ネットワークアーキテクチャ
【課題】ユーザが、コンテンツ指定のコンテンツベース通信と、通信受け側装置指定のエンドトゥエンド通信の両方に便利なネットワークアーキテクチャを提供する。
【解決手段】ネットワークアーキテクチャは、加入者ドメイン10、オブジェクトプロバイダドメイン20、ネットワークオペレータドメイン30とメッセージルーティングサーバ装置40を有する。ユーザ名とオブジェクトソースサーバ22に記憶のコンテンツのコンテンツ名は、ネットワークオペレータドメイン30のインジケータを含む。コンテンツ又はユーザとその位置はネットワークオペレータドメイン30及びオブジェクトプロバイダドメイン20で、また前記インジケータとディレクトリサーバ装置31の関係はメッセージルーティングサーバ装置40で管理される。ユーザ名又はコンテンツ名を含むメッセージによりユーザ又はコンテンツの位置を特定できる。
【解決手段】ネットワークアーキテクチャは、加入者ドメイン10、オブジェクトプロバイダドメイン20、ネットワークオペレータドメイン30とメッセージルーティングサーバ装置40を有する。ユーザ名とオブジェクトソースサーバ22に記憶のコンテンツのコンテンツ名は、ネットワークオペレータドメイン30のインジケータを含む。コンテンツ又はユーザとその位置はネットワークオペレータドメイン30及びオブジェクトプロバイダドメイン20で、また前記インジケータとディレクトリサーバ装置31の関係はメッセージルーティングサーバ装置40で管理される。ユーザ名又はコンテンツ名を含むメッセージによりユーザ又はコンテンツの位置を特定できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはネットワークアーキテクチャに関するものであって、より具体的には将来のインターネットに適切なネットワークアーキテクチャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のネットワーク環境は、新しい技術と新しいニーズの出現のために重大な難問に直面している。近い将来、移動(無線)ユーザユニットがより多くなるだけでなく、マシントゥマシンタイプ(machine-to-machine type)の通信デバイスもより多くなるであろう。この明細書では、「マシントゥマシンタイプの通信」という用語は、人間の相互作用または人間の介入を必要としない要素の間のデータ通信の形式(例えば低電力センサまたは電子タグと管理装置との間の通信)を意味する。ほとんどすべてのそのような移動通信デバイスは、インターネットに接続されるであろう。その結果、将来のインターネットは、多くの異なる種類のネットワーク技術(例えば有線のネットワーク、ワイヤレスLAN、携帯電話(3GおよびLTE)ネットワーク、センサネットワーク、その他)の寄せ集めになるであろう。したがって、将来の移動環境のために、統合的なネットワークアーキテクチャが必要とされる。
【0003】
多くの場合、ユーザは、ウェブページ内の例えば動画または説明といった実際の事象に関する情報またはサービスに興味がある。言い換えると、ユーザは、データとコンテンツのトポロジー上の位置よりもむしろ、データとコンテンツに関心がある。したがって、コンテンツ中心の(content-centric)またはサービス中心の(service-centric)通信技術が、将来のインターネットサービスのために必要になるであろう。さらにまた、各々のユーザが同時にオンラインする複数の装置を持つかもしれないので、ユーザ中心の(user-centric)通信技術が将来のインターネットのためにサポートされなければならない。
【0004】
現在のインターネットの通信アーキテクチャは、単一のプロトコル(インターネットプロトコル(IP))に基づいて相互作用している(例えば、everything on IP, IP on everything)。しかし、現在のインターネットアーキテクチャにはIPアドレスの使用上の問題がある。特に、IPアドレスはホスト識別子(ID)とロケータの両方の働きをする。言い換えると、IPアドレスは、特定のトポロジー上の位置を特定するため、つまりパケットをルーティングするためのロケータとしてもネットワーク層で使われ、ネットワークホストでインターフェースを特定するためのID(ひいては通信セッションの識別情報)としてトランスポート層とアプリケーション層でも使われる。基本的に、現在のインターネットアーキテクチャでは、セッションの間にIPアドレスが不変のままであることを要求する。これは、IPアドレスが変更されることは、両方のエンドポイントのIDが変更されたことを示し、通信セッションが終了したことを示すことを意味する。IPアドレスの2つの役割は将来のモバイル環境には適切ではない。というのもモビリティの要求は、IPアドレスの変更を要求することになるからである。IPアドレスの二重の役割に伴う問題を解決するために、通信セッションの打ち切りを避けるようにロケータと識別子の役割を分離すべきである。
【0005】
通信デバイスのモビリティを現在のインターネットアーキテクチャ(例えばMobile IPv6(MIPv6)、Proxy Mobile IPv6(PMIPv6)、Network Mobility(NEMO)、その他)をサポートするために、多くの解決策が提案されてきている。しかし、これらの解決策は継ぎ当て(patch-on)の形式を提供するに過ぎないため、これらの解決策は様々なタイプの移動通信装置のためのモビリティ制御をうまく統合しておらず、そのため、これらは複雑さを加えてネットワークパフォーマンスを減少させる。
【0006】
したがって、現在のインターネットアーキテクチャを根本的に変えることに関する議論がなされている。特に、Host Identify Protocol(HIP)、Site Multi-homing by IPv6 Intermediation (SHIM6)、Locator/Identifier Separation Protocol (LISP)、Host Name and Identifier System (HNIS)、およびMobile-Oriented Future Internet (MOFI)を含むID/ロケータ分離(IDとロケータの分離)のための様々な技術が提案されてきた。
【0007】
現在のインターネットアーキテクチャは、パケットが終端ホストの間で交換されるエンドトゥエンドのメッセージに指向させられた通信には便利である。しかし、今日の大部分のインターネットトラフィックは、コンテンツ指向性かデータ指向性であり、インターネット利用者は、位置または装置ではなく、現実の事象に関する情報、データ、コンテンツまたはサービスに興味がある。動画ストリーミングは、近年の世界的なインターネットトラフィックの成長の主要な一因であり、それは全体のトラフィックの50%を占める。通信シナリオにおける趨勢は、「どこに」情報があるかということよりも、「何が」交換されるかということがより重要になっていることを示す。したがって、インターネットは根本的に新しいアーキテクチャに置き換えるべきである。コンテンツ配信のためにいくつかのプロトコルがある。例えば、Content-Centric Network(CCN)とPublish/Subscribe Internet Routing Paradigm(PSIRP)である。例えば、CCNは非特許文献1および非特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Future Content Network Group, "Why do we need a Content-centric Future Internet?", online, found on January 29, 2011, (http://www.future-internet.eu/fileadmin/documents/prague_documents/FIA-FCN_Internet_Architecture_20090507.pdf)
【非特許文献2】Gareth Tyson, "A Middleware Approach to Building Content-Centric Applications", online, found on January 29, 2011, (http://eprints.comp.lancs.ac.uk/2337/1/PhD.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
提案されたID/ロケータ分離技術および提案されたコンテンツ配信ネットワーキングアーキテクチャは、両方とも将来のインターネットに対する革命的なステップであるものの、これらには未だにいくつかの限界がある。提案されたID/ロケータ分離技術(HIP、SHIM6、LISP、HNISおよびMOFI)は、エンドトゥエンドの通信にのみ焦点を合わせており、コンテンツ配信ネットワーキングを扱うように設計されてはいない。また、提案されたID/ロケータ分離技術は、膨大な数の装置をサポートすることに不十分でない。提案されたID/ロケータ分離技術では、IDに装置を結びつけてマッピングするためにID/位置情報のすべてを管理しなければならないが、従来の管理技術は、低電力のセンサと電子タグを含むマシントゥマシンタイプの通信装置の増加を考慮することなく開発されてきた。
【0010】
他方、提案されたコンテンツ配信ネットワーキングアーキテクチャ(CCNとPSIRP)においては、ネットワークシステムは、ユーザが関心を持つコンテンツを配送するが、オブジェクト意識型のネットワーキングの特徴を達成しない。言い換えると、提案されたコンテンツ配信ネットワーク側は、通信要求ユーザが観たり聴いたりしたいコンテンツにだけ考慮を払い、通信受け側ユーザ、通信受け側ユーザの装置、または特定のサービス(通信要求ユーザが利益を享受したい)を考慮しない。この明細書では、「オブジェクト意識型のネットワーキング」という用語は、例えば、各通信要求ユーザの意図(例えば、通信受け側のユーザ、通信受け側の装置および特定のサービス(通信要求ユーザが利益を享受したい))も、通信要求ユーザが観たり聴いたりしたいコンテンツに加えて、ネットワーク側が考慮する、情報の交換またはサービスの一形式を意味する。この文脈において、「オブジェクト」という用語は、コンテンツだけではなく、ユーザ、装置およびサービスを含むことを意図している。現在のインターネットトラフィックはコンテンツ指向型であるが、将来のインターネットアーキテクチャは、ユーザトゥユーザ、ユーザトゥサービスおよびユーザトゥコンテンツを含む様々なタイプの通信モデルをサポートしなければならない。
【0011】
そこで、本発明は、ユーザ、装置およびコンテンツがそれらの位置のインジケータに関連付けられているが、位置のインジケータがそれらの名前またはIDとは異なっており、通信要求ユーザが所望のコンテンツを指定するコンテンツベースの通信と、通信要求ユーザが通信受け側ユーザまたは通信受け側装置を指定するエンドトゥエンドの通信の両方に便利であるネットワークアーキテクチャを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、複数の加入者ドメイン(10)と、複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)と、ネットワークオペレータドメイン(30)と、メッセージルーティングサーバ装置(40)とを備えるネットワークアーキテクチャであって、前記加入者ドメイン(10)の各々に、複数の第1のユーザが加入しており、前記第1のユーザの各々が少なくとも1つの第1のユーザ装置(11)を所有または管理しており、前記加入者ドメイン(10)の各々は第1のプロキシ装置(12)を備え、前記第1のプロキシ装置(12)は、前記第1のプロキシ装置(12)が配置された前記加入者ドメイン(10)に加入している前記第1のユーザの前記第1のユーザ装置(11)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々に、複数の第2のユーザが加入しており、前記第2のユーザの各々は、その第2のユーザに普遍的に特有なユーザ名とユーザIDを有し、前記第2のユーザの各々が少なくとも1つの第2のユーザ装置(21)を所有または管理しており、前記第2のユーザ装置(21)の各々は、その第2のユーザ装置(21)に普遍的に特有なデバイス名とデバイスIDを有し、各デバイス名はその第2のユーザ装置(21)にとっての第2のユーザのユーザ名を含んでおり、ユーザ名とデバイス名の各々はその第2のユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は第2のプロキシ装置(23)を備え、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記第2のプロキシ装置(23)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している前記第2のユーザの前記第2のユーザ装置(21)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、前記第2のプロキシ装置(23)の各々は第2のプロキシアドレスを有し、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、コンテンツとそのコンテンツを使用するのに不可欠なメタデータ情報を記憶するオブジェクトソースサーバ(22)を備え、各コンテンツはコンテンツ名を有し、コンテンツ名はそのコンテンツに普遍的に特有であって、そのコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されているオブジェクトプロバイダドメイン(20)にリンクされているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、そのオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザの第2のユーザ装置(21)の各々のための情報を記憶するプロバイダドメインメモリ(23M)を備え、第2のユーザ装置の各々のための情報は、第2のユーザ装置のデバイス名、第2のユーザ装置のデバイスID、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザ名、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザID、通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、前記複数の加入者ドメイン(10)のいくつかおよび前記複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)のいくつかにリンクさせられており、ネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされた加入者ドメイン(10)に加入している第1のユーザおよびネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザは、そのネットワークオペレータドメイン(30)に加入しており、前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、ディレクトリサーバメモリ(31M)を備えるディレクトリサーバ装置(31)を備え、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記ネットワークオペレータドメイン(30)に加入している各第2のユーザのための情報を記憶し、各第2のユーザのための情報は、第2のユーザのユーザ名、第2のユーザのユーザID、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記オブジェクトソースサーバ(22)に記憶された公開可能なコンテンツの各々のための情報を記憶し、公開可能なコンテンツの各々のための情報は、コンテンツのコンテンツ名、コンテンツのためのメタデータ情報、およびコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバ装置(31)の各々はディレクトリサーバアドレスを有しており、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、前記複数のネットワークオペレータドメイン(30)にリンクさせられ、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)を備え、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)は、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報を記憶し、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報は、ユーザ名、デバイス名またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータと、ネットワークオペレータドメイン(30)内のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスの関係を記述しており、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、メッセージに含まれるユーザ名、デバイス名、またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定するネットワークアーキテクチャが提供される。
【0013】
本発明によれば、ユーザ、装置およびコンテンツは、これらの位置のインジケータ(第2のプロキシアドレス)と関連付けられているが、位置のインジケータは、それらの名前またはIDとは異なる。ネットワークアーキテクチャは、通信要求ユーザが所望のコンテンツを指定するコンテンツベースの通信と、通信要求ユーザが通信受け側ユーザまたは通信受け側装置を指定するエンドトゥエンドの通信の両方に便利である。コンテンツ、装置またはユーザとその位置は、ネットワークオペレータドメイン(30)の各々とオブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々で管理され、デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメインのインジケータと、ネットワークオペレータドメイン(30)のディレクトリサーバ装置(31)の関係は、メッセージルーティングサーバ装置(40)で管理される。デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名がメッセージに示されるとき、装置、ユーザまたはコンテンツの位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図2】オブジェクト登録が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図3】オブジェクト登録によって作成される登録テーブルを示す図である。
【図4】オブジェクト登録によって作成される他の1つの登録テーブルを示す図である。
【図5】コンテンツベースの通信サービスのためのユーザ意図分析処理が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図6】前記ネットワークアーキテクチャで使われるキャッシュテーブルを示す図である。
【図7】前記ネットワークアーキテクチャで使われる他の1つのキャッシュテーブルを示す図である。
【図8】前記ネットワークアーキテクチャで使われるマッピングテーブルである。
【図9】ユーザトゥユーザの通信サービスのために、ユーザ意図分析処理が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図10】前記ネットワークアーキテクチャで使われる管理テーブルを示す図である。
【図11】前記ネットワークアーキテクチャで使われる他の1つの管理テーブルを示す図である。
【図12】ユーザトゥユーザの通信サービスのために、ユーザ意図分析処理が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図13】コンテンツベースの通信サービスのために、オブジェクト申込み・データ配信(object-subscribe-and-data-delivery)処理が実行されるネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図14】エンドトゥエンドの通信サービスのために、オブジェクト申込み・データ配信処理が実行されるネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
「ネットワークアーキテクチャの概要」
図1は、本発明に係るネットワークアーキテクチャのレイアウトを示す。このネットワークアーキテクチャは、将来のインターネットに適切である。このネットワークは、複数の加入者ドメイン10、複数のオブジェクトプロバイダドメイン20、複数のネットワークオペレータドメイン30、およびサーバ装置40を備え、サーバ装置40は、以下グローバルネーム分析サーバ(Global Name Resolution Server、GNRS)と呼ばれる。
【0016】
加入者ドメイン10の各々は、物理的なネットワークであって、複数のユーザが加入(所属)することができるユーザアクセスネットワークであってよい。したがって、加入者ドメイン10の各々は有線または無線で通信可能な複数のユーザ装置11を有する。このようなユーザアクセスネットワークは、例えば、家庭のネットワーク、会社ネットワーク、キャンパスネットワークおよびモバイルブロードバンドアクセスネットワークを含みうる。ユーザ装置11は、通常のコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、ならびにセンサおよび電子タグを含むマシントゥマシンタイプの通信装置であってよい。1人のユーザは、1つのユーザ装置11を持つかもしれないし、複数のユーザ装置11を持つかもしれない。
【0017】
オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、公開者ドメインと呼ぶこともでき、コンテンツプロバイダまたはポータルサービスプロバイダによって所有されているネットワークであってよい。オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、複数のオブジェクトソースサーバ22または複数のユーザ装置21を有することができる。オブジェクトソースサーバ22の各々は、加入者ドメイン10のいずれか1つに属する通信要求ユーザによって要求されるであろうコンテンツに関する様々なコンテンツデータを記憶する。また、オブジェクトソースサーバ22の各々は、コンテンツデータのためのメタデータ情報を記憶する。メタデータ情報は、情報資源を記述もしくは説明するか、その位置を示すか、またはそれの読み出し、使用、もしくは管理を容易にする体系化された情報である。メタデータ情報は、例えば、タイトル、コンテンツの短い概要、コンテンツの作成者、作成日、ファイルサイズ、コンテンツのタイプ(動画、静止画像、テキストまたは音楽)、およびファイルフォーマットを示す。したがって、メタデータ情報は、メタデータ情報と関連付けられたコンテンツの使用に不可欠な情報要素を有する。1人のユーザは、1つのユーザ装置21を持つかもしれないし、複数のユーザ装置21を持つかもしれない。
【0018】
オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、サービスまたはコンテンツを得るために通信したい通信要求ユーザから観て論理的なネットワークである。これはすなわち、各々のドメイン20がオブジェクトプロバイダドメインと呼ばれる理由が、ドメイン20がコンテンツプロバイダまたはポータルサービスプロバイダによって所有されて、通信要求ユーザの要求を満足させるであろう少なくとも1つの装置を有するからであるということを意味する。加入者ドメイン10のうちの1つがコンテンツプロバイダまたはポータルサービスプロバイダによって所有されて、少なくともそのような装置を有するならば、そのドメイン10はオブジェクトプロバイダドメイン20でもありえる。
【0019】
ネットワークオペレータドメイン30の各々は、世界的なまたは広域のネットワークオペレータによって所有されている物理的なネットワークである。そのようなネットワークオペレータは、有線または無線の物理的なネットワーキングを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)または移動ブロードバンドネットワークオペレータであってよい。図1に示すように、ネットワークオペレータドメイン30の各々に、少なくとも1つのオブジェクトプロバイダドメイン20と少なくとも1つの加入者ドメイン10がリンクさせられている。ユーザオブジェクトプロバイダドメイン20または加入者ドメイン10のユーザ、すなわち加入者(所属者)は、その加入者が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20または加入者ドメイン10がリンクされたネットワークオペレータドメイン30の加入者(所属者)でもある。
【0020】
加入者ドメイン10の各々は、加入者オブジェクトプロキシ(subscriber object proxy、SOP)と呼ばれるプロキシサーバ装置12を有する。SOP(第1のプロキシ装置)12は、機械読み取り可能なプログラムの制御の下で動作させられる機能的なエンティティであって、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10の加入者(ユーザ装置11)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作する。
【0021】
後に詳述するように、SOP12はユーザ意図分析処理(user-intent-resolution process)を実行するための特徴である。SOP12がその加入者ドメイン10にあるユーザ装置11からコンテンツベースの通信サービスを要求しコンテンツ名を示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、ユーザ意図分析処理は、そのコンテンツのために使用されるメタデータ情報および通信でルーティングされるべきPOP23のアドレスを特定する。SOP12がその加入者ドメイン10にあるユーザ装置11からエンドトゥエンドの通信サービスを要求し、ユーザ名と通信のタイプを示すか、デバイス名だけを示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、ユーザ意図分析処理は、通信でルーティングされるべき通信宛先(ユーザ装置21の1つ)のデバイスIDを特定する。
【0022】
SOP12の各々は、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10に加入しているすべてのユーザのユーザIDを記憶する。また、SOP12の各々は、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10に加入しているすべてのユーザの装置のデバイスIDを記憶する。
【0023】
SOP12の各々は図6に示されるSOPキャッシュメモリ(第1のプロキシキャッシュメモリ)12Cを有し、SOPキャッシュメモリ12CはSOPキャッシュテーブルを有する。SOPキャッシュテーブルは、オブジェクトプロバイダドメイン20内のオブジェクトソースサーバ22の1つに記憶されたコンテンツ(コンテンツデータ)のコンテンツ名、そのコンテンツデータ、およびそのコンテンツデータのためのメタデータ情報を記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、コンテンツデータおよびメタデータ情報は、SOPキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。コンテンツベースの通信において、通信要求ユーザ装置11による要求に応答してコンテンツデータを送信したオブジェクトプロバイダドメイン20の1つからコンテンツデータをSOP12が受信すると、各々のセットはSOPキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0024】
また、SOPキャッシュテーブルは、1つのオブジェクトプロバイダドメイン20のユーザのユーザ名およびユーザID、そのユーザによって所有または管理されるユーザ装置21のデバイス名およびデバイスID、そのユーザ装置21でサポートされる通信のタイプ(例えば、電子メール送信、VoIP(voice over IP)、デバイストゥデバイス通信、サーバクライアント通信、その他)を示す通信タイプインジケータ、ならびにユーザ装置21が位置するオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを記録する。装置ごとに、ユーザ名、ユーザID、通信タイプインジケータ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスは、SOPキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。エンドトゥエンドの通信において、このようなセットを送信した1つのオブジェクトプロバイダドメイン20からセットをSOP12が受信すると、各々のセットはSOPキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0025】
オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、公開者オブジェクトプロキシ(publisher object proxy、POP)と呼ばれるプロキシサーバ装置23を有する。POP(第2のプロキシ装置)23は、機械読み取り可能なプログラムの制御の下で動作させられる機能的なエンティティであって、そのPOP23が配置された、例えばコンテンツプロバイダネットワークまたはポータルサービスプロバイダネットワークといったオブジェクトプロバイダドメイン20の加入者(オブジェクトソースサーバ22およびユーザ装置21の少なくとも1つ)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作する。
【0026】
POPの各々は、図3に示されるPOPメモリ(プロバイダドメインメモリ)23Mを有し、POPメモリ23MはPOP登録テーブルを有する。POP登録テーブルは、そのPOP23が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20内のオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツ(コンテンツデータ)のコンテンツ名、そのオブジェクトソースサーバ22のアドレス、そのコンテンツデータのためのメタデータ情報、ならびに内部使用フラグもしくは公開フラグを記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、オブジェクトソースサーバのアドレス、メタデータ情報およびフラグは、POP登録テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。各々のセットは、後述するオブジェクト登録によって、POPメモリ23Mに永久的に記憶される。
【0027】
また、図11に示すように、POPメモリ23Mは、POP加入者管理テーブルを有する。POP加入者管理テーブルは、そのPOP23が配置された1つのオブジェクトプロバイダドメイン20のユーザのユーザ名およびユーザID、そのユーザによって所有または管理されるユーザ装置21のデバイス名およびデバイスID、そのユーザ装置21でサポートされる通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、ならびにそのPOP23のPOPアドレスを記録する。装置ごとに、ユーザ名、ユーザID、通信タイプインジケータ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスは、POP加入者管理テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。このように、POP23の各々は、そのPOP23が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているすべてのユーザのユーザIDを記憶し、そのPOP23が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているユーザの装置のすべてのデバイスIDを記憶する。
【0028】
ネットワークオペレータドメイン30の各々は、オブジェクトディレクトリサーバ(object directory server、ODS)と呼ばれるディレクトリサーバ31を有する。ODS31は、機械読み取り可能なプログラムの制御の下で世界的なまたは広域のネットワークオペレータによって動作させられる。
【0029】
ODS31の各々は、図4に示されるODSメモリ(ディレクトリサーバメモリ)31Mを有し、ODSメモリ31MはODS登録テーブルを有する。ODS登録テーブルは、ODS31が配置された がリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20のオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツのコンテンツ名、そのオブジェクトソースサーバ22へのルーティングのためのPOP23のアドレス、ならびにそのコンテンツのためのメタデータ情報を記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、オブジェクトソースサーバのアドレス、およびメタデータ情報は、ODS登録テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。各々のセットは、オブジェクト登録によって、ODSメモリ31Mに永久的に記憶される。
【0030】
また、図10に示すように、ODSメモリ31MはODS加入者管理テーブルを有する。ODS加入者管理テーブルは、ODS31が配置されたネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているユーザのユーザ名およびユーザID、ならびにそのオブジェクトプロバイダドメイン20内のそのユーザの装置へのルーティングのためのPOP23のPOPアドレスを記録する。ユーザごとに、ユーザ名、ユーザIDおよびPOPアドレスは、ODS加入者管理テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。このように、ODS31の各々は、そのODS31が配置されたネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているすべてのユーザのユーザIDと位置を記憶する。
【0031】
ODS31の各々は、図7に示されるODSキャッシュメモリ(ディレクトリサーバキャッシュメモリ)31Cを有し、ODSキャッシュメモリ31CはODSキャッシュテーブルを有する。ODSキャッシュテーブルは、他のODS31が配置された他のネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20内の1つのオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツ(コンテンツデータ)のコンテンツ名、そのオブジェクトソースサーバ22へのルーティングのためのPOP23のアドレス、ならびにそのコンテンツデータのためのメタデータ情報を記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、POPアドレス、ならびにメタデータ情報は、ODSキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。コンテンツベースの通信のためのユーザ意図分析処理でODS31がGNRS40からメタデータ情報とPOPアドレスを受信すると、各々のセットはODSキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0032】
また、ODSキャッシュテーブルは、他のODS31が配置された他のネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているユーザのユーザ名およびユーザID、そのユーザに所有または管理されるユーザ装置21のデバイス名およびデバイスID、そのユーザ装置21でサポートされる通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、ならびにそのオブジェクトプロバイダドメイン20内のそのユーザの装置へのルーティングのためのPOP23のPOPアドレスを記録する。ユーザごとに、ユーザ名、ユーザID、通信タイプインジケータ、デバイス名、デバイスIDならびにPOPアドレスは、ODSキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。エンドトゥエンドの通信のためのユーザ意図分析処理でODS31がGNRS40からセットの内容を受信すると、各々のセットはODSキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0033】
各々の要素(SOPキャッシュメモリ12CとODSキャッシュメモリ31C)でキャッシュされた情報セットは、適切な方式に従って消去されうる。例えば、
(i)キャッシュされたセットは、記憶の後所定の時間が経過すると消去される。
(ii)キャッシュメモリが満杯またはほぼ満杯になって新しいセットがキャッシュされるべき場合に、最も古いキャッシュされたセットが新しいセットを受け入れるために消去される。
(iii)キャッシュメモリが満杯またはほぼ満杯になって新しいセットがキャッシュされるべき場合に、最も使用頻度が少ないセットが消去される。
【0034】
また、ネットワークオペレータドメイン30は、他のドメインに信号をルーティングするために複数のルータ32を有する。
【0035】
本発明の実施の形態に係るネットワークアーキテクチャにおいては、ユーザと装置の各々には、ユーザと装置を特定するために、グローバルな名前とIDが与えられなければならない。したがって、ユーザはユーザ名(グローバルな名前として)とユーザIDを持っており、ユーザ名またはユーザIDによって特定され、装置はデバイス名(グローバルな名前として)とデバイスIDを持っており、デバイス名またはデバイスIDによって特定される。また、コンテンツはコンテンツ名(グローバルな名前として)を持っており、コンテンツ名によって特定される。グローバルな名前は、世界的に有意であってどこからでも通用する特有の名前である。グローバルな名前は、可変長の文字セットで示され、人間が読み取れて思い出せる文字列でなければならない。一方、IDはグローバルにユニークな文字列ではあるが、人間に記憶されなくてもよい。グローバルな名前の各々は、通信の初期段階で通信要求ユーザ(人間)によって示すことができる一方、IDの各々は通信プロトコルで使われる。
【0036】
表1は、本発明の実施の形態に係るネットワークアーキテクチャでのグローバルな名前とIDの構造に関する規則を示す。
【表1】
【0037】
表1において、最初の文字、「u」、「d」または「c」は、通信要求ユーザの意図の理解を容易にするための一種のセパレーターである。つまり、「u」、「d」および「c」は、それぞれユーザ名、デバイス名、およびコンテンツ名を表す。
【0038】
表1のグローバルなユーザ名またはグローバルなデバイス名において、部分「user_name」は、ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン30で有意な(加入者ドメイン10またはオブジェクトプロバイダドメイン20でも有意な)特有のユーザ名である。グローバルなユーザ名またはグローバルなデバイス名において、部分「subscribe_name」は、ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン30を運営している世界的なまたは広域のネットワークオペレータの特有の名前である。よって、部分「subscribe_name」は、ユーザまたは装置が加入しているネットワークオペレータドメイン30を示す。グローバルなデバイス名において、部分「device name」は、装置が加入しているネットワークオペレータドメイン30で有意な(加入者ドメイン10またはオブジェクトプロバイダドメイン20でも有意な)特有のデバイス名である。部分「user_name」がグローバルなユーザ名の各々だけでなく、グローバルなデバイス名の各々にも含まれる点に留意する必要がある。グローバルなデバイス名の各々において、部分「user_name」は装置の所有者または管理者を示す。
【0039】
表1のグローバルなコンテンツ名において、部分「URI」は、「http」または「https」スキームが除外された統一リソース識別子(Uniform Resource Identifier)である。通信要求ユーザがウェブサイトにアクセスしてウェブサイトから特定のコンテンツデータ(例えば、動画、静止画像、テキストまたは音楽)を受信するために、「URI」に対応するウェブサイト上の特定のコンテンツデータを指定したいとき、グローバルなコンテンツ名が使われる。表1から理解されるように、グローバルなコンテンツ名も部分「subscribe_name」(より具体的には、docomo.com)を含む。特定のコンテンツデータを受信するためのウェブサイトアクセスの場合、グローバルなコンテンツ名の各々における部分「subscribe_name」は、ウェブサイトが属するオブジェクトプロバイダドメイン20がリンクされたネットワークオペレータドメイン30を示す。上記から理解されるように、「オブジェクト」としての用語「コンテンツ」は、ウェブサイト上の特定のコンテンツデータを示す。
【0040】
以下の説明では、「グローバル」という用語は、グローバルな名前から省略されうる。
【0041】
GNRS(メッセージルーティングサーバ装置)40は、複数のネットワークオペレータドメイン30にリンクさせられている。GNRS40は、図8に示すGNRSマッピングテーブルを記憶するために、GNRSメモリ(サーバメモリを送っているメッセージ)40Mを有する。GNRSマッピングテーブルは、ユーザ名またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン30のインジケータとネットワークオペレータドメイン30のODS31の関係を管理する。より具体的には、GNRSマッピングテーブルは複数の情報セットを記憶し、各情報セットはODS31のアドレスと「subscribe_name」と有する。上記のように、「subscribe_name」はネットワークオペレータドメイン30を運営しているネットワークオペレータの名前であるから、ネットワークオペレータドメイン30のインジケータとみなすことができる。部分「subscribe_name」は、デバイス名、ユーザ名およびコンテンツ名のすべてに含まれる。デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名がメッセージにおいて示されるとき、GNRS40はGNRSマッピングテーブルに基づいてODS31のアドレスを判断して、ODS31を有するネットワークオペレータドメイン30にメッセージをルーティングする。
【0042】
「オブジェクト登録」
図2を参照して、ネットワークアーキテクチャのオブジェクト登録の動作を説明する。上記のように、オブジェクトソースサーバ22の各々は、加入者ドメイン10のいずれか1つに加入している通信要求ユーザを満足させるコンテンツに関する様々なコンテンツデータを記憶する。オブジェクト登録処理は、オブジェクトプロバイダドメイン20の内部での使用の目的、またはネットワークアーキテクチャ内での広範囲の使用の目的でのコンテンツの登録のために実行される。
【0043】
オブジェクトソースサーバ22の各々の操作スタッフは、コンテンツの公開(公共的使用)用または内部使用(個人的な使用)用にPOP23にオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツ(より正確には、コンテンツデータ)を登録するために、オブジェクトプロバイダドメイン20内のPOP23にオブジェクト公開または個人使用メッセージを送信するようにオブジェクトソースサーバ22に指示するために、オブジェクトソースサーバ22を操作することができる(ステップS1)。
【0044】
オブジェクト公開または個人使用メッセージは、コンテンツ名、メタデータ情報、メッセージの宛先であるPOP23のPOPアドレス、および内部使用フラグまたは公開フラグを有する。このメッセージは、コンテンツを記憶しているオブジェクトソースサーバ22のアドレスを示すソースアドレスを有する。
【0045】
そのオブジェクトがオブジェクトプロバイダドメイン20内でだけ使用されることを操作スタッフが所望するならば、オペレータは、内部使用フラグをオブジェクト公開または個人使用メッセージに付加することを選ぶ。その結果、オブジェクトソースサーバ22は、内部使用フラグを持つオブジェクト公開または個人使用メッセージをPOP23に送信する(ステップS1)。内部使用フラグを持つこのメッセージをPOP23が受信する場合には、SOP12はどのODS31にもオブジェクト公開または個人使用メッセージを転送せず、オブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をPOP登録テーブル(図3に示される)に記憶する。そのコンテンツは、オブジェクトプロバイダドメイン20内の加入者だけによって使用されうる。
【0046】
他方、そのオブジェクトが広く公開されることを操作スタッフが所望するならば、操作スタッフは、公開フラグをオブジェクト公開/個人使用メッセージに付加することを選ぶ。その結果、オブジェクトソースサーバ22は、公開フラグを持つオブジェクト公開/個人使用メッセージをPOP23に送信する(ステップS1)。公開フラグを持つこのメッセージを受信すると、POP23はオブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をそのPOP登録テーブル(図3に示される)に記憶する。図3に示すように、POP登録テーブルでは、各々のコンテンツ名は、オブジェクトソースサーバのアドレス、メタデータ情報ならびに公開フラグもしくは内部使用フラグと関連付けられている。そして、POP23は、POP23を有するオブジェクトプロバイダドメイン20がリンクさせられたネットワークオペレータドメイン30のODS31に、オブジェクト公開または個人使用メッセージを転送する(ステップS2)。
【0047】
この公開または個人使用メッセージは、コンテンツ名、メタデータ情報、およびこのメッセージが送信されるPOP23のPOPアドレスを示す示す。ステップS2でPOP23から送られるオブジェクト公開または個人使用メッセージは公開可能なコンテンツだけを示すので、オブジェクトソースサーバからのメッセージとは異なり、このメッセージは公開フラグなしであってもよい。ステップS2でPOP23から送られるオブジェクト公開または個人使用メッセージは、コンテンツ名、メタデータ情報およびコンテンツを供給することができるオブジェクトプロバイダドメイン20の位置を示す。その位置は、コンテンツが記憶されたオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスによって表されてもよい。
【0048】
ステップS2でPOP23からオブジェクト公開または個人使用メッセージを受信すると、ODS31は公開可能なオブジェクトとしてODS31にそのコンテンツを登録する。より具体的には、ODS31は、オブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をそのODS登録テーブル(図4に示される)に記憶する。そのコンテンツは、ネットワークオペレータドメイン30がリンクされた加入者ドメイン10内の加入者のために公開されうる。図4に示すように、ODS登録テーブルでは、各々のコンテンツ名は、位置とメタデータ情報と関連付けられている。
【0049】
さらに、他のネットワークオペレータドメイン30にリンクされた加入者ドメイン10内の加入者から、ある公開可能なコンテンツに対して多くの要求があるならば、POP23は、当該加入者ドメイン10がリンクされた他のネットワークオペレータドメイン30のODS31にオブジェクト公開または個人使用メッセージを送信し、そのODS31は公開可能なコンテンツとしてODS31にそのコンテンツを登録する(ステップS3)。このメッセージは、ステップS2に関して上述したような形式を有する。そのODS31は、上記と同様の方式でオブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をそのODS登録テーブル(図4に示される)に記憶する。そのコンテンツは、加入者が要求を送信した加入者ドメイン10内の加入者のために公開されうる。
【0050】
「ユーザ意図分析処理」
ユーザ(通信要求ユーザ)によって指定されたオブジェクトのグローバルな名前(コンテンツ名、ユーザ名またはデバイス名)に基づいて、ユーザ意図分析処理は、ユーザ(通信要求ユーザ)が何を探しているか、または通信相手ユーザの装置(通信宛先)がどこに配置されているか特定する。より具体的には、指定されたオブジェクト名がコンテンツ名であるとき、ユーザ意図分析処理は特定のメタデータ情報を特定する。指定されたオブジェクトがユーザ名またはデバイス名であるとき、ユーザ意図分析はデバイスIDを特定する。すなわち、ユーザ意図分析処理は、ユーザの意図(オブジェクトのグローバルな名前)を特定のメタデータ情報または特定のデバイスIDに翻訳する。
【0051】
ユーザ意図分析処理は、コンテンツベースの通信サービスについてもユーザトゥユーザの通信サービスについても実行される。詳細は以下に説明する。
【0052】
「コンテンツベースの通信サービスのためのユーザ意図分析処理」
コンテンツベースの通信サービス(例えばウェブサイトアクセス、ピアトゥピア通信、リアルタイムストリーミング、ファイル転送サービス、その他)において、ユーザがコンテンツ名を指定するとき、ユーザ意図分析処理は特定のメタデータ情報を特定する。このユーザ意図分析処理を、図5を参照して説明する。
【0053】
コンテンツベースの通信サービスのためのユーザ意図分析処理では、加入者ドメイン10のいずれか1つ(例えば、図5の10a)に加入している(所属している)ユーザ(通信要求ユーザ)が特定の公開可能なコンテンツ(例えば、動画、静止画像、テキストまたは音楽)に興味があるならば、通信要求ユーザは、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図5の11a)を操作して、そのユーザが加入している加入者ドメイン10aのSOP12(例えば、図5の12a)にオブジェクト要求メッセージを送信するようにユーザ装置11aに指令する(ステップS11)。この指令において、通信要求ユーザは、そのユーザが興味を持っているコンテンツ名(表1で示すように「c:URI:」)を指定する。この場合、通信要求ユーザのユーザ装置11aは、そのコンテンツ名を示し、メッセージがコンテンツベースの通信サービスを要求することを示すフラグ(すなわちC−フラグ)を持つオブジェクト要求メッセージを生成する。名前の指定のための方法は、例えば、タイピング、コピーアンドペースト、およびクリックすることである。前もって、通信要求ユーザは、例えば、検索エンジンによるキーワード検索でコンテンツ名を取得しておく。
【0054】
ステップS11で送信されたオブジェクト要求メッセージを受信すると、SOP12aは、オブジェクト要求メッセージによって示されるコンテンツ名がSOP12aのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)にキャッシュされているか否か判断する。SOPキャッシュテーブルがコンテンツ名を記憶している場合には、SOP12aはSOPキャッシュテーブル内でコンテンツ名と関連付けられているコンテンツデータとメタデータ情報を読み出して、通信要求ユーザのユーザ装置11aにそのコンテンツデータとそのメタデータ情報を送信する(ステップS12)。通信要求ユーザのユーザ装置11aは、そのコンテンツデータを使用し、これにより通信要求ユーザはコンテンツから利益を享受することができる。この場合、ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスまで進まない。
【0055】
コンテンツ名に関するキャッシュされた情報がSOP12aのSOPキャッシュテーブルにないならば、SOP12aが配置された加入者ドメイン10aがリンクされたネットワークオペレータドメイン30(例えば、図5の30a)内のODS31(例えば、図5の31a)に、SOP12aはオブジェクト検索要求メッセージ(object-lookup-request message)を送信する(ステップS13)。これは、そのコンテンツのメタデータ情報およびそのコンテンツが供給されるオブジェクトプロバイダドメイン20の位置(POPアドレス)を取得するためである。その位置は、コンテンツが供給されるオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスによって表される。また、オブジェクト検索要求メッセージは、オブジェクト要求メッセージによって送られたコンテンツ名を示しており、オブジェクト要求メッセージによって送られたC−フラグも伴う。
【0056】
SOP12aからステップS13で送信されたオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名がODS31aのODSキャッシュテーブル(図7に示される)にキャッシュされているか否か判断する。さらに、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名が図4に示されるODS登録テーブルに記憶されているか否か判断する(この判断が肯定的であるならば、そのコンテンツは、オブジェクトプロバイダドメイン20、例えば、図5のオブジェクトプロバイダドメイン20aのオブジェクトソースサーバ22、例えば、図5のオブジェクトソースサーバ22aに記憶されている)。コンテンツ名に関する情報がODS31aのODSキャッシュテーブルまたはODS登録テーブルにあるならば、ODS31aはODSキャッシュテーブルまたはODS登録テーブル内でコンテンツ名と関連付けられたPOPアドレスとメタデータ情報を読み出す。そして、ODS31aは、オブジェクト検索応答メッセージ(object-lookup-response message)をSOP12aに送信することによって、SOP12aに応答する(ステップS14)。このメッセージは、要求されたコンテンツのメタデータ情報と要求されたコンテンツが提供されるオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを示す。
【0057】
コンテンツ名に関する情報がODSキャッシュテーブルにもODS登録テーブルにもないならば、ODS31aはGNRS40にオブジェクト検索要求メッセージを転送する(ステップS15)。ODS31aからオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名内の部分「subscribe_name」(表1参照)を分析する。そして、GNRS40は、そのGNRSマッピングテーブル(図8に示される)内でコンテンツ名の部分「subscribe_name」を検索し、部分「subscribe_name」と関連付けられたODSアドレスを特定し、これによって、要求されたコンテンツが供給されうるオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図5の20b)がリンクされた1つのネットワークオペレータドメイン30(例えば、図5のネットワークオペレータドメイン30b)のODS31(例えば、図5の31b)のアドレスを取得する。
【0058】
ODSアドレスを知ることによって、GNRS40はメタデータ情報とPOPアドレスを得るために、そのODS31bにオブジェクト検索要求メッセージを転送する(ステップS16)。オブジェクト検索要求メッセージを受信すると、そのODS31bは、そのODS登録テーブル(図4に示される)内でオブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名を検索し、コンテンツ名と関連付けられたPOPアドレスとメタデータ情報を読み出す。ODS31bは、GNRS40にオブジェクト検索応答メッセージを送信する(ステップS17)。このメッセージは、要求されたコンテンツのメタデータ情報と要求されたコンテンツが提供されるオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図5の20b)のPOP23(例えば、図5の23b)のPOPアドレスを示す。
【0059】
ODS31bからステップS17で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージを送信したODS31aに、オブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS18)。GNRS40からステップS17で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ODS31aは、そのオブジェクト検索応答メッセージによって示されるメタデータ情報とPOPアドレスを、キャッシュ情報としてそのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶する。この記憶動作では、ODSキャッシュテーブル内でコンテンツ名がメタデータ情報とPOPアドレスと関連付けられるように、ODS31aはオブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名も記憶する。このようにして、ODSキャッシュテーブルは、コンテンツ名、メタデータ情報およびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。
【0060】
さらに、GNRS40からステップS17で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージを送信したSOP12aに、オブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS19)。このようにして、ステップS14またはS19の後は、SOP12は、ユーザの意図(すなわち、要求されたコンテンツのメタデータ情報と要求されたコンテンツが記憶されているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレス)を知っている。SOP12は、オブジェクト要求メッセージを送信したユーザ装置11にメタデータ情報を送信する(ステップS20)。したがって、コンテンツデータを受信することに先立って、ユーザ装置11は、そのコンテンツデータを使用するために必要な要素を含むメタデータ情報を受信する。これにより、コンテンツデータの使用(例えば、アプリケーションプログラムの起動およびファイルフォーマットの選択)が速められたり容易になったりする。その後、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。
【0061】
「ユーザトゥユーザの通信サービスのためのユーザ意図分析処理」
ユーザトゥユーザの通信サービスのためのユーザ意図分析処理の全体的な動作は、上記のコンテンツベースの通信サービスにおけるユーザ意図分析処理の全体的な動作と類似している。しかし、この動作においては、コンテンツ名の代わりに、通信宛先のユーザ名またはデバイス名が通信要求ユーザによって最初に指定される。このユーザ意図分析処理について、図9および図12を参照して説明する。
【0062】
ユーザトゥユーザの通信サービス(例えば電子メール送信、VoIP、デバイストゥデバイス通信、サーバクライアント通信、その他)のためのユーザ意図分析処理では、加入者ドメイン10のいずれか1つ(例えば、図5の10a)に加入している(所属している)ユーザ(通信要求ユーザ)が特定の通信相手ユーザまたは通信相手ユーザによって所有されている通信装置21のうちの1つと通信したいならば、通信要求ユーザは、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図9の11a)を操作して、通信要求ユーザが加入している加入者ドメイン10aのSOP12(例えば、図9の12a)にオブジェクト要求メッセージを送信するようにユーザ装置11aに指令する(ステップS31)。この指令において、通信要求ユーザは、通信相手ユーザのユーザ名(例えば、表1で示すように「u:user_name@subscribe_name」)または通信相手ユーザによって所有されている通信装置21のデバイス名(例えば、表1で示すように、d:device_name#user_name@subscribe_name)を指定する。この場合、通信要求ユーザのユーザ装置11aは、ユーザ名またはデバイス名を示し、メッセージがエンドトゥエンドの通信サービスを要求することを示すフラグ(すなわち、E−フラグ)を持つオブジェクト要求メッセージを生成する。オブジェクト要求メッセージがユーザ名を示す場合には、オブジェクト要求メッセージは、通信要求ユーザが使用したい通信のタイプ(例えば、電子メール送信、VoIP、その他)も示す。
【0063】
上記のように、通信要求ユーザは、通信受け側ユーザの名前を指定することができる。通信要求ユーザが通信したい通信受け側ユーザの単一の装置のデバイス名を知らない場合に、これは便利である。また、通信要求ユーザが特定の方式(例えば、VoIP)で通信受け側ユーザと通信したいが、通信受け側ユーザの複数の装置のうちその特定の方式をサポートすることができる特定の装置のデバイス名を知らない場合にも、これは便利である。あるいは、通信要求ユーザは、通信受け側装置のデバイス名を指定してもよい。通信要求ユーザがすでに通信宛先の特定のデバイス名を知っているとき、これは便利である。名前の指定のための方法は、例えば、タイピング、コピーアンドペースト、およびクリックすることである。
【0064】
ステップS31で送信された受け側のユーザ名を示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、SOP12aは、オブジェクト要求メッセージによって示されるユーザ名であって、オブジェクト要求メッセージによって示される通信のタイプに関連付けられたユーザ名がSOP12aのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)にキャッシュされているか否か判断する。SOPキャッシュテーブルが、オブジェクト要求メッセージによって示される通信のタイプと関連付けられたユーザ名を記憶しているならば、SOP12aはSOPキャッシュテーブル内でそのユーザ名と関連付けられたデバイスIDとPOPアドレスを読み出し、ユーザ意図分析処理は終了する。ステップS31で送信された受け側デバイス名を示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、SOP12aは、オブジェクト要求メッセージによって示されるデバイス名がSOP12aのSOPキャッシュテーブルにキャッシュされているか否か判断する。SOPキャッシュテーブルがそのデバイス名を記憶しているならば、SOP12aはSOPキャッシュテーブル内でそのデバイス名と関連付けられたデバイスIDとPOPアドレスを読み出し、ユーザ意図分析処理は終わる。いずれの場合も、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。SOP12aは、通信要求ユーザのユーザ装置11aに、デバイスIDまたはPOPアドレスを送信しない。
【0065】
その受け側ユーザ名またはその受け側デバイス名に関するキャッシュされた情報がSOP12aのSOPキャッシュテーブルにないならば、SOP12aが配置された加入者ドメイン10aがリンクされたネットワークオペレータドメイン30(例えば、図9の30a)内のODS31(例えば、図9の31a)に、SOP12aはオブジェクト検索要求メッセージを送信する(ステップS33)。これは、通信宛先のデバイスIDおよび通信宛先が配置された位置(POPアドレス)を取得するためである。その位置は、通信宛先が配置された(加入している)オブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスによって表されうる。オブジェクト検索要求メッセージも、オブジェクト要求メッセージによって送られたユーザ名もしくはデバイス名ならびに通信のタイプを示し、オブジェクト要求メッセージによって送られたE−フラグも伴う。
【0066】
ステップS33で送信された受け側ユーザ名を示すオブジェクト検索要求メッセージをSOP12aから受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名であって、オブジェクト検索要求メッセージによって示される通信のタイプに関連付けられたユーザ名がODS31aのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶されているか否か判断する。その通信のタイプと関連付けられたそのユーザ名に関する情報がODS31aのODSキャッシュテーブルにあるならば、ODS31aはそのテーブル内でそのユーザ名と関連付けられたPOPアドレスとデバイスIDを読み出す。そして、ODS31aは、SOP12aにオブジェクト検索応答メッセージを送信することによって、SOP12に応答する(ステップS34)。ステップS33で送信された受け側ユーザの装置のデバイス名を示すオブジェクト検索要求メッセージをSOP12aから受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるデバイス名がODS31aのODSキャッシュテーブルに記憶されているか否か判断する。そのデバイス名に関する情報がODS31aのODSキャッシュテーブルにあるならば、ODS31aはそのテーブル内でそのデバイス名と関連付けられたPOPアドレスとデバイスIDを読み出す。そして、ODS31aは、SOP12aにオブジェクト検索応答メッセージを送信することによって、SOP12に応答する(ステップS34)。いずれの場合も、ステップS34で送信されるオブジェクト検索応答メッセージは、通信宛先のデバイスIDと要求された通信宛先が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを示す。ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。ステップS34で送信されるオブジェクト検索応答メッセージは、さらにユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、およびデバイス名を示してよく、このメッセージを受信すると、SOP12aはそのSOPキャッシュテーブル内にそのメッセージによって示される内容をキャッシュしてもよい。
【0067】
ODS31aのODSキャッシュテーブルがステップS33で送信されたオブジェクト検索要求メッセージによって示される情報を記憶していない場合には、ODS31aはオブジェクト検索要求メッセージによって示される通信受け側ユーザがそのネットワークオペレータの加入者(すなわち、ODS31が存在するネットワークオペレータドメイン30aがリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20、例えば、図9の20aの加入者)であるか否か判断する。より具体的には、オブジェクト検索要求メッセージがユーザ名を示すならば、ODS31aはユーザ名がODS31aのODS加入者管理テーブル(図10に示される)に記憶されているか否か判断する。ODS加入者管理テーブルは、ネットワークオペレータドメイン30aに加入しているすべてのユーザのグローバルな名前と、ユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOPアドレスを記録する。オブジェクト検索要求メッセージがデバイス名を示すならば、ODS31aはデバイス名(表1参照)内の部分「user_name」を分析して、そのユーザ名がODS31aのODS加入者管理テーブルに記憶されているか否か判断する。オブジェクト検索要求メッセージによって示される通信受け側ユーザがネットワークオペレータの加入者であるならば(ODS加入者管理テーブルに記憶されていれば)、ODS31aはODS加入者管理テーブル内でユーザ名と関連付けられているPOPアドレスとユーザIDを読み出して、そのPOPアドレスとそのユーザIDを示すオブジェクト検索応答メッセージを生成する。その後、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージを送信したSOP12aに、このオブジェクト検索応答メッセージを送信する(ステップS35)。
【0068】
ODS31aからステップS35で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがユーザ名と通信のタイプを示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとその通信のタイプを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されているPOP23(例えば、図9の23a)のPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがデバイス名を示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとそのデバイスIDを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されるPOP23aのPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。その後、ODS31aは、このPOPアドレスを有するPOP23aに、このオブジェクト検索要求メッセージを送信する(ステップS36)。
【0069】
ステップS36で送信されたオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、POP23aは、そのPOP加入者管理テーブル(図11に示される)内で、オブジェクト検索要求メッセージに示されたユーザIDならびに通信のタイプもしくはデバイス名を検索し、POP加入者管理テーブル内で、ユーザIDならびに通信のタイプに関連付けられたユーザ名、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを読み出す。その後、POP23aは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを示すオブジェクト検索応答メッセージを生成して、このオブジェクト検索応答メッセージをSOP12aに送信する(ステップS37)。
【0070】
POP23aからステップS37で送信されたオブジェクト検索応答メッセージの転送の間、ODS31aはこのメッセージを中継して、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶する。このようにして、ODSキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。
【0071】
POP23aからステップS37で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、SOP12aは、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)に記憶する。このようにして、SOPキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。SOP12aは、通信宛先のデバイスIDと、要求された通信宛先が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを知る。ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。
【0072】
他方、SOP12aからステップS33で送信されたオブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名またはデバイス名に関して、ODS加入者管理テーブルにもODSキャッシュテーブルにも情報がないならば、ODS31aはGNRS40にオブジェクト検索要求メッセージを転送する(図12のステップS40)。ODS31aからオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名またはデバイス名(表1参照)内の部分「subscribe_name」を分析する。その後、GNRS40は、ユーザIDまたはデバイスID内の部分「subscribe_name」をそのGNRSマッピングテーブル(図8に示される)内で検索して、部分「subscribe_name」と関連付けられたODSアドレスを特定し、これによって、通信受け側ユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図9の20b)がリンクされた1つのネットワークオペレータドメイン30(例えば、図9のネットワークオペレータドメイン30b)のODS31(例えば、図9の31b)のアドレスを取得する。
【0073】
ODSアドレスを知ることによって、GNRS40はODS31bにオブジェクト検索要求メッセージを転送する(ステップS41)。オブジェクト検索要求メッセージを受信すると、そのODS31bは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名またはオブジェクト検索要求メッセージによって示されるデバイス名内の部分「user_name」を、そのODS加入者管理テーブル(図10に示される)内で検索する。ODS加入者管理テーブルは、ネットワークオペレータドメイン30bに加入しているすべてのユーザのグローバルな名前とユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOPアドレスを記録する。ODS31bは、ODS加入者管理テーブル内でユーザ名と関連付けられているPOPアドレスとユーザIDを読み出して、GNRS40に、オブジェクト検索応答メッセージを送信する(ステップS42)。このメッセージは、通信受け側ユーザのユーザIDと、通信受け側ユーザが属するオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図12の20b)のPOP23(例えば、図12の23b)のPOPアドレスを示す。
【0074】
ステップS42で送信されたODS31bからのオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージを送信したODS31aにオブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS43)。ODS31aも、オブジェクト検索要求メッセージを送信したSOP12aに、オブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS44)。
【0075】
ODS31aからステップS44で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがユーザ名と通信のタイプを示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとその通信のタイプを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されるPOP23(例えば、図12の23b)のPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがデバイス名を示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとそのデバイスIDを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されるPOP23aのPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。その後、ODS31aは、このPOPアドレスを有するPOP23bに、このオブジェクト検索要求メッセージを送信する(ステップS45)。
【0076】
ステップS45で送信されたオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、POP23bは、そのPOP加入者管理テーブル(図11に示される)内で、オブジェクト検索要求メッセージに示されたユーザIDならびに通信のタイプを検索し、POP加入者管理テーブル内で、ユーザIDならびに通信のタイプに関連付けられたユーザ名、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを読み出す。その後、POP23aは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを示すオブジェクト検索応答メッセージを生成して、このオブジェクト検索応答メッセージをSOP12aに送信する(ステップS46)。
【0077】
POP23bからステップS46で送信されたオブジェクト検索応答メッセージの転送の間、ODS31aはこのメッセージを中継して、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶する。このようにして、ODSキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。
【0078】
POP23bからステップS46で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、SOP12aは、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)に記憶する。このようにして、SOPキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。SOP12aは、通信宛先のデバイスIDと、要求された通信宛先が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを知る。ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。
【0079】
したがって、ステップS34、S36またはS46の後、SOP12は、ユーザの意図(すなわち、通信受け側ユーザの装置のデバイスIDと、通信受け側ユーザが属するオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレス)を知る。
【0080】
「オブジェクト申込み・データ配信」
このネットワークアーキテクチャのオブジェクト申込み・データ配信処理の動作を説明する。オブジェクト申込み・データ配信処理も、コンテンツベースの通信サービスについてもユーザトゥユーザの通信サービスについても実行される。詳細は以下に説明する。オブジェクト申込み・データ配信プロセスにおいては、「申込む」(subscribe)とは、コンテンツまたはサービスを利用する(観るまたは聴く)ために申し込むことを意味する。
【0081】
「コンテンツベースの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信」
コンテンツベースの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信処理の前に、コンテンツベースの通信サービスのための上記のユーザ意図分析処理が完了され、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図13の11a)が最初にオブジェクト要求メッセージを送信したSOP12(例えば、図13の12a)は、そのユーザの意図、すなわち、オブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図13の20b)のPOPアドレスを知っていなければならない。この状態で、図13に示すように、SOP12aは、上記のユーザ意図分析処理で取得されたPOPアドレスで特定されるPOP23(例えば、図13のPOP23b)にオブジェクト申込み要求メッセージを送信する(ステップS51)。このオブジェクト申込み要求メッセージは、オブジェクト要求メッセージでも使われたコンテンツ名を示す。オブジェクト申込み要求メッセージは、通信要求ユーザのユーザ装置11のデバイスIDも示す。
【0082】
SOP12aからオブジェクト申込み要求メッセージ(object-subscribe-request message)を受信すると、POP23bはそのPOP登録テーブル(図3に示される)内でコンテンツ名を検索して、コンテンツ名と関連付けられたオブジェクトソースサーバアドレスを特定し、これによって、要求されたコンテンツを提供することができるオブジェクトソースサーバ22(例えば、図13の22b)のアドレスを取得する。
【0083】
オブジェクトソースサーバのアドレスを知ることによって、POP23bは、オブジェクトソースサーバ22bにオブジェクト申込み要求メッセージを転送する(ステップS52)。コンテンツ名を示すオブジェクト申込み要求メッセージを受信すると、オブジェクトソースサーバ22bは、コンテンツ名に関連付けられたコンテンツデータをそのオブジェクトソースサーバ22b内で検索して、オブジェクト申込み要求メッセージで送信されたユーザ装置11aのデバイスIDに従って通信要求ユーザのユーザ装置11aに、要求されたコンテンツデータを送信する(ステップS53)。このようにして、通信要求ユーザは、コンテンツデータとメタデータ情報に基づいて実行されるコンテンツを利用することができる。
【0084】
通信要求ユーザのユーザ装置11とPOP23の間に介在してコンテンツデータを中継したルータ32は、コンテンツデータのコピーを作成してもよく、コンテンツ名と一緒にそのコピーをキャッシュしてもよい。同じネットワークオペレータドメイン30に加入している他のユーザが同じコンテンツを要求するとき、このことはダウンロード速度を向上させることができる。
【0085】
ステップS53で通信要求ユーザのユーザ装置11にコンテンツデータを転送したSOP12(このSOPは、ユーザ意図分析処理でのステップS20で通信要求ユーザのユーザ装置11にメタデータ情報も転送した)は、コンテンツデータとメタデータ情報のコピーを作成して、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10のためにコンテンツ名と一緒にそれらのコピーをキャッシュする。このキャッシングの結果は、ユーザ意図分析処理でのステップS11とS12に関連して説明したSOPキャッシュテーブル(図6に示される)に含まれる。したがって、同じ加入者ドメイン10内の他の通信要求ユーザのユーザ装置11がSOP12に同じコンテンツを要求する他の1つのオブジェクト要求メッセージを送信するとき、SOP12は、ODS31にオブジェクト検索要求メッセージを送信したりPOP23にオブジェクト申込み要求メッセージを送信したりすることなく、コンテンツデータをユーザ装置11へ送信することができる。
【0086】
「ユーザトゥユーザの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信」
ユーザトゥユーザの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信処理の前に、ユーザトゥユーザの通信サービスのための上記のユーザ意図分析処理が完了され、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図14の11a)が最初にオブジェクト要求メッセージを送信したSOP12(例えば、図14の12a)は、そのユーザの意図、すなわち、通信宛先のデバイスIDと通信宛先が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図14の20b)のPOPアドレス)を知っていなければならない。この状態で、図14に示すように、SOP12は、上記のユーザ意図分析処理で取得されたPOPアドレスで特定されるPOP23(例えば、図14のPOP23b)にオブジェクト申込み要求メッセージを送信する(ステップS61)。このオブジェクト申込み要求メッセージは、上記のユーザ意図分析処理で取得された通信宛先のデバイスIDを示す。このオブジェクト申込み要求メッセージは、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図14の11a)のデバイスIDと通信のタイプも示し、ユーザ装置11aとユーザ装置21bの間でのエンドトゥエンドの交渉を容易にする。
【0087】
ステップS61でSOP12aから送信されたオブジェクト申込み要求メッセージを受信すると、POP23bは、オブジェクト申込み要求メッセージによって示されるデバイスIDを使って、通信宛先(例えば、図14のユーザ装置21b)を特定して、通信宛先にオブジェクト申込み要求メッセージを転送する(ステップS62)。両方のデバイスIDを使うユーザ装置11aとユーザ装置21bとの間のエンドトゥエンドの交渉の後、オブジェクト申込み要求メッセージによって示される通信のタイプに従って通信が始まる(ステップS63)。例えば、通信受け側ユーザの装置21bは、通信要求ユーザの装置11aからの要求に基づいて、データを送信する。あるいは、両方の装置でVoIP通信が利用される。
【0088】
コンテンツベースの通信サービスとは異なり、通信宛先のユーザがデータを公開したくないならば、送信されたデータは中間のルータ32でコピーもキャッシュもしてはならない。
【0089】
通信要求ユーザによって要求される通信のタイプが電子メール送信であるならば、通信受け側ユーザの装置を特定することは必要ではない。したがって、電子メール送信の場合には、電子メールサーバのアドレスが通信受け側ユーザのためのデバイスIDとして使われ、通信のタイプが電子メール送信を示すとき、電子メールサーバアドレスがデバイスIDとして上記のSOPキャッシュテーブル、ODSキャッシュテーブルおよびPOP加入者管理テーブルに記憶される。この場合、上記のオブジェクト申込み・データ配信プロセスの代わりに、SOP12はPOP23にデバイスID(電子メールサーバアドレス)を示す電子メールを送信し、POP23は電子メールサーバアドレスを使って電子メールを転送する。
【0090】
本発明の実施の形態によれば、ユーザ、装置およびコンテンツは、これらの位置のインジケータ(POPアドレス)と関連付けられているが、位置のインジケータはそれらの名前またはIDとは異なる。このネットワークアーキテクチャは、通信要求ユーザが所望のコンテンツを指定するコンテンツベースの通信と、通信要求ユーザが通信受け側ユーザまたは通信受け側装置を指定するエンドトゥエンドの通信の両方に便利である。コンテンツ、装置またはユーザと、その位置の関係は、ネットワークオペレータドメイン30の各々とオブジェクトプロバイダドメイン20の各々で管理され、デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメインのインジケータと、ODS31のアドレスの関係は、GNRS40で管理される。デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名がメッセージで指定されるとき、装置、ユーザまたはコンテンツの位置が特定されうる。その上、適切なエンティティが受信データをキャッシュするので、他のユーザも同じコンテンツを要求するとき、ダウンロード速度が向上しうる。
【0091】
さらに、通信要求ユーザが通信受け側ユーザの特定のデバイス名を知らないが、通信要求ユーザがユーザ名を知っていて、通信のタイプを指定するならば、適切なユーザ装置が通信相手として特定されうる。単一のユーザが複数の通信デバイスを管理しているか所有していることが多いので、これは便利である。
【符号の説明】
【0092】
10:加入者ドメイン、
11:ユーザ装置、
12:SOP(加入者オブジェクトプロキシ、Subscriber Object Proxy、第1のプロキシ装置)、
12C:SOPキャッシュメモリ(第1のプロキシキャッシュメモリ)、
20:オブジェクトプロバイダドメイン、
21:ユーザ装置、
22:オブジェクトソースサーバ、
23:POP(公開者オブジェクトプロキシ、Publisher Object Proxy、第2のプロキシ装置)、
23M:POPメモリ(プロバイダドメインメモリ)、
30:ネットワークオペレータドメイン、
31:ODS(オブジェクトDirectory Server、ディレクトリサーバ)、
31C:ODSキャッシュメモリ(ディレクトリサーバキャッシュメモリ)、
31M:ODSメモリ(ディレクトリサーバメモリ)、
32:ルータ、
40:GNRS(グローバルネーム分析サーバ、Global Name Resolution Server)、
40M:GNRSメモリ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはネットワークアーキテクチャに関するものであって、より具体的には将来のインターネットに適切なネットワークアーキテクチャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のネットワーク環境は、新しい技術と新しいニーズの出現のために重大な難問に直面している。近い将来、移動(無線)ユーザユニットがより多くなるだけでなく、マシントゥマシンタイプ(machine-to-machine type)の通信デバイスもより多くなるであろう。この明細書では、「マシントゥマシンタイプの通信」という用語は、人間の相互作用または人間の介入を必要としない要素の間のデータ通信の形式(例えば低電力センサまたは電子タグと管理装置との間の通信)を意味する。ほとんどすべてのそのような移動通信デバイスは、インターネットに接続されるであろう。その結果、将来のインターネットは、多くの異なる種類のネットワーク技術(例えば有線のネットワーク、ワイヤレスLAN、携帯電話(3GおよびLTE)ネットワーク、センサネットワーク、その他)の寄せ集めになるであろう。したがって、将来の移動環境のために、統合的なネットワークアーキテクチャが必要とされる。
【0003】
多くの場合、ユーザは、ウェブページ内の例えば動画または説明といった実際の事象に関する情報またはサービスに興味がある。言い換えると、ユーザは、データとコンテンツのトポロジー上の位置よりもむしろ、データとコンテンツに関心がある。したがって、コンテンツ中心の(content-centric)またはサービス中心の(service-centric)通信技術が、将来のインターネットサービスのために必要になるであろう。さらにまた、各々のユーザが同時にオンラインする複数の装置を持つかもしれないので、ユーザ中心の(user-centric)通信技術が将来のインターネットのためにサポートされなければならない。
【0004】
現在のインターネットの通信アーキテクチャは、単一のプロトコル(インターネットプロトコル(IP))に基づいて相互作用している(例えば、everything on IP, IP on everything)。しかし、現在のインターネットアーキテクチャにはIPアドレスの使用上の問題がある。特に、IPアドレスはホスト識別子(ID)とロケータの両方の働きをする。言い換えると、IPアドレスは、特定のトポロジー上の位置を特定するため、つまりパケットをルーティングするためのロケータとしてもネットワーク層で使われ、ネットワークホストでインターフェースを特定するためのID(ひいては通信セッションの識別情報)としてトランスポート層とアプリケーション層でも使われる。基本的に、現在のインターネットアーキテクチャでは、セッションの間にIPアドレスが不変のままであることを要求する。これは、IPアドレスが変更されることは、両方のエンドポイントのIDが変更されたことを示し、通信セッションが終了したことを示すことを意味する。IPアドレスの2つの役割は将来のモバイル環境には適切ではない。というのもモビリティの要求は、IPアドレスの変更を要求することになるからである。IPアドレスの二重の役割に伴う問題を解決するために、通信セッションの打ち切りを避けるようにロケータと識別子の役割を分離すべきである。
【0005】
通信デバイスのモビリティを現在のインターネットアーキテクチャ(例えばMobile IPv6(MIPv6)、Proxy Mobile IPv6(PMIPv6)、Network Mobility(NEMO)、その他)をサポートするために、多くの解決策が提案されてきている。しかし、これらの解決策は継ぎ当て(patch-on)の形式を提供するに過ぎないため、これらの解決策は様々なタイプの移動通信装置のためのモビリティ制御をうまく統合しておらず、そのため、これらは複雑さを加えてネットワークパフォーマンスを減少させる。
【0006】
したがって、現在のインターネットアーキテクチャを根本的に変えることに関する議論がなされている。特に、Host Identify Protocol(HIP)、Site Multi-homing by IPv6 Intermediation (SHIM6)、Locator/Identifier Separation Protocol (LISP)、Host Name and Identifier System (HNIS)、およびMobile-Oriented Future Internet (MOFI)を含むID/ロケータ分離(IDとロケータの分離)のための様々な技術が提案されてきた。
【0007】
現在のインターネットアーキテクチャは、パケットが終端ホストの間で交換されるエンドトゥエンドのメッセージに指向させられた通信には便利である。しかし、今日の大部分のインターネットトラフィックは、コンテンツ指向性かデータ指向性であり、インターネット利用者は、位置または装置ではなく、現実の事象に関する情報、データ、コンテンツまたはサービスに興味がある。動画ストリーミングは、近年の世界的なインターネットトラフィックの成長の主要な一因であり、それは全体のトラフィックの50%を占める。通信シナリオにおける趨勢は、「どこに」情報があるかということよりも、「何が」交換されるかということがより重要になっていることを示す。したがって、インターネットは根本的に新しいアーキテクチャに置き換えるべきである。コンテンツ配信のためにいくつかのプロトコルがある。例えば、Content-Centric Network(CCN)とPublish/Subscribe Internet Routing Paradigm(PSIRP)である。例えば、CCNは非特許文献1および非特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Future Content Network Group, "Why do we need a Content-centric Future Internet?", online, found on January 29, 2011, (http://www.future-internet.eu/fileadmin/documents/prague_documents/FIA-FCN_Internet_Architecture_20090507.pdf)
【非特許文献2】Gareth Tyson, "A Middleware Approach to Building Content-Centric Applications", online, found on January 29, 2011, (http://eprints.comp.lancs.ac.uk/2337/1/PhD.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
提案されたID/ロケータ分離技術および提案されたコンテンツ配信ネットワーキングアーキテクチャは、両方とも将来のインターネットに対する革命的なステップであるものの、これらには未だにいくつかの限界がある。提案されたID/ロケータ分離技術(HIP、SHIM6、LISP、HNISおよびMOFI)は、エンドトゥエンドの通信にのみ焦点を合わせており、コンテンツ配信ネットワーキングを扱うように設計されてはいない。また、提案されたID/ロケータ分離技術は、膨大な数の装置をサポートすることに不十分でない。提案されたID/ロケータ分離技術では、IDに装置を結びつけてマッピングするためにID/位置情報のすべてを管理しなければならないが、従来の管理技術は、低電力のセンサと電子タグを含むマシントゥマシンタイプの通信装置の増加を考慮することなく開発されてきた。
【0010】
他方、提案されたコンテンツ配信ネットワーキングアーキテクチャ(CCNとPSIRP)においては、ネットワークシステムは、ユーザが関心を持つコンテンツを配送するが、オブジェクト意識型のネットワーキングの特徴を達成しない。言い換えると、提案されたコンテンツ配信ネットワーク側は、通信要求ユーザが観たり聴いたりしたいコンテンツにだけ考慮を払い、通信受け側ユーザ、通信受け側ユーザの装置、または特定のサービス(通信要求ユーザが利益を享受したい)を考慮しない。この明細書では、「オブジェクト意識型のネットワーキング」という用語は、例えば、各通信要求ユーザの意図(例えば、通信受け側のユーザ、通信受け側の装置および特定のサービス(通信要求ユーザが利益を享受したい))も、通信要求ユーザが観たり聴いたりしたいコンテンツに加えて、ネットワーク側が考慮する、情報の交換またはサービスの一形式を意味する。この文脈において、「オブジェクト」という用語は、コンテンツだけではなく、ユーザ、装置およびサービスを含むことを意図している。現在のインターネットトラフィックはコンテンツ指向型であるが、将来のインターネットアーキテクチャは、ユーザトゥユーザ、ユーザトゥサービスおよびユーザトゥコンテンツを含む様々なタイプの通信モデルをサポートしなければならない。
【0011】
そこで、本発明は、ユーザ、装置およびコンテンツがそれらの位置のインジケータに関連付けられているが、位置のインジケータがそれらの名前またはIDとは異なっており、通信要求ユーザが所望のコンテンツを指定するコンテンツベースの通信と、通信要求ユーザが通信受け側ユーザまたは通信受け側装置を指定するエンドトゥエンドの通信の両方に便利であるネットワークアーキテクチャを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、複数の加入者ドメイン(10)と、複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)と、ネットワークオペレータドメイン(30)と、メッセージルーティングサーバ装置(40)とを備えるネットワークアーキテクチャであって、前記加入者ドメイン(10)の各々に、複数の第1のユーザが加入しており、前記第1のユーザの各々が少なくとも1つの第1のユーザ装置(11)を所有または管理しており、前記加入者ドメイン(10)の各々は第1のプロキシ装置(12)を備え、前記第1のプロキシ装置(12)は、前記第1のプロキシ装置(12)が配置された前記加入者ドメイン(10)に加入している前記第1のユーザの前記第1のユーザ装置(11)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々に、複数の第2のユーザが加入しており、前記第2のユーザの各々は、その第2のユーザに普遍的に特有なユーザ名とユーザIDを有し、前記第2のユーザの各々が少なくとも1つの第2のユーザ装置(21)を所有または管理しており、前記第2のユーザ装置(21)の各々は、その第2のユーザ装置(21)に普遍的に特有なデバイス名とデバイスIDを有し、各デバイス名はその第2のユーザ装置(21)にとっての第2のユーザのユーザ名を含んでおり、ユーザ名とデバイス名の各々はその第2のユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は第2のプロキシ装置(23)を備え、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記第2のプロキシ装置(23)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している前記第2のユーザの前記第2のユーザ装置(21)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、前記第2のプロキシ装置(23)の各々は第2のプロキシアドレスを有し、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、コンテンツとそのコンテンツを使用するのに不可欠なメタデータ情報を記憶するオブジェクトソースサーバ(22)を備え、各コンテンツはコンテンツ名を有し、コンテンツ名はそのコンテンツに普遍的に特有であって、そのコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されているオブジェクトプロバイダドメイン(20)にリンクされているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、そのオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザの第2のユーザ装置(21)の各々のための情報を記憶するプロバイダドメインメモリ(23M)を備え、第2のユーザ装置の各々のための情報は、第2のユーザ装置のデバイス名、第2のユーザ装置のデバイスID、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザ名、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザID、通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、前記複数の加入者ドメイン(10)のいくつかおよび前記複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)のいくつかにリンクさせられており、ネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされた加入者ドメイン(10)に加入している第1のユーザおよびネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザは、そのネットワークオペレータドメイン(30)に加入しており、前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、ディレクトリサーバメモリ(31M)を備えるディレクトリサーバ装置(31)を備え、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記ネットワークオペレータドメイン(30)に加入している各第2のユーザのための情報を記憶し、各第2のユーザのための情報は、第2のユーザのユーザ名、第2のユーザのユーザID、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記オブジェクトソースサーバ(22)に記憶された公開可能なコンテンツの各々のための情報を記憶し、公開可能なコンテンツの各々のための情報は、コンテンツのコンテンツ名、コンテンツのためのメタデータ情報、およびコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバ装置(31)の各々はディレクトリサーバアドレスを有しており、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、前記複数のネットワークオペレータドメイン(30)にリンクさせられ、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)を備え、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)は、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報を記憶し、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報は、ユーザ名、デバイス名またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータと、ネットワークオペレータドメイン(30)内のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスの関係を記述しており、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、メッセージに含まれるユーザ名、デバイス名、またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定するネットワークアーキテクチャが提供される。
【0013】
本発明によれば、ユーザ、装置およびコンテンツは、これらの位置のインジケータ(第2のプロキシアドレス)と関連付けられているが、位置のインジケータは、それらの名前またはIDとは異なる。ネットワークアーキテクチャは、通信要求ユーザが所望のコンテンツを指定するコンテンツベースの通信と、通信要求ユーザが通信受け側ユーザまたは通信受け側装置を指定するエンドトゥエンドの通信の両方に便利である。コンテンツ、装置またはユーザとその位置は、ネットワークオペレータドメイン(30)の各々とオブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々で管理され、デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメインのインジケータと、ネットワークオペレータドメイン(30)のディレクトリサーバ装置(31)の関係は、メッセージルーティングサーバ装置(40)で管理される。デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名がメッセージに示されるとき、装置、ユーザまたはコンテンツの位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図2】オブジェクト登録が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図3】オブジェクト登録によって作成される登録テーブルを示す図である。
【図4】オブジェクト登録によって作成される他の1つの登録テーブルを示す図である。
【図5】コンテンツベースの通信サービスのためのユーザ意図分析処理が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図6】前記ネットワークアーキテクチャで使われるキャッシュテーブルを示す図である。
【図7】前記ネットワークアーキテクチャで使われる他の1つのキャッシュテーブルを示す図である。
【図8】前記ネットワークアーキテクチャで使われるマッピングテーブルである。
【図9】ユーザトゥユーザの通信サービスのために、ユーザ意図分析処理が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図10】前記ネットワークアーキテクチャで使われる管理テーブルを示す図である。
【図11】前記ネットワークアーキテクチャで使われる他の1つの管理テーブルを示す図である。
【図12】ユーザトゥユーザの通信サービスのために、ユーザ意図分析処理が実行される前記ネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図13】コンテンツベースの通信サービスのために、オブジェクト申込み・データ配信(object-subscribe-and-data-delivery)処理が実行されるネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【図14】エンドトゥエンドの通信サービスのために、オブジェクト申込み・データ配信処理が実行されるネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
「ネットワークアーキテクチャの概要」
図1は、本発明に係るネットワークアーキテクチャのレイアウトを示す。このネットワークアーキテクチャは、将来のインターネットに適切である。このネットワークは、複数の加入者ドメイン10、複数のオブジェクトプロバイダドメイン20、複数のネットワークオペレータドメイン30、およびサーバ装置40を備え、サーバ装置40は、以下グローバルネーム分析サーバ(Global Name Resolution Server、GNRS)と呼ばれる。
【0016】
加入者ドメイン10の各々は、物理的なネットワークであって、複数のユーザが加入(所属)することができるユーザアクセスネットワークであってよい。したがって、加入者ドメイン10の各々は有線または無線で通信可能な複数のユーザ装置11を有する。このようなユーザアクセスネットワークは、例えば、家庭のネットワーク、会社ネットワーク、キャンパスネットワークおよびモバイルブロードバンドアクセスネットワークを含みうる。ユーザ装置11は、通常のコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、ならびにセンサおよび電子タグを含むマシントゥマシンタイプの通信装置であってよい。1人のユーザは、1つのユーザ装置11を持つかもしれないし、複数のユーザ装置11を持つかもしれない。
【0017】
オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、公開者ドメインと呼ぶこともでき、コンテンツプロバイダまたはポータルサービスプロバイダによって所有されているネットワークであってよい。オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、複数のオブジェクトソースサーバ22または複数のユーザ装置21を有することができる。オブジェクトソースサーバ22の各々は、加入者ドメイン10のいずれか1つに属する通信要求ユーザによって要求されるであろうコンテンツに関する様々なコンテンツデータを記憶する。また、オブジェクトソースサーバ22の各々は、コンテンツデータのためのメタデータ情報を記憶する。メタデータ情報は、情報資源を記述もしくは説明するか、その位置を示すか、またはそれの読み出し、使用、もしくは管理を容易にする体系化された情報である。メタデータ情報は、例えば、タイトル、コンテンツの短い概要、コンテンツの作成者、作成日、ファイルサイズ、コンテンツのタイプ(動画、静止画像、テキストまたは音楽)、およびファイルフォーマットを示す。したがって、メタデータ情報は、メタデータ情報と関連付けられたコンテンツの使用に不可欠な情報要素を有する。1人のユーザは、1つのユーザ装置21を持つかもしれないし、複数のユーザ装置21を持つかもしれない。
【0018】
オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、サービスまたはコンテンツを得るために通信したい通信要求ユーザから観て論理的なネットワークである。これはすなわち、各々のドメイン20がオブジェクトプロバイダドメインと呼ばれる理由が、ドメイン20がコンテンツプロバイダまたはポータルサービスプロバイダによって所有されて、通信要求ユーザの要求を満足させるであろう少なくとも1つの装置を有するからであるということを意味する。加入者ドメイン10のうちの1つがコンテンツプロバイダまたはポータルサービスプロバイダによって所有されて、少なくともそのような装置を有するならば、そのドメイン10はオブジェクトプロバイダドメイン20でもありえる。
【0019】
ネットワークオペレータドメイン30の各々は、世界的なまたは広域のネットワークオペレータによって所有されている物理的なネットワークである。そのようなネットワークオペレータは、有線または無線の物理的なネットワーキングを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)または移動ブロードバンドネットワークオペレータであってよい。図1に示すように、ネットワークオペレータドメイン30の各々に、少なくとも1つのオブジェクトプロバイダドメイン20と少なくとも1つの加入者ドメイン10がリンクさせられている。ユーザオブジェクトプロバイダドメイン20または加入者ドメイン10のユーザ、すなわち加入者(所属者)は、その加入者が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20または加入者ドメイン10がリンクされたネットワークオペレータドメイン30の加入者(所属者)でもある。
【0020】
加入者ドメイン10の各々は、加入者オブジェクトプロキシ(subscriber object proxy、SOP)と呼ばれるプロキシサーバ装置12を有する。SOP(第1のプロキシ装置)12は、機械読み取り可能なプログラムの制御の下で動作させられる機能的なエンティティであって、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10の加入者(ユーザ装置11)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作する。
【0021】
後に詳述するように、SOP12はユーザ意図分析処理(user-intent-resolution process)を実行するための特徴である。SOP12がその加入者ドメイン10にあるユーザ装置11からコンテンツベースの通信サービスを要求しコンテンツ名を示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、ユーザ意図分析処理は、そのコンテンツのために使用されるメタデータ情報および通信でルーティングされるべきPOP23のアドレスを特定する。SOP12がその加入者ドメイン10にあるユーザ装置11からエンドトゥエンドの通信サービスを要求し、ユーザ名と通信のタイプを示すか、デバイス名だけを示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、ユーザ意図分析処理は、通信でルーティングされるべき通信宛先(ユーザ装置21の1つ)のデバイスIDを特定する。
【0022】
SOP12の各々は、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10に加入しているすべてのユーザのユーザIDを記憶する。また、SOP12の各々は、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10に加入しているすべてのユーザの装置のデバイスIDを記憶する。
【0023】
SOP12の各々は図6に示されるSOPキャッシュメモリ(第1のプロキシキャッシュメモリ)12Cを有し、SOPキャッシュメモリ12CはSOPキャッシュテーブルを有する。SOPキャッシュテーブルは、オブジェクトプロバイダドメイン20内のオブジェクトソースサーバ22の1つに記憶されたコンテンツ(コンテンツデータ)のコンテンツ名、そのコンテンツデータ、およびそのコンテンツデータのためのメタデータ情報を記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、コンテンツデータおよびメタデータ情報は、SOPキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。コンテンツベースの通信において、通信要求ユーザ装置11による要求に応答してコンテンツデータを送信したオブジェクトプロバイダドメイン20の1つからコンテンツデータをSOP12が受信すると、各々のセットはSOPキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0024】
また、SOPキャッシュテーブルは、1つのオブジェクトプロバイダドメイン20のユーザのユーザ名およびユーザID、そのユーザによって所有または管理されるユーザ装置21のデバイス名およびデバイスID、そのユーザ装置21でサポートされる通信のタイプ(例えば、電子メール送信、VoIP(voice over IP)、デバイストゥデバイス通信、サーバクライアント通信、その他)を示す通信タイプインジケータ、ならびにユーザ装置21が位置するオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを記録する。装置ごとに、ユーザ名、ユーザID、通信タイプインジケータ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスは、SOPキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。エンドトゥエンドの通信において、このようなセットを送信した1つのオブジェクトプロバイダドメイン20からセットをSOP12が受信すると、各々のセットはSOPキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0025】
オブジェクトプロバイダドメイン20の各々は、公開者オブジェクトプロキシ(publisher object proxy、POP)と呼ばれるプロキシサーバ装置23を有する。POP(第2のプロキシ装置)23は、機械読み取り可能なプログラムの制御の下で動作させられる機能的なエンティティであって、そのPOP23が配置された、例えばコンテンツプロバイダネットワークまたはポータルサービスプロバイダネットワークといったオブジェクトプロバイダドメイン20の加入者(オブジェクトソースサーバ22およびユーザ装置21の少なくとも1つ)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作する。
【0026】
POPの各々は、図3に示されるPOPメモリ(プロバイダドメインメモリ)23Mを有し、POPメモリ23MはPOP登録テーブルを有する。POP登録テーブルは、そのPOP23が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20内のオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツ(コンテンツデータ)のコンテンツ名、そのオブジェクトソースサーバ22のアドレス、そのコンテンツデータのためのメタデータ情報、ならびに内部使用フラグもしくは公開フラグを記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、オブジェクトソースサーバのアドレス、メタデータ情報およびフラグは、POP登録テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。各々のセットは、後述するオブジェクト登録によって、POPメモリ23Mに永久的に記憶される。
【0027】
また、図11に示すように、POPメモリ23Mは、POP加入者管理テーブルを有する。POP加入者管理テーブルは、そのPOP23が配置された1つのオブジェクトプロバイダドメイン20のユーザのユーザ名およびユーザID、そのユーザによって所有または管理されるユーザ装置21のデバイス名およびデバイスID、そのユーザ装置21でサポートされる通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、ならびにそのPOP23のPOPアドレスを記録する。装置ごとに、ユーザ名、ユーザID、通信タイプインジケータ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスは、POP加入者管理テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。このように、POP23の各々は、そのPOP23が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているすべてのユーザのユーザIDを記憶し、そのPOP23が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているユーザの装置のすべてのデバイスIDを記憶する。
【0028】
ネットワークオペレータドメイン30の各々は、オブジェクトディレクトリサーバ(object directory server、ODS)と呼ばれるディレクトリサーバ31を有する。ODS31は、機械読み取り可能なプログラムの制御の下で世界的なまたは広域のネットワークオペレータによって動作させられる。
【0029】
ODS31の各々は、図4に示されるODSメモリ(ディレクトリサーバメモリ)31Mを有し、ODSメモリ31MはODS登録テーブルを有する。ODS登録テーブルは、ODS31が配置された がリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20のオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツのコンテンツ名、そのオブジェクトソースサーバ22へのルーティングのためのPOP23のアドレス、ならびにそのコンテンツのためのメタデータ情報を記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、オブジェクトソースサーバのアドレス、およびメタデータ情報は、ODS登録テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。各々のセットは、オブジェクト登録によって、ODSメモリ31Mに永久的に記憶される。
【0030】
また、図10に示すように、ODSメモリ31MはODS加入者管理テーブルを有する。ODS加入者管理テーブルは、ODS31が配置されたネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているユーザのユーザ名およびユーザID、ならびにそのオブジェクトプロバイダドメイン20内のそのユーザの装置へのルーティングのためのPOP23のPOPアドレスを記録する。ユーザごとに、ユーザ名、ユーザIDおよびPOPアドレスは、ODS加入者管理テーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。このように、ODS31の各々は、そのODS31が配置されたネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているすべてのユーザのユーザIDと位置を記憶する。
【0031】
ODS31の各々は、図7に示されるODSキャッシュメモリ(ディレクトリサーバキャッシュメモリ)31Cを有し、ODSキャッシュメモリ31CはODSキャッシュテーブルを有する。ODSキャッシュテーブルは、他のODS31が配置された他のネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20内の1つのオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツ(コンテンツデータ)のコンテンツ名、そのオブジェクトソースサーバ22へのルーティングのためのPOP23のアドレス、ならびにそのコンテンツデータのためのメタデータ情報を記録する。コンテンツごとに、コンテンツ名、POPアドレス、ならびにメタデータ情報は、ODSキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。コンテンツベースの通信のためのユーザ意図分析処理でODS31がGNRS40からメタデータ情報とPOPアドレスを受信すると、各々のセットはODSキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0032】
また、ODSキャッシュテーブルは、他のODS31が配置された他のネットワークオペレータドメイン30にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20に加入しているユーザのユーザ名およびユーザID、そのユーザに所有または管理されるユーザ装置21のデバイス名およびデバイスID、そのユーザ装置21でサポートされる通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、ならびにそのオブジェクトプロバイダドメイン20内のそのユーザの装置へのルーティングのためのPOP23のPOPアドレスを記録する。ユーザごとに、ユーザ名、ユーザID、通信タイプインジケータ、デバイス名、デバイスIDならびにPOPアドレスは、ODSキャッシュテーブル内で1つの情報セットとして関連付けられる。エンドトゥエンドの通信のためのユーザ意図分析処理でODS31がGNRS40からセットの内容を受信すると、各々のセットはODSキャッシュメモリ12Cにキャッシュされる。
【0033】
各々の要素(SOPキャッシュメモリ12CとODSキャッシュメモリ31C)でキャッシュされた情報セットは、適切な方式に従って消去されうる。例えば、
(i)キャッシュされたセットは、記憶の後所定の時間が経過すると消去される。
(ii)キャッシュメモリが満杯またはほぼ満杯になって新しいセットがキャッシュされるべき場合に、最も古いキャッシュされたセットが新しいセットを受け入れるために消去される。
(iii)キャッシュメモリが満杯またはほぼ満杯になって新しいセットがキャッシュされるべき場合に、最も使用頻度が少ないセットが消去される。
【0034】
また、ネットワークオペレータドメイン30は、他のドメインに信号をルーティングするために複数のルータ32を有する。
【0035】
本発明の実施の形態に係るネットワークアーキテクチャにおいては、ユーザと装置の各々には、ユーザと装置を特定するために、グローバルな名前とIDが与えられなければならない。したがって、ユーザはユーザ名(グローバルな名前として)とユーザIDを持っており、ユーザ名またはユーザIDによって特定され、装置はデバイス名(グローバルな名前として)とデバイスIDを持っており、デバイス名またはデバイスIDによって特定される。また、コンテンツはコンテンツ名(グローバルな名前として)を持っており、コンテンツ名によって特定される。グローバルな名前は、世界的に有意であってどこからでも通用する特有の名前である。グローバルな名前は、可変長の文字セットで示され、人間が読み取れて思い出せる文字列でなければならない。一方、IDはグローバルにユニークな文字列ではあるが、人間に記憶されなくてもよい。グローバルな名前の各々は、通信の初期段階で通信要求ユーザ(人間)によって示すことができる一方、IDの各々は通信プロトコルで使われる。
【0036】
表1は、本発明の実施の形態に係るネットワークアーキテクチャでのグローバルな名前とIDの構造に関する規則を示す。
【表1】
【0037】
表1において、最初の文字、「u」、「d」または「c」は、通信要求ユーザの意図の理解を容易にするための一種のセパレーターである。つまり、「u」、「d」および「c」は、それぞれユーザ名、デバイス名、およびコンテンツ名を表す。
【0038】
表1のグローバルなユーザ名またはグローバルなデバイス名において、部分「user_name」は、ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン30で有意な(加入者ドメイン10またはオブジェクトプロバイダドメイン20でも有意な)特有のユーザ名である。グローバルなユーザ名またはグローバルなデバイス名において、部分「subscribe_name」は、ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン30を運営している世界的なまたは広域のネットワークオペレータの特有の名前である。よって、部分「subscribe_name」は、ユーザまたは装置が加入しているネットワークオペレータドメイン30を示す。グローバルなデバイス名において、部分「device name」は、装置が加入しているネットワークオペレータドメイン30で有意な(加入者ドメイン10またはオブジェクトプロバイダドメイン20でも有意な)特有のデバイス名である。部分「user_name」がグローバルなユーザ名の各々だけでなく、グローバルなデバイス名の各々にも含まれる点に留意する必要がある。グローバルなデバイス名の各々において、部分「user_name」は装置の所有者または管理者を示す。
【0039】
表1のグローバルなコンテンツ名において、部分「URI」は、「http」または「https」スキームが除外された統一リソース識別子(Uniform Resource Identifier)である。通信要求ユーザがウェブサイトにアクセスしてウェブサイトから特定のコンテンツデータ(例えば、動画、静止画像、テキストまたは音楽)を受信するために、「URI」に対応するウェブサイト上の特定のコンテンツデータを指定したいとき、グローバルなコンテンツ名が使われる。表1から理解されるように、グローバルなコンテンツ名も部分「subscribe_name」(より具体的には、docomo.com)を含む。特定のコンテンツデータを受信するためのウェブサイトアクセスの場合、グローバルなコンテンツ名の各々における部分「subscribe_name」は、ウェブサイトが属するオブジェクトプロバイダドメイン20がリンクされたネットワークオペレータドメイン30を示す。上記から理解されるように、「オブジェクト」としての用語「コンテンツ」は、ウェブサイト上の特定のコンテンツデータを示す。
【0040】
以下の説明では、「グローバル」という用語は、グローバルな名前から省略されうる。
【0041】
GNRS(メッセージルーティングサーバ装置)40は、複数のネットワークオペレータドメイン30にリンクさせられている。GNRS40は、図8に示すGNRSマッピングテーブルを記憶するために、GNRSメモリ(サーバメモリを送っているメッセージ)40Mを有する。GNRSマッピングテーブルは、ユーザ名またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン30のインジケータとネットワークオペレータドメイン30のODS31の関係を管理する。より具体的には、GNRSマッピングテーブルは複数の情報セットを記憶し、各情報セットはODS31のアドレスと「subscribe_name」と有する。上記のように、「subscribe_name」はネットワークオペレータドメイン30を運営しているネットワークオペレータの名前であるから、ネットワークオペレータドメイン30のインジケータとみなすことができる。部分「subscribe_name」は、デバイス名、ユーザ名およびコンテンツ名のすべてに含まれる。デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名がメッセージにおいて示されるとき、GNRS40はGNRSマッピングテーブルに基づいてODS31のアドレスを判断して、ODS31を有するネットワークオペレータドメイン30にメッセージをルーティングする。
【0042】
「オブジェクト登録」
図2を参照して、ネットワークアーキテクチャのオブジェクト登録の動作を説明する。上記のように、オブジェクトソースサーバ22の各々は、加入者ドメイン10のいずれか1つに加入している通信要求ユーザを満足させるコンテンツに関する様々なコンテンツデータを記憶する。オブジェクト登録処理は、オブジェクトプロバイダドメイン20の内部での使用の目的、またはネットワークアーキテクチャ内での広範囲の使用の目的でのコンテンツの登録のために実行される。
【0043】
オブジェクトソースサーバ22の各々の操作スタッフは、コンテンツの公開(公共的使用)用または内部使用(個人的な使用)用にPOP23にオブジェクトソースサーバ22に記憶されたコンテンツ(より正確には、コンテンツデータ)を登録するために、オブジェクトプロバイダドメイン20内のPOP23にオブジェクト公開または個人使用メッセージを送信するようにオブジェクトソースサーバ22に指示するために、オブジェクトソースサーバ22を操作することができる(ステップS1)。
【0044】
オブジェクト公開または個人使用メッセージは、コンテンツ名、メタデータ情報、メッセージの宛先であるPOP23のPOPアドレス、および内部使用フラグまたは公開フラグを有する。このメッセージは、コンテンツを記憶しているオブジェクトソースサーバ22のアドレスを示すソースアドレスを有する。
【0045】
そのオブジェクトがオブジェクトプロバイダドメイン20内でだけ使用されることを操作スタッフが所望するならば、オペレータは、内部使用フラグをオブジェクト公開または個人使用メッセージに付加することを選ぶ。その結果、オブジェクトソースサーバ22は、内部使用フラグを持つオブジェクト公開または個人使用メッセージをPOP23に送信する(ステップS1)。内部使用フラグを持つこのメッセージをPOP23が受信する場合には、SOP12はどのODS31にもオブジェクト公開または個人使用メッセージを転送せず、オブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をPOP登録テーブル(図3に示される)に記憶する。そのコンテンツは、オブジェクトプロバイダドメイン20内の加入者だけによって使用されうる。
【0046】
他方、そのオブジェクトが広く公開されることを操作スタッフが所望するならば、操作スタッフは、公開フラグをオブジェクト公開/個人使用メッセージに付加することを選ぶ。その結果、オブジェクトソースサーバ22は、公開フラグを持つオブジェクト公開/個人使用メッセージをPOP23に送信する(ステップS1)。公開フラグを持つこのメッセージを受信すると、POP23はオブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をそのPOP登録テーブル(図3に示される)に記憶する。図3に示すように、POP登録テーブルでは、各々のコンテンツ名は、オブジェクトソースサーバのアドレス、メタデータ情報ならびに公開フラグもしくは内部使用フラグと関連付けられている。そして、POP23は、POP23を有するオブジェクトプロバイダドメイン20がリンクさせられたネットワークオペレータドメイン30のODS31に、オブジェクト公開または個人使用メッセージを転送する(ステップS2)。
【0047】
この公開または個人使用メッセージは、コンテンツ名、メタデータ情報、およびこのメッセージが送信されるPOP23のPOPアドレスを示す示す。ステップS2でPOP23から送られるオブジェクト公開または個人使用メッセージは公開可能なコンテンツだけを示すので、オブジェクトソースサーバからのメッセージとは異なり、このメッセージは公開フラグなしであってもよい。ステップS2でPOP23から送られるオブジェクト公開または個人使用メッセージは、コンテンツ名、メタデータ情報およびコンテンツを供給することができるオブジェクトプロバイダドメイン20の位置を示す。その位置は、コンテンツが記憶されたオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスによって表されてもよい。
【0048】
ステップS2でPOP23からオブジェクト公開または個人使用メッセージを受信すると、ODS31は公開可能なオブジェクトとしてODS31にそのコンテンツを登録する。より具体的には、ODS31は、オブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をそのODS登録テーブル(図4に示される)に記憶する。そのコンテンツは、ネットワークオペレータドメイン30がリンクされた加入者ドメイン10内の加入者のために公開されうる。図4に示すように、ODS登録テーブルでは、各々のコンテンツ名は、位置とメタデータ情報と関連付けられている。
【0049】
さらに、他のネットワークオペレータドメイン30にリンクされた加入者ドメイン10内の加入者から、ある公開可能なコンテンツに対して多くの要求があるならば、POP23は、当該加入者ドメイン10がリンクされた他のネットワークオペレータドメイン30のODS31にオブジェクト公開または個人使用メッセージを送信し、そのODS31は公開可能なコンテンツとしてODS31にそのコンテンツを登録する(ステップS3)。このメッセージは、ステップS2に関して上述したような形式を有する。そのODS31は、上記と同様の方式でオブジェクト公開または個人使用メッセージで示される内容をそのODS登録テーブル(図4に示される)に記憶する。そのコンテンツは、加入者が要求を送信した加入者ドメイン10内の加入者のために公開されうる。
【0050】
「ユーザ意図分析処理」
ユーザ(通信要求ユーザ)によって指定されたオブジェクトのグローバルな名前(コンテンツ名、ユーザ名またはデバイス名)に基づいて、ユーザ意図分析処理は、ユーザ(通信要求ユーザ)が何を探しているか、または通信相手ユーザの装置(通信宛先)がどこに配置されているか特定する。より具体的には、指定されたオブジェクト名がコンテンツ名であるとき、ユーザ意図分析処理は特定のメタデータ情報を特定する。指定されたオブジェクトがユーザ名またはデバイス名であるとき、ユーザ意図分析はデバイスIDを特定する。すなわち、ユーザ意図分析処理は、ユーザの意図(オブジェクトのグローバルな名前)を特定のメタデータ情報または特定のデバイスIDに翻訳する。
【0051】
ユーザ意図分析処理は、コンテンツベースの通信サービスについてもユーザトゥユーザの通信サービスについても実行される。詳細は以下に説明する。
【0052】
「コンテンツベースの通信サービスのためのユーザ意図分析処理」
コンテンツベースの通信サービス(例えばウェブサイトアクセス、ピアトゥピア通信、リアルタイムストリーミング、ファイル転送サービス、その他)において、ユーザがコンテンツ名を指定するとき、ユーザ意図分析処理は特定のメタデータ情報を特定する。このユーザ意図分析処理を、図5を参照して説明する。
【0053】
コンテンツベースの通信サービスのためのユーザ意図分析処理では、加入者ドメイン10のいずれか1つ(例えば、図5の10a)に加入している(所属している)ユーザ(通信要求ユーザ)が特定の公開可能なコンテンツ(例えば、動画、静止画像、テキストまたは音楽)に興味があるならば、通信要求ユーザは、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図5の11a)を操作して、そのユーザが加入している加入者ドメイン10aのSOP12(例えば、図5の12a)にオブジェクト要求メッセージを送信するようにユーザ装置11aに指令する(ステップS11)。この指令において、通信要求ユーザは、そのユーザが興味を持っているコンテンツ名(表1で示すように「c:URI:」)を指定する。この場合、通信要求ユーザのユーザ装置11aは、そのコンテンツ名を示し、メッセージがコンテンツベースの通信サービスを要求することを示すフラグ(すなわちC−フラグ)を持つオブジェクト要求メッセージを生成する。名前の指定のための方法は、例えば、タイピング、コピーアンドペースト、およびクリックすることである。前もって、通信要求ユーザは、例えば、検索エンジンによるキーワード検索でコンテンツ名を取得しておく。
【0054】
ステップS11で送信されたオブジェクト要求メッセージを受信すると、SOP12aは、オブジェクト要求メッセージによって示されるコンテンツ名がSOP12aのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)にキャッシュされているか否か判断する。SOPキャッシュテーブルがコンテンツ名を記憶している場合には、SOP12aはSOPキャッシュテーブル内でコンテンツ名と関連付けられているコンテンツデータとメタデータ情報を読み出して、通信要求ユーザのユーザ装置11aにそのコンテンツデータとそのメタデータ情報を送信する(ステップS12)。通信要求ユーザのユーザ装置11aは、そのコンテンツデータを使用し、これにより通信要求ユーザはコンテンツから利益を享受することができる。この場合、ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスまで進まない。
【0055】
コンテンツ名に関するキャッシュされた情報がSOP12aのSOPキャッシュテーブルにないならば、SOP12aが配置された加入者ドメイン10aがリンクされたネットワークオペレータドメイン30(例えば、図5の30a)内のODS31(例えば、図5の31a)に、SOP12aはオブジェクト検索要求メッセージ(object-lookup-request message)を送信する(ステップS13)。これは、そのコンテンツのメタデータ情報およびそのコンテンツが供給されるオブジェクトプロバイダドメイン20の位置(POPアドレス)を取得するためである。その位置は、コンテンツが供給されるオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスによって表される。また、オブジェクト検索要求メッセージは、オブジェクト要求メッセージによって送られたコンテンツ名を示しており、オブジェクト要求メッセージによって送られたC−フラグも伴う。
【0056】
SOP12aからステップS13で送信されたオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名がODS31aのODSキャッシュテーブル(図7に示される)にキャッシュされているか否か判断する。さらに、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名が図4に示されるODS登録テーブルに記憶されているか否か判断する(この判断が肯定的であるならば、そのコンテンツは、オブジェクトプロバイダドメイン20、例えば、図5のオブジェクトプロバイダドメイン20aのオブジェクトソースサーバ22、例えば、図5のオブジェクトソースサーバ22aに記憶されている)。コンテンツ名に関する情報がODS31aのODSキャッシュテーブルまたはODS登録テーブルにあるならば、ODS31aはODSキャッシュテーブルまたはODS登録テーブル内でコンテンツ名と関連付けられたPOPアドレスとメタデータ情報を読み出す。そして、ODS31aは、オブジェクト検索応答メッセージ(object-lookup-response message)をSOP12aに送信することによって、SOP12aに応答する(ステップS14)。このメッセージは、要求されたコンテンツのメタデータ情報と要求されたコンテンツが提供されるオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを示す。
【0057】
コンテンツ名に関する情報がODSキャッシュテーブルにもODS登録テーブルにもないならば、ODS31aはGNRS40にオブジェクト検索要求メッセージを転送する(ステップS15)。ODS31aからオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名内の部分「subscribe_name」(表1参照)を分析する。そして、GNRS40は、そのGNRSマッピングテーブル(図8に示される)内でコンテンツ名の部分「subscribe_name」を検索し、部分「subscribe_name」と関連付けられたODSアドレスを特定し、これによって、要求されたコンテンツが供給されうるオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図5の20b)がリンクされた1つのネットワークオペレータドメイン30(例えば、図5のネットワークオペレータドメイン30b)のODS31(例えば、図5の31b)のアドレスを取得する。
【0058】
ODSアドレスを知ることによって、GNRS40はメタデータ情報とPOPアドレスを得るために、そのODS31bにオブジェクト検索要求メッセージを転送する(ステップS16)。オブジェクト検索要求メッセージを受信すると、そのODS31bは、そのODS登録テーブル(図4に示される)内でオブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名を検索し、コンテンツ名と関連付けられたPOPアドレスとメタデータ情報を読み出す。ODS31bは、GNRS40にオブジェクト検索応答メッセージを送信する(ステップS17)。このメッセージは、要求されたコンテンツのメタデータ情報と要求されたコンテンツが提供されるオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図5の20b)のPOP23(例えば、図5の23b)のPOPアドレスを示す。
【0059】
ODS31bからステップS17で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージを送信したODS31aに、オブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS18)。GNRS40からステップS17で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ODS31aは、そのオブジェクト検索応答メッセージによって示されるメタデータ情報とPOPアドレスを、キャッシュ情報としてそのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶する。この記憶動作では、ODSキャッシュテーブル内でコンテンツ名がメタデータ情報とPOPアドレスと関連付けられるように、ODS31aはオブジェクト検索要求メッセージによって示されるコンテンツ名も記憶する。このようにして、ODSキャッシュテーブルは、コンテンツ名、メタデータ情報およびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。
【0060】
さらに、GNRS40からステップS17で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージを送信したSOP12aに、オブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS19)。このようにして、ステップS14またはS19の後は、SOP12は、ユーザの意図(すなわち、要求されたコンテンツのメタデータ情報と要求されたコンテンツが記憶されているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレス)を知っている。SOP12は、オブジェクト要求メッセージを送信したユーザ装置11にメタデータ情報を送信する(ステップS20)。したがって、コンテンツデータを受信することに先立って、ユーザ装置11は、そのコンテンツデータを使用するために必要な要素を含むメタデータ情報を受信する。これにより、コンテンツデータの使用(例えば、アプリケーションプログラムの起動およびファイルフォーマットの選択)が速められたり容易になったりする。その後、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。
【0061】
「ユーザトゥユーザの通信サービスのためのユーザ意図分析処理」
ユーザトゥユーザの通信サービスのためのユーザ意図分析処理の全体的な動作は、上記のコンテンツベースの通信サービスにおけるユーザ意図分析処理の全体的な動作と類似している。しかし、この動作においては、コンテンツ名の代わりに、通信宛先のユーザ名またはデバイス名が通信要求ユーザによって最初に指定される。このユーザ意図分析処理について、図9および図12を参照して説明する。
【0062】
ユーザトゥユーザの通信サービス(例えば電子メール送信、VoIP、デバイストゥデバイス通信、サーバクライアント通信、その他)のためのユーザ意図分析処理では、加入者ドメイン10のいずれか1つ(例えば、図5の10a)に加入している(所属している)ユーザ(通信要求ユーザ)が特定の通信相手ユーザまたは通信相手ユーザによって所有されている通信装置21のうちの1つと通信したいならば、通信要求ユーザは、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図9の11a)を操作して、通信要求ユーザが加入している加入者ドメイン10aのSOP12(例えば、図9の12a)にオブジェクト要求メッセージを送信するようにユーザ装置11aに指令する(ステップS31)。この指令において、通信要求ユーザは、通信相手ユーザのユーザ名(例えば、表1で示すように「u:user_name@subscribe_name」)または通信相手ユーザによって所有されている通信装置21のデバイス名(例えば、表1で示すように、d:device_name#user_name@subscribe_name)を指定する。この場合、通信要求ユーザのユーザ装置11aは、ユーザ名またはデバイス名を示し、メッセージがエンドトゥエンドの通信サービスを要求することを示すフラグ(すなわち、E−フラグ)を持つオブジェクト要求メッセージを生成する。オブジェクト要求メッセージがユーザ名を示す場合には、オブジェクト要求メッセージは、通信要求ユーザが使用したい通信のタイプ(例えば、電子メール送信、VoIP、その他)も示す。
【0063】
上記のように、通信要求ユーザは、通信受け側ユーザの名前を指定することができる。通信要求ユーザが通信したい通信受け側ユーザの単一の装置のデバイス名を知らない場合に、これは便利である。また、通信要求ユーザが特定の方式(例えば、VoIP)で通信受け側ユーザと通信したいが、通信受け側ユーザの複数の装置のうちその特定の方式をサポートすることができる特定の装置のデバイス名を知らない場合にも、これは便利である。あるいは、通信要求ユーザは、通信受け側装置のデバイス名を指定してもよい。通信要求ユーザがすでに通信宛先の特定のデバイス名を知っているとき、これは便利である。名前の指定のための方法は、例えば、タイピング、コピーアンドペースト、およびクリックすることである。
【0064】
ステップS31で送信された受け側のユーザ名を示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、SOP12aは、オブジェクト要求メッセージによって示されるユーザ名であって、オブジェクト要求メッセージによって示される通信のタイプに関連付けられたユーザ名がSOP12aのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)にキャッシュされているか否か判断する。SOPキャッシュテーブルが、オブジェクト要求メッセージによって示される通信のタイプと関連付けられたユーザ名を記憶しているならば、SOP12aはSOPキャッシュテーブル内でそのユーザ名と関連付けられたデバイスIDとPOPアドレスを読み出し、ユーザ意図分析処理は終了する。ステップS31で送信された受け側デバイス名を示すオブジェクト要求メッセージを受信すると、SOP12aは、オブジェクト要求メッセージによって示されるデバイス名がSOP12aのSOPキャッシュテーブルにキャッシュされているか否か判断する。SOPキャッシュテーブルがそのデバイス名を記憶しているならば、SOP12aはSOPキャッシュテーブル内でそのデバイス名と関連付けられたデバイスIDとPOPアドレスを読み出し、ユーザ意図分析処理は終わる。いずれの場合も、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。SOP12aは、通信要求ユーザのユーザ装置11aに、デバイスIDまたはPOPアドレスを送信しない。
【0065】
その受け側ユーザ名またはその受け側デバイス名に関するキャッシュされた情報がSOP12aのSOPキャッシュテーブルにないならば、SOP12aが配置された加入者ドメイン10aがリンクされたネットワークオペレータドメイン30(例えば、図9の30a)内のODS31(例えば、図9の31a)に、SOP12aはオブジェクト検索要求メッセージを送信する(ステップS33)。これは、通信宛先のデバイスIDおよび通信宛先が配置された位置(POPアドレス)を取得するためである。その位置は、通信宛先が配置された(加入している)オブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスによって表されうる。オブジェクト検索要求メッセージも、オブジェクト要求メッセージによって送られたユーザ名もしくはデバイス名ならびに通信のタイプを示し、オブジェクト要求メッセージによって送られたE−フラグも伴う。
【0066】
ステップS33で送信された受け側ユーザ名を示すオブジェクト検索要求メッセージをSOP12aから受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名であって、オブジェクト検索要求メッセージによって示される通信のタイプに関連付けられたユーザ名がODS31aのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶されているか否か判断する。その通信のタイプと関連付けられたそのユーザ名に関する情報がODS31aのODSキャッシュテーブルにあるならば、ODS31aはそのテーブル内でそのユーザ名と関連付けられたPOPアドレスとデバイスIDを読み出す。そして、ODS31aは、SOP12aにオブジェクト検索応答メッセージを送信することによって、SOP12に応答する(ステップS34)。ステップS33で送信された受け側ユーザの装置のデバイス名を示すオブジェクト検索要求メッセージをSOP12aから受信すると、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるデバイス名がODS31aのODSキャッシュテーブルに記憶されているか否か判断する。そのデバイス名に関する情報がODS31aのODSキャッシュテーブルにあるならば、ODS31aはそのテーブル内でそのデバイス名と関連付けられたPOPアドレスとデバイスIDを読み出す。そして、ODS31aは、SOP12aにオブジェクト検索応答メッセージを送信することによって、SOP12に応答する(ステップS34)。いずれの場合も、ステップS34で送信されるオブジェクト検索応答メッセージは、通信宛先のデバイスIDと要求された通信宛先が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを示す。ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。ステップS34で送信されるオブジェクト検索応答メッセージは、さらにユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、およびデバイス名を示してよく、このメッセージを受信すると、SOP12aはそのSOPキャッシュテーブル内にそのメッセージによって示される内容をキャッシュしてもよい。
【0067】
ODS31aのODSキャッシュテーブルがステップS33で送信されたオブジェクト検索要求メッセージによって示される情報を記憶していない場合には、ODS31aはオブジェクト検索要求メッセージによって示される通信受け側ユーザがそのネットワークオペレータの加入者(すなわち、ODS31が存在するネットワークオペレータドメイン30aがリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン20、例えば、図9の20aの加入者)であるか否か判断する。より具体的には、オブジェクト検索要求メッセージがユーザ名を示すならば、ODS31aはユーザ名がODS31aのODS加入者管理テーブル(図10に示される)に記憶されているか否か判断する。ODS加入者管理テーブルは、ネットワークオペレータドメイン30aに加入しているすべてのユーザのグローバルな名前と、ユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOPアドレスを記録する。オブジェクト検索要求メッセージがデバイス名を示すならば、ODS31aはデバイス名(表1参照)内の部分「user_name」を分析して、そのユーザ名がODS31aのODS加入者管理テーブルに記憶されているか否か判断する。オブジェクト検索要求メッセージによって示される通信受け側ユーザがネットワークオペレータの加入者であるならば(ODS加入者管理テーブルに記憶されていれば)、ODS31aはODS加入者管理テーブル内でユーザ名と関連付けられているPOPアドレスとユーザIDを読み出して、そのPOPアドレスとそのユーザIDを示すオブジェクト検索応答メッセージを生成する。その後、ODS31aは、オブジェクト検索要求メッセージを送信したSOP12aに、このオブジェクト検索応答メッセージを送信する(ステップS35)。
【0068】
ODS31aからステップS35で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがユーザ名と通信のタイプを示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとその通信のタイプを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されているPOP23(例えば、図9の23a)のPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがデバイス名を示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとそのデバイスIDを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されるPOP23aのPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。その後、ODS31aは、このPOPアドレスを有するPOP23aに、このオブジェクト検索要求メッセージを送信する(ステップS36)。
【0069】
ステップS36で送信されたオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、POP23aは、そのPOP加入者管理テーブル(図11に示される)内で、オブジェクト検索要求メッセージに示されたユーザIDならびに通信のタイプもしくはデバイス名を検索し、POP加入者管理テーブル内で、ユーザIDならびに通信のタイプに関連付けられたユーザ名、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを読み出す。その後、POP23aは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを示すオブジェクト検索応答メッセージを生成して、このオブジェクト検索応答メッセージをSOP12aに送信する(ステップS37)。
【0070】
POP23aからステップS37で送信されたオブジェクト検索応答メッセージの転送の間、ODS31aはこのメッセージを中継して、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶する。このようにして、ODSキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。
【0071】
POP23aからステップS37で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、SOP12aは、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)に記憶する。このようにして、SOPキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。SOP12aは、通信宛先のデバイスIDと、要求された通信宛先が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを知る。ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。
【0072】
他方、SOP12aからステップS33で送信されたオブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名またはデバイス名に関して、ODS加入者管理テーブルにもODSキャッシュテーブルにも情報がないならば、ODS31aはGNRS40にオブジェクト検索要求メッセージを転送する(図12のステップS40)。ODS31aからオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名またはデバイス名(表1参照)内の部分「subscribe_name」を分析する。その後、GNRS40は、ユーザIDまたはデバイスID内の部分「subscribe_name」をそのGNRSマッピングテーブル(図8に示される)内で検索して、部分「subscribe_name」と関連付けられたODSアドレスを特定し、これによって、通信受け側ユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図9の20b)がリンクされた1つのネットワークオペレータドメイン30(例えば、図9のネットワークオペレータドメイン30b)のODS31(例えば、図9の31b)のアドレスを取得する。
【0073】
ODSアドレスを知ることによって、GNRS40はODS31bにオブジェクト検索要求メッセージを転送する(ステップS41)。オブジェクト検索要求メッセージを受信すると、そのODS31bは、オブジェクト検索要求メッセージによって示されるユーザ名またはオブジェクト検索要求メッセージによって示されるデバイス名内の部分「user_name」を、そのODS加入者管理テーブル(図10に示される)内で検索する。ODS加入者管理テーブルは、ネットワークオペレータドメイン30bに加入しているすべてのユーザのグローバルな名前とユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOPアドレスを記録する。ODS31bは、ODS加入者管理テーブル内でユーザ名と関連付けられているPOPアドレスとユーザIDを読み出して、GNRS40に、オブジェクト検索応答メッセージを送信する(ステップS42)。このメッセージは、通信受け側ユーザのユーザIDと、通信受け側ユーザが属するオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図12の20b)のPOP23(例えば、図12の23b)のPOPアドレスを示す。
【0074】
ステップS42で送信されたODS31bからのオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、GNRS40はオブジェクト検索要求メッセージを送信したODS31aにオブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS43)。ODS31aも、オブジェクト検索要求メッセージを送信したSOP12aに、オブジェクト検索応答メッセージを転送する(ステップS44)。
【0075】
ODS31aからステップS44で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがユーザ名と通信のタイプを示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとその通信のタイプを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されるPOP23(例えば、図12の23b)のPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。ステップS31で最初に送信されたオブジェクト要求メッセージがデバイス名を示す場合には、SOP12aは、オブジェクト検索応答メッセージ内の受け側ユーザのユーザIDとそのデバイスIDを示し、オブジェクト検索応答メッセージによって示されるPOP23aのPOPアドレスを宛先とするオブジェクト検索要求メッセージを生成する。その後、ODS31aは、このPOPアドレスを有するPOP23bに、このオブジェクト検索要求メッセージを送信する(ステップS45)。
【0076】
ステップS45で送信されたオブジェクト検索要求メッセージを受信すると、POP23bは、そのPOP加入者管理テーブル(図11に示される)内で、オブジェクト検索要求メッセージに示されたユーザIDならびに通信のタイプを検索し、POP加入者管理テーブル内で、ユーザIDならびに通信のタイプに関連付けられたユーザ名、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを読み出す。その後、POP23aは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスを示すオブジェクト検索応答メッセージを生成して、このオブジェクト検索応答メッセージをSOP12aに送信する(ステップS46)。
【0077】
POP23bからステップS46で送信されたオブジェクト検索応答メッセージの転送の間、ODS31aはこのメッセージを中継して、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのODSキャッシュテーブル(図7に示される)に記憶する。このようにして、ODSキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。
【0078】
POP23bからステップS46で送信されたオブジェクト検索応答メッセージを受信すると、SOP12aは、このメッセージで示された内容をキャッシュ情報としてそのSOPキャッシュテーブル(図6に示される)に記憶する。このようにして、SOPキャッシュテーブルは、ユーザ名、ユーザID、通信のタイプ、デバイス名、デバイスIDおよびPOPアドレスに関する新しいキャッシュ情報を有する。SOP12aは、通信宛先のデバイスIDと、要求された通信宛先が加入しているオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレスを知る。ユーザ意図分析処理は終了し、処理は後述するオブジェクト申込み・データ配信サービスに進む。
【0079】
したがって、ステップS34、S36またはS46の後、SOP12は、ユーザの意図(すなわち、通信受け側ユーザの装置のデバイスIDと、通信受け側ユーザが属するオブジェクトプロバイダドメイン20のPOP23のPOPアドレス)を知る。
【0080】
「オブジェクト申込み・データ配信」
このネットワークアーキテクチャのオブジェクト申込み・データ配信処理の動作を説明する。オブジェクト申込み・データ配信処理も、コンテンツベースの通信サービスについてもユーザトゥユーザの通信サービスについても実行される。詳細は以下に説明する。オブジェクト申込み・データ配信プロセスにおいては、「申込む」(subscribe)とは、コンテンツまたはサービスを利用する(観るまたは聴く)ために申し込むことを意味する。
【0081】
「コンテンツベースの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信」
コンテンツベースの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信処理の前に、コンテンツベースの通信サービスのための上記のユーザ意図分析処理が完了され、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図13の11a)が最初にオブジェクト要求メッセージを送信したSOP12(例えば、図13の12a)は、そのユーザの意図、すなわち、オブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図13の20b)のPOPアドレスを知っていなければならない。この状態で、図13に示すように、SOP12aは、上記のユーザ意図分析処理で取得されたPOPアドレスで特定されるPOP23(例えば、図13のPOP23b)にオブジェクト申込み要求メッセージを送信する(ステップS51)。このオブジェクト申込み要求メッセージは、オブジェクト要求メッセージでも使われたコンテンツ名を示す。オブジェクト申込み要求メッセージは、通信要求ユーザのユーザ装置11のデバイスIDも示す。
【0082】
SOP12aからオブジェクト申込み要求メッセージ(object-subscribe-request message)を受信すると、POP23bはそのPOP登録テーブル(図3に示される)内でコンテンツ名を検索して、コンテンツ名と関連付けられたオブジェクトソースサーバアドレスを特定し、これによって、要求されたコンテンツを提供することができるオブジェクトソースサーバ22(例えば、図13の22b)のアドレスを取得する。
【0083】
オブジェクトソースサーバのアドレスを知ることによって、POP23bは、オブジェクトソースサーバ22bにオブジェクト申込み要求メッセージを転送する(ステップS52)。コンテンツ名を示すオブジェクト申込み要求メッセージを受信すると、オブジェクトソースサーバ22bは、コンテンツ名に関連付けられたコンテンツデータをそのオブジェクトソースサーバ22b内で検索して、オブジェクト申込み要求メッセージで送信されたユーザ装置11aのデバイスIDに従って通信要求ユーザのユーザ装置11aに、要求されたコンテンツデータを送信する(ステップS53)。このようにして、通信要求ユーザは、コンテンツデータとメタデータ情報に基づいて実行されるコンテンツを利用することができる。
【0084】
通信要求ユーザのユーザ装置11とPOP23の間に介在してコンテンツデータを中継したルータ32は、コンテンツデータのコピーを作成してもよく、コンテンツ名と一緒にそのコピーをキャッシュしてもよい。同じネットワークオペレータドメイン30に加入している他のユーザが同じコンテンツを要求するとき、このことはダウンロード速度を向上させることができる。
【0085】
ステップS53で通信要求ユーザのユーザ装置11にコンテンツデータを転送したSOP12(このSOPは、ユーザ意図分析処理でのステップS20で通信要求ユーザのユーザ装置11にメタデータ情報も転送した)は、コンテンツデータとメタデータ情報のコピーを作成して、そのSOP12が配置された加入者ドメイン10のためにコンテンツ名と一緒にそれらのコピーをキャッシュする。このキャッシングの結果は、ユーザ意図分析処理でのステップS11とS12に関連して説明したSOPキャッシュテーブル(図6に示される)に含まれる。したがって、同じ加入者ドメイン10内の他の通信要求ユーザのユーザ装置11がSOP12に同じコンテンツを要求する他の1つのオブジェクト要求メッセージを送信するとき、SOP12は、ODS31にオブジェクト検索要求メッセージを送信したりPOP23にオブジェクト申込み要求メッセージを送信したりすることなく、コンテンツデータをユーザ装置11へ送信することができる。
【0086】
「ユーザトゥユーザの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信」
ユーザトゥユーザの通信サービスのためのオブジェクト申込み・データ配信処理の前に、ユーザトゥユーザの通信サービスのための上記のユーザ意図分析処理が完了され、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図14の11a)が最初にオブジェクト要求メッセージを送信したSOP12(例えば、図14の12a)は、そのユーザの意図、すなわち、通信宛先のデバイスIDと通信宛先が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン20(例えば、図14の20b)のPOPアドレス)を知っていなければならない。この状態で、図14に示すように、SOP12は、上記のユーザ意図分析処理で取得されたPOPアドレスで特定されるPOP23(例えば、図14のPOP23b)にオブジェクト申込み要求メッセージを送信する(ステップS61)。このオブジェクト申込み要求メッセージは、上記のユーザ意図分析処理で取得された通信宛先のデバイスIDを示す。このオブジェクト申込み要求メッセージは、通信要求ユーザのユーザ装置11(例えば、図14の11a)のデバイスIDと通信のタイプも示し、ユーザ装置11aとユーザ装置21bの間でのエンドトゥエンドの交渉を容易にする。
【0087】
ステップS61でSOP12aから送信されたオブジェクト申込み要求メッセージを受信すると、POP23bは、オブジェクト申込み要求メッセージによって示されるデバイスIDを使って、通信宛先(例えば、図14のユーザ装置21b)を特定して、通信宛先にオブジェクト申込み要求メッセージを転送する(ステップS62)。両方のデバイスIDを使うユーザ装置11aとユーザ装置21bとの間のエンドトゥエンドの交渉の後、オブジェクト申込み要求メッセージによって示される通信のタイプに従って通信が始まる(ステップS63)。例えば、通信受け側ユーザの装置21bは、通信要求ユーザの装置11aからの要求に基づいて、データを送信する。あるいは、両方の装置でVoIP通信が利用される。
【0088】
コンテンツベースの通信サービスとは異なり、通信宛先のユーザがデータを公開したくないならば、送信されたデータは中間のルータ32でコピーもキャッシュもしてはならない。
【0089】
通信要求ユーザによって要求される通信のタイプが電子メール送信であるならば、通信受け側ユーザの装置を特定することは必要ではない。したがって、電子メール送信の場合には、電子メールサーバのアドレスが通信受け側ユーザのためのデバイスIDとして使われ、通信のタイプが電子メール送信を示すとき、電子メールサーバアドレスがデバイスIDとして上記のSOPキャッシュテーブル、ODSキャッシュテーブルおよびPOP加入者管理テーブルに記憶される。この場合、上記のオブジェクト申込み・データ配信プロセスの代わりに、SOP12はPOP23にデバイスID(電子メールサーバアドレス)を示す電子メールを送信し、POP23は電子メールサーバアドレスを使って電子メールを転送する。
【0090】
本発明の実施の形態によれば、ユーザ、装置およびコンテンツは、これらの位置のインジケータ(POPアドレス)と関連付けられているが、位置のインジケータはそれらの名前またはIDとは異なる。このネットワークアーキテクチャは、通信要求ユーザが所望のコンテンツを指定するコンテンツベースの通信と、通信要求ユーザが通信受け側ユーザまたは通信受け側装置を指定するエンドトゥエンドの通信の両方に便利である。コンテンツ、装置またはユーザと、その位置の関係は、ネットワークオペレータドメイン30の各々とオブジェクトプロバイダドメイン20の各々で管理され、デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメインのインジケータと、ODS31のアドレスの関係は、GNRS40で管理される。デバイス名、ユーザ名またはコンテンツ名がメッセージで指定されるとき、装置、ユーザまたはコンテンツの位置が特定されうる。その上、適切なエンティティが受信データをキャッシュするので、他のユーザも同じコンテンツを要求するとき、ダウンロード速度が向上しうる。
【0091】
さらに、通信要求ユーザが通信受け側ユーザの特定のデバイス名を知らないが、通信要求ユーザがユーザ名を知っていて、通信のタイプを指定するならば、適切なユーザ装置が通信相手として特定されうる。単一のユーザが複数の通信デバイスを管理しているか所有していることが多いので、これは便利である。
【符号の説明】
【0092】
10:加入者ドメイン、
11:ユーザ装置、
12:SOP(加入者オブジェクトプロキシ、Subscriber Object Proxy、第1のプロキシ装置)、
12C:SOPキャッシュメモリ(第1のプロキシキャッシュメモリ)、
20:オブジェクトプロバイダドメイン、
21:ユーザ装置、
22:オブジェクトソースサーバ、
23:POP(公開者オブジェクトプロキシ、Publisher Object Proxy、第2のプロキシ装置)、
23M:POPメモリ(プロバイダドメインメモリ)、
30:ネットワークオペレータドメイン、
31:ODS(オブジェクトDirectory Server、ディレクトリサーバ)、
31C:ODSキャッシュメモリ(ディレクトリサーバキャッシュメモリ)、
31M:ODSメモリ(ディレクトリサーバメモリ)、
32:ルータ、
40:GNRS(グローバルネーム分析サーバ、Global Name Resolution Server)、
40M:GNRSメモリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加入者ドメイン(10)と、複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)と、ネットワークオペレータドメイン(30)と、メッセージルーティングサーバ装置(40)とを備えるネットワークアーキテクチャであって、
前記加入者ドメイン(10)の各々に、複数の第1のユーザが加入しており、前記第1のユーザの各々が少なくとも1つの第1のユーザ装置(11)を所有または管理しており、
前記加入者ドメイン(10)の各々は第1のプロキシ装置(12)を備え、前記第1のプロキシ装置(12)は、前記第1のプロキシ装置(12)が配置された前記加入者ドメイン(10)に加入している前記第1のユーザの前記第1のユーザ装置(11)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々に、複数の第2のユーザが加入しており、前記第2のユーザの各々は、その第2のユーザに普遍的に特有なユーザ名とユーザIDを有し、前記第2のユーザの各々が少なくとも1つの第2のユーザ装置(21)を所有または管理しており、前記第2のユーザ装置(21)の各々は、その第2のユーザ装置(21)に普遍的に特有なデバイス名とデバイスIDを有し、各デバイス名はその第2のユーザ装置(21)にとっての第2のユーザのユーザ名を含んでおり、ユーザ名とデバイス名の各々はその第2のユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は第2のプロキシ装置(23)を備え、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記第2のプロキシ装置(23)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している前記第2のユーザの前記第2のユーザ装置(21)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、前記第2のプロキシ装置(23)の各々は第2のプロキシアドレスを有し、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、コンテンツとそのコンテンツを使用するのに不可欠なメタデータ情報を記憶するオブジェクトソースサーバ(22)を備え、各コンテンツはコンテンツ名を有し、コンテンツ名はそのコンテンツに普遍的に特有であって、そのコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されているオブジェクトプロバイダドメイン(20)にリンクされているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、そのオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザの第2のユーザ装置(21)の各々のための情報を記憶するプロバイダドメインメモリ(23M)を備え、第2のユーザ装置の各々のための情報は、第2のユーザ装置のデバイス名、第2のユーザ装置のデバイスID、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザ名、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザID、通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、
前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、前記複数の加入者ドメイン(10)のいくつかおよび前記複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)のいくつかにリンクさせられており、ネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされた加入者ドメイン(10)に加入している第1のユーザおよびネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザは、そのネットワークオペレータドメイン(30)に加入しており、
前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、ディレクトリサーバメモリ(31M)を備えるディレクトリサーバ装置(31)を備え、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記ネットワークオペレータドメイン(30)に加入している各第2のユーザのための情報を記憶し、各第2のユーザのための情報は、第2のユーザのユーザ名、第2のユーザのユーザID、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記オブジェクトソースサーバ(22)に記憶された公開可能なコンテンツの各々のための情報を記憶し、公開可能なコンテンツの各々のための情報は、コンテンツのコンテンツ名、コンテンツのためのメタデータ情報、およびコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバ装置(31)の各々はディレクトリサーバアドレスを有しており、
前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、前記複数のネットワークオペレータドメイン(30)にリンクさせられ、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)を備え、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)は、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報を記憶し、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報は、ユーザ名、デバイス名またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータと、ネットワークオペレータドメイン(30)内のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスの関係を記述しており、
前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、メッセージに含まれるユーザ名、デバイス名、またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定する、
ネットワークアーキテクチャ。
【請求項2】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからコンテンツベースの通信サービスを要求しコンテンツ名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、コンテンツベースの通信サービスを要求し前記コンテンツ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記コンテンツ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記コンテンツ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項3】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記コンテンツ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記コンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、
前記他のディレクトリサーバ装置(31)から前記応答メッセージを受信すると、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)および前記ディレクトリサーバ装置(31)は、前記第1の第1のプロキシ装置(12)に前記応答メッセージを転送し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知する、
請求項2に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項4】
前記ディレクトリサーバ装置(31)が前記第1のプロキシ装置(12)に前記応答メッセージを転送するとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は、前記コンテンツ名を前記メタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスとともにキャッシュする、
請求項3に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項5】
前記プロバイダドメインメモリ(23M)の各々は、そのプロバイダドメインメモリ(23M)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)に配置された前記オブジェクトソースサーバ(22)に記憶された公開可能なコンテンツの各々のための情報を記憶し、公開可能なコンテンツの各々のための情報は、コンテンツのコンテンツ名およびコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)のアドレスを含んでおり、
前記第1のプロキシ装置(12)が前記第2のプロキシアドレスを知った後、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第2のプロキシアドレスを有する前記第2のプロキシ装置に、前記コンテンツ名を示すメッセージを送信し、
前記第1のプロキシ装置からこのメッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記コンテンツ名に関連付けられたオブジェクトソースサーバ(22)のアドレスを特定し、前記コンテンツ名を有するコンテンツを前記第1のユーザ装置(11)に送信する要求をそのオブジェクトソースサーバ(22)に送信する、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項6】
前記オブジェクトソースサーバ(22)が第1のユーザ装置(11)に前記コンテンツ名を有するコンテンツを送信するとき、前記第1のプロキシ装置(12)はそのコンテンツを中継して、前記コンテンツ名と前記メタデータ情報とともにそのコンテンツをキャッシュする、
請求項5に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項7】
前記オブジェクトソースサーバ(22)は、そのオブジェクトソースサーバ(22)に記憶されたコンテンツを、公開フラグまたは内部使用フラグと関連付けて、そのオブジェクトソースサーバ(22)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の前記プロバイダドメインメモリ(23M)に登録し、
公開フラグは前記コンテンツが他のドメインに公開可能であることを示し、内部使用フラグは前記コンテンツがオブジェクトプロバイダドメイン(20)内で使用されるべきことを示す、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項8】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザのユーザ名と通信のタイプを示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記ユーザ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ユーザ名がディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項9】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項8に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項10】
前記さらなる応答メッセージは、前記通信相手ユーザのユーザ名とユーザIDと、前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイス名とデバイスIDと、前記第2のユーザ装置で使用される通信のタイプと、前記通信相手ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスを示し、
前記第2のプロキシ装置(23)が前記さらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信するとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)と前記第1のプロキシ装置(12)は、前記ユーザ名、前記ユーザID、前記通信のタイプ、前記デバイス名、前記デバイスIDおよび前記ディレクトリサーバアドレスをキャッシュする、
請求項8または請求項9に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項11】
前記第1のプロキシ装置(12)が前記通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイスIDを知った後、前記第1のプロキシ装置は、そのデバイスIDを示すメッセージまたは電子メールを前記第2のプロキシ装置(23)に送信する、
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項12】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイス名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記デバイス名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記デバイス名に含まれるユーザ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記デバイス名を有する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項13】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項12に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項14】
前記さらなる応答メッセージは、前記通信相手ユーザのユーザ名とユーザIDと、前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイス名とデバイスIDと、前記第2のユーザ装置で使用される通信のタイプと、前記通信相手ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスを示し、
前記第2のプロキシ装置(23)が前記さらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信するとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)と前記第1のプロキシ装置(12)は、前記ユーザ名、前記ユーザID、前記通信のタイプ、前記デバイス名、前記デバイスIDおよび前記ディレクトリサーバアドレスをキャッシュする、
請求項12または13に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項15】
前記第1のプロキシ装置(12)が前記通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイスIDを知った後、前記第1のプロキシ装置は、そのデバイスIDを示すメッセージまたは電子メールを前記第2のプロキシ装置(23)に送信する、
請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項16】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからコンテンツベースの通信サービスを要求しコンテンツ名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、コンテンツベースの通信サービスを要求し前記コンテンツ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記コンテンツ名がディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記コンテンツ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知し、
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザのユーザ名と通信のタイプを示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記ユーザ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ユーザ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信し、
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイス名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記デバイス名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記デバイス名に含まれるユーザ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記デバイス名を有する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項17】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記第1の要求メッセージで示された前記コンテンツ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記コンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、
前記他のディレクトリサーバ装置(31)から前記応答メッセージを受信すると、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)および前記ディレクトリサーバ装置(31)は、前記第1の第1のプロキシ装置(12)に前記応答メッセージを転送し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記第1の要求メッセージで示された前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記第1の要求メッセージで示された前記デバイス名に含まれる前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項16に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項1】
複数の加入者ドメイン(10)と、複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)と、ネットワークオペレータドメイン(30)と、メッセージルーティングサーバ装置(40)とを備えるネットワークアーキテクチャであって、
前記加入者ドメイン(10)の各々に、複数の第1のユーザが加入しており、前記第1のユーザの各々が少なくとも1つの第1のユーザ装置(11)を所有または管理しており、
前記加入者ドメイン(10)の各々は第1のプロキシ装置(12)を備え、前記第1のプロキシ装置(12)は、前記第1のプロキシ装置(12)が配置された前記加入者ドメイン(10)に加入している前記第1のユーザの前記第1のユーザ装置(11)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々に、複数の第2のユーザが加入しており、前記第2のユーザの各々は、その第2のユーザに普遍的に特有なユーザ名とユーザIDを有し、前記第2のユーザの各々が少なくとも1つの第2のユーザ装置(21)を所有または管理しており、前記第2のユーザ装置(21)の各々は、その第2のユーザ装置(21)に普遍的に特有なデバイス名とデバイスIDを有し、各デバイス名はその第2のユーザ装置(21)にとっての第2のユーザのユーザ名を含んでおり、ユーザ名とデバイス名の各々はその第2のユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は第2のプロキシ装置(23)を備え、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記第2のプロキシ装置(23)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している前記第2のユーザの前記第2のユーザ装置(21)にとってデフォルトゲートウェイおよびアクセスルータとして動作し、前記第2のプロキシ装置(23)の各々は第2のプロキシアドレスを有し、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、コンテンツとそのコンテンツを使用するのに不可欠なメタデータ情報を記憶するオブジェクトソースサーバ(22)を備え、各コンテンツはコンテンツ名を有し、コンテンツ名はそのコンテンツに普遍的に特有であって、そのコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されているオブジェクトプロバイダドメイン(20)にリンクされているネットワークオペレータドメイン(30)を示すインジケータを含んでおり、
前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の各々は、そのオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザの第2のユーザ装置(21)の各々のための情報を記憶するプロバイダドメインメモリ(23M)を備え、第2のユーザ装置の各々のための情報は、第2のユーザ装置のデバイス名、第2のユーザ装置のデバイスID、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザ名、第2のユーザ装置にとっての第2のユーザのユーザID、通信のタイプを示す通信タイプインジケータ、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、
前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、前記複数の加入者ドメイン(10)のいくつかおよび前記複数のオブジェクトプロバイダドメイン(20)のいくつかにリンクさせられており、ネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされた加入者ドメイン(10)に加入している第1のユーザおよびネットワークオペレータドメイン(30)にリンクされたオブジェクトプロバイダドメイン(20)に加入している第2のユーザは、そのネットワークオペレータドメイン(30)に加入しており、
前記ネットワークオペレータドメイン(30)の各々は、ディレクトリサーバメモリ(31M)を備えるディレクトリサーバ装置(31)を備え、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記ネットワークオペレータドメイン(30)に加入している各第2のユーザのための情報を記憶し、各第2のユーザのための情報は、第2のユーザのユーザ名、第2のユーザのユーザID、および第2のユーザが加入しているオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)は、前記オブジェクトソースサーバ(22)に記憶された公開可能なコンテンツの各々のための情報を記憶し、公開可能なコンテンツの各々のための情報は、コンテンツのコンテンツ名、コンテンツのためのメタデータ情報、およびコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)が配置されたオブジェクトプロバイダドメイン(20)の第2のプロキシ装置の第2のプロキシアドレスを含んでおり、前記ディレクトリサーバ装置(31)の各々はディレクトリサーバアドレスを有しており、
前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、前記複数のネットワークオペレータドメイン(30)にリンクさせられ、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)を備え、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)は、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報を記憶し、各ネットワークオペレータドメイン(30)のための情報は、ユーザ名、デバイス名またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータと、ネットワークオペレータドメイン(30)内のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスの関係を記述しており、
前記メッセージルーティングサーバ装置(40)は、メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、メッセージに含まれるユーザ名、デバイス名、またはコンテンツ名に含まれるネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定する、
ネットワークアーキテクチャ。
【請求項2】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからコンテンツベースの通信サービスを要求しコンテンツ名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、コンテンツベースの通信サービスを要求し前記コンテンツ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記コンテンツ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記コンテンツ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項3】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記コンテンツ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記コンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、
前記他のディレクトリサーバ装置(31)から前記応答メッセージを受信すると、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)および前記ディレクトリサーバ装置(31)は、前記第1の第1のプロキシ装置(12)に前記応答メッセージを転送し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知する、
請求項2に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項4】
前記ディレクトリサーバ装置(31)が前記第1のプロキシ装置(12)に前記応答メッセージを転送するとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は、前記コンテンツ名を前記メタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスとともにキャッシュする、
請求項3に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項5】
前記プロバイダドメインメモリ(23M)の各々は、そのプロバイダドメインメモリ(23M)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)に配置された前記オブジェクトソースサーバ(22)に記憶された公開可能なコンテンツの各々のための情報を記憶し、公開可能なコンテンツの各々のための情報は、コンテンツのコンテンツ名およびコンテンツを記憶するオブジェクトソースサーバ(22)のアドレスを含んでおり、
前記第1のプロキシ装置(12)が前記第2のプロキシアドレスを知った後、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第2のプロキシアドレスを有する前記第2のプロキシ装置に、前記コンテンツ名を示すメッセージを送信し、
前記第1のプロキシ装置からこのメッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記コンテンツ名に関連付けられたオブジェクトソースサーバ(22)のアドレスを特定し、前記コンテンツ名を有するコンテンツを前記第1のユーザ装置(11)に送信する要求をそのオブジェクトソースサーバ(22)に送信する、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項6】
前記オブジェクトソースサーバ(22)が第1のユーザ装置(11)に前記コンテンツ名を有するコンテンツを送信するとき、前記第1のプロキシ装置(12)はそのコンテンツを中継して、前記コンテンツ名と前記メタデータ情報とともにそのコンテンツをキャッシュする、
請求項5に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項7】
前記オブジェクトソースサーバ(22)は、そのオブジェクトソースサーバ(22)に記憶されたコンテンツを、公開フラグまたは内部使用フラグと関連付けて、そのオブジェクトソースサーバ(22)が配置された前記オブジェクトプロバイダドメイン(20)の前記プロバイダドメインメモリ(23M)に登録し、
公開フラグは前記コンテンツが他のドメインに公開可能であることを示し、内部使用フラグは前記コンテンツがオブジェクトプロバイダドメイン(20)内で使用されるべきことを示す、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項8】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザのユーザ名と通信のタイプを示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記ユーザ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ユーザ名がディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項9】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項8に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項10】
前記さらなる応答メッセージは、前記通信相手ユーザのユーザ名とユーザIDと、前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイス名とデバイスIDと、前記第2のユーザ装置で使用される通信のタイプと、前記通信相手ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスを示し、
前記第2のプロキシ装置(23)が前記さらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信するとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)と前記第1のプロキシ装置(12)は、前記ユーザ名、前記ユーザID、前記通信のタイプ、前記デバイス名、前記デバイスIDおよび前記ディレクトリサーバアドレスをキャッシュする、
請求項8または請求項9に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項11】
前記第1のプロキシ装置(12)が前記通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイスIDを知った後、前記第1のプロキシ装置は、そのデバイスIDを示すメッセージまたは電子メールを前記第2のプロキシ装置(23)に送信する、
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項12】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイス名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記デバイス名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記デバイス名に含まれるユーザ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記デバイス名を有する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項13】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項12に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項14】
前記さらなる応答メッセージは、前記通信相手ユーザのユーザ名とユーザIDと、前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイス名とデバイスIDと、前記第2のユーザ装置で使用される通信のタイプと、前記通信相手ユーザが加入しているネットワークオペレータドメイン(30)のディレクトリサーバ装置(31)のディレクトリサーバアドレスを示し、
前記第2のプロキシ装置(23)が前記さらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信するとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)と前記第1のプロキシ装置(12)は、前記ユーザ名、前記ユーザID、前記通信のタイプ、前記デバイス名、前記デバイスIDおよび前記ディレクトリサーバアドレスをキャッシュする、
請求項12または13に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項15】
前記第1のプロキシ装置(12)が前記通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイスIDを知った後、前記第1のプロキシ装置は、そのデバイスIDを示すメッセージまたは電子メールを前記第2のプロキシ装置(23)に送信する、
請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項16】
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからコンテンツベースの通信サービスを要求しコンテンツ名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、コンテンツベースの通信サービスを要求し前記コンテンツ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記コンテンツ名がディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記コンテンツ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知し、
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザのユーザ名と通信のタイプを示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記ユーザ名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ユーザ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信し、
前記第1のプロキシ装置(12)の1つが前記第1のユーザ装置(11)の1つからエンドトゥエンドの通信サービスを要求し通信相手ユーザの第2のユーザ装置のデバイス名を示す第1の要求メッセージを受信すると、その第1のプロキシ装置(12)は、その第1のプロキシ装置(12)にリンクされたディレクトリサーバ装置(31)に、エンドトゥエンドの通信サービスを要求し前記デバイス名を示す第2の要求メッセージを送信し、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記デバイス名に含まれるユーザ名が前記ディレクトリサーバメモリ(31M)に記憶されているか否か判断し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記ユーザ名を記憶しているとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記デバイス名を有する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項1に記載のネットワークアーキテクチャ。
【請求項17】
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記第1の要求メッセージで示された前記コンテンツ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記コンテンツ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記コンテンツ名と関連付けられたコンテンツのためのメタデータ情報と前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)にそのメタデータ情報とその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、
前記他のディレクトリサーバ装置(31)から前記応答メッセージを受信すると、前記メッセージルーティングサーバ装置(40)および前記ディレクトリサーバ装置(31)は、前記第1の第1のプロキシ装置(12)に前記応答メッセージを転送し、前記第1のプロキシ装置(12)は前記第1の要求メッセージを送信した第1のユーザ装置(11)にそのメタデータ情報を通知し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記第1の要求メッセージで示された前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記通信のタイプを示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記通信のタイプに関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信し、
前記ディレクトリサーバメモリ(31M)が前記第1の要求メッセージで示された前記デバイス名に含まれる前記ユーザ名を記憶していないとき、前記ディレクトリサーバ装置(31)は前記メッセージルーティングサーバ装置(40)に前記第2の要求メッセージを転送し、前記メッセージルーティングサーバ装置は、前記メッセージルーティングサーバメモリ(40M)に記憶された情報に基づいて、前記ユーザ名に含まれたネットワークオペレータドメイン(30)のインジケータからディレクトリサーバアドレスを特定して、そのディレクトリサーバアドレスを有する他のディレクトリサーバ装置(31)に前記第2の要求メッセージを転送し、
前記第2の要求メッセージを受信すると、前記他のディレクトリサーバ装置(31)は、前記他のディレクトリサーバ装置(31)の前記ディレクトリサーバメモリ(31M)内で、前記ユーザ名と関連付けられたユーザIDと前記第2のプロキシアドレスを読み出して、前記第1のプロキシ装置(12)にそのユーザIDとその第2のプロキシアドレスを示す応答メッセージを送信し、前記第1のプロキシ装置(12)はその第2のプロキシアドレスを有する第2のプロキシ装置(23)に前記通信相手ユーザの前記ユーザIDと前記デバイス名を示す第3の要求メッセージを送信し、
前記第3の要求メッセージを受信すると、前記第2のプロキシ装置(23)は、前記プロバイダドメインメモリ(23M)内で前記ユーザIDおよび前記デバイス名に関連付けられたデバイスIDを読み出して、前記通信のタイプに適する前記通信相手ユーザの前記第2のユーザ装置のデバイスIDを示すさらなる応答メッセージを前記第1のプロキシ装置(12)に送信する、
請求項16に記載のネットワークアーキテクチャ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−174164(P2012−174164A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−38005(P2011−38005)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38005(P2011−38005)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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