたPLC I/F502である。データは、FFT回路604によって高速フーリエ変換され、復調部606によって復調され、P−Sコンバータ608によってパラレルシリアル変換される。復調は、送信機と交換されるトーンマップに基づいて、それぞれのサブキャリアに対して行われる。P−Sコンバータからの出力は逆インターリーバ610に送信され、次に、逆インターリーバ610はデータをFECデコーダ612に送信する。FECデコーダ612からの出力は、バスインターフェイス614に送信される。データは、内部バス616に送信される前に、一時的にメモリ620に格納される。PLCインターフェイスは、データの送信と受信を同時に行うことができる。さらに、図6に示されたPLCインターフェイスは、サーバに備えられたPLCインターフェイスであっても、クライアントに備えられたPLCインターフェイスであっても、同じ方法で機能する。
【0036】
次に、図7を参照すると、一実施形態にかかるデータストリームの複数のタイムスロットへの分割を示したタイミング図が示されている。図7には、ビーコンサイクル700、無競合エリア702、CSMAエリア704、第1ビーコン706、第2ビーコン708、第3ビーコン710、第1タイムスロット712、第2タイムスロット714が示されている。
【0037】
後述する例は、例えばケーブル入力からアナログAV信号を受信するサーバを説明する。アナログAV信号は、図4に示されたMPEGエンコーダ408で8Mbps(1秒当たりのメガビット)のAVストリームにエンコードされる。信号スイッチ410は、信号をPLC I/F412に送り、サーバはAVストリームをクライアントへ送信する。送信前に、サーバはマスタにタイムスロットを割り当てるように要求する。従来のシステムでは、サーバ106は8Mbpsのストリームを搬送する1つのタイムスロットを取得する。しかし、本発明のいくつかの実施形態に従えば、サーバは、マスタデバイスから2以上のタイムスロットを取得する。8Mbpsのストリームは、例えば第1タイムスロット712および第2タイムスロット714に分割される。この例では、第1タイムスロット712および第2タイムスロット714のそれぞれが、4Mbpsのデータストリームを搬送する。
【0038】
前述されたように、データストリームは第1タイムスロット712および第2タイムスロット714に分割される。データストリームは、PLC I/F412内でメモリ620に格納され、2つの部分に分割される。データの第1部分は、ロードされ、第1タイムスロット712で送信され、データの第2部分は、ロードされ、第2タイムスロット714で送信される。第1タイムスロット712および第2タイムスロット714は連続している必要はなく、無競合エリア702内のどこで送信されてもよい。
【0039】
実施中に、クライアント108は、第1タイムスロット712および第2タイムスロット714の両方でデータストリームを受信し、元の8Mbpsのストリームを再構成するためにデータストリームを結合する(merge)。PLC I/F502内では、それぞれのタイムスロットからのデータストリームがメモリ620に格納され、その後連結される(concatenate)。再構成されたデータストリームは、逆多重化部504に送信される。
【0040】
図8および図9は、送信機(例えばサーバ106)がどのようにデータストリームを複数のタイムロットに分割するかと、受信機(例えばクライアント108)がどのように元のデータを再構成するかを示している。
【0041】
図8には、一実施形態にかかるタイムスロットの割り当てを示したタイミング図が示されている。図8には、ビーコンサイクル800、無競合エリア802、CSMAエリア804、第1ビーコン806、第2ビーコン808、第3ビーコン810、第1タイムスロット812、第2タイムスロット814、および第3タイムスロット816が示されている。
【0042】
図示された例では、2つのデータストリームが送信機から1以上の受信機に送信されている。第1データストリームは、例えば4Mbpsの帯域を有し、第1タイムスロット812を使用する。第2データストリームは、例えば8Mbpsの帯域を有し、第2タイムスロット814および第3タイムスロット816を使用する。第2タイムスロット814は第2データストリームの4Mbpsを送信するために用いられ、第3タイムスロット816もデータストリームの4Mbpsを送信するために用いられる。このように、第2データストリームは、第2タイムスロット814および第3タイムスロット816に分割される。
【0043】
図9には、一実施形態にかかる受信機と送信機を示した説明図が示されている。バスインターフェイスは、例えば図6に示されたバスインターフェイス614である。図9には、送信機950、受信機960、送信機メモリ900、第1データブロック902、第2データブロック904、送信機バスインターフェイス906、送信機スイッチ908、送信機物理層910、電力線ネットワーク912、受信機物理層914、受信機バスインターフェイス916、受信機スイッチ918、受信機メモリ920、第3データブロック922、および第4データブロック924が示されている。
【0044】
実施中に、送信機メモリ900内の第1データブロック902は、第1タイムスロット812(図8に図示される)を用いて送信機950から受信機960に送信されるデータを格納する。第1タイムスロット812はそれぞれのビーコンサイクルで使用され、第1データストリームに対応する。第2データブロック904は、第2タイムスロット814および第3タイムスロット816(図8に図示される)を用いて送信機950から受信機960に送信されるデータを格納する。第2タイムスロット814および第3タイムスロット816はそれぞれのビーコンサイクルで使用され、第2データストリームに対応する。送信機スイッチ908は、送信機物理層910に送信する、第1データブロック902または第2データブロック904のいずれかのデータを選択する。送信機物理層910は、例えば、図6に示されたアナログフロントエンド(AFE)回路602、FECエンコーダ622、インターリーバ624、シリアルパラレル(S−P)コンバータ626、変調部628、および逆高速フーリエ変換(IFFT)回路630である。
【0045】
第1タイムスロット812で、送信機スイッチ908は(i)に接続され、これが第1データブロック902に対応する。第2タイムスロット814で、送信機スイッチ908は(ii)に接続され、第3タイムスロット816で、送信機スイッチ908は(iii)に接続され、これら両方が第2データブロック904に対応する。送信機スイッチ908は、(i)から(iii)まで循環し、ビーコンサイクル800に同期される。一実施形態では、バスインターフェイスは機械的なスイッチを備えないことに注意されたい。しかし、図9は、バスインターフェイスがどのように送信機メモリ900内のデータを選択するかを示している。
【0046】
受信機960では、第1タイムスロット812で送信されたデータは、電力線ネットワーク912上で受信される。データは、受信機物理層914によって処理される。受信機物理層は、例えば、図6に示されたアナログフロントエンド(AFE)回路602、高速フーリエ変換(FFT)回路604、復調部606、パラレルシリアル(P−S)コンバータ608、逆インターリーバ610、前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)デコーダ612である。受信機物理層914からの出力は、受信機メモリ920内の第3メモリブロック922に格納される。受信機バスインターフェイス916は、第1タイムスロット812を受信したときにデータが第3メモリブロック922に格納されるように、受信機スイッチ918を制御する。
【0047】
第2タイムスロット814および第3タイムスロット816で送信されたデータは、結合され、受信機メモリ920内の第4メモリブロック924に格納される。制御部(例えば、制御部530)は、データが1つのタイムスロットまたは複数のタイムスロットからロードされるように、受信機スイッチ918を制御する。タイムスロットは、スイッチの切り替えがビーコンサイクルより高速になるようにオンザフライで切り替えられてもよい。さらに、第2タイムスロット814および第3タイムスロット816は、後で1つのデータストリームに結合されるため、必ずしも連続している必要はない。例えば、第3データストリームに対するタイムスロットは、第2タイムスロット814と第3タイムスロット816の間に存在してもよい。この場合、受信機スイッチ918は、データを第4メモリブロック924に読み込むように位置づけられ、その後第3データストリームに対するデータを読み、続けて第4メモリブロック924にデータを再度読み込む。
【0048】
図10には、一実施形態にかかるタイムスロットの割り当てを示したタイミング図が示されている。図10には、ビーコンサイクル1000、無競合エリア1002、CSMAエリア1004、第1ビーコン1006、第2ビーコン1008、第3ビーコン1010、および第1タイムスロット1012が示されている。
【0049】
図7に戻って、第1データストリーム(8Mbpsのストリーム)が4Mbpsのタイムスロットを2つ用いて送信されると仮定する。次に、ネットワークトラフィックが増加し、第1データストリームに対する帯域を減じる必要があると仮定する。図10は、ネットワーク上の帯域を解放するために、4Mbpsに減じられた第1データストリームを示している。
【0050】
実施中に、マスタ104(図1に示される)は、一実施形態例に従い、サーバ106に帯域減少要求(bandwidth reduction request)を送信する。前述の要求に応じて、制御部428はMPEGエンコーダ408の符号化速度を8Mbpsから4Mbpsに減速する。続けて、PLCインターフェイス412は8Mbpsではなく4Mbpsの第1データストリームを受信し、(図7の第1タイムスロット712および第2タイムスロット714と比較されるように)第1データストリームからのデータを第1タイムスロット1012だけにロードする。クライアント108は、第1タイムスロット1012内のデータストリームを受信し、4Mbpsのストリームをデコードする。符号化速度の変化はオンザフライで処理され、したがって、デコードの中断またはパケットエラーが回避される。デコードされたビデオ品質は速度の減少によって、若干悪くなる。しかし、ビデオ品質の低下は、多くの実施形態では視聴者が気づかない程度である。さらに、第2タイムスロット714は解放され、マスタ104は第2タイムスロット714を異なるデータストリームの送信に使うことができる。
【0051】
ネットワーク上のネットワークトラフィックが再び混雑しなくなれば(すなわち、低下すれば)、マスタ104は、サーバ106に4Mbpsのタイムスロットを再び割り当てる。新しいタイムスロットは、前にサーバ106によって使用されなくなった第2タイムスロット714である必要は無く、利用可能なあらゆるタイムスロットでありうる。一度、追加のタイムスロットが割り当てられると、制御部428は、符号化速度を4Mbpsから元の速度である8Mbpsに増速するように、エンコーダ408に命令を出す。PLCインターフェイス412内で、バッファメモリ620に格納されるデータは再度2つの部分に分割され、2つのタイムスロットにロードされる。クライアント108は、2つのタイムスロットを受信し、元の8Mbpsのストリームを以前のように再構成する。ビデオは元の品質に復元される。上述のように、データストリームを送信するための用いられるタイムスロットの数を増やす過程は、ビデオの表示を中断することなく、オンザフライで処理される。
【0052】
いくつかの実施形態では、多数のネットワーク帯域が利用可能であり、マスタ104は、データストリームの送信に対して要求されるよりも多くのタイムスロットをサーバに与えることが可能である。一例では、サーバは、8Mbpsストリームに対して使用されうる16Mbpsの帯域に対応する4つの4Mbpsスロット割り当てられる。この例では、さらにロバストな変調がOFDMサブキャリアに適用される。例えば、元の変調がQPSK(Quadrature Phase Shift Keyig)であれば、変調はBPSK(Binary Phase Shift Keyig)に変更されうる。QPSK1シンボルあたり2ビットのデータを表す。BPSK1シンボルあたり1ビットのデータを表す。したがって、BPSK変調方式には、2倍の数のタイムスロットが要求される。それぞれのサブキャリアが、半分の密度の変調(half density modulation)を用いてもよい。あるいは、高密度変調を用いるいくつかのサブキャリアがロバストな変調を用いてもよい。例えば、64QAMは16QAMに変更され、QPSKはそのままであってもよい。
【0053】
変更例としては、よりロバストな変調が用いられる代わりに、よりロバストな誤り訂正符号が用いられてもよい。さらに、サーバは、パケットが欠落するのを防ぐために、2倍の帯域を用いて同じデータを2度送信してもよい。好適な実施形態では、全ての手続き(procedure)は、ストリーミングを妨害することなくオンザフライで処理される。
【0054】
一度ネットワークトラフィックが増加すると、マスタ104は、サーバ106に1以上のタイムスロットを解放するように要求する。マスタ104は、変調方式を変更し、追加のタイムスロットを解放する。マスタ104がさらにタイムスロットを要求した場合は、サーバ106は符号化速度を減速し、前述されたようにさらにスロットを解放する。このように、十分な帯域が利用可能であれば、さらにロバストで安定なストリーミングの処理が行われる。
【0055】
マスタデバイスは、電力線ネットワークの利用可能な帯域の合計を等しく分割する。例えば、図1に示されるように、第1マスタ104および第2マスタ112が同一の電力線ネットワーク上に存在することができる。一実施形態では、それぞれのマスタに対する割り当て分(allotment)は電力線ネットワークの帯域の合計の半分である。すなわち、電力線ネットワーク上のそれぞれのマスタは、帯域の合計を等分した割り当てを取得する。いくつかの実施形態に従えば、マスタは、以下のルールに基づいてそれぞれの送信にタイムスロットを割り当てる。
1.利用可能なタイムスロットが十分に存在すれば、マスタはそのマスタに対する割り当て分より多くのタイムスロットを用いてもよい。
2.マスタが新しい送信に対して十分なタイムスロットを取得できないときは、要求された帯域全体(既にマスタによって使用されている帯域および新しい送信に対する帯域)が調査される。帯域の合計が割り当て分より多い場合、マスタは、(同一の論理ネットワーク内の)それぞれのローカルデバイスに帯域減少要求を送信する。電力線ネットワーク上の他のマスタには影響は無い。
3.要求された帯域の合計が割り当て分以下であれば、マスタは、グローバルに他のマスタに帯域減少要求を送信する。マスタは、他のマスタから解放されたタイムスロットを再利用する。
4.マスタは他のマスタから帯域減少要求を受信したときに、割り当て分より多い帯域を使用していれば、それぞれのローカルデバイスにローカルで帯域減少要求を送信する。
5.ネットワークトラフィックが減少し、1以上の新しいタイムスロットが利用可能となれば、まず減速された送信にタイムスロットを割り当て、その後ロバストな送信にタイムスロットを割り当てる。
【0056】
図11〜図16には、電力線ネットワーク上のマスタデバイスおよび送信デバイスに関する帯域制御アルゴリズムが例示されている。図11を参照すると、電力線ネットワーク上でマスタデバイスによって処理される帯域割り当てに関するアルゴリズムが示されたフロー図が示されている。プロセスは、ステップ1100から開始される。1102の分岐では、マスタデバイスは、送信機からの新しい送信要求(本稿では帯域要求とも称される)を待っている。新しい送信要求がマスタデバイスによって受信された場合、マスタデバイスは、新しい送信要求を送信した送信機への割り当てに利用することができる十分な使用されていない帯域(例えば、タイムスロット)を、マスタデバイスが有するか否かを、ステップ1104で決定する。いくつかの実施形態では、例えば、マスタデバイスは、先着順で送信機に帯域を割り当ててもよい。別の実施形態では、マスタデバイスは、送信の優先度に基づいて送信機に帯域を割り当ててもよい。マスタデバイスが送信機への帯域の割り当てを行うために利用可能な、十分な使用されていない帯域を有する場合、マスタデバイスは、ステップ1118に続き、送信機に帯域割り当て(例えば、タイムスロット割り当て)を送信する。プロセスは、その後ステップ1120で終了する。
【0057】
しかし、ステップ1104で、送信機への割り当てに利用できる十分な使用されていない帯域をマスタデバイスが有さない場合は、プロセスは、ステップ1106に続く。ステップ1106で、マスタデバイスが現在送信機に割り当てている帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分と比較される。帯域の合計は、マスタデバイスが現在送信機に割り当てている帯域とマスタデバイスが新しい送信に割り当てる予定の帯域との和である。マスタデバイスのローカルネットワーク上で、現在送信機に割り当てられている帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられたネットワーク全体の割り当て分を超えている場合、マスタデバイスのローカルネットワーク内の帯域利用を低減させるために、マスタデバイスはステップ1108に続く。ステップ1108では、マスタデバイスによって送信機に割り当てられた帯域の少なくとも一部を回復するために、マスタデバイスは、そのマスタデバイスのローカルネットワーク上のそれぞれの送信機に帯域減少要求を送信する。それぞれの送信機は、マスタデバイスから帯域減少要求を受信したとき、図14に示されたアルゴリズムを実行する。
【0058】
また、ステップ1106で、マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機に現在割り当てられた帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられたネットワーク帯域全体の割り当て分以下である場合は、プロセスはステップ1110に続く。ステップ1110では、他のマスタデバイスから帯域を得るために、マスタデバイスは電力線ネットワーク上の他のマスタデバイスに帯域要求を送信する。例えば、電力線ネットワーク上に1以上の他のマスタデバイスが存在し、前述のネットワーク上の1以上の他のマスタデバイスが、そのマスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機にそのマスタデバイスの帯域の割り当て量(allocation)を超えて、帯域を割り当てているような場合、このステップは、マスタデバイスの帯域を回復する。したがって、ステップ1102で新しい送信要求をマスタデバイスに送信する送信機に、マスタデバイスが帯域を割り当てるために、マスタデバイスは、電力線ネットワーク上の他のマスタデバイスに超過して割り当てられた帯域の少なくとも一部分を回復してもよい。マスタデバイスが、個々のマスタデバイスの帯域の割り当て量を超えてローカルネットワーク上の送信機に帯域を割り当てたか否かを決定するために、電力線ネットワーク上のマスタデバイスは、帯域減少要求の受信後に図13に示されるアルゴリズムを実行する。
【0059】
マスタデバイスが帯域減少要求を他のデバイスに送信した場合、ステップ1112では、マスタデバイスは、そのマスタデバイスのローカルネットワーク上の少なくとも1つの送信機によって、あるいは、少なくとも1つの他のマスタデバイスのローカルネットワーク上の少なくとも1つの送信機によって、タイムスロットが解放されたか否かを決定する。マスタデバイスが少なくとも新しい送信のために要求した数のタイムスロットを受信した場合は、マスタデバイスはステップ1118に続き、送信機が新しい送信を開始できるようにタイムスロットを送信機に割り当てる帯域割り当て要求を送信する。プロセスは、その後、ステップ1120で終了する。
【0060】
しかし、ステップ1112でマスタデバイスが新しい送信を可能とするために十分な追加タイムスロットを回復できなかった場合は、マスタデバイスはステップ1114に続く。ステップ1114では、マスタデバイスは、送信された要求の数と閾値とを比較することによって、繰り返し帯域減少要求を送信すべきかどうかを決定する。要求の数が閾値より低い場合は、マスタデバイスはプロセス内のステップ1106に戻り、新しい送信のための十分な帯域を回復するために引き続き試行を開始する。閾値を大きくするほど、マスタデバイスが続くステップ1116で、新しい送信のための帯域の割り当ての試行を中止する前に行われる試行回数は増える。ステップ1116では、マスタデバイスは、十分に利用できる帯域が無いために送信機が新しい送信を開始できないことを、送信機に伝える。プロセスは、その後、ステップ1120で終了する。
【0061】
図12には、電力線ネットワーク上でマスタデバイスによって処理されるロバストな送信および帯域の回復に関するアルゴリズムを示したフロー図が示されている。プロセスは、ステップ1200から開始される。ステップ1202では、マスタデバイスは電力線ネットワーク上の帯域利用を監視する。帯域が電力線ネットワーク上で利用可能となると、ステップ1204で、マスタデバイスは利用可能な帯域からのタイムスロットの割り当てを試行する。ステップ1204では、マスタデバイスは、マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機が減速された送信を有するかを決定する。マスタデバイスは、マスタデバイスのローカルネットワーク上のそれぞれの送信機に関するそれぞれの送信トラックを確保する。データストリームの速度が減速される前の、データストリームの元の速度で、送信機がデータストリームを送信できるように、マスタデバイスは、利用可能な帯域を減速された送信に割り当てる。
【0062】
ステップ1204で、マスタデバイスのローカルネットワーク上の少なくとも1つの送信機が、減速された送信を有する場合、マスタデバイスはステップ1206に続く。ステップ1206では、マスタデバイスは、減速された送信にタイムスロットを割り当てるための十分な帯域を有するかを決定する。マスタデバイスが、減速された送信への割り当てに利用できる十分なタイムスロットを有さない場合は、マスタデバイスはステップ1220に続き、プロセスは終了する。しかし、マスタデバイスが、減速された送信を有する送信機に割り当てる十分なタイムスロットを有する場合、マスタデバイスはステップ1208に続く。ステップ1208では、マスタデバイスは減速された送信を有する、そのマスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機に、速度調整コマンド(rate adjustment command)を送信する。送信機は、図15に示されたアルゴリズムを、ステップ1500から開始して実行する。マスタデバイスはその後ステップ1210に続き、ステップ1210では、マスタデバイスは、ステップ1204に戻る前にマスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機による追加の送信を調べる。ステップ1204では、マスタは、減速された送信を有するローカルネットワーク上の送信機を再度調べる。
【0063】
ステップ1204で、減速された送信を有するマスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機が存在しなければ、マスタデバイスはステップ1212に続く。ステップ1212では、マスタデバイスは、マスタデバイスのローカルネットワーク上の少なくとも1つの送信機がロバストでない送信を有するかを決定する。ロバストでない送信を有するマスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機が存在しなければ、マスタデバイスはステップ1220に続き、プロセスは終了する。しかし、マスタデバイスのローカルネットワーク上の少なくとも1つの送信機が少なくとも1つのロバストでない送信を有すれば(例えば、送信機がよりロバストでない変調方式を用いていれば)、マスタデバイスはステップ1214に続く。ステップ1214では、マスタデバイスは、マスタデバイスが利用可能な帯域からロバストでない送信に割り当てる十分な利用可能なタイムスロットを有するかを決定する。マスタデバイスがタイムスロットを割り当てるために十分な利用可能な帯域を有さない場合は、マスタデバイスはステップ1220に続き、プロセスは終了する。しかし、マスタデバイスがロバストでない送信を有する送信機にタイムスロットを割り当てるために十分な利用可能な帯域を有する場合は、マスタデバイスはステップ1216に続く。ステップ1216では、マスタデバイスはロバストな送信要求をロバストでない送信を有する送信デバイスに送信する。送信機は、その後、図16に示されたステップ1600から開始するプロセスを実行する。マスタデバイスはその後、ステップ1218に続き、ステップ1218では、マスタデバイスは、ステップ1212に戻る前に、マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機による追加の送信を調べる。ステップ1212では、マスタはロバストでない送信を有するローカルネットワーク上の送信機を再度調べる。
【0064】
図13には、マスタデバイスがローカルネットワーク上の他のマスタデバイスから帯域減少要求を受信したときにそれぞれのマスタデバイスによって実行されるアルゴリズムを示したフロー図が示されている。マスタデバイスは、近隣のネットワークからタイムスロットを獲得するために、図11のステップ1110で帯域減少要求を送信する。マスタデバイスが近隣のマスタデバイスから帯域減少要求を受信したときは、マスタデバイスは図示されたプロセスのステップ1300から開始する。ステップ1302で帯域減少要求が受信されなければ、マスタデバイスは待機する。しかし、帯域減少要求が受信されると、マスタデバイスはステップ1304に続く。ステップ1304で、マスタデバイスは、マスタデバイスがそのマスタデバイスのローカルネットワーク上で現在送信機に割り当てている帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分と比較されたかどうかを決定する。マスタデバイスのローカルネットワーク上で現在送信機に割り当てられている帯域の合計が、そのマスタデバイスの帯域の割り当て分を超えていない場合は、プロセスはステップ1308で終了する。しかし、マスタデバイスのローカルネットワーク上で現在送信機に割り当てられている帯域の合計が、そのマスタデバイスの帯域の割り当て分を超えている場合は、マスタデバイスのローカルネットワーク内の帯域利用を減じるために、マスタデバイスはステップ1306に続く。ステップ1306では、マスタデバイスは、そのマスタデバイスのローカルネットワーク上のそれぞれの送信機に帯域減少要求を送信する。帯域減少要求を受信すると、マスタデバイスのローカルネットワーク上のそれぞれの送信機は図14内のアルゴリズムを実行する。プロセスは、ステップ1308で終了する。
【0065】
図14には、送信器がローカルネットワーク上のマスタデバイスから帯域減少要求を受信したときに、それぞれの送信機によって実行されるアルゴリズムを示したフロー図が示されている。マスタデバイスは、図11のステップ1108、あるいは図13のステップ1306で帯域減少要求を送信する。
送信機は、1以上のデータストリームを同時に送信してもよい。送信機がマスタデバイスからの帯域減少要求を受信すると、送信機は、送信機が同時に送信しているそれぞれのストリームに対して、図14に示されたアルゴリズムを実行する。プロセスは、ステップ1400で開始される。ステップ1402では、送信機はマスタデバイスから到着する帯域減少要求を待っている。帯域減少要求がマスタデバイスから受信された場合、送信機はステップ1404に続く。ステップ1404では、送信機はデータストリームがロバストな送信であるかを決定する。
【0066】
例えば、送信機が、データストリームを送信するために要求されたタイムスロットより多くのタイムスロットを割り当て、よりロバストな変調方式を用いている場合、データストリームはロバストである。すなわち、送信機が追加タイムスロットを割り当てたので、送信機は要求されたよりもロバストな変調方式を用いている。例えば、送信機が8Mbpsの帯域に対する要求を送信するだけであっても、マスタデバイスは、データストリームに4つの4Mbpsスロットを割り当ててもよい。したがって、送信機は8Mbpsの超過の帯域を利用し、例えばデータストリームに対する元の変調が、1シンボル当たり2ビットが送信されるQPSK(Quadrature Phase Shift Keyig)であるとき、送信機は、QPSKの代わりに、よりロバストな1シンボル当たり1ビットが送信されるBPSK(Binary Phase Shift Keyig)を用いる。このように、データストリームは、マスタデバイスによって割り当てられた超過タイムスロットを完全に利用する。いくつかの実施形態では、それぞれのサブキャリアは、半分の密度の変調を用いてもよい。また、高密度変調を用いるいくつかのサブキャリアだけが、ロバストな変調を用いてもよい。例えば、64QAMは16QAMに変更され、QPSKはそのままである。別の実施形態では、よりロバストな変調方式の代わりに、よりロバストな誤り訂正符号が用いられる。さらに、サーバは、パケットが欠落するのを防ぐために、(2倍の帯域を用いて)同じデータを2度送信してもよい。
【0067】
データストリームがロバストな送信である場合は、送信機はステップ1414に続く。ステップ1414では、送信機は、データストリームの変調を元の、よりロバストでない変調方式に切り替える。その後、送信機は、1以上の超過タイムスロットをステップ1416で解放し、プロセスはステップ1418で終了する。
【0068】
データストリームが、ロバストな送信でない場合、送信機はステップ1404からステップ1406へと続く。ステップ1406では、送信機は、帯域減少要求がマスタデバイスからの最初の帯域減少要求であるかを決定する。帯域減少要求がマスタデバイスから受信した最初の帯域減少要求である場合、送信機は帯域を低減せず、プロセスは1418で終了する。いくつかの実施形態では、ロバストな送信のみが最初の帯域減少要求で減速される。しかし、帯域減少要求がマスタデバイスから受信した最初の帯域減少要求でない場合は、送信機はステップ1408に続く。ステップ1408では、送信機は、データストリームが減速された送信であるかどうかを決定する。データストリームが減速された送信である場合、送信機はデータストリームに割り当てられた帯域をさらに減じることはせず、プロセスはステップ1418で終了する。データストリームが減速された送信でない場合、送信機はステップ1410に続き、ステップ1410では、ステップ1412続く前に、データストリームの符号化速度が減じられる。ステップ1412では、データストリームに割り当てられた少なくとも1つのタイムスロットがマスタデバイスに解放される。その後、プロセスはステップ1418で終了する。
【0069】
図15には、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからの符号化速度回復要求を処理するために、電力線ネットワーク上の送信機によって行われるアルゴリズムを示したフロー図が示されている。送信機(例えばサーバ)は、ステップ1500で開始し、ステップ1502に続く。ステップ1502では、送信機は、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからの符号化速度回復要求を待っている。送信機が電力線ネットワーク上のマスタデバイスから符号化速度回復要求を受信すると、送信機はステップ1504に続く。ステップ1504では、送信機は、データストリームが元の速度で送信されたかどうかを決定する。データストリームが元の速度で送信されている場合、送信機はステップ1510に続き、アルゴリズムは終了する。しかし、データストリームが元の速度で送信されていない場合(例えば、元の速度より遅い速度で送信されている場合)、送信機はステップ1506に続く。ステップ1506では、送信機は少なくとも1つの追加タイムスロットを受信する。ステップ1508では、データストリームの符号化速度は元の速度まで増加される。その後、送信機はステップ1510に続き、アルゴリズムは終了する。
【0070】
図16には、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからのロバストな送信要求を処理するために、電力線ネットワーク上の送信機によって行われるアルゴリズムを示したフロー図が示されている。送信機はステップ1600で開始し、ステップ1602に続く。ステップ1602では、送信機は電力線ネットワーク上のマスタデバイスからのロバストな送信要求を待っている。送信機が電力線ネットワーク上のマスタデバイスからロバストな送信要求を受信すると、送信機はステップ1604に続く。ステップ1604では、送信機は、データストリームが既にロバストな送信となっているかを決定する。すでに送信機がデータストリームをロバストな送信として送信している場合は、送信機はステップ1610に続き、アルゴリズムは終了する。そうでなく、送信機がデータストリームをロバストな送信として送信していない場合は、送信機はステップ1606に続く。ステップ1606では、送信機は少なくとも1つの追加タイムスロットを受信する。ステップ1608では、送信機は、データストリームの変調をよりロバストな変調方式に切り替える。その後、送信機はステップ1610に続き、アルゴリズムは終了する。
【0071】
図17には、一実施形態にかかるノイズの多い環境でのタイムスロットの割り当てを示したタイミング図が示されている。図17には、ビーコンサイクル1700、無競合エリア1702、CSMAエリア1704、第1ビーコン1706、第2ビーコン1708、第3ビーコン1710、第1タイムスロット1712、第2タイムスロット1714、第1ノイズ信号1716、第3タイムスロット1718、第4タイムスロット1720、および第2ノイズ信号1722が示されている。
【0072】
第1ノイズ信号1716は、第1タイムスロットを妨害している。それぞれのビーコンサイクルに対して、ノイズ信号は同じタイムスロットを妨害し続けうる。図示されたように、後のあるビーコンサイクルでの第2ノイズ信号1722は第1ノイズ信号1716に対応する。したがって、第1タイムスロット1712がある帯域(例えば、8Mbps)に対して割り当てられるが、実際の帯域は第1ノイズ信号1716によって、少なくなる可能性がある(例えば、4Mbpsとなる可能性がある)。
【0073】
実施中に、ネットワークの状態は、頻繁意変化する。例えば、5Mbpsの帯域がデータストリームに対して残されていたとしても、ノイズか、または他の理由によって実際の帯域は5Mbpsより少ない可能性がある。ランプ調光器またはヘアドライヤーからのノイズは、例えば、ACラインサイクル(AC line cycle)
(例えば、50または60Hz)に同期する可能性がある。もし、ビーコンがACラインサイクルに同期すれば、(第1ノイズ信号1716および第2ノイズ信号1722によって示されるように)各ビーコンサイクルのどこかの位置にノイズが現れ、同じタイムスロット(例えば、第1タイムスロット1712)内で送信されるデータストリームに対して利用可能な実際の帯域を減じる原因となる。エンコーダ408(図4に図示)は、送信に利用可能な実際の帯域を常に監視している。帯域がノイズによって悪化すれば、エンコーダは、データストリームが利用可能な帯域の減少によって破損しないように、符号化速度を動的に減じる。しかし、符号化速度の減少は、顕著な画像品質の低下の原因となる。画像品質の低下を避けるために、追加の帯域がデータストリームの送信のために提供される。例えば、サーバが、第1タイムスロット1712でデータストリームを送信し、ノイズ信号1716がデータストリームの送信を妨害し始めると、マスタデバイスは、第1タイムスロット1712に加えて、第2タイムスロット1714をサーバに割り当てることができる。データストリームのデータは、その後、第1タイムスロット1712と第2タイムスロット1714に分割される。例として、第1タイムスロット1712が8Mbpsのタイムスロットで、ノイズ信号が第1タイムスロットの実際の帯域を4Mbpsに減じる場合、例えば、4Mbpsの帯域を有する第2タイムスロット1714がサーバに割り当てられることが可能である。このように、サーバは実際に8Mbpsの利用可能な帯域を有する。
【0074】
図18には、一実施形態にかかるノイズの多い環境でのタイムスロットの割り当てを示したタイミング図が示されている。図18には、ビーコンサイクル1800、無競合エリア1802、CSMAエリア1804、第1ビーコン1806、第2ビーコン1808、第3ビーコン1810、第1タイムスロット1812、第1ノイズ信号1814、第2タイムスロット1816、および第2ノイズ信号1818が示されている。
【0075】
図17に示された例の代替として、第1タイムスロット1712に加えてデータストリームの送信に用いられる第2タイムスロット1714を割り当てる代わりに、新しいタイムスロット(すなわち、第1タイムスロット1812)が、ノイズ信号1716によって妨害されたタイムスロット1712と置き換えられてもよい。すなわち、図17の第1タイムスロット1712が第1ノイズ信号1716によって妨害されているとき、サーバは図18の第1タイムスロット1812をデータストリームの送信のために割り当てる。この場合、第1タイムスロット1712は、その後解放され、異なるデータストリームの送信で使用されるために利用可能となる。1つのタイムスロットだけ(すなわち、第1タイムスロット1812)を有することは、いくつかの実施形態に従って2以上のスロット(すなわち、第1タイムスロット1712および第2タイムスロット1714)を制御することに比較して、より単純であり好適である。
【0076】
図19には、帯域の再割り当て処理を行うために電力線ネットワーク上のマスタデバイスによって実行されるアルゴリズムを示したフロー図が示されている。アルゴリズムは、ステップ1900で開始し、ステップ1902に続く。ステップ1902では、マスタデバイスは、タイムスロットの実際の帯域がそのタイムスロットの元の帯域より少ないかを決定する。例えばノイズがネットワーク内に取り込まれているときは、タイムスロットの実際の帯域はタイムスロットの元の帯域より少ない可能性がある。タイムスロットの実際の帯域がそのタイムスロットの元の帯域より多くない場合は、マスタデバイスは、その後、ステップ1904に続く。ステップ1904では、マスタデバイスは、実際の帯域が閾値より大きいかどうかを決定する。例えば、いくつかの実施形態では、閾値が80%であり、マスタデバイスは、実際の帯域がタイムスロットの元の帯域の80%より大きいかどうかを決定する。実際の帯域がタイムスロットに対する閾値より大きい場合は、マスタデバイスはステップ1928に続き、アルゴリズムは終了する。しかし、ステップ1904でタイムスロットの実際の帯域が閾値以下の場合は、マスタデバイスはステップ1906に続く。ステップ1906では、マスタデバイスは、減じられた帯域(すなわち、元の帯域の閾値以下の実際の帯域)を有するタイムスロットを置き換えるために、少なくとも1つの利用可能なタイムスロットが割り当て可能であるかを決定する。マスタデバイスが少なくとも1つのタイムスロットが利用可能であると決定した場合は、マスタデバイスはステップ1910に続く。ステップ1910では、マスタデバイスは、送信機に帯域割り当て要求を送信する。送信機は、元の帯域の閾値以上の実際の帯域を有する新しいタイムスロットを割り当てられる。マスタデバイスは、その後、ステップ1928に続き、アルゴリズムは終了する。
【0077】
マスタデバイスがステップ1906で利用可能な、少なくとも1つの利用可能な帯域を有さない場合は、マスタデバイスはステップ1912に続く。
【0078】
ステップ1912では、マスタデバイスは、マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機に割り当てられた帯域の合計が、そのマスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計を超えているかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計は電力線ネットワーク上のマスタデバイスの数によって決定されてもよい。例えば、電力線ネットワーク上に3つのマスタデバイスが存在する場合は、それぞれのマスタデバイスは、合計で、電力線ネットワークの帯域の合計の33パーセントの帯域を割り当てられてもよい。マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機に割り当てられる帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計以上である場合は、マスタデバイスはステップ1916に続く。
【0079】
ステップ1916では、マスタデバイスは、そのマスタデバイスのローカル論理ネットワーク上のそれぞれの送信機に帯域減少要求を送信する。また、マスタデバイスのローカル論理ネットワーク上の送信機に割り当てられた帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計より少ない場合は、マスタデバイスはステップ1914に続く。ステップ1914では、マスタデバイスは、他のマスタデバイスに帯域を解放させるために、電力線ネットワーク上の他のマスタデバイスに帯域減少要求を送信する。ステップ1918では、マスタデバイスは、割り当てられたローカルデバイスか、またはネットワーク上の他のマスタデバイスのどちらかが、マスタデバイスにタイムスロットを割り当てたかを決定する。マスタデバイスが少なくとも1つのタイムスロットを割り当てられなかった場合は、マスタデバイスはステップ1928に続き、アルゴリズムは終了する。そうでない場合は、マスタデバイスはステップ1920に続き、(ステップ1904で決定された)実際の帯域が閾値より低いタイムスロットを割り当てられた送信機に、ステップ1918で得られた少なくとも1つの追加タイムスロットを割り当てるために、ステップ1920で送信機に帯域割り当て要求を送信する。マスタは、その後ステップ1928に続きプロセスは終了する。
【0080】
ステップ1902で、マスタデバイスが、タイムスロットの実際の帯域がそのタイムスロットの元の帯域より大きいと決定した場合は、マスタデバイスはステップ1922に続く。タイムスロットの実際の帯域は、タイムスロットに対する元の帯域より大きい場合がある。例えば、送信機に割り当てられた別のタイムスロット内のノイズによる帯域の減少を補うために、追加タイムスロットが送信機に割り当てられた場合である。ステップ1922では、マスタデバイスは、タイムスロットが、マスタデバイスのローカル論理ネットワーク上で送信機に割り当てられた余分の(extra)タイムスロットであるかを決定する。タイムスロットが余分のタイムスロットでない場合は、マスタデバイスはステップ1928に続き、プロセスは終了する。しかし、タイムスロットが余分のタイムスロットである場合は、マスタデバイスはステップ1924に続く。ステップ1924では、マスタデバイスは、送信機が、余分のタイムスロットを使用しなくても、データストリームを送信するために十分な帯域を有するかを決定する。マスタデバイスが、データストリームの送信に余分の帯域が必要であると決定した場合は、マスタデバイスはステップ1928に続き、アルゴリズムは終了する。そうでない場合、すなわち、マスタデバイスが、送信機は余分の帯域を使用しなくても十分な帯域を有すると決定した場合には、送信機に余分の帯域を解放させるために、マスタデバイスは、ステップ1926で送信機に減少帯域要求(reduce bandwidth request)を送信する。その後、マスタデバイスはステップ1928に続き、アルゴリズムは終了する。
【0081】
図20には、新しいタイムスロットの割り当て処理を行うための、送信機に関するアルゴリズムが示されたフロー図が示されている。送信機は、ステップ2000で開始し、ステップ2002に続く。ステップ2002では、送信機は、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからのスロット割り当てコマンドを待っている。送信機が帯域割り当て要求を受信すると、送信機はステップ2004に続く。タイムスロットコマンドが、新しいタイムスロットが元のタイムスロットを置き換えることを指示した場合は、送信機はステップ2006に続く。ステップ2006では、送信機は、現在置き換えられるタイムスロットに割り当てられているデータストリームを新しいタイムスロットへ割り当てる。ステップ2008では、送信機は、置き換えられたタイムスロットを解放する。また、タイムスロットコマンドが存在するタイムスロットに対する置き換えを行わないことを指示した場合は、送信機はステップ2010に続く。ステップ2010では、送信機は、送信機に割り当てられた帯域全体で、送信されるデータストリームを分割する。送信機に割り当てられた帯域全体には、1以上のタイムスロットに分割された送信機に割り当てられた元の帯域の割り当て分と新しいタイムスロットとを含む。
【0082】
ステップ2012では、送信機は、送信機に割り当てられた帯域の合計がデータストリームの符号化速度を増すために十分であるかを決定する。送信機に割り当てられた帯域の合計がデータストリームの符号化速度を増すために十分でない場合は、送信機はステップ2016に続き、アルゴリズムは終了する。そうでない場合、すなわち、送信機に割り当てられた帯域がデータストリームの符号化速度を増すために十分である場合は、送信機はステップ2014に続く。ステップ2014では、送信機はデータストリームの符号化速度を増す。送信機は、その後、ステップ2016に続き、アルゴリズムは終了する。
【0083】
図21には、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからのタイムスロット解放要求を処理するための送信機に関するアルゴリズムが示されたフロー図が示されている。アルゴリズムは、図19のステップ1926でマスタデバイスによってタイムスロット解放要求が送信されたときに、送信機によって実行される。送信機は、ステップ2100で開始し、ステップ2102に続く。ステップ2102では、送信機は、電力線ネットワーク上のマスタデバイスからの減少帯域要求待っている。送信機は減少帯域要求を受信すると、ステップ2104に続く。ステップ2104では、送信機は、データストリームが元のタイムスロット割り当て分のみを用いて送信されてもよいように、データストリームの符号化速度を減じる。ステップ2106では、送信機は、元のタイムスロット割り当て分のみを用いて、データストリームの送信を開始する。ステップ2108では、送信機は、送信機に割り当てられた元のタイムスロット割り当て分に対して超過の、送信機に割り当てられたタイムスロットを解放し、プロセスはステップ2110で終了する。
【0084】
図22には、帯域の再割り当て処理を行うための電力線ネットワーク上のマスタデバイスに関するアルゴリズムの別の一実施形態を示したフロー図が示されている。アルゴリズムはステップ2200で開始し、ステップ2202に続く。ステップ2202では、マスタデバイスはタイムスロットの実際の帯域がタイムスロットの元の帯域より少ないかを決定する。タイムスロットの実際の帯域がタイムスロットの元の帯域より多くない場合は、マスタデバイスはステップ2204に続く。ステップ2204では、マスタデバイスは実際の帯域が閾値より大きいかどうかを決定する。例えば、いくつかの実施形態では、閾値は80%であり、マスタデバイスは実際の帯域が、タイムスロットの元の帯域の80%より大きいかどうかを決定する。実際の帯域がタイムスロットの閾値より大きい場合は、マスタデバイスは、ステップ2230に続く。ステップ2230では、マスタデバイスは、プロセスがステップ2232で終了する前に、送信機に速度減少要求(rate reduction request)を送信する。しかし、ステップ2204でタイムスロットの実際の帯域が閾値以下である場合は、マスタデバイスはステップ2206に続く。ステップ2206では、マスタデバイスは、マスタデバイスが、閾値以下の実際の帯域を有するタイムスロットを置き換えるために割り当てられた、少なくとも1つの利用可能なタイムスロットを有するかを決定する。マスタデバイスが少なくとも1つの利用可能なタイムスロットを有すれば、マスタデバイスはステップ2210に続く。ステップ2210では、マスタデバイスは、閾値以下の実際の帯域を有するタイムスロットが割り当てられた送信機に、帯域割り当て要求を送信する。マスタデバイスは、その後、ステップ2232に続き、アルゴリズムは終了する。
【0085】
マスタデバイスが、ステップ2206で利用可能な少なくとも1つの利用可能なタイムスロットを有さない場合は、マスタデバイスはステップ2212に続く。
ステップ2212では、マスタデバイスは、マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機に割り当てられた帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計を超えているかを決定する。いくつかの実施形態では、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計は、電力線ネットワーク上のマスタデバイスの数によって決定される。例えば、電力線ネットワーク上に3つのマスタデバイスが存在する場合は、それぞれのマスタデバイスは、合計で、電力線ネットワークの帯域の合計の33パーセントの帯域を割り当てられる。マスタデバイスのローカルネットワーク上の送信機に割り当てられる帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計以上である場合は、マスタデバイスはステップ2216に続く。ステップ2216では、マスタデバイスは、そのマスタデバイスのローカル論理ネットワーク上のそれぞれの送信機に帯域減少要求を送信する。また、マスタデバイスのローカル論理ネットワーク上の送信機に割り当てられた帯域の合計が、マスタデバイスに割り当てられた帯域の割り当て分の合計より少ない場合は、マスタデバイスはステップ2214に続く。ステップ2214では、マスタデバイスは、他のマスタデバイスに帯域を解放させるために、電力線ネットワーク上の他のマスタデバイスに帯域減少要求を送信する。ステップ2218では、マスタデバイスは、割り当てられたローカルデバイスか、またはネットワーク上の他のマスタデバイスのどちらかが、マスタデバイスにタイムスロットを割り当てたかを決定する。マスタデバイスが少なくとも1つのタイムスロットを割り当てられなかった場合、マスタデバイスは、ステップ2232に続いてアルゴリズムが終了する前に、ステップ2222で送信機に速度調整コマンドを送信する。マスタデバイスは、データストリームの送信の速度を調整するように指示する速度調整コマンドを送信機に送信し、送信機に割り当てられたタイムスロット内でデータストリームが確実に送信されるようにする。ネットワーク上のノイズまたは他の妨害は、(ステップ2202および2204で決定された)送信機に割り当てられたタイムスロット、あるいはタイムスロットの帯域を減じることもある。送信機は追加または置き換えのタイムスロットを送信機に割り当てることはできないので、マスタデバイスは、送信機にノイズまたは他の妨害を補うために送信速度を減じるように指示する。そうでない場合、マスタデバイスはステップ2220に続き、ステップ2220では、(ステップ2204で決定された)実際の帯域が閾値より小さいタイムスロットが割り当てられた送信機に、ステップ2218で得られた少なくとも1つの追加タイムスロットを割り当てるために、マスタデバイスは帯域割り当て要求を送信機に送信する。マスタは、その後、ステップ2232に続き、プロセスは終了する。
【0086】
ステップ2202で、タイムスロットの実際の帯域がそのタイムスロットに対する元の帯域より大きいとマスタデバイスが決定した場合は、マスタデバイスは、ステップ2224に続く。タイムスロットの実際の帯域は、そのタイムスロットに対する元の帯域より大きいこともある。例えば、送信機に割り当てられた別のタイムスロット内のノイズによる帯域の減少を補うために、追加タイムスロットが送信機に割り当てられている場合である。ステップ2224では、マスタデバイスは、タイムスロットが、マスタデバイスのローカル論理ネットワーク上で送信機に割り当てられた余分のタイムスロットであるかどうかを決定する。タイムスロットが余分のタイムスロットでない場合は、マスタデバイスはステップ2232に続き、プロセスは終了する。しかし、タイムスロットが余分のタイムスロットである場合は、マスタデバイスはステップ2226に続く。ステップ2226では、マスタデバイスは、送信機が余分のタイムスロットを使用しなくてもデータストリームを送信するために十分な帯域を有するかを決定する。マスタデバイスがデータストリームの送信に余分の帯域が必要であると決定した場合は、マスタデバイスはステップ2232に続き、アルゴリズムは終了する。そうでない場合、すなわち、マスタデバイスが、送信機は余分の帯域を使用しなくても十分な帯域を有すると決定した場合には、送信機に余分の帯域を解放させるために、マスタデバイスは、ステップ2228で送信機に減少帯域要求を送信する。その後、マスタデバイスはステップ2232に続き、アルゴリズムは終了する。
【0087】
図23には、マスタデバイスからの速度調整要求を処理するための、電力線ネットワーク上の送信機に関するアルゴリズムの一実施形態を示したフロー図が示されている。送信機は、ステップ2300で開始し、ステップ2302に続く。ステップ2302では、送信機は、電力線ネットワーク上のマスタデバイスから速度調整コマンドが到着するのを待っている。送信機が電力線ネットワーク上のマスタデバイスから速度調整コマンドを受信すると、送信機はステップ2304に続く。ステップ2304では、送信機は、電力線ネットワーク上のノイズまたは他の妨害によって起こる帯域割り当ての実際の帯域に合うように、送信の符号化速度を調整する。送信機は、その後ステップ2306に続き、アルゴリズムは終了する。
【0088】
本稿で記載された、いくつかの実施形態への変更も可能である。例えば、本稿で記載されたデータストリームは、2つのタイムスロットに分割されている。しかし、データストリームは2以上のタイムスロットに分割されてもよい。さらに、それぞれのタイムスロットのデータサイズは、等しくなくてもよい。例えば、8Mbpsのストリームは6Mbpsのタイムスロットと2Mbpsのタイムスロットに分割されてもよい。さらに、速度の減少は、例えばMPEG−HDストリームのようなビットレートが高い送信にのみ適用され、他の送信には適用されなくてもよい。
【0089】
別の変更例では、それぞれの送信の優先度が帯域の割り当てに対して考慮されてもよい。例えば、優先度の高い送信は、最後に速度が減少され、最初に速度が回復される。また、優先度が最も高い送信は、減速されること無く、常に元の速度であってもよい。さらに、本稿で記載された実施形態は、FDMA(Frequency Division Multiple Access)システムあるいはTDMA−FDMAハイブリッドシステムにおける周波数アクセスのスロットに適用されてもよい。いくつかの実施形態は、他のあらゆる有線または無線ネットワークに適用される。
【0090】
本稿で開示された発明は、所定の実施形態および応用例に関して記載されたが、本発明の他の修正例および変更例は、特許請求の範囲で定義された本発明の技術的精神および視野の範疇内において、本発明を実施するために明確に記載されたもの以外にも、前述された開示に従って行われることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークのネットワーク帯域使用に基づいて、送信に関するネットワークデバイスの送信速度を調整する方法であって、
第1帯域の割り当てを用いて、現在の送信速度でデータストリームを送信するステップと、
前記ネットワーク上のマスタデバイスから送信速度回復要求を受信するステップと、
前記現在の送信速度が元の送信速度より小さい場合、前記ネットワーク上のマスタデバイスから追加帯域の割り当てを受信するステップと、
帯域の割り当ての合計は、前記追加帯域の割り当てと前記第1帯域の割り当てを含んでおり、前記帯域の割り当ての合計を用いて、増速された送信速度で前記データストリームを送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マスタデバイスからの帯域減少要求を受信するステップと、
前記帯域の割り当ての合計の一部を解放するステップと、
前記ネットワークデバイスから減速された送信速度で前記データストリームを送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記帯域の割り当ての合計の一部を解放するステップによって、
前記ネットワークデバイスは、減速された送信速度で前記データストリームを送信するのではなく、よりロバストでない送信方式で前記データストリームを送信することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記追加帯域の割り当ては、データ送信に関する追加タイムスロットの割り当てを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ネットワーク上のネットワークデバイスに関する送信の送信速度を調整する方法であって、
前記ネットワークデバイスで、前記ネットワーク上のマスタデバイスから追加帯域の割り当てを受信するステップと、
前記追加帯域の割り当てと第1帯域の割り当てを含む、前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ての合計内で、送信される送信からデータを割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ての合計は、前記ネットワークデバイスが前記送信の前記送信速度を増速するために十分であるかを決定するステップと、
前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ての合計が、前記ネットワークデバイスが前記送信の前記送信速度を増速するために十分である場合、前記送信の前記送信速度を増速するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ての合計は、前記ネットワークデバイスが前記送信に関するよりロバストな送信方式を用いるために十分であるかを決定するステップと、
前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ての合計が、前記ネットワークデバイスが前記送信に関するよりロバストな送信方式を用いるために十分である場合、前記送信の前記送信方式をよりロバストな送信方式に適合させるステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記帯域割り当てのコマンドが帯域置き換えコマンドであり、
前記ネットワークデバイスは、前記ネットワークデバイスの前記帯域の割り当ての合計内で、送信される送信からデータを割り当てるよりも優先的に、前記第1帯域の割り当てを解放することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前マスタデバイスに関連付けられた前記使用されている帯域が増加した場合、前記マスタデバイスから追加帯域を受信するステップと、
前記ネットワークデバイスに割り当てられた前記追加帯域を用いるために、前記送信速度を増速するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記マスタデバイスに関連付けられた前記使用されている帯域が増加した場合、
前記ネットワークデバイスがロバストな送信方式を用いることを伝える、前記マスタデバイスからのロバストな送信要求を受信するステップと、
前記マスタデバイスからの追加帯域を受信するステップと、
前記ネットワークデバイスに割り当てられた前記追加帯域を用いるために、
前記送信の前記送信方式を、よりロバストな送信方式に適合するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記追加帯域の割り当ては、データ送信に関する追加タイムスロットの割り当てを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ネットワーク上のマスタデバイスが、前記ネットワーク上の前記マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスに帯域を割り当てる方法であって、
ネットワークデバイスから帯域に関する要求を受信するステップと、
前記マスタデバイスが、前記帯域を要求する前記ネットワークデバイスに前記帯域を割り当てることが可能な、前記マスタデバイスに割り当てられた十分な使用される帯域を有するかを、前記マスタデバイスが決定するステップと、
前記マスタデバイスに割り当てられた前記使用される帯域が、前記ネットワークデバイスによって要求された前記帯域を割り当てるために十分でない場合、
前記ネットワーク上で前記マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスに減少帯域要求を送信するステップと、
前記ネットワーク上の少なくとも1つの前記ネットワークデバイスから、少なくとも1つの帯域割り当てを受信するステップと、
前記ネットワーク上の前記デバイスから前記マスタデバイスへの前記帯域割り当てから、前記ネットワークデバイスに帯域を割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ネットワークデバイスへの帯域の割り当ては、データ送信に関する追加タイムスロットの割り当てを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記マスタデバイスに割り当てられた前記使用される帯域は、前記ネットワークデバイスによって要求された前記帯域を割り当てるために十分である場合、
前記マスタデバイスに割り当てられた前記使用される帯域から前記ネットワークデバイスに帯域を割り当てるステップ
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
減少された帯域の割り当てによって、送信が減速された送信速度を有することを示す、減速された送信のリストと、
送信が十分な、または超過の帯域割り当てを有することを示す、ロバストな送信のリストと、
を含む送信リストを保持するステップと、
前記減速された送信のリスト上の送信に超過の帯域を割り当て、前記減速された送信のリストの中が空の場合のみ、前記ロバストな送信のリスト上の送信に超過の帯域を割り当てるステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記帯域の割り当てステップが、
前記帯域を2以上のより小さな帯域に分割するステップと、
前記2以上のより小さな帯域を前記ネットワークデバイスに割り当てるステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記帯域の割り当てステップが、
前記マスタデバイスが使用されていない超過帯域を有する場合、
現在の送信のために必要な帯域よりも超過の、少なくとも1つの超過帯域を前記ネットワークデバイスに割り当てるステップと、
前記ネットワークデバイスが、さらにロバストな変調方式を用いて送信することを示す、ロバスト送信要求を前記ネットワークデバイスに送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
新しい送信から帯域要求を受信するステップと、
前記ネットワークデバイスに割り当てられた前記少なくとも1つの超過帯域を回復するために、前記ネットワーク上で前記マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスに、減少帯域要求を送信するステップと、
前記少なくとも1つの超過帯域が割り当てられた前記ネットワークデバイスから、前記少なくとも1つの超過帯域を受信するステップと、
前記少なくとも1つの超過帯域の少なくとも一部を前記新しい送信に割り当てるステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記減少帯域要求を送信するステップは、
最も低い優先度の送信を有する前記マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスに、最初に前記減少帯域要求を送信するステップと、
前記最も低い優先度の送信を有する前記マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスから受信された少なくとも1つの超過帯域があるかを決定するステップと、 次に低い優先度の送信を有する前記マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスに、前記減少帯域要求を送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ネットワーク上の第1マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスに帯域を割り当てるための、前記ネットワーク上の前記第1マスタデバイスに関する方法であって、
前記第1マスタデバイスに関連付けられたネットワークデバイスから帯域に関する要求を受信するステップと、
前記第1マスタデバイスが、前記ネットワークデバイスに前記要求された帯域を割り当てるために十分な帯域割り当てを有さない場合、
前記ネットワーク上の第2マスタデバイスからの追加帯域を要求するステップと、
前記ネットワーク上の前記第2マスタデバイスから追加帯域を受信するステップと、
前記帯域に関する要求の受信元の前記ネットワークデバイスに前記追加帯域を割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記ネットワーク帯域への前記追加帯域の前記割り当ては、データストリームに関する追加タイムスロットの割り当てを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2マスタデバイスからの帯域減少要求を前記第1マスタデバイスで受信するステップと、
前記ネットワーク上の前記第1マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスに、減少帯域要求を送信するステップと、
前記ネットワーク上の前記第1マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスから帯域割り当てを受信するステップと、
前記第2マスタデバイスに帯域を割り当てるステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第2マスタデバイスが、前記第1マスタデバイスに割り当てるために十分な帯域を有さない場合、
前記ネットワーク上の前記第1マスタデバイスに関連付けられた前記ネットワークデバイスに減少帯域要求を送信するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワークであって、
それぞれのマスタデバイスに前記共有ネットワーク上で有効な帯域の合計量の一部が割り当てられている、複数のマスタデバイスと、
それぞれの送信機は、前記複数のマスタデバイスのうち1つから、データストリームの送信に関する帯域を割り当てられており、それぞれの送信機は、前記送信機に関連付けられた前記マスタデバイスから帯域を割り当てられている、
前記複数のマスタデバイスのそれぞれに関連付けられた、少なくとも1つの送信デバイスと、
を備え、
それぞれの前記複数のマスタデバイスは、前記有効な帯域の合計量の前記使用の制御を他のマスタデバイスと調整する、
ことを特徴とする公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項25】
前記共有ネットワークが前記データストリームの送信に使用される前記帯域のあらかじめ決められた量を有する場合、少なくとも1つの前記送信機に対する前記割り当てられた帯域が減じられるように、
前記複数のマスタデバイスは、前記データストリームの送信に関する帯域の割り当てを制御することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項26】
前記共有ネットワークが前記データストリームの送信に使用される前記帯域のあらかじめ決められた量を有する場合、少なくとも1つの前記送信機に対する前記割り当てられた帯域が増加されるように、
前記複数のマスタデバイスは、前記データストリームの送信に関する帯域の割り当てを制御することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項27】
前記マスタデバイスのうち1つからの追加帯域割り当ての受信に応じて、少なくとも1つの前記送信機が、よりロバストな送信方式を用いることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項28】
前記よりロバストな送信方式は、よりロバストな変調方式、よりロバストな誤り訂正符号、およびデータストリームの繰り返された送信のうちの1つであることを特徴とする、請求項27に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項29】
前記送信機からの要求に応じて、前記マスタデバイスのうち1つが、前記送信デバイスのうち1つに帯域を割り当てることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項30】
追加帯域が必要な場合、前記マスタデバイスのうち1つが、少なくとも1つの送信デバイスに帯域の解放を要求することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項31】
追加帯域が必要な場合、前記マスタデバイスのうち1つが、少なくとも1つの他のマスタデバイスに帯域の解放を要求することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項32】
前記マスタデバイスの1つが追加帯域を要求し、前記現在追加帯域を要求しているマスタデバイスが、前記マスタデバイスに対して割り当てられた帯域より少ない帯域を有する場合、前記マスタデバイスは、少なくとも1つの他のマスタデバイスに、前記他のマスタデバイスから前記追加帯域を受信するまで帯域減少要求を繰り返し送信することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項33】
それぞれのマスタデバイスに対する前記共有ネットワーク上で有効な帯域の合計量の前記割り当ては、前記共有ネットワーク上のそれぞれのマスタデバイスに対して実質的に等しいことを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項34】
前記マスタデバイスの1つは、前記他のマスタデバイスの1つから帯域減少要求を受信したときに、前記マスタデバイスが現在使用している前記帯域の量と前記マスタデバイスに割り当てられている前記帯域の量とを比較することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項35】
帯域減少要求を受信したときに、前記帯域減少要求を受信した前記マスタデバイスは、現在使用されている前記帯域の割り当てを解放することを特徴とする、請求項34に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項36】
第1帯域減少要求を受信したときに、ロバストな送信を送信している送信機は、送信速度を通常の送信速度に減速することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項37】
第2帯域減少要求を受信したときに、前記通常の送信速度で前記送信を行う前記送信機は、前記送信速度を減速された送信速度に減じることを特徴とする、請求項36に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項38】
第3帯域減少要求を受信したときに、前記減速された送信速度で前記送信を行う前記送信機は、前記減速された送信速度で送信を続けることを特徴とする、請求項37に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項39】
前記マスタデバイスから追加帯域を受信したときに、減速された速度でデータストリームを送信している送信機は、増速された送信速度で前記データストリームを送信し始めることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項40】
前記マスタデバイスから追加帯域を受信したときに、元の速度でデータストリームを送信している送信機は、前記データストリームによりロバストな送信方式を適用することを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項41】
送信機に割り当てられた帯域と共にノイズによる妨害を検出した場合、前記マスタデバイスは、前記送信機に追加帯域を割り当てることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項42】
送信機に割り当てられた帯域と共にノイズによる妨害を検出した場合、前記マスタデバイスは、前記送信機に代わりの帯域を割り当てることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項43】
送信機に割り当てられた帯域と共にノイズによる妨害を検出した場合、前記送信機は、前記送信速度と前記送信方式のうち少なくとも1つを減じることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。
【請求項44】
送信機に対する帯域の再割り当ては、前記送信機によって送信されるデータストリームを中断することなく実行されることを特徴とする、請求項24に記載の公正で順応性のある帯域制御を有する共有ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−176846(P2011−176846A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65873(P2011−65873)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2008−509074(P2008−509074)の分割
【原出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】