説明

ネットワークシステム、コンテンツ再生引継ぎ方法、及びプログラム

【課題】ローカルネットワーク内において、グローバルネットワーク上のコンテンツに対する、操作性のよい制御を実現することが可能なネットワークシステムを提供すること。
【解決手段】本発明に係るネットワークシステムはグローバルネットワークとローカルネットワークとを接続するゲートウェイと、ゲートウェイを介してグローバルネットワークからコンテンツを取得し再生可能な2つの情報処理装置とを具備し、一方の情報処理装置はユーザからコンテンツの再生を他方の情報処理装置に引き継がせるための指示を受け付ける入力部と、指示が入力されたときに当該他方の情報処理装置にグローバルネットワークからコンテンツを取得するための再生引継ぎ命令を伝送する再生引継ぎ命令送信部とを具備し、他方の情報処理装置はコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を受信する再生引継ぎ命令受信部と、受信した再生引継ぎ命令を実行する命令実行部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローバルネットワークからコンテンツを取得することが可能な複数の情報処理装置を含むネットワークシステム、コンテンツ再生引継ぎ方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内のホームネットワークを構築する規格として、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)が知られている。このDLNA規格により、音楽データや動画データ等のデジタルコンテンツが、ホームネットワーク内にて制御される。
【0003】
例えば特許文献1では、DLNA規格を用いたホームネットワーク上で動作するコンテンツ再生システムが記載されている。このコンテンツ再生システムは、ホームネットワークを介して相互に接続されたコントローラ、サーバ及びレンダラを備える。
【0004】
コントローラを介してユーザにより再生を希望するコンテンツが指示される。このときにコントローラによりそのコンテンツが再生可能な場合には、コントローラ自身がサーバからコンテンツを取得して再生する。コントローラ自身がコンテンツを再生できない場合には、そのコンテンツを再生できる機能を有するレンダラにコンテンツの再生が指示される。これによりユーザの操作性が向上される(特許文献1の段落[0076]、[0124]、図2等参照)。
【0005】
また近年、デジタルコンテンツを扱うAV(Audio/Visual)機器間においてコンテンツを伝送するための様々な方式のインターフェイスが提案されている。例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394規格や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)規格等が広く知られている(例えば特許文献2の図1、図2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4281798号公報
【特許文献2】特開2007−267116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のホームネットワークにおいて、インターネットとの接続のための家庭内ゲートウェイが設置されているとする。そしてコントローラ及びレンダラが、家庭内ゲートウェイを介してインターネット上のコンテンツにアクセスし、表示することが可能であるとする。
【0008】
例えばコントローラにより表示・視聴されていたコンテンツが、レンダラに切り替えて表示・視聴される場合が考えられる。しかしながらDLNA規格を用いたホームネットワークでは、インターネットのグローバルアドレス上のコンテンツを指定することが出来ない。従ってレンダラに対して、グローバルアクセス上のコンテンツにアクセスし、表示するように指示することは困難である。
【0009】
またコントローラとレンダラとが、HDMI等の有線高速デジタルインターフェイスで接続されている場合、当該インターフェイスを用いてコンテンツが伝送可能である。しかしながらこの場合、両機器間におけるコンテンツの再生解像度の調整が必要となり、最適な表示品位にならない可能性がある。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ローカルネットワーク内において、グローバルネットワーク上のコンテンツに対する、操作性のよい制御を実現することが可能なネットワークシステム、コンテンツ再生引継ぎ方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るネットワークシステムは、ゲートウェイと、少なくとも2つの情報処理装置とを具備する。
前記ゲートウェイは、コンテンツの供給源を含むグローバルネットワークとローカルネットワークとを接続する。
前記2つの情報処理装置は、前記ローカルネットワークに接続可能であり、前記ゲートウェイを介して前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得し再生可能である。
前記2つの情報処理装置のうち、一方の情報処理装置は、入力部と、再生引継ぎ命令送信部とを具備する。
前記入力部は、ユーザから前記コンテンツの再生を他方の情報処理装置に引き継がせるための指示を受け付ける。
前記再生引継ぎ命令送信部は、前記指示が入力されたとき、前記他方の情報処理装置に、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得するために必要なコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を伝送する。
前記2つの情報処理装置のうち、他方の情報処理装置は、再生引継ぎ命令受信部と、命令実行部とを具備する。
前記再生引継ぎ命令受信部は、前記コンテンツアクセス情報を含む前記再生引継ぎ命令を受信する。
前記命令実行部は、前記受信した再生引継ぎ命令を実行する。
【0012】
このネットワークシステムは、グローバルネットワークからコンテンツを取得し再生可能な少なくとも2つの情報処理装置を有する。そしてコンテンツを再生する一方の情報処理装置から他方の情報処理装置に再生引継ぎ命令が伝送される。再生引継ぎ命令を受信した他方の情報処理装置は、グローバルネットワークから当該コンテンツを取得し再生する。これによりローカルネットワーク内において、グローバルネットワーク上のコンテンツに対する、操作性のよい制御を実現することが可能となる。
【0013】
前記再生引継ぎ命令送信部及び前記再生引継ぎ命令受信部は、前記2つの情報処理装置をダイレクトに接続するインターフェイス手段を通じて再生引継ぎ命令を送受信してもよい。
このように2つの情報処理装置をダイレクトに接続するインターフェイス手段を通じて、グローバルネットワーク上のコンテンツ供給源へのアクセスが指示されてもよい。
【0014】
前記インターフェイス手段は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠したインターフェイスであってもよい。この場合、前記再生引継ぎ命令送信部は、HDMI−CEC(Consumer Electronics Control)による制御信号に前記コンテンツアクセス情報を追加した制御信号を伝送してもよい。
このようにHDMI規格に準拠したインターフェイスによりPtoP(peer-to-peer)接続された2つの情報処理装置間において、グローバルネットワーク上のコンテンツ供給源へのアクセスが指示されてもよい。
【0015】
前記再生引継ぎ命令送信部及び前記再生引継ぎ命令受信部は、前記ローカルネットワークを通じて前記再生引継ぎ命令を送受信してもよい。
このようにローカルネットワーク内での再生引継ぎ命令の送受信により、グローバルネットワーク上のコンテンツの取得が指示されてもよい。
【0016】
前記ローカルネットワークは、DLNA(Digital Living Network Alliance)規格に準拠したネットワークであってもよい。この場合、前記再生引継ぎ命令送信部は、UPnP(Universal Plug and Play)の制御メッセージに前記コンテンツアクセス情報を追加した制御メッセージを伝送してもよい。
このようにDLNA規格に準拠したネットワークにおけるUPnPの制御メッセージにより、グローバルネットワーク上のコンテンツの取得が指示されてもよい。
【0017】
前記再生引継ぎ命令が、コンテンツの時刻情報を含んでもよい。
これにより例えばコンテンツ供給源によるコンテンツの供給が、VOD(Video On Demand)方式で実行される場合に、操作性よくコンテンツを取得することができる。
【0018】
本発明の一形態に係るコンテンツ再生引継ぎ方法は、コンテンツの供給源を含むグローバルネットワークとローカルネットワークとを接続するゲートウェイを介して、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得し再生可能な少なくとも2つの情報処理装置を前記ローカルネットワークに接続することを含む。
一方の情報処理装置は、入力部にて、ユーザからコンテンツの再生を他方の情報処理装置に引き継ぐための指示を受け付ける。前記指示が入力されたとき、再生引継ぎ命令送信部にて、前記他方の情報処理装置に、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得するために必要なコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を伝送する。
他方の情報処理装置は、再生引継ぎ命令受信部にて、前記一方の情報処理装置より前記アクセス情報を含む再生引継ぎ命令を受信する。また命令実行部にて、前記受信した再生引継ぎ命令を実行する。
【0019】
本発明の一形態に係るプログラムは、コンピュータを、ネットワーク接続部と、コンテンツ取得再生部と、入力部と、再生引継ぎ命令送信部と、再生引継ぎ命令受信部と、命令実行部として機能させる。
前記ネットワーク接続部は、ゲートウェイを介してグローバルネットワークと接続可能なローカルネットワークと接続するためのものである。
前記コンテンツ取得再生部は、前記ゲートウェイを介して前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得し再生可能である。
前記入力部は、前記コンテンツの再生を前記ローカルネットワークに接続された他の機器にて引き継がせるための指示をユーザより受け付ける。
前記再生引継ぎ命令送信部は、前記指示が入力されたとき、前記他の機器に、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得するために必要なコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を伝送する。
前記再生引継ぎ命令受信部は、他の機器より前記アクセス情報を含む再生引継ぎ命令を受信する。
前記命令実行部は、前記受信した再生引継ぎ命令を実行する。
前記プログラムは、記録媒体に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、ローカルネットワーク内において、グローバルネットワーク上のコンテンツに対する、操作性のよい制御を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムを模式的に示す図である。
【図2】図1に示すTV装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【図3】図1に示す携帯端末の構成を示す模式的なブロック図である。
【図4】図1に示すネットワークシステムにおいて、HDMI−CECを用いたTV装置及び携帯端末間の制御シーケンス例を模式的に示すシーケンス図である。
【図5】図4に示すシンク機器がネットワークコンテンツにアクセス可能な機能を有している場合のEDIDのデータ構造例を示す図である。
【図6】図5に示す「Vendor Specific」エリアの一例を詳細に示す図である。
【図7】本実施形態の拡張されたHDMI−CECのコマンドの一例を示す図である。
【図8】図1に示すネットワークシステムにおいて、ローカルネットワークを通じたTV装置及び携帯端末間の制御シーケンス例を模式的に示すシーケンス図である。
【図9】図8に示すDiscovery AdvertisementやDiscovery Responseにより通知される、デバイスが有する機能を記述したXML表現例を示す図である。
【図10】本実施形態の拡張されたUPnPの「AVTransport::Play()」のコマンド例を示す図である。
【図11】本実施形態の再生引継ぎ命令を伝送する携帯端末側での処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
[ネットワークシステムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムを模式的に示す図である。図1には、本実施形態に係るネットワークシステム100と、グローバルネットワークとしてのインターネット900と、インターネット900に接続されたコンテンツ供給源としてのサーバ950とが図示されている。
【0024】
インターネット900は、典型的には、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を利用したネットワークである。しかしながら他のプロトコルを利用したグローバルネットワークが用いられてもよい。
【0025】
サーバ950には、静止画データ、動画データ、又は音楽データ等の種々のデジタルコンテンツが記録されている。サーバ950は、例えばインターネット900に接続された他の情報処理装置からの要求により、インターネット900を介して当該他の情報処理装置にコンテンツを供給することが可能である。
【0026】
ネットワークシステム100は、インターネット900とローカルネットワーク200とを接続するホームゲートウェイ250と、少なくとも2つの情報処理装置としての第1の表示装置300と第2の表示装置400とを有する。第1及び第2の表示装置300及び400は、それぞれローカルネットワーク200に接続可能である。
【0027】
本実施形態に係るローカルネットワーク200は、DLNA規格に準拠したネットワークである。またホームゲートウェイ250、第1及び第2の表示装置300及び400はDLNA規格に対応した機器である。
【0028】
本実施形態では、第1の表示装置300としてTV装置が用いられる(以後、TV装置300と記載する)。また第2の表示装置として携帯端末が用いられる(以後、携帯端末400と記載する。)その他、第1及び第2の表示装置300及び400として、例えば携帯電話機等のPDA(Personal Digital Assistants)、PC(Personal computer)、プロジェクター装置等、種々の情報処理装置が用いられてよい。
【0029】
図1に示すように、ホームゲートウェイ250は、インターネット900を介してサーバ950に接続されている。従ってTV装置300及び携帯端末400はホームゲートウェイ250を介して、サーバ950が記憶するコンテンツを取得し再生することが可能である。なおTV装置300及び携帯端末400は、ホームゲートウェイ250とインターネット900を介して接続された図示しない他のサーバよりコンテンツを取得することも可能である。
【0030】
また本実施形態では、TV装置300及び携帯端末400がHDMI規格やWi‐Fi規格に準拠したデジタルインターフェイスによりダイレクトに接続されている。すなわち図1に示すように、TV装置300及び携帯端末400の間でPtoP接続210が構築されている。
【0031】
[TV装置]
図2は、本実施形態に係るTV装置300の構成を示す模式的なブロック図である。TV装置300は、装置全体を制御するために、内部バス301に接続されたCPU(Central Processing Unit)302、FlashROM(Flash Read Only Memory)303及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)304等を有する。
【0032】
TV装置300は、携帯端末400から伝送されたベースバンド映像・音声信号を受信するためのHDMI端子305を有する。受信したベースバンド映像・音声信号は、HDMI受信部306により、映像信号、音声信号及び制御信号にそれぞれ分離される。
【0033】
HDMI受信部306により生成された映像信号は、映像信号処理回路307に入力される。そして映像信号に必要な信号処理が施される。その後、映像信号にグラフィック生成回路308で生成されたOn Screen Display情報が重畳され、その信号がパネル駆動回路309に入力される。そしてTV装置300が有する表示パネル310に映像が表示される。
【0034】
HDMI受信部306により生成された音声信号は、音声信号処理回路311に入力される。そして音声信号に必要な信号処理が施される。その後、音声信号は音声増幅回路312により所望の音声レベルに増幅されてスピーカー313に出力される。これによりスピーカー313で音声が再生される。
【0035】
HDMI受信部306により生成された制御信号は、内部バス301を経由してCPU302に出力され、当該制御信号に基づいて種々の処理が実行される。
【0036】
本実施形態では、後述する再生引継ぎ命令としての拡張されたHDMI−CECによる制御信号が、HDMI受信部306によりHDMI端子305を介して受信される。そしてCPU302に制御信号が出力され再生引継ぎ命令が実行される。すなわち本実施形態に係るHDMI受信部306は、再生引継ぎ命令受信部として機能する。またCPU302は、命令実行部として機能する。
【0037】
TV装置300は、ローカルネットワーク200に接続するためのネットワーク端子314を有している。このネットワーク端子314により、インターネット900からコンテンツが取得される。
【0038】
ネットワーク端子314に入力されたコンテンツはEthernet(登録商標)伝送部315に出力され、そこで必要なパケットが抽出される。映像・音声に関わるパケットはMPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ316に入力される。MPEGデコーダ316は、入力されたパケットから映像・音声信号を復号し、各信号を映像信号処理回路307と音声信号処理回路311とに出力する。そして上記した処理により、表示パネル310に映像が表示され、スピーカー313から音声が再生される。DLNA規格に準拠した制御パケットは内部バス301を経由してCPUに出力され、種々の処理が実行される。
【0039】
本実施形態に係る他の再生引継ぎ命令としての、拡張されたUPnPの制御メッセージ信号は、Ethernet(登録商標)伝送部315によりネットワーク端子314を介して受信される。そしてCPU302に制御メッセージ信号が出力され再生引継ぎ命令が実行される。すなわち本実施形態に係るEthernet(登録商標)伝送部315は、もう1つの再生引継ぎ命令受信部として機能する。またCPU302は、命令実行部として機能する。
【0040】
本実施形態では、ユーザがTV装置300をリモコン317により操作することが可能である。リモコン317により送信された制御コードがリモコン受信部318で受信される。受信された制御コードは内部バス301に接続されたCPU302に出力され、解読されてTV装置300が制御される。
【0041】
またTV装置300は、Wi‐Fi伝送部319を有している。Wi‐Fi伝送部319は、TV装置300及び携帯端末400が、Wi‐Fi接続によりワイヤレスでPtoP接続される場合に用いられる(以下このPtoP接続210を、Wi‐Fi接続210という場合がある)。
【0042】
本実施形態に係る他の再生引継ぎ命令としての、拡張されたUPnPの制御メッセージ信号が、Wi‐Fi伝送部319により受信されてもよい。そしてCPU302に制御メッセージ信号が出力され再生引継ぎ命令が実行される。すなわち本実施形態に係るWi‐Fi伝送部319は、さらに別な再生引継ぎ命令受信部として機能する。またCPU302は、命令実行部として機能する。
【0043】
[携帯端末]
図3は、本実施形態に係る携帯端末400の構成を示す模式的なブロック図である。本実施形態に係る携帯端末400としては、図2に示すTV装置300と比較して、表示出来る映像の解像度が低いあるいは表示部の画素数が少ない装置が想定されている。従って図3に示すように、携帯端末400の構成は、TV装置300と比べて簡素化されている。
【0044】
図3に示すように携帯端末400は、装置全体を制御するために、内部バス401に接続されたCPU402、FlashROM403及びDRAM404等を有する。
【0045】
携帯端末400は、ローカルネットワーク200に接続するためのネットワーク端子414を有している。このネットワーク端子414により、インターネット900からコンテンツが取得される。
【0046】
ネットワーク端子414に入力されたコンテンツはEthernet(登録商標)伝送部415に出力され、そこで必要なパケットが抽出される。映像・音声に関わるパケットは内部バス401を経由して信号・グラフィック処理部407に出力される。信号・グラフィック処理部407は入力された映像パケットを復号し、表示部410に表示させる。音声パケットは内部バス401を経由して音声処理部411に出力され、復号されてスピーカー413により再生される。
【0047】
携帯端末400は、HDMI送信部406及びHDMI端子405を有する。HDMI送信部406及びHDMI端子405を介してインターネットコンテンツをTV装置300に出力することも可能である。
【0048】
携帯端末400は、ユーザからの指示を受け付ける入力部420を有する。入力部420は、例えば数字キー又は文字キー等の各種のファンクションキーや、タッチパネル等で構成される。
【0049】
入力部420より、ユーザからコンテンツの再生を他方の情報処理装置であるTV装置300に引き継がせるための指示が受け付けられる。すなわちユーザが入力部420を操作することで、TV装置300によりコンテンツの表示を行う旨の指示が入力される。そうすると入力された指示はCPU402で処理され、FlashROM403及びDRAM404に備えられている処理手順に従って制御コマンドが生成される。
【0050】
このように本実施形態に係る再生引継ぎ命令としての、拡張されたHDMI−CECによる制御信号はCPU402にて生成される。そしてHDMI送信部406によりHDMI端子405を介してTV装置300へ伝送される。すなわち本実施形態では、HDMI送信部406は、再生引継ぎ命令送信部として機能する。
【0051】
本実施形態に係る他の再生引継ぎ命令としての、拡張されたUPnPの制御メッセージ信号もCPU402にて生成される。そして内部バス401、Ethernet(登録商標)伝送部415、及びネットワーク端子414を経由してTV装置300に伝送される。すなわち本実施形態では、Ethernet(登録商標)伝送部415が、もう1つの再生引継ぎ命令送信部として機能する。
【0052】
また携帯端末400は、Wi‐Fi伝送部419を有している。本実施形態に係る他の再生引継ぎ命令としての、拡張されたUPnPの制御メッセージ信号が、内部バス401、Wi‐Fi伝送部419を経由してTV装置300に伝送されてもよい。すなわち本実施形態では、Wi‐Fi伝送部419が、さらに別な再生引継ぎ命令送信部として機能する。
【0053】
[ネットワークシステムの動作]
図4は、本実施形態に係るネットワークシステムにおいて、HDMI−CECを用いたTV装置300及び携帯端末400間の制御シーケンス例を模式的に示すシーケンス図である。
【0054】
ここではTV装置300がシンク機器となり、携帯端末400がソース機器となる。以下、TV装置300をシンク機器300と記載し、携帯端末400をソース機器400と記載する場合がある。
【0055】
HDMIによるPtoP接続210により、ソース機器400からシンク機器300にコンテンツ等が伝送可能である。本実施形態では、以下に示すように、ソース機器400からシンク機器300に再生引継ぎ命令が伝送される。そしてシンク機器300自身がインターネット900上のサーバ950にアクセスし、コンテンツを取得することが可能となる。
【0056】
まず、ソース機器400はHDMIの18ピンを用いて5Vの電源をシンク機器300に供給する(ステップ1)。シンク機器300は供給された5Vの電源を用いて19ピンのHPD(Hot Plug Detect)ラインを5Vにする。そして、シンク機器300がHDMI接続されていることをソース機器400に伝える(ステップ2)。
【0057】
ソース機器400は、HPDラインが5Vになった時、シンク機器300が有するEDID(Extended display identification data)を読み出す(ステップ3)。これによりシンク機器300がインターネット900上のコンテンツにアクセスして表示可能かどうかを判別することができる。
【0058】
図5は、シンク機器300がネットワークコンテンツにアクセス可能な機能を有している場合のEDIDのデータ構造例を示す図である。図5に示すように、EDIDの拡張ブロックA内に、ベンダー独自に定義する領域として「Vendor Specific」エリアBが設定されている。
【0059】
図6は、その「Vendor Specific」エリアBの一例を詳細に示す図である。1バイト目のByte0には、データ形式が「Vendor Specific」である事を示す(0x03)の値と、「Vendor Specific」エリアBのデータ長が記入される。2〜4バイト目のByte1〜3には、IEEEに登録されたメーカーコードが記入される。5、6バイト目のByte4、5には、物理アドレスが記入される。
【0060】
7バイト目のByte6には、シンク機器300が対応する機能を示すビットが割り当てられている。Byte6の第7ビットはオーディオのデータ形式を表し、第6〜第4ビットまではColor Depth対応を表す。第3ビットはビデオのYCbCr(4:4:4)形式の対応を表し、第0ビットはDVI(Digital Visual Interface)デュアルリンク対応を表す。
【0061】
本実施形態では、シンク機器300であるTV装置300がインターネット900からコンテンツを取得し再生可能であることを表すために、第1ビットに「IPTV」フラグCを新たに定義する。
【0062】
図4のステップ3にて、シンク機器300のEDIDの「IPTV」フラグCが有効である場合、以下のシーケンスが実行される。まずソース機器400である携帯端末400によりインターネット900のコンテンツが取得され再生される。そのために携帯端末400はインターネット900上のサーバ950にホームゲートウェイ250を介して接続し、コンテンツの取得要求を送信する(ステップ4)。取得要求は、例えばインターネット900上のコンテンツのアドレス情報であるURL(Uniform Resource Locator)と、ファイル名の情報とを含む。
【0063】
サーバ950は、指定されたコンテンツをストリーミング又はダウンロード形式によりファイル伝送する(ステップ5)。携帯端末400は、伝送されたファイルを受け取り、表示部410やスピーカー413にて再生する。
【0064】
ここでユーザにより、ソース機器400で表示・視聴されていたコンテンツを、シンク機器300により表示・視聴させる指示が入力される。すなわちユーザにより、コンテンツの再生をシンク機器300に引き継がせるための指示が、ソース機器400の入力部420に入力される。このときソース機器400はシンク機器300の状態をHDMI−CECのコマンドである「Give Device Power Status(0x8F)」や「Give Tuner Device Status(0x08)」を用いて確認する(ステップ6)。
【0065】
EDIDの「IPTV」フラグCが有効な場合、ソース機器400は、HDMI−CECによる制御信号にコンテンツのURLを含むコンテンツアクセス情報を追加した制御信号、すなわち本実施形態に係る再生引継ぎ命令をシンク機器300に伝送する。この結果ソース機器400により、HDMI−CECの「Tuner Control」を拡張したコマンドが用いられることで、シンク機器300が制御される(ステップ7)。
【0066】
図7は、拡張されたHDMI−CECのコマンドの一例を示す図である。図7(A)に示すように、アナログ放送の選局のために「0x92」のオペコードが用いられ、デジタル放送の選局のために「0x93」のオペコードが用いられている。
【0067】
本実施形態では、インターネット上のコンテンツを取得するために「0x94」のオペコードDが新規に付与される。この「0x94」のオペコードDにおいて、オペランドとして32バイト長のASCII(American Standard Code for Information Interchange)コードによるURLが指定される。
【0068】
HDMI−CECの規格では、オペランドの長さは14バイトに制限されることが多い。しかしながらURLの指定には14バイト以上のオペランド長が必要である。従って、図7(B)に示すように、本実施形態では、オペランドの長さとして32バイトが割り当てられる。
【0069】
図4のステップ7において、ソース機器400は、HDMI−CECのプロトコルに則り、異なる3つのCECパケットにURLデータを分解して伝送する。図7(B)に示すオペランドの最初のバイトには、当該3つのCECパケットの順番を示すシルアル番号が割り振られている。
【0070】
シンク機器300側では、「0x94」のオペコードDとシリアル番号が認識される。そして異なるタイミングで伝送されるCECパケットが3つ受信された上で、3つ目のCECパケット内のデータ終端コードが判定される。これによりURLデータが再構築される。
【0071】
ASCIIコードによる英数文字は、「0x20」〜「0x7E」の間なので、データ終端コードを例えば「0xFF」として定義すれば、容易に判定出来る。なお、URLのデータ長を32文字として説明したが、「0x94」のオペコードDとシリアル番号のヘッダ情報の組合せで、32文字に限定されることなく、URLデータの伝送が可能となる。これにより、データ長が長いURLデータをHDMI−CECによる制御信号に付加することができる。
【0072】
シンク機器300は、拡張された「Tuner Control」コマンドに従って、インターネット900上のサーバ950へ、取得したいコンテンツを指定してファイル伝送を要求する(ステップ8)。この際、シンク機器300の表示能力に応じたコンテンツが指定されてもよい。
【0073】
サーバ950はシンク機器300からの要求に応じて、指定されたコンテンツのファイルを伝送する(ステップ9)。シンク機器300は伝送されたファイルを受け取り、表示パネル310にて再生する。
【0074】
ユーザにより、シンク機器300でのコンテンツの再生を終了する旨の指示が、ソース機器400の入力部420に入力される。この場合、ステップ6で状態情報を取得した際の状態にシンク機器300を戻すために、ソース機器400からのHDMI−CECのコマンドが伝送される(ステップ10)。これによりシンク機器300は、インターネットコンテンツの表示を終了する。
【0075】
図8は、本実施形態に係るネットワークシステム100において、ローカルネットワーク200もしくはWi‐Fi接続210を通じたTV装置300及び携帯端末400間の制御シーケンス例を模式的に示すシーケンス図である。
【0076】
ここではUPnPの制御メッセージが用いられることで、ローカルネットワーク200内もしくはWi‐Fi接続210に存在する機器間の制御が実行される。図8に示すように、以後携帯端末400を、制御する側の機器としてコントロールポイント400と記載する場合がある。またTV装置300を、制御される側の機器としてデバイス300と記載する場合がある。
【0077】
本実施形態では、ホームゲートウェイ250が、同一プライベートアドレス内において各機器にアドレスを割り当てるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとして機能する(以後、DHCPサーバ250と記載する場合がある)。あるいはコントロールポイント400又はデバイス300がAutoIP機能を有してもよい。
【0078】
ローカルネットワーク200もしくはWi‐Fi接続210に接続されるコントロールポイント400及びデバイス300は、DHCPサーバ250からプライベートアドレスをそれぞれ取得する(ステップ11、ステップ12)。
【0079】
アドレスを取得したデバイス300は、ローカルネットワーク200もしくはWi‐Fi接続210上の機器へ、自身の存在をSSDP(Simple Service Discovery Protocol)NOTIFYメッセージを用いて、ブロードキャスト(Discovery Advertisement)する(ステップ13)。これによりコントロールポイント400は、デバイス300がインターネット900上のコンテンツを取得して再生することが可能かどうか確認できる。
【0080】
ブロードキャストによる通知(ステップ13)の他に、コントロールポイント400がローカルネットワーク200もしくはWi‐Fi接続210上の全ての機器の機能を確認するための、Discovery Search(ステップ13a)及びDiscovery Response(ステップ13b)による方法が用いられてもよい。この場合、コントロールポイント400により、HTTPMU(HTTP Multicast over UDP)でSSDP M_SEARCHメッセージがマルチキャストされる。そして、このメッセージを受信したデバイス300により、SSDPヘッダを含むUDPレスポンスが通知される。
【0081】
図9は、Discovery Advertisement(ステップ13)やDiscovery Response(ステップ13b)により通知される、デバイス300が有する機能を記述したXML(Extensible Markup Language)表現例を示す図である。
【0082】
本実施形態では、図9に示すXMLの記述において、インターネットコンテンツを取得し再生することができるデバイス300の機能が記述される。そのために本実施形態では、新たなサービスの定義として「InternetTuner」が追加され、その他の情報と合わせて記述される。図9の破線で囲った部分Eが、本実施形態において追加された記述である。このDiscovery情報により、デバイス300がインターネットコンテンツへのアクセス及び表示の能力を有するかどうかの判別が可能となる。
【0083】
ユーザからコントロールポイント400に、インターネット900上のコンテンツを取得し再生する操作が入力される。そうするとコントロールポイント400がインターネット900上のサーバ950に接続され、ユーザにより選択されたコンテンツの取得要求が行われる(ステップ14)。
【0084】
サーバ950は、指定されたコンテンツをストリーミング又はダウンロード形式によりファイル伝送する(ステップ15)。コントロールポイント400は、伝送されたファイルを受け取り、表示部410やスピーカー413にて再生する。
【0085】
デバイス300の「InternetTuner」サービスが有効な場合、続けて以下のシーケンスが実行される。まずユーザによりコントロールポイント400で表示・視聴されていたコンテンツを、デバイス300により表示・視聴させる指示が入力される。すなわちユーザにより、コンテンツの再生をデバイス300に引き継がせるための指示が、コントロールポイント400の入力部420に入力される。このときコントロールポイント400は、サーバ950に、接続準備のためのコマンド「Prepare For Connection」を伝送する(ステップ16)。
【0086】
次に、コントロールポイント400は、UPnPの制御メッセージにコンテンツのURLを含むコンテンツアクセス情報を追加した制御メッセージ、すなわち本実施形態に係る再生引継ぎ命令をデバイス300に伝送する。この結果コントロールポイント400により、UPnPの「AVTransport::Play()」を拡張したコマンドが用いられることで、デバイス300が制御される(ステップ17)。
【0087】
デバイス300の制御は、図9に示す「InternetTuner」サービスの制御を示す「Control URL」に記述されたアドレスへ、SOAP(Simple Object Access Protocol)を用いてコマンドをPostする事で実現可能である。
【0088】
図10は、拡張されたUPnPの「AVTransport::Play()」のコマンド例を示す図である。図10に示す破線で囲まれた部分F1〜F7が、本実施形態に係る追加された記述である。
【0089】
図10に示すように、「AVTransport::Play()」のコマンド内において、グローバルアドレスとコンテンツのファイル名(Global Address + file name)が記述されている(部分F1及びF6参照)。この記述された情報により、デバイス300によるインターネットコンテンツの選択、取得及び再生が可能となる。
【0090】
また図10に示すように、本実施形態では、コンテンツの絶対時間を表すアブソリュートタイムについて記述されている(部分F7参照)。これによりコンテンツを取得するデバイス300に、コンテンツのどの位置から再生を開始するのかを指定することができる。このように再生引継ぎ命令としての拡張されたUPnPの制御メッセージが、コンテンツの時刻情報を含んでもよい。これにより例えばサーバ950によるコンテンツの供給が、VOD方式で実行される場合に、操作性よくコンテンツを取得することができる。
【0091】
デバイス300は、コントロールポイント400からの「AVTransport::Play()」コマンドに従って、サーバ950へコンテンツの伝送要求を行う(ステップ18)。サーバ950は、指定されたコンテンツをTCPやUDPのプロトコルを用いてデバイス300へ伝送する。デバイス300は、受け取ったコンテンツを表示パネル310等で再生する。
【0092】
ユーザにより、デバイス300によるコンテンツの再生を終了する旨の指示が、コントロールポイント400の入力部420に入力される。この場合コントロールポイント400は、サーバ950及びデバイス300に対し、伝送の停止を指示する「ConnectionComplete()」コマンドをそれぞれ伝送する(ステップ20、ステップ21)。これによりデバイス300は、インターネットコンテンツの表示を終了する。
【0093】
図11は、再生引継ぎ命令を伝送する携帯端末400側での処理手順の一例を示すフローチャートである。図11には、図4及び図8の各シーケンス図に共通する携帯端末400の基本的な処理手順が記載されている。
【0094】
携帯端末400は、TV装置300と接続されているかを判断する(ステップ22)。TV装置300と接続されてない場合は処理が終了する。TV装置300と接続されている場合は、TV装置300がインターネットコンテンツを取得し再生することが可能かどうか判別される。TV装置300の機能は、EDID又はUPnPのデバイス情報が取得されることで確認される(ステップ23)。なおTV装置300の機能は、携帯端末400の所定の記憶領域に記憶される。
【0095】
ユーザからのコンテンツの再生を携帯端末400からTV装置300へ切り替える指示の有無が判定される(ステップ24)。切り替え指示がない場合は、ステップ24の判定処理が繰り返される(ステップ24のNo)。切り替え指示があった場合は、ステップ23で取得したTV装置300の機能情報から、TV装置300の機能が判別される。すなわち、TV装置300が、携帯端末400で表示・視聴されているインターネットコンテンツを表示する機能を有するかどうかが判定される(ステップ25)。
【0096】
TV装置300が当該機能を有さない場合、切り替え操作が不可能であることがユーザに通知される。例えば携帯端末400の表示部410に、警告表示等の切り替え操作非対応のUI(User Interface)が表示される(ステップ27)。TV装置300が当該機能を有する場合は、拡張されたHDMI−CECによる制御信号や拡張されたUPnPの制御メッセージ信号を用いて、切り替え処理に必要な情報がTV装置300へ伝送される(ステップ26)。
【0097】
ユーザに切り替え処理が実行されたことを通知するためのUIが、携帯端末400の表示部410に表示される(ステップ28)。この後、TV装置300によるコンテンツの再生を終了させるためのUIが表示されてもよい。例えばユーザが操作可能な入力ボタン等が表示される。
【0098】
TV装置300によりコンテンツが表示・視聴されている際、ユーザから携帯端末400に、TV装置300による表示・視聴の終了指示が入力されたかどうか判定される(ステップ29)。終了指示の入力がない場合は、ステップ29の判定処理が繰り返される(ステップ29のNo)。終了指示の入力があった場合は、HDMI−CECのコマンドやUPnPの「AVTranspot::Stop()」コマンド等を用いて、表示・視聴の終了をTV装置300へ伝送する(ステップ30)。これにより、本処理が終了となる。又はユーザからの切り替え指示を判断する処理(ステップ24)が繰り返されてもよい。
【0099】
以上、本実施形態に係るネットワークシステム100は、インターネット900からコンテンツを取得し再生可能な少なくとも2つの情報処理装置として携帯端末400とTV装置300とを有する。そしてコンテンツを再生する携帯端末400からTV装置300に再生引継ぎ命令が伝送される。再生引継ぎ命令を受信したTV装置300は、インターネット900から当該コンテンツを取得し再生する。これによりローカルネットワーク200内において、インターネット900上のコンテンツに対する、操作性のよい制御を実現することが可能となる。
【0100】
また携帯端末400で表示・視聴されていたコンテンツを当該携帯端末400での簡単な操作により、TV装置300で引き続き表示・視聴することができる。またローカルアドレス内に存在するコンテンツの制御を可能としていたDLNAのいわゆる3BOXでの制御により、インターネット900上のコンテンツも制御可能となる。この制御は、図1に示すホームゲートウェイ250に特別な機能を付与することなく実現可能である。
【0101】
またHDMI−CECの拡張により、簡単な方法でインターネットコンテンツの取得及び再生を指示することができる。例えばHDMI等のインターフェイスを用いて携帯端末400からTV装置300にコンテンツが伝送される。上記したように携帯端末400の再生解像度は、TV装置300の再生解像度よりも小さい。従ってTV装置300には、携帯端末400の再生解像度に合致したコンテンツがベースバンド等で伝送される。この結果、TV装置300においてスケーリング処理を実施する必要があり、最適な表示品位とはならない可能性がある。しかしながら本実施形態では、TV装置300にインターネット900からコンテンツを取得させ再生させることが可能である。従ってスケーリング処理が不要となり、最適な表示品位でコンテンツを表示することが可能となる。
【0102】
<変形例>
本発明に係る実施形態は、以上に説明した実施形態に限定されず種々変形される。
【0103】
上記ではHDMI規格やWi‐Fi規格に準拠したインターフェイスにより携帯端末400とTV装置300とがPtoP接続された。そして携帯端末400及びTV装置300間において、インターネット900上のサーバ950へのアクセスが指示された。しかしながらHDMI規格やWi‐Fi規格によらない他のインターフェイス手段により両機器がダイレクトにPtoP接続されてもよい。この場合、図4に示すステップ3において、図5に示すようなデータ構造を有するEDIDに類似するデータが用いられてもよい。
【0104】
上記では、DLNA規格に準拠したローカルネットワーク200におけるUPnPの制御メッセージにより、インターネット900上のコンテンツの取得が指示された。しかしながら、DLNA規格によらないローカルネットワーク内での再生引継ぎ命令の送受信により、インターネット900上のコンテンツの取得が指示されてもよい。
【0105】
なお上記で説明したようなTV装置300及び携帯端末400によるデータ処理は、FlashROM303及び403等の記憶領域に記憶されたソフトウェアと、TV装置300及び携帯端末400のハードウェア資源との協働により実現される。例えばCPU302又は402が記憶領域等に記憶された、ソフトウェアを構成するプログラムをDRAM304又は404にロードして実行することにより、各種のデータ処理が実現される。上記したように、CPU302は命令実行部として機能する。またCPU302及び402は、コンテンツ取得再生部として機能する。
【符号の説明】
【0106】
100…ネットワークシステム
200…ローカルネットワーク
210…PtoP接続
250…ホームゲートウェイ、DHCPサーバ
300…第1の表示装置、TV装置、シンク機器、デバイス
302…TV装置のCPU
306…HDMI受信部
315…TV装置のEthernet(登録商標)伝送部
319…TV装置のWi‐Fi伝送部
400…第2の表示装置、携帯端末、ソース機器、コントロールポイント
402…携帯端末のCPU
406…HDMI送信部
415…携帯端末のEthernet(登録商標)伝送部
419…携帯端末のWi‐Fi伝送部
420…入力部
900…インターネット
950…サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの供給源を含むグローバルネットワークとローカルネットワークとを接続するゲートウェイと、
前記ローカルネットワークに接続可能であり、前記ゲートウェイを介して前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得し再生可能な少なくとも2つの情報処理装置とを具備し、
前記2つの情報処理装置のうち、一方の情報処理装置は、
ユーザから前記コンテンツの再生を他方の情報処理装置に引き継がせるための指示を受け付ける入力部と、
前記指示が入力されたとき、前記他方の情報処理装置に、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得するために必要なコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を伝送する再生引継ぎ命令送信部とを具備し、
他方の情報処理装置は、
前記コンテンツアクセス情報を含む前記再生引継ぎ命令を受信する再生引継ぎ命令受信部と、
前記受信した再生引継ぎ命令を実行する命令実行部とを具備する
ネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムであって、
前記再生引継ぎ命令送信部及び前記再生引継ぎ命令受信部は、前記2つの情報処理装置をダイレクトに接続するインターフェイス手段を通じて再生引継ぎ命令を送受信するネットワークシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワークシステムであって、
前記インターフェイス手段は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠したインターフェイスであり、
前記再生引継ぎ命令送信部は、HDMI−CEC(Consumer Electronics Control)による制御信号に前記コンテンツアクセス情報を追加した制御信号を伝送する
ネットワークシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のネットワークシステムであって、
前記再生引継ぎ命令送信部及び前記再生引継ぎ命令受信部は、前記ローカルネットワークを通じて前記再生引継ぎ命令を送受信するネットワークシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワークシステムであって、
前記ローカルネットワークは、DLNA(Digital Living Network Alliance)規格に準拠したネットワークであり、
前記再生引継ぎ命令送信部は、UPnP(Universal Plug and Play)の制御メッセージに前記コンテンツアクセス情報を追加した制御メッセージを伝送する
ネットワークシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のネットワークシステムであって、
前記再生引継ぎ命令が、コンテンツの時刻情報を含むネットワークシステム。
【請求項7】
コンテンツの供給源を含むグローバルネットワークとローカルネットワークとを接続するゲートウェイを介して、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得し再生可能な少なくとも2つの情報処理装置を前記ローカルネットワークに接続し、
一方の情報処理装置は、
入力部にて、ユーザからコンテンツの再生を他方の情報処理装置に引き継ぐための指示を受け付け、
前記指示が入力されたとき、再生引継ぎ命令送信部にて、前記他方の情報処理装置に、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得するために必要なコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を伝送し
他方の情報処理装置は、
再生引継ぎ命令受信部にて、前記一方の情報処理装置より前記アクセス情報を含む再生引継ぎ命令を受信し、
命令実行部にて、前記受信した再生引継ぎ命令を実行する
コンテンツ再生引継ぎ方法。
【請求項8】
ゲートウェイを介してグローバルネットワークと接続可能なローカルネットワークと接続するためのネットワーク接続部と、
前記ゲートウェイを介して前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得し再生可能なコンテンツ取得再生部と、
前記コンテンツの再生を前記ローカルネットワークに接続された他の機器にて引き継がせるための指示をユーザより受け付ける入力部と、
前記指示が入力されたとき、前記他の機器に、前記グローバルネットワークから前記コンテンツを取得するために必要なコンテンツアクセス情報を含む再生引継ぎ命令を伝送する再生引継ぎ命令送信部と、
他の機器より前記アクセス情報を含む再生引継ぎ命令を受信する再生引継ぎ命令受信部と、
前記受信した再生引継ぎ命令を実行する命令実行部と
してコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−138731(P2012−138731A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289237(P2010−289237)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】