説明

ネットワークを介して情報を提供するシステムおよび方法

【課題】 サイトユーザの傾向を考慮した、効率のよい商品やサービスの推奨情報を迅速に提供する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】 ユーザに関する情報を管理する推奨情報提供サーバ100と、ユーザが推奨情報提供サーバ100にアクセスするためのユーザ端末とを備える。推奨情報提供サーバ100は、複数のユーザ端末間における情報の伝播経路を設定する伝播ネットワーク情報を管理する情報管理部120を有する。この伝播ネットワーク情報には、ターゲットユーザと傾向が類似するユーザが仮想ユーザ(ドッペルゲンガー)として設定されている。ドッペルゲンガーとして設定されたユーザのユーザ端末からイベント情報(例:商品Aを購入した)を受信すると、推奨情報提供サーバ100は、伝播ネットワーク情報を参照して推奨情報の通知先(ターゲットユーザ)を特定し、ユーザエージェント部131を介して通知先のユーザ端末に推奨情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の購買やサービスの利用に関する推奨情報を、コンピュータネットワークを介して効果的に通知するシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータネットワークの普及に伴い、電子商取引(electronic commerce, e-commerce)が広く利用されている。そして、電子商取引のサービスを実施する多くのウェブサイトでは、自サイトを訪問したユーザ(サイトユーザ)に対してウェブページ上で商品やサービスの推奨情報を提供することが行われている。また、商品やサービスの推奨情報を記載した電子メールを登録された会員に配信して推奨情報を提供することも行われている。
【0003】
従来、これらの推奨情報は、サイトユーザによる商品の販売履歴やサービスの利用履歴に基づいて生成されていた。簡単な例としては、同一商品を購買した他のサイトユーザによって購買されている他の商品を提示するものがある。また、サイトユーザに対してより適確な情報を提供するための工夫として、サイトユーザをその商品の購買傾向に基づいてグループ分けし、そのグループに対する商品の販売履歴に基づいて推奨情報を生成し、そのグループのメンバーに通知する従来技術もある(例えば、特許文献1参照)。この場合、グループの販売履歴から推奨情報を生成するには、データマイニングに代表される種々の統計解析の手法が用いられる。これらのサイトユーザによる商品の販売履歴やサービスの利用履歴に基づいて推奨情報を生成する手法では、この商品の販売履歴やサービスの利用履歴を通してサイトユーザの嗜好を判断することにより、サイトユーザが望むと考えられる商品やサービスについて、推奨情報を提供することができる。
【0004】
また、商品やサービスの宣伝効果を狙ったキャンペーンによる推奨情報の提供や、ある商品の購買希望者に対して、その商品の関連商品の情報の提供も行われている。これらの推奨情報は、どのような商品やサービスを提供したいかという提供者側の希望にしたがって生成される。
【0005】
【特許文献1】特開2001−229285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし上述したように、従来技術においては、ネットワークを介して提供される推奨情報の生成には、商品の販売履歴やサービスの利用履歴が必要であるため、これらの履歴情報を蓄積した後、バッチ処理によってしばしば実行される。すなわち、ある商品に関わる推奨情報は、その商品や関連商品が販売されて、一定量以上のデータが蓄積されてからはじめて提供可能となる。そのため、新商品や新しいサービスの推奨情報を利用者に提供できるようになるまでに、ある程度の時間を要していた。
【0007】
また従来技術においては、商品の販売履歴やサービスの利用履歴に基づいて推奨情報を生成するため、商品やサービスの提供サイトにおいて、かかる商品の販売履歴やサービスの利用履歴の情報管理が必要であった。そのため、サーバの負担も増大していた。
【0008】
さらにまた、販売された商品や利用されたサービスの全てに関して推奨情報を生成し提供しようとすると、多くのサイトユーザに対して膨大な推奨情報を提供することとなってしまうため、現実的ではない。
【0009】
特定の商品(例:キャンペーン商品)の情報を意図的に推奨情報として提供する場合、商品の販売履歴やサービスの利用履歴に関わらずに推奨情報が生成されるため、時間的な遅延や情報管理におけるサーバの負担は軽減される。しかし、どの商品やサービスの情報をどのユーザに提供するかは提供者側の意図に基づいているため、サイトユーザの嗜好、趣味、属性その他のユーザ傾向を反映させることができず、適切なユーザ(その商品を購買し、あるいはサービスを利用する可能性の高い潜在的な顧客)に推奨情報が提供されるとは限らない。
【0010】
そこで本発明は、商品やサービスの推奨情報を、サイトユーザの嗜好や興味その他のユーザ傾向を考慮して、効率よく迅速に提供する方法およびシステムを提供することを目的とする。
また本発明は、かかる推奨情報の提供を行う上で、商品の販売履歴やサービスの利用履歴を用いずに推奨情報を生成することによってサーバの負担を軽減させることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、次のようなシステムとして実現される。このシステムは、ユーザに関する情報を管理するサーバと、ネットワークを介してユーザがサーバにアクセスするためのユーザ端末とを備える。このサーバは、あらかじめ計算されたユーザ間の類似度に基づき、第1のユーザを少なくとも一人の第2のユーザと対応付け、この第2のユーザを第1のユーザの仮想ユーザ(ドッペルゲンガー)として設定した対応情報を格納するテーブルと、第2のユーザによるネットワーク上での活動に関する情報であるイベント情報を受信したことに応答して、テーブルに格納された対応情報に基づき第2のユーザに対応する第1のユーザ(ターゲットユーザ)を特定し、特定された第1のユーザのユーザ端末に対して、イベント情報に関する推奨情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
より詳細には、この類似度は、複数のユーザのそれぞれについて計算され、対応情報は、複数のユーザ端末間の情報の伝播経路を特定する伝播ネットワーク情報としてテーブルに格納される。また、類似度は、あらかじめ収集された複数のユーザのユーザ傾向に関する情報に基づき計算される。ここで、ユーザ傾向は、ユーザによる商品の購買履歴またはサービスの利用履歴に関する情報、ユーザの嗜好、興味または属性に関する情報を含む。
【0013】
また、上記の送信手段は、イベント情報として、第2のユーザによる商品の購買情報またはサービスの利用情報を取得し、これらの商品の購買情報またはサービスの利用情報を推奨情報として第1のユーザのユーザ端末に送信する。
【0014】
さらに上記のシステムは、第1のユーザに送信された推奨情報の履歴を管理する履歴管理手段を備える構成とすることができる。この場合、送信手段は、第2のユーザのイベント情報を取得した場合に、履歴管理手段に管理されている履歴を参照し、イベント情報に対応する推奨情報が前記第1のユーザに対してすでに送信されている場合には、推奨情報を送信しないといった制御を行うことができる。
【0015】
また本発明は、ネットワークに接続された複数のユーザ端末を介して複数のユーザに、当該ネットワークに接続されたコンピュータから推奨情報を提供する方法としても実現される。この方法は、複数のユーザに関する情報であるユーザ情報をデータベースにあらかじめ蓄積するステップと、ユーザ情報に基づき、ユーザ間の類似度を計算するステップと、類似度に基づき、第1のユーザを少なくとも一人の第2のユーザと対応付け、第2のユーザを第1のユーザの仮想ユーザとして設定した対応情報をテーブルに格納するステップと、第2のユーザによるネットワーク上での活動に関する情報であるイベント情報を受信するステップと、イベント情報の受信に応答して、テーブルに格納された対応情報に基づき、第2のユーザに対応する第1のユーザを特定するステップと、特定された第1のユーザのユーザ端末に対して、イベント情報に関する推奨情報を送信するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように構成された本発明によれば、あるサイトユーザにおいてイベントが発生した場合に、ユーザの嗜好、興味、属性(性別や家族構成等を含む)等のユーザ傾向等を反映してあらかじめ生成された対応情報(伝播ネットワーク情報)に基づいて、他のサイトユーザに対して効率よく迅速に推奨情報を通知することができる。
また本発明によれば、推奨情報を生成するために商品の販売履歴やサービスの利用履歴を用いる必要がないため、サーバの負担も軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態による推奨情報提供システムの概念を説明する図である。
図1に示すように、本実施形態のシステムは、推奨情報提供サービスを行うウェブサイト10(以下、サイト10と略記)と、このサイトの管理下で商品やサービスの推奨情報の提供を受けるサイトユーザのユーザ端末20とで構成される。図1では、本実施形態のシステムにおける参加者としてユーザAとユーザBとが示されている。現実には、図1に示すサイト10は、コンピュータネットワークに接続されたサーバマシンにて実現される。また、ユーザ端末20は、各サイトユーザが使用するクライアントマシンとして実現され、コンピュータネットワークを介してサイト10を構成するサーバマシンにアクセスすることができる。本実施形態の推奨情報提供サービスはサイト10により提供される。ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータネットワークに接続されたコンピュータや、PDA(Personal Digital Assistants )、携帯電話、その他のネットワーク機能を備えた情報端末にて実現される。
【0018】
本実施形態による推奨情報提供サービスを行うサーバは、各サイトユーザに対して、自身の分身となる仮想ユーザをネットワーク上に設定する。以下、この仮想ユーザをドッペルゲンガーと称し、ドッペルゲンガーの設定対象であるサイトユーザをターゲットユーザと称す。このドッペルゲンガーとしては、嗜好や興味、商品の購買傾向、サービスの利用傾向等がターゲットユーザと類似する、他のサイトユーザが設定される。すなわち、ドッペルゲンガーは、実体はターゲットユーザとユーザ傾向が類似する他のサイトユーザであるが、ターゲットユーザにとっては自身の分身として認識される。あるターゲットユーザに対するドッペルゲンガーとして設定されるサイトユーザは1人に限られず、複数人のサイトユーザを設定しても良い。ただし、この場合もターゲットユーザには1人のドッペルゲンガーとして認識される。また、ターゲットユーザとドッペルゲンガーとは一方向に設定されるだけでなく、相互に設定することもできる。例えば図1において、ユーザAがターゲットユーザでユーザBがドッペルゲンガーであるが、反対にユーザBをターゲットユーザとすればユーザAがドッペルゲンガーとなり得る。
【0019】
本実施形態では、上記のように設定されたドッペルゲンガーを用いてイベントドリブンに推奨情報の提供を行う。すなわち、あるターゲットユーザのドッペルゲンガーに設定されているサイトユーザが、何らかの商品を購買したりサービスを利用したりするといったイベントを発生させると、このイベントをトリガーとして、購買された商品や利用されたサービスの情報が推奨情報としてターゲットユーザに通知される。ドッペルゲンガーとして設定されているサイトユーザが複数存在する場合は、そのうちの誰かが商品を購買したりサービスを利用したりした場合に、推奨情報が生成されてターゲットユーザに通知される。推奨情報には、そのイベントを発生させたターゲットユーザの個人情報は含まれず、あくまでもターゲットユーザの分身であるドッペルゲンガーによるイベントとして通知されることとなる。
【0020】
図2は、図1のサイト10を構成する推奨情報提供サーバとして好適なコンピュータ装置のハードウェア構成の例を模式的に示した図である。
図2に示すコンピュータ装置は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)101と、M/B(マザーボード)チップセット102およびCPUバスを介してCPU101に接続されたメインメモリ103と、同じくM/Bチップセット102およびAGP(Accelerated Graphics Port)を介してCPU101に接続されたビデオカード104と、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してM/Bチップセット102に接続された磁気ディスク装置(HDD)105、ネットワークインタフェース106と、さらにこのPCIバスからブリッジ回路107およびISA(Industry Standard Architecture)バスなどの低速なバスを介してM/Bチップセット102に接続されたフレキシブルディスクドライブ108およびキーボード/マウス109とを備える。
【0021】
なお、図2は本実施形態を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成を例示するに過ぎず、本実施形態を適用可能であれば、他の種々の構成を取ることができる。例えば、ビデオカード104を設ける代わりに、ビデオメモリのみを搭載し、CPU101にてイメージデータを処理する構成としても良いし、外部記憶装置として、ATA(AT Attachment)やSCSI(Small Computer System Interface)などのインタフェースを介してCD−R(Compact Disc Recordable)やDVD−RAM(Digital Versatile Disc Random Access Memory)のドライブを設けても良い。
【0022】
図3は、本実施形態による推奨情報提供サーバの機能構成を示す図である。
図3を参照すると、本実施形態の推奨情報提供サーバ100は、サイトユーザの情報を蓄積するユーザ情報蓄積部110と、ユーザ情報蓄積部110に蓄積された情報に基づいてユーザ間のネットワークを構築し管理する情報管理部120と、推奨情報を生成し情報管理部120にて管理されるネットワークを利用して推奨情報をユーザに通知する推奨情報伝播部130とを備える。
【0023】
ユーザ情報蓄積部110は、例えば図2に示したコンピュータ装置の磁気ディスク装置105やメインメモリ103により実現される。ユーザ情報蓄積部110には、予めアンケート等の手段により収集された各ユーザの嗜好(例:好きな音楽のカテゴリ)、興味(例:株式投資への関心)、属性(例:性別、年齢、家族、職業、年収)に関する情報や各ユーザの購買履歴、サービスの利用履歴、その他のユーザ傾向に関する情報が、データベース化されて蓄積される。どのような情報や履歴をユーザ情報蓄積部110に蓄積するかは、サイト10の運営者やシステム管理者が任意に決定することができる。
【0024】
情報管理部120は、例えば図2に示したコンピュータ装置のプログラム制御されたCPU101とメインメモリ103等の記憶手段とで実現される。この情報管理部120は、図3に示すように、類似度計算部121と、伝播ネットワーク構築部122と、推奨履歴管理部123とを備える。
類似度計算部121は、ユーザ情報蓄積部110に蓄積された情報に基づき、各ユーザの類似度を求める。本実施形態では、ユーザの類似度は当該ユーザ間の距離という概念で表現される。そして類似度計算部121は、求まったユーザ間の類似度(距離)によりユーザ間距離表124を作成し、図2におけるメインメモリ103や磁気ディスク装置105等の記憶手段に格納する。
【0025】
この類似度を求める方法(類似度の評価方法)としては、既存の種々のアルゴリズムを用いることができる。例えば、変量の数がnである2つのデータx、y

x=[x12 ・・・xnT
y=[y12 ・・・ynT

について、次のようにデータx、y間の距離dを定義することができる。

ユークリッド距離 d2=Σ(xi−yi2
重み付きユークリッド距離 d2=Σwi(xi−yi2
マハラノビスの距離 d2=(x−y)T-1(x−y) C:分散共分散行列

なお、i=1、2、・・・、nである。また、これらの定義からこれらの距離(類似度)の定義は例示に過ぎず、他の定義を用いても構わない。
【0026】
伝播ネットワーク構築部122は、類似度計算部121により作成されたユーザ間距離表124に基づきユーザに推奨情報を提供するための伝播ネットワークを構築する。
図4は、伝播ネットワーク構築部122により構築される伝播ネットワークの概念を示す図である。
図4において、ユーザID1〜4のユーザ(ノード)が相互に接続されている。これらのユーザは、ユーザ間距離表124において、一定以下の距離である(類似度が高い)ユーザどうしである。この伝播ネットワークにおいて、例えばID1のユーザにおいて商品購買等のイベントが発生した場合、そのイベントに応じた推奨情報がID2、3、4の各ユーザに通知される。同様に、ID2のユーザにおいてイベントが発生した場合、そのイベントに応じた推奨情報がID1、3、4の各ユーザに通知される。一方、ID3のユーザに着目すると、ID1またはID2のユーザでイベントが発生すると、ID3のユーザは、そのイベントに応じた推奨情報を受け取ることとなる。すなわち、ID3のユーザにとっては、ID1、2のユーザが本実施形態のドッペルゲンガーとなる。同様に、ID4のユーザにとっては、ID1、2、3のユーザがドッペルゲンガーである。また、ID1、2のユーザは、相互に相手ユーザがドッペルゲンガーとなる。
【0027】
伝播ネットワーク構築部122により構築される伝播ネットワークは、個々のノードの接続関係に着目すると、商品の購買やサービスの利用といったイベントを発生させてイベント情報を発信する発信側ユーザ(ノード)とこのイベント情報に基づく推奨情報を受信する受信側ユーザ(ノード)との対応関係の集積であるといえる(すなわち、伝播ネットワーク構築部122は発信側ユーザと受信側ユーザとの対応情報の生成手段である)。そこで、この伝播ネットワークは、推奨情報の伝播経路における発信側ユーザのユーザIDと受信側ユーザのユーザIDとを対応付けた伝播対象ユーザ表125の形式で、図2におけるメインメモリ103や磁気ディスク装置105等の記憶手段に格納され保管される。
図5は、図4の伝播ネットワークに対する伝播対象ユーザ表125を示す図である。
【0028】
推奨履歴管理部123は、推奨情報伝播部130による推奨情報の通知処理の実行に伴い、その通知履歴を通知先のユーザごとに管理する。図4、5に示したように、伝播ネットワークを構成する(すなわち伝播対象ユーザ表125に登録された)ユーザのうち、所定のユーザに着目すると、複数のユーザに関して発生した推奨情報を受け取る場合がある。例えば、ID3のユーザには、ID1のユーザに関する情報とID2のユーザに関する情報とが通知される。この場合、ID1のユーザとID2のユーザとが同一商品を購買した場合、各ユーザの購買(イベント)に基づく内容の重複した推奨情報がID3のユーザに通知されることとなる。そこで、あるユーザに対して推奨情報が通知された場合に、その履歴を取っておき、次の推奨情報が発生した際に履歴をチェックすることで、重複した内容の推奨情報が通知されることを回避することができる。
【0029】
図3に戻って、推奨情報の通知手段である推奨情報伝播部130は、例えば図2に示したコンピュータ装置のプログラム制御されたCPU101とメインメモリ103等の記憶手段とで実現される。この推奨情報伝播部130は、図1のユーザ端末20との間で情報の送受信を行うためのユーザエージェント部131と、伝播ネットワーク構築部122により構築された伝播ネットワークにしたがって推奨情報の通知先を決定する伝播処理部132とを備える。
【0030】
ユーザエージェント部131は、商品の購買情報やサービスの利用情報を受け取り、推奨情報を生成して伝播処理部132に渡す推奨情報生成手段としての機能と、伝播処理部132からの要求を受け付けて、自身が対応するユーザ端末20に対して推奨情報を送信する推奨情報発信手段としての機能とを備える。ここで、商品の購買情報やサービスの利用情報は、各ユーザエージェント部131が対応するユーザ端末20から直接取得することもできるし、CRM(Customer Relationship Management)システム等の既存の管理システムから得ることもできる。
【0031】
またユーザエージェント部131は、伝播処理部132から推奨情報の伝播要求を受け付けた場合に、情報管理部120の推奨履歴管理部123に管理されている推奨履歴(通知履歴)を参照する。そして、同一対象(商品やサービス)を推奨する推奨情報が既に送信されているならば、ユーザエージェント部131は、当該推奨情報を送信しないという制御を行うことができる。この制御により、上述したように、重複した推奨情報が送信されることが回避される。
【0032】
伝播処理部132は、ユーザエージェント部131から推奨情報を受け取ると、伝播ネットワーク構築部122により作成された伝播対象ユーザ表125を参照して、当該推奨情報を生成したユーザエージェント部131を発信側ユーザとするレコードを検索する。そして、このレコードにおける受信側ユーザに対応するユーザエージェント部131に推奨情報を渡し、この受信側ユーザのユーザ端末20への推奨情報の通知を依頼する。
【0033】
次に、上記のように構成された本実施形態のシステムによる推奨情報の伝播(通知)動作について説明する。
図6は、推奨情報提供サーバ100の推奨情報伝播部130による推奨情報の生成および通知の処理の流れを説明する図である。
まず、所定のユーザエージェント部131が、自身が対応するユーザによって商品の購買が行われたことを示すイベント情報を取得する(S601)。このユーザエージェント部131は、ユーザによる購買内容に基づいて推奨情報を生成し(S602)、伝播処理部132に推奨情報の伝播を依頼する(S603)。ここで、推奨情報は、ユーザの識別情報(上述したユーザID等)、購買された商品(ある場合にはその詳細情報)、購買日時等の情報を含む。
【0034】
伝播処理部132は、ユーザエージェント部131から推奨情報の伝播要求を受け付けると(S604)、伝播対象ユーザ表125を参照して推奨情報の送信先を決定する(S605)。例えば、推奨情報の伝播要求を行ったユーザエージェント部131が図4、5におけるID1のユーザであった場合、図5の伝播対象ユーザ表125を参照すると、発信側ユーザがID1であるレコードは3つ有り、受信側ユーザはそれぞれID2、3、4となっている。したがって、推奨情報の送信先はID2、3、4のユーザに決定される。推奨情報の送信先を決定した後、伝播処理部132は、送信先に決定されたユーザに対応するユーザエージェント部131(以下、送信先のユーザエージェント部131と表記する)に、推奨情報の送信要求を行う(S606)。上の例では、ID2、3、4のユーザに対応するユーザエージェント部131に推奨情報の送信要求が行われる。
【0035】
送信先のユーザエージェント部131は、伝播処理部132から推奨情報の送信要求を受け付けると(S607)、情報管理部120の推奨履歴管理部123を参照する。そして送信先のユーザエージェント部131は、同一対象(商品やサービス)を推奨する推奨情報が既に自身が対応するユーザ端末20に対して送信されているかどうかを調べる(S608)。同一対象を推奨する推奨情報が既に送信されているならば、ユーザエージェント部131は、その推奨情報を送信しない。一方、同一対象を推奨する推奨情報が既に送信されていないならば、ユーザエージェント部131は、その推奨情報を送信する(S609)。ここで、ユーザエージェント部131からユーザ端末(クライアントマシン)に送信される推奨情報は、S602で生成された推奨情報からイベントを発生したユーザの識別情報等の個人情報が削除される。そして、推奨情報を受け取ったユーザ端末では、ターゲットユーザであるユーザのドッペルゲンガーにより購買された商品として、その商品の推奨情報が出力される。具体的には、例えば「xxxさん(ターゲットユーザ名)、あなたのドッペルゲンガーが○○○(商品名)を購入しました。詳細情報は下記のとおりです。・・・」というようなメッセージが出力されることとなる。
なお、以上の動作はイベントとして所定のユーザにより所定の商品が購買された場合を例としたが、所定のサービスが利用された場合についても、同様の動作により推奨情報が伝播される。
【0036】
以上のように、ターゲットユーザであるユーザは、自身のドッペルゲンガーである他のサイトユーザによって商品の購買やサービスの利用といったイベントが発生すると、そのイベントに応じた内容(購買された商品や利用されたサービス)の推奨情報を受け取ることとなる。ドッペルゲンガーであるサイトユーザの活動に応じて、直ちにターゲットユーザが特定されるため、商品の販売履歴やサービスの利用履歴が一定量蓄積されるのを待つことなく迅速に、推奨情報がターゲットユーザに通知されることとなる。また、推奨情報の内容は、ドッペルゲンガーであるサイトユーザの活動に基づいて定まる(サイトユーザによって購買された商品や利用されたサービスが推奨対象となる)ので、推奨情報を生成するために商品の販売履歴やサービスの利用履歴を用いる必要がなく、推奨情報提供サーバ100の負担を軽減することができる。
【0037】
本実施形態では、上述したように、あらかじめユーザ間の類似度に基づいて伝播ネットワークを作成し、この伝播ネットワークに基づいて、推奨情報の送信先を決定する。そこで、ユーザ間の類似度を自動的に算出する手法をさらに詳細に説明する。
【0038】
図7は、ユーザ間の類似度を計算するために複数ユーザによる商品の購買状況を比較した図表である。
図7には、5人のサイトユーザ(ユーザA〜E)が7種類の商品(a〜g)に関して、購買したか否かが示されている。それぞれ、購買済み商品には値0が、未購買の商品には値1が格納されている。そして、ユーザAの購買状況を基準として、ユーザB〜Eの各購買状況のうち、ユーザAと同一であるものに丸印(○)が付され、ユーザAと異なるものにばつ印(×)が付されている。例えば、商品aに関しては、ユーザA、B、Cが未購買であり、ユーザD、Eが購買済みである。したがって、ユーザAと同一の状況であるユーザB、Cには丸印(○)、異なる状況であるユーザD、Eにはばつ印(×)が付されている。
【0039】
この図7の例で、ユーザAに対するユーザB、C、D、Eの類似度を算出する。なお、類似度を示す値としてここでは、上述したユークリッド距離を用いるものとする。
まず、ユーザBに着目する。ユーザAのデータをx=[1011000]と表現し、ユーザBのデータをy=[1010011]と表現すると、d2=Σ(xi−yi2はユーザA、Bのデータにおける差異の個数となり、値は3である。したがって、類似度を表す距離dの値は1.73となる。同様にして、ユーザCのデータでは差異が1、距離dが1.00、ユーザDのデータでは差異が4、距離dが2.00、ユーザEのデータでは差異が7、距離dが2.65となる。
【0040】
なお、図7の例では個々の商品を対象として各顧客が購買しているか否かに基づき類似度を計算した。この他、例えば音楽CD(Compact Disc)を対象商品とした場合、特定のアーティストのCDや特定のジャンルのCDといった分類で商品を分け、各購買者による分類ごとの商品の購買数をデータとして距離dを算出することもできる。さらに、上述した重み付きユークリッド距離のように、個々の項目に重み付けを行って距離dの計算を調整しても良い。
【0041】
また、以上の類似度の計算例では、ユーザによる商品の購買状況に基づいて類似度を計算したが、初期的には、個々のユーザによる商品の購買履歴やサービスの利用履歴が存在しない。この場合は、例えばユーザ登録時のアンケート等によりユーザ傾向に関する情報をあらかじめ収集し、この情報に基づいてユーザ間の差異を求め、類似度(距離)を計算する。本実施形態のシステムでは、所定のユーザにおいて発生したイベントに基づく推奨情報が、ユーザをノードとする伝播ネットワークにしたがって他のユーザに伝播される。これを実現するサイト10(推奨情報提供サーバ100)は、伝播ネットワークを構成するユーザを会員登録の手段で管理下におくこととなる。したがって、ユーザ登録時にアンケートを行って情報を収集することにより、初期的なユーザ間の類似度の計算を行うことができる。
【0042】
図8は、上記のようにして各ユーザ間の類似度(距離)を計算して類似度計算部121により作成されたユーザ間距離表124の例を示す図表である。
図8に示すように、ユーザ間距離表124には、会員登録等によって管理対象となった各ユーザに関して、2ユーザの組と上記のような手法で計算されたユーザ間の類似度(距離)とが対応づけて登録される。このユーザ間距離表124は、上記のように会員であるユーザの購買履歴に基づいて、定期的(例えば月に一度)に全体を作成し更新することで、ユーザの購買傾向等をダイナミックに取り入れることが可能となる。さらに、必要に応じて、商品の購買等のイベント発生によりデータ変更があったユーザに関する部分のみをリアルタイムに更新することも可能である。
【0043】
伝播ネットワーク構築部122は、類似度計算部121によるユーザ間距離表124の更新に応じて、あるいは定期的に、伝播ネットワーク(伝播対象ユーザ表125)を更新する。これにより、各ユーザの最新の購買傾向等に応じて適切にドッペルゲンガーを選定することが可能となる。
【0044】
本実施形態では、類似度計算部121により作成されたユーザ間距離表124に基づいて、なるべく類似度の高い(ユーザ間の距離の短い)ユーザどうしをネットワークで連結する。これにより、嗜好や商品の購買傾向、サービスの利用傾向等のユーザ傾向が類似するユーザ間で推奨情報が伝播されるようにすることができる。伝播ネットワーク構築部122は、さらに適切な伝播ネットワークを構築するために、このユーザどうしの類似度の他に、各ユーザにおける情報の発信数や受信数、連結度といったパラメータを用いることができる。
【0045】
ここで、情報の発信数とは、あるユーザに関する情報が他の何人のユーザに通知されるかを示す特徴量である。各ユーザから最低でも何人のユーザに対して情報が伝播されるかを表す最小発信数、各ユーザから平均して何人のユーザに対して情報が伝播されるかを表す平均発信数、各ユーザから最高で何人のユーザに対して情報が伝播されるかを表す最大発信数等が具体的なパラメータとして用いられる。
【0046】
一方、情報の受信数とは、あるユーザが他の何人のユーザに関する情報を受け取るかを示す特徴量である。各ユーザが最低でも何人のユーザに関する情報を受け取るかを表す最小受信数、各ユーザが平均して何人のユーザに関する情報を受け取るかを表す平均受信数、各ユーザが最高で何人のユーザに関する情報を受け取るかを表す最大受信数等が具体的なパラメータとして用いられる。
【0047】
また、連結度とは、ネットワークを任意の二つの部分に分ける際に切断しなければならないリンクの最小数として定義され、連結数未満のリンクを取り除いてもネットワークが分断されないことが保証される特徴量である。例えば巡回路ネットワークにおいては1本のリンクを取り除いてもネットワークは分断されず、2本のリンクを取り除いた場合に初めて二つに分断されるために連結度が2のネットワークと表現される。ユーザ間の類似度のみに基づいて伝播ネットワークを作成すると、類似度の高い少数のノード(ユーザ)により構成される小規模なネットワークが多数発生してしまい、推奨情報が広範囲にわたって伝播しなくなってしまう可能性がある。そこで、この連結度を設定することにより、推奨情報が局所的な小集団に閉じないように大域的にネットワークが連結していることを保証する。
【0048】
これらのパラメータを適当に選択し設定して伝播ネットワークを構築することにより、伝播ネットワークにおける各ノード(ユーザ)の接続関係を適宜調整することができる。したがって、本実施形態が適用される具体的なシステムの運用上の目的や方針等に応じてこれらのパラメータを設定することにより、推奨情報の伝播に最適なネットワークを構築することができる。
【0049】
ところで、本実施形態の伝播ネットワークのように複数のノードの集合において相互に類似するノードどうしを関係づける手法として、既存の代表的なものに、カテゴリ分類とクラスタ分類とがある。カテゴリ分類では、各ノードは、恣意的に選択された変数(本実施形態ではユーザの年齢、職業、性別、嗜好情報、購買履歴等)、あるいは推奨情報に相関の強い変数にしたがって分類される。しかし、類似度を用いる本実施形態と異なり、各カテゴリの断面が画一的に決定されるため、必ずしも最適な分類がなされるとは限らない。また、クラスタ分類では、類似度を表す距離に従って、距離の近い(類似度の高い)ノードどうしを集めてクラスタに分類する。しかし、クラスタの属性は当該クラスタに含まれる要素(ノード)の属性の平均であるため、個々のノードに着目すると、クラスタの属性が必ずしも当該ノードの属性として適切であるとは限らない。いずれの分類においても、あるカテゴリやクラスタに分類された個々のノードにおいて、別のカテゴリやクラスタに分類されている他のノードであって、自身のカテゴリやクラスタに分類されている他のノードよりも類似度が高いものが存在するといったことが起こり得る(例えば、カテゴリ間またはクラスタ間の境界領域に近いノード)。
【0050】
これに対し、本実施形態の伝播ネットワークによれば、個々のノードに着目して、類似度の高いノードどうしを接続してネットワークを構築するため、上記のような不都合は起こらない。すなわち、あるユーザにおいて商品の購買やサービスの利用といったイベントが発生したならば、そのユーザと類似度の高い他のユーザに確実に推奨情報が伝播されることとなる。このような本実施形態によれば、推奨情報を受けたユーザ(ターゲットユーザ)がこの推奨情報に基づいて新たにイベントを発生させる(同じ商品を購買したり、同じサービスを利用したりする)ことにより、伝播ネットワークにしたがって推奨情報が連鎖的に伝播されていく。したがって、あたかもネットワーク上でいわゆる口コミ情報が広がるかのように、推奨情報を伝播させることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態においては、あるターゲットユーザに対するドッペルゲンガーとして複数のサイトユーザが設定されている場合に、重複した内容の推奨情報が通知されないように制御することとした。しかし、システムの運用上の目的や方針、推奨情報の内容等によっては、重複した内容の推奨情報が通知されてもかまわない、もしくは重複した内容の推奨情報が生成された場合に積極的に通知することが好ましい場合もある。例えば、自身のドッペルゲンガーとして複数のサイトユーザが設定されていることをターゲットユーザが知っている場合、重複した内容の推奨情報を通知することによって、そのターゲットユーザはユーザ傾向が自分に類似する複数のサイトユーザが同一商品を購買し、あるいは同一サービスを利用していることを知ることとなる。したがって、このターゲットユーザの購買意欲やサービス利用の意欲をよりいっそう刺激することができる。そこでこの場合は、情報管理部120の推奨履歴管理部123は必須の構成要件ではない。また、ユーザエージェント部131は、伝播処理部132から推奨情報の伝播要求を受け付けた場合に、推奨履歴管理部123を参照することなく、直ちに推奨情報を対応するユーザ端末20に送信する。
【0052】
また、本実施形態では、あるサイトユーザによって商品が購買されたりサービスが利用されたりしたことをイベントとして、他のサイトユーザに推奨情報を提供する場合について説明した。この他、本実施形態のシステムによれば、特定のウェブページの閲覧や書き込み、ネットワークにログオン状態であるか否か等、サイトユーザによるネットワーク上での種々の活動を任意にイベントとして設定し、イベントドリブンで当該サイトユーザの活動状況を他のサイトユーザに通知し伝播させることが可能である。そして、通知を受けたサイトユーザにとっては、誰かは特定できないがユーザ傾向が自分と類似する他のサイトユーザであって自分の分身として認識されるドッペルゲンガーの活動状況を、ほぼリアルタイムで知ることができる。そのため、自身のネットワーク上での活動において、これまでにない新たな興味を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態による推奨情報提供システムの概念を説明する図である。
【図2】図1のサイトを構成する推奨情報提供サーバとして好適なコンピュータ装置のハードウェア構成の例を模式的に示した図である。
【図3】本実施形態による推奨情報提供サーバの機能構成を示す図である。
【図4】本実施形態の伝播ネットワーク構築部により構築される伝播ネットワークの概念を示す図である。
【図5】図4の伝播ネットワークに対する伝播対象ユーザ表を示す図である。
【図6】本実施形態の推奨情報提供サーバの推奨情報伝播部による推奨情報の生成および通知の処理の流れを説明する図である。
【図7】本実施形態におけるユーザ間の類似度を計算するために複数ユーザによる商品の購買状況を比較した図表である。
【図8】本実施形態の類似度計算部により作成されたユーザ間距離表の例を示す図表である。
【符号の説明】
【0054】
10…ウェブサイト(サイト)、20…ユーザ端末、100…推奨情報提供サーバ、101…CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、103…メインメモリ、105…磁気ディスク装置(HDD)、110…ユーザ情報蓄積部、120…情報管理部、121…類似度計算部、122…伝播ネットワーク構築部、123…推奨履歴管理部、130…推奨情報伝播部、131…ユーザエージェント部、132…伝播処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された複数のユーザ端末を介して複数のユーザに推奨情報を提供するシステムであって、
あらかじめ計算されたユーザ間の類似度に基づき、第1のユーザを少なくとも一人の第2のユーザと対応付け、当該第2のユーザを当該第1のユーザの仮想ユーザとして設定した対応情報を格納するテーブルと、
前記第2のユーザによる前記ネットワーク上での活動に関する情報であるイベント情報を受信したことに応答して、前記テーブルに格納された前記対応情報に基づき当該第2のユーザに対応する前記第1のユーザを特定し、特定された当該第1のユーザのユーザ端末に対して、当該イベント情報に関する推奨情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記類似度は、複数のユーザのそれぞれについて計算され、前記対応情報は、前記複数のユーザ端末間の情報の伝播経路を特定する伝播ネットワーク情報として前記テーブルに格納される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記類似度は、あらかじめ収集された前記複数のユーザのユーザ傾向に関する情報に基づき計算される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザ傾向は、ユーザによる商品の購買履歴またはサービスの利用履歴に関する情報を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザ傾向は、ユーザの嗜好、興味または属性に関する情報を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記送信手段は、前記イベント情報として、前記第2のユーザによる商品の購買情報またはサービスの利用情報を取得し、これらの商品の購買情報またはサービスの利用情報を前記推奨情報として当該第1のユーザの前記ユーザ端末に送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のユーザに送信された前記推奨情報の履歴を管理する履歴管理手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記第2のユーザの前記イベント情報を取得した場合に、前記履歴管理手段に管理されている履歴を参照し、当該イベント情報に対応する推奨情報が前記第1のユーザに対してすでに送信されている場合には、当該推奨情報を送信しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ネットワークに接続された複数のユーザ端末を介して複数のユーザに、当該ネットワークに接続されたコンピュータから推奨情報を提供する方法であって、
前記コンピュータが、前記複数のユーザに関する情報であるユーザ情報をデータベースにあらかじめ蓄積するステップと、
前記コンピュータが、前記ユーザ情報に基づき、ユーザ間の類似度を計算するステップと、
前記コンピュータが、前記類似度に基づき、第1のユーザを少なくとも一人の第2のユーザと対応付け、当該第2のユーザを当該第1のユーザの仮想ユーザとして設定した対応情報をテーブルに格納するステップと、
前記コンピュータが、当該第2のユーザによる前記ネットワーク上での活動に関する情報であるイベント情報を受信するステップと、
前記コンピュータが、前記イベント情報の受信に応答して、前記テーブルに格納された対応情報に基づき、前記第2のユーザに対応する前記第1のユーザを特定するステップと、
前記コンピュータが、特定された第1のユーザのユーザ端末に対して、前記イベント情報に関する推奨情報を送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記格納ステップは、前記複数のユーザのそれぞれについてあらかじめ計算された前記類似度に基づき、当該複数のユーザのユーザ端末間の情報伝達経路を特定する伝播ネットワーク情報として、前記対応情報を格納する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ情報は、ユーザによる商品の購買履歴またはサービスの利用履歴に関する情報を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ情報は、ユーザの嗜好、興味または属性に関する情報を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記受信ステップでは、前記イベント情報として、前記第2のユーザによる商品の購買情報またはサービスの利用情報が取得され、
前記送信ステップでは、前記商品または前記サービスを推奨する推奨情報が送信される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記コンピュータが、前記送信ステップによる推奨情報の履歴を取得するステップをさらに備え、
前記送信ステップでは、前記履歴取得ステップで取得された前記履歴に基づき、前記特定ステップで特定された前記第1のユーザのユーザ端末に対して同等の推奨情報が既に送信されている場合には、当該推奨情報を送信しない、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−65734(P2006−65734A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249896(P2004−249896)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
【復代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
【Fターム(参考)】